JP2005288890A - スクリーン印刷方法およびスクリーン印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置構成や駆動制御機構を複雑化することなく、簡便な方法でスクリーンの版離れを良好にする。
【解決手段】印刷対象物2をステージ1上に載置し、印刷すべきパターンの開口部を備えたスクリーン3を印刷対象物と間隔を隔てて支持すると共に、スクリーンにスキージを押し当てて移動させ、開口部を通じて印刷対象物にペーストを印刷するスクリーン印刷方法で、ステージ上の、スキージの移動終端部位置に、印刷対象物より大きな高さ(例えば0.1mm以上)を有する高台部11を設ける。更に印刷対象物の高さ以下の高さを有し、かつ高台部と印刷対象物との間に介在されて高台部を印刷対象物から離隔するスペーサ12を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、スクリーン印刷の方法および装置に係り、特に印刷対象物から間隔を隔ててスクリーンを張設するオフコンタクト式のスクリーン印刷において版離れを良好にする技術に関する。
基板の配線パターンやレジストパターンの形成、あるいは半田ペーストの塗布などにスクリーン印刷が利用される。このスクリーン印刷は、基板等の印刷対象物に対しスクリーンを接触させてペーストの印刷を行うコンタクト式と、印刷対象物とスクリーンとの間に一定の隙間を持たせるオフコンタクト式とに大別することが出来る。
このうちオフコンタクト式の印刷法では、基板等の印刷対象物をステージ上に載せ、印刷対象物との間に一定の隙間を隔てテンションを掛けた状態でスクリーンを張り渡す。スクリーンには、印刷パターンの形状を有する開口部を形成してあり、このスクリーンにスキージ(squeegee)を押し当て、スクリーンの表面に沿って移動させる。
スキージの当接位置では、スクリーンが印刷対象物の表面に押し付けられ、これによりペーストが開口部を通じて印刷対象物に転写される。スキージの通過後には、スクリーンは、スクリーンに加わっているテンションによって、印刷対象物と所定の間隔を隔てた元の位置に復帰する。
このようなスクリーン印刷技術を開示する文献として、下記特許文献1から4がある。
特開平9−314802号公報 特開平10−119243号公報 特開2001−212936号公報 特開平8−244203号公報
ところで、オフコンタクト式のスクリーン印刷法では、スキージが通過した後には、速やかにスクリーンが印刷対象物の表面から離れること(いわゆる版離れ)が必要である。スクリーンが印刷面に付着したままであると、例えば印刷されたパターンが滲んだり、パターン内に段差や縞状のスジが形成されるなど、パターンの形状精度を低下させ、印刷不良を引き起こすことがあるからである。
ところが、従来のオフコンタクト式のスクリーン印刷法では、スキージの移動に伴い印刷面とスクリーンとがなす角度は次第に小さくなり、スキージの移動終端部(スクリーンの端部)では当該角度は最も小さくなることから、スクリーンの端部(スキージの移動終端部)で版離れが悪くなるという問題があった。
特に、印刷面積が大きい場合や、スキージの移動速度が遅い場合、使用するペーストの粘度が高い場合、あるいはスクリーンと印刷面との間隔が狭い場合には、版離れ不良が生じやすい。
一方、上記特許文献1(特開平9−314802)に記載の発明では、スクリーンを保持するクランプをスキージの移動に伴い上方へ移動することにより印刷面との角度を調整する。また、特許文献2(特開平10−119243)では、スクリーンに振動を与えることで版離れを促進させる。さらに特許文献3(特開2001−212936)では、最外縁に位置する開口部位置の版離れ速度に基づいてスキージの移動速度を設定する。
しかしながら、これら文献記載の発明では、いずれもスクリーンまたはこれを保持するクランプを昇降させる機構や、振動を加える動力機構、あるいは昇降速度を制御する手段が必要となって装置が複雑化し、駆動部の設定や印刷時の制御が煩雑となる難がある。
また、特許文献4(特開平8−244203)は、印刷対象物にスクリーン全体を密着させて印刷を行った後、スクリーン全体を持ち上げて版離れさせるもので、このようなコンタクト式の印刷法においても、上記特許文献1から3の発明と同様に、スクリーンを昇降させる制御機構が必要となる。
したがって、本発明の目的は、装置構成や駆動制御機構を複雑化することなく、より簡便な方法でスクリーンの版離れを良好にすることにある。
前記課題を解決するため、本発明に係るスクリーン印刷方法は、印刷対象物をステージ上に載置し、印刷すべきパターンの開口部を備えたスクリーンを前記印刷対象物と間隔を隔てて支持するとともに、該スクリーンにスキージを押し当てて移動させ、前記開口部を通じて前記印刷対象物にペーストを印刷するスクリーン印刷方法であって、前記ステージ上の、前記スキージの移動終端部位置に、前記印刷対象物より大きな高さを有する高台部を設ける。
本発明のスクリーン印刷方法は、印刷すべきパターンの開口部を備えたスクリーンを印刷対象物から離して支持し、スキージによりスクリーンを押圧して開口部にペーストを押し込み、印刷対象物の表面(印刷面)に転写する。
スキージは、スクリーンの一端部から他端部に向け移動される。本発明では、スキージの移動終端部に、印刷面より高い高さを有する高台部を設ける。スクリーンの版離れが最も悪くなる傾向にあるスキージの移動終端部において、スキージをスクリーン(スキージによって押し下げられたスクリーンの部分)とともに該高台部に乗り上げさせて強制的に持ち上げ、スクリーンの版離れを促進するためである。
高台部は、例えば、印刷対象物を載置するステージとは別体のブロック状の部材を設けても良いし、ステージと一体にステージ上面から上方に突出して印刷対象物より高い高さを有する突出部を形成するなど、各種の構造をとることが可能である。要は、スキージが移動する工程の終端領域に印刷対象物より高い部分が形成されていれば良い。
本発明によれば、スクリーンの版離れを促すための特別な昇降駆動機構や制御機構を設けることなく、上記高台部を設けるという簡便な方法で、スクリーンの版離れが特に悪くなる傾向にあるスキージの移動終端部における版離れを促進することができ、従来より確実に版離れを行い、印刷精度を維持し、安定したスクリーン印刷を行うことが可能となる。また、版離れが良好になる分、スクリーンに加えるテンションを低くし、あるいはスクリーンと印刷対象物との距離(間隔)を小さくすることが可能となるから、印刷時のスクリーンへのテンション負荷を減らすことができ、スクリーンの寿命を延ばすことが可能となる。
また、上記本発明に係るスクリーン印刷方法では、印刷時に、前記印刷対象物の高さ以下の高さを有し、かつ前記高台部と前記印刷対象物との間に介在されて前記高台部を前記印刷対象物から離隔するスペーサを設ける場合がある。
かかるスペーサは、前記高台部を印刷対象物の端縁から離し、高台部と印刷対象物との間に間隔を形成する。このようなスペーサを設ければ、当該印刷対象物の端縁近くに印刷すべきパターン(スクリーンの開口部)があったとしても、該端縁部のパターン部分まで良好に印刷を行うことが可能となる。
前記高台部の高さは、具体的には、前記印刷対象物の印刷面より例えば0.1mm以上高くする。この程度の段差を形成することにより、スクリーン端部において版離れをより確実に行わせることが出来る。
本発明に係るスクリーン印刷装置は、印刷対象物を載置可能なステージと、印刷すべきパターンの開口部を備えて前記印刷対象物と間隔を隔てて支持され、スキージが押し当てられて移動されることにより、前記開口部を通じて前記印刷対象物にペーストを印刷するスクリーンとを備えるスクリーン印刷装置であって、前記印刷対象物より大きな高さを有する高台部を、前記ステージの上面部の、前記スキージの移動方向における終端部位置に設けたものである。
かかる装置によれば、上記本発明のスクリーン印刷方法と同様に、スキージの移動終端部において良好な版離れを実現することが出来る。
本発明によれば、装置構成や駆動制御機構を複雑化することなく、より簡便な方法でスクリーンの版離れを良好にすることが出来る。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1および図2は、本発明の一実施形態(以下、本実施形態という)に係るスクリーン印刷方法を示すものである。同図に示すように本実施形態の印刷方法では、ステージ1上に印刷対象物である基板2を載せ、該基板2の上方にスクリーン3を張り渡し支持する。スクリーン3には、基板2の表面に形成すべきパターンの形状を有する開口部(図示せず)を形成してある。スクリーンと基板の表面(印刷面)との間には、一定の間隔hを開ける。
スキージ4(図1,2では図示せず/図3〜図5参照)は、スクリーン3を印刷面に押し付けるようにスクリーン3に対し押圧され、スクリーン3の一端部(スキージの移動ストロークSの始端A)から他端部(移動ストロークSの終端B)に向け移動される。このスキージ4の移動ストロークSの終端B、すなわち、スキージの移動方向(図1矢印S)の前方には、段差ブロック11を設けてある。
段差ブロック11は、ステージ1の上面に設置し、基板2の上面より高くかつスクリーン3の支持高さより低い高さh1を有する。かかるブロック11を配置することにより、スキージ4の移動終端部で段差が形成されてスキージ4が段差ブロック11に乗り上げ、スクリーン3が基板2の表面から離れやすくなる。尚、段差ブロック11は、印刷対象物2の厚さ(高さ)に応じてその高さを調整できるようにしても良い。
また、段差ブロック11は、該ブロック11と基板2との間にスペーサ12を介在させることにより基板2と一定の間隔を隔てて配置する。スペーサ12の高さh2は、基板2の高さh0以下としておく。基板2の端縁近くに印刷すべきパターンがあっても、該端縁部のパターン部分まで確実に印刷を行えるようにするためである。
図3から図5は印刷の工程を順に示すものである。これらの図を参照して、印刷にあたっては、スクリーン3が基板2の表面に押し付けられるようにスキージ4をスクリーン3に押し当てた状態で、該スキージ4を移動ストロークSの始端Aから終端Bまで移動させ、スクリーン3上に供給するペースト(図示せず)を開口部を通じて押し込み、基板2の表面に転写する。
このとき、図5に示すようにスキージ4の移動終端部(ストローク終端付近)で、スキージ4は段差ブロック11に乗り上げ、上方に持ち上げられる。これにより、版離れが特に悪くなりがちなスキージの移動終端部でスクリーン3が基板2の表面から離れやすくなり、スクリーン3の版離れ(印刷面からの離反)を速やかに行わせることが可能となる。また、従来のスクリーン印刷においては、版離れを促進し、印刷精度を向上させるため複雑な機構を採用していたが、本実施形態によれば、複雑な制御機構や装置構成を設ける必要なく、簡便な方法でより確実に版離れを実現することが出来る。
さらに、版離れを促進する機構として従来では、ステージ自体を下降させるものがあったが、このような機構ではスクリーンに掛かるテンションが大きくなり、スクリーンの寿命が短くなる難がある。これに対し、本実施形態に係る方法によれば、スクリーンのテンションを低減することが可能で、スクリーンの寿命を延ばすことが出来る。
また本実施形態では、図3から図5に示すように、前記段差ブロック11の上面の基板側の縁部(角部)11aに丸み(所謂アール)を設けても良い。このようにスキージ4が乗り上げる側の段差ブロック11の角11aを丸くすることは、スキージ4を段差ブロック11にスムースに乗り上げさせ、またこのときスクリーン3に破損や破れが生じることを防止できる点で好ましい。
印刷対象物の種類は、特に限定されない。例えば低温焼成セラミック基板(LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)基板)のグリーンシートへの印刷、あるいはアルミナ系セラミック基板、各種の有機基板など、スクリーン印刷技術を適用可能なものであれば様々な対象物に対し本発明は広く適用することが可能である。また、印刷するペーストは、例えばクリーム半田やレジスト、導電性ペースト(例えばAg、Cu、Auペースト等)など種々のものであって良い。
印刷条件について一例を述べれば、段差ブロックの高さh1を例えば1.0mm、ギャップ(スクリーンと印刷面との距離)hを例えば1.9〜2.1mm、平スキージを使用し、スキージのスクリーンへの当接角度を例えば約50°、スキージの移動速度を例えば25mm/秒、印圧を例えば3.0kg/cm2とすることが出来る。
図6は本実施形態に従って段差ブロックを使用し、上記印刷条件で印刷を行った場合の基板の表面状態を示すもので、図7は段差ブロックを使用せずに印刷を行った状態を示すものである。各図において小さな丸い部分が配列されているが、これら丸い部分の周囲がペーストの印刷領域である。これらの図から明らかなように、段差ブロックを使用しない場合(図7)には、ペーストが非印刷部分(図中の丸い部分)へはみ出し、印刷領域と非印刷領域との境界に滲みが生じている。これに対し、段差ブロックを使用した本実施形態(図6)によれば、滲みなく所定の印刷領域にペーストを印刷することが出来る。
以上、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことができることは当業者に明らかである。
本発明の一実施形態に係るスクリーン印刷方法における印刷工程を示す側面図である。 前記図1においてスクリーンとスキージを除いた状態を示す平面図である。 前記実施形態に係るスクリーン印刷方法の印刷工程を順に示す図である。 前記実施形態に係るスクリーン印刷方法の印刷工程を順に示す図である。 前記実施形態に係るスクリーン印刷方法の印刷工程を順に示す図である。 本実施形態に従って段差ブロックを使用し、スクリーン印刷を行った場合の基板の表面状態を示す画像である。 段差ブロックを使用せずにペーストをスクリーン印刷した場合の基板の表面状態を示す画像である。
符号の説明
1 ステージ
2 基板(印刷対象物)
3 スクリーン
4 スキージ
11 段差ブロック
12 スペーサ

Claims (4)

  1. 印刷対象物をステージ上に載置し、印刷すべきパターンの開口部を備えたスクリーンを前記印刷対象物と間隔を隔てて支持するとともに、該スクリーンにスキージを押し当てて移動させ、前記開口部を通じて前記印刷対象物にペーストを印刷するスクリーン印刷方法であって、
    前記ステージ上の、前記スキージの移動終端部位置に、前記印刷対象物より大きな高さを有する高台部を設ける
    ことを特徴とするスクリーン印刷方法。
  2. 前記印刷を行うときに、
    前記印刷対象物の高さ以下の高さを有し、かつ前記高台部と前記印刷対象物との間に介在されて前記高台部を前記印刷対象物から離隔するスペーサを設ける
    ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷方法。
  3. 前記高台部の高さが、前記印刷対象物の印刷面より0.1mm以上高い
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン印刷方法。
  4. 印刷対象物を載置可能なステージと、
    印刷すべきパターンの開口部を備えて前記印刷対象物と間隔を隔てて支持され、スキージが押し当てられて移動されることにより、前記開口部を通じて前記印刷対象物にペーストを印刷するスクリーンと、
    を備えるスクリーン印刷装置であって、
    前記印刷対象物より大きな高さを有する高台部を、前記ステージの上面部の、前記スキージの移動方向における終端部位置に設けた
    ことを特徴とするスクリーン印刷装置。
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