以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施形態に係る印刷装置の全体の斜視図を図1に、この印刷装置の主要部の構成を示す平面図及び正面図を図2及び図3に、それぞれ示す。
この印刷装置は、装置本体としてのケース1を備え、ケース1の上面には、キー入力部2、液晶表示部3が設けられる。また、ケース1の前面には開口部4が配設される。プリンタ部25をカバーするプリンタカバー5が開口部4の上部に配置され、トレイ15がケース1内の収納位置から開口部4を介してケース1外に向けて引き出し可能に設けられている。
キー入力部2は、文字や記号等を入力する文字入力キーと、文字サイズを入力設定する文字サイズキーと、入力された文字を編集するための漢字変換キー及び無変換キーと、液晶表示部3上に表示されるカーソルを移動させるカーソルキーと、入力された文字列の印刷を実行するための印刷キーと、装置の電源をON・OFFするための電源キーと、トレイ15をイジェクトするためのイジェクトキーと、種々の特定機能キーとを備える。ここで、特定機能キーは、各種入力データや選択データの確定及び特定機能の動作を開始させる指示等を行なうときに操作される。
例えば、上記特定機能キーの1つとして、既に印刷した印刷情報に新たな印刷情報を追加編集して印刷を行う場合に追加の印刷情報のみを追加の印刷位置に対して印刷するための追加印刷モードと、新規の印刷モードとの何れかを指定する印刷モード設定用の機能キーがある。また、キー入力部2は、上記以外の動作に必要な制御キーを備える。
ケース1の内部にはベース6が配設され、そのベース6上にはCD−Rなどの光ディスク(情報記録媒体)45を支持するトレイ15が配置されている。また、ケース1の内部には、トレイ15に支持された情報記録媒体45の表面(レーベル面)に対して所定の文字等の印刷を行なうプリンタ部25が設けられている。プリンタ部25は、後述する印刷処理において、記録媒体45に記録されたデータに関するタイトル等の印刷を実行する。なお、情報記録媒体45は、その中央部に円孔46を有する。この円孔46の内縁に後述する回転台18の係合爪20が係合して、情報記録媒体45は回転台18に装着される。
トレイ15は、矩形でプレート状のトレイ本体16を備え、トレイ本体16上には、情報記録媒体45を支持し回転軸17を中心に回転可能な回転台18が配置されている。この回転台18の表面には緩衝材シート19が貼設され、中央部には情報記録媒体45の円孔46の内縁に係合する複数の係合爪20が回転台18の表面から突設されている。このトレイ15は、ケース1内の左右の位置でベース6に設けた案内レール7a、7bに沿って案内されて、装置内外に移動可能に配置されている。
トレイ本体16の片側の側縁にはラック8が設けられている一方、ケース1内にはラック8と噛み合う駆動ギア9およびギア列10を介して駆動ギア9を正逆回転させるステッピングモータ(トレイ駆動モータ)11が設けられている。そして、イジェクトキーの操作によりモータ11が正転駆動されて装置内の収納位置にあるトレイ15がケース1の前面に形成された開口部4から装置外に排出され、またイジェクトキーの操作によりモータ11が逆転駆動されて装置外に位置するトレイ15が装置内の収納位置まで移動される。
なお、ケース1には、トレイ15が装置内の収納位置に移動したことを検出する位置検出スイッチ12が設けられる。また、トレイ15が情報記録媒体45の着脱が可能な装置外の排出位置まで移動したことを検出する位置検出スイッチ13が設けられる。この位置検出スイッチ12,13の信号に基づいてモータ11の駆動が制御されて、トレイ15がケース1内外での所定の停止位置に停止するように制御される。これらの位置検出スイッチ12、13はトレイ本体16に設けた不図示のスイッチ操作用の突起部によって作動する。
回転台18は、その回転軸17がトレイ本体16に軸支されており、トレイ本体16に対して回転可能に構成されている。この回転台18は、トレイ本体16の裏面側に設けられたステッピングモータ(回転台駆動モータ)21を駆動源とし、ギア列22を介してモータ21の駆動力が回転軸17に伝達されることにより反時計回りに回転駆動される。
なお、トレイ本体16には、回転台18の初期位置を検出するための回転位置検出スイッチ23が設けられている。この検出スイッチ23は回転台18の外周縁に設けた不図示のスイッチ操作用の突起部によって作動される。
また、前述したように、ケース1内に配置されるプリンタ部25は、熱転写プリンタから構成され、収納位置にあるトレイ15の回転台18と対向する。
このプリンタ部25は、ブリッジ形状のプリンタフレーム26を備える。このプリンタフレーム26は、両端部に設けられた脚部27a、27bがケース1内のベース6に固定される。脚部27a、27bの間に水平方向に架け渡して配設された水平フレーム部27cが回転台18の回転中心部からケース1の前面側に偏って配置されている。
このプリンタフレーム26は、サーマルヘッド32を搭載したキャリッジ31を支持すると共に、キャリッジ31を回転台18に沿って往復走行させる走行路を形成する。このプリンタフレーム26には、キャリッジ31を摺動自在に案内するガイドシャフト28が水平フレーム部27cと並行して設けられている。また、水平フレーム部27cの回転台18との対向面側に沿って、ラック29およびキャリッジ31を案内するガイドレール30が配置されている。ラック29は、キャリッジ31の走行時にキャリッジ31に設けられた駆動ギア34と噛み合う。このキャリッジ31は、そこに搭載したステッピングモータ(キャリッジ駆動モータ)33によりラック29と噛み合う駆動ギア34を駆動してラック29に沿って往復移動する自走方式をとっている。
キャリッジ31の前面側には熱転写印刷のためのインクリボンを収容したリボンカートリッジ40が装着され、このリボンカートリッジ40はケース1の前面に設けたプリンタカバー5を開いて交換が可能になっている。
また、以下に述べるように、キャリッジ31には、モータ33を駆動源としてカム機構などによってサーマルヘッド32を印刷位置と非印刷位置とに移動させるヘッド移動機構、モータ33を駆動源としてリボン巻取軸35を駆動してインクリボンを巻き取るリボン巻取機構が設けられる。
図4は前記印刷装置のキャリッジ31を含むプリンタ部25の部分正面図および当該キャリッジ31に装着されるリボンカセット40の正面図である。
キャリッジ31の前面側には、サーマルヘッド32及びリボン巻取軸35が設けられるとともに、キャリッジ31に装着されるインクリボン80を収容したリボンカセット40を係止するための係止部31a、31bが設けられる。更に、キャリッジ31の前面側には、リボンカセット40の装着の有無およびインクリボン80のカラーの種類に応じたカセットの種類を検知するためのカセット種類検知スイッチ36a,36bが設けられる。
一方、キャリッジ31に装着されるリボンカセット40のカセットケース81には、キャリッジ31に設けられる係止部31a、31bに係合される被係止部81a、81bが形成され、サーマルヘッド32が挿入される凹部であるヘッド挿入部82が形成されている。
このカセットケース81内には、リボン供給コア83とりボン巻取りコア84とが設けられ、リボン供給コア83にはインクリボン80がロール状に巻装されている。このリボン供給コア83から繰り出されたインクリボン80が、複数のガイドピン85a,85bを経て巻取りコア84に掛け止められる。さらに、インクリボン80は、リボン巻取軸35に嵌装される巻取りコア84の正回転に応じて、順次巻取りコア84に巻き取られる。インクリボン80の中途部分は、ケース81の外部に露出してサーマルヘッド32が位置する上記ヘッド挿入部82の下面側を走行するようになっている。
また、カセットケース81の裏面側には、前記キャリッジ31に設けられるカセット種類検知スイッチ36a,36bの位置に対応させた2つのスイッチ挿入孔86a、86bが、当該カセット40に収容されるインクリボン80のインク色の種類に応じて選択的に設けられる。つまり、この印刷装置に使用可能なリボンカセット40には、2つのスイッチ挿入孔86a、86bの両方(86a,86b)が設けられたカセットケース81と、何れか片方(86aまたは86b)が設けられたカセットケース81と、何れも設けられないカセットケース81との4種類が用意されており、当該リボンカセット40に収容されるインクリボン80のインク色の種類が、スイッチ挿入孔の組合せにより作動する前記キャリッジ31の前面に設けたカセット種類検知スイッチ36a,36bのON/OFF信号の組合せに応じて検知される。
なお、キャリッジ31に設けられるカセット種類検知スイッチ36a,36bは、リボンカセット40の対応位置にスイッチ挿入孔86a、86bがない場合に押圧されてON状態となり、リボンカセット40の対応位置にスイッチ挿入孔86a、86bがある場合にOFF状態となる。
そして、サーマルヘッド32は、リボンカセット40から繰り出されるインクリボン80を挟んで、停止状態の回転台18上に静止して保持される情報記録媒体45の信号記録面とは反対側のレーベル面に圧接される。サーマルヘッド32は、この状態でキャリッジ31と一体にガイドシャフト28に沿って図3の左側から右側へ移動し、この移動中に、インクリボン80のインクを溶融しながら情報記録媒体45の表面に所定の像を熱転写する方式で印刷を行うようになっている。従って、サーマルヘッド32の発熱素子列の幅(主走査方向の幅)とその幅に直交するサーマルヘッド32の移動距離(副走査方向の長さ)で定まる矩形状の領域が1回の印刷動作による印刷範囲となる。
このプリンタ部25では、モータ33の正転駆動によって、キャリッジ31を図3の左側から右側に向けて移動させると共に、ヘッド移動機構によりサーマルヘッド32を情報記録媒体45に当接する印刷位置に移動させてその位置に保持する。さらに、リボン巻取機構によりリボン巻取軸35を駆動して熱転写に使用されたインクリボン80の巻取りを行う。また、モータ33の逆転駆動によって、サーマルヘッド32を非印刷位置に移動させてその位置に保持すると共に、キャリッジ31を図3の右側から左側に向けて復帰移動させる。リボン巻取機構にはワンウエイクラッチ機構が設けられており、キャリッジ31の復帰移動の際には、リボン巻取軸35の駆動は行われない。
図1において、破線で示す情報記録媒体45上の領域A1はプリンタ部25の1回の印刷動作での印刷可能領域である。この印刷装置では、トレイ15がケース1内の所定の収納位置に収納され、回転台18が停止した状態で、プリンタ部25によって印刷が行われる。同じく領域A2も、回転台18を所定の角度(例えば図1では180°)回転して印刷動作を繰り返した場合における、プリンタ部25の1回の印刷動作による印刷可能領域である。この短冊状の領域A1,A2の幅は、サーマルヘッド32の発熱素子列の幅に対応し、長さは印刷動作時にサーマルヘッド32の移動する距離である。
図5は本実施形態に係る印刷装置の電子回路の構成を示している。
この印刷装置の備える制御部50には、キー入力部2と、表示制御部51と、駆動回路52,53,54,55と、トレイ15の位置検出スイッチ12、13と、回転台18の回転位置検出スイッチ23と、カセット種類検知スイッチ36a,36bとが接続される。なお、ここでは、制御部50の内部構成について詳細には説明しない。
制御部50は、各種演算及び制御を行うための中央演算処理装置CPU(Central Processing Unit)若しくはMPU(Micro Processing Unit)等の他に、図5に示す各構成要素との間で各種信号を入出力するための信号入出力装置等から構成される。
表示制御部51は、液晶表示部3に表示データを出力するための表示用RAMを有する。駆動回路52,53,54,55は、それぞれ、トレイ駆動モータ11、回転台駆動モータ21、キャリッジ駆動モータ33及びサーマルヘッド32を駆動するためのものである。
また、制御部50には、フォントROM56、ROM57及びRAM58が接続され、フォントROM56には、多数の文字や記号について、表示用ドットパターンが記憶されると共に、印字用ドットパターンが大小の文字サイズ分記憶されている。ROM57には、後述する処理を行うための各種プログラムが格納されると共に、前記サーマルヘッド32による1回の印刷可能領域に対しての印刷文字列を所定の書式(1行字数/行数/文字サイズ/文字ピッチ/行ピッチなど)にして配置するための印刷書式データを予め記憶した印刷書式データ記憶部57aが設けられる。
上記プログラムとして、例えば、表示制御プログラム、印刷制御プログラム、印刷駆動制御プログラムなどがある。表示制御プログラムは、キー入力部2から入力された文字のコードデータに対応させて表示制御部51を制御する。印刷制御プログラムは、後述する入力バッファ58aに記憶された文字列及び設定された印刷書式データに基づいて、印刷用ドットパターンデータを作成する。印刷駆動制御プログラムは、作成された印刷用ドットパターンデータを1列ずつサーマルヘッド32に出力する。制御部50は、これらのプログラムに基づいて印刷装置各部を制御して、所定の動作を行わせる。
さらに、RAM58には、表示制御部51へ転送する表示データを記憶するための表示バッファ58b、印刷データの編集用データを記憶するための印刷情報編集バッファ58c、前記サーマルヘッド32による印刷データを記憶するための印刷バッファ58d、前記印刷情報編集バッファ58dにて編集記憶されて被印刷データとして確定された印刷データをそのデータ識別コードを対応付けて記憶するための印刷情報登録バッファ58e、新規印刷モードまたは追加印刷モードの何れかの印刷モードの設定データを記憶するための印刷モード設定バッファ58fなど、各種作業用バッファが設けられる。
なお、前記印刷情報編集バッファ58cや印刷情報登録バッファ58eにて記憶する印刷データには、その行データ毎に印刷済みか未印刷かを示すための印刷済みフラグを対応付けて共に記憶する。
次に、このように構成された印刷装置の動作について説明する。
(第1実施形態)
この第1実施形態では、タイトル印刷の対象となる情報記録媒体45として、データ情報を追加的に記録可能なCD−R,DVD−Rやデータ情報の書き換えが可能なCD−RW,DVD−RWの表面(レーベル面)に印刷を行なう場合の印刷動作につい説明する。なお、これらの追記あるいは書換可能な情報記録媒体のレーベル面は、インクリボンによる熱転写印刷に適した平坦面を有しており、あるいはインクを受理するための表面処理がなされている。
図6は前記印刷装置の第1実施形態の印刷処理を示すフローチャートである。
図7は前記印刷装置の第1実施形態の印刷処理に伴う第1の追加印刷情報編集処理を示すフローチャートである。
図8は前記印刷装置の第1実施形態の印刷処理に伴う第2の追加印刷情報編集処理を示すフローチャートである。
図9は前記印刷装置の第1実施形態の印刷処理に伴い表示される印刷情報の編集画面(a)および追加編集画面(b)(c)(d)を示す図である。
図10は前記印刷装置の第1実施形態の印刷処理に伴い表示される印刷情報の再編集画面(a)および再追加編集画面(b)(c)および取消線追加編集画面(d)を示す図である。
図11は前記印刷装置の第1実施形態の印刷処理に伴う新規印刷パターン情報(a)および追加印刷パターン情報(b)(c)および取消線追加印刷パターン情報(d)を示す図である。
図12は前記印刷装置の第1実施形態の印刷処理による情報記録媒体への新規タイトル印刷状態および追加タイトル印刷状態を示す図である。
図13は前記印刷装置の第1実施形態の印刷処理による情報記録媒体への再追加タイトル印刷状態および取消線追加タイトル印刷状態を示す図である。
なお、図1に示すように、この印刷装置では、情報記録媒体45の2箇所の印刷領域に対して印刷可能であるが、ここでは説明を簡単にするため、1箇所の印刷領域A1に印刷する場合について説明する。また、この印刷装置では、プリンタ部25の1回の印刷動作により印刷可能領域A1内に印刷する最大印刷行数を6行とした印刷書式データが印刷書式データ記憶部57aに予め記憶されている。
図6で示す印刷処理が起動されるのに伴い表示部3に表示された印刷データの編集の種類を選択するための編集種類選択画面(図示せず)において(ステップS1)、まず、新規で印刷を行うための「新規編集」が選択されると(ステップS2)、図9(a)に示すように、新規印刷情報編集画面G1aが表示部に表示され、この新規印刷情報編集画面G1aにおいて、キー入力部2の各種文字入力キーの操作に応じたカーソルkの移動に伴い、情報記録媒体45の現在の記録情報に応じた、例えば3つのタイトル(1)(2)(3)の文字列が3行に入力編集されて表示される(ステップS3)。
この際、編集中の印刷情報はRAM58内の印刷情報編集バッファ58cに記憶されている。
そして、キー入力部2の操作により印刷の実行が指示されると(ステップS4)、前記新規印刷情報編集画面G1aにて編集表示された文字列に対応して印刷情報編集バッファ58cに記憶されている新規の印刷情報が、図11(a)に示すように、印刷書式に従って印刷バッファ58d上に印刷パターンデータとして展開され(ステップS5)、さらにこの新規の印刷パターンに対応付けて当該印刷データの識別コード(例えば「No.001」)の印刷パターンデータが印刷情報の印刷パターンデータに付加して展開される(ステップS6)。
すると、この印刷バッファ58dに展開記憶された3つのタイトル(1)(2)(3)とその識別コードからなる新規印刷データが1列のドットパターンデータずつサーマルヘッド32から印刷出力されると共に、キャリッジ駆動モータ33が駆動制御されて該サーマルヘッド32のキャリッジ31が移動され、停止中の回転台18上に位置決めされた情報記録媒体45表面の領域A1に対して、図12(a)に示すように、新規タイトルP1として印刷される(ステップS7)。
すると、今回印刷された新規タイトルP1に対応する印刷情報を登録して保存しておくか否かのユーザー指示を促すメッセージが表示部3に表示され、印刷済み情報の登録が指示されると(ステップS8)、前記新規タイトルP1に対応する印刷情報とその識別コードが、当該印刷情報の印刷行毎に印刷済みフラグをセットして印刷情報登録バッファ58eに登録される(ステップS9)。
一方、前記ステップS3において、図9(a)で示した新規印刷情報編集画面G1aにて新規の印刷情報の入力編集が行われた後、ステップS4において、当該新規印刷情報の登録が指示されると、印刷情報編集バッファ58cにて編集記憶されている印刷情報に対してその識別コードが付加されて印刷情報登録バッファ58eに登録される(ステップS10)。
次に、前記新規タイトルP1(図12(a)参照)を印刷した情報記録媒体45に新たな情報を追加で記録してその追加のタイトルを印刷したい場合に、前記ステップS1において、追加部分印刷モードを設定し、追加の印刷情報を入力編集するための「追加編集」を選択すると(ステップS2)、前記新規タイトルP1にて印刷された識別コードの入力を促す識別コード入力画面が表示部3に表示される。
この識別コード入力画面に従いその識別コード(この場合“001”)を入力すると(ステップS11)、この入力された識別コードと一致する識別コードが対応付けられて登録されている印刷情報が、印刷情報登録バッファ58e内の登録済み印刷情報の中から検索されて呼び出され(ステップS12)、図9(b)に示すように、追加印刷情報編集画面G1bにて表示部3に表示される(ステップS13)。
この際、追加印刷情報編集画面G1bにて表示された登録済みの印刷情報は、その印刷行毎にセットされている印刷済みフラグに従った範囲(印刷済み範囲X)を、表示部がモノクロ画面であれば印刷済みの範囲の背景全体を網掛けで表示したり、表示部がカラー画面であれば印刷済みの範囲の背景全体を色付けするなどにより、表示画面の印刷済領域と追加編集可能な領域とが互いに異なる表示態様で識別表示される。この識別表示は、文字を普通文字と太文字とで識別したり、文字の色を変えたり、白黒の反転表示としたり、点灯表示と点滅表示とで区別するなどの適当な表示形態が採用できる。
すると、図7における第1の追加の印刷情報の編集処理に移行され(ステップSA)、この追加印刷情報編集処理において、キー入力部2の各種文字入力キー,文字制御キーの操作に応じて、前記情報記録媒体45に対する追加の記録情報のタイトルに応じた文字列の入力編集処理が行われ(ステップA2)、図9(c)に示すように、追加タイトル(4)の入力文字列が順次表示されると共に(ステップA3)、カーソルkが次の文字入力位置に移動表示される(ステップA4)。
この追加印刷情報編集画面G1bに対する追加のタイトルに応じた文字列の入力・編集表示中にあって、カーソル移動キーが操作されたと判断されると(ステップA5)、このキー操作に応じた当該編集画面G1b上でのカーソルkの移動先が前記色付け表示された印刷済み範囲Xである印刷済みタイトルの行位置であるか否か判断される(ステップA6)。
ここで、前記カーソル移動キーの操作に応じた編集画面G1b上でのカーソルkの移動先が前記色付け表示された印刷済み範囲Xである印刷済みタイトルの行位置ではないと判断された場合には、そのカーソル操作に従った方向にカーソルkが移動されて表示される(ステップA6→A7)。
一方、前記カーソル移動キーの操作に応じた編集画面G1b上でのカーソルkの移動先が前記色付け表示された印刷済み範囲Xである印刷済みタイトルの行位置であると判断された場合には、警報音の出力や警報メッセージの表示によりカーソル操作のエラーが報知され(ステップA6→A8)、カーソルkは移動操作前の表示位置において停止されたまま表示される(ステップA9)。
これによれば、印刷済みであるタイトルの行位置を印刷済み範囲Xとして色分けして明確に識別表示できるだけでなく、この印刷済みのタイトルの範囲に対して文字の入力位置を指定するカーソルkが移動されてしまうことを阻止し、誤って印刷済みのタイトルを編集してしまうことを防止することができる。
そして、この第1の追加の印刷情報編集処理に従って、図9(d)に示すように、追加タイトル(4)の全ての入力文字列が順次表示された後(ステップA1〜A4)、終了キーが操作されたと判断されると(ステップA10)、今回の追加の印刷情報編集処理(ステップSA)は終了され、これにより追加編集された印刷情報の印刷を行うか、または登録のみ行うかが判断される(ステップS14)。
ここで、キー入力部2の操作により前記追加編集された印刷情報の印刷の実行が指示されたと判断されると(ステップS14)、さらに、印刷モードの設定内容が前記ステップS1にて設定された追加部分印刷モードであると判断され(ステップS15)、前記追加印刷情報編集画面G1bにて編集表示された文字列に対応して印刷情報編集バッファ58cに記憶されている印刷情報のうちで、印刷済みフラグがセットされている行位置を除いた追加のタイトル(4)部分のみの印刷情報が読み出され、図11(b)に示すように、印刷バッファ58d上に印刷パターンデータとして展開される(ステップS16)。
すると、この印刷バッファ58dに展開記憶された追加のタイトル(4)の印刷データが1列のドットパターンデータずつサーマルヘッド32から印刷出力されると共に、キャリッジ駆動モータ33が駆動制御されて該サーマルヘッド32のキャリッジ31が移動され、既に新規タイトルP1(図12(a)参照)が印刷されている情報記録媒体45表面の領域A1に対して、図12(b)に示すように追加タイトルP2として印刷される(ステップS17)。
すると、今回印刷された追加タイトルP2に対応する印刷情報を登録して保存しておくか否かのユーザー指示を促すメッセージが表示部3に表示され、印刷済み情報の登録が指示されると(ステップS18)、前記追加タイトルP2に対応する印刷情報にも、その印刷行毎の印刷済みフラグがセットされ、同印刷情報の識別コード“001”が対応付けられて印刷情報登録バッファ58eに登録される(ステップS19)。
一方、前記ステップSAにおいて、図9(b)〜図9(d)で示した追加印刷情報編集画面G1bにて追加の印刷情報の入力編集が行われた後、ステップS14において、当該追加印刷情報の登録が指示されると、印刷情報編集バッファ58cにて編集記憶されている追加後の印刷情報に対してその識別コードが付加され、先に登録済みの印刷情報と共に印刷情報登録バッファ58eに登録される(ステップS20)。
また次に、前記新規タイトルP1(図12(a)参照)に追加して追加タイトルP2(図12(b)参照)を印刷した情報記録媒体45にさらに新たな情報を再追加で記録してその再追加のタイトルを印刷したい場合に、前記ステップS1において、追加部分印刷モードを設定し、再追加の印刷情報を入力編集するための「追加編集」を選択すると(ステップS2)、前記新規タイトルP1および追加タイトルP2にて印刷されている識別コードの入力を促す識別コード入力画面が表示部3に表示される。
この識別コード入力画面に従い前回同様の識別コード(この場合“001”)を入力すると(ステップS11)、この入力された識別コードと一致する識別コードが対応付けられて登録されている印刷済みのタイトル(1)〜(4)からなる印刷情報が、印刷情報登録バッファ58e内の登録済み印刷情報の中から検索されて呼び出され(ステップS12)、図10(a)に示すように、追加印刷情報編集画面G1bにて表示部3に表示される(ステップS13)。
この際、追加印刷情報編集画面G1bにて表示された登録済みの印刷情報(タイトル(1)〜(4))は、その印刷行毎にセットされている印刷済みフラグに従った範囲で、印刷済みの印刷情報であることを示す印刷済み範囲Xとして色分けして識別表示される。
そして、前記追加印刷情報編集画面G1bにおいて、前回同様の第1の追加印刷情報編集処理(ステップSA)に従い、図10(b)、図10(c)に示すように、さらなる追加タイトル(5)(6)の全ての入力文字列が順次表示された後(ステップA1〜A4)、終了キーが操作されたと判断されると(ステップA10)、今回の再追加の印刷情報編集処理(ステップSA)は終了され、これにより追加編集された印刷情報の印刷を行うか、または登録のみ行うかが判断される(ステップS14)。
ここで、キー入力部2の操作により前記再追加編集された印刷情報の印刷の実行が指示されたと判断されると(ステップS14)、さらに、印刷モードの設定内容が前記ステップS1にて設定された追加部分印刷モードであると判断され(ステップS15)、前記追加印刷情報編集画面G1bにて編集表示された文字列に対応して印刷情報編集バッファ58cに記憶されている印刷情報のうちで、印刷済みフラグがセットされている行位置を除いた追加のタイトル(5)(6)部分のみの印刷情報が読み出され、図11(c)に示すように、印刷書式に従って印刷バッファ58d上に印刷パターンデータとして展開される(ステップS16)。
すると、この印刷バッファ58dに展開記憶された再追加のタイトル(5)(6)の印刷データが1列のドットパターンデータずつサーマルヘッド32から印刷出力されると共に、キャリッジ駆動モータ33が駆動制御されて該サーマルヘッド32のキャリッジ31が移動され、既に新規タイトルP1(図12(a)参照)および1回目の追加タイトルP2(図12(b)参照)が印刷されている情報記録媒体45表面の領域A1に対して、図13(a)に示すように再追加タイトルP3として印刷される(ステップS17)。
すると、今回印刷された再追加タイトルP3に対応する印刷情報を登録して保存しておくか否かのユーザー指示を促すメッセージが表示部3に表示され、印刷済み情報の登録が指示されると(ステップS18)、前記再追加タイトルP3に対応する印刷情報にも、その印刷行毎の印刷済みフラグがセットされ、同印刷情報の識別コード“001”が対応付けられて印刷情報登録バッファ58eに登録される(ステップS19)。
これにより、情報記録媒体45の記録情報の追加記録に合わせて、当該追加して記録した情報のタイトルを、既に記録されている情報のタイトル印刷をそのままに適切に追加して印刷できるようになる。
一方、前記追加や再追加で入力編集した印刷情報の追加部分印刷だけでなく、印刷済みフラグがセットされている行位置の印刷情報をも含めた全ての印刷情報を、例えば新しい情報記録媒体45に対して改めてタイトル印刷するために、前記ステップS1において、全部印刷モードが設定されている場合には、前記ステップS15において全部印刷モードが設定されていると判断される。
すると、前記追加印刷情報編集画面G1bにて編集表示された文字列とその印刷書式パターンに対応して印刷情報編集バッファ58cに記憶されている印刷情報の、印刷済みフラグがセットされている行位置をも含めた全ての印刷情報が読み出され、その識別コードも共に印刷バッファ58d上に印刷パターンとして展開される(ステップS21)。
すると、この印刷バッファ58dに展開記憶された全タイトル(1)〜(6)および識別コードからなる印刷データが1列のドットパターンデータずつサーマルヘッド32から印刷出力されると共に、キャリッジ駆動モータ33が駆動制御されて該サーマルヘッド32のキャリッジ31が移動され、新たな情報記録媒体45表面の領域A1に対して全印刷される(図12(c)参照)(ステップS22)。
これにより、既に印刷済みのタイトルを含めて追加編集したタイトルまで、全てのタイトルを新しい情報記録媒体45に対して改めて印刷する場合に、当該印刷済みのタイトルを再利用して容易に新たなタイトル印刷を行うことができる。
次に、既に情報記録が行われ、この記録情報に対応するタイトル印刷も実施された情報記録媒体45に対して、例えば古い実験データなど、ある記録済みの情報を無効として示したい場合に、印刷済みの任意タイトル上に追加で取消線の印刷を行う第2の追加印刷情報編集処理(ステップSB)(図8参照)とその印刷処理について説明する。
例えば一定期間毎に測定される実験データを情報記録媒体45に順次追加して記録すると共に、その実験データの測定毎に該測定日を順次追加の印刷情報として追加編集してタイトル印刷している場合に、前述した追加部分印刷モードでの印刷処理に伴い、前記ステップS11において、既に印刷済みの実験データのタイトルと共に印刷されている識別コードを入力すると、当該識別コードと一致する識別コードが対応付けられて登録されている印刷情報が印刷情報登録バッファ58e内の登録済み印刷情報の中から検索されて呼び出され(ステップS12)、図10(d)に示すように、追加印刷情報編集画面G1bにて表示部3に表示される(ステップS13)。
なお、この時点では、印刷済み範囲Xにのみ実験データのタイトル(「2004年2月12日」〜「2004年3月4日」)が存在し、追加の実験データのタイトル(「2004年3月11日」「2004年3月18日」)および文字取消線Yは存在しない。
そして、図8における第2の追加印刷情報編集処理に移行され、情報記録媒体45に対して前記追加で情報記録した実験データについてのタイトル(「2004年3月11日」「2004年3月18日」)を追加で入力するのに、キー入力部2の各種文字入力キー,文字制御キーが操作されると(ステップB1)、その時点で前記追加印刷情報編集画面G1b上での文字入力位置となるカーソルkが印刷済み範囲X内の印刷済みのタイトル文字位置にないことが判断確認された後(ステップB2)、前記追加の実験データのタイトルに応じた文字列の入力編集処理が行われ(ステップB3)、図10(d)で示したように、追加の実験データのタイトル(「2004年3月11日」「2004年3月18日」)の入力文字列が順次表示されると共に(ステップB4)、カーソルkが次の文字入力位置に移動表示される(ステップB5)。
この追加印刷情報編集画面G1bに対する第2の追加印刷情報の編集処理中にあって、カーソル移動キーが操作されたと判断された場合には(ステップB6)、このカーソル移動キーの操作に従った方向にカーソルkが移動されて表示される(ステップB7)。
そして、印刷対象の情報記録媒体45に対して既に情報記録済みである、例えば「実験データ2004年2月19日」を無効として示すために、その実験データタイトル上にカーソルkを移動表示させて(ステップB6→B7)、キー入力部2により文字取消線のキー入力操作を行う(ステップB8)。すると、その時点でカーソルkが取り消し対象の実験データタイトルが存在する印刷済み範囲X内の印刷済みのタイトル文字位置にあることが判断確認された後(ステップB9)、図10(d)に示すように、前記印刷済みのタイトル「実験データ2004年2月19日」上に文字取消線Yが入力されて表示され(ステップB10)、カーソルkが次の文字入力位置に移動表示される(ステップB11)。
これによれば、追加の新たな文字入力時には印刷済みのタイトル範囲Xに対してカーソルkの移動を許容するものの、そのカーソルkの移動先での文字取消線Yの入力のみを許容し、文字の入力編集を禁止するため、誤って印刷済みのタイトルを変更してしまうことを防止できるばかりでなく、過去の印刷済みタイトルに対して文字取消線Yを追加で印刷付加することで、その文字取消線Yが重ねて上書きされたタイトル文字に対応する記録データが無効であることを表示することができる。
こうして、第2の追加の印刷情報編集処理に従って、図10(d)に示すように、追加の実験データタイトル(「2004年3月11日」「2004年3月18日」)の全ての入力文字列が順次表示されると共に(ステップB1〜B5)、過去に印刷済みで無効としたい実験データタイトルについて文字取消線Yが入力表示された後(ステップB8〜B11)、終了キーが操作されたと判断されると(ステップB12)、今回の追加の印刷情報編集処理(ステップSB)は終了され、これにより追加編集された印刷情報の印刷を行うか、または登録のみ行うかが判断される(ステップS14)。
ここで、キー入力部2の操作により前記追加編集された印刷情報(実験データタイトル)の印刷の実行が指示されたと判断されると(ステップS14)、さらに、印刷モードの設定内容が前記ステップS1にて設定された追加部分印刷モードであると判断され(ステップS15)、前記追加印刷情報編集画面G1bにて文字取消線Yを追加して編集表示された文字列とその印刷書式パターンに対応して印刷情報編集バッファ58cに記憶されている印刷情報のうちで、追加の実験データタイトルと文字取消線Yの部分のみの印刷情報が読み出され、図11(d)に示すように、印刷バッファ58d上に印刷パターンとして展開される(ステップS16)。
すると、この印刷バッファ58dに展開記憶された追加の実験データタイトルと文字取消線Yの印刷データが1列のドットパターンデータずつサーマルヘッド32から印刷出力されると共に、キャリッジ駆動モータ33が駆動制御されて該サーマルヘッド32のキャリッジ31が移動され、既に過去の実験データタイトルが印刷されている情報記録媒体45表面の領域A1に対して、図13(b)に示すように追加の実験データタイトルおよび無効の実験データタイトルP5として印刷される(ステップS17)。
すなわち、前記図10(d)、図11(d)、図13(b)を参照して説明した第2の追加印刷情報編集処理(図8参照)に基づく印刷処理では、最初の新規印刷で、「実験データ2004年2月12日」、「実験データ 2004年2月19日」、「実験データ 2004年2月26日」及び「実験データ 2004年3月4日」の各文字列を印刷した後に、追加編集において、「実験データ 2004年2月19日」の文字列上に取消線Yを重ねて入力するとともに、「実験データ 2004年3月11日」及び「実験データ 2004年3月18日」の文字列を新たに追加入力したものである。この結果、追加編集に係る取消線Y及び2つの追加入力した文字列の印刷パターン情報が作成され、情報記録媒体45に印刷される。
これによれば、CD−Rなどの追記型の情報記録媒体では、一旦書き込んだデータ情報が不要になったり、無効になったりした場合に、そのデータ情報を削除することはできないものの、その不要のデータ情報に関する印刷済のタイトル文字に取消線Yを追加印刷することにより、そのデータ情報が有効ではないことを表示することができ、データの管理を容易に行うことができる。
したがって、前記構成の印刷装置による第1実施形態の印刷機能によれば、印刷情報登録バッファ58eに登録される印刷情報のうち印刷済みの印刷情報には印刷済みフラグをセットして登録し、この登録された印刷情報に基づいて追加の印刷情報を入力編集して印刷する際には、前記印刷済みフラグがセットされた印刷済みの印刷情報を除いた追加の印刷情報の部分のみを追加で印刷するので、特に、CD−RやDVD−Rなどデータ情報を追記可能な情報記録媒体45において、データ情報の追加記録に伴い当該追加の記録情報に対応したタイトルのみ追加印刷するのを容易且つ効率的に行うことができる。
また、前記構成の印刷装置による第1実施形態の印刷機能によれば、追加部分印刷モードでは、印刷済みフラグがセットされた印刷済みの印刷情報を除いた追加の印刷情報の部分のみを追加で印刷し、全部印刷モードでは、追加の印刷情報を含む全ての印刷情報を一括で印刷するので、既に記録済みのデータ情報に対して新たなデータ情報を追加し、その全データ情報を新たな情報記録媒体45に改めて記録する場合に、当該データ情報に対応して過去に登録済みのタイトル印刷情報に対して追加のデータ情報に対応するタイトル印刷情報を追加して編集するだけで、非常に簡単に新たな情報記録媒体45へのタイトル印刷を行うことができる。
また、前記構成の印刷装置によれば、新規で印刷情報を印刷する際には、その印刷情報に対応付けた識別コードを付加して印刷し、追加の印刷情報を入力編集して追加の部分印刷を行う際には、前記印刷した識別コードに基づいて追加の対象となる元の印刷情報を呼び出し、追加印刷情報の入力編集を行うので、個々の情報記録媒体45に対応するタイトル印刷情報を正確に且つ容易に呼び出して追加の編集処理を行うことができる。
また、前記構成の印刷装置によれば、追加の印刷情報を入力編集して印刷した追加印刷後の印刷情報を、印刷済みフラグセットして再登録するので、2回目以降の追加タイトルの編集・印刷にあっても、元の印刷情報を有効に利用して繰り返し容易に追加のタイトル印刷を行うことができる。
また、前記構成の印刷装置によれば、追加印刷情報編集画面G1bにて追加の印刷情報を入力編集する際には、識別コードに対応して呼び出し表示させた印刷情報のうちで、印刷済みの印刷情報と追加編集する印刷情報とを異なる表示態様により識別表示するので、追加の編集対象部分と単なる参照表示部分とを明確に区別して表示できるようになる。
また、前記構成の印刷装置によれば、追加印刷情報編集画面G1bにおいて色分け表示された印刷済み範囲Xに対し、文字入力時にはカーソルkの移動を阻止し、文字取消線の入力時にはカーソルkの移動を許可するので、追加のタイトルを入力編集して印刷する際に、不用意に印刷済みのタイトル部分を改変してしまうのを確実に防止することができ、しかも、無効となったデータ情報のタイトルに取消線を追加で印刷して表記できるようになる。
また、前記構成の印刷装置によれば、印刷情報の入力編集を行った後、これを印刷しないで登録した場合には、当該未印刷情報には前記印刷済みフラグがセットされずに登録されるので、新規印刷情報の編集または追加印刷情報の編集の何れにあっても、その編集後の印刷情報を登録だけして、次の機会に呼び出して印刷できるようになる。
また、前記構成の印刷装置によれば、印刷情報に対応付けられる識別コードは、当該印刷情報を最初に印刷するときにのみ共に印刷し、追加の印刷情報の編集後に当該追加の印刷情報の部分印刷を行うときには印刷しないので、印刷情報の追加と印刷を繰り返す場合に識別コードの無駄な重複印刷を防止できるようになる。
なお、前記第1実施形態の印刷機能では、情報記録媒体45に記録済みのデータ情報のうち、無効にしたいデータ情報の印刷済みタイトル、あるいは当該情報記録媒体45が書き換え可能なCD−RWやDVD−RWである場合に削除したデータ情報の印刷済みタイトルについては、第2の追加印刷情報の編集処理(ステップSB:図8参照))によって、文字取消線Yを追加編集して印刷することで、該当する印刷済みのタイトルを無効にして表記する構成としたが、次の第2実施形態の印刷機能において説明するように、表面に書き換え可能な印刷領域を有する情報記録媒体45に対しては、前記無効にしたいデータ情報の印刷済みタイトルや削除したデータ情報の印刷済みタイトルについてこれ以後の各印刷済みタイトルを一旦消去し、この消去空白領域に前記無効や削除対象としたタイトルよりも後に印刷済みであったタイトルやこれに追加したタイトルを繰り上げて印刷する構成としてもよい。
なお、第1実施形態のプリンタ部は熱転写方式による印刷を行うものであったが、これをインクジェット方式による印刷を行う印刷機構に変えてもよい。また、第1実施形態の印刷装置は、CD−Rなどのデータ情報を追記可能な情報記録媒体やCD−RWなどのデータ情報を書換え可能な情報記録媒体を印刷対象とするだけでなく、データ情報の読出し専用の情報記録媒体であるCD―ROMもその印刷対象とすることができる。CD―ROMのレーベル面には、その製造工程において、既にタイトルなどがプレ印刷されているが、それだけでは表記する情報が足りない場合がある。前記第1実施形態の印刷装置によれば、CD―ROMのレーベル面に対して、ユーザーが所望する文字情報を印刷することができる。このように、CD―ROMのレーベル面のプレ印刷情報に追加して不足する情報を印刷できるため、その情報記録媒体の管理や検索などに便利である。
(第2実施形態)
この第2実施形態では、情報記録媒体45としてデータ情報の書き換えが可能なCD−RWあるいはDVD−RWの表面(レーベル面)に印刷を行なう場合の印刷動作について説明する。
この情報記録媒体45の表面には、印刷情報の書き換えが可能な感熱リライタブル材が設けられる。このリライタブル材は、ロイコ染料及びこのロイコ染料と熱的に反応して顕色及び減色させる顕減色剤及びバインダー等からなる記録層と、この記録層に形成され、耐久性向上のための保護層とから構成されているものである。このリライタブル材は情報記録媒体45の表面の全体あるいは所定の領域に設けられる。
そして、このリライタブル材に保護層上から、高温・短時間の第1の熱エネルギー、例えば、200〜350℃程度の高温で1〜3msec程度の熱エネルギーを加えると例えば青色の画像が形成され、また、低温・長時間の第2の熱エネルギー、例えば、80〜150℃程度の低温で5msec〜2sec程度の長時間の熱エネルギーを加えると形成された画像が消去される。
このようなリライタブル材を有する情報記録媒体45への印刷情報の書き込み、あるいは書き換えは、前述の印刷装置を用いて行われる。すなわち、リライタブル材に印刷情報を書き込む場合は、サーマルヘッド32により前述の第1の熱エネルギーを加えて記録層を発色させることにより印刷情報が印刷される。また、リライタブル材に印刷情報を書き換える場合は、サーマルヘッド32により前述の第2の熱エネルギーを加えて記録層を消色させることにより印刷済の印刷情報を消去し、その後に、サーマルヘッド32により前述の第1の熱エネルギーを加えて記録層を発色させることにより印刷情報の書き換えを行なう。
この第2実施形態では、前述の印刷装置を用いて印刷情報の書き換えを行なうものであり、熱エネルギーを変えて1つのサーマルヘッド32により記録層の発色・消色を行なうものであるが、サーマルヘッド32は記録層を発色させる印刷のみに用い、これとは別に消去用ヘッドを設けて、この消去用ヘッドにより記録層を消色させてもよい。なお、前述の第1実施形態では、印刷装置が熱転写印刷を行なうものであるためインクリボンカセット40を装着したが、この第2実施形態では、サーマルヘッド32又は消去用ヘッド(図示せず)を記録層に当接させて熱エネルギーを加える必要があることから、インクリボンカセット40を取り外しサーマルヘッド32を情報記録媒体に設けられる記録層に直に当接させて印刷装置を動作させることになる。
図14は前記印刷装置の第2実施形態の印刷処理を示すフローチャートである。
図15は前記印刷装置の第2実施形態の印刷処理による情報記録媒体への新規タイトル印刷状態および追加タイトル印刷状態を示す図である。
図14に示す第2実施形態の印刷処理におけるステップT1〜T13,T21〜T23の処理は、前記図6で示した第1実施形態の印刷処理におけるステップS1〜S13,S18〜S20の処理と比較して、ステップS1で行っていた印刷モード(追加部分印刷モード/全部印刷モード)の選択処理をステップT1では必要としないことのみ除いて同一であるため、その個々の処理ステップについての詳細な説明は省略する。
ここでは、情報記録媒体45に最初に記録したデータ情報に対応させて3つのタイトルからなる印刷情報を、例えば「2003.08.15 夏休み」「2003.09.25 運動会」「2003.10.10 誕生会」として新規に編集すると(ステップT1〜T3)、印刷バッファ58dへ印刷パターンとして展開された後(ステップT4→T5)、識別コード「No.001」が付加されて(ステップT6)、図15(a)に示すように、情報記録媒体45表面の領域A1に対し新規タイトルP6として印刷される(ステップT7)。そして、この3つのタイトルからなる印刷情報には各印刷行(各タイトル)毎に印刷済みフラグがセットされると共に、当該印刷情報の識別コードが対応付けされて印刷情報登録バッファ58eに登録される(ステップT8→T9)。
この後、同情報記録媒体45に記録済みのデータ情報のうち、「運動会」のデータ情報を削除して、新たに「クリスマス会」と「スキー教室」のデータ情報を追加で記録した際に、これに対応する印刷タイトルの書き換えを行うのに伴い、印刷情報「変更」の編集種類を選択し(ステップT1)、前記情報記録媒体45表面に印刷済みの3つのタイトルと共に記述されている識別コード「No.001」を入力すると(ステップT11)、印刷情報登録バッファ58eに登録されている当該入力識別コードに対応付けられた印刷情報が呼び出され、追加印刷情報編集画面G1bとして表示部3に表示される(ステップT12→T13)。
そして、この追加印刷情報編集画面G1bでは、印刷済みのタイトルである「2003.08.15 夏休み」「2003.09.25 運動会」「2003.10.10 誕生会」のうち、そのデータ情報を削除した「運動会」の印刷情報「2003.09.25 運動会」を削除してその後にある印刷済みのタイトル「2003.10.10 誕生会」を繰り上げ表示させ、新たな記録情報である「クリスマス会」「スキー教室」に対応する印刷情報「2003.12.24 クリスマス会」「2004.01.15 スキー教室」を順次後段の行に入力編集して表示させる(ステップT14)(図15(b)参照)。
こうして、前記印刷情報の変更編集処理に従って、印刷済みの印刷情報「2003.09.25 運動会」の削除とこれに伴う次の印刷情報「2003.10.10 誕生会」の繰り上げ表示、および新たな印刷情報「2003.12.24 クリスマス会」「2004.01.15 スキー教室」の追加入力表示が行われた後(ステップT14)、印刷の実行が指示されたと判断されると(ステップT15)、前記削除された印刷情報「2003.09.25 運動会」とこれに続き繰り上げ表示された印刷情報「2003.10.10 誕生会」にセットされていた印刷済みフラグがリセットされる(ステップT16)。
そして、前記削除された印刷情報以降の各印刷済みの印刷情報「2003.09.25 運動会」「2003.10.10 誕生会」の範囲について、情報記録媒体45の印刷済みの領域A1から消去するための消去パターンが作成され(ステップT17)、この消去パターンに基づいてサーマルヘッドを駆動し情報記録媒体のリライタブル記録層の消去対象箇所を消色することで、当該2つのタイトルの印刷済み文字列が領域A1から消去される(ステップT18)。この時点では、削除された印刷情報より上段にある印刷済み文字列「2003.08.15 夏休み」のみ残された状態となる。
すると、前記削除された印刷情報以降に繰り上げ編集されると共に追加入力されて編集された3つのタイトルの印刷情報「2003.10.10 誕生会」「2003.12.24 クリスマス会」「2004.01.15 スキー教室」について、印刷バッファ58dに対し印刷パターンが展開される(ステップT19)。
すると、この印刷バッファ58dに展開記憶された繰り上げおよび追加の3つのタイトルの印刷データ「2003.10.10 誕生会」「2003.12.24 クリスマス会」「2004.01.15 スキー教室」が印刷出力され、前記上段にある印刷済み文字列「2003.08.15 夏休み」のみ残っている情報記録媒体45表面の領域A1に対して、図15(b)に示すように繰り上げおよび追加のタイトルP7として印刷される(ステップS17)。
したがって、前記構成の印刷装置による第2実施形態の印刷機能によれば、印刷情報の書換えが可能な領域を表面に有する情報記録媒体45に対して、当該情報記録媒体45の記録情報の書き換えに伴い、表面に印刷済みの印刷情報を書き換える際には、削除したデータ情報に対応するタイトルの印刷情報以後の各印刷済みタイトルの印刷情報を一旦消去し、この消去後の空白領域に対して前記削除したデータ情報の印刷情報よりも後に印刷済みであった印刷情報や追加の印刷情報を繰り上げて印刷するので、特に、CD−RWやDVD−RWなどデータ情報を書換可能な情報記録媒体45において、データ情報の書き換えに伴ってその書き換えるデータ情報に関連する印刷情報を容易且つ正確に書き換えできるようになる。
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。