JP2005288218A - 水質改質システム - Google Patents

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剛 米田
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敦行 真鍋
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Abstract

【課題】 腐食防止や正確な詰まり/劣化判断に寄与する水質改質システムを提供する。
【解決手段】 熱機器に供給するための給水の水質を改質する水質改質システムは、給水を流す給水ライン23と、非不動態化金属体の腐食を引き起こす腐食促進成分を捕捉するとともに、腐食の抑制に寄与する腐食抑制成分を透過する濾過処理部35と、濾過処理部35の詰まり/劣化の判断及び装置全体の制御を行う制御部39とを備えて構成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ボイラ等の熱機器に供給するための給水の水質を改質する水質改質システムに関する。
図11及び図12において、引用符号201は貫流ボイラ202を含んで構成されるボイラシステムを示している。そのボイラシステム201には、貫流ボイラ202の他に給水装置203が備えられている。貫流ボイラ202は、日本工業規格(JIS)に規定された特殊循環ボイラの範疇に属するボイラであって、貫流ボイラ202の下流側に備えられる上記給水装置203から供給される給水を貯留する給水貯留部204と、給水貯留部204に対して立設される複数本の伝熱管205と、伝熱管205の上端部に設けられるヘッダ206と、給水を加熱して蒸気を生成するためのバーナ等の加熱装置207とを備えて構成されている。
給水貯留部204及びヘッダ206は、平面視の形状が環状となるように形成されている。給水貯留部204には、その内部に貯留された給水(図12中のW参照)を排出することが可能な排出路208が形成されている。伝熱管205は、非不動態化金属を用いて形成されている(伝熱管205は非不動態化金属体である。尚、非不動態化金属については後述する)。このような構成の貫流ボイラ202により生成された蒸気は、ヘッダ206に設けられる蒸気供給路209を介して図示しない負荷装置に供給されるようになっている。
給水装置203は、貫流ボイラ202に給水を供給するためのものであって、軟水化装置210と、脱酸素装置211と、給水タンク212と、給水ライン213とを備えて構成されている。軟水化装置210は、給水中に含まれる各種の硬度分等をナトリウムイオンに置換して軟水に変換するように構成されている。また、脱酸素装置211は、給水中に含まれる溶存酸素を機械的に除去するように構成されている。尚、給水タンク212に一定流量で処理水を流すために、脱酸素装置211の下流側の給水ライン213には、定流量弁(図示省略)が設けられている。
給水ライン213を通じて貫流ボイラ202に供給される給水は、給水貯留部204に貯留された後、加熱装置207により加熱されながら伝熱管205内を上昇し、徐々に蒸気になる。そして、その蒸気はヘッダ206に集められた後に、蒸気供給路209を介して図示しない負荷装置に供給される。
上記非不動態化金属は、中性水溶液中において自然には不動態化しない金属を言い、通常は、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、クロム、ニッケル、及びジルコニウム等を除く金属である。具体的には、炭素鋼、鋳鉄、銅、及び銅合金等である。尚、炭素鋼は、中性水溶液中においても、高濃度のクロム酸イオンの存在下では不動態化する場合があるが、この不動態化はクロム酸イオンの影響によるものであって中性水溶液中での自然な不動態化とは言い難い。従って、炭素鋼は、ここでの非不動態化金属の範疇に属する。また、銅及び銅合金は、電気化学列(emf series)が貴な位置にあるため、通常は水分の影響による腐食が生じ難い金属と考えられているが、中性水溶液中において自然に不動態化するものではないので、ここでの非不動態化金属の範疇に属する。
上記構成において、複数の伝熱管205は、図12中の一点鎖線で囲んだ円X内の部分、すなわち給水貯留部204に連続する部分となる下端部分が給水と継続的に接触するようになっている。そのため、上記下端部分は、給水の影響を受けて腐食し易くなっている(上記下端部分の内周面の減肉的な腐食や、肉厚方向に発生する微少な孔状の孔食が発生する)。
尚、腐食を引き起こす主な要因としては、給水の溶存酸素濃度が高い、塩化物イオンや硫酸イオン等の有害イオン濃度が高い、などが一般的に知られているが、本願出願人の会社の研究者等は、長年にわたって研究を続けた結果、次のようなことを確認している。すなわち、本願出願人の会社の研究者等は、給水中に含まれる硫酸イオンが腐食促進成分となって伝熱管205等に作用することを確認している(例えば特許文献1参照)。また、本願出願人の会社の研究者等は、給水中に含まれるシリカ(二酸化ケイ素(SiO))が腐食を抑制する腐食抑制成分となって伝熱管205等に作用することを確認している(例えば特許文献2参照)。
特開2003−129263号公報 特開2001−336701号公報
本願出願人の会社の研究者等は、長年の研究の結果から、給水中の腐食促進成分を捕捉し且つ給水中の腐食抑制成分を残す濾過部材(液体分離膜(NF膜))を用いて濾過処理を行えるような従来に無いシステムの提供が必要であると考えている。
尚、薬剤を添加して対処する腐食防止方法も数多く提案されているが、衛生上の観点からそのまま利用するのは困難であると本願出願人は考えている。
ところで、上記濾過部材(液体分離膜(NF膜))にあっては、目詰まり/劣化の発生があることから、そのままにしておくと腐食防止効果に影響を来すという問題点を有している。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、腐食防止や正確な詰まり/劣化判断に寄与する水質改質システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明の水質改質システムは、熱機器に供給するための給水の水質を改質する水質改質システムであって、前記給水を流す給水ラインと、該給水ラインに接続され、非不動態化金属体の腐食を引き起こす腐食促進成分を捕捉するとともに、前記腐食の抑制に寄与する腐食抑制成分を透過する濾過処理部と、前記濾過処理部の上流側及び下流側に接続される各種測定機器からの検知信号に基づいて透過流束を演算するとともに、該演算した透過流束と初期透過流束との比較を行って、前記濾過処理部の詰まり/劣化の判断を行う詰まり/劣化判断処理手段と、を備えて構成することを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、給水ラインを流れる給水が例えばポンプにより送り出されて濾過処理部に供給される。上記ポンプは例えばインバータ制御されてその流量が調整される。濾過処理部に供給された給水は、その中に含まれる腐食促進成分が捕捉される。また、給水中に含まれる腐食抑制成分が透過する。これにより、腐食促進成分を除去し且つ腐食抑制成分を含む給水(透過水)が生成される。一方、本発明によれば、詰まり/劣化判断処理手段が備えられ、その詰まり/劣化判断処理手段で透過流束を求める演算が行われる。また、詰まり/劣化判断処理手段では演算した透過流束と初期透過流束との比較が行われ、濾過処理部の詰まり/劣化の判断がなされる。本発明が適用される熱機器としては、蒸気ボイラ、温水ボイラ、クーリングタワー、給湯器等が挙げられる。
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の本発明の水質改質システムは、熱機器に供給するための給水の水質を改質する水質改質システムであって、前記給水を流す給水ラインと、該給水ラインに接続され、非不動態化金属体の腐食を引き起こす腐食促進成分を捕捉するとともに、前記腐食の抑制に寄与する腐食抑制成分を透過する濾過処理部と、前記濾過処理部の上流側及び下流側に接続される圧力センサからの検知信号に基づいて圧力差を求めるとともに、該求めた圧力差と初期圧力差との比較を行って、前記濾過処理部の詰まり/劣化の判断を行う詰まり/劣化判断処理手段と、を備えて構成することを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、給水ラインを流れる給水が例えばポンプにより送り出されて濾過処理部に供給される。濾過処理部に供給された給水は、その中に含まれる腐食促進成分が捕捉される。また、給水中に含まれる腐食抑制成分が透過する。これにより、腐食促進成分を除去し且つ腐食抑制成分を含む給水(透過水)が生成される。生成された給水(透過水)は、例えば定流量弁に向けて給水ラインを流れる。一方、本発明によれば、詰まり/劣化判断処理手段が備えられ、その詰まり/劣化判断処理手段で濾過処理部の上下流の圧力差を求める演算が行われる。また、詰まり/劣化判断処理手段では演算した圧力差と初期圧力差との比較が行われ、濾過処理部の詰まり/劣化の判断がなされる。本発明が適用される熱機器としては、蒸気ボイラ、温水ボイラ、クーリングタワー、給湯器等が挙げられる。
請求項3記載の本発明の水質改質システムは、請求項1又は請求項2に記載の水質改質システムにおいて、前記詰まり/劣化の判断は、前記濾過処理部の下流側の前記給水の水質情報、又は、前記濾過処理部の上流側及び下流側の前記給水の水質情報をも用いて判断することを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、詰まり/劣化の判断に給水の水質情報が用いられる。
請求項1、2に記載された本発明によれば、腐食防止や正確な詰まり/劣化判断に寄与する水質改質システムを提供することができるという効果を奏する。また、請求項3に記載された本発明によれば、より確実且つ正確に詰まり/劣化判断をすることができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の水質改質システムの一実施の形態を示す構成図である。また、図2は図1の水質改質装置の装置筐体の上蓋を取って見たときの図、図3(a)は第一実施例となる水質改質装置の構成図、(b)は圧力センサに関する補足説明図、図4は第二実施例となる水質改質装置の構成図、図5はポンプの制御に係る説明図、図6は制御部の一処理(第一、第二実施例の運転制御)を示すフローチャート、図7は制御部の一処理(第一、第二実施例の詰まり/劣化判断)を示すフローチャート、図8は第三実施例となる水質改質装置の構成図、図9は第四実施例となる水質改質装置の構成図、図10は制御部の一処理(第三、第四実施例の詰まり/劣化判断)を示すフローチャートである。
図1において、引用符号21で示される本発明の水質改質システムは、熱機器22に供給する給水の水質を改質するためのシステムであって、熱機器22に給水を供給する給水ライン23と、給水ライン23に接続される各種装置24と、給水ライン23に接続されるとともに熱機器22に供給する給水を貯留する給水タンク25とを備えて構成されている。各種装置24は、特に限定しないが、活性炭濾過装置26と、軟水装置27と、水質改質装置28と、複数の測定装置29(29a〜29h)とを備えて構成されている。水質改質装置28は、後述する装置筐体34に組み込まれる装置主要部30により構成されている。そして、装置筐体34の上流側には、プレフィルタ31が設けられている。
上記各構成の配置についてもう少し詳しく説明すると、原水側であって図示しない被処理水タンクから続く給水ライン23には、原水硬度を測定するための測定装置29aと、原水の残留塩素濃度を測定するための測定装置29bとが接続されている。そして、これらの下流側には、活性炭濾過装置26が接続されている。活性炭濾過装置26の下流側には、軟水装置27が接続されている。軟水装置27の下流側の給水ライン23には、給水の硬度を測定するための測定装置29cが接続されている。
測定装置29cの下流側には、プレフィルタ31と水質改質装置28の装置主要部30とが順に接続されている。プレフィルタ31と装置主要部30との間には、濁度を測定するための測定装置29dと、給水の残留塩素濃度を測定するための測定装置29eとが接続されている。また、装置主要部30からの排水ライン(後述する排水ライン40に相当)には、排水の硬度を測定するための測定装置29fが接続されている。水質改質装置28の下流側の給水ライン23には、水質改質後の給水のシリカ濃度を測定するための測定装置29gと、水質改質後の給水の溶存酸素濃度を測定するための測定装置29hが接続されている。そして、これらの下流側には、給水タンク25が接続されている。
尚、上記図示しない被処理水タンクには、水道水、工業用水、地下水等の水源から供給される被処理水が貯留されている。被処理水は、本発明の水質改質システム21によりその水質が改質され、熱機器22に供給されるようになっている。
熱機器22は、蒸気ボイラ、温水ボイラ、クーリングタワー、給湯器等であって、ここでは水管ボイラと称される多管式の貫流ボイラを例に挙げて説明する。その貫流ボイラの缶体構造は背景技術の欄で説明した貫流ボイラ202(図12参照)と同様に構成されている。すなわち、ここでは特に図示しないが、熱機器22の一例としてのボイラは、所定の間隔で上下に配置される環状の下部ヘッダ及び環状の上部ヘッダと、これらの間に配置される複数の伝熱管と、複数の伝熱管により区画形成される燃焼室と、燃焼室の上方に配置され、各伝熱管内の給水を加熱して蒸気を発生させるバーナ等の加熱装置とを備えて構成されている。
下部ヘッダには、給水タンク25からの給水ライン23が接続されている。また、下部ヘッダには、缶水の濃縮水を排出する(ブローする)ための排出管が設けられている。上部ヘッダには、生成された蒸気を図示しない負荷装置に供給するための蒸気供給路が設けられている。複数の伝熱管等は、非不動態化金属を用いて形成されている(非不動態化金属については背景技術の欄を参照)。
活性炭濾過装置26は、給水中に溶存する次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤を吸着除去するための装置として構成されている。上記酸化剤、すなわち残留塩素は、活性炭濾過装置26の下流側に配置される軟水装置27のイオン交換樹脂(図示省略)を酸化させてイオン交換能力を早期に劣化させるおそれがあり、また、さらに下流に配置された水質改質装置28の後述するナノろ過膜(図示省略)を酸化させて濾過能力を早期に劣化させるおそれがある。そこで、このような酸化による早期の能力劣化を防止するために、上記残留塩素を活性炭で吸着して除去することにより、上記イオン交換能力の早期劣化を防止するとともに上記濾過能力の早期劣化を防止し、給水の処理効率の向上、安定化等を図るようにしている。
活性炭濾過装置26のような給水中の残留塩素を除去する他の装置としては、特に図示しないが、重亜硫酸ナトリウム(SBS)を添加する薬注装置等もあり、これを活性炭濾過装置26の替わりに適用してもよいものとする。
軟水装置27は、上記残留塩素が除去された給水中に含まれるカルシウム、マグネシウム等の硬度成分をイオン交換樹脂(図示省略)により除去する装置として構成されている。すなわち、軟水装置27は、給水中に含まれる各種の硬度成分をナトリウムイオンに置換して、軟水となる給水に変換するための装置として構成されている。
水質改質装置28は、図2に示される如く、前面にコントロールパネル32を有するとともに、そのコントロールパネル32の裏側に制御ボックス33を有する装置筐体34の内部に、装置主要部30が収納されるような装置として構成されている(特に限定するものではない)。プレフィルタ31は、給水中のゴミ等を除去するためのものである。尚、図2は後述する濾過処理部35を3個連結した形態を概略的に図示している。
図3(a)において、第一実施例となる装置主要部30は、濾過処理部35と、濾過処理部35の上流側に接続されるポンプ36と、濾過処理部35の上流側及び下流側に接続される各種測定機器37と、ポンプ36に接続されるインバータ38と、ポンプ36の制御、濾過処理部35の後述する濾過部材の詰まり/劣化の判断、及び装置全体の制御を行う制御部39とを備えて構成されている。以下、上記各構成について説明する。
濾過処理部35は、濾過部材を備えており、具体的には、ナノろ過膜(NF膜、NF:Nanofiltration)を備えて構成されている。ここで、ナノろ過膜について説明すると、そのナノろ過膜は、ポリアミド系、ポリエーテル系等の合成高分子膜であり、2nm程度より小さい粒子や高分子(分子量が最大数百程度のもの)の透過を阻止することができる液体分離膜として提供されている。また、ナノろ過膜は、その濾過機能の点において、限外ろ過膜(分子量が1,000〜300,000程度のものをろ別可能な膜(UF膜))と、逆浸透膜(分子量が数十程度のものをろ別可能な膜(RO膜))との中間に位置する機能を有する液体分離膜として提供されている(ナノろ過膜は、各社から市販されており、容易に入手することができる)。尚、ナノろ過膜は、通常、濾過膜モジュールとして構成されている。濾過膜モジュールの形態としては、スパイラルモジュール、中空糸モジュール、平膜モジュール等に構成されている。
濾過処理部35の一端には、ポンプ36から送り出された給水が流入するようになっている。流入した給水は、濾過処理部35の内部において、ナノろ過膜により、腐食促進成分が捕捉されるとともに腐食抑制成分が透過されるようになっている。濾過処理部35の他端からは、透過水と濃縮水とが流出するようになっている。その透過水は、給水ライン23を流れて給水タンク25に貯留されるようになっている。一方、濃縮水は、その一部が排水ライン40側へ流れるとともに、残りが循環水ライン41を流れてポンプ36の上流側に供給されるようになっている。
ここで、上記腐食促進成分と上記腐食抑制成分とについて説明する。先ず、腐食促進成分とは、熱機器22の一例としてのボイラの上記各伝熱管(図示省略)の腐食が発生し易い部位、特に、内側に水分(ここでは缶水)が付着し、且つ外側から加熱される各伝熱管(図示省略)の内面に作用してその腐食を促進するものを言い、通常、硫酸イオン(SO 2−)、塩化物イオン(Cl)、及びその他の成分を含んでいる。ちなみに、腐食促進成分として重要なものは、硫酸イオン、塩化物イオンの両者である。尚、日本工業規格JIS B 8223:1999は、貫流ボイラを含む特殊循環ボイラの腐食を抑制する観点から、当該ボイラの缶水の水質に関する各種の管理項目及び推奨基準を規定しており、塩化物イオン濃度の規制値を設けている。しかしながら、缶水の硫酸イオン濃度については言及していない(言い換えれば、硫酸イオンが腐食に関与するものとは認識していない)。ところで、本願出願人の会社の研究者等は、背景技術の欄でも説明したように、缶水の水質と腐食との関係を長年にわたって研究した成果として、缶水に含まれる硫酸イオンが腐食促進成分として上記各伝熱管(図示省略)等に作用していることを確認している。
次に、腐食を抑制する成分である腐食抑制成分とは、上記ボイラの上記各伝熱管(図示省略)の腐食が発生し易い部位、特に、各伝熱管(図示省略)の内面に作用し、そこに生じる腐食を抑制可能なものを言い、通常、シリカ(すなわち、二酸化ケイ素(SiO))を含んでいる。ところで、給水に含まれるシリカは、通常、各伝熱管(図示省略)におけるスケール発生成分と認識されており、通常は可能な限りその濃度を抑制することが好ましいと考えられている。しかし、本願出願人の会社の研究者等は、背景技術の欄でも説明したように、缶水の水質と腐食との関係を長年にわたって研究した成果として、缶水に含まれるシリカが腐食抑制成分として上記各伝熱管(図示省略)等に作用していることを確認している。尚、シリカは、給水として用いる水道水、工業用水、地下水等において、通常、含有されている成分である。
装置主要部30の構成説明に戻る。
ポンプ36は、プレフィルタ31の下流側の給水ライン23を流れる、ゴミ等が除去された給水を濾過処理部35に供給するためのものであって、その回転数は、ポンプ36に接続されるインバータ38から出力される出力周波数に応じて可変するように構成されている(定流量制御がなされる。定流量制御については後述する)。インバータ38は、制御部39に接続されている。また、インバータ38は、制御部39からの指令信号により作動するように構成されている。
各種測定機器37としては、流量センサ37a、温度センサ37b、圧力センサ37c、電気伝導度計37dがある。流量センサ37aは、濾過処理部35を通過した透過水の水量を検知して流量検知信号を制御部39に出力するものであって、バルーンAで示される位置、すなわち濾過処理部35の下流側の給水ライン23に接続されている。流量センサ37aからの流量検知信号は、上記指令信号の生成及び上記詰まり/劣化の判断に用いられるようになっている。
濾過処理部35の上流側の給水ライン23、濾過処理部35の下流側の給水ライン23、排水ライン40に接続されるバルーンBは、温度センサ37bの位置を示している。温度センサ37bは、これら三つの位置のいずれかに接続されており、給水の温度を検知して温度検知信号を制御部39に出力するように構成されている。温度センサ37bからの温度検知信号は、主に、上記詰まり/劣化の判断に用いられるようになっている。
濾過処理部35の上流側の給水ライン23に接続されるバルーンCは、圧力センサ(運転圧力センサ)37cの位置を示している。圧力センサ37cは、給水の圧力を検知して圧力検知信号を制御部39に出力するように構成されている。尚、圧力センサ37cは上記位置に限らないものとする。すなわち、図3(b)に示されるように、上記給水の圧力を検知する圧力センサ37cと、濾過処理部35を通過した濃縮水の圧力を検知する圧力センサ37c′(バルーンC′参照)とを設けてもよいものとする。そして、これらから出力される圧力検知信号に基づいて、制御部39で平均圧力[(給水の圧力+濃縮水の圧力)/2]を求めて利用してもよいものとする。また他には、濾過処理部35を通過した透過水の圧力を検知する圧力センサ37c″(バルーンC″参照)を、上記圧力センサ37c及び圧力センサ37c′の他に更に設けるようにしてもよいものとする。そして、上記平均圧力から透過水の圧力を差し引いて、濾過処理部35の上記濾過部材の有効圧力[{(給水の圧力+濃縮水の圧力)/2}−透過水の圧力]を求め、これを利用してもよいものとする。さらに他には、上記圧力センサ37c及び圧力センサ37c″を設け、給水の圧力から透過水の圧力を差し引いて濾過処理部35の上記濾過部材の有効圧力[給水の圧力−透過水の圧力]を求め、これを利用してもよいものとする。圧力センサ37c(37c′、37c″)からの圧力検知信号は、主に、上記詰まり/劣化の判断に用いられるようになっている。
ここで補足説明をすると、温度センサ37b及び圧力センサ37cは、流量センサ37aに異常があった場合に、その流量センサ37aに代わってバックアップ対応をする重要な役割を有している(これについては後述する)。
電気伝導度計37dは、濾過処理部35を通過した透過水の電気伝導度を検知してその検知信号を制御部39に出力するものであって、バルーンDで示される位置、すなわち濾過処理部35の下流側の給水ライン23に接続されている。電気伝導度計37dからの検知信号は、上記詰まり/劣化の判断に用いられるようになっている。電気伝導度計37dの設置は任意であるが、本例のように設置した場合には、イオン除去率の変化を検知することができるようになるため、上記詰まり/劣化の判断がより正確になるという利点を有している。尚、電気伝導度計37dに替えて、水質情報を制御部39に出力することが可能な測定機器を濾過処理部35の下流側、又は、濾過処理部35の上流及び下流側に設けることでもよいものとする。
制御部39は、所謂マイクロコンピュータであって、制御ボックス33(図2参照)の内部に備えられている。具体的には、特に図示しないが、CPUとROMとRAMとインターフェースとを備えて構成されている。上記ROMには、プログラムや固定データ等が格納されている。上記CPUは、中央演算処理装置であり、上記ROMに予め格納された制御プログラムに従って作動するようになっている。上記RAMは、上記CPUの処理の過程で利用する各種のデータを格納するデータエリアと、処理の際に使用するワークエリア等とを有している。その他、各種の設定値情報等が格納される電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリも備えられている。
上記インターフェースには、流量センサ37a、温度センサ37b、圧力センサ37c、電気伝導度計37d、インバータ38がそれぞれ接続されている。また、上記インターフェースには、装置筐体34(図2参照)の前面に配置されるコントロールパネル32(図2参照)も接続されている。さらに、上記インターフェースには、異常を通報するための通報手段42や、警報を発する警報手段(図示省略)も接続されている。その他、上記インターフェースには、活性炭濾過装置26からの通信線なども接続されている。
次に、図4を参照しながら上記装置主要部30の第二実施例を説明する。尚、上記と同じ構成部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4において、装置主要部30は、濾過処理部35と、濾過処理部35の上流側に接続されるポンプ36と、濾過処理部35の下流側に接続される溶存気体除去処理部43と、ポンプ36に接続されるインバータ38と、ポンプ36の制御、濾過処理部35の詰まり/劣化の判断、及び装置全体の制御を行う制御部39と、バルーンAのいずれかの位置に接続される流量センサ37aと、バルーンBのいずれかの位置に接続される温度センサ37bと、バルーンCの位置、又は図3(b)のバルーンC〜C″のいずれかの位置に接続される圧力センサ37cと、バルーンDの位置に接続される電気伝導度計37dとを備えて構成されている。
すなわち、図4の装置主要部30は、図3の装置主要部30に対して、溶存気体除去処理部43を増やした構成になっている。
溶存気体除去処理部45は、給水に含まれる溶存気体を除去することができるように構成されている。もう少し詳しく説明(図示省略)すると、例えば、気体濾過膜を複数備えた筒状の部材となる脱気モジュールと、水封式真空ポンプと、脱気モジュール及び水封式真空ポンプを繋ぐ真空ラインと、濾過処理部35から回収した上記濃縮水を貯留する封水タンクと、水封式真空ポンプ及び封水タンクを繋ぐ封水循環ラインとを備えて構成されている。
上記脱気モジュールには、給水ライン23が接続されている。また、上記真空ラインが接続されている。上記水封式真空ポンプは、各脱気モジュールから溶存気体を吸引するためのものであって、上記真空ラインと上記封水循環ラインとが接続されている。上記封水循環ラインは、上記封水タンクから上記水封式真空ポンプに封水を供給するとともに、吸引した気体と封水との混合流体を上記封水タンクに排出することができるように構成されている。
尚、流量センサ37aは、ここでは溶存気体を除去した後の給水量を検知して流量検知信号を制御部39に出力するように構成されている(濾過処理部35と溶存気体除去処理部43との間に接続してもよいものとする)。
続いて、図5を参照しながら上記定流量制御(インバータ38によるPIDフィードバック制御)について説明する。本制御は、インバータ38のPID制御機能(P制御:比例制御、I制御:積分制御、D制御:微分制御)を使用し、実処理水量が目標値となるようにインバータ周波数を制御する機能である。上記ナノろ過膜は、水温変動による粘性のために処理水量が大きく変化する。水温が低くなるほど処理水量は低下(約2.5%/1℃)するため、冬場など水温が10℃まで低下してしまうと、処理水量は定格時(25℃)の場合と比べ60%程度となる。処理水量と操作圧力はほぼ比例関係があり、水温による低下分に応じて圧力を上げる(この場合、1.7倍程度の圧力)ことで定格処理水量を得ることが可能になる。本発明は、設定した目標処理水量となるようにPID制御にて周波数を可変することで、常に理想的な運転を行い省エネを図っている。
PID制御は、図5に示されるように、流量センサ37aからの流量検知信号を受けて制御部39が指令信号(例えば4−20mA(又は1−5V))をインバータ38に出力する。インバータ38は、その指令信号をフィードバック値として目標値と比較を行い、その間に偏差があると、偏差をゼロにするように動作する。
ところで、常に理想的な運転を行うために、制御部39は次のような制御を行っている。図6において、制御部39は通常の制御を行いつつ(ステップS1)、流量センサ37aの異常有無を監視する(ステップS2)。その監視は流量センサ37aからの信号有無で判断する。流量センサ37aからの信号があれば、断線等の異常がないものと判断(ステップS2でN)し、通常制御を続ける。一方、流量センサ37aからの信号が途絶えた場合には、断線等の異常があるものと判断(ステップS2でY)し、ステップS3の処理に移行する。この時、異常があった旨を上記通報手段42を介して通報する(この時点で通報することにより復旧の作業が早まる)。ステップS3の処理では、温度センサ37bからの温度検知信号に基づき(又は圧力センサ37c及び温度センサ37bからの圧力検知信号及び温度検知信号に基づき)予め定めた、例えば温度に対応する電流値(又は温度及び圧力に対応する電流値)を指令信号として出力する。これは、流量センサ37aの故障等の異常時におけるバックアップ制御である。
制御部39は、濾過処理部35の上記濾過部材の詰まり/劣化を判断するために、次のような制御も行っている。図7において、流量センサ37aからの流量検知信号、温度センサ37bからの温度検知信号、圧力センサ37cからの圧力検知信号に基づいて運転中の給水に関する透過流束を演算により求める(ステップS11)。演算して求められた透過流束は、予め演算されて記憶された初期透過流束と比較される。そして、初期透過流束に対して許容値を超えるひらきがでた場合には、上記濾過部材の詰まり/劣化が生じたと判断(ステップS12でY)してステップS13の処理に移行する。ステップS13の処理では、上記濾過部材の詰まり/劣化が生じた旨を上記通報手段42を介して通報する(及び/又は警報する)。一方、上記濾過部材の詰まり/劣化が生じてない場合には(ステップS12でN)、再度ステップS11の処理を実行する。
尚、ステップS12の処理において、上記濾過部材の詰まり/劣化が生じたと判断する場合には、電気伝導度計37d(一例であるものとする。水質情報を出力可能な他の測定機器を用いてもよいものとする)からの検知信号に基づく水質情報も判断に用いるものとする。制御部39が行う上記濾過部材の詰まり/劣化の判断は、例えば、上記濾過部材に対する洗浄のタイミングを予知する際に有用になる。制御部39は、特許請求の範囲に記載した詰まり/劣化判断処理手段に相当するものであり、流量センサ37a、温度センサ37b、圧力センサ37c、電気伝導度計37dは、詰まり/劣化判断処理手段に関係する各種測定機器である。
図8を参照しながら上記装置主要部30の第三実施例を説明する。尚、上記と基本的に同じ構成部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
図8において、装置主要部30は、濾過処理部35と、濾過処理部35の上流側に接続されるポンプ36と、濾過処理部35の下流側に接続される定流量弁44と、濾過処理部35の詰まり/劣化の判断、及び装置全体の制御を行う制御部39と、制御部39に接続される通報手段42と、バルーンCとC″、バルーンC〜C″のいずれかの位置に接続されるとともに制御部39に接続される圧力センサ37cと、バルーンDの位置に接続されるとともに制御部39に接続される電気伝導度計37dとを備えて構成されている。
図8の装置主要部30は、図3の装置主要部30と異なり、ポンプ36のインバータ制御ではなく、定流量弁44による定流量制御の構成となっている。定流量弁44は既知のものを用いており、ここでは説明を省略する。
続いて、図9を参照しながら上記装置主要部30の第四実施例を説明する。尚、上記と基本的に同じ構成部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
図9において、装置主要部30は、濾過処理部35と、濾過処理部35の上流側に接続されるポンプ36と、濾過処理部35の下流側に接続される溶存気体除去処理部43と、溶存気体除去処理部43の下流側に接続される定流量弁44と、濾過処理部35の詰まり/劣化の判断、及び装置全体の制御を行う制御部39と、制御部39に接続される通報手段42と、バルーンCとC″、バルーンC〜C″のいずれかの位置に接続されるとともに制御部39に接続される圧力センサ37cと、バルーンDの位置に接続されるとともに制御部39に接続される電気伝導度計37dとを備えて構成されている。
図9の装置主要部30は、図8の装置主要部30に対して、溶存気体除去処理部43を増やした構成になっている。
制御部39は、濾過処理部35の上記濾過部材の詰まり/劣化を判断するために、次のような制御を行っている。図10において、圧力センサ37cと圧力センサ37c″からの圧力検知信号に基づいて、又は圧力センサ37c〜圧力センサ37c″からの圧力検知信号に基づいて濾過処理部35の上下流の圧力差を求める演算を行う(ステップS21)。求められた圧力差は、予め演算されて記憶された初期圧力差と比較される。そして、初期圧力差に対して許容値を超えるひらきがでた場合には、上記濾過部材の詰まり/劣化が生じたと判断(ステップS22でY)してステップS23の処理に移行する。ステップS23の処理では、上記濾過部材の詰まり/劣化が生じた旨を上記通報手段42を介して通報する(及び/又は警報する)。一方、上記濾過部材の詰まり/劣化が生じてない場合には(ステップS22でN)、再度ステップS21の処理を実行する。尚、ステップS22の処理において、上記濾過部材の詰まり/劣化が生じたと判断する場合には、電気伝導度計37d(一例であるものとする。水質情報を出力可能な他の測定機器を用いてもよいものとする)からの検知信号に基づく水質情報も判断に用いるものとする。制御部39が行う上記濾過部材の詰まり/劣化の判断は、例えば、上記濾過部材に対する洗浄のタイミングを予知する際に有用になる。
上記構成に基づきながら熱機器22の一例としてのボイラの運転時の流れについて説明する。上記ボイラを運転する場合には、図示しない被処理水タンクから供給される被処理水(水質改質前の給水)の水質を改質して給水を生成し、その給水を給水タンク25に貯留する必要がある。ここまでの過程について説明すると、給水ライン23を流れる給水は、図示しない被処理水タンクから所定の吐出圧を有する給水ポンプ(図示省略)により所定の圧力で流出する。その流出する給水の圧力は、下流側に配置された各種装置24における圧損等を考慮して設定される。そして、図示しない被処理水タンクから流出した給水は、先ず、活性炭濾過装置26を通過し、残留塩素が除去された状態の給水となる。次に、その給水は、軟水装置27を通過して軟水となる。続いて、その軟水である給水は、水質改質装置28において濾過処理(及び脱気処理)がなされて上記ボイラに供給可能な給水となる。具体的には、軟水である給水が水質改質装置28の濾過処理部35において、ナノろ過膜を通過する際に、硫酸イオン、塩化物イオン等の腐食促進成分がナノろ過膜により捕捉される。すなわち、腐食促進成分が軟水から除去される。一方、軟水に含まれるシリカ、すなわち腐食抑制成分は、軟水と共にナノろ過膜を透過する。濾過処理後の腐食抑制成分を含む軟水となる給水は、上記ボイラに供給可能な給水として給水タンク25に貯留される(図4及び図9の構成の場合は、次のようになる。すなわち、濾過処理後の軟水は、水質改質装置28の溶存気体除去処理部43において溶存気体が脱気処理される。脱気処理後の腐食抑制成分を含む軟水となる給水は、上記ボイラに供給可能な給水として給水タンク25に貯留される)。
給水タンク25に貯留された給水は、給水タンク25及び上記ボイラの間に配置される給水ポンプ(図示省略)を介して上記ボイラへ供給され、下部ヘッダ内において缶水として貯留される。貯留された缶水は、加熱装置により加熱されながら各伝熱管内を上昇し、徐々に蒸気になる。そして、各伝熱管内において生成された蒸気は、上部ヘッダにおいて集められ、蒸気供給路から負荷装置へと供給される。
ところで、上記ボイラの運転中において、各伝熱管は、その下端部分、すなわち下部ヘッダとの連結部分が缶水と継続的に接触することになる。そのため、各伝熱管は、上記下端部分において、通常、缶水の影響を受け腐食し易くなる。特に、各伝熱管は、下端部分において、内周面の減肉的な腐食に加えて局部的な腐食が生じ易く、それが原因で微少な穴開きを起こして破損する場合がある。
上記局部的な腐食とは、各伝熱管の缶水との接触面側から厚さ方向の反対側へ向かう孔状の腐食、すなわち各伝熱管の厚さ(肉厚)方向に発生する孔状の腐食を言う。以下、このような局部的腐食の発生現象を「孔食」と言い、この孔食により生じた孔状の腐食を「食孔」と言う。ちなみに、孔食は、通常、缶水中の溶存酸素の影響により発生するものと理解されている。
しかしながら、本発明によれば、上記ボイラの運転中において、各伝熱管に対し、腐食抑制成分を含む軟水が缶水として供給されることになるので、缶水に含まれる腐食抑制成分が各伝熱管の下端部分に作用し、当該部分の腐食を抑制するようになる。より具体的には、腐食抑制成分は、各伝熱管の缶水との接触部分における減肉的な腐食を抑制するとともに、食孔の発生及び成長も抑制し、腐食(特に食孔)による伝熱管の破損を抑制する。この際、缶水は、水質改質装置28により腐食促進成分が除去されるため、腐食抑制成分による上記のような腐食抑制作用は、腐食促進成分により阻害され難く、効果的に発揮されるようになる。
さて、缶水に含まれる腐食抑制成分により、各伝熱管の腐食が抑制されるのは、缶水に含まれる溶存酸素等(各伝熱管の腐食促進成分)の影響により、各伝熱管から溶出する成分に腐食抑制成分(特にシリカ)が作用し、各伝熱管の内面に耐食性の皮膜(防食皮膜)が形成されるためと考えられる。特に、溶存酸素は、各伝熱管に局部的なアノードを発現させ、これにより孔食を進行させる場合があるが、缶水に含まれる腐食抑制成分(シリカ)は、アニオン又は負電荷のミセルとして存在するため、上記のようなアノードに吸着し易く、当該部分で選択的に防食皮膜を形成し易い。そのため、缶水に含まれる腐食抑制成分(シリカ)は、各伝熱管における孔食の進行を特に効果的に抑制することができるものと考えられる。
以上、図1ないし図10を参照しながら説明してきたように、本発明の水質改質システム21は、薬剤を用いずに腐食を抑制することができる。また、本発明の水質改質システム21は、濾過処理部35の濾過部材の詰まり/劣化を正確に判断することができる。さらに、水質改質システム21は、水質改質装置28の部分でインバータ38のPID制御機能を使用して、実処理水量が目標値となるようにインバータ周波数を制御することから、省エネ運転に寄与することができる。さらにまた、本発明の水質改質システム21は、熱機器用給水の処理効率を向上させることができるとともに、その処理の安定化を図ることができる。
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
本発明の水質改質システムの一実施の形態を示す構成図である。 図1の水質改質装置の装置筐体の上蓋を取って見たときの図である。 (a)は第一実施例となる水質改質装置の構成図、(b)は圧力センサに関する補足説明図である。 第二実施例となる水質改質装置の構成図である。 ポンプの制御に係る説明図である。 制御部の一処理(第一、第二実施例の運転制御)を示すフローチャートである。 制御部の一処理(第一、第二実施例の詰まり/劣化判断)を示すフローチャートである。 第三実施例となる水質改質装置の構成図である。 第四実施例となる水質改質装置の構成図である。 制御部の一処理(第三、第四実施例の詰まり/劣化判断)を示すフローチャートである。 従来例のボイラシステムの構成図である。 従来例のボイラの構成図である。
符号の説明
21 水質改質システム
22 熱機器
23 給水ライン
24 各種装置
25 給水タンク
26 活性炭濾過装置
27 軟水装置
28 水質改質装置
29 測定装置
30 装置主要部
31 プレフィルタ
32 コントロールパネル
33 制御ボックス
34 装置筐体
35 濾過処理部
36 ポンプ
37 各種測定機器
37a 流量センサ
37b 温度センサ
37c 圧力センサ
37d 電気伝導度計
38 インバータ
39 制御部(詰まり/劣化判断処理手段)
40 排水ライン
41 循環水ライン
42 通報手段
43 溶存気体除去処理部
44 定流量弁

Claims (3)

  1. 熱機器に供給するための給水の水質を改質する水質改質システムであって、
    前記給水を流す給水ラインと、
    該給水ラインに接続され、非不動態化金属体の腐食を引き起こす腐食促進成分を捕捉するとともに、前記腐食の抑制に寄与する腐食抑制成分を透過する濾過処理部と、
    前記濾過処理部の上流側及び下流側に接続される各種測定機器からの検知信号に基づいて透過流束を演算するとともに、該演算した透過流束と初期透過流束との比較を行って、前記濾過処理部の詰まり/劣化の判断を行う詰まり/劣化判断処理手段と、
    を備えて構成する
    ことを特徴とする水質改質システム。
  2. 熱機器に供給するための給水の水質を改質する水質改質システムであって、
    前記給水を流す給水ラインと、
    該給水ラインに接続され、非不動態化金属体の腐食を引き起こす腐食促進成分を捕捉するとともに、前記腐食の抑制に寄与する腐食抑制成分を透過する濾過処理部と、
    前記濾過処理部の上流側及び下流側に接続される圧力センサからの検知信号に基づいて圧力差を求めるとともに、該求めた圧力差と初期圧力差との比較を行って、前記濾過処理部の詰まり/劣化の判断を行う詰まり/劣化判断処理手段と、
    を備えて構成する
    ことを特徴とする水質改質システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の水質改質システムにおいて、
    前記詰まり/劣化の判断は、前記濾過処理部の下流側の前記給水の水質情報、又は、前記濾過処理部の上流側及び下流側の前記給水の水質情報をも用いて判断する
    ことを特徴とする水質改質システム。
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