JP2007175603A - 膜濾過システムの運転方法 - Google Patents

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剛 米田
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Abstract

【課題】給水タンクへの給水を開始したときにおける透過水の水質の悪化を低減させることができる膜濾過システムの運転方法を実現する。
【解決手段】給水中の不純物を除去する濾過膜部4と、ボイラ2へ供給するための給水を貯留する給水タンク6とがこの順で前記ボイラ2への給水ライン3と接続された膜濾過システム1の運転方法であって、前記濾過膜部4と前記給水タンク6との間の前記給水ライン3を閉鎖するとともに、前記濾過膜部4からの透過水を前記閉鎖箇所の上流側の前記給水ライン3から前記濾過膜部4の上流側の前記給水ライン3へ還流させる還流運転を、前記給水タンク6への給水を停止しているときに、前記給水タンク6への給水を開始するまでの所定時間行うことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、給水中の不純物を除去する濾過膜部と、機器へ供給するための給水を貯留する給水タンクとがこの順で前記機器への給水ラインと接続された膜濾過システムの運転方法に関する。
熱機器や水使用機器などの機器への給水の水処理システムとして、給水に含まれる不純物,たとえば溶存塩類を濾過する濾過膜部が前記機器への給水ラインと接続された膜濾過システムがある(たとえば、特許文献1)。この膜濾過システムでは、前記濾過膜部の一側から給水が流入してこの給水が濾過膜で濾過される。そして、前記濾過膜部の他側から、透過水と濃縮水とが流出し、透過水が前記機器へ供給される。
特開平5−220480号公報
前記膜濾過システムでは、前記濾過膜部からの透過水が、前記機器へ供給するための給水として、前記濾過膜部の下流側の前記給水ラインと接続された給水タンク内に貯留されるようになっている。この給水タンクへ給水を供給するときには、前記濾過膜部の上流側に設けられたポンプによって所定の給水圧力を加えて前記濾過膜部へ給水を供給し、前記濾過膜部における濾過膜によって逆浸透現象を利用して給水を濾過している。しかし、前記給水タンクへの給水を停止するために、前記ポンプを停止して前記濾過膜部への給水を停止すると、前記濾過膜へ給水供給側からの給水圧力がかからないために、前記濾過膜付近で浸透現象が起き、前記濾過膜付近では、透過側の不純物の濃度が高くなるので、前記給水タンクへの給水を開始したときに、透過水の水質が悪化し、前記機器へ供給される給水について、所定の水質が得られなくなるおそれがある。とくに、前記給水タンクへの給水の停止が頻繁に起きたり、給水を停止している時間が長くなったりする場合や、前記給水タンクの容量が小さい場合に、前記機器へ供給される給水の水質悪化の問題が顕著になる。
この発明が解決しようとする課題は、給水タンクへの給水を開始したときにおける透過水の水質の悪化を低減させることができる膜濾過システムの運転方法を実現することである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、給水中の不純物を除去する濾過膜部と、機器へ供給するための給水を貯留する給水タンクとがこの順で前記機器への給水ラインと接続された膜濾過システムの運転方法であって、前記濾過膜部と前記給水タンクとの間の前記給水ラインを閉鎖するとともに、前記濾過膜部からの透過水を前記閉鎖箇所の上流側の前記給水ラインから前記濾過膜部の上流側の前記給水ラインへ還流させる還流運転を、前記給水タンクへの給水を停止しているときに、前記給水タンクへの給水を開始するまでの所定時間行うことを特徴とする。
請求項1に記載の発明では、前記給水タンクへの給水を停止しているときに、前記給水タンクへの給水を開始するまでの所定時間、前記還流運転を行って、前記濾過膜部からの透過水を、前記濾過膜部の上流側の前記給水ラインへ還流させることにより、前記濾過膜部において透過側よりも給水供給側の水圧が高くなって給水供給側から透過側へ給水が流れ、逆浸透現象により濾過膜によって給水中の不純物が除去される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の膜濾過システムの運転方法において、前記給水タンクへの給水を停止しているときに、この給水タンク内の水位が所定の水位まで下降すると、前記還流運転を開始し、この還流運転を開始してから所定時間経過後に、前記給水タンクへの給水を開始することを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、前記給水タンク内の水位が所定の水位まで下降したときに、前記還流運転を開始して前記濾過膜部からの透過水を前記濾過膜部の上流側の前記給水ラインへ還流させることにより、前記濾過膜部において給水供給側から透過側へ給水が流れて前記濾過膜によって給水中の不純物が除去される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の膜濾過システムの運転方法において、前記濾過膜部への給水,前記濾過膜部からの透過水および前記濾過膜部からの濃縮水のいずれかの水質に基づいて、前記還流運転の運転時間の長さを設定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、前記濾過膜部への給水,前記濾過膜部からの透過水および前記濾過膜部からの濃縮水のいずれかの水質に基づいて、給水中の不純物を十分に除去して透過水の水質悪化を低減させることができるように、前記還流運転の運転時間の長さを設定する。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の膜濾過システムの運転方法において、前記濾過膜部への給水の供給を停止していた時間の長さに基づいて、前記還流運転の運転時間の長さを設定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、前記濾過膜部への給水の供給を停止していた時間の長さに基づいて、給水中の不純物を十分に除去して透過水の水質悪化を低減させることができるように、前記還流運転の運転時間の長さを設定する。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の膜濾過システムの運転方法において、前記濾過膜部への給水,前記濾過膜部からの透過水および前記濾過膜部からの濃縮水のいずれかの水質と、前記濾過膜部への給水の供給を停止していた時間の長さとに基づいて、前記還流運転の運転時間の長さを設定することを特徴とする。
さらに、請求項5に記載の発明では、前記濾過膜部への給水,前記濾過膜部からの透過水および前記濾過膜部からの濃縮水のいずれかの水質と、前記濾過膜部への給水の供給を停止していた時間の長さとに基づいて、給水中の不純物を十分に除去して透過水の水質悪化を低減させることができるように、前記還流運転の運転時間の長さを設定する。
請求項1に記載の発明によれば、前記給水タンクへの給水を停止しているときに、前記給水タンクへの給水を開始するまでの所定時間、前記還流運転を行うことにより、前記濾過膜部において給水中の不純物が除去されるので、前記給水タンクへの給水を開始したときにおける透過水の水質の悪化を低減させることができる。したがって、前記給水タンクへの給水の停止が頻繁に起きたり、給水を停止している時間が長くなったりしても、また前記給水タンクの容量が小さくても、前記機器へ供給される給水について、所定の水質を維持することができる。
請求項2に記載の発明によれば、前記給水タンク内の水位が所定の水位まで下降したときに、前記還流運転を開始することによって給水中の不純物が除去され、このように給水中の不純物が除去される還流運転を開始してから所定時間経過後に、前記給水タンクへの給水を開始するので、前記給水タンクへ給水を開始したときにおける透過水の水質悪化を低減させることができる。
請求項3,4に記載の発明によれば、給水中の不純物を十分に除去することができるように、前記還流運転の運転時間の長さを最適なものに設定することができる。
請求項5に記載の発明によれば、前記還流運転の運転時間の長さが、前記濾過膜部への給水,前記濾過膜部からの透過水および前記濾過膜部からの濃縮水のいずれかの水質と、前記濾過膜部への給水の供給を停止していた時間の長さとに基づいて設定されるので、給水中の不純物を十分に除去することができるように、前記還流運転の運転時間の長さを、より最適なものに設定することができる。
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態に係る膜濾過システムの運転方法は、機器への給水ラインと接続された濾過膜部と、この濾過膜部の下流側の前記給水ラインに設けられた開閉弁と、この開閉弁の下流側の前記給水ラインと接続された給水タンクと、前記濾過膜部と前記開閉弁との間の前記給水ラインと前記濾過膜部の上流側の給水ラインとを接続する透過水還流ラインとを備えた膜濾過システムにおいて実施される。
前記機器としては、蒸気ボイラ,温水ボイラ,クーリングタワー,給湯器などの熱機器を挙げることができる。また、前記機器としては、半導体製造における電子部品,医療器具等の各種洗浄装置などの水使用機器も挙げることができる。
前記濾過膜部は、濾過膜により、給水中に含まれる不純物を濾過するものである。前記濾過膜としては、逆浸透膜(RO膜)やナノ濾過膜(NF膜)を挙げることができる。前記逆浸透膜は、分子量が数十程度の物質を濾別可能な液体分離膜である。また、前記ナノ濾過膜は、2nm程度より小さい粒子や高分子(分子量が最大数百程度の物質)の透過を阻止することができる液体分離膜であり、濾過機能の点において、限外濾過膜(分子量が1,000〜300,000程度の物質を濾別可能な膜)と前記逆浸透膜との中間に位置する機能を有する液体分離膜である。
前記給水タンク内には、前記機器へ供給するための給水として、前記濾過膜部からの透過水が貯留されるようになっている。
さて、前記膜濾過システムでは、前記給水タンクへの給水を行うときには、前記濾過膜部へ給水を供給して、この給水中の不純物を前記濾過膜によって濾過する。そして、前記濾過膜部からの透過水を、前記給水タンク内に貯留する。
前記給水タンクへの給水を行うことにより、この給水タンク内の水位が上昇し、給水を停止する所定の水位になると、前記濾過膜部への給水の供給を停止して、前記給水タンクへの給水を停止する。
そして、前記給水タンクへの給水を開始するときには、給水の開始前に、前記開閉弁を閉状態にして前記給水ラインを閉鎖するとともに、前記濾過膜部からの透過水を前記透過水還流ラインを介して前記濾過膜部の上流側の給水ラインへ還流させる還流運転を、前記給水タンクへの給水を開始するまでの所定時間行う。この還流運転を行って、前記濾過膜部からの透過水を前記濾過膜部の上流側の前記給水ラインへ還流させると、前記濾過膜部において透過側よりも給水供給側の水圧が高くなって給水供給側から透過側へ給水が流れ、逆浸透現象により前記濾過膜によって給水中の不純物が除去される。
前記還流運転は、たとえば前記給水タンクの水位が所定の水位まで下がったときに開始する。
また、前記還流運転の運転時間は、給水中の不純物を十分に除去して透過水の水質悪化を低減させることができるような長さに設定する。具体的には、原水の水質(ここでは不純物濃度)は、地域や季節などによって異なるので、前記濾過膜部への給水,前記濾過膜部からの透過水および前記濾過膜部からの濃縮水のいずれかの水質に基づいて、給水中の不純物を十分に除去して透過水の水質悪化を低減させることができるように、前記還流運転の運転時間の長さを設定する。
また、前記濾過膜部への給水の供給を停止していた時間が長くなるほど、前記濾過膜付近において、透過側の不純物濃度が高くなる。したがって、前記濾過膜部への給水の供給を停止していた時間によって、前記濾過膜付近における透過側の不純物濃度が異なってくるので、前記還流運転の運転時間の長さは、前記濾過膜部への給水の供給を停止していた時間の長さに基づいて、給水中の不純物を十分に除去して透過水の水質悪化を低減させることができるように設定してもよい。
さらに、前記還流運転の運転時間の長さは、前記濾過膜部への給水,前記濾過膜部からの透過水および前記濾過膜部からの濃縮水のいずれかの水質と、前記濾過膜部への給水の供給を停止していた時間の長さとに基づいて、給水中の不純物を十分に除去して透過水の水質悪化を低減させることができるように設定してもよい。
この実施の形態の膜濾過システムによれば、前記給水タンクへの給水を停止しているときに、前記給水タンクへの給水を開始するまでの所定時間、前記還流運転を行うことにより、前記濾過膜部において給水中の不純物が除去されるので、前記給水タンクへの給水を開始したときにおける透過水の水質の悪化を低減させることができる。したがって、前記給水タンクへの給水の停止が頻繁に起きたり、給水を停止している時間が長くなったりしても、また前記給水タンクの容量が小さくても、前記機器へ供給される給水について、所定の水質を維持することができる。
また、給水中の不純物を十分に除去することができるように、前記還流運転の運転時間を最適なものに設定することができる。
さらに、前記還流運転の運転時間の長さを、前記濾過膜部への給水,前記濾過膜部からの透過水および前記濾過膜部からの濃縮水のいずれかの水質と、前記濾過膜部への給水の供給を停止していた時間の長さとに基づいて設定すれば、給水中の不純物を十分に除去することができるように、前記還流運転の運転時間の長さを、より最適に設定することができる。
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明を実施するための膜濾過システムの構成の一例を示す概略的な説明図、図2は、図1に示す膜濾過システムの給水タンクの拡大説明図である。
図1に示す膜濾過システム1は、水道水,工業用水,地下水などの水源から供給される原水を水処理して得られた給水をボイラ2へ供給するものである。この膜濾過システム1は、前記ボイラ2への給水ライン3を備え、さらにこの給水ライン3と接続された濾過膜部4および脱気膜部5を上流側からこの順で備えている。また、前記膜濾過システム1は、給水を貯留する給水タンク6と前記濾過膜部4の上流側に設けられ、給水を前記濾過膜部4へ供給するポンプ7と、このポンプ7の上流側の前記給水ライン3に設けられた弁8と、前記濾過膜部4と前記脱気膜部5の間の前記給水ライン3に設けられた開閉弁9とを備えている。さらに、前記膜濾過システム1は、前記濾過膜部4と前記開閉弁9の間の前記給水ライン3と、前記ポンプ7と前記弁8の間の前記給水ライン3とを接続する透過水還流ライン10を備えている。そして、この透過水還流ライン10には、還流制御弁11が設けられている。
また、前記膜濾過システム1は、バルーンA,A′,A″のうち、いずれかの位置に接続されている水質センサ12,12′,12″を有している。これら水質センサ12,12′,12″は、それぞれ前記濾過膜部4への給水の水質情報,前記濾過膜部4からの透過水の水質情報および前記濾過膜部4からの濃縮水のの水質情報を得るための測定機器であり、たとえば水の電気伝導度を測定する電気伝導度センサである。
前記濾過膜部4は、ナノ濾過膜(図示省略)を備えて構成されている。このナノ濾過膜は、ポリアミド系,ポリエーテル系などの合成高分子膜であり、2nmよりも小さい粒子や高分子(分子量が最大数百程度の物質)の透過を阻止することができる液体分離膜である。前記ナノ濾過膜は、通常、濾過膜モジュールとして構成されている。この濾過膜モジュールの形態には、スパイラルモジュール,中空糸モジュール,平膜モジュールなどがある。
前記濾過膜部4の一側へは、前記ポンプ7から送り出された給水が流入するようになっている。前記濾過膜部4へ流入した給水は、前記ナノ濾過膜により、腐食促進成分が捕捉されるとともに、腐食抑制成分が透過するようになっている。
ここで、腐食促進成分および腐食抑制成分について説明する。まず、腐食促進成分とは、前記ボイラ2が貫流ボイラである場合、非不動態化金属よりなり、ボイラ水が接触する複数の伝熱管(図示省略)や下部管寄せ(図示省略)の内面に作用してその腐食を促進するものを云い、通常、硫酸イオン,塩化物イオンおよびその他の成分を含んでいる。ちなみに、腐食促進成分として重要なものは、硫酸イオンおよび塩化物イオンの両者である。ところで、JIS B 8223:1999は、貫流ボイラを含む特殊循環ボイラの腐食を抑制する観点から、これらのボイラにおけるボイラ水の水質に関する各種の管理項目および推奨基準を規定し、その中で、塩化物イオン濃度の基準値を設けている。一方、ボイラ水の硫酸イオン濃度には言及されていないが、本願出願人においては、ボイラ水に含まれる硫酸イオンが、腐食促進成分として前記各伝熱管や前記下部管寄せに作用していることを確認している。
つぎに、腐食抑制成分とは、前記ボイラ2において、ボイラ水が接触する前記各伝熱管や前記下部管寄せの内面に作用してその腐食を抑制可能なものを云い、通常、シリカ(すなわち、二酸化ケイ素)を含んでいる。ところで、給水に含まれるシリカは、給水として用いる水道水,工業用水,地下水などにおいて、通常含有されている成分で、一般に、前記各伝熱管や前記下部管寄せにおけるスケール生成成分と認識されており、可能な限りその濃度を抑制することが好ましいと考えられている。しかし、本願出願人においては、ボイラ水に含まれるシリカが、腐食抑制成分として前記各伝熱管や前記下部管寄せに作用していることを確認している。
前記濾過膜部4の他側からは、腐食抑制成分を含む透過水と腐食促進成分を含む濃縮水とがそれぞれ分離されて流出するようになっている。そして、透過水は、前記給水ライン3を流れて前記給水タンク6内に貯留されるようになっている。一方、濃縮水は、一部が排水弁13を開状態にした排水ライン14から排水されるとともに、残部が、前記排水ライン14と、前記ポンプ7と前記弁8との間の前記給水ライン3とを接続する循環水ライン15を流れて前記ポンプ7と前記弁8の間の前記給水ライン3へ還流されるようになっている。
前記脱気膜部5は、気体透過膜を多数備えた気体透過膜モジュール(図示省略)と、給水中の溶存気体,具体的には溶存酸素を前記気体透過膜モジュールを通して真空吸引する水封式真空ポンプ(図示省略)とを備えている。
前記脱気膜部5を通過した給水は、前記給水タンク6内に貯留され、この給水タンク6から前記ボイラ2へ供給されるようになっている。前記給水タンク6には、水位センサ16が設けられている。
ここで、前記水位センサ16により、前記給水タンク6内の水位が水位H(図2参照。図1においては図示省略)になったことが検知されたときには、前記給水タンク6への給水が停止されるようになっている。また、前記水位センサ16により、前記給水タンク6内の水位が水位L(図2参照。図1においては図示省略)になったことが検知されたときには、後述するように、この発明に係る運転方法の要部となる還流運転が開始されるようになっている。さらに、前記水位センサ16により、前記給水タンク6内の水位が水位L(図2参照。図1においては図示省略)になったことが検知されたときには、前記給水タンク6への給水が開始されるようになっている。
前記弁8は、この実施例では減圧弁であり、この弁8により、前記透過水還流ライン10が接続された部分における前記給水ライン3の水圧が一定圧力以下に調節されるようになっている。
また、この実施例では、前記開閉弁9は電磁弁または電動弁である。また、前記還流制御弁11はレリーフ弁である。このレリーフ弁は、前記ポンプ7を作動するとともに前記開閉弁9を開状態にして前記給水タンク6への給水を行うときには、閉状態になり、前記ポンプ7を作動させるとともに前記開閉弁9を閉状態にして前記還流運転を行うときには、開状態になるように、開弁圧が設定されている。
つぎに、前記膜濾過システム1の運転方法について説明する。前記膜濾過システム1によって、前記給水タンク6への給水を行うときには、前記ポンプ7により前記濾過膜部4へ給水を供給し、この給水中の腐食促進成分を前記ナノ濾過膜(図示省略)によって濾過する。このとき、給水中の腐食抑制成分は、前記ナノ濾過膜を透過する。つぎに、前記濾過膜部4から流出した透過水に含まれる溶存酸素を前記脱気膜部5で脱気し、この水を前記ボイラ2へ供給する給水として前記給水タンク6内に貯留する。
一方、前記濾過膜部4からは濃縮水も流出し、この濃縮水は、一部を前記排水ライン14から所定の量で排水するとともに、残部を前記循環水ライン15を介して前記ポンプ7の上流側へ還流させる。
前記給水タンク6への給水を行うことにより、前記給水タンク6内の水位が上昇し、前記水位Hになったことが前記水位センサ16によって検知されると、前記ポンプ7の稼動を停止して前記濾過膜部4への給水の供給を停止し、前記給水タンク6への給水を停止する。そして、前記給水タンク6への給水を停止しているときに、前記ボイラ2へ給水が供給されて、前記給水タンク6内の水位が前記水位Lまで下降したことが前記水位センサ16によって検知されると、前記還流運転を開始する。
さて、前記還流運転は、前記濾過膜部4からの透過水を、前記透過水還流ライン10を介して前記濾過膜部4の上流側へ還流させる運転である。この実施例では、前記開閉弁9を閉状態にして、前記ポンプ7を作動させる運転を行う。これにより、前記還流制御弁11の上流側の水圧が、所定値以上になって前記還流制御弁11が開状態になり、前記濾過膜部4からの透過水が前記透過水還流ライン10を流れて前記ポンプ7と前記弁8との間の前記給水ライン3へ還流する。
このように、前記濾過膜部4からの透過水が前記透過水還流ライン10を流れて前記濾過膜部4の上流側へ還流すると、前記濾過膜部4において透過側よりも給水供給側の水圧が高くなって給水供給側から透過側へ給水が流れ、逆浸透現象により前記ナノ濾過膜によって腐食促進成分が除去されるので、前記給水タンク6への給水を開始したときにおける透過水の水質悪化を低減させることができる。
ここで、前記ポンプ7と前記弁8との間の水圧は、前記弁8によって常に一定の水圧に減圧されているので、原水の供給水圧が変動したとしても、前記透過水還流ライン10からの透過水の還流量は、常に一定の流量になる。
前記還流運転を行うときには、前記排水弁13は、閉状態にしてもよいし、開状態にしてもよい。前記排水弁13を閉状態にすると、節水を実現することができる。一方、前記排水弁13を開状態にすると、前記濾過膜部4からの濃縮水の不純物濃度が下がり、透過水の水質が良好になる。
前記還流運転を行っているときに、前記給水タンク6内の水位が前記水位Lになると、前記開閉弁9を開状態にして前記給水タンク6への給水を開始する。このとき、前記還流制御弁11よりも上流側の水圧が、前記還流制御弁11の開弁圧よりも低くなって前記還流制御弁11が閉状態になり、前記還流運転が終了になる。
前記還流運転の運転時間は、給水中の腐食促進成分を十分に除去して透過水の水質悪化を低減させることができる長さに設定する。そして、このような運転時間を確保することができるように、前記還流運転を開始する水位Lを設定する。
具体的には、前記還流運転の運転時間の長さは、給水中の腐食促進成分を十分に除去して透過水の水質悪化を低減させることができるように、前記各水質センサ12,12′,12″の検出値に基づいて設定する。すなわち、原水の水質(ここでは不純物濃度)は、地域や季節などによって異なるので、前記各水質センサ12,12′,12″である電気伝導度センサの検出値が高くなれば、前記水位Lをより高く設定して前記還流運転の運転時間を長くし、給水中の腐食促進成分を十分に除去する。一方で、前記各水質センサ12,12′,12″の検出値が低くなれば、前記ナノ濾過膜付近における透過側の不純物濃度が低いので、これに応じて前記水位Lをより低くして前記還流運転の運転時間を短くする。
また、前記還流運転の運転時間の長さは、給水中の腐食促進成分を十分に除去して透過水の水質悪化を低減させることができるように、前記濾過膜部4への給水の供給を停止していた時間に基づいて設定してもよい。すなわち、前記濾過膜部4への給水の供給を停止していた時間が長くなるほど、前記ナノ濾過膜付近における透過側の不純物濃度が高くなる。したがって、前記濾過膜部4への給水の供給を停止していた時間が長ければ、前記水位Lをより高くして前記還流運転の運転時間を長くし、給水中の腐食促進成分を十分に除去する。一方で、前記濾過膜部4への給水の供給を停止していた時間が短ければ、前記ナノ濾過膜付近における透過側の不純物濃度が低いので、これに応じて前記水位Lをより低くして前記還流運転の運転時間を短くする。
すなわち、前記還流運転の所定時間は、前記給水タンク6内の水位が前記水位Lから前記水位Lに達するまでの時間として設定される。
さらに、前記還流運転の運転時間の長さは、給水中の腐食促進成分を十分に除去して透過水の水質悪化を低減させることができるように、前記各水質センサ12,12′,12″の検出値と前記濾過膜部4への給水の供給を停止していた時間の長さとに基づいて設定してもよい。
ここで、前記還流運転を開始した後に前記ボイラ2が停止するなど、前記ボイラ2の稼動状況によっては、前記給水タンク6内の水位が前記水位Lから前記水位Lに達するまでの時間が想定されている時間よりも長くなり、前記還流運転の開始後、前記所定時間を経過しても前記給水タンク6内の水位が前記水位Lまで達しないこともある。したがって、前記給水タンク6内の水位が前記水位Lに達する前であっても、前記還流運転を開始してから所定時間経過後に、前記開閉弁9を開状態にして前記給水タンク6への給水を開始するとともに前記還流運転を終了してもよい。
また、この実施例では、前記還流制御弁11はレリーフ弁であるが、これに限られるものではなく、たとえば逆止弁,電磁弁,電動弁などであってもよい。ここで、前記還流制御弁11が電磁弁,電動弁であるときの開閉制御について説明する。前記給水タンク6への給水を行っているときには、前記還流制御弁11を閉状態にする。一方、前記還流運転を行うときには、前記還流制御弁11を開状態にして、前記濾過膜部4からの透過水を前記透過水還流ライン10を介して前記ポンプ7の上流側へ還流させる。
その他、この発明は、その趣旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。
この発明を実施するための膜濾過システムの構成の一例を示す概略的な説明図である。 図1に示す膜濾過システムの給水タンクの拡大説明図である。
符号の説明
1 膜濾過システム
2 ボイラ(機器)
3 給水ライン
4 濾過膜部
6 給水タンク
10 透過水還流ライン

Claims (5)

  1. 給水中の不純物を除去する濾過膜部と、機器へ供給するための給水を貯留する給水タンクとがこの順で前記機器への給水ラインと接続された膜濾過システムの運転方法であって、
    前記濾過膜部と前記給水タンクの間の前記給水ラインを閉鎖するとともに、前記濾過膜部からの透過水を前記閉鎖箇所の上流側の給水ラインから前記濾過膜部の上流側の給水ラインへ還流させる還流運転を、前記給水タンクへの給水を停止しているときに、前記給水タンクへの給水を開始するまでの所定時間行うことを特徴とする膜濾過システムの運転方法。
  2. 前記給水タンクへの給水を停止しているときに、この給水タンク内の水位が所定の水位まで下がると、前記還流運転を開始し、この還流運転を開始してから所定時間経過後に、前記給水タンクへの給水を開始することを特徴とする請求項1に記載の膜濾過システムの運転方法。
  3. 前記濾過膜部への給水,前記濾過膜部からの透過水および前記濾過膜部からの濃縮水のいずれかの水質に基づいて、前記還流運転の運転時間の長さを設定することを特徴とする請求項1または2に記載の膜濾過システムの運転方法。
  4. 前記濾過膜部への給水の供給を停止していた時間の長さに基づいて、前記還流運転の運転時間の長さを設定することを特徴とする請求項1または2に記載の膜濾過システムの運転方法。
  5. 前記濾過膜部への給水,前記濾過膜部からの透過水および前記濾過膜部からの濃縮水のいずれかの水質と、前記濾過膜部への給水の供給を停止していた時間の長さとに基づいて、前記還流運転の運転時間の長さを設定することを特徴とする請求項1または2に記載の膜濾過システムの運転方法。
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