JP2005285947A - 冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 経年使用によっても十分な冷却性能が維持できる冷却装置を提供する。
【解決手段】 タンク2の最上部以外の部分に空気溜り部29を形成するために、このタンク2の内部に仕切り26を設ける。こうすると、タンク2内に空気Bの混じった液体が流入すると、空気Bは空気溜り部29に溜まる。そのため、タンク2内に仕切り板26を設けるだけで、タンク2の最上部における液面の低下を遅らせて、空気Bがタンク2の外部に液体と一緒に出るのを防ぐことができる。また、液体が蒸発などで減少した後でもタンク2の残量に余裕ができるので、タンク2の容量を減らすことができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子機器の冷却装置に関し、例えば中央演算処理装置等の発熱部品としての熱源を、液体を移動させて冷却する液体式の冷却装置に関するものである。
近年、ノート型パソコンに組み込まれる半導体素子としてのMPU(マイクロプロセッサユニット)は、高速化および高性能化が進み、熱源であるMPUの発熱量が増大しているため、従来の冷却ファンモジュールを利用した空冷による冷却装置では、十分にMPUを冷却することが困難になっていた。また、空気で高い発熱量の熱源を冷却する際の騒音が耳障りになるという問題があった。
こうした問題点を解決するために、例えば、特許文献1や特許文献2では、基板に搭載されるMPUなどの熱源を、液体の往復動または循環により冷却する冷却装置が提案されている。これは例えば図22に示すように、冷却装置100は冷媒である液体を循環させる駆動部としてのポンプ101と、基板102上に設けられた発熱部材103と液体との間で熱交換を行なう冷却器104と、液体から熱を取り除く放熱部としての放熱器105と、これらの各部を接続して液体を流通する経路としての配管106と、放熱器105を空冷するファン107とにより構成され、ポンプ101から吐出された液体が、配管106を通って冷却器104に送られ、ここで発熱部材103の熱を奪うことで液体の温度が上昇し、放熱器105に送られる。そして、放熱器105でファン107によって強制空冷されて液体の温度が降下し、再びポンプ101へ戻る動作を繰り返すことにより、配管106内の液体を循環させて従来よりも多くの熱を静かに冷却できるようにしている。この配管106には、ノート型パソコンの携帯性の向上を図るため、重量のある金属ではなく、樹脂製のフレキシブルチューブが用いられ、重量の低減が図られている。また、図22には示していないが、配管106の途中には、液体を溜めておく貯溜部としてのタンクが設けられる。
特許第3385482公報 特許第3431024公報
しかしながら、上記構成の冷却装置100では、空気を完全に抜いた状態で液体を封入することが難しく、流路内に空気が残ってしまう。また経年的な使用によっても、例えば成形部品からなるフレキシブルチューブやタンクなどから液体が僅かずつ透過したり、内部で液体が蒸発して、冷却装置100内の液体が次第に減少する。こうなると、空気の混ざった液体が配管106内に多く侵入して、十分な冷却能力が得られない。すなわち、一度配管106内に入った空気である気体が、タンクに抜け出せずに再び配管106に流入することにより、冷却性能が低下するという問題があった。
そこで、本願発明は上記問題点に鑑み、簡単な構造でありながら、空気(気体)の混ざった液体が経路内に流入しないようにする冷却装置を提供することをその目的とする。
請求項1における冷却装置では、貯溜部内に空気の混じった液体が流入すると、空気は貯溜部の最上部以外の部分に形成した気体溜り部に溜まる。そのため、貯溜部内に壁を設けるだけで、貯溜部の最上部における液面の低下を遅らせて、空気が貯溜部の外部に液体と一緒に出るのを防ぐことができる。また、液体が蒸発などで減少した後でも貯溜部の残量に余裕ができるので、貯溜部の容量を減らすことができる。
請求項2における冷却装置では、流入する気体の混じった液体が、流入経路に沿って気体溜り部に流れ込むようになり、気体を気体溜り部に確実に溜めることができる。
請求項3における冷却装置では、貯溜部内に空気の混じった液体が流入すると、仕切りで隔離された部分から空気が溜まって、貯溜部内の液面が不均一になる。そのため、貯溜部内に仕切りを設けるだけで、貯溜部の最上部における液面の低下を部分的に遅らせることができ、この遅れた部分を利用して空気が貯溜部の外部に液体と一緒に出るのを防ぐことができる。また、液体が蒸発などで減少した後でも貯溜部の残量に余裕ができるので、貯溜部の容量を減らすことができる。
請求項4における冷却装置では、経路内の液体中に気泡が入り込むと、この経路中に設けた膨出部に気体だけが分離して溜まり、膨出部の下流側への気体の流れを阻止する。したがって、経路中に膨出部を設けただけの構成でありながら、経路内に入り込んだ気泡を膨出部に移動させて、気体の混ざった液体が経路内に流入するのを防止できる。
請求項5における冷却装置では、膨出部に溜まった気体が連通部によって貯溜部に導かれ、経路内に入り込んだ気泡を効率よく貯溜部に排出することが可能になる。
請求項6における冷却装置では、経路内の液体中に気泡が入り込むと、この経路中に設けた曲げ部で気泡の流れが弱められ、連通部を通って貯溜部に気体が排出される。そのため曲げ部と連通部を設けただけの構成でありながら、経路内に入り込んだ気泡を連通部から貯溜部に排出させて、気体の混ざった液体が経路内に流入するのを防止できる。
請求項7における冷却装置では、経路内の液体中に気泡が入り込むと、この経路中に設けた隙間を通って、貯溜部に気体が排出される。そのため経路中に隙間を設けただけの構成でありながら、経路内に入り込んだ気泡を隙間から貯溜部に排出させて、気体の混ざった液体が経路内に流入するのを防止できる。
請求項8における冷却装置では、経路内の液体中に気泡が入り込むと、この経路中に設けた排出部を通って、貯溜部に気体が排出される。そのため経路中に排出部を設けただけの構成でありながら、経路内に入り込んだ気泡を排出部から貯溜部に排出させて、気体の混ざった液体が経路内に流入するのを防止できる。
請求項9における冷却装置では、経路から空気を含んだ液体が貯溜部に流入すると、空気は貯溜部の上部に移動する一方で、液体は別の液体集中部に集められる。そのため、この液体集中部から経路に液体だけを送り出すようにすれば、貯溜部の構造を変えただけの簡単な構成で、空気の混ざった液体が経路内に流入するのを防止できる。
請求項10における冷却装置では、経路から空気を含んだ液体が貯溜部に流入すると、空気は貯溜部の上部に移動する一方で、液体は別の液体集中部に集められる。このとき、液体集中部から口部を介して経路に直接液体だけを送り出すことができ、貯溜部に液体集中部と口部とを設けただけの簡単な構成で、空気の混ざった液体が経路内に流入するのを防止できる。
請求項11における冷却装置では、経路から空気を含んだ液体が貯溜部に流入すると、空気は貯溜部の上部に移動する一方で、液体は貯溜部の下部に集められ、そこから口部を介して経路に直接液体だけを送り出すことができる。そのため、口部の接続位置を考慮するだけの簡単な構造で、空気の混ざった液体が経路内に流入するのを防止できる。
請求項12における冷却装置では、貯溜部から経路に空気が入りにくいように、経路の一部の孔部を異なる大きさまたは形状にすることにより、貯溜部内で空気と液体を分離して、経路に直接液体だけを送り出すことができる。そのため、経路の一部にある孔部の大きさや形状を考慮するだけで、空気の混ざった液体が経路内に流入するのを防止できる。また、経路の一部で外形の大きさや形状を変えることにより、この経路の一部に接続する管部材の接続を容易にできると共に、貯溜部の内容積を増加させて液体の収容量を増やし、良好な冷却性能を維持することができる。
請求項1の冷却装置によれば、壁を設けただけの簡単な構造でありながら、空気の混ざった液体が経路内に流入しないようにできると共に、貯溜部の容量を減らすことができる。
請求項2の冷却装置によれば、気体を気体溜り部に確実に溜めることが可能になる。
請求項3の冷却装置によれば、仕切りを設けただけの簡単な構造でありながら、空気の混ざった液体が経路内に流入しないようにできると共に、貯溜部の容量を減らすことができる。
請求項4の冷却装置によれば、経路中に膨出部を設けただけの簡単な構造でありながら、気体の混ざった液体が経路内に流入しないようにできる。
請求項5の冷却装置によれば、経路内に入り込んだ気泡を効率よく貯溜部に排出できる。
請求項6の冷却装置によれば、曲げ部と連通部を設けただけの簡単な構造でありながら、気体の混ざった液体が経路内に流入しないようにできる。
請求項7の冷却装置によれば、経路中に隙間を設けただけの簡単な構造でありながら、気体の混ざった液体が経路内に流入しないようにできる。
請求項8の冷却装置によれば、経路中に排出部を設けただけの簡単な構造でありながら、気体の混ざった液体が経路内に流入しないようにできる。
請求項9の冷却装置によれば、貯溜部の構造を変えただけの簡単な構成で、空気の混ざった液体が経路内に流入するのを防止できる。
請求項10の冷却装置によれば、貯溜部に液体集中部と口部とを設けただけの簡単な構成で、空気の混ざった液体が経路内に流入するのを防止できる。
請求項11の冷却装置によれば、口部の接続位置を考慮するだけの簡単な構造で、空気の混ざった液体が経路内に流入するのを防止できる。
請求項12の冷却装置によれば、経路の一部にある孔部の大きさや形状を考慮するだけで、空気の混ざった液体が経路内に流入するのを防止できる。また、経路の一部に接続する管部材の接続を容易にできると共に、貯溜部の内容積を増加させて良好な冷却性能を維持することができる。
以下、本発明における好ましい冷却装置の各実施例について、添付図面を参照しながら説明する。なお、ここでの冷却装置は、何れも薄型電子機器であるノート型パソコンに組み込まれるものを想定しているが、それ以外の各種電子機器の冷却装置としても適用可能である。
図1は、各実施例に共通する冷却装置の全体構成を模式的に示したものであり、液体式の冷却装置1は、冷媒である液体を溜めておく貯溜部としてのタンク2と、液体を移動(循環または往復動)させる駆動部としてのポンプ3と、基板4上に設けられた熱源であるMPUなどの半導体5と液体とを熱交換させ、この半導体5から熱を奪って冷却する受熱部としての冷却器6と、冷却器6で温度上昇した液体から熱を取り除く放熱部としての放熱器7と、放熱器7を空冷するファン8と、タンク2,ポンプ3,冷却器6および放熱器7の各部を繋いで液体を循環させる管状の経路9とにより構成される。また、ここでの液体は、例えばプロピレングリコールと防錆剤を水に混合した水溶液からなる不凍液が用いられている。
そして上記構成では、タンク2に貯溜する冷却された液体が、ポンプ3の駆動力によって経路9を通過して、半導体5と熱的に接続された冷却器6に送り出され、高温に発熱した半導体5から熱を奪って冷却する。冷却器6で温められた液体は、経路9を通過して放熱器7に送り出され、ここでファン8からの風が放熱器7に当たることにより空冷される。この放熱器7は効率よく熱交換をするため、例えばフィンなどにより外気との接触面積を増やした形状としてもよいことはいうまでもない。冷却された液体は経路9を通ってタンク2に戻り、上記の動作を繰り返すことによって、継続的に半導体5の冷却を行なう。
なお、図1では冷却器6が独立して設けられているが、例えばタンク2の外郭部材を半導体5の受熱部とし、この受熱部を介して半導体5からの熱を液体に伝導させてもよい。また、ポンプ3の代わりに経路9中の液体を往復動させる駆動部を組み込んでもよい。
冷却装置1の冷却性能を高めるには、前記ポンプ3による圧縮効率を高め、液体が効率よく冷却装置1内を循環することが効果的であり、その観点から、ポンプ3に流入する液体は空気を含まない液状態であることが望ましい。また、半導体5と熱的に接続された冷却器6において効率的に熱交換を行なう場合にも、液体は空気を含まない液状態であることが望ましい。したがって、ポンプ3の直前に配置されたタンク2において液体のみを送り出すことができれば、冷却装置1の良好な冷却性能を維持することができる。
以下、本発明の第1実施例における好ましいタンク2の構造について、図2および図3を参照して説明する。タンク2は、底面壁21と、底面壁21から垂直に延びる側面壁22と、底面壁21と対向する天面壁23とにより外郭部材を構成した矩形箱状に形成されており、各壁21〜23は一体的に形成もしくは溶接などにより接続され、隙間から空気や液体を漏らさないように密閉されている。
タンク2の長手方向に配置される前方の側面壁22aには、タンク2への液体の流入口である入口パイプ24が一体的に形成もしくは挿入されていて、この前方の側面壁22aに対向する後方の側面壁22bには、タンク2からの液体の流出口である出口パイプ25が同様に形成されている。また、入口パイプ24の内端部24Aはタンク2内に向けて突出していると共に、出口パイプ25の内端部25Aもタンク2内に向けて突出している。入口パイプ24や出口パイプ25は何れも経路9の一部を構成するものであるが、これらの各内端部24A,25Aはタンク2内において側面壁22より突出させなくてもよい。また、出口パイプ25の内端部25Aは、入口パイプ24の内端部24Aよりも高い位置に設置されている。
26はL字形状をなす壁としての仕切り板で、この仕切り板26は出口パイプ25の下方に位置して水平方向に設けられた横板27と、この横板27の一端から垂直方向に連続して形成された縦板28とにより構成され、縦板28が設けられた横板27の一端を除く仕切り板26の各端縁は、タンク2の側面壁22(後方の側面壁22bおよび側方の側面壁22c,22d)と隙間なく接している。また、横板27の一端からタンク2の下方に伸びる縦板28には、前記入口パイプ24の内端部24Aが貫通接続されていると共に、出口パイプ25の下側部は横板27と一体に形成され、タンク2の内部において、仕切り板26とタンク2の側面壁22とにより囲まれた気体溜り部としての空気溜り部29が、タンク2の最上部以外の部分に分離して形成される。さらに縦板28の下端と底面壁21との間には隙間31が形成され、仕切り板26により区画形成された前記空気溜り部29から自由に液体だけがタンク2全体へ移動できるようになっている。
上記構成において、製造時に冷却装置1内に残存した空気や、経年的な使用により発生した空気があると、ポンプ3を駆動して液体を経路9内に循環させたときに、入口パイプ24の内端部24Aから空気B(図3参照)の混ざった液体がタンク2内に流入する。入口パイプ24の内端部24Aは、空気溜り部29に向けて開口しているので、タンク2内に流入した液体は、空気Bと共に強制的に流入経路30に沿って空気溜り部29に送られる。ここで液体よりも比重の軽い空気Bは空気溜り部29内で逃げ場を失って、この空気溜り部29の上面に空気層を形成して溜まる一方で、液体は縦板28と底面壁21との間に形成された隙間31を通って、タンク2内の液体層に溜まる。出口パイプ25の内端部25Aは、空気溜り部29の外部に向けて開口しているので、空気Bを含まない液体層に溜まった液体が、出口パイプ25の内端部25Aを通ってタンク2の外部に排出される。その後、空気溜り部29に空気層が充満すると、入口パイプ24の内端部24Aから空気Bが、隙間31を通って空気溜り部29の外部に流出し、タンク2の最上部に溜まるが、空気溜り部29がある分だけタンク2の最上部の空気層に溜まる空気Bを少なくできる。こうして、空気溜り部29を除く部分での液面の低下を遅らせ、タンク2内の液体の量が減少しても空気Bをタンク2の外部に排出することがないので、冷却性能の低下を防ぐことができる。
以上のように本実施例では、液体の貯溜部であるタンク2と、液体の駆動部であるポンプ3と、液体を流通する経路9と、熱源である半導体5から熱を奪った液体を冷却する放熱部としての放熱器7とを備えた冷却装置において、タンク2の最上部以外の部分に気体溜り部としての空気溜り部29を形成するために、このタンク2の内部に壁としての仕切り板26を設けている。
この場合、タンク2内に空気Bの混じった液体が流入すると、空気Bはタンク2の最上部以外の部分に形成した空気溜り部29に溜まる。そのため、タンク2内に仕切り板26を設けるだけで、タンク2の最上部における液面の低下を遅らせて、空気Bがタンク2の外部に液体と一緒に出るのを防ぐことができる。また、液体が蒸発などで減少した後でもタンク2の残量に余裕ができるので、タンク2の容量を減らすことができる。
なお、ここでの空気溜り部29は、タンク2の最上部以外の部分であれば、タンク2内のどの位置に設けてもよい。また本実施例では、タンク2内部の構造の簡素化を図るために、タンク2の外郭部材(側面壁22)を一部利用して空気溜り部29を設けているが、壁だけで空気溜り部29を設けるようにしてもよい。
また本実施例では、タンク2内に流入した空気Bを空気溜り部29に案内する流入経路30を備えている。このような流入経路30があると、タンク2内に流入する空気Bの混じった液体が、流入経路30に沿って案内されながら、タンク2の最上部以外の部分である空気溜り部29へと流れ込むようになり、タンク2内にある空気Bを空気溜り部29に確実に溜めることができる。
なお、本実施例では、入口パイプ24の内端部24Aを空気溜り部29に開口接続する構造を採用することで、タンク2に流入した空気Bが空気溜り部29に溜まるような流入経路30を形成しているが、流入経路30を形成するに際しどのような構造にするかは特に限定されない。
本発明の第2実施例について、図4および図5を参照して説明する。尚、上記実施例と同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は極力省略する。
この実施例のタンク2は、第1実施例のものと同一形状であるが、入口パイプ24と出口パイプ25は、お互いの内端部24A,25Aが一定の間隔を有して向かい合う位置に設けられており、出口パイプ25の上下方向には、この出口パイプ25を挟持するように一対の仕切り板33,34が設けられる。仕切り板33は、出口パイプ25の上方に位置して水平方向に設けられた横板33aと、出口パイプ25の内端部25Aよりも手前に突出した横板33aの一端から斜め上方に曲げられた傾斜板33bとにより構成され、傾斜板33bの一端を除く仕切り板33の各端縁は、タンク2の側面壁22(後方の側面壁22bおよび側方の側面壁22c,22d)と隙間なく接している。同様に、仕切り板34は、出口パイプ25の下方に位置して水平方向に設けられた横板34aと、出口パイプ25の内端部25Aよりも手前に突出した横板34aの一端から斜め下方に曲げられた傾斜板34bとにより構成され、傾斜板34bの一端を除く仕切り板34の各端縁は、タンク2の側面壁22と隙間なく接している。そして、タンク2の内部において、仕切り板34とタンク2の側面壁22とにより囲まれた空気溜り部36が、タンク2の最上部以外の部分に分離して形成されると共に、傾斜板34bの下端と底面壁21との間には隙間37が形成される。また本実施例では、例えば冷却装置1を収容するノート型パソコンの本体ひいてはタンク2を上下逆にした時にも、タンク2の内部において、仕切り板33とタンク2の側面壁22とにより囲まれた空気溜り部38が、タンク2の最上部以外の部分に分離して形成されると共に、このときタンク2の底面となる天面壁23と傾斜板33bの下端との間に隙間39が形成されるようになっている。なお、実施例中における傾斜板33b,34bは、例えば垂直な曲げ板であってもよい。
上記構成において、ポンプ3を駆動して液体を経路9内に循環させると、入口パイプ24の内端部24Aからタンク2内に液体が流入するが、液体中に空気Bが混ざっていると、この空気Bは液体と共にタンク2内に流入し、その一部が下側の仕切板34の傾斜板34bを越えて空気溜り部36に送られる。空気溜り部36に達した空気は、そこで行き場を失って、空気溜り部36の上面に空気層を形成して溜まり、タンク2内の空気Bは空気溜り部38とタンク2の最上部とに分散される。一方、タンク2を上下逆にした時には、空気溜り部36に集められていた空気Bがタンク2の最上部に移動するが、タンク2を上下逆さにする前の状態でタンク2の最上部にあった空気Bの一部が、今度は仕切り板33とタンク2の側面壁22とにより囲まれた空気溜り部38に移動して、そこで行き場を失ってしまい、タンク2内の空気Bはやはり空気溜り部38とタンク2の最上部とに分散される。これにより、タンク2を上下逆にした状態を含めて、タンク2上部に溜まる空気を少なくできるため、液面の低下を遅らせることができ、タンク2内の液体量が減少してもタンク2の外部への空気Bの排出を防止して、冷却性能を維持することができる。
このように本実施例においても、タンク2の最上部以外の部分に空気溜り部36を形成するために、このタンク2の内部に壁としての仕切り板34を設けている。そのため、タンク2内に空気Bの混じった液体が流入すると、空気Bの一部はタンク2の最上部以外の部分に形成した空気溜り部36に溜まる。そのため、タンク2内に仕切り板34を設けるだけで、タンク2の最上部における液面の低下を遅らせて、空気Bがタンク2の外部に液体と一緒に出るのを防ぐことができる。また、液体が蒸発などで減少した後でもタンク2の残量に余裕ができるので、タンク2の容量を減らすことができる。
またこの実施例では、タンク2を上下逆の状態にした場合でも、タンク2の内部にある壁としての仕切り板35が、タンク2の最上部以外の部分で別な空気溜り部38を形成するように設けられている。したがって、冷却装置1が上下逆の状態にされることがあっても、空気Bがタンク2の外部に液体と一緒に出るのを防ぐことができる。
次に、本発明の第3実施例について、図6を参照して説明する。尚、上記実施例と同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は極力省略する。
この実施例では、タンク2や入口パイプ24および出口パイプ25の構造が第2実施例と共通しているが、前記仕切り板33,34に代わって、タンク2の上面を構成する天面壁23のほぼ中央には、タンク2の内部上方を前後方向に分割するように仕切り板45が設置されている。この仕切り板45の下端を除く各端縁は、タンク2の天面壁23および側方の側面壁22c,22dと隙間なく接している。また仕切り板45の下端は、入口パイプ24や出口パイプ25の各内端部24A,25Aよりも高い位置にある。これにより、入口パイプ24の内端部24Aよりも上方に位置して、仕切板45で区画された第1の空気溜り部46が形成されると共に、出口パイプ25の内端部25Aよりも上方に位置して、同じく仕切板45で区画された第2の空気溜り部47が形成される。
上記構成において、ポンプ3を駆動して液体を経路9内に循環させると、入口パイプ24の内端部24Aからタンク2内に液体が流入するが、液体中に空気Bが混ざっていると、この空気Bは液体と共にタンク2内に流入し、液体よりも比重の軽い空気Bはタンク2の上部に移動する。ここで、仕切り板45が設けられていると、タンク2内に流入する液体の流速に応じて、第1の空気溜り部46および第2の空気溜り部47にそれぞれ空気Bが送り込まれ、タンク2上部の液面が第1の空気溜り部46と第2の空気溜り部47で不均一になる。これにより、第2の空気溜り部47における液面の低下を第1の空気溜り部46よりも遅らせることで、タンク2の外部へ空気が排出するのを防ぎ、良好な冷却性能を維持することができる。
以上のように本実施例では、液体の貯溜部であるタンク2と、液体の駆動部であるポンプ3と、液体を流通する経路9と、熱源である半導体5から熱を奪った液体を冷却する放熱部としての放熱器6とを備えた冷却装置において、タンク2内の液面が不均一になるように、このタンク2内に仕切りとしての仕切り板45を設けている。
この場合、タンク2内に空気Bの混じった液体が流入すると、仕切り板45で隔離された部分(第1の空気溜り部46)から空気が溜まって、タンク2内の液面が不均一になる。そのため、タンク2内に仕切り板45を設けるだけで、タンク2の最上部における液面の低下を部分的に遅らせることができ、この遅れた部分を利用して空気Bがタンク2の外部に液体と一緒に出るのを防ぐことができる。また、液体が蒸発などで減少した後でもタンク2の残量に余裕ができるので、タンク2の容量を減らすことができる。
なお、仕切り板45の形状や位置は、タンク2に流入する液体の流速や、出口パイプ25の位置などを考慮して適宜設定すればよい。
次に、本発明の第4実施例について、図7を参照して説明する。尚、上記実施例と同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は極力省略する。
経路9を形成する入口パイプ24と出口パイプ25との間には、経路9中に空気Bを溜めるための膨出部たる膨らみ部51が接続されている。前記膨らみ部51は、ここに流入した空気Bが出口パイプ25側に送り出されないように袋状に形成されると共に、経路9の任意の位置で経路9と一体的に形成される。また、膨らみ部51からタンク2内に空気を送り出すために、膨らみ部51には好ましくは一乃至複数の貫通孔52が形成される。
なお、膨らみ部51は経路9と別部材に設けてもよいし、タンク2の外部に設けてもよい。タンク2の内部に膨らみ部51を設けた場合は、膨らみ部51からタンク2に空気を導く連通部として、実施例のような貫通孔52やスリットを設けるのが好ましいが、膨らみ部51がタンク2の外部にある場合には、膨らみ部51とタンク2とを繋ぐバイパス管路を連通部として設けてよい。
上記構成において、ポンプ3を駆動して液体を経路9内に循環させると、入口パイプ24の内端部24Aからタンク2内に液体が流入するが、液体中に空気Bが混ざっていると、液体よりも比重の軽い空気Bは出口パイプ25の内端部25Aではなく膨らみ部51側に流れ込む。そして、膨らみ部51に達した空気Bは、貫通孔52からタンク2内の液体層に放出され、タンク2の上部にある空気層に溜まる。こうして、入口パイプ24の内端部24Aから出口パイプ25の内端部25Aにそのまま流出しようとする空気Bが、膨らみ部51に導かれてそこから貫通孔52を通過してタンク2内に移動するので、経路9内の空気Bを効率的に経路9の外部のタンク2に溜めることができ、空気Bが液体に混ざった状態で経路9を移動しないようにして、冷却性能を維持することができる。
以上のように本実施例では、液体の貯溜部であるタンク2と、液体の駆動部であるポンプ3と、液体を流通する経路9と、熱源である半導体5から熱を奪った液体を冷却する放熱部としての放熱器6とを備えた冷却装置において、経路9中に気体である空気を溜める膨出部としての膨らみ部51を設けている。
こうすると、経路9内の液体中に空気Bが入り込むと、この経路9中に設けた膨らみ部51に空気Bだけが分離して溜まり、膨らみ部51の下流側への空気Bの流れを阻止する。したがって、経路9中に膨らみ部51を設けただけの構成でありながら、経路9内に入り込んだ気泡を膨らみ部51に移動させて、空気Bの混ざった液体が経路9内に流入するのを防止できる。
また本実施例では、膨らみ部51からタンク2に空気Bを導く連通部としての貫通孔52を設けている。こうすると、膨らみ部51に溜まった空気が貫通孔52によってタンク2へと導かれることになり、経路9内に入り込んだ気泡を効率よくタンク2に排出することが可能になる。
さらに本実施例では、膨らみ部51の上部にのみならず、下部にも膨らみ部51を設けているので、タンク2を上下逆さにした状態でも、経路9内に入り込んだ気泡を膨らみ部51に移動させて、空気Bの混ざった液体が経路9内に流入するのを防止できる。
なお、膨らみ部51の形状や個数は限定されず、要は経路9を流れる空気Bが膨らみ部51に溜まるようにすればよい。
次に、本発明の第5実施例について、図8を参照して説明する。尚、上記実施例と同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は極力省略する。
ここでの出口パイプ25の内端部25Aは、入口パイプ24の内端部24Aより下方に設置され、クランク状の曲げ部55によってタンク2内で入口パイプ24と出口パイプ25が接続されている。曲げ部55は、パイプの任意の位置に形成されており、入口パイプ24の内端部24Aに連通して垂直方向下方へ曲折する第1の角部56と、第1の角部56と出口パイプ25の内端部25Aとの間に接続した曲折する第2の角部57からなる。第1の角部56の上部には連通部である貫通孔58が形成され、空気Bおよび液体が経路9からタンク2に移動できるようになっている。
なお、曲げ部55はタンク2の外部に設けてもよい。タンク2の内部に曲げ部55を設けた場合は、曲げ部55からタンク2に空気を導く連通部として、実施例のような貫通孔58やスリットを設けるのが好ましいが、曲げ部55がタンク2の外部にある場合には、曲げ部55とタンク2とを繋ぐバイパス管路を連通部として設けてよい。
上記構成において、ポンプ3を駆動して液体を経路9内に循環させると、入口パイプ24の内端部24Aから流入した液体が、曲げ部55の第1の角部56に衝突し、別な方向に流れを強制的に変えられる。ここで、液体中に空気Bが混ざっていると、第1の角部56に衝突した空気Bは、液体よりも比重が軽い関係で第2の角部57にではなく、貫通孔58を通ってタンク2内に抜け出し、タンク2上部で空気層を形成する。一方、曲げ部55内で空気が取り除かれた液体は、出口パイプ25の内端部25Aからタンク2外へと送り出される。これにより、タンク2へ流入してきた液体から空気Bを効率的に取り除くことができ、タンク2の上部に溜めることができるので、空気Bをタンク2外へ送り出すことがないため、冷却性能を維持することができる。
以上のように本実施例では、液体の貯溜部であるタンク2と、液体の駆動部であるポンプ3と、液体を流通する経路9と、熱源である半導体5から熱を奪った液体を冷却する放熱部としての放熱器6とを備えた冷却装置において、経路9中に曲げ部55を設けると共に、この曲げ部55からタンク2に空気を導く連通部としての貫通孔58を設けている。
この場合、経路9内の液体中に気泡が入り込むと、この経路9中に設けた曲げ部55で気泡の流れが弱められ、貫通孔58を通ってタンク2に空気Bが排出される。そのため曲げ部55と貫通孔58を設けただけの構成でありながら、経路9内に入り込んだ気泡を貫通孔58からタンク2に排出させて、空気Bの混ざった液体が経路9内に流入するのを防止できる。
次に、本発明の第6実施例について、図9を参照して説明する。尚、上記実施例と同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は極力省略する。
この実施例において、入口パイプ24の内端部24Aと出口パイプ25の内端部25Aは、排気孔である空気抜け部61を介してタンク2内で接続されている。空気抜け部61は、入口パイプ24と出口パイプとの間の経路9中に、スリット62もしくは貫通孔として形成され、経路9内の空気Bや液体が自由にタンク2内へ移動できるようになっている。
上記構成において、ポンプ3を駆動して液体を経路9内に循環させると、入口パイプ24の内端部24Aから流入した液体が、出口パイプ25の内端部25Aへと流れようとするが、液体中に空気Bが混ざっていると、空気Bは液体よりも比重が軽い関係で、経路9中の空気抜け部61に達したところで、スリット62を通過してタンク2内に抜け出し、タンク2上部で空気層を形成する。一方、空気抜け部61内で空気が取り除かれた液体は、出口パイプ25の内端部25Aからタンク2外へと送り出される。これにより、タンク2へ流入してきた液体から空気Bを効率的に取り除くことができ、タンク2の上部に溜めることができるので、空気Bをタンク2外へ送り出すことがないため、冷却性能を維持することができる。
以上のように本実施例では、液体の貯溜部であるタンク2と、液体の駆動部であるポンプ3と、液体を流通する経路9と、熱源である半導体5から熱を奪った液体を冷却する放熱部としての放熱器6とを備えた冷却装置において、タンク2内に設置された経路9の途中に空気Bの排出部としての空気抜け孔61を設けている。
こうすると、経路9内の液体中に気泡が入り込むと、この経路9中に設けた空気抜け孔61を通ってタンク2に空気Bが排出される。そのため経路9中に空気抜け孔61を設けただけの構成でありながら、経路9内に入り込んだ気泡を空気抜け孔61からタンク2に排出させて、空気Bの混ざった液体が経路9内に流入するのを防止できる。
また、図10に示すように、空気抜け部61を設ける代わりに、流入部である入口パイプ24と流出部である出口パイプ25との間に、空気Bをタンク2側に排出するための隙間65を設けてもよい。こうすれば、経路9内の液体中に気泡が入り込むと、この経路9中に設けた隙間65を通ってタンク2に空気Bが排出される。そのため経路9中に隙間65を設けただけの構成でありながら、空気Bの混ざった液体が経路9内に流入するのを防止できる。
次に、本発明の第7実施例について、図11を参照して説明する。尚、上記実施例と同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は極力省略する。
本実施例におけるタンク2は、底面壁21が平坦ではなく中心に向かって下方に緩やかに傾斜する漏斗状の傾斜部71を有しており、その傾斜した面の中心に出口パイプ72の排出口73が開口形成されている。一方、入口タンク74の流入口75は前側の側面壁22aに開口形成されている。なお底面壁21は、液体だけが集中するような凹状の液体集中部を形成してもよい。また、この凹状部を傾斜部71と共に設けてもよい。
そして上記構成では、冷却装置1中の液体が経時的に減少するものの、前記流入口75からタンク2内に流入した液体は、タンク2の下方に集められて、傾斜部71の最下部に位置する排出口73からタンク2の外部へと排出される一方で、液体に含まれている空気Bは液体より比重が軽いため、タンク2の上方に集まり、空気層を形成しタンク2上部に溜まる。したがって、タンク2の構造を変えただけの簡単な構成で、タンク2内で効率的に液体と空気Bとを分離して一箇所に液体を集めることができ、液体だけを排出口73からタンク2の外部へ送り出すことができるので、安定した冷却性能を維持することができる。また、液体を一箇所に集めて、そこから液体を送り出すことができるので、液体が少ないときにもタンク2内の液体を残らず効率よく送り出すことができ、製造時にタンク2および経路9内へ気泡の混入を少なくして容易に液体を注入することができる。
以上のように本実施例では、液体の貯溜部であるタンク2と、液体の駆動部であるポンプ3と、液体を流通する経路9と、熱源である半導体5から熱を奪った液体を冷却する放熱部としての放熱器6とを備えた冷却装置において、タンク2に例えば傾斜状および/または凹状の液体集中部(傾斜部71)を設けている。
このようにすると、経路9から空気Bを含んだ液体がタンク2に流入すると、空気Bはタンク2の上部に移動する一方で、液体は別の傾斜部71に集められる。そのため、この傾斜部71から経路9に液体だけを送り出すようにすれば、タンク2の構造を変えただけの簡単な構成で、空気Bの混ざった液体が経路9内に流入するのを防止できる。
また、ここではタンク2に液体集中部としての傾斜部71を設け、この傾斜部に排出用の口部としての排出孔73を設けている。こうすれば、傾斜部71から経路9に直接液体だけを送り出すことができ、タンク2に傾斜部71と排出孔73とを設けただけの簡単な構成で、空気Bの混ざった液体が経路9内に流入するのを防止できる。
次に、本発明の第8実施例について、図12〜図15を参照して説明する。尚、上記実施例と同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は極力省略する。
本実施例は図12に示すように、排出パイプ72の排出口73がタンク2の下方にあって、排出口73は流入口75に対し通常の使用状態で下方となる位置に設置されている。
こうすると、経路9から空気Bを含んだ液体がタンク2に流入すると、空気Bはタンク2の上部に移動する一方で、液体はタンク2の下部に集められ、そこから口部である排出口73を介して経路9に直接液体だけを送り出すことができ、良好な冷却性能を維持することができる。そのため、排出口73の接続位置を考慮するだけの簡単な構造で、空気Bの混ざった液体が経路9内に流入するのを防止できる。
さらに別な変形例として、例えば図13に示すように、出口パイプ72へ向かって下方へ傾斜するテーパー部81を底面壁21の内面に設け、出口パイプ72へ液体が集まるようにしてもよい。このようにすることで、さらに、効率よく液体を集めることができ、液体が減少しても出口パイプ72へ優先的に液体を送り出すことができるので、安定した冷却性能を維持することができる。
さらに、出口パイプ72の前方の底面壁21に凹部82を設けてもよい。このようにすることでも、出口パイプ72の手前に集中して液体を集めることができるので、気泡を混入させることなく液体をタンク2外へ送り出すことができる。
尚、底面壁21にテーパー部81と凹部82のうちいずれか一方のみを設けることとしてもよいことはいうまでもない。
また、図14や図15に示すように、入口パイプ74から出口パイプ72に向かって傾斜した底面壁85を有し、かつ、出口パイプ72側の天面壁86を入口パイプ74より低い高さになるように形成し、タンク2上部に出口パイプ72を接続してもよい。このような構成によっても、液体に含まれる空気はタンク2の上部に集まり、液体は下方、つまり出口パイプ72が設置された付近から溜まっていくので、出口パイプ72に優先的に液体を送り出すことができ、良好な冷却性能を維持することができる。
次に、本発明の第9実施例について、図16〜図18を参照して説明する。尚、上記実施例と同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は極力省略する。
図16および図17に示すように、ここでの入口パイプ24と出口パイプ25は、それぞれ前方の側面壁22aと後方の側面壁22bに形成されるが、出口パイプ25はタンク2内に設けられた内端部25A側の貫通孔93の径が、タンク2の外部にある外端部25B側の貫通孔94の径より小さく、内端部25Aから外端部25Bに向かうに従って、孔径が徐々に広がるように形成されている。これに対して、出口パイプ25の外形は、内端部25Aから外端部25Bかけて同一の円形形状を有している。
このような構成によって、空気を含んだ液体が入り口パイプ24からタンク2内に流入すると、出口パイプ25の貫通孔93が小さいので、空気は貫通孔93に侵入できずにそのままタンク2上部へ集まり、タンク2の上面に空気層を形成する。これにより、空気Bが除かれた液体が、出口パイプ25の貫通孔93を通ってタンク2の外部へと送り出され、良好な冷却性能を維持することができる。また、経時的に液体が減少して、タンク2内の液体層が減り、その分タンク2の上部にある空気層が増加すると、前述のように出口パイプ25の内端部25A側の貫通孔93が小さいので、タンク2内の液面が低下して気泡が経路9に混入することによるマージンが設けられる。これにより、出口パイプ25への空気の排出を遅らせることができ、冷却性能の低下を遅らせることができる。
また、図18に示すように、出口パイプ25の内端部25A側の貫通孔93を横長の長孔若しくは楕円形状にして、内端部25A側の貫通孔93と外端部25B側の貫通孔94の各形状を異なるように形成してもよい。こうすることにより、タンク2内の液体が減少しても、その分空気の排出を遅らせることができるため、冷却性能の低下を遅らせることができる他、貫通孔93の表面積を増やすことができるので、液体の循環をスムーズにすることができ、良好な冷却性能を維持することができる。
さらに、図19や図21に示すように、出口パイプ25の内端部25A側の外形大きさ(外径)を、外端部25B側の外形大きさより例えば小さく異ならせたり、図20に示すように、内端部25A側の貫通孔93と外端部25B側の貫通孔94の各形状にそれぞれ相似するように、内端部25A側の外形(横長形)を外端部25B側の外形(丸形)と異なる形状にしてもよい。特に、タンク2の外部で出口パイプ25の外端部25Bに接続する例えばチューブなどの管部材(図示せず)を考慮して、出口パイプ25の外端部25Bを管部材に接続できる外形に形成すれば、出口パイプ25と管部材との接続が容易になるばかりでなく、図21に示すように、タンク2を薄形扁平状に形成した場合に、出口パイプ25の内端部25A側の外形を意図的に小さくすることで、タンク2の内容積を増加させることができ、液体の収容量を増やして良好な冷却性能を維持することができる。
このように本実施例では、タンク2内に設置された経路9の一部である一端(出口パイプ25の内端部25A)と他端(出口パイプ25の外端部25B)の孔部たる貫通孔93,94、および/またはそれらの外形の大きさが異なること、または、経路9の一端と他端の貫通孔93,94、および/または外形の形状が異なるようにしている。
この場合、タンク2から経路9に空気が入りにくいように、経路9の一端と他端の貫通孔93,94を異なる大きさまたは形状にすることにより、タンク2内で空気Bと液体を分離して、経路9に直接液体だけを送り出すことができる。そのため、経路9の一端と他端にある貫通孔93,94の大きさや形状を考慮するだけで、空気Bの混ざった液体が経路9内に流入するのを防止できる。
また、経路9の一端と他端で外形の大きさや形状を変えることにより、この経路9の一端や他端に接続する管部材の接続を容易にできると共に、タンク2の内容積を増加させて液体の収容量を増やし、良好な冷却性能を維持することができる。
尚、本実施例では出口パイプ25について説明したが、入口パイプ24についても同様に適用してもよいことは勿論、タンク2の内外における入口パイプ24や出口パイプ25の構成を入れ替えてもよいことはいうまでもない。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、タンクと仕切り板、およびタンクと入口パイプや出口パイプは一体的に形成してもよいし、別部材のものを接続して形成してもよい。また、タンクの形状についても特に限定されない。
本発明の各実施例に共通する冷却装置の全体構成を模式的に示す概略図である。 本発明の第1実施例に係るタンクを模式的に示す斜視図である。 同上、上記タンクの縦断面図である。 本発明の第2実施例に係るタンクを模式的に示す斜視図である。 同上、上記タンクの縦断面図である。 本発明の第3実施例に係るタンクを模式的に示す断面図である。 本発明の第4実施例に係るタンクを模式的に示す断面図である。 本発明の第5実施例に係るタンクを模式的に示す断面図である。 本発明の第6実施例に係るタンクを模式的に示す断面図である。 上記実施例の変形例を示すタンクの断面図である。 本発明の第7実施例に係るタンクを模式的に示す断面図である。 本発明の第8実施例に係るタンクを模式的に示す断面図である。 上記実施例の変形例を示す断面図である。 上記実施例の別の変形例を示すタンクの側面図である。 図14におけるタンクの斜視図である。 本発明の第9実施例に係るタンクを模式的に示す断面図である。 上記実施例に係る出口パイプの内端部側と外端部側の各形状を示す図である。 別な変形例における出口パイプの内端部側と外端部側の各形状を示す図である。 さらに別な変形例における出口パイプの内端部側と外端部側の各形状を示す図である。 さらに他の別な変形例における出口パイプの内端部側と外端部側の各形状を示す図である。 上記実施例の別の変形例を示すタンクの断面図である。 従来例における冷却装置の全体構成を模式的に示す概略図である。
符号の説明
2 タンク(貯溜部)
3 ポンプ(駆動部)
4 放熱体
5 半導体(熱源)
9 経路
24 入口パイプ(流入部)
25 出口パイプ(流出部)
26,33,34 仕切り板(壁)
30 流入経路
45 仕切り板(仕切り)
51 膨らみ部(膨出部)
52 貫通孔(連通部)
55 曲げ部
58 貫通孔(連通部)
61 空気抜け部(排気部)
65 隙間
71,81 傾斜部(液体集中部)
73 排出孔(口部)
82 凹部(液体集中部)
93,94 貫通孔(孔部)

Claims (12)

  1. 液体の貯溜部と、前記液体の駆動部と、前記液体を流通する経路と、熱源から熱を奪った前記液体を冷却する放熱部とを備えた冷却装置において、前記貯溜部の最上部以外の部分に気体溜り部を形成するために、該貯溜部内に壁を設けたことを特徴とする冷却装置。
  2. 流入した気体を前記気体溜り部に案内する流入経路を備えたことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
  3. 液体の貯溜部と、前記液体の駆動部と、前記液体を流通する経路と、熱源から熱を奪った前記液体を冷却する放熱部とを備えた冷却装置において、前記貯溜部内の液面が不均一になるように、該貯溜部内に仕切りを設けたことを特徴とする冷却装置。
  4. 液体の貯溜部と、前記液体の駆動部と、前記液体を流通する経路と、熱源から熱を奪った前記液体を冷却する放熱部とを備えた冷却装置において、前記経路中に気体を溜める膨出部を設けたことを特徴とする冷却装置。
  5. 前記膨出部から前記貯溜部に気体を導く連通部を設けたことを特徴とする請求項4記載の冷却装置。
  6. 液体の貯溜部と、前記液体の駆動部と、前記液体を流通する経路と、熱源から熱を奪った前記液体を冷却する放熱部とを備えた冷却装置において、前記経路中に曲げ部を設け、この曲げ部から前記貯溜部に気体を導く連通部を設けたことを特徴とする冷却装置。
  7. 液体の貯溜部と、前記液体の駆動部と、前記液体を流通する経路と、熱源から熱を奪った前記液体を冷却する放熱部とを備えた冷却装置において、前記貯溜部内に設置された流入部と流出部との間に気体を排出する隙間を設けたことを特徴とする冷却装置。
  8. 液体の貯溜部と、前記液体の駆動部と、前記液体を流通する経路と、熱源から熱を奪った前記液体を冷却する放熱部とを備えた冷却装置において、前記貯溜部内に設置された前記経路の途中に排出部を設けたことを特徴とする冷却装置。
  9. 液体の貯溜部と、前記液体の駆動部と、前記液体を流通する経路と、熱源から熱を奪った前記液体を冷却する放熱部とを備えた冷却装置において、前記貯溜部に液体集中部を設けたことを特徴とする冷却装置。
  10. 液体の貯溜部と、前記液体の駆動部と、前記液体を流通する経路と、熱源から熱を奪った前記液体を冷却する放熱部とを備えた冷却装置において、前記貯溜部に液体集中部を設け、この液体集中部に排出用の口部を設けたことを特徴とする冷却装置。
  11. 液体の貯溜部と、前記液体の駆動部と、前記液体を流通する経路と、熱源から熱を奪った前記液体を冷却する放熱部とを備えた冷却装置において、前記貯溜部の下方に排出用の口部を設けたことを特徴とする冷却装置。
  12. 液体の貯溜部と、前記液体の駆動部と、前記液体を流通する経路と、熱源から熱を奪った前記液体を冷却する放熱部とを備えた冷却装置において、設置された前記経路の一部の孔部および/または外形の大きさが異なること、または、前記経路の一部の孔部および/または外形の形状が異なることを特徴とする冷却装置。
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