JP2004289049A - 熱輸送装置及びこの装置を備えた携帯可能な電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱輸送流体と一緒に流れる気泡による性能低下を抑制し易い熱輸送装置を提供することにある。
【解決手段】熱輸送液体が強制循環する循環路12は、受熱部13、放熱部14、及び液体ポンプ15を備えるとともに、複数の気泡トラップ16、17を備える。気泡トラップ16、17に、熱輸送液体から分離される気泡を循環路12の姿勢変更に応じて留めるとともに、この気泡を留める機能が循環路12の夫々異なる姿勢に対して個々に有効なものを使用する。
【選択図】 図2
【解決手段】熱輸送液体が強制循環する循環路12は、受熱部13、放熱部14、及び液体ポンプ15を備えるとともに、複数の気泡トラップ16、17を備える。気泡トラップ16、17に、熱輸送液体から分離される気泡を循環路12の姿勢変更に応じて留めるとともに、この気泡を留める機能が循環路12の夫々異なる姿勢に対して個々に有効なものを使用する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばPDA(personal Digital Assistants) やデジタルビデオカメラ等の携帯情報端末機器、携帯形パーソナルコンピュータ等のような携帯可能な電子機器、及びこれらの電子機器に内蔵されて半導体部品等の冷却や加熱を担う熱輸送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CPU等の発熱を伴う半導体部品を水冷するために、半導体部品に熱的に接続された受熱部と、放熱部と、ポンプと含む強制液冷装置を備えたノート型パーソナルコンピュータが知られている。この強制液冷装置では、ポンプから吐き出される冷却液を受熱部に流通させて半導体部品を冷却し、受熱部から流出した高温の冷却液を放熱部に流通させて温度を下げ、この放熱部から流出した冷却液をポンプに吸込んで再び循環させている。
【0003】
この強制液冷装置では、長期間の使用により、冷却液の循環路中に気泡が発生することがあるので、この気泡による熱伝導能力の低下を防ぐために、気泡トラップを設けている。この気泡トラップは、略垂直に立てた姿勢で使用されるディスプレイユニットが備える液晶ディスプレイの背面に配置されたパネル状の放熱部の上部に設けられている。この放熱部に冷却液と一緒に流れてきた気泡は、浮かび上がって気泡トラップに溜められ、冷却液は下方に流出してポンプに吸込まれるようになっている(例えば非特許文献1参照。)。
【0004】
【非特許文献1】
日経BP社発行の日経エレクトロニクス2002年11月4日号、第46頁
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
非特許文献1のノート型パーソナルコンピュータは、その使用姿勢が定まっている。つまり、キーボードが取付けられた機器本体を机上面等に載置し、機器本体に回動可能に接続されたディスプレイユニットを垂直に近い角度で立てた姿勢で使用される。この使用姿勢で気泡トラップは機能できる。
【0006】
ノート型パーソナルコンピュータは、機器本体にディスプレイユニットを重ねた状態で持ち運ぶことが可能であるので、この携帯の際は、ノート型パーソナルコンピュータと共にこれに内蔵されている強制液冷装置の姿勢が定まらない。このため、強制液冷装置の姿勢によっては、気泡トラップ内に溜められている気泡が気泡トラップから漏れ出る可能性が考えられる。
【0007】
こうして漏れ出た気泡は循環路を通ってポンプに吸込まれる。ポンプ内に溜まった気泡はポンプから受熱部への所定量の送液を妨げてポンプ能力の低下を招くので、所定の冷却性能を強制液冷装置が発揮できなくなる恐れがある。
【0008】
このような事情からノート型パーソナルコンピュータに比較して遥かに小形で携帯性に優れたPDA等の携帯情報端末機器に、非特許文献1に記載の液冷技術を適用した場合には、この携帯情報端末機器に組込まれた強制液冷装置が、所定の冷却性能を発揮できなくなる蓋然性が高い。
【0009】
更に、非特許文献1のノート型パーソナルコンピュータは、既述のように放熱部自体に気泡トラップを設けている。ところで、放熱部では、そこでの外部への熱放出により、放熱部が有する冷却液流路内の冷却液は減圧される。これに伴い気泡が発生することがある。
【0010】
非特許文献1における放熱部の気泡トラップは、放熱部に流入してくる冷却液に含まれる気泡を分離するには有効であるが、放熱部内で発生する気泡に対しては十分に機能することが難しい。このため、ノート型パーソナルコンピュータが所定の使用姿勢であっても、放熱部から気泡の一部が漏れ出る可能性がある。
【0011】
そして、非特許文献1に記載の技術では、放熱部から漏れ出た気泡についての対策を講じていないので、この点でも強制液冷装置が所定の冷却性能を発揮できなくなる恐れがある。このため、非特許文献1に記載の技術を携帯情報端末機器に適用した場合には、この端末機器に組込まれた強制液冷装置が、所定の冷却性能を発揮できなくなる蓋然性が高い。
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、熱輸送流体と一緒に流れる気泡による性能低下を抑制し易い熱輸送装置及びこの装置を備えた携帯可能な電子機器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る熱輸送装置は、受熱部、放熱部、及び液体ポンプを備えて熱輸送液体を強制循環させる循環路が複数の気泡トラップを備え、これらの気泡トラップに、前記熱輸送液体から分離される気泡を前記循環路の姿勢変更に応じて留めるとともに、この気泡を留める機能が前記循環路の夫々異なる姿勢に対して別々に有効なものを使用している。
【0014】
本発明は、携帯時や使用時に姿勢が変更され易い例えばPDA等のような小形電子機器に内蔵される熱輸送装置として好適に実施できる。
【0015】
本発明で、複数の気泡トラップが気泡を循環路の姿勢変更に応じて留める機能を有しているとは、熱輸送装置が搭載された機器の多方向例えば縦横方向の姿勢変更又はこれに加えて斜め方向の姿勢変更において、複数の気泡トラップで、熱輸送液体から分離される気泡を気泡トラップ外に漏れ出さないように止める機能を指している。この場合、前記機器の夫々異なる姿勢に対して、夫々の気泡トラップは、ある特定方向の機器の姿勢に対して有効となる泡止め機能を有しているものであり、これらの気泡トラップを複数組合わせて、泡止め機能を多方向に有効としている。同様に、熱輸送装置が搭載された機器の全方向の姿勢変更において、複数の気泡トラップで、熱輸送液体から分離される気泡が気泡トラップ外に漏れ出さないように止める機能も指している。
【0016】
前記泡止め機能を発揮させるのに用いられる複数個の気泡トラップの配置を例示すれば、前記機器が上及び下向きの姿勢で主にトラップ機能を発揮する1個の縦置きの気泡トラップと、互いに反対向きとなる横向きの姿勢で主にトラップ機能を発揮する1個の横置きの気泡トラップとを夫々1個以上を用いて実施できる。
【0017】
又、本発明で、複数の気泡トラップとは、互いに分離して配置されている形態を含むとともに、見掛け上複数の気泡トラップが一体となっている形態も含んでいる。本発明で、液体ポンプには、遠心式ポンプや電磁駆動によりダイアフラムやピストン等を動かしてポンプ作動を営む電磁駆動式ポンプ等を用いることができる。本発明で、熱輸送液体には、例えば冷却液として、水、又は水が0℃になっても凍結しないようにする不凍液剤を水に加えてなる不凍液などを使用できる。
【0018】
又、本発明で、循環路は、受熱部、放熱部、液体ポンプ、及び気泡トラップ相互間を結ぶ流路を含んでいるが、この流路は、可撓性を有する送液パイプ、可撓性を有しない送液パイプ等を用いることができる。その他、熱輸送装置がユニットベースを備えている構成にあっては、このベースに前記流路を一体に作ることも可能である。
【0019】
本発明では、循環路中を流れる熱輸送液体と一緒に流れる気泡を、複数の気泡トラップ、で熱輸送液体から分離できるだけではなく、本発明装置が搭載された機器の姿勢変更、したがって、循環路の姿勢変更に拘らず、この変更された姿勢に応じてそれに対応する気泡トラップ内に分離された気泡を留めることが可能である。これにより、気泡が液体ポンプ内に吸込まれることを抑制可能である。
【0020】
本発明では、前記気泡トラップを循環路中の少なくとも液体ポンプの吸込み側に複数設けることができる。この場合、前記気泡トラップを前記液体ポンプの吸込み口に設けることが可能である。
【0021】
これにより、放熱部での熱輸送液体の減圧に伴って発生する気泡の一部が放熱部から漏れ出ることがあっても、この気泡を液体ポンプの吸込み側に配置された気泡トラップで分離し留めることができるので、気泡が液体ポンプに吸込まれることを抑制可能である。
【0022】
本発明の好ましい形態では、熱輸送装置装置が、前記循環路を搭載したユニットベースを備えたユニットとなっている。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが前記循環路の送液パイプが接続される両端壁を有した容器状をなしているとともに、前記両端壁の内の少なくとも前記気泡トラップの下流側に位置される端壁が、前記気泡トラップの設置面と平行又は直交する方向に延びていて、この下流側の端壁の長手方向中央部に前記送液パイプが接続されている。本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが、このトラップの設置面と直交する方向に沿うとともに前記循環路の送液パイプが接続される両端壁を有した円筒形をなしていて、前記両端壁の内の少なくとも下流側に位置される端壁の中央部に前記送液パイプが接続されている。これら発明の場合、前記気泡トラップの下流側に位置される端壁に接続された前記送液パイプを前記気泡トラップ内に突出させるとよい。
【0024】
本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが中空な球形をなしていて、このトラップの径方向に前記循環路の送液パイプが接続されているとともに、前記気泡トラップに対して下流側から接続された前記送液パイプが前記気泡トラップ内に突出している。
【0025】
本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが、前記送液パイプの軸線上から外れた重心を有して回転自在に設けられている。
【0026】
本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが、気泡が溜まる一端部の内外を連通する出入り口と、この出入り口を開閉する開閉体とを有している。この場合、前記気泡トラップの少なくとも前記気泡が溜まる一端部を、透明材料で作るとよい。
【0027】
本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが前記熱輸送流体の流通を許す泡止め体を有し、この泡止め体は前記熱輸送流体の流通の方向と交差して前記気泡トラップに内蔵されている。
【0028】
本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが前記放熱体の入口又は出口の内の少なくとも出口に設けられている。
【0029】
本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが前記放熱体内に形成されている。この場合、前記放熱体がベース部とこのベース部に対して略直角に連なる複数のフィン部とを有し、前記ベース部内に前記気泡トラップを設けるとともに、この気泡トラップに連通された他の気泡トラップを一部の前記フィン部内に設けるとよい。
【0030】
前記課題を解決するために、本発明に係る携帯可能な電子機器は、発熱する半導体部品が内蔵された機器本体と、この機器本体に設けられたディスプレイと、前記機器本体に内蔵された請求項1から15の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置であって、この装置の受熱部が前記発熱体に熱的に接続されている熱輸送装置とを具備している。
【0031】
本発明で、発熱する半導体部品としては、例えばCPU、LSI、CCD等を挙げることができる。更に、本発明の電子機器では、半導体部品の温度コントロールをする熱輸送装置以外に、他の補助的な温度コントロール装置、例えば空冷ファン等の冷却装置を併用することは妨げない。
【0032】
本発明の電子機器では、強制循環される熱輸送液体から気泡トラップ内で分離される気泡を、この気泡トラップ内に、電子機器の姿勢変更に拘らずに留めて、液体ポンプへの気泡の吸込みを抑制可能な熱輸送装置を備えているので、熱輸送流体と一緒に流れる気泡による性能低下を抑制し易い。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0034】
図1中符号1は携帯可能な電子機器例えば携帯情報端末機器の一例であるPDAを示している。このPDA1が備える機器本体2には、発熱部品である半導体部品(図2中2点鎖線参照)3及びPDA1を動作させるのに必要な各種の部品からなる図示しない回路装置と、半導体部品3を温度コントロールするために例えば冷却を行う熱輸送装置として機能する冷却装置なす冷却ユニット4が内蔵されている。機器本体2には、液晶等を用いたディスプレイ5が設けられているとともに、複数の操作釦6が設けられている。更に、機器本体2には格子状をなす放熱窓7が外部に臨んで設けられている。PDA1は、各操作釦6の入力指令にしたがって前記回路装置を動作させることにより、必要な演算、記憶、表示等の処理を実行し、かつ、この動作時には冷却ユニット4を駆動するようになっている。
【0035】
図2に示すように冷却ユニット4は、ユニットベース11に、熱輸送液体としての冷却液、好適には不凍液を強制循環させる循環路12を搭載した構成を備えている。この循環路12には空気を含まないように不凍液が充満される。熱輸送装置をユニット化した構成は、後述の送液パイプが可撓性を有している場合であっても、ユニットベース11を介して循環路12を構成する各部品の相互関係を維持して一体に取扱えるので、組立て等の際における取扱い上有利である点で優れている。
【0036】
ユニットベース11は、所定形状例えば平板状に形成されていて、高熱を発する半導体部品3から伝わる熱に耐える材料、例えば金属好ましくは耐食性に優れたステンレス板で作られている。このベース11は、自在に変形できる材料で作ることもでき、或いは変形が容易ではない材料で作ってもよい。
【0037】
循環路12は、受熱部13、放熱部14、液体ポンプ15、例えば2個の気泡トラップ16、17、及び送液パイプ18〜22を組合わせて形成されている。
【0038】
ユニットベース11に固定される受熱部13及び放熱部14は、いずれも良熱伝導材料例えばアルミニューム合金製で、内部に不凍液を流通させる例えば蛇行状の通路(図示しない)を有している。受熱部13には半導体部品3が高耐熱性の半田を介して接続される。受熱部13の通路の入口は送液パイプ18を介して液体ポンプ15の吐出し口に接続されている。これにより、液体ポンプ15から吐き出される不凍液が受熱部13に送込まれる。
【0039】
受熱部13の通路の出口と放熱部14の通路の入口とは送液パイプ19を介して接続されている。放熱部14は、ユニットベース11に固定されるベース部と、このベース部に対してほぼ直角に連なる複数のフィン部とを有している。この放熱部14は図1に示すようにフィン部を放熱窓7に近接対向させて配置される。
【0040】
放熱部14の通路の出口は送液パイプ20を介して第1の気泡トラップ16の入口に接続され、このトラップ16の出口は送液パイプ21を介して第2の気泡トラップ17の入口に接続されている。気泡トラップ17の出口は送液パイプ22を介して液体ポンプ15の吸込み口に接続されている。
【0041】
このため、循環路12中に直列に挿入された第1、第2の気泡トラップ16、17は、いずれも液体ポンプ15の吸込み口と放熱部14の入口部との間、つまり、液体ポンプ15の吸込み側に配置されている。第1、第2の気泡トラップ16、17の配置関係は、図2とは逆に、気泡トラップ17を上流側に配置し、気泡トラップ16を下流側に配置することもできる。
【0042】
図3に例示するように第1気泡トラップ16は、これが設置されたユニットベース11の一面(設置面)11bと直交する方向に沿って延びる端壁16a、及びこの壁16aと平行な端壁16bを有していて、中空直方体をなす容器形状に形成されている。この第1気泡トラップ16は縦置き状態にユニットベース11に取付けられている。この気泡トラップ16に対して上流側に位置された送液パイプ20は、両端壁16a、16bにわたる一側壁の縦方向中央部に連結されている。なお、この接続に代えて上流側の端壁16aの縦方向中央部に送液パイプ20を連結してもよい。第1気泡トラップ16に対して下流側に位置された送液パイプ21は、端壁16bの縦方向中央部に連結されている。
【0043】
このような第1気泡トラップ16に対する送液パイプ20、21の連結により、図2において第1気泡トラップ16が略180°上下に反転するようにPDA1の姿勢が変更された場合でも、この気泡トラップ16での気泡分離と分離された気泡を留める機能とを維持できる。
【0044】
なお、図3中符号L1は第1気泡トラップ16の上向きとなっている一端部に気泡が多量に溜まった状態下でのトラップ16内の不凍液の液面を示している。同様に、図3中符号L2は第1気泡トラップ16が180°反転した状態で上向きとなる他端部に気泡が多量に溜まった状態下でのトラップ16内の不凍液の液面を示している。
【0045】
第2気泡トラップ17は第1第2気泡トラップ16と同じ構成のものを90°姿勢を変えて使用している。すなわち、図4に例示するように第2気泡トラップ17は、これが設置されたユニットベース11の一面(設置面)11bと平行な方向に沿って延びる端壁17a、及びこの壁17aと平行な端壁17bを有していて、中空直方体形状に形成されている。この第2気泡トラップ17は横置き状態にユニットベース11に取付けられている。
【0046】
この気泡トラップ17に対して上流側に位置された送液パイプ21は、入口側端壁17aの縦方向中央部に連結されている。第2気泡トラップ17に対して下流側に位置された送液パイプ22は、出口側端壁17bの縦方向中央部に連結されている。このような第2気泡トラップ17に対する送液パイプ21、22の連結により、図2中矢印A又はB方向にユニットベース11が略90°回転するようにPDA1の姿勢が変更された場合でも、この気泡トラップ16での気泡分離と分離された気泡を留める機能とを維持できる。
【0047】
なお、図4中符号L1は第2気泡トラップ17の上向きとなっている一端部に気泡が多量に溜まった状態下でのトラップ17内の不凍液の液面を示している。同様に、図4中符号L2は第2気泡トラップ17が180°反転した状態で上向きとなる他端部に気泡が多量に溜まった状態下でのトラップ17内の不凍液の液面を示している。
【0048】
以上の構成を備えたPDA1の使用下での半導体部品3の冷却は、冷却ユニット4の液体ポンプ15の駆動に伴い以下のようになされる。液体ポンプ15が駆動されることにより、送液パイプ18に導かれた不凍液が受熱部13を流通する。これに伴い、受熱部13から流出する不凍液は、送液パイプ18に導かれて放熱部14に送り込まれて、この放熱部14を流通する。放熱部14から流出して送液パイプ20で導かれる不凍液は第1気泡トラップ16を流通し、この気泡トラップ16から流出して送液パイプ21で導かれる不凍液は第2気泡トラップ17を流通する。そして、この気泡トラップ17から流出して送液パイプ22で導かれる不凍液は液体ポンプ15に吸込まれる。
【0049】
こうして循環路12を不凍液が強制循環するに伴い、半導体部品3によって加熱される受熱部13を流通する不凍液は、この受熱部13の熱を吸収して高温となる。更に、放熱部14を流通する高温の不凍液は放熱部14のフィン部からの放熱により低温となる。そして、この低温となった不凍液は再び液体ポンプ15を通って受熱部13に送込まれる。
【0050】
以上の熱輸送動作中、受熱部13が不凍液の沸点近くからそれ以上の温度になる場合には、気泡が発生することがある。更に、受熱部13で高温となった不凍液は放熱部14での放熱によって減圧されるので、それに伴って気泡が発生することがある。こうして不凍液中に発生した気泡は、不凍液とともに流れる。
【0051】
ところで、放熱部14の下流側でかつ液体ポンプ15の上流側の流路部分には、ユニットベース11上に縦置きされた第1気泡トラップ16と、横置きされた第2気泡トラップ17とが配置されているので、これらにより、放熱部14から流出した気泡が捕られ留められる。
【0052】
すなわち、PDA1の姿勢により冷却ユニット4が図2に示す基本の姿勢となっている場合、縦置きの気泡トラップ16に不凍液とともに流入した気泡は、浮かび上がって、気泡トラップ16のユニットベース11に接していない縦方向一端部16a(図3参照)内に留められる。この図2の状態から冷却ユニット4が180°上下に反転するようにPDA1の姿勢が変更された場合、気泡トラップ16内で浮かび上がる気泡は、気泡トラップ16のユニットベース11に接している縦方向他端部16b(図3参照)内に留められる。
【0053】
これらの場合、気泡トラップ16に対して下流側に配置された第2気泡トラップ17には不凍液が充満されていて、その前段で既述のように気泡が不凍液から分離されるので、第2気泡トラップ17は実質的には機能しない。
【0054】
冷却ユニット4が図2に示す基本の姿勢から図2中矢印A方向に略90°回転するようにPDA1の姿勢が変更される場合がある。或いは、これと反対に図2中矢印B方向に略90°回転するようにPDA1の姿勢が変更される場合がある。これらの場合には、第1気泡トラップ16の姿勢が実質的に横置き状態となるに伴い、この内部に留められていた気泡の一部が、第1気泡トラップ16から漏れ出して送液パイプ21を通り第2気泡トラップ17に流入することがある。
【0055】
しかし、冷却ユニット4が前記矢印A方向に略90°回転された場合には、気泡トラップ17が実質的に縦置き姿勢となり、図2中符号17aで示す気泡トラップ17の幅方向一端が上向きとなる。同様に、冷却ユニット4が前記矢印B方向に略90°回転された場合には、図2中符号17bで示す気泡トラップ17の幅方向他端が上向きとなる。このため、第2気泡トラップ17はこれに流入した気泡を分離しかつ留めることができる。
【0056】
以上のようにPDA1の姿勢が上下2方向に略180°変更された場合においても、その姿勢変更に応じて第1気泡トラップ16が機能して、その内部に気泡を分離しかつ留めることができるとともに、PDA1の姿勢が前記A又はBの2方向に略90°変更された場合のいずれにおいても、その姿勢変更に応じて第2気泡トラップ17が機能して、その内部に気泡を分離しかつ留めることができる。これにより、液体ポンプ15への気泡の吸込みを抑制可能である。
【0057】
このため、循環路12内で生じた気泡が、PDE1の携帯に伴う姿勢変更を原因として、液体ポンプ15内に吸込まれて到達することが抑制される。これにより、液体ポンプ15での気泡の圧縮を原因として、受熱部13への送液量の減少を伴うポンプ能力の低下を招くことが抑制されるので、所定の冷却性能を発揮させることが可能である。
【0058】
なお、ユニットベース11に対する気泡トラップ16の姿勢、及び気泡トラップ16に対する気泡トラップ17の姿勢は、いずれも以上の説明に限定されない。これらが搭載される電子機器において想定される使用状態に合わせて、適切な角度関係を有していればよい。PDA1を手に保持して操作することを想定した場合、例えばユニットベース11に対する気泡トラップ16の姿勢は45°でもよい。
【0059】
以下、本発明の各実施形態を説明する。これらの実施形態は基本的には第1実施形態と同じであるので、同じ構成については第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる構成について説明する。
【0060】
図5は本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、第1気泡トラップ16の出口と第2気泡トラップ17の入口とを直結して、両トラップ16、17が一体に作られている。そして、この一体のトラップユニットUが液体ポンプ15の吸込み口に接続して配置されている。
【0061】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第2実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。その上、トラップユニットUを用いたので、循環路12に使用する送液パイプの数を少なくでき、組立て工数も減らすことができる。なお、第2実施形態ではトラップユニットUを液体ポンプ15の一部として構成することも可能である。
【0062】
図6は本発明の第3実施形態を示している。この第3実施形態では、第1気泡トラップ16の出口と第2気泡トラップ17の入口とを直結して、両トラップ16、17が一体に作られている。そして、この一体のトラップユニットUが放熱部14の出口に接続して配置されている。
【0063】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第3実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。その上、トラップユニットUを用いたので、循環路12に使用する送液パイプの数を少なくでき、組立て工数も減らすことができる。なお、第3実施形態ではトラップユニットUを放熱部14の一部として構成することも可能である。
【0064】
図7は本発明の第4実施形態を示している。この第4実施形態では、第1気泡トラップ16を出口が放熱部14の入口に接続して配置され、第2気泡トラップ17の入口が放熱部14の出口に接続して配置されている。
【0065】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第4実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。その上、放熱部14の出入り口に両気泡トラップ16、17と直結したので、循環路12に使用する送液パイプの数を少なくでき、組立て工数も減らすことができる。なお、第4実施形態では両気泡トラップ16、17の配置は逆でもよく、更に、これら両気泡トラップ16、17を放熱部14の一部として構成することも可能である。
【0066】
図8は本発明の第5実施形態を示している。この第5実施形態では、放熱部14内に不凍液の流路を兼ねて第1、第2の気泡トラップ16、17が夫々設けられている。
【0067】
詳しくは、既述のように放熱部14は、ユニットベース11に沿って配置されるベース部14aと、これに対して略直角に連なった複数のフィン部14bとを有している。並設された各フィン部14bは、いずれも同じ厚みで、かつ、同じ高さに作られている。
【0068】
並び方向両端に位置されたフィン部14bの内の一方には第1気泡トラップ16が設けられている。このトラップ16は、前記一端のフィン部14bの所定領域を中空とすることによって、このフィン部14bの起立方向に沿って恰も縦置き状態に相当するように作られている。第1気泡トラップ16の高さ方向中央部の入口には、前記一端のフィン部14bに挿入された送液パイプ19が接続されている。
【0069】
ベース部14aには第2気泡トラップ17が設けられている。このトラップ17は、ベース部14aの所定領域を中空とすることによって、このベース部14aに沿って恰も横置き状態に相当するように作られている。更に、ベース部14aには、第1気泡トラップ16の出口と第2気泡トラップ17の入口とを接続する連通孔14cが作られている。第2気泡トラップ17の出口には、ベース部14aに挿入された送液パイプ22が接続されている。
【0070】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第5実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0071】
その上、放熱部14が横方向に展開するベース部14aと上下方向に高さを有するフィン部14bとを備えるという構成を利用して、この放熱部14の内部に第1、第2の気泡トラップ16、17を形成している。このため、格別に第1、第2の気泡トラップ16、17を要することがなく、送液パイプを含めて部品点数を減らすことが可能であるとともに、機器本体内への冷却ユニットの設置においても、気泡トラップが設置の邪魔となることがないので有利である。
【0072】
図9は本発明の第6実施形態を示している。この実施形態は基本的には第5実施形態と同じであるので、同じ構成については第5実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる構成について説明する。
【0073】
第6実施形態では、厚みを薄くしたより多くのフィン部14bを設けて放熱面積を増やしているとともに、並び方向一端のフィン部14beのみを他のフィン部14bよりも厚くしている。更に、並び方向他端側のフィン部14b群の高さを、前記並び方向一端側のフィン部14b群よりも短くしている。これにより、ベース部14aは、厚みが厚い部分と薄い部分とを有した構成となっている。そして、並び方向一端の厚みが厚いフィン部14be内に第1気泡トラップ16が設けられ、ベース部14aの肉厚部分内に第2気泡トラップ17が設けられている。
【0074】
以上説明した点以外の構成は第5実施形態と同じである。このため、第6実施形態においても、第5実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0075】
図10及び図11は本発明の第7実施形態を示している。この第7実施形態では、第1、第2の気泡トラップ16、17に、両端壁を有する円筒形をなしたものを使用している。図11に示した第1気泡トラップ16で代表するように、その両端壁16a、16bはユニットベース11の一面11bと直交する方向に沿っており、これらの端壁16a、16bの中央部に送液パイプ20又は21が個別に接続されている。しかも、各送液パイプ20、21の端部20a、21bは第1気泡トラップ16内に突出されている。
【0076】
なお、第7実施形態では、第1気泡トラップ16に対して上流側及び下流側の両送液パイプ20、21の夫々を端壁16a、16bに挿通させたが、少なくとも下流側の端壁16bに接続される送液パイプ21の端部21bを第1気泡トラップ16内に突出させればよい。
【0077】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第7実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0078】
更に、第7実施形態でも同じ構成の第1、第2の気泡トラップ16、17を用いているが、これらが円筒形であることにより、その設置において縦置き、横置きの区別がなく、容易にユニットベース11上に両気泡トラップ16、17を設置できる点で優れている。
【0079】
その上、下流側の端壁16bに接続される送液パイプ21の端部21aが第1気泡トラップ16内に突出しているので、このトラップ16内で分離された気泡が送液パイプ21に入るには、図11中点線矢印で示すように送液パイプ21の突出端部21aを気泡が迂回する必要がある。このため、分離された気泡をトラップ16内により確実に留め易い点で優れている。
【0080】
又、この第7実施形態では、両気泡トラップ16、17が、その軸線P1、P2を交差例えば略直交するように配置されている。これにより、不凍液の流れ方向を基準に第1気泡トラップ16に対して下流側に配置されている第2気泡トラップ17の軸線P2が縦になった場合、上流側の第1気泡トラップ16で気泡を留めることができる。この逆に、上流側の第1気泡トラップ16の軸線P1が縦になった場合、下流側の第2気泡トラップ17で気泡を留めることができる。したがって、液体ポンプ15に気泡をより確実に吸込ませなくできる点で好ましい。
【0081】
なお、このように第1、第2の気泡トラップ16、17をそれらの軸線P1、P2が交差するように配置する構成は、各実施形態に夫々に適用できる。そして、この適用により、分離される気泡をより確実に両気泡トラップ16、17に留めて、液体ポンプ15への気泡の吸込みを抑制できる。
【0082】
図12及び図13は本発明の第8実施形態を示している。この第8実施形態では、第1、第2の気泡トラップ16、17が、それらの軸線P1、P2を交差するように配置されているだけではなく、夫々回転自在に設けられている。
【0083】
詳しくは、図13に例示した第1気泡トラップ16で代表して示すように、トラップ16の両端壁16a、16bの好ましくは外面に夫々軸受25が取付けられている。上流側の軸受25は、この軸受25の内輪及び端壁16aを共に貫通した送液パイプ20で支持され、下流側の軸受25は、この軸受25の内輪及び端壁16bを共に貫通した送液パイプ21で支持されている。これにより第1気泡トラップ16は、送液パイプ20、21の周方向に回転できるように設けられている。
【0084】
なお、図13中符号26はOリング、27はOリング26の周りに充填されたシリコン等の充填材を示しており、これらによって第1気泡トラップ16の液密が確保されている。
【0085】
更に、第1気泡トラップ16はその周面の一部に取付けられた重り28を有しており、この重り28によって第1気泡トラップ16の重心Gは、両送液パイプ20、21の軸線、言い返れば、第1気泡トラップ16の軸線P1から外されている。なお、重り28は本実施形態では第1気泡トラップ16に接着剤29を用いて後付けしたが、これに限らず第1気泡トラップ16の片側を肉厚に形成してその部分を重りとして用いることもできる。
【0086】
第2気泡トラップ17の構成は第1気泡トラップ17と同じである。又、この第8実施形態において、送液パイプ18〜22の内で少なくとも気泡トラップに接続される送液パイプは金属などの硬質管で作られている。なお、図12中符号11aは、両気泡トラップ16、17の回転を許すために、ユニットベース11に開けた逃げ孔を示している。
【0087】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第8実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0088】
更に、第8実施形態では第1、第2の気泡トラップ16、17が、回転自由であることにより、その設置において縦置き、横置きの区別がないだけではなく、PDA1が斜めの姿勢となった場合でも、循環路12を流れる気泡を、両気泡トラップ16、17で確実に分離して留め易い性能に優れている。しかも、第1、第2の気泡トラップ16、17がそれらの軸線P1、P2を交差するように配置されているので、第7実施形態で説明したように分離される気泡をより確実に両気泡トラップ16、17に留めて、液体ポンプ15への気泡の吸込みを抑制できる。その上、下流側の端壁16bに接続される送液パイプ21の端部21aが第1気泡トラップ16内に突出しているので、第7実施形態で説明した既述の理由により、このトラップ16内で分離された気泡をトラップ16内により確実に留め易い点でも優れている。
【0089】
図14は本発明の第9実施形態を示している。この第9実施形態では、第1の気泡トラップ16を液体ポンプ15の吐出し側、例えば受熱部13と放熱部14とを連通する送液パイプ19に設け、第2の気泡トラップ17を、液体ポンプ15の吸込み口と放熱部14とを連通する送液パイプ20、22間に設け、かつ、送液パイプ22を液体ポンプ15の吸込み口に接続している。
【0090】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第9実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0091】
図15は本発明の第10実施形態を示している。この第10実施形態では、ユニットベースに固定される第1気泡トラップ16に、例えば一対の出入り口35と、これらの出入り口35を個別に開閉する開閉体36とを設けている。
【0092】
図15(A)において気泡トラップ16の上を向いている一端部37は、このトラップ16の内部で分離された気泡が溜まる部分であり、気泡トラップ16の少なくとも前記一端部37は透明材料で作られている。そして、この一端部37に出入り口35及び開閉体36が設けられている。開閉体36には、出入り口35の通路35aに対して直交して設けられるねじ軸部にこれを径方向に貫通する孔36aを有したねじが用いられている。
【0093】
図15(C)に示すように出入り口35の通路35aは、この通路35aに孔36aが直交する位置にある時に開閉体36のねじ軸部によって閉じられる。又、この状態から開閉体36が90°回されて図15(B)に示すように通路35aが延びる方向に孔36aが向いた時に、通路35aが開かれるようになっている。なお、図示しないが第2の気泡トラップ17の気泡が溜まる一端部にも同じ構成が設けられている。
【0094】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第10実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0095】
更に、既述のように気泡トラップが開閉可能な出入り口35を有しているので、この気泡トラップをリザーバタンクとして機能させることが可能である。すなわち、冷却ユニット4の組立てにおいて、循環路12に不凍液を充満させる場合、一方の出入り口35を開いて空気抜きとし、他方の開いた出入り口35から不凍液を注入することができる。注入後には両出入り口35はいずれも閉じ状態に維持される。
【0096】
又、長期にわたる使用に伴い不凍液が外部に拡散して減ることがある。この場合、以上説明したリザーバタンク機能を備えていることにより、PDA1のメンテナンスなどにおいて出入り口35を開けて、不凍液を補充することが可能である。しかも、出入り口35が設けられた一端部内は透視可能である。このことにより、不凍液の補充をするかどうかを視認できるとともに、不凍液の充填及び補充が適正に行われたかどうかも視認することが可能である。
【0097】
図16(A)(B)は本発明の第11実施形態を示している。この第11実施形態では、第1の気泡トラップ16が、このトラップ16に内蔵された泡止め体39を有している。泡止め体39は、不凍液の流通を許すものであって、気泡トラップ16内を流通する不凍液の流通方向と交差して、好ましくは略直交して設けられている。
【0098】
図16(A)の例では泡止め体39として網体を使用している。この網体のメッシュは不凍液の流通性を大きく妨げないで気泡を止め易くするために0.5mm〜1mmにするとよい。図16(B)の例では泡止め体39としてスリットが多数設けられた平板を使用している。この場合、スリットの幅は不凍液の流通性を大きく妨げないで気泡を止め易くするために0.5mm〜1mmにするとよい。なお、図示しないが第2の気泡トラップ17にも同様な泡止め体39が内蔵されてている。
【0099】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第11実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。更に、気泡トラップに内蔵された泡止め体39によって、気泡トラップ内に気泡を留め易くできる点で優れている。
【0100】
図17は本発明の第12実施形態を示している。この第12実施形態では、第1の気泡トラップ16が中空な球形をなしている。そして、このトラップ16の径方向に送液パイプ20、21が接続されている。しかも、これらの送液パイプ20、21の端部20a、21aは第1気泡トラップ16内に突出されている。第12実施形態では、第1気泡トラップ16に対して上流側及び下流側の両送液パイプ20、21の端部20a、21aの夫々を第1気泡トラップ16内に突出させたが、少なくとも下流側に接続される送液パイプ21の端部21aを第1気泡トラップ16内に突出させればよい。なお、図示しないが第2の気泡トラップ17も同じに構成されている。
【0101】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第12実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0102】
更に、第12実施形態では第1、第2の気泡トラップ16、17が中空な球形であるので、PDA1がいかなる方向に姿勢を変更しても、それらの全方向の姿勢に対応して第1、第2の気泡トラップ16、17内で気泡を分離し、かつ、留めることができる。
【0103】
この場合、図17で代表するように下流側に接続された送液パイプ21の端部21aが第1気泡トラップ16内に突出しているので、このトラップ16内で分離された気泡が送液パイプ21に入るには、図17中点線矢印で示すように送液パイプ21の突出端部21aを気泡が迂回する必要がある。このため、気泡トラップ16、17が中空な球形であるにもかかわらず、分離された気泡をトラップ16、17内により留めることができる。
【0104】
なお、この第12実施形態でも、両気泡トラップ16、17の内のいずれか一方は省略して実施可能であるが、以上のように複数設けることは、液体ポンプ15に気泡をより確実に吸込ませなくできる点で好ましい。なお、この第12実施形態においても、相対的に上流側と下流側とに並べて配置される両気泡トラップ16、17は、それらの軸線を既述のように交差例えば略直交するように配置して実施することが好ましい。
【0105】
本発明は以上説明した前記各実施形態には制約されない。本発明は、前記各実施形態で説明した各構成要素を選択的に組み合わせて、これを新たな実施形態とすることができる。
【0106】
又、本発明では、第1、第2の気泡トラップを液体ポンプの吐出し側と吸込み側の夫々に配設して実施することも可能である。更に、圧力変動が大きい液体ポンプを使用する場合には、このポンプでのキャビテーションにより気泡を発生する可能性があるので、この場合には、液体ポンプの吐出し口から受熱部に至る流路に1以上の気泡トラップを配置して実施することも可能である。
【0107】
又、使用する気泡トラップは増えるが、PDA等の機器が上向きとなる姿勢で主に機能する第1の縦置きの気泡トラップと、機器が下向きとなる姿勢で主に機能する第2の縦置きの気泡トラップと、機器が上向きに略90°回転した姿勢で主に機能する第1の横置きの気泡トラップと、機器が下向きに略90°回転した姿勢で主に機能する第2の横置きの気泡トラップとを備えて実施することもできる。この構成は、一つ一つの気泡トラップが2方向に対応する必要がないので、夫々の高さ等が小さくて済み小形にできるので、機器本体の薄型化などを図る場合に好適に実施できる。
【0108】
更に、本発明において、気泡トラップの内面などに気泡をより留め易くするために、例えばトラップの内面を粗面とする等の措置を講じることは妨げない。
【0109】
【発明の効果】
本発明に係る熱輸送装置によれば、この装置が搭載された機器の姿勢変更に拘らず、気泡が液体ポンプに吸込まれることが抑制されるので、熱輸送流体と一緒に流れる気泡による性能低下を抑制し易い、という効果がある。
【0110】
本発明に係る携帯可能な電子機器によれば、熱輸送流体と一緒に流れる気泡が液体ポンプに吸込まれることを抑制可能な熱輸送装置を備えているので、携帯に伴う姿勢変更に拘らず、気泡による熱輸送装置の性能低下を抑制し易い、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の冷却装置が組込まれた携帯情報端末機器を示す斜視図。
【図2】第1実施形態の冷却装置を示す斜視図。
【図3】図2の冷却装置が備える第1の気泡トラップを示す断面図。
【図4】図2の冷却装置が備える第1の気泡トラップを示す断面図。
【図5】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第2実施形態の冷却装置を示す斜視図。
【図6】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第3実施形態の冷却装置を示す斜視図。
【図7】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第4実施形態の冷却装置が備える放熱部周りを示す斜視図。
【図8】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第5実施形態の冷却装置が備える放熱部周りを示す斜視図。
【図9】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第6実施形態の冷却装置が備える放熱部周りを示す斜視図。
【図10】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第7実施形態の冷却装置を示す斜視図。
【図11】図10の冷却装置が備える気泡トラップを示す断面図。
【図12】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第8実施形態の冷却装置を示す斜視図。
【図13】図12の冷却装置が備える気泡トラップを示す断面図。
【図14】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第9実施形態の冷却装置を示す斜視図。
【図15】(A)は携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第10実施形態の冷却装置が備える気泡トラップを示す斜視図。(B)は図15(A)の気泡トラップの出入り口部を開いた状態で示す断面図。(C)は図15(A)の気泡トラップの出入り口部を閉じた状態で示す断面図。
【図16】(A)は携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第11実施形態の冷却装置が備える気泡トラップを示す斜視図。(B)は第11実施形態の冷却装置が備える気泡トラップの他の態様を示す断面図。
【図17】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第12実施形態の冷却装置が備える気泡トラップを示す断面図。
【符号の説明】
1…PDA(電子機器)
2…機器本体
3…発熱を伴う半導体部品
5…冷却ユニット(熱輸送装置)
5…ディスプレイ
7…放熱窓
11…ユニットベース
11a…ユニットベースの一面(設置面)
12…循環路
13…受熱部
14…放熱部
14a…ベース部
14b…フィン部
15…液体ポンプ
16…気泡トラップ
17…気泡トラップ
16a、17a…気泡トラップの入口側端壁
16b、17b…気泡トラップの出口側端壁
78〜22…送液パイプ
25…軸受
28…重り
W…重心
P1、P2…軸線
35…出入り口
36…開閉体
37…気泡トラップの気泡が溜まる端部
39…泡止め体
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばPDA(personal Digital Assistants) やデジタルビデオカメラ等の携帯情報端末機器、携帯形パーソナルコンピュータ等のような携帯可能な電子機器、及びこれらの電子機器に内蔵されて半導体部品等の冷却や加熱を担う熱輸送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CPU等の発熱を伴う半導体部品を水冷するために、半導体部品に熱的に接続された受熱部と、放熱部と、ポンプと含む強制液冷装置を備えたノート型パーソナルコンピュータが知られている。この強制液冷装置では、ポンプから吐き出される冷却液を受熱部に流通させて半導体部品を冷却し、受熱部から流出した高温の冷却液を放熱部に流通させて温度を下げ、この放熱部から流出した冷却液をポンプに吸込んで再び循環させている。
【0003】
この強制液冷装置では、長期間の使用により、冷却液の循環路中に気泡が発生することがあるので、この気泡による熱伝導能力の低下を防ぐために、気泡トラップを設けている。この気泡トラップは、略垂直に立てた姿勢で使用されるディスプレイユニットが備える液晶ディスプレイの背面に配置されたパネル状の放熱部の上部に設けられている。この放熱部に冷却液と一緒に流れてきた気泡は、浮かび上がって気泡トラップに溜められ、冷却液は下方に流出してポンプに吸込まれるようになっている(例えば非特許文献1参照。)。
【0004】
【非特許文献1】
日経BP社発行の日経エレクトロニクス2002年11月4日号、第46頁
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
非特許文献1のノート型パーソナルコンピュータは、その使用姿勢が定まっている。つまり、キーボードが取付けられた機器本体を机上面等に載置し、機器本体に回動可能に接続されたディスプレイユニットを垂直に近い角度で立てた姿勢で使用される。この使用姿勢で気泡トラップは機能できる。
【0006】
ノート型パーソナルコンピュータは、機器本体にディスプレイユニットを重ねた状態で持ち運ぶことが可能であるので、この携帯の際は、ノート型パーソナルコンピュータと共にこれに内蔵されている強制液冷装置の姿勢が定まらない。このため、強制液冷装置の姿勢によっては、気泡トラップ内に溜められている気泡が気泡トラップから漏れ出る可能性が考えられる。
【0007】
こうして漏れ出た気泡は循環路を通ってポンプに吸込まれる。ポンプ内に溜まった気泡はポンプから受熱部への所定量の送液を妨げてポンプ能力の低下を招くので、所定の冷却性能を強制液冷装置が発揮できなくなる恐れがある。
【0008】
このような事情からノート型パーソナルコンピュータに比較して遥かに小形で携帯性に優れたPDA等の携帯情報端末機器に、非特許文献1に記載の液冷技術を適用した場合には、この携帯情報端末機器に組込まれた強制液冷装置が、所定の冷却性能を発揮できなくなる蓋然性が高い。
【0009】
更に、非特許文献1のノート型パーソナルコンピュータは、既述のように放熱部自体に気泡トラップを設けている。ところで、放熱部では、そこでの外部への熱放出により、放熱部が有する冷却液流路内の冷却液は減圧される。これに伴い気泡が発生することがある。
【0010】
非特許文献1における放熱部の気泡トラップは、放熱部に流入してくる冷却液に含まれる気泡を分離するには有効であるが、放熱部内で発生する気泡に対しては十分に機能することが難しい。このため、ノート型パーソナルコンピュータが所定の使用姿勢であっても、放熱部から気泡の一部が漏れ出る可能性がある。
【0011】
そして、非特許文献1に記載の技術では、放熱部から漏れ出た気泡についての対策を講じていないので、この点でも強制液冷装置が所定の冷却性能を発揮できなくなる恐れがある。このため、非特許文献1に記載の技術を携帯情報端末機器に適用した場合には、この端末機器に組込まれた強制液冷装置が、所定の冷却性能を発揮できなくなる蓋然性が高い。
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、熱輸送流体と一緒に流れる気泡による性能低下を抑制し易い熱輸送装置及びこの装置を備えた携帯可能な電子機器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る熱輸送装置は、受熱部、放熱部、及び液体ポンプを備えて熱輸送液体を強制循環させる循環路が複数の気泡トラップを備え、これらの気泡トラップに、前記熱輸送液体から分離される気泡を前記循環路の姿勢変更に応じて留めるとともに、この気泡を留める機能が前記循環路の夫々異なる姿勢に対して別々に有効なものを使用している。
【0014】
本発明は、携帯時や使用時に姿勢が変更され易い例えばPDA等のような小形電子機器に内蔵される熱輸送装置として好適に実施できる。
【0015】
本発明で、複数の気泡トラップが気泡を循環路の姿勢変更に応じて留める機能を有しているとは、熱輸送装置が搭載された機器の多方向例えば縦横方向の姿勢変更又はこれに加えて斜め方向の姿勢変更において、複数の気泡トラップで、熱輸送液体から分離される気泡を気泡トラップ外に漏れ出さないように止める機能を指している。この場合、前記機器の夫々異なる姿勢に対して、夫々の気泡トラップは、ある特定方向の機器の姿勢に対して有効となる泡止め機能を有しているものであり、これらの気泡トラップを複数組合わせて、泡止め機能を多方向に有効としている。同様に、熱輸送装置が搭載された機器の全方向の姿勢変更において、複数の気泡トラップで、熱輸送液体から分離される気泡が気泡トラップ外に漏れ出さないように止める機能も指している。
【0016】
前記泡止め機能を発揮させるのに用いられる複数個の気泡トラップの配置を例示すれば、前記機器が上及び下向きの姿勢で主にトラップ機能を発揮する1個の縦置きの気泡トラップと、互いに反対向きとなる横向きの姿勢で主にトラップ機能を発揮する1個の横置きの気泡トラップとを夫々1個以上を用いて実施できる。
【0017】
又、本発明で、複数の気泡トラップとは、互いに分離して配置されている形態を含むとともに、見掛け上複数の気泡トラップが一体となっている形態も含んでいる。本発明で、液体ポンプには、遠心式ポンプや電磁駆動によりダイアフラムやピストン等を動かしてポンプ作動を営む電磁駆動式ポンプ等を用いることができる。本発明で、熱輸送液体には、例えば冷却液として、水、又は水が0℃になっても凍結しないようにする不凍液剤を水に加えてなる不凍液などを使用できる。
【0018】
又、本発明で、循環路は、受熱部、放熱部、液体ポンプ、及び気泡トラップ相互間を結ぶ流路を含んでいるが、この流路は、可撓性を有する送液パイプ、可撓性を有しない送液パイプ等を用いることができる。その他、熱輸送装置がユニットベースを備えている構成にあっては、このベースに前記流路を一体に作ることも可能である。
【0019】
本発明では、循環路中を流れる熱輸送液体と一緒に流れる気泡を、複数の気泡トラップ、で熱輸送液体から分離できるだけではなく、本発明装置が搭載された機器の姿勢変更、したがって、循環路の姿勢変更に拘らず、この変更された姿勢に応じてそれに対応する気泡トラップ内に分離された気泡を留めることが可能である。これにより、気泡が液体ポンプ内に吸込まれることを抑制可能である。
【0020】
本発明では、前記気泡トラップを循環路中の少なくとも液体ポンプの吸込み側に複数設けることができる。この場合、前記気泡トラップを前記液体ポンプの吸込み口に設けることが可能である。
【0021】
これにより、放熱部での熱輸送液体の減圧に伴って発生する気泡の一部が放熱部から漏れ出ることがあっても、この気泡を液体ポンプの吸込み側に配置された気泡トラップで分離し留めることができるので、気泡が液体ポンプに吸込まれることを抑制可能である。
【0022】
本発明の好ましい形態では、熱輸送装置装置が、前記循環路を搭載したユニットベースを備えたユニットとなっている。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが前記循環路の送液パイプが接続される両端壁を有した容器状をなしているとともに、前記両端壁の内の少なくとも前記気泡トラップの下流側に位置される端壁が、前記気泡トラップの設置面と平行又は直交する方向に延びていて、この下流側の端壁の長手方向中央部に前記送液パイプが接続されている。本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが、このトラップの設置面と直交する方向に沿うとともに前記循環路の送液パイプが接続される両端壁を有した円筒形をなしていて、前記両端壁の内の少なくとも下流側に位置される端壁の中央部に前記送液パイプが接続されている。これら発明の場合、前記気泡トラップの下流側に位置される端壁に接続された前記送液パイプを前記気泡トラップ内に突出させるとよい。
【0024】
本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが中空な球形をなしていて、このトラップの径方向に前記循環路の送液パイプが接続されているとともに、前記気泡トラップに対して下流側から接続された前記送液パイプが前記気泡トラップ内に突出している。
【0025】
本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが、前記送液パイプの軸線上から外れた重心を有して回転自在に設けられている。
【0026】
本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが、気泡が溜まる一端部の内外を連通する出入り口と、この出入り口を開閉する開閉体とを有している。この場合、前記気泡トラップの少なくとも前記気泡が溜まる一端部を、透明材料で作るとよい。
【0027】
本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが前記熱輸送流体の流通を許す泡止め体を有し、この泡止め体は前記熱輸送流体の流通の方向と交差して前記気泡トラップに内蔵されている。
【0028】
本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが前記放熱体の入口又は出口の内の少なくとも出口に設けられている。
【0029】
本発明の好ましい形態では、前記気泡トラップが前記放熱体内に形成されている。この場合、前記放熱体がベース部とこのベース部に対して略直角に連なる複数のフィン部とを有し、前記ベース部内に前記気泡トラップを設けるとともに、この気泡トラップに連通された他の気泡トラップを一部の前記フィン部内に設けるとよい。
【0030】
前記課題を解決するために、本発明に係る携帯可能な電子機器は、発熱する半導体部品が内蔵された機器本体と、この機器本体に設けられたディスプレイと、前記機器本体に内蔵された請求項1から15の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置であって、この装置の受熱部が前記発熱体に熱的に接続されている熱輸送装置とを具備している。
【0031】
本発明で、発熱する半導体部品としては、例えばCPU、LSI、CCD等を挙げることができる。更に、本発明の電子機器では、半導体部品の温度コントロールをする熱輸送装置以外に、他の補助的な温度コントロール装置、例えば空冷ファン等の冷却装置を併用することは妨げない。
【0032】
本発明の電子機器では、強制循環される熱輸送液体から気泡トラップ内で分離される気泡を、この気泡トラップ内に、電子機器の姿勢変更に拘らずに留めて、液体ポンプへの気泡の吸込みを抑制可能な熱輸送装置を備えているので、熱輸送流体と一緒に流れる気泡による性能低下を抑制し易い。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0034】
図1中符号1は携帯可能な電子機器例えば携帯情報端末機器の一例であるPDAを示している。このPDA1が備える機器本体2には、発熱部品である半導体部品(図2中2点鎖線参照)3及びPDA1を動作させるのに必要な各種の部品からなる図示しない回路装置と、半導体部品3を温度コントロールするために例えば冷却を行う熱輸送装置として機能する冷却装置なす冷却ユニット4が内蔵されている。機器本体2には、液晶等を用いたディスプレイ5が設けられているとともに、複数の操作釦6が設けられている。更に、機器本体2には格子状をなす放熱窓7が外部に臨んで設けられている。PDA1は、各操作釦6の入力指令にしたがって前記回路装置を動作させることにより、必要な演算、記憶、表示等の処理を実行し、かつ、この動作時には冷却ユニット4を駆動するようになっている。
【0035】
図2に示すように冷却ユニット4は、ユニットベース11に、熱輸送液体としての冷却液、好適には不凍液を強制循環させる循環路12を搭載した構成を備えている。この循環路12には空気を含まないように不凍液が充満される。熱輸送装置をユニット化した構成は、後述の送液パイプが可撓性を有している場合であっても、ユニットベース11を介して循環路12を構成する各部品の相互関係を維持して一体に取扱えるので、組立て等の際における取扱い上有利である点で優れている。
【0036】
ユニットベース11は、所定形状例えば平板状に形成されていて、高熱を発する半導体部品3から伝わる熱に耐える材料、例えば金属好ましくは耐食性に優れたステンレス板で作られている。このベース11は、自在に変形できる材料で作ることもでき、或いは変形が容易ではない材料で作ってもよい。
【0037】
循環路12は、受熱部13、放熱部14、液体ポンプ15、例えば2個の気泡トラップ16、17、及び送液パイプ18〜22を組合わせて形成されている。
【0038】
ユニットベース11に固定される受熱部13及び放熱部14は、いずれも良熱伝導材料例えばアルミニューム合金製で、内部に不凍液を流通させる例えば蛇行状の通路(図示しない)を有している。受熱部13には半導体部品3が高耐熱性の半田を介して接続される。受熱部13の通路の入口は送液パイプ18を介して液体ポンプ15の吐出し口に接続されている。これにより、液体ポンプ15から吐き出される不凍液が受熱部13に送込まれる。
【0039】
受熱部13の通路の出口と放熱部14の通路の入口とは送液パイプ19を介して接続されている。放熱部14は、ユニットベース11に固定されるベース部と、このベース部に対してほぼ直角に連なる複数のフィン部とを有している。この放熱部14は図1に示すようにフィン部を放熱窓7に近接対向させて配置される。
【0040】
放熱部14の通路の出口は送液パイプ20を介して第1の気泡トラップ16の入口に接続され、このトラップ16の出口は送液パイプ21を介して第2の気泡トラップ17の入口に接続されている。気泡トラップ17の出口は送液パイプ22を介して液体ポンプ15の吸込み口に接続されている。
【0041】
このため、循環路12中に直列に挿入された第1、第2の気泡トラップ16、17は、いずれも液体ポンプ15の吸込み口と放熱部14の入口部との間、つまり、液体ポンプ15の吸込み側に配置されている。第1、第2の気泡トラップ16、17の配置関係は、図2とは逆に、気泡トラップ17を上流側に配置し、気泡トラップ16を下流側に配置することもできる。
【0042】
図3に例示するように第1気泡トラップ16は、これが設置されたユニットベース11の一面(設置面)11bと直交する方向に沿って延びる端壁16a、及びこの壁16aと平行な端壁16bを有していて、中空直方体をなす容器形状に形成されている。この第1気泡トラップ16は縦置き状態にユニットベース11に取付けられている。この気泡トラップ16に対して上流側に位置された送液パイプ20は、両端壁16a、16bにわたる一側壁の縦方向中央部に連結されている。なお、この接続に代えて上流側の端壁16aの縦方向中央部に送液パイプ20を連結してもよい。第1気泡トラップ16に対して下流側に位置された送液パイプ21は、端壁16bの縦方向中央部に連結されている。
【0043】
このような第1気泡トラップ16に対する送液パイプ20、21の連結により、図2において第1気泡トラップ16が略180°上下に反転するようにPDA1の姿勢が変更された場合でも、この気泡トラップ16での気泡分離と分離された気泡を留める機能とを維持できる。
【0044】
なお、図3中符号L1は第1気泡トラップ16の上向きとなっている一端部に気泡が多量に溜まった状態下でのトラップ16内の不凍液の液面を示している。同様に、図3中符号L2は第1気泡トラップ16が180°反転した状態で上向きとなる他端部に気泡が多量に溜まった状態下でのトラップ16内の不凍液の液面を示している。
【0045】
第2気泡トラップ17は第1第2気泡トラップ16と同じ構成のものを90°姿勢を変えて使用している。すなわち、図4に例示するように第2気泡トラップ17は、これが設置されたユニットベース11の一面(設置面)11bと平行な方向に沿って延びる端壁17a、及びこの壁17aと平行な端壁17bを有していて、中空直方体形状に形成されている。この第2気泡トラップ17は横置き状態にユニットベース11に取付けられている。
【0046】
この気泡トラップ17に対して上流側に位置された送液パイプ21は、入口側端壁17aの縦方向中央部に連結されている。第2気泡トラップ17に対して下流側に位置された送液パイプ22は、出口側端壁17bの縦方向中央部に連結されている。このような第2気泡トラップ17に対する送液パイプ21、22の連結により、図2中矢印A又はB方向にユニットベース11が略90°回転するようにPDA1の姿勢が変更された場合でも、この気泡トラップ16での気泡分離と分離された気泡を留める機能とを維持できる。
【0047】
なお、図4中符号L1は第2気泡トラップ17の上向きとなっている一端部に気泡が多量に溜まった状態下でのトラップ17内の不凍液の液面を示している。同様に、図4中符号L2は第2気泡トラップ17が180°反転した状態で上向きとなる他端部に気泡が多量に溜まった状態下でのトラップ17内の不凍液の液面を示している。
【0048】
以上の構成を備えたPDA1の使用下での半導体部品3の冷却は、冷却ユニット4の液体ポンプ15の駆動に伴い以下のようになされる。液体ポンプ15が駆動されることにより、送液パイプ18に導かれた不凍液が受熱部13を流通する。これに伴い、受熱部13から流出する不凍液は、送液パイプ18に導かれて放熱部14に送り込まれて、この放熱部14を流通する。放熱部14から流出して送液パイプ20で導かれる不凍液は第1気泡トラップ16を流通し、この気泡トラップ16から流出して送液パイプ21で導かれる不凍液は第2気泡トラップ17を流通する。そして、この気泡トラップ17から流出して送液パイプ22で導かれる不凍液は液体ポンプ15に吸込まれる。
【0049】
こうして循環路12を不凍液が強制循環するに伴い、半導体部品3によって加熱される受熱部13を流通する不凍液は、この受熱部13の熱を吸収して高温となる。更に、放熱部14を流通する高温の不凍液は放熱部14のフィン部からの放熱により低温となる。そして、この低温となった不凍液は再び液体ポンプ15を通って受熱部13に送込まれる。
【0050】
以上の熱輸送動作中、受熱部13が不凍液の沸点近くからそれ以上の温度になる場合には、気泡が発生することがある。更に、受熱部13で高温となった不凍液は放熱部14での放熱によって減圧されるので、それに伴って気泡が発生することがある。こうして不凍液中に発生した気泡は、不凍液とともに流れる。
【0051】
ところで、放熱部14の下流側でかつ液体ポンプ15の上流側の流路部分には、ユニットベース11上に縦置きされた第1気泡トラップ16と、横置きされた第2気泡トラップ17とが配置されているので、これらにより、放熱部14から流出した気泡が捕られ留められる。
【0052】
すなわち、PDA1の姿勢により冷却ユニット4が図2に示す基本の姿勢となっている場合、縦置きの気泡トラップ16に不凍液とともに流入した気泡は、浮かび上がって、気泡トラップ16のユニットベース11に接していない縦方向一端部16a(図3参照)内に留められる。この図2の状態から冷却ユニット4が180°上下に反転するようにPDA1の姿勢が変更された場合、気泡トラップ16内で浮かび上がる気泡は、気泡トラップ16のユニットベース11に接している縦方向他端部16b(図3参照)内に留められる。
【0053】
これらの場合、気泡トラップ16に対して下流側に配置された第2気泡トラップ17には不凍液が充満されていて、その前段で既述のように気泡が不凍液から分離されるので、第2気泡トラップ17は実質的には機能しない。
【0054】
冷却ユニット4が図2に示す基本の姿勢から図2中矢印A方向に略90°回転するようにPDA1の姿勢が変更される場合がある。或いは、これと反対に図2中矢印B方向に略90°回転するようにPDA1の姿勢が変更される場合がある。これらの場合には、第1気泡トラップ16の姿勢が実質的に横置き状態となるに伴い、この内部に留められていた気泡の一部が、第1気泡トラップ16から漏れ出して送液パイプ21を通り第2気泡トラップ17に流入することがある。
【0055】
しかし、冷却ユニット4が前記矢印A方向に略90°回転された場合には、気泡トラップ17が実質的に縦置き姿勢となり、図2中符号17aで示す気泡トラップ17の幅方向一端が上向きとなる。同様に、冷却ユニット4が前記矢印B方向に略90°回転された場合には、図2中符号17bで示す気泡トラップ17の幅方向他端が上向きとなる。このため、第2気泡トラップ17はこれに流入した気泡を分離しかつ留めることができる。
【0056】
以上のようにPDA1の姿勢が上下2方向に略180°変更された場合においても、その姿勢変更に応じて第1気泡トラップ16が機能して、その内部に気泡を分離しかつ留めることができるとともに、PDA1の姿勢が前記A又はBの2方向に略90°変更された場合のいずれにおいても、その姿勢変更に応じて第2気泡トラップ17が機能して、その内部に気泡を分離しかつ留めることができる。これにより、液体ポンプ15への気泡の吸込みを抑制可能である。
【0057】
このため、循環路12内で生じた気泡が、PDE1の携帯に伴う姿勢変更を原因として、液体ポンプ15内に吸込まれて到達することが抑制される。これにより、液体ポンプ15での気泡の圧縮を原因として、受熱部13への送液量の減少を伴うポンプ能力の低下を招くことが抑制されるので、所定の冷却性能を発揮させることが可能である。
【0058】
なお、ユニットベース11に対する気泡トラップ16の姿勢、及び気泡トラップ16に対する気泡トラップ17の姿勢は、いずれも以上の説明に限定されない。これらが搭載される電子機器において想定される使用状態に合わせて、適切な角度関係を有していればよい。PDA1を手に保持して操作することを想定した場合、例えばユニットベース11に対する気泡トラップ16の姿勢は45°でもよい。
【0059】
以下、本発明の各実施形態を説明する。これらの実施形態は基本的には第1実施形態と同じであるので、同じ構成については第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる構成について説明する。
【0060】
図5は本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、第1気泡トラップ16の出口と第2気泡トラップ17の入口とを直結して、両トラップ16、17が一体に作られている。そして、この一体のトラップユニットUが液体ポンプ15の吸込み口に接続して配置されている。
【0061】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第2実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。その上、トラップユニットUを用いたので、循環路12に使用する送液パイプの数を少なくでき、組立て工数も減らすことができる。なお、第2実施形態ではトラップユニットUを液体ポンプ15の一部として構成することも可能である。
【0062】
図6は本発明の第3実施形態を示している。この第3実施形態では、第1気泡トラップ16の出口と第2気泡トラップ17の入口とを直結して、両トラップ16、17が一体に作られている。そして、この一体のトラップユニットUが放熱部14の出口に接続して配置されている。
【0063】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第3実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。その上、トラップユニットUを用いたので、循環路12に使用する送液パイプの数を少なくでき、組立て工数も減らすことができる。なお、第3実施形態ではトラップユニットUを放熱部14の一部として構成することも可能である。
【0064】
図7は本発明の第4実施形態を示している。この第4実施形態では、第1気泡トラップ16を出口が放熱部14の入口に接続して配置され、第2気泡トラップ17の入口が放熱部14の出口に接続して配置されている。
【0065】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第4実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。その上、放熱部14の出入り口に両気泡トラップ16、17と直結したので、循環路12に使用する送液パイプの数を少なくでき、組立て工数も減らすことができる。なお、第4実施形態では両気泡トラップ16、17の配置は逆でもよく、更に、これら両気泡トラップ16、17を放熱部14の一部として構成することも可能である。
【0066】
図8は本発明の第5実施形態を示している。この第5実施形態では、放熱部14内に不凍液の流路を兼ねて第1、第2の気泡トラップ16、17が夫々設けられている。
【0067】
詳しくは、既述のように放熱部14は、ユニットベース11に沿って配置されるベース部14aと、これに対して略直角に連なった複数のフィン部14bとを有している。並設された各フィン部14bは、いずれも同じ厚みで、かつ、同じ高さに作られている。
【0068】
並び方向両端に位置されたフィン部14bの内の一方には第1気泡トラップ16が設けられている。このトラップ16は、前記一端のフィン部14bの所定領域を中空とすることによって、このフィン部14bの起立方向に沿って恰も縦置き状態に相当するように作られている。第1気泡トラップ16の高さ方向中央部の入口には、前記一端のフィン部14bに挿入された送液パイプ19が接続されている。
【0069】
ベース部14aには第2気泡トラップ17が設けられている。このトラップ17は、ベース部14aの所定領域を中空とすることによって、このベース部14aに沿って恰も横置き状態に相当するように作られている。更に、ベース部14aには、第1気泡トラップ16の出口と第2気泡トラップ17の入口とを接続する連通孔14cが作られている。第2気泡トラップ17の出口には、ベース部14aに挿入された送液パイプ22が接続されている。
【0070】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第5実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0071】
その上、放熱部14が横方向に展開するベース部14aと上下方向に高さを有するフィン部14bとを備えるという構成を利用して、この放熱部14の内部に第1、第2の気泡トラップ16、17を形成している。このため、格別に第1、第2の気泡トラップ16、17を要することがなく、送液パイプを含めて部品点数を減らすことが可能であるとともに、機器本体内への冷却ユニットの設置においても、気泡トラップが設置の邪魔となることがないので有利である。
【0072】
図9は本発明の第6実施形態を示している。この実施形態は基本的には第5実施形態と同じであるので、同じ構成については第5実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる構成について説明する。
【0073】
第6実施形態では、厚みを薄くしたより多くのフィン部14bを設けて放熱面積を増やしているとともに、並び方向一端のフィン部14beのみを他のフィン部14bよりも厚くしている。更に、並び方向他端側のフィン部14b群の高さを、前記並び方向一端側のフィン部14b群よりも短くしている。これにより、ベース部14aは、厚みが厚い部分と薄い部分とを有した構成となっている。そして、並び方向一端の厚みが厚いフィン部14be内に第1気泡トラップ16が設けられ、ベース部14aの肉厚部分内に第2気泡トラップ17が設けられている。
【0074】
以上説明した点以外の構成は第5実施形態と同じである。このため、第6実施形態においても、第5実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0075】
図10及び図11は本発明の第7実施形態を示している。この第7実施形態では、第1、第2の気泡トラップ16、17に、両端壁を有する円筒形をなしたものを使用している。図11に示した第1気泡トラップ16で代表するように、その両端壁16a、16bはユニットベース11の一面11bと直交する方向に沿っており、これらの端壁16a、16bの中央部に送液パイプ20又は21が個別に接続されている。しかも、各送液パイプ20、21の端部20a、21bは第1気泡トラップ16内に突出されている。
【0076】
なお、第7実施形態では、第1気泡トラップ16に対して上流側及び下流側の両送液パイプ20、21の夫々を端壁16a、16bに挿通させたが、少なくとも下流側の端壁16bに接続される送液パイプ21の端部21bを第1気泡トラップ16内に突出させればよい。
【0077】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第7実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0078】
更に、第7実施形態でも同じ構成の第1、第2の気泡トラップ16、17を用いているが、これらが円筒形であることにより、その設置において縦置き、横置きの区別がなく、容易にユニットベース11上に両気泡トラップ16、17を設置できる点で優れている。
【0079】
その上、下流側の端壁16bに接続される送液パイプ21の端部21aが第1気泡トラップ16内に突出しているので、このトラップ16内で分離された気泡が送液パイプ21に入るには、図11中点線矢印で示すように送液パイプ21の突出端部21aを気泡が迂回する必要がある。このため、分離された気泡をトラップ16内により確実に留め易い点で優れている。
【0080】
又、この第7実施形態では、両気泡トラップ16、17が、その軸線P1、P2を交差例えば略直交するように配置されている。これにより、不凍液の流れ方向を基準に第1気泡トラップ16に対して下流側に配置されている第2気泡トラップ17の軸線P2が縦になった場合、上流側の第1気泡トラップ16で気泡を留めることができる。この逆に、上流側の第1気泡トラップ16の軸線P1が縦になった場合、下流側の第2気泡トラップ17で気泡を留めることができる。したがって、液体ポンプ15に気泡をより確実に吸込ませなくできる点で好ましい。
【0081】
なお、このように第1、第2の気泡トラップ16、17をそれらの軸線P1、P2が交差するように配置する構成は、各実施形態に夫々に適用できる。そして、この適用により、分離される気泡をより確実に両気泡トラップ16、17に留めて、液体ポンプ15への気泡の吸込みを抑制できる。
【0082】
図12及び図13は本発明の第8実施形態を示している。この第8実施形態では、第1、第2の気泡トラップ16、17が、それらの軸線P1、P2を交差するように配置されているだけではなく、夫々回転自在に設けられている。
【0083】
詳しくは、図13に例示した第1気泡トラップ16で代表して示すように、トラップ16の両端壁16a、16bの好ましくは外面に夫々軸受25が取付けられている。上流側の軸受25は、この軸受25の内輪及び端壁16aを共に貫通した送液パイプ20で支持され、下流側の軸受25は、この軸受25の内輪及び端壁16bを共に貫通した送液パイプ21で支持されている。これにより第1気泡トラップ16は、送液パイプ20、21の周方向に回転できるように設けられている。
【0084】
なお、図13中符号26はOリング、27はOリング26の周りに充填されたシリコン等の充填材を示しており、これらによって第1気泡トラップ16の液密が確保されている。
【0085】
更に、第1気泡トラップ16はその周面の一部に取付けられた重り28を有しており、この重り28によって第1気泡トラップ16の重心Gは、両送液パイプ20、21の軸線、言い返れば、第1気泡トラップ16の軸線P1から外されている。なお、重り28は本実施形態では第1気泡トラップ16に接着剤29を用いて後付けしたが、これに限らず第1気泡トラップ16の片側を肉厚に形成してその部分を重りとして用いることもできる。
【0086】
第2気泡トラップ17の構成は第1気泡トラップ17と同じである。又、この第8実施形態において、送液パイプ18〜22の内で少なくとも気泡トラップに接続される送液パイプは金属などの硬質管で作られている。なお、図12中符号11aは、両気泡トラップ16、17の回転を許すために、ユニットベース11に開けた逃げ孔を示している。
【0087】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第8実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0088】
更に、第8実施形態では第1、第2の気泡トラップ16、17が、回転自由であることにより、その設置において縦置き、横置きの区別がないだけではなく、PDA1が斜めの姿勢となった場合でも、循環路12を流れる気泡を、両気泡トラップ16、17で確実に分離して留め易い性能に優れている。しかも、第1、第2の気泡トラップ16、17がそれらの軸線P1、P2を交差するように配置されているので、第7実施形態で説明したように分離される気泡をより確実に両気泡トラップ16、17に留めて、液体ポンプ15への気泡の吸込みを抑制できる。その上、下流側の端壁16bに接続される送液パイプ21の端部21aが第1気泡トラップ16内に突出しているので、第7実施形態で説明した既述の理由により、このトラップ16内で分離された気泡をトラップ16内により確実に留め易い点でも優れている。
【0089】
図14は本発明の第9実施形態を示している。この第9実施形態では、第1の気泡トラップ16を液体ポンプ15の吐出し側、例えば受熱部13と放熱部14とを連通する送液パイプ19に設け、第2の気泡トラップ17を、液体ポンプ15の吸込み口と放熱部14とを連通する送液パイプ20、22間に設け、かつ、送液パイプ22を液体ポンプ15の吸込み口に接続している。
【0090】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第9実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0091】
図15は本発明の第10実施形態を示している。この第10実施形態では、ユニットベースに固定される第1気泡トラップ16に、例えば一対の出入り口35と、これらの出入り口35を個別に開閉する開閉体36とを設けている。
【0092】
図15(A)において気泡トラップ16の上を向いている一端部37は、このトラップ16の内部で分離された気泡が溜まる部分であり、気泡トラップ16の少なくとも前記一端部37は透明材料で作られている。そして、この一端部37に出入り口35及び開閉体36が設けられている。開閉体36には、出入り口35の通路35aに対して直交して設けられるねじ軸部にこれを径方向に貫通する孔36aを有したねじが用いられている。
【0093】
図15(C)に示すように出入り口35の通路35aは、この通路35aに孔36aが直交する位置にある時に開閉体36のねじ軸部によって閉じられる。又、この状態から開閉体36が90°回されて図15(B)に示すように通路35aが延びる方向に孔36aが向いた時に、通路35aが開かれるようになっている。なお、図示しないが第2の気泡トラップ17の気泡が溜まる一端部にも同じ構成が設けられている。
【0094】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第10実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0095】
更に、既述のように気泡トラップが開閉可能な出入り口35を有しているので、この気泡トラップをリザーバタンクとして機能させることが可能である。すなわち、冷却ユニット4の組立てにおいて、循環路12に不凍液を充満させる場合、一方の出入り口35を開いて空気抜きとし、他方の開いた出入り口35から不凍液を注入することができる。注入後には両出入り口35はいずれも閉じ状態に維持される。
【0096】
又、長期にわたる使用に伴い不凍液が外部に拡散して減ることがある。この場合、以上説明したリザーバタンク機能を備えていることにより、PDA1のメンテナンスなどにおいて出入り口35を開けて、不凍液を補充することが可能である。しかも、出入り口35が設けられた一端部内は透視可能である。このことにより、不凍液の補充をするかどうかを視認できるとともに、不凍液の充填及び補充が適正に行われたかどうかも視認することが可能である。
【0097】
図16(A)(B)は本発明の第11実施形態を示している。この第11実施形態では、第1の気泡トラップ16が、このトラップ16に内蔵された泡止め体39を有している。泡止め体39は、不凍液の流通を許すものであって、気泡トラップ16内を流通する不凍液の流通方向と交差して、好ましくは略直交して設けられている。
【0098】
図16(A)の例では泡止め体39として網体を使用している。この網体のメッシュは不凍液の流通性を大きく妨げないで気泡を止め易くするために0.5mm〜1mmにするとよい。図16(B)の例では泡止め体39としてスリットが多数設けられた平板を使用している。この場合、スリットの幅は不凍液の流通性を大きく妨げないで気泡を止め易くするために0.5mm〜1mmにするとよい。なお、図示しないが第2の気泡トラップ17にも同様な泡止め体39が内蔵されてている。
【0099】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第11実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。更に、気泡トラップに内蔵された泡止め体39によって、気泡トラップ内に気泡を留め易くできる点で優れている。
【0100】
図17は本発明の第12実施形態を示している。この第12実施形態では、第1の気泡トラップ16が中空な球形をなしている。そして、このトラップ16の径方向に送液パイプ20、21が接続されている。しかも、これらの送液パイプ20、21の端部20a、21aは第1気泡トラップ16内に突出されている。第12実施形態では、第1気泡トラップ16に対して上流側及び下流側の両送液パイプ20、21の端部20a、21aの夫々を第1気泡トラップ16内に突出させたが、少なくとも下流側に接続される送液パイプ21の端部21aを第1気泡トラップ16内に突出させればよい。なお、図示しないが第2の気泡トラップ17も同じに構成されている。
【0101】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第12実施形態においても、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0102】
更に、第12実施形態では第1、第2の気泡トラップ16、17が中空な球形であるので、PDA1がいかなる方向に姿勢を変更しても、それらの全方向の姿勢に対応して第1、第2の気泡トラップ16、17内で気泡を分離し、かつ、留めることができる。
【0103】
この場合、図17で代表するように下流側に接続された送液パイプ21の端部21aが第1気泡トラップ16内に突出しているので、このトラップ16内で分離された気泡が送液パイプ21に入るには、図17中点線矢印で示すように送液パイプ21の突出端部21aを気泡が迂回する必要がある。このため、気泡トラップ16、17が中空な球形であるにもかかわらず、分離された気泡をトラップ16、17内により留めることができる。
【0104】
なお、この第12実施形態でも、両気泡トラップ16、17の内のいずれか一方は省略して実施可能であるが、以上のように複数設けることは、液体ポンプ15に気泡をより確実に吸込ませなくできる点で好ましい。なお、この第12実施形態においても、相対的に上流側と下流側とに並べて配置される両気泡トラップ16、17は、それらの軸線を既述のように交差例えば略直交するように配置して実施することが好ましい。
【0105】
本発明は以上説明した前記各実施形態には制約されない。本発明は、前記各実施形態で説明した各構成要素を選択的に組み合わせて、これを新たな実施形態とすることができる。
【0106】
又、本発明では、第1、第2の気泡トラップを液体ポンプの吐出し側と吸込み側の夫々に配設して実施することも可能である。更に、圧力変動が大きい液体ポンプを使用する場合には、このポンプでのキャビテーションにより気泡を発生する可能性があるので、この場合には、液体ポンプの吐出し口から受熱部に至る流路に1以上の気泡トラップを配置して実施することも可能である。
【0107】
又、使用する気泡トラップは増えるが、PDA等の機器が上向きとなる姿勢で主に機能する第1の縦置きの気泡トラップと、機器が下向きとなる姿勢で主に機能する第2の縦置きの気泡トラップと、機器が上向きに略90°回転した姿勢で主に機能する第1の横置きの気泡トラップと、機器が下向きに略90°回転した姿勢で主に機能する第2の横置きの気泡トラップとを備えて実施することもできる。この構成は、一つ一つの気泡トラップが2方向に対応する必要がないので、夫々の高さ等が小さくて済み小形にできるので、機器本体の薄型化などを図る場合に好適に実施できる。
【0108】
更に、本発明において、気泡トラップの内面などに気泡をより留め易くするために、例えばトラップの内面を粗面とする等の措置を講じることは妨げない。
【0109】
【発明の効果】
本発明に係る熱輸送装置によれば、この装置が搭載された機器の姿勢変更に拘らず、気泡が液体ポンプに吸込まれることが抑制されるので、熱輸送流体と一緒に流れる気泡による性能低下を抑制し易い、という効果がある。
【0110】
本発明に係る携帯可能な電子機器によれば、熱輸送流体と一緒に流れる気泡が液体ポンプに吸込まれることを抑制可能な熱輸送装置を備えているので、携帯に伴う姿勢変更に拘らず、気泡による熱輸送装置の性能低下を抑制し易い、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の冷却装置が組込まれた携帯情報端末機器を示す斜視図。
【図2】第1実施形態の冷却装置を示す斜視図。
【図3】図2の冷却装置が備える第1の気泡トラップを示す断面図。
【図4】図2の冷却装置が備える第1の気泡トラップを示す断面図。
【図5】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第2実施形態の冷却装置を示す斜視図。
【図6】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第3実施形態の冷却装置を示す斜視図。
【図7】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第4実施形態の冷却装置が備える放熱部周りを示す斜視図。
【図8】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第5実施形態の冷却装置が備える放熱部周りを示す斜視図。
【図9】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第6実施形態の冷却装置が備える放熱部周りを示す斜視図。
【図10】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第7実施形態の冷却装置を示す斜視図。
【図11】図10の冷却装置が備える気泡トラップを示す断面図。
【図12】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第8実施形態の冷却装置を示す斜視図。
【図13】図12の冷却装置が備える気泡トラップを示す断面図。
【図14】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第9実施形態の冷却装置を示す斜視図。
【図15】(A)は携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第10実施形態の冷却装置が備える気泡トラップを示す斜視図。(B)は図15(A)の気泡トラップの出入り口部を開いた状態で示す断面図。(C)は図15(A)の気泡トラップの出入り口部を閉じた状態で示す断面図。
【図16】(A)は携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第11実施形態の冷却装置が備える気泡トラップを示す斜視図。(B)は第11実施形態の冷却装置が備える気泡トラップの他の態様を示す断面図。
【図17】携帯情報端末機器に組込まれる本発明の第12実施形態の冷却装置が備える気泡トラップを示す断面図。
【符号の説明】
1…PDA(電子機器)
2…機器本体
3…発熱を伴う半導体部品
5…冷却ユニット(熱輸送装置)
5…ディスプレイ
7…放熱窓
11…ユニットベース
11a…ユニットベースの一面(設置面)
12…循環路
13…受熱部
14…放熱部
14a…ベース部
14b…フィン部
15…液体ポンプ
16…気泡トラップ
17…気泡トラップ
16a、17a…気泡トラップの入口側端壁
16b、17b…気泡トラップの出口側端壁
78〜22…送液パイプ
25…軸受
28…重り
W…重心
P1、P2…軸線
35…出入り口
36…開閉体
37…気泡トラップの気泡が溜まる端部
39…泡止め体
Claims (16)
- 熱輸送液体が流通する受熱部と、
この受熱部から流出する熱輸送液体が流通する放熱部と、
この放熱部から流出する熱輸送液体を吸込んで前記受熱部に送込む液体ポンプと、
前記受熱部、放熱部、及び液体ポンプを含んでいて前記熱輸送液体が強制循環する循環路中に設けられ、前記熱輸送液体から分離される気泡を前記循環路の姿勢変更に応じて留めるとともに、この気泡を留める機能が前記循環路の夫々異なる姿勢に対して別々に有効な複数の気泡トラップと、
を具備する熱輸送装置。 - 熱輸送液体が流通する受熱部と、
この受熱部から流出する熱輸送液体が流通する放熱部と、
この放熱部から流出する熱輸送液体を吸込んで前記受熱部に送込む液体ポンプと、
前記受熱部、放熱部、及び液体ポンプを含んでいて前記熱輸送液体が強制循環する循環路中の少なくとも前記液体ポンプの吸込み側に設けられ、前記熱輸送液体から分離される気泡を前記循環路の姿勢変更に応じて留めるとともに、この気泡を留める機能が前記循環路の夫々異なる姿勢に対して別々に有効な複数の気泡トラップと、
を具備する熱輸送装置。 - 請求項2に記載の熱輸送装置において、前記気泡トラップが前記液体ポンプの吸込み口に設けられている。
- 請求項1から3の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、この装置が、前記循環路を搭載したユニットベースを備えたユニットとなっている。
- 請求項1から4の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記気泡トラップが前記循環路の送液パイプが接続される両端壁を有した容器状をなしているとともに、前記両端壁の内の少なくとも前記気泡トラップの下流側に位置される端壁が、前記気泡トラップの設置面と平行又は直交する方向に延びていて、この下流側の端壁の長手方向中央部に前記送液パイプが接続されている。
- 請求項1から4の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記気泡トラップが、このトラップの設置面と直交する方向に沿うとともに前記循環路の送液パイプが接続される両端壁を有した円筒形をなしていて、前記両端壁の内の少なくとも下流側に位置される端壁の中央部に前記送液パイプが接続されている。
- 請求項5又は6に記載の熱輸送装置において、前記気泡トラップの下流側に位置される端壁に接続された前記送液パイプが前記気泡トラップ内に突出している。
- 請求項1から4の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記気泡トラップが中空な球形をなしていて、このトラップの径方向に前記循環路の送液パイプが接続されているとともに、前記気泡トラップに対して下流側から接続された前記送液パイプが前記気泡トラップ内に突出している。
- 請求項1から8の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記気泡トラップが、前記送液パイプの軸線上から外れた重心を有して回転自在に設けられている。
- 請求項1から9の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記気泡トラップが、気泡が溜まる一端部の内外を連通する出入り口と、この出入り口を開閉する開閉体とを有している。
- 請求項10に記載の熱輸送装置において、前記気泡トラップの少なくとも前記気泡が溜まる一端部が、透明材料で作られている。
- 請求項1から11の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記気泡トラップが前記熱輸送流体の流通を許す泡止め体を有し、この泡止め体は前記熱輸送流体の流通の方向と交差して前記気泡トラップに内蔵されている。
- 請求項1から12の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記気泡トラップが前記放熱体の入口又は出口の内の少なくとも出口に設けられている。
- 請求項1から12の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記気泡トラップが前記放熱体内に形成されている。
- 請求項14に記載の熱輸送装置において、前記放熱体がベース部とこのベース部に対して略直角に連なる複数のフィン部とを有しており、前記ベース部内に前記気泡トラップが設けられているとともに、この気泡トラップに連通された他の気泡トラップが一部の前記フィン部内に設けられている。
- 発熱する半導体部品が内蔵された機器本体と、
この機器本体に設けられたディスプレイと、
前記機器本体に内蔵された請求項1から15の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置であって、この装置の受熱部が前記発熱体に熱的に接続されている熱輸送装置と、
を具備した携帯可能な電子機器。
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