JP2003229526A - 水冷システムを備えた電子機器 - Google Patents

水冷システムを備えた電子機器

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JP2003229526A
JP2003229526A JP2002028711A JP2002028711A JP2003229526A JP 2003229526 A JP2003229526 A JP 2003229526A JP 2002028711 A JP2002028711 A JP 2002028711A JP 2002028711 A JP2002028711 A JP 2002028711A JP 2003229526 A JP2003229526 A JP 2003229526A
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water
tank
air
pump
cooling system
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JP2002028711A
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Hiroo Fujisaki
博夫 藤崎
Hirohisa Aihara
裕寿 相原
Kenichi Saito
賢一 齋藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不凍液を用いない水冷システムを備えた電子機
器を提供する。 【解決手段】ポンプ部300と吸熱部400と放熱部5
00とを含む密閉された冷却用循環系を備える。冷却用
循環系の内部には、水と空気とが封入される。ポンプ部
300と吸熱部400と放熱部500は、ポンプ300
が停止している際には、空気によって充満される位置に
配置する。タンク200は、ポンプ部300の動作によ
って流入した水と空気とを分離し、空気をタンク内部に
閉じこめる構成にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PC(パーソナル
コンピュータ)、DTP(デスクトップコンピュー
タ)、サーバー等の小型の電子機器に関し、特に、冷却
システムを搭載した電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】小型の電子機器においては、LSIの高
集積化に伴って発熱量が増大している。このため、従来
一般的であった空冷方式よりも冷却能力の高い水冷装置
を搭載した電子機器が提案されている。例えば、特開平
06−097338号公報では、ポンプと吸熱部と放熱
部とタンク等がパイプで接続される循環系の水冷システ
ムが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】小型の電子機器は、広
範囲な温度環境に置かれることが想定されるため、水冷
装置を搭載した場合、冷却水の凍結に対する対策が必要
である。上記特開平06−097338号公報では、循
環させる液体は純水が推奨され、凍結防止に対しては、
純水に不凍液(エチレングリコールまたはプロピレング
リコール等)を混ぜると記載している。
【0004】本発明は、不凍液を用いない水冷システム
を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、冷却用循環系の内部に水と空気とを封入
し、ポンプが停止している際には、ポンプ部と吸熱部と
放熱部に空気が充満されるように構成する。これによ
り、水の凍結時に、ポンプ部と吸熱部と放熱部が破損等
するのを防止する。
【0006】また、冷却用循環系にタンクを配置し、ポ
ンプ部の動作によって循環する水と空気とを分離し、空
気をタンク内部に閉じこめる構造を有するように構成す
ることができる。
【0007】また、冷却用循環系は、タンクと接続され
た補助タンクと、タンクと補助タンクとの間に配置され
た開閉弁とをさらに備えるように構成することができ
る。このとき、補助タンクは、ポンプ部、吸熱部、放熱
部およびタンクよりも鉛直上方に配置し、ポンプ部が動
作している時に水の一部を蓄積させるようにすることが
望ましい。これにより、ポンプ部の運転開始時に、開閉
弁を開状態に切り替えると、補助タンクが蓄積した水を
タンクに落下してポンプ部を水で充満させることがで
き、ポンプを運転可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態の冷却シス
テムを備えた電子機器について図1〜図8を用いて説明
する。
【0009】本実施の形態では、電子機器は図8に示し
たようにノート型パソコンであり、これに水冷の冷却シ
ステムを搭載している。
【0010】本実施の形態の冷却システムの構成を図1
を用いて説明する。冷却システムは、水を循環させる遠
心ポンプ(P)300、非運転時に水を溜めるメインタ
ンク200およびサブタンク100、電子機器のLSI
素子に装着されて吸熱する吸熱部(Water Jacket:W
J)400、受け取った熱を逃がす放熱部(R)50
0、およびバルブ600を有する。これらの構成要素
は、フレキシブルパイプ20、30、31、40、4
1、50、51により接続されている。この冷却システ
ムは密閉系であり、大気とは通じていない。
【0011】本実施の形態の冷却システムは、冷却水を
循環させる水冷方式であるが、不凍液を用いない構成と
する。よって、電子装置が零下の温度環境に置かれた場
合の冷却水の凍結はやむなしとして許容し、氷が解けて
から電子機器を使用する仕様とする。ただし、水は凍結
して氷になると体積が約9%増加するため、パイプで構
成される吸熱部400ならびに放熱部500、ならび
に、遠心ポンプ300の内部で水が凍結すると、破裂や
破損に至る可能性がある。そこで、本実施の形態では、
冷却システムの内部に、冷却水のほかに空気を封入し、
空気を利用して破裂や破損を防ぐ構成とする。
【0012】具体的には、遠心ポンプ300、メインタ
ンク200、吸熱部400、放熱部500、サブタンク
100およびバルブ600の位置関係、ならびに、封入
される冷却水の量と空気の量等を、下記(1)〜(3)
の要件を満たすように定めている。なお、冷却水として
は純水を用いる。
【0013】(1)電子機器の休止時、すなわち遠心ポ
ンプ300の非運転時には、遠心ポンプ300と吸熱部
400と放熱部500の内部に空気が充満されるように
するために、遠心ポンプ300と吸熱部400と放熱部
500とを、メインタンク200よりも鉛直上方に配置
する。また、メインタンク200およびサブタンク10
0の容量や、封入する冷却水の水量も、上記条件を満た
すように定める。これにより、非運転時には、遠心ポン
プ300と吸熱部400と放熱部500とを、空気で保
護して凍結による損傷を免れるようにした。
【0014】(2)電子機器のパワーが投入され運転が
開始されたならば、空気は循環させずメインタンク20
0もしくはサブタンク100の内部に回収して押込めて
おくように構成する。このように構成するのは、空気を
循環させると吸熱部400で熱せられて膨張し、冷却シ
ステムに無理な力がかかるからである。また、放熱部5
00に空気が滞留した場合には、放熱効率が低下するか
らである。なお、本実施の形態では、メインタンク20
0に空気と水の分離機能を持たせ、運転中にはメインタ
ンク200の内部上方に空気を押し込めておくように設
計する。
【0015】(3)電子機器のパワーが投入される運転
開始時には、水位を上昇させ、遠心ポンプ300の内部
を冷却水で満たすように構成する。このために、メイン
タンク200および遠心ポンプ300よりも鉛直上方に
サブタンク100を配置し、運転中に水を蓄積しておく
と共に、電子機器がパワーオフされた後の次のパワーオ
ンによる運転開始時に、サブタンク100とメインタン
ク200とを接続する経路に配置したバルブ600を開
き、サブタンク100の水をメインタンク200に落と
す構成とした。これにより、水位を上昇させ、遠心ポン
プ300の内部を水で満たすことにより、遠心ポンプ3
00が稼働できる状態となるため、遠心ポンプ300が
パワーオンにより回転して揚水する。
【0016】したがって、本実施の形態では、上記
(1)〜(3)の要件を満たすように、サブタンク10
0は電子機器の上部に、メインタンク200は下部に、
吸熱部400と放熱部500と遠心ポンプ300は、サ
ブタンク100とメインタンク200の中間に配置す
る。これらは、冷却循環系パイプ20、40、41、5
0、51により接続する。サブタンク100とメインタ
ンク200との間には、運転開始時にサブタンク100
からメインタンク200へ落とす水を通すためのパイプ
30,31により接続される。パイプ30,31には、
運転開始時に開状態にするバルブ600を配置する。サ
ブタンク100、メインタンク200、吸熱部400、
放熱部500および遠心ポンプ300の配置は、搭載す
る電子機器の内部構造に合わせて柔軟に定めることがで
きるが、冷却水循環系のフレキシブルパイプ20、4
0、41、51、50は、その途中で上下方向にアップ
ダウンがないよう配管されることが望ましい。この理由
は、水の自重を利用して下に落とす動作や、空気が水よ
り軽いことを利用して循環系の上部に移動する動作が含
まれるからである。なお、図1の循環系の矢印は、電子
機器が動作運転中の冷却水の流れる方向を示している。
【0017】吸熱部400は、本実施の形態では銅製パ
イプを図5のような形状に加工したものを用いる。大き
さは4〜5cm角程度である。放熱部500も、銅製パ
イプを図8のように蛇行させた形状や、図6のようにら
せん形状としたものを用いる。放熱部500を構成する
パイプは、隣接するパイプとパイプの間に放熱のための
空間を開けた形状とすることが望ましい。さらに放熱を
良くするため、電子機器の内部に配置されている送風フ
ァン800の風が放熱部500にもあたるように、搭載
することが望ましい。
【0018】遠心ポンプ300は、本実施の形態では大
きさが縦5cm横5cm厚さ2cm程度のものを用い
る。遠心ポンプ300は、ポンプ容器340内部に配置
された羽根320と、羽根320が取り付けられたロー
タ330と、容器340の外側に配置されたモータ駆動
部310とを有する。ロータ330には永久磁石が備え
られており、モータ駆動部310が与える電磁力により
回転する。
【0019】鉛直上方配置されたサブタンク100は、
運転開示時に遠心ポンプ300を満たす呼び水を確保す
るものである。ここでは、図2のように、サブタンク1
00は片側側面(図2では左側側面)の上部には、放熱
部500からのフレキシブルパイプ50が接続されてい
る。フレキシブルパイプ50は、サブタンク100内部
に配置されたパイプ51と接続されている。パイプ51
の先端51aは、サブタンク100の底に向けられ、予
め定められた深さまで達している。また、サブタンク1
00の他側側面(図2の右側側面)の上部に設けられた
流出口100aには、サブタンク100からメインタン
ク200へ水を循環させるためのフレキシブルパイプ2
0が接続されている。流出口100aは、パイプ51の
先端よりも鉛直上方に位置するように配置されている。
【0020】よって、フレキシブルパイプ50を通って
きた水は、サブタンク100の底に落ち、満タンになっ
たならば流出側のフレキシブルパイプ20へ流れ出る。
運転停止時に遠心ポンプ300が停止し揚水力が無くな
ると、フレキシブルパイプ50、20の水はそれぞれの
自重でメインタンク200に落ちる。これにより、サブ
タンク100の上部は、軽い空気により占有される。空
気が占有する上部空間は、サブタンク100のパイプ5
1の先端51aの下まで達し、その下に水が蓄えられ
る。このように、非運転時にサブタンク100の上部を
空気によって占有させることにより、非運転時にサブタ
ンク100内の水が凍った場合でも氷がタンクからあふ
れ出ないようにすることができる。
【0021】また、サブタンク100の底部には、運転
開始時にメインタンク200へ水を落とす際に用いられ
る別の流出口100bが設けられ、フレキシブルパイプ
30が接続されている。フレキシブルパイプ30には、
バルブ600を介してフレキシブルパイプ31が接続さ
れ、その先端にメインタンク200が接続されている。
【0022】メインタンク200は、右側側面の上部に
流入口200aを有し、フレキシブルパイプ20の先端
が接続されている。この流入口200aから水または空
気が入って来る。また、メインタンク200の上面には
流出口200bが設けられ、流出口200の内部には、
流出パイプ41が配置されている。流出パイプ41の先
端41aは、底面に向けられ、予め定めた深さまで達し
ている。よって、流入口200aからメインタンク20
0に流入した水と空気は、分離されて空気がタンク上方
に浮き上がり、メインタンク200上部に押込められ
る。水は底部にたまり、遠心ポンプ300が運転されて
いる場合には、流出パイプ41の先端から吸い上げら
れ、パイプ41、40を通って遠心ポンプ300に向か
う。なお、流出パイプ41の先端41aは、冷却システ
ム内に封入されている空気がすべてメインタンク200
の上部に押し込められた場合にも、常に水中に没するよ
うな深さに配置されている。これにより、運転中にメイ
ンタンク200の上部の空気を先端41aから吸いあげ
ないようにしている。
【0023】なお、図2、図3では、サブタンク100
およびメインタンク200は、側面中央部が内側に凹ん
だ形状の樹脂製のタンクを示した。これは水が凍った場
合の膨張を吸収するためである。しかしながら、サブタ
ンク100およびメインタンク200の形状および素材
は、図2、図3のように形状および樹脂に限られるもの
ではなく、直方体で金属製のものにすることも可能であ
る。
【0024】サブタンク100とメインタンク200と
を接続するフレキシブルパイプ30,31の間に配置さ
れたバルブ600は、ノーマルクローズで閉じており、
遠心ポンプ300の運転開始時に一定時間オープンされ
る。オープンされると、サブタンク100の水がメイン
タンク200の落ちる仕掛けとしている。本実施の形態
では、バルブ600として、図4に示すような電磁弁を
用いる。このバルブ600は、永久磁石630と、ロッ
ド630aで永久磁石630と接続された弁610と、
弁610が水路を閉じる方向に付勢するリングバネ62
0と、電磁コイル640とを含んでいる。電磁コイル6
40は、鋳物製の水路の外部に配置されている。通常
は、リングバネ620の力により弁610が水路を閉じ
ているが、弁610を開く時には電磁コイル640に電
流を流し、磁力で永久磁石630を引く仕組みである。
【0025】つぎに、本冷却システムの動作を、空気と
水の動きに着目して図7を用いて説明する。
【0026】運転中は、図7(b)のように、メインタ
ンク200の水は、遠心ポンプ300の揚水力で循環
し、吸熱部400で電子機器のLSI素子から吸熱し、
その熱を放熱部500で放熱することにより、電子機器
の水冷を行うことができる。このとき、冷却システムに
封入されている空気はすべてメインタンク200に運ば
れ、メインタンク200の上部に押込まれる。メインタ
ンク200の流出パイプ41の先端は、上部の空気を吸
い上げないような位置に配置されているため、遠心ポン
プ300はメインタンク200の底から水のみを吸い上
げ、空気は循環しない。
【0027】電子機器がパワーオフされポンプが停止し
た場合には、図7(c)のように遠心ポンプ300の揚
水力がなくなるため、サブタンク100の左右のパイプ
50,20内の水ならびに、吸熱部400と放熱部50
0と遠心ポンプ300とパイプ51,41,40内の水
は、自重でメインタンク200に落ちる。メインタンク
200の空気は、逆に図7(c)のように、メインタン
ク200の右側のパイプ20を通って上部に上昇し、パ
イプ20を満たすとともに、サブタンク100の流出口
100aからサブタンク100内に入る。これにより、
サブタンク100内の水位が、パイプ51の先端51a
よりも下側に下がり、空気は、サブタンク100から逆
にパイプ51の先端51aに入り、パイプ50、放熱部
500、パイプ51、吸熱部400、パイプ41、遠心
ポンプ300、パイプ40を満たす。これにより、非運
転時に放熱部500、吸熱部400、遠心ポンプ300
を満たすことができるため、凍結時の水の膨張により、
これらの破損を防ぐことができる。
【0028】一方、メインタンク200には、運転中に
存在していた水量に加えて、パイプ20,50等の水量
とサブタンク100の上部の水量が集まるが、サブタン
ク100の底部にも水が溜められているため、メインタ
ンク200は満タンにはならず、左右のパイプ20,4
0等を空気で充填することができるとともに、メインタ
ンク200の凍結時の水の膨張を上部の空気の空間で吸
収することができ、メインタンク200の破損も防ぐこ
とができる。また、サブタンク100の底部の水は、運
転開始時の遠心ポンプ300の呼び水となる。
【0029】運転開始時には、図7(a)のように、不
図示の制御部によりバルブ600をオープンし、サブタ
ンク100の底部に溜められている水をメインタンク2
00に落とす。これにより、メインタンク200が満タ
ンとなり、あふれた水がパイプ20、パイプ40に流れ
込み、水位が上昇する。このときの水位は、遠心ポンプ
300を越えるように水量を設定しておくことにより、
遠心ポンプ300は、水で満たされる。したがって、遠
心ポンプ300は稼働可能な状態となり、遠心力により
水を循環させることができる。これにより、図7(b)
のように水冷運転を行うことができる。
【0030】本冷却システムに封入する水量と空気量を
具体例で計算して示す。フレキシブルパイプ20、4
0,41,51,50,30,31ならびに、吸熱部4
00および放熱部500の銅パイプの直径はすべて7m
m、パイプの総長は50cmとする。その場合、パイプ
断面積は約0.4平方cmとなるから、タンク以外のパ
イプ系の水量は0.4×50=20ccとなる。また、
メインタンク200は運転時、23cc程度の水量は常
に確保するものとする。また、サブタンク100の容積
を17ccとする。以上から、冷却システム内の総水量
は60cc(=20cc+24cc+16cc)とな
る。
【0031】次に、図7(a)の運転開始時の水位をメ
インタンク200の上方約8cm程度まで上げるとす
る。3本のパイプ40,31,20がメインタンク20
0に接続されているから、3本×8cm×0.4より約
10ccの水量が3本のパイプ40,31,20内に存
在すれば良い。上述のようにパイプ系全体の水量が20
ccであるから残り10ccは空気となる。これから、
空気の総量は、27cc(=サブタンクの容量17cc
+パイプの空気量10cc)と計算される。
【0032】次に、図7(c)の場合、27ccの空気
は、パイプ系に20cc、サブタンク100上部に2c
c、メインタンク200上部に5ccずつ配分される。
サブタンク100に溜まっている水量は15ccとな
る。メインタンク200に溜まっている水量は45cc
(=60cc−15cc)となる。メインタンク200
の容量は50ccとする。サブタンクから15ccの水
が落ちれば、その5ccがメインタンク200を満タン
にするのに用いられ、残り10ccがパイプ部の水位を
上げるので、図7(c)から図7(a)の状態に遷移す
る。
【0033】上述してきた水冷システムは、図8に示し
たような配置でノート型パソコンに搭載することができ
る。すなわち、ノート型パソコンの蓋部81のディスプ
レイ背面部に、サブタンク100,放熱部500、バル
ブ600を配置し、本体82に吸熱部400、遠心ポン
プ300、メインタンク200を配置する。吸熱部40
0は、基板83上のLSI素子に接するように配置す
る。これらの構成要素は、フレキシブルパイプ20等に
より接続されているため、ノート型パソコンの内部構造
に合わせて柔軟に配置を定めることができる。図8のよ
うに本実施の形態の冷却システムを搭載することによ
り、水冷のノート型パソコンが提供できる。
【0034】以上説明したように、本発明によれば、冷
却システムの内部に水と空気の両方を注入し、電子機器
がパワーオフされ休止状態に入った時、空気を遠心ポン
プと吸熱水冷システムの内部にに充満させるよう制御し
たので、これらの構成要素を凍結による損傷から守るこ
とができる。また、空気は、温度が低いとその体積を小
さくするので、水が凍結した時の膨張圧力を緩和する働
くので、冷却構成要素に無理な力がかからない。
【0035】なお、本実施の形態では、水を循環させる
ポンプとして遠心ポンプ300を用いているのは、遠心
ポンプ300が、軸流ポンプ等と比較して流量は少ない
が、大きな吐出力が得られるという特性をもち、本実施
の形態の冷却システムのポンプとして適しているためで
ある。遠心ポンプ300は、羽根320に乗せた水を遠
心力を飛ばす構成であるため、軽い空気では遠心力が得
られないので、運転時には内部を水で満たす必要があ
る。このため、本実施の形態の冷却システムは、上記
(3)の要件を満たすように構成する。ただし、本実施
の形態の冷却システムのポンプとしては、遠心ポンプ3
00以外の軸流ポンプ等を用いることも可能である。軸
流ポンプを用いた場合には、上記(3)の要件を満たさ
ない構成にすることも可能である。
【0036】なお、本実施の形態の冷却システムにおい
て、封入する水量と空気の量を定める際に、封入した水
が凍結して氷になる時に膨張して増加する体積と、封入
した空気が温度の低下に伴って減少する体積とがほぼ等
しくなるように設計することが可能である。このよう
に、凍結時に水の膨張する体積と空気が縮む体積とがほ
ぼ等しくなるように設計することにより、凍結時にシス
テムの内部の圧力が増加しないため、本冷却システムの
構成要素に圧力増加による負担がかからず、破損防止の
効果がさらに大きくなる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、不凍液を用いない水冷
システムを備えた電子機器を提供することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態の冷却システム
の構造を示す説明図である。
【図2】図2は、本発明の一実施の形態の冷却システム
のサブタンク100の構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の一実施の形態の冷却システム
のメインタンク200の構成を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の一実施の形態の冷却システム
のバルブ(電磁バルブ)600の構成を示す断面図であ
る。
【図5】図5は、本発明の一実施の形態の冷却システム
の吸熱部(吸熱パイプ)400の構成例を示す斜視図で
ある。
【図6】図6は、本発明の一実施の形態の冷却システム
の放熱部(放熱パイプ)500の構成例を示す斜視図で
ある。
【図7】図7(a),(b),(c)は、それぞれ、本
発明の一実施の形態の冷却システムの冷却システムの、
運転開始時、運転中、非運転時の水と空気の動きを示す
説明図である。
【図8】図8は、本発明の一実施の形態の、冷却システ
ムを搭載したノート型パソコンの構成を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
100 サブタンク 200 メインタンク 300 遠心ポンプ 400 吸熱部(吸熱パイプ) 500 放熱部(放熱パイプ) 600 バルブ 800 送風ファン 20、30、31、40、41、50、51 パイプ 610 弁 620 バネ 630 永久磁石 640 電磁コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相原 裕寿 神奈川県海老名市下今泉810番地 株式会 社日立製作所インターネットプラットフォ ーム事業部内 (72)発明者 齋藤 賢一 神奈川県海老名市下今泉810番地 株式会 社日立製作所インターネットプラットフォ ーム事業部内 Fターム(参考) 3L044 AA04 BA06 CA13 DB01 FA02 FA03 FA04 KA04 KA05 5F036 AA01 BA10 BA23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポンプ部と、吸熱部と、放熱部とを含む冷
    却用循環系を備え、 前記冷却用循環系の内部には、水と空気とが封入され、 前記ポンプ部と前記吸熱部と前記放熱部は、該ポンプが
    停止している際には、前記空気によって充満される位置
    に配置されていることを特徴とする冷却システムを備え
    た電子機器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の冷却システムを備えた電
    子機器において、前記冷却用循環系は、タンクをさらに
    含み、該タンクは、前記ポンプ部の動作によって流入し
    た前記水と前記空気とを分離し、前記空気を該タンク内
    部に閉じこめる構造を有することを特徴とする電子機
    器。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の冷却システムを備えた電
    子機器において、前記冷却用循環系は、前記タンクと接
    続された補助タンクと、前記タンクと前記補助タンクと
    の間に配置された開閉弁とをさらに備え、 該補助タンクは、前記ポンプ部および前記タンクよりも
    鉛直上方に配置され、前記ポンプ部が動作している時に
    前記水の一部を蓄積し、 前記開閉弁は、前記ポンプ部の運転開始時に、前記補助
    タンクが蓄積した前記水を前記タンクに落下させて前記
    ポンプ部を水で充満させるために、開状態に切り替えら
    れる構成であることを特徴とする冷却システムを備えた
    電子機器。
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