JP2005285562A - 燃料電池システム及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 反応ガスとして燃料ガスと酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池本体3と、燃料電池本体3に反応ガスを供給する手段1と、反応ガスの温度を検出する手段11と、燃料電池本体3の温度を検出する手段12と、反応ガス温度または/かつ燃料電池本体3の温度を制御する温度制御手段2,4,5とを備え、温度制御手段2,4,5によって反応ガスと燃料電池本体との温度差を制御することで燃料電池本体3内の電解質膜の湿潤状態を調整する燃料電池システム。
【選択図】 図1
Description
そこで、下記特許文献1には、改質ガスを固体高分子電解質膜にとって適度に濡れた状態で供給し、電池性能を安定かつ高性能に維持し、全体の効率を高く維持できる燃料電池システムが提案されている。
このように、燃料電池本体にはその電池温度よりも低い飽和水蒸気を含む水素ガスが供給されるため、電池内部でのフラッディングによる電池性能低下を防止し、安定した電池性能を維持することができる。
そこで、水ドレイン回収部を設けて燃料改質器で生成された改質ガスに含まれる水分を回収するだけでは、電解質膜を最適な濡れ状態に保つのは困難で、フラッディングを防止して安定した電池性能を維持することは難しい。更には、改質ガス中の水分を落とし過ぎると、燃料電池本体内で改質ガスから水素が消費されるその消費量に応じて燃料電池本体から排出される改質ガス中の水分が多くなり、電解質膜が乾燥してしまって電気抵抗が増大してしまう。
また、本発明の燃料電池システムは、前記燃料電池本体を昇温させる昇温装置と、該昇温装置を制御するコントロータと、が設けられ、起動時には、前記燃料電池本体に供給される反応ガス中の入力水量を算出し、かつ前記燃料電池本体から排出される反応ガス中の出力水量を算出し、前記入力水量が前記出力水量より多い場合には前記昇温装置を駆動させて前記燃料電池本体を昇温させることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池システムは、前記燃料電池本体の温度を測定する第2温度センサが設けられ、前記反応ガスは水蒸気飽和状態で供給され、前記コントローラは、「温度−飽和水蒸気圧力の関数」を保有し、前記出力水量は、前記反応ガスから前記燃料電池本体内で消費される水素または酸素を差し引いた乾燥ガス量と、前記第2温度センサの測定温度と、「温度−飽和水蒸気圧力の関数」とから算出するものであることを特徴とする。
更に、本発明の燃料電池システムは、前記昇温装置が、前記燃料電池本体と冷却水ポンプによって冷却水を循環させる冷却配管を介して連結された熱交換器と、その熱交換器と熱回収ポンプによって水や湯を送り込む熱回収配管を介して連結された貯湯槽とを有するものであることを特徴とする。
更に、燃料電池システムの制御方法は、凝縮器から燃料電池本体へ入力する改質ガスの温度と燃料電池本体の温度とを測定し、その測定温度と、予め保有する「温度−飽和水蒸気圧力の関数」とから、前記入力水量と出力水量とを算出して比較するようにしたことを特徴とする。
本実施の形態の燃料電池システムは、水蒸気を混合した都市ガスから改質反応によって水素を生成する燃料改質器1を有し、その燃料改質器1によって生成された水素リッチな改質ガスと不図示のブロワから送り込まれる空気を用いて発電を行う燃料電池本体3とが接続されている。燃料改質器1と燃料電池本体3との間には、改質ガス中の余剰水分を回収する凝縮器2が接続されている。
更に、燃料電池システムには、燃料電池本体3から回収した熱によって暖められた湯を貯めておく貯湯槽5が設けられ、この貯湯槽5と熱交換器4との間には熱回収配管7が接続されている。そして、その熱回収配管7にも貯湯槽5内の水を循環させるための熱回収ポンプ9が設けられている。
すなわち、燃料電池本体3で発生した熱は、冷却水ポンプ8の駆動により燃料電池本体3と熱交換器4との間で冷却水が循環する。このとき、冷却水が燃料電池本体3の熱を奪い熱交換器4側へと伝達する。一方、熱回収ポンプ9の駆動により熱回収配管7を流して熱交換器4へ水が送り込まれると、その熱交換器4で熱交換が行われ湯に変えられる。従って、燃料電池本体3で発生した熱は、こうして湯となって貯湯槽5へ回収される。そして、この湯が家庭などでそのまま使用される他、燃料電池システムを起動させる際に燃料電池本体3を昇温させるための熱源として使用される。
そして、この燃料電池システムには、凝縮器2を出て燃料電池本体3へと入力される改質ガスの温度を測定する第1温度センサ11及び、燃料電池本体3の温度を冷却配管6を流れる冷却水の温度から測定する第2温度センサ12が設けられている。
システム起動時には、燃料電池本体3の温度が低く、第2温度センサ12によって計測される冷却水温度も正規温度未満になっている。そこで、スタート信号が発信されると、起動ステップ数nが0に書き換えられ(S101)、その後18工程の起動ステップが確認される(S102)。なお、この燃料電池システムにおける18工程の起動ステップは、例えば起動ステップ0が「改質暖気モード」、起動ステップ1は「改質ガスを電池本体に導入して最低発電量で発電」、起動ステップ2は「起動ステップ1の発電量に50Wプラスして発電」であり、更に起動ステップ3〜17は「前起動ステップの発電量に50Wプラスして発電」する。そして、最終工程の起動ステップ18が「定格電力で発電」となっている。
そこで、入力水量W1に対応する水のmol数を求めるには、燃料改質器1へは水蒸気を混合した都市ガスが投入され改質ガスが生成されるため、先ずメタン、水およびエアの投入量から生成された改質ガスの気体mol数を算出する。
よって、本実施形態では、システム起動時には温度の低い燃料電池本体3を昇温させ、出力水量W2が入力水量W1以上となるようにして燃料電池本体の電解質膜を良好な濡れ状態に保つことができるようになり、フラッディングの防止が可能となった。
定常発電時は、システム起動時とは異なり燃料電池本体3の温度が発電によって既に上がっている。そのため、第2温度センサ12によって計測される冷却水温度も正規温度に達している。従って、本実施形態における定常発電時の温度制御では、燃料電池本体3へ供給される改質ガスの温度を監視し、フラッディングを防止する一方で電解質膜の乾燥による電気抵抗の増大も防止する。
入力水量W1に対応する水のmol数を求めるには、燃料改質器1へは水蒸気を混合した都市ガスが投入され改質ガスが生成されるため、先ずメタン、水およびエアの投入量から生成された改質ガスの気体mol数が算出される。
前記実施形態では、定常発電時に改質ガスの温度を制御する方法として冷媒の流量を調節するようにしたが、例えば凝縮器3の冷媒入口側にラジエータを設置し、冷媒温度を調節して改質ガスの温度制御を行うようにしても良い。
2 凝縮器
3 燃料電池本体
4 熱交換器
5 貯湯槽
6 冷却配管
7 熱回収配管
8 冷却水ポンプ
9 熱回収ポンプ
10 コントローラ
11 第1温度センサ
12 第2温度センサ
13 流量調節弁
Claims (10)
- 反応ガスとして燃料ガスと酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池本体と、
該燃料電池本体に前記反応ガスを供給する手段と、
前記反応ガスの温度を検出する手段と、
燃料電池本体の温度を検出する手段と、
前記反応ガス温度または/かつ燃料電池本体の温度を制御する温度制御手段とを備え、
前記温度制御手段によって前記反応ガスと前記燃料電池本体との温度差を制御することで燃料電池本体内の電解質膜の湿潤状態を調整することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池本体を昇温させる昇温装置と、
該昇温装置を制御するコントロータと、が設けられ、
起動時には、前記燃料電池本体に供給される反応ガス中の入力水量を算出し、かつ前記燃料電池本体から排出される反応ガス中の出力水量を算出し、前記入力水量が前記出力水量より多い場合には前記昇温装置を駆動させて前記燃料電池本体を昇温させることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池本体に供給される前記反応ガスの温度を測定する第1温度センサが設けられ、前記反応ガスは水蒸気飽和状態で供給され、
前記コントローラは、「温度−飽和水蒸気圧力の関数」を保有し、
前記入力水量は、前記反応ガスの乾燥ガス量と、前記第1温度センサの測定温度と、「温度−飽和水蒸気圧力の関数」とから算出するものであることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池本体の温度を測定する第2温度センサが設けられ、前記反応ガスは水蒸気飽和状態で供給され、
前記コントローラは、「温度−飽和水蒸気圧力の関数」を保有し、
前記出力水量は、前記反応ガスから前記燃料電池本体内で消費される水素または酸素を差し引いた乾燥ガス量と、前記第2温度センサの測定温度と、「温度−飽和水蒸気圧力の関数」とから算出するものであることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
水蒸気を混合した原料から改質反応によって水素リッチな改質ガスを生成する燃料改質器と、その改質ガスから余剰水分を回収する凝縮器とが設けられ、
この改質ガスを前記燃料ガスとして使用し、
さらに、前記燃料電池本体に入力される改質ガスの温度を測定する第1温度センサと、前記燃料電池本体の温度を測定する第2温度センサとを有し、
前記コントローラは、「温度−飽和水蒸気圧力の関数」を保有し、起動時には、前記第1温度センサの測定温度と当該データとから燃料電池本体へ供給される改質ガス中の入力水量を算出し、また前記第2温度センサの測定温度と当該データとから燃料電池本体内で改質ガスから水素が消費されるその消費量に応じて前記燃料電池本体から排出される反応ガス中の出力水量を算出し、その入力水量が出力水量より多い場合には前記昇温装置を駆動させて燃料電池本体を昇温させるようにしたものであることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
水蒸気を混合した原料から改質反応によって水素リッチな改質ガスを生成する燃料改質器と、その改質ガスから余剰水分を回収する凝縮器とが設けられ、
この改質ガスを前記燃料ガスとして使用し、
さらに、前記燃料電池本体に入力される改質ガスの温度を測定する第1温度センサと、前記燃料電池本体の温度を測定する第2温度センサとを有し、
前記コントローラは、「温度−飽和水蒸気圧力の関数」を保有し、定常発電時には、前記第1温度センサの測定温度と当該データとから燃料電池本体へ供給される改質ガス中の入力水量を算出し、また前記第2温度センサの測定温度と当該データとから燃料電池本体内で改質ガスから水素が消費されるその消費量に応じて前記燃料電池本体から排出される反応ガス中の出力水量を算出し、その入力水量が出力水量より多い場合には前記凝縮器の凝縮能力を上げ、入力水量が出力水量より少ない場合には前記凝縮器の凝縮能力をさげるようにしたものであることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、
前記昇温装置は、前記燃料電池本体と冷却水ポンプによって冷却水を循環させる冷却配管を介して連結された熱交換器と、その熱交換器と熱回収ポンプによって水や湯を送り込む熱回収配管を介して連結された貯湯槽とを有するものであることを特徴とする燃料電池システム。 - 水蒸気を混合した原料から燃料改質器の改質反応によって水素リッチな改質ガスを生成し、凝縮器に通して水分を回収したその改質ガスを燃料電池本体へ供給して発電を行う燃料電池システムの制御方法において、
起動時には、前記凝縮器を通って燃料電池本体へ供給される改質ガス中の入力水量と、燃料電池本体内で改質ガスから水素が消費されるその消費量に応じて前記燃料電池本体から排出される反応ガス中の出力水量とを比較し、入力水量が出力水量より多い場合に前記燃料電池本体を昇温させるようにしたことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 水蒸気を混合した原料から燃料改質器の改質反応によって水素リッチな改質ガスを生成し、凝縮器に通して水分を回収したその改質ガスを燃料電池本体へ供給して発電を行う燃料電池システムの制御方法において、
定常発電時には、前記凝縮器を通って燃料電池本体へ供給される改質ガス中の入力水量と、燃料電池本体内で改質ガスから水素が消費されるその消費量に応じて前記燃料電池本体から排出される反応ガス中の出力水量とを比較し、入力水量が出力水量より多い場合には前記凝縮器の凝縮能力を上げ、入力水量が出力水量より少ない場合には前記凝縮器の凝縮能力をさげるようにしたことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 請求項8又は請求項9に記載の燃料電池システムの制御方法において、
凝縮器から燃料電池本体へ入力する改質ガスの温度と燃料電池本体の温度とを測定し、その測定温度と、予め保有する「温度−飽和水蒸気圧力の関数」とから、前記入力水量と出力水量とを算出して比較するようにしたことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
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