JP2005285550A - 電子源の製造方法 - Google Patents

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盛一 坂輪
Yoshinori Terui
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Abstract

【課題】長期動作時においても、高信頼性を維持出来る電子源を安定して提供する。
【解決手段】希土類元素の六硼化物からなる電子放射材料表面の電子放射部以外が炭素で被覆された電子源であって、炭素を被覆する前処理として、電子放射材料を10Pa以下の減圧下で加熱することを特徴とする電子源の製造方法であり、好ましくは、前記前処理として1×10−2〜10Pa、1300〜1600℃の範囲内で行うこと、更に好ましくは、電子放射材料に前処理を施した後、1000℃以下に冷却することなく、当該電子放射材料に炭素を被覆することを特徴とする前記の電子源の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、余剰電流が少なく、信頼性が高い電子源の製造方法に関する。
六硼化ランタン(LaB)はタングステン(W)よりも仕事関数が低く、特にその単結晶は熱陰極として好適であり、広く工業的に利用されている。
図1に六硼化ランタンからなる電子放射陰極、以後、「六硼化ランタン電子放射陰極」と記す)の構造を示す。六硼化ランタンからなる陰極チップ1は黒鉛質のヒーターブロック2に把持され、金属製支柱3により把持固定されている。さらに支柱3はアルミナからなるベース4にろう付けなどにより接合、固定され、端部は電流導入端子5から構成されている。
また、陰極チップ1は一般に円錐形状をしており、そのチップ端部は所望の電子ビーム特性等が得られるように、球面状あるいは平面状に加工されている。通常、陰極チップ1と陽極の間には制御電極が配置されている。陰極チップ1には陽極に対して負の高電圧が印加され、さらに制御電極には陰極に対して負の電圧が印可される。2つの電流導入端子5を介して通電することにより、ヒーターブロック2がジュール発熱し、チップ1が加熱されて実用に供せられる。即ち、陰極チップ1から陽極に向かい電子が放射され、また制御電極に印可する電圧により全放射電流を抑制することができる。
ところで、六硼化ランタン電子放射陰極に関しては、陰極チップ1の電子放射部以外を熱分解炭素(以下「PG」と略す)で被覆したPG被覆六硼化ランタン電子放射陰極が提案されている。
このPG被覆六硼化ランタン電子放射陰極は、従来の六硼化ランタン電子放射陰極に比べて、(1)輝度が高く、加えて(2)六硼化ランタンの蒸発量が抑えられ、制御電極の内面への汚染が低減される、(3)円錐面からの電子放射が抑制されるために真円形状のビームが得られやすい、といった長所があると言われている(非特許文献1参照)。
Electron Optical Systems(pp.163−170)SEM Inc.、AMF O‘Hare(Chicago),IL60666−0507,U.S.A.。
六硼化ランタンなどの単結晶に炭素を被覆する場合、コロイダル黒鉛などのように微細な炭素や黒鉛の粉末を塗布する方法や、真空中で六硼化ランタンを加熱しながらプロパン等の有機ガスを供給することで熱分解黒鉛を被覆する方法を適用することができる。
しかし、本発明者の検討に拠れば、いずれの方法においても、前記の利点は達成出来るものの、長期に渡り実用に供していると、電子放射陰極のオンオフに伴う六硼化ランタンと被覆炭素との熱膨張差、いわゆる熱歪み、に原因して、炭素の剥離、脱離が発生し、前記利点が損なわれる現象を呈する問題があることが判った。
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決することを具体的な課題としてなされたもので、長期動作時においても、高信頼性を維持出来る、炭素被覆した電子放射材料を有する電子源を安定して提供することを目的としている。
本発明者は、前記課題を解決するべく検討を重ね、電子放射材料に炭素被覆する前に、前記電子放射材料の少なくとも炭素被覆する部分を真空中、具体的には10Pa以下の減圧下、で加熱することで、電子放射材料の炭素被覆する表面を粗し、電子放射材料と被覆炭素との密着性を向上させることができ、これにより、長期動作時においても、高信頼性を維持出来る、炭素被覆した電子放射材料を有する電子源が安定して得られることを見いだし、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、希土類元素の六硼化物からなる電子放射材料表面の電子放射部以外が炭素で被覆された電子源であって、炭素を被覆する前処理として、電子放射材料を10Pa以下の減圧下で加熱することを特徴とする電子源の製造方法であり、好ましい実施態様として、前記前処理として1×10−2〜10Pa、1300〜1600℃の範囲内で行うことを特徴とする前記の電子源の製造方法であり、更に好ましくは、電子放射材料に前処理を施した後、1000℃以下に冷却することなく、当該電子放射材料に炭素を被覆することを特徴とする前記の電子源の製造方法である。
本発明の電子源の製造方法によれば、従来公知の六硼化ランタンを用いたPG被覆電子放射源を長期動作した場合に生じる、PG被膜の剥離による信頼性の喪失という問題を回避することが可能となり、その結果、長期動作時においても、高信頼性を維持出来る電子源を、安定して提供することができる。
以下、電子顕微鏡、電子線露光機、測長SEM等に用いられる電子放射源陰極を例に本発明を説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
まず、本発明は、電子放射材料が希土類元素の六硼化物からなる電子源の製造方法である。本発明において、希土類元素の六硼化物としては、六硼化ランタンであることが好ましく、ことに単結晶であることが望ましい。更に、電子放射源として(100)面が用いられることが、高輝度で安定した電子線が得やすいという観点から一層望ましい。
本発明において、希土類元素の六硼化物の電子放射部以外の表面を被覆する炭素としては、例えばコロイダル黒鉛などのように微細な炭素や黒鉛のような粉末であってもよいが、後述する方法で得られる熱分解黒鉛を形成させることが、緻密な炭素被膜が得られることから好ましい。
本発明は、炭素を被覆する前に電子放射材料を真空下、具体的には、10Pa以下の減圧下で加熱する前処理を行うことを特徴としている。希土類元素の六硼化物を真空容器を用いて真空中で加熱すると、比較的圧力の高い領域では、真空容器内の酸素や水により希土類元素の六硼化物の表面に酸化物が形成される。この酸化物は、希土類元素の六硼化物に比べて蒸気圧が高く、ある温度範囲で蒸発速度が大きい現象を示す。そして、この領域で処理された希土類元素の六硼化物の表面は、SEM観察すると、非常に荒れたモホロジーとして観察される。本発明は、この表面の荒れる現象を利用することで、炭素被膜がアンカー効果により希土類元素の六硼化物表面への密着強度が向上し、仮に実使用下でオンオフによる熱歪みが被覆界面で発生しても、被膜が剥離しにくい電子源を得ることができるという知見に基づいている。
真空中での加熱に関しては、10Paを越えて圧力が高すぎる、又は温度が1600℃を越えて高すぎる場合、処理時間にも依るが、表面の荒れの程度が大きくなりすぎ、電子放射材料の形状を維持できなくなる。1×10-2Pa以下の圧力では、蒸発消耗はあるものの、面が荒れる程度が非常に小さくなるため、炭素皮膜との密着力を得るアンカー効果が期待できない。また、1300℃以下の温度では、蒸発速度が低くなるので、前処理の効果が得られるまでに長時間を要することになり、工業的に好ましくない。このような理由から、圧力としては1×10-2Pa以上であり、温度としては1300℃以上であることが好ましい。尚、前記の圧力、温度範囲の内で、0.1〜5Pa、1350〜1550℃が最も好ましい。
また、本発明において、前記の電子放射材料の前処理を行った後、電子放射材料を1000℃以下に冷却することなく、炭素を被覆することが好ましい。炭素被覆は従来公知のPG被覆方法を参考にして行うことができる。また、電子放射材料の表面に炭素を被覆出来れば本願発明の効果を得ることができるが、電子放射材料の表面にPG被覆することが緻密な被膜形成が期待出来、好ましい。即ち、本発明の実施形態として、電子放射材料を真空容器中で加熱して前処理を行った後、電子放射材料を1000℃以下に冷却することなく温度維持されている状態下で、真空容器中にプロパンなどの有機ガスを導入することにより、電子放射材料の表面にPGを被覆することができる。この一連のステップをとることにより、長期動作時においても、高信頼性を維持出来る電子源を、安定して、効率高く提供できる。
(実施例1)六硼化ランタンからなる直方体の長手方向の端部に機械研磨により円錐部を設けて陰極チップ1を形成した。
陰極チップ1を市販のPG板から切り出したヒーターブロック2によりはさみ、さらにベース4に固定した2本の金属支柱3により把持した。
前記の構造体を真空容器内に配置して、排気して電流導入端子5から電流を流して通電加熱した。その時の容器内の圧力を5Paに保持した。陰極チップ1の温度を放射温度計で測定しながら1350℃になるように電流を調整し、そのまま5分間保持した。
更に、陰極チップ1の温度を1550℃になるよう調整し、真空容器中にプロパンガスを導入して、500Paに維持するよう流量を調整した。プロパンガスの導入とともにPGがヒーターと陰極チップ1上に析出した。このときヒーターブロック2上にもPGが析出するためヒーターブロック2の抵抗値が低下する。それによる温度低下を避けるために、放射温度計で温度を測定しながら電流を調整した。5分間のPGの析出を行った後、真空装置から取り出し、陰極チップ1を構造体から取り外し、円錐部頂点を機械研磨により研磨して電子放射部9を形成した。
再度、陰極チップ1を新しいヒーターブロック2で把持して電子放射陰極とした。
前記電子放射陰極について、実使用を想定した加熱オン、オフ試験を実施するため、電流導入端子を設けた真空装置内に搭載した。実使用を考慮して、圧力を1×10−6Paになるように調整した。温度はビューポートを介して放射温度計により測定し、電流オン時に1550℃になるように電流を調整した。10分オン、5分オフを1サイクルとし、30、60、90サイクル実施した。オン、オフは加熱電源メインスイッチで行った。30サイクル毎に真空装置から取り出し、市販のSEM(走査電子顕微鏡)により、陰極チップ1の外観観察を行った。外観に異常が確認されたものはその時点で試験を終了とした。
(実施例2〜5、比較例1、2)前記実施例1において前処理の加熱がないものを比較例1とし、実施例1と前処理条件を変更したこと以外は同一の手順で電子放射陰極を得たものを実施例2〜5及び比較例2とし、実施例1と同様に評価した。これらの結果を表1に示した。
Figure 2005285550
本発明により作製された炭素被覆電子放射源を用いた電子放射陰極は、従来公知のものに比べ、オンオフ試験においても炭素と電子放射材料との間の被膜の剥離がみられず、実使用下での長期動作信頼性を有することが明らかである。
本発明は、半導体検査装置や電子線露光装置用の電子源として好適な、長期信頼性を有する電子源を安定して提供できる特徴があり、産業上の利用可能性が高い。
希土類元素の六硼化物からなる電子放射陰極の構造図。
符号の説明
1 陰極チップ(電子放射源)
2 ヒーターブロック
3 支柱
4 ベース(碍子)
5 電流導入端子

Claims (3)

  1. 希土類元素の六硼化物からなる電子放射材料表面の電子放射部以外が炭素で被覆された電子源であって、炭素を被覆する前処理として、電子放射材料を10Pa以下の減圧下で加熱することを特徴とする電子源の製造方法。
  2. 前記前処理として1×10−2〜10Pa、1300〜1600℃の範囲内で行うことを特徴とする請求項1記載の電子源の製造方法。
  3. 電子放射材料に前処理を施した後、1000℃以下に冷却することなく、当該電子放射材料に炭素を被覆することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子源の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009142223A1 (ja) * 2008-05-22 2009-11-26 キヤノンアネルバ株式会社 スパッタリング用ターゲット、薄膜の製造法及び表示装置
JP2011065899A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 Nuflare Technology Inc 電子銃用のエミッタ製造方法

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