JP2005284261A - 液晶シャッタとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 黒レベルのコントラスト比を写真画質に要求される、赤、緑、青色のコントラスト比150以上、特に緑色では200以上の高コントラスト比を実現し、さらに駆動電圧が低電圧で、ミリ秒単位の高速応答で駆動可能な液晶シャッタを提供すること。
【解決手段】 一対の基板間にツイスト角が180度〜260度のネマッチック液晶を狭持してなる液晶素子と、液晶素子を挟んで配置された一対の偏光板と、液晶素子と偏光板の間に少なくとも1枚の光学補償板を備え、一対の偏光板におけるそれぞれの吸収軸11,12のなす角度を略90度とし、一方の偏光板の吸収軸と液晶素子の中央液晶分子13方向とがなす角度を略45度とし、かつ光学補償板によって生じる遅相軸14を中央液晶分子13の方向に対して角度θをもつように、光学補償板を配置したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は液晶シャッタに関し、特に、低電圧駆動で高コントラスト比とミリ秒単位の高速応答性を実現することにより、信頼性の向上、駆動回路のコンパクト化を実現した液晶シャッタに関する。本発明の液晶シャッタは、上記のような種々の利点を有するため、例えば電池駆動による小型携帯用フォトプリンタやミニラボ用の印画紙露光ヘッドとして有利に適用することができる。
従来、液晶シャッタは多く提案されているが、その性能は未だ不十分であり、市場から液晶プリンタに用いられるものとしては、高コントラスト比、高速応答で、さらに階調表示まで可能なものが要望されている。ところで、開発されている液晶シャッタとして、特開昭62−150330号公報に開示されている従来例がある。この例は90度ツイストしているTN液晶素子と、液晶素子の両側に吸収軸が直交するように配置された1組みの偏光板とで構成されている。しかしながらこの方式は電圧印加による開状態から閉状態へ応答する時間は1ms程度と速いが、電圧を切った閉状態から開状態への応答が20ms程度と遅く、高速印画のフォトプリンタには使用が困難である。
一方、国際公開番号WO01/18593号公報に示さされている従来例がある。この例は液晶分子のツイスト角度を高めたスパーツイスト(STN)方式により、電圧を切った閉状態から開状態への応答を数ms程度に速め、応答速度の改善が試みられている。さらに、一対の偏光板に挟まれた液晶素子の間に光学補償板を組み入れ、液晶シャッタの黒レベルを印加した時の正の位相差値を光学補償板による負の位相差値でキャンセルし、10V程度の低電圧化での駆動で、コントラスト比の向上を目指している。
国際公開第01/18593パンフレット(特許請求の範囲、第1図)
写真画質の画像を提供するフォトプリンタ用液晶シャッタとしては、透過光の可視光領域、つまり赤、緑、青の各波長領域における遮光やコントラスト比を考慮しなければならない。例えば、高品質の写真画質を得るためには、3原色の赤、緑、青のコントラスト比すべてが150以上必要であり、特に緑は視感度が高いため200以上が好ましい。
従来の技術を図9および図10を用いて説明する。図9は従来の液晶シャッタを示す構造図で、図10はこの液晶シャッタを示す平面図である。一対の基板1,4間にネマチック液晶分子(6、7、7a、7b、23)を挟持してなる液晶素子10と、光学補償板30と上偏光板9と下偏光板8とから構成され、上下偏光板9,8の吸収軸21,22は直交している。図10には、中央液晶分子23と上偏光板9の吸収軸21、下偏光板8の吸収軸22と光学補償板30の遅相軸24との関係を示している。上偏光板9の吸収軸21と下偏光板8の吸収軸22とは、略90度に交差している。この時、上偏光板9の吸収軸21と下偏光板8の吸収軸22とが交差して生じた領域において、中央液晶分子23が存在する領域の角度では、負(図中の−を示した領域)の位相差が発生し、それ以外の領域では正(図中の+を示した領域)の位相差が発生する。このように、液晶中央分子23方向と光学補償板30の遅相軸24とが一致するように、光学補償板が配置されている。つまり、ここでは光学補償板が負の位相差を発生しており、基板界面に存在する上液晶分子7b、あるいは下液晶分子7aによって発生する正の位相差をキャンセルする構成となっ
ている。吸収軸21と22の交差角度の、ほぼ真ん中に遅相軸24が配置しているので、この時、光学補償板による位相差値の絶対値は最大である。
以下詳細に図面に基づいてコントラスト比について詳細に説明する。図2は光学補償板の遅相軸と中央液晶分子のなす角度θと光学補償板による位相差値の関係を表すグラフであり、遅相軸と中央液晶分子のなす角度が0度の時に位相差値の値が負で、最大値−bを取る。つまり、先の図2におけける位相差値は−bである。また、遅相軸が、中央液晶分子となす角度が45度で、どちらかの偏光板の吸収軸と一致した時には、位相差値は零となる。一方、液晶分子の配列によって生じる位相差は、液晶印加電圧の上昇によって減少していくが、任意の所定電圧印加時には、わずかな正の位相差+aが残ってしまう。したがって、液晶シャッタを所定電圧で駆動し、黒レベルが最も出るようにするためには、図2に示すように、液晶分子配列による正の位相差値+aと光学補償板による負の位相差値の絶対値が一致する最適角度が存在する。
この正の位相差+aは、所定電圧を変えると、それに同期して変動する値である。よって、液晶シャッタに印加する所定電圧を変えると、遅相軸と中央液晶分子との最適な角度も変わる。しかし、特許文献1では、このような所定電圧を変えることが考慮されていないため、液晶シャッタの黒レベルを印加した時の正の位相差値を光学補償板による負の位相差値で十分キャンセルしきれない事態が生じ、コントラスト比を高めるために無視できない正または負の位相差値が残ってしまい、コントラスト比の低下が生じる可能性があった。
さらに、位相差値は可視領域の波長によっても異なり、赤色(650nm前後)、緑色(550nm前後)、青色(450nm前後)でコントラスト比を考える場合、可視領域の分光透過率スペクトルとして、液晶分子配列と光学補償板の関係を考えなければならないが、特許文献1では可視光領域の分光透過特性については、考察がなされておらず、特に緑色における200以上の高コントラスト比を実現することが困難であった。
本発明の目的は上記課題を解決し、黒レベルのコントラスト比を写真画質に要求される、赤、緑、青色のコントラスト比150以上、特に緑色では200以上の高コントラスト比を実現し、さらに駆動電圧が低電圧であり、ミリ秒単位の高速応答で駆動可能な液晶シャッタを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の液晶シャッタは、下記記載の構成を採用する。
本発明の液晶シャッタは、一対の基板間にツイスト角が180度〜260度のネマッチック液晶を狭持してなる液晶素子と、液晶素子を挟んで配置された一対の偏光板と、液晶素子と偏光板の間に少なくとも1枚の光学補償板を備え、一対の偏光板におけるそれぞれの吸収軸のなす角度を略90度とし、一方の偏光板の吸収軸と液晶素子の中央液晶分子方向とがなす角度を略45度とし、かつ光学補償板によって生じる遅相軸を中央液晶分子の方向に対して角度をもつように、前記光学補償板を配置したことを特徴としている。
さらに、一対の偏光板のうち、一方の偏光板と前記液晶素子との間に光学補償板を配置するもので、光学補償板によって生じる遅相軸の方向が、液晶素子の中央液晶分子の方向と一方の偏光板の吸収軸とのなす角度の範囲内となるように配置することが好ましい。
液晶素子が所定電圧印加による暗状態の選択時に、液晶分子配列による正の位相差値と光学補償板による負の位相差値が相殺され、略零となる遅相軸配置が特徴である。よって、所定電圧印加時に黒選択、電圧無印加時に白選択をする液晶シャッタであることが好ま
しい。
また、ネマチック液晶の複屈折△nと、一対の基板における隙間dとの積である位相差値△ndを600〜900nmの範囲とし、かつ、光学補償板の位相差値を15〜25nmとし、かつ、液晶素子を黒選択する所定電圧値を10V〜20Vとすることが好ましい。
また、本発明の液晶シャッタの製造方法は、一対の基板間にツイスト角が180度〜260度のネマチック液晶を挟持してなる液晶素子を用意し、この液晶素子を挟んで、それぞれの吸収軸のなす角度が略90度となるように、かつ液晶素子の中央分子方向と一方の吸収軸とのなす角度が略45度となるように、一対の偏光板を設置する工程と、液晶素子と偏光板の間に少なくとも1枚の光学補償板を配置し、光学補償板の遅相軸方向と前記中央液晶分子の方向との角度を可変して、一対の偏光板を配置した液晶素子に対して所定電圧を印加し、液晶素子における透過光の波長に対する透過率を測定する透過率測定工程と、光学補償板の遅相軸方向と中央液晶分子とのなす角度を決定する工程とを有することを特徴としている。
本発明の構成により、黒レベルのコントラスト比を写真画質に要求される、赤、緑、青色のコントラスト比150以上、特に緑色では200以上の高コントラスト比を得ることができ、さらに低電圧、ミリ秒単位の高速応答で駆動可能な液晶シャッタを提供することができる。結果として、電池駆動による小型携帯用フォトプリンタやミニラボ用の印画紙露光ヘッドの高画質化に大きく寄与することができる。
次に、本発明の実施の形態について詳しく説明する。図3に液晶の応答カーブを示す。応答カーブとは液晶シャッタにおける電圧印加(電圧オン)状態と電圧を切った(電圧オフ)状態の透過率の変化を示したものである。図からもわかるように、電圧オフとすると、徐々に透過率が上昇し、白表示つまり白選択が行われたことになる。電圧オンとすると、透過率は急激に減少し、黒表示つまり黒選択が行われたことになる。
印加電圧値によって、その透過率の上昇および減少カーブの傾きが若干異なっている。30Vを印加すると、電圧オフ時に高い透過率が、電圧オン時には低い透過率が得られる。また10Vまで印加電圧値を下げると、30Vを印加した時に比べ、電圧オフ時の透過率は若干下がり、電圧オン時の透過率が若干高くなる。また、電圧オフから電圧オンとした時に、高い透過率から低い透過率へと速く変化する、つまり液晶の応答性が高い方が高速応答性の液晶シャッタを実現するために好ましいが、30V印加した時が最も速く、順に15V、10Vと印加電圧を下げることによって、液晶の応答性が下がっていくことがわかる。
図4に光学補償板を備えない液晶シャッタのみの、可視領域における透過光の波長に対する透過率特性(分光透過スペクトル)を示す。破線の曲線は上から順に、所定電圧として10V、15V、30Vを印加した時の透過率特性である。30V印加した時が、最も透過率が低くなっている。また、所定電圧値を変えると、各波長領域における透過率特性が若干異なっているのがわかる。
本発明の液晶シャッタは、従来の図9で示した構造を採用することが出来る。また、本発明における液晶シャッタの偏光板の吸収軸配置、光学補償板の遅相軸配置と液晶中央分子方向との関係は、図1のような構成を用いている。図9と図1に図示するように、第1と第2の電極付き基板とからなる一対の基板1,4の間にツイスト角が240度のネマッチック液晶7,7a,7b,23を狭持してなる液晶素子10を用意し、さらにその液晶
素子を挟むように、それぞれ単体透過率42%で偏光度99.95%以上の一対の上偏光板9と下偏光板8を配置する。そして上偏光板9と下偏光板8のそれぞれの吸収軸方向11と12は略90度とし、さらに一方の偏光板、ここでは上偏光板9と液晶素子10の間に遅相軸14を有する光学補償板30を配置する。ここで、液晶素子10の中央液晶分子13(図9では中央液晶分子23)の方向は、2枚の直交する偏光板の吸収軸11と12との中間(略45度方向)に配置する。なお、中央液晶分子13の方向とは、第1の電極付きガラス基板と第2の電極付きガラスの基板とからなる一対の基板の間に、第1の電極付きガラス基板と第2の透明電極付きガラス基板との距離、すなわち液晶素子ギャップ(d)の半分(d/2)の位置にある液晶分子の方向である。ここで、光学補償板30の遅相軸14と中央液晶分子13方向とのなす角度をθとする。
次に本発明の実施例を詳述する。本実施例では、液晶シャッタの偏光板の吸収軸配置、光学補償板の遅相軸配置と液晶中央分子方向との関係を先に説明した図1のように配置した。なお、この時用いた液晶材料の屈折率の異方性Δnと液晶素子ギャップdの積、位相差値はΔn・dは800nmの値とし、光学補償板には位相差値20nmの富士写真フィルム製WV-03フィルムを用いている。
図1と図5を用いて、光学補償板と液晶分子配列による可視領域の分光透過スペクトルとコントラスト比の関係について述べる。図5における実線の曲線は光学補償板の遅相軸と中央液晶分子とのなす角度θと光学補償板のみにより生じる可視領域の分光透過スペクトルである。ここでの測定は液晶素子を用いず、一対の偏光板と光学補償板だけを用いて行っている。角度θは中央液晶分子が存在すると仮定して算出したものである。光学補償板には富士写真フイルム製のWV-03フィルム(正面位相差値20nm)を用いている。θ=0度の時、光学補償板による分光透過率は最大となるが、青色(450nm)付近に最大透過率約2%弱のピークをもつ。そして、θが20度、30度と大きくなるにしたがい、スペクトルは相似形でピーク値が減じていき、45度ですべての波長領域で、透過率はほぼ零%となる。
図5における破線で示した曲線は光学補償板を考慮しない液晶シャッタ単独の透過率である。ここでは、液晶シャッタに15Vの電圧を印加したときの透過率を示しているので、先に説明した図4における15Vの曲線と同等である。ここで、光学補償板による分光透過スペクトル(θ=0度、θ=20度、θ=30度)と液晶シャッタの分光透過スペクトルは互いに正負逆位相であり、光学補償板の位相は負であり、液晶シャッタの位相は正である。したがって、液晶シャッタに所定電圧を印加した時には、光学補償板の位相と液晶シャッタの位相は合成され、合成された分光透過スペクトルの透過率が可視光波長領域で最小の値を取る時に高コントラストが実現できることになる。よって、光学補償板と液晶シャッタのみによる透過率カーブが、ほぼ近いプロファイルを示せば、合成した分光透過スペクトルの透過率がほぼ0%となり理想的であると言える。
図6は所定電圧として15Vを印加し、光学補償板および液晶シャッタの透過率を加味して得られた各角度における分光透過スペクトルである。つまり、図5における実線曲線(θ=0度、20度、30度)の各分光透過スペクトルと、破線曲線の液晶シャッタの分光透過スペクトルとを合成したものである。図7からわかるように、θ=0度やθ=30度では位相差が残存し、スペクトルの透過率が全波長領域で上がってしまい、十分なコントラスト比が得られないことがわかる。特に、θ=0度では青色(450nm)付近での透過率が極端に高く、青色のコントラスト比が低いことが示唆される。よって、所定電圧として15Vを印加したときにはθ=20度が最適な光学補償板の遅相軸配置角度である。
以上述べた本発明の液晶シャッタ素子の構造で、15Vで黒レベル選択する電圧を液晶シャッタに印加すると、図6のθ=20度である液晶中央分子と光学補償板のなす角度θが、ほぼ20度の所で、可視領域のすべて、すなわち、赤色、緑色、青色の透過率が0.2%以下になり、特に緑色の透過率は0.1%以下になった。液晶シャッタの電圧オフ時の透過率は30%以上なので、この結果、黒レベルのコントラスト比は写真高画質に要求される、赤、緑、青色のコントラスト比150以上、特に緑色では200以上の高コントラスト比を与える液晶シャッタを提供できた。
次に、本発明の第2の実施例を詳述する。本第2の実施例でも、液晶シャッタの吸収軸配置、光学補償板の遅相軸配置と液晶中央分子との関係を先に説明した図1のように配置した。なお、第1の実施例と同様に、液晶材料の屈折率異方性△nと液晶素子ギャップdの積、△n・dは800nmの値とし、光学補償板についても同等のものを使用した。
図7に、光学補償板と液晶分子配列による可視領域の分光透過スペクトルとコントラスト比の関係を図示する。図7における実線の曲線は、光学補償板の遅相軸と中央液晶分子とのなす角度θを40度としたときに光学補償板のみにより生じる可視領域の分光透過スペクトルである。ここでの測定は図5と同様に液晶素子を用いず、一対の偏光板と光学補償板だけを用いて行っている。角度θは中央液晶分子が存在すると仮定して算出したものである。青色(450nm)付近にわずかではあるが、最大透過率のピークをもつ。
図7おける破線で示した曲線は光学補償板を考慮しない液晶シャッタ単独の透過率である。ここでは、液晶シャッタに30Vの電圧を印加したときの透過率を示しているので、先に説明した図4における30Vの曲線と同等である。ここで、光学補償板による分光透過スペクトル(θ=40度)と液晶シャッタの分光透過スペクトルは互いに正負逆位相であり、光学補償板の位相は負であり、液晶シャッタの位相は正である。したがって、液晶シャッタに所定電圧を印加した時には、光学補償板の位相と液晶シャッタの位相は合成され、合成された分光透過スペクトルの透過率が可視光波長領域で最小の値を取る時に高コントラストが実現できることになる。
図7における太線で示した実線の曲線は所定電圧として30Vを印加し、光学補償板および液晶シャッタの透過率を加味して得られた分光透過スペクトルである。つまり、図7における実線曲線(θ=40度)の分光透過スペクトルと、破線曲線の液晶シャッタの分光透過スペクトルとを合成したものである。太線で示した実線曲線は、可視光波長領域で最小の値を示し、よって、所定電圧として30Vを印加したときにはθ=40度が最適な光学補償板の遅相軸配置角度である。
以上述べた液晶シャッタの素子構造で、30Vで黒レベルを選択する電圧を印加すると、図7に示すように、液晶中央分子と光学補償板なす角度θがほぼ40度の所で、可視領域すべて、すなわち、赤、緑、青色の透過率が0.1%以下になった。この結果、液晶シャッタのコントラスト比300以上が実現できた。
次に、本発明の第3の実施例を詳述する。本第3の実施例でも、液晶シャッタの吸収軸配置、光学補償板の遅相軸配置と液晶中央分子との関係を先に説明した図1のように配置した。なお、第1の実施例と同様、液晶材料の屈折率異方性△nと液晶素子ギャップdの積、△n・dは800nmの値とし、光学補償板には同様の材料を用いた。
図8に、光学補償板と液晶分子配列による可視領域の分光透過スペクトルとコントラスト比の関係を図示する。図8における細い実線の曲線は、光学補償板の遅相軸と中央液晶
分子とのなす角度θを0度としたときに光学補償板のみにより生じる可視領域の分光透過スペクトルである。ここでの測定は図5と同様に液晶素子を用いず、一対の偏光板と光学補償板だけを用いて行っている。角度θは中央液晶分子が存在すると仮定して算出したものである。青色(450nm)付近に、最大透過率のピークをもつ。
図8おける破線で示した曲線は光学補償板を考慮しない液晶シャッタ単独の透過率である。ここでは、液晶シャッタに10Vの電圧を印加したときの透過率を示しているので、先に説明した図4における10Vの曲線と同等である。ここで、光学補償板による分光透過スペクトル(θ=0度)と液晶シャッタの分光透過スペクトルは互いに正負逆位相であり、光学補償板の位相は負であり、液晶シャッタの位相は正である。したがって、液晶シャッタに所定電圧を印加した時には、光学補償板の位相と液晶シャッタの位相は合成され、合成された分光透過スペクトルの透過率が可視光波長領域で最小の値を取る時に高コントラストが実現できることになる。
図8における太線で示した実線の曲線は所定電圧として10Vを印加し、光学補償板および液晶シャッタの透過率を加味して得られた分光透過スペクトルである。つまり、図8における細線の実線曲線(θ=0度)の分光透過スペクトルと、破線曲線の液晶シャッタの分光透過スペクトルとを合成したものである。太線で示した実線曲線は、特に青色(450nm)付近に、最小の値を示した。つまり、青色付近で高コントラストを示すことができた。よって、所定電圧として10Vを印加したときにはθ=0度が最適な光学補償板の遅相軸配置角度である。
以上述べた液晶シャッタの素子構造で、10Vで黒レベルを選択する電圧を印加すると、図8に示すように、液晶中央分子と光学補償板なす角度θがほぼ0度の所で、10Vとでの低電圧下にもかかわらず、可視領域の平均透過率が0.3%程度になり、液晶シャッタのコントラスト比も100程度にすることが可能であった。
以上の実施例のように、本発明の液晶シャッタは、液晶素子のツイスト角度180度〜260度でΔn・dは600nm〜900nm、光学補償板の位相差値15〜25nm、液晶駆動電圧10〜30Vの範囲内であれば、図1に示した条件、光学補償板の遅相軸14が液晶中央分子の方向13と一方の偏光板における吸収軸の方向11との間の45度内で、適宜設定することにより、可視光領域で、少なくとも150以上の高コントラスト比を得ることができた。
以上述べてきたようにように、本発明は、液晶中央分子と遅相軸のなす角度0度〜45度の範囲内に光学補償板により生じる負の位相差値の最大、最小値を適合させる。そして、液晶分子配列と液晶素子ギャップにより生じる正の位相差値と前記0度〜45度の角度間に光学補償板により生じる負の位相差値とを相殺させることが簡便に可能となるため、液晶シャッタとして、最良の高コントラスト比得ることができる。この結果、液晶分子のツイスト角度を高めた従来のスパーツイスト(STN)方式により、電圧を切った閉状態から開状態への応答を数ms程度に速め、10V〜30V程度の低電圧化での駆動を可能にした上に、さらに、写真の高画質化に大きく寄与する赤色、緑色、青色のコントラスト比150以上で、特に視感度の高い緑色では200以上のコントラスト比を可能とした。
本発明における液晶シャッタの偏光板の吸収軸配置、光学補償板の遅相軸配置と液晶中央分子方向との関係を示す模式平面図である。 光学補償板の遅相軸と中央液晶分子のなす角度θと光学補償板による位相差値の関係を表すグラフである。 液晶素子に電圧を印加した時の液晶応答カーブを示したグラフである。 光学補償板を備えない液晶素子における可視光領域の分光透過スペクトルを示したグラフである。 光学補償板により生じる分光透過スペクトルに加え、所定電圧値を印加した光学補償板を考慮しない液晶シャッタ単独の透過率を波線で加えた図である。 光学補償板により生じる分光透過スペクトルと、所定電圧値を印加した光学補償板を考慮しない液晶シャッタ単独の分光透過スペクトルとを合成した図である。 θ=40度の光学補償板により生じる分光透過スペクトル、30Vの電圧値を印加した光学補償板を考慮しない液晶シャッタ単独の透過率、および両スペクトルを合成した図である。 θ=0度の光学補償板により生じる分光透過スペクトル、10Vの電圧値を印加した光学補償板を考慮しない液晶シャッタ単独の透過率、および両スペクトルを合成した図である。 従来および本発明の液晶シャッタの断面図である。 従来の中央液晶分子23と偏光板21、22と光学補償板の遅相軸24との関係を示す模式平面図である。
符号の説明
11 一方の偏光板の吸収軸
12 他方の偏光板の吸収軸
13 液晶中央分子
14 光学補償板の遅相軸
21 一方の偏光板の吸収軸
22 他方の偏光板の吸収軸
23 液晶中央分子
24 光学補償板の遅相軸

Claims (8)

  1. 一対の基板間にツイスト角が180度〜260度のネマッチック液晶を狭持してなる液晶素子と、前記液晶素子を挟んで配置された一対の偏光板と、前記液晶素子と前記偏光板の間に少なくとも1枚の光学補償板を備え、前記一対の偏光板におけるそれぞれの吸収軸のなす角度を略90度とし、前記一方の偏光板の吸収軸と前記液晶素子の中央液晶分子方向とがなす角度を略45度とし、かつ前記光学補償板によって生じる遅相軸を前記中央液晶分子の方向に対して角度をもつように、前記光学補償板を配置したことを特徴とする液晶シャッタ。
  2. 前記一対の偏光板のうち、一方の偏光板と前記液晶素子との間に前記光学補償板を配置し、前記光学補償板によって生じる遅相軸の方向が、前記液晶素子の中央液晶分子の方向と前記一方の偏光板の吸収軸方向とのなす角度の範囲内となるように配置することを特徴とする請求項1に記載の液晶シャッタ。
  3. 前記液晶素子が所定電圧印加による暗状態の選択時に、液晶分子配列による正の位相差値と前記光学補償板による負の位相差値が相殺され、略零となる遅相軸配置を特徴とする請求項1または2に記載の液晶シャッタ。
  4. 所定電圧印加時に黒選択、電圧無印加時に白選択をする請求項1または2または3に記載の液晶シャッタ。
  5. 前記ネマチック液晶の複屈折Δnと、前記一対の基板における隙間dとの積である位相差値Δndを600〜900nmの範囲とし、かつ、前記光学補償板の位相差値を15〜25nmとし、かつ、前記液晶素子を黒選択する所定電圧値を10V〜20Vとすることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液晶シャッタ。
  6. 一対の基板間にツイスト角が180度〜260度のネマチック液晶を挟持してなる液晶素子を用意し、前記液晶素子を挟んで、それぞれの吸収軸のなす角度が略90度となるように、かつ前記液晶素子の中央分子方向と一方の吸収軸とのなす角度が略45度となるように、一対の偏光板を設置する工程と、
    前記液晶素子と前記偏光板の間に少なくとも1枚の光学補償板を配置し、該光学補償板の遅相軸方向と前記中央液晶分子の方向との角度を可変して、一対の偏光板を配置した前記液晶素子に対して所定電圧を印加し、前記液晶素子における透過光の波長に対する透過率を測定する透過率測定工程と
    前記光学補償板の遅相軸方向と前記中央液晶分子とのなす角度を決定する工程とを有する液晶シャッタの製造方法。
  7. 所定電圧印加時に黒選択、電圧無印加時に白選択をする請求項6に記載の液晶シャッタの製造方法。
  8. 前記ネマチック液晶の複屈折△nと、前記一対の基板における隙間dとの積である位相差値△ndを600〜900nmの範囲とし、かつ、前記光学補償板の位相差値を15〜25nmとし、かつ、前記液晶素子を黒選択する所定電圧値を10V〜20Vとすることを特徴とする請求項6または7に記載の液晶シャッタの製造方法。

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