JP2001066598A - 反射型液晶表示装置 - Google Patents

反射型液晶表示装置

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JP2001066598A
JP2001066598A JP23947399A JP23947399A JP2001066598A JP 2001066598 A JP2001066598 A JP 2001066598A JP 23947399 A JP23947399 A JP 23947399A JP 23947399 A JP23947399 A JP 23947399A JP 2001066598 A JP2001066598 A JP 2001066598A
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angle
retardation
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JP23947399A
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Kazutaka Hanaoka
一孝 花岡
Seiji Tanuma
清治 田沼
Yuichi Inoue
雄一 井上
Takemune Mayama
剛宗 間山
Takakazu Aritake
敬和 有竹
Norio Sugiura
規生 杉浦
Katsufumi Omuro
克文 大室
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射型液晶表示装置に関し、特性の優れた反
射型液晶表示装置を提供することである。 【解決手段】 光分離器と赤、緑、青の液晶表示ユニッ
トを有し、各液晶表示ユニットが、入射する光を直線偏
光に変換する偏光子と、前記偏光子の光軸方向に対して
第1の角度θ1 で配置された光軸を有し、約λ/2の位
相差を形成する第1の位相差板と、前記偏光子の光軸方
向に対してθ2 =2θ1 +44°±1°の範囲の第2の
角度θ2 で配置された光軸を有し、約λ/4の位相差を
形成する第2の位相差板と、液晶層が電界の有無でホモ
ジニアス配向と垂直配向を選択的に形成することがで
き、前記偏光子の光軸方向に対して第3の角度θ3 で配
置された配向方向を有する反射型液晶セルとを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に関
し、特に反射型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、透過型液晶表示装置と
反射型液晶表示装置を含む。透過型液晶表示装置は、液
晶セルの一方の側に光源があり、他方の側に観察者がい
る構成であり、通常、光源としてバックライトが用いら
れる。冷陰極管等の光源からの光を液晶セルに均一に導
入するためには、通常、散乱板等が用いられる。
【0003】反射型液晶表示装置は、外光を液晶セルに
導入し、反射して再び液晶セルに通過させ、透過光を観
察者が認識するものであり、外光としては周囲の自然界
の光や液晶表示装置用の照明光が用いられる。自然界の
光を外光として利用する直視型液晶表示装置は、光源用
の電力が不要であり、ノート型パソコン等の表示装置と
して利用価値が高い。この場合、外光の照度が低下して
も表示を視認できるように表示の明るさが重視される。
投写型液晶表示装置は、光源により明るさを確保できる
ため、表示の質を向上するため、コントラストが重視さ
れる。
【0004】このように、反射型液晶表示装置において
は、明るさとコントラストが重要である。明るさは、画
素の占有面積に対する透過/反射光の通過面積の比であ
る開口率と最大反射率によって規制される。コントラス
トは、黒表示時の反射率によって大きな影響を受ける。
【0005】高コントラスト化のため、2色性色素を用
いるゲストホスト方式が知られている。しかしながら、
2色性色素は、一般に2色性比、不純物等の信頼性、経
時変化などに問題がある。
【0006】高コントラスト化のため、ビームスプリッ
タを用いて偏光を分ける方法が知られている。ビームス
プリッタは、構造的に大きな光学系であり、高価であ
る。また、ビームスプリッタへのわずかな入射角のズレ
が偏光を乱す可能性がある。
【0007】液晶セルに対する入射方向と出射方向にそ
れぞれ角度を付け、それぞれの光路に偏光板をクロスに
配置する方式が知られている。この方式では、パネルや
クロスダイクロイックミラーへの入射角が大きくなる。
【0008】さらに、偏光板1枚のみを用いる単純な構
造の反射型液晶表示装置が知られている。黒表示を実現
するため、偏光板と反射板との間にλ/4位相差板を挿
入する。
【0009】図5(A)は、この方式の反射型液晶表示
装置の構成を概略的に示す。偏光板1はx軸とy軸に対
し45度傾いた偏光軸(透過軸)Pを有する。偏光板1
の背面側には、λ/4の位相差を形成する位相差板3が
配置される。位相差板3の遅相軸Rは、x軸方向に配向
されている。
【0010】位相差板3の背面側には、1対の基板5、
6の間に液晶層7を挟持する液晶セル4が配置される。
液晶層7がホモジニアス配向をする時、液晶層7は、x
軸方向に遅相軸を有するλ/4位相差板として機能す
る。1対の基板5、6間に充分高い電圧を印加すると、
液晶層7は垂直配向に変化し、入射光に対し等方的な性
質を示すようになる。
【0011】図5(B)は、偏光板1を透過した直線偏
光の成分を示す。偏光軸Pがx軸、y軸に対しそれぞれ
45度の角度で配置されるため、出射する偏光のx成分
と、y成分とは等しい振幅と位相とを有する。
【0012】図5(C)は、位相差板3を通過した光の
x成分とy成分とを示す。位相差板3の遅相軸Rがx軸
方向を向いているため、x成分はλ/4のリターデーシ
ョンを受ける。この結果、x成分とy成分との位相がλ
/4ずれ、位相差板3の出射光は円偏光を構成する。
【0013】図5(D)は、液晶層7がλ/4の位相差
板を構成する場合に液晶層を通過した光のx成分とy成
分とを示す。液晶層7がx方向に遅相軸を有するλ/4
位相差板として機能するため、入射光のx成分はさらに
λ/4のリターデーションを受ける。この結果、x成分
とy成分とは逆相となる。
【0014】図5(E)は、反射面で反射した光がさら
に液晶層7を通過した状態のxS成分とy成分とを示
す。液晶層7がλ/4の位相差板として機能するため、
x成分はさらにλ/4のリターデーションを受ける。従
って、反射し、液晶層7を通過した光は、図5(C)に
示す円偏光と回転方向が逆の円偏光となる。
【0015】図5(F)は、さらに位相差板3を通過し
た光のx成分とy成分とを示す。λ/4のリターデーシ
ョンを有する位相差板3を通過することにより、x成分
はさらにλ/4のリターデションを受ける。この状態を
実線で示す。偏光板1への入射光のx成分とy成分とが
同じ位相を有する。このため、合成される偏光は入射時
の偏光と同一となり、偏光板1を通過する。このため、
表示は「白」となる。
【0016】液晶セルの基板5、6間に充分高い電圧を
印加すると、液晶層7は垂直配向に変化する。この時、
液晶層7に入射する光は、そのまま液晶層を通過する。
従って、反射面に達する入射光は、図5(C)のままと
なる。反射した光も、液晶層7をそのまま通過し、位相
差板3に入射する。
【0017】位相差板3でλ/4のリターデーションを
受けると、位相差板3の出射光は、図5(F)の破線の
ように変化する。すなわち、偏光板1への入射光のx成
分とy成分とは逆相となり、合成される偏光は当初偏光
板1を通過した偏光に対し直交する方向となる。このた
め、反射光は偏光板1で遮断され、黒表示となる。
【0018】このように、位相差板3および液晶層7が
各波長に対しλ/4板または等方な特性を有する光学媒
質として機能する限り、液晶層7をホモジニアス配向、
垂直配向に切り替えることにより、白表示、黒表示を得
ることができる。
【0019】しかしながら、位相差板3および液晶層7
はその屈折率異方性に波長分散を有する。
【0020】図5(G)は、波長550nmでλ/4の
位相差を形成する位相差板の楕円率の波長依存性を示
す。楕円偏光の長軸aに対する短軸bの比率である楕円
率b/aは、波長550nmでは1となるが、他の波長
においては1以下となっている。従って、波長550n
m以外では、λ/4位相差板を通過した光は完全な円偏
光とはならず、楕円偏光となる。
【0021】図6(A)は、位相差板の波長分散を緩和
するため、2枚の位相差板R1、R2を組み合わせる方
式を示す。
【0022】第1の位相差板R1は、約λ/2の位相差
を形成する。第2の位相差板R2は、約λ/4の位相差
を形成する。位相差板R1、R2の遅相軸を偏光板の吸
収軸に対し、図示の162.5度、100度の角度に選
択することにより、第2の位相差板R2を通過した光を
円偏光にする。
【0023】図6(B)は、図6(A)の光学系で得ら
れる楕円率を示すグラフである。波長550nmで円偏
光が得られる点は図5(G)と同様であるが、他の波長
において波長分散の効果が緩和されている。
【0024】図7は、外光を利用した反射型液晶表示装
置の構成例を示す。偏光板1の背面側に位相差板3が配
置され、その背面側に液晶セル4が配置される点は、図
5(A)の構成と同様である。液晶セル4は、前面側の
透明基板5と背面側の他の基板6の間に液晶層7を挟持
し、背面側の基板6の表面上に金属反射板8を備えてい
る。なお、金属反射板8の上方または透明基板5の内側
表面上にカラーフィルタを設ければ、カラー表示のでき
る液晶表示装置となる。
【0025】本構成においては、偏光板1の前面側にさ
らに光散乱層13を備えている。自然界の外光を利用す
る場合、外光の入射方向にかかわらず明瞭な表示を行な
うためには、入射する光を散乱することが望まれる。こ
のため、偏光板1の前面側に光散乱層13が配置されて
いる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】反射型液晶表示装置の
性能を向上するためには、未だ改善すべき点が多い。例
えば、反射型液晶表示装置における黒レベルを更に低下
させるためには、黒表示の時の反射光をさらに低減する
ことが望まれる。自然界の外光を利用した直視型の反射
型液晶表示装置においては、明るい表示を可能とすると
共に画像ボケを防止することが望まれる。
【0027】本発明の目的は、特性の優れた反射型液晶
表示装置を提供することである。
【0028】本発明の他の目的は、黒表示の反射光強度
をさらに低減した反射型液晶表示装置を提供することで
ある。
【0029】本発明のさらに他の目的は、明るい表示を
行なうことのできる反射型液晶表示装置を提供すること
である。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点によれ
ば、光分離器と赤、緑、青の液晶表示ユニットを有し、
各液晶表示ユニットが、面内の基準方向に透過軸または
吸収軸を有し、前面側から入射する光を所定の直線偏光
に変換して背面側に出射することのできる偏光子と、前
記偏光子の背面側に配置され、前記基準方向に対して第
1の角度θ1 で配置された遅相軸または進相軸を有し、
約λ/2の位相差を形成する第1の位相差板と、前記第
1の位相差板の背面側に配置され、前記基準方向に対し
て第2の角度θ2 で配置された遅相軸または進相軸を有
し、前記第2の角度θ2 が、θ2 =2θ1 +44°±1
°の範囲内であり、約λ/4〜約3λ/4の位相差を形
成する第2の位相差板と、前記第2の位相差板の背面側
に配置され、一対の基板とその間に挟持された液晶層と
反射面とを有し、液晶層が電界の有無でホモジニアス配
向と垂直配向を選択的に形成することができ、前記基準
方向に対して第3の角度θ3 で配置された配向方向を有
する反射型液晶セルとを有する反射型液晶表示装置が提
供される。
【0031】本発明の他の観点によれば面内の基準方向
に透過軸または吸収軸を有し、前面側から入射する光を
所定の直線偏光に変換して背面側に出射することのでき
る偏光子と、前記偏光子の背面側に配置され、前記基準
方向に対して第1の角度θ1で配置された遅相軸または
進相軸を有し、約λ/2の位相差を形成する第1の位相
差板と、前記第1の位相差板の背面側に配置され、前記
基準方向に対して第2の角度θ2で配置された遅相軸ま
たは進相軸を有し、約λ/4の位相差を形成する第2の
位相差板と、前記第2の位相差板の背面側に配置され、
一対の基板とその間に挟持された液晶層と反射面とを有
し、液晶層が電界の有無でホモジニアス配向と垂直配向
を選択的に形成することができ、前記基準方向に対して
第3の角度θ3 で配置された配向方向を有し、第3の角
度θ3 が第1の角度θ1と第2の角度θ2 の角度ずれに
よるリターデーション変動を補償できる角度に選択され
ている反射型液晶セルとを有する反射型液晶表示装置が
提供される。
【0032】本発明のさらに他の観点によれば、面内の
第1の角度方向に透過軸または吸収軸を有し、前面側か
ら入射する光を所定の直線偏光に変換して背面側に出射
することのできる偏光子と、前記偏光子の背面側に配置
され、面内の第2の角度方向に配置された遅相軸または
進相軸を有し、0.1μmから0.3μmの範囲内の第
1の位相差を形成する第1の位相差板と、前記第1の位
相差板の背面側に配置され、面内の第3の角度方向に配
置された遅相軸または進相軸を有し、0.1μmから
0.3μmの範囲内の第2の位相差を形成する第2の位
相差板と、前記第2の位相差板の背面側に配置され、一
対の基板とその間に挟持された液晶層と反射面とを有
し、液晶層が無電界の時に0°から80°の範囲内のツ
イスト角を有し、前記一対の基板の一方が面内の第4の
角度方向に配置された配向方向を有する反射型液晶セル
とを有する反射型液晶表示装置が提供される。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を説明する。
【0034】図1(A)は、反射型液晶表示装置の構成
を概略的に示す。偏光板1はx軸に沿う偏光軸Pを有す
る。偏光板1に対し、上方より光が入射する。偏光板1
を出射する光は、x軸方向に直線偏光した光となる。
【0035】偏光板1の背面側には、約λ/2の位相差
を形成する位相差板2が配置されている。位相差板2の
遅相軸R1は、x軸に対しθ1の角度をなす。
【0036】第1の位相差板2の背面側に、さらに第2
の位相差板3が配置される。第2の位相差板3は、約λ
/4の位相差を形成し、遅相軸R2はx軸に対しθ2
角度をなす。
【0037】第2の位相差板3の背面側に、液晶セル4
が配置される。液晶セル4は、1対の基板5、6の間に
液晶層7が挟持された構成を有する。なお、背面側基板
6の表面に反射面8が形成されているものとする。液晶
層7は、ホモジニアス配向と垂直配向とを選択的に取る
ことができる。ホモジニアス配向を取った時、液晶層7
はλ/4の位相差を形成し、λ/4位相差板として機能
する。この時の液晶層の遅相軸は、第2の位相差板3の
遅相軸R2と同一の方向とする。
【0038】図1(B)は、図1(A)に示す反射型液
晶表示装置の動作を概略的に説明する線図である。偏光
子1に無偏光の光が入射する。偏光子1を透過した光
は、偏光軸の方向に偏光した直線偏光となる。第1の位
相差板2により、直線偏光の向きが調整される。第2の
位相差板を透過した光は、円偏光となる。液晶セル4が
λ/4位相差板として機能する場合、液晶セルに入射
し、反射して出射した光は逆向きの円偏光となる。第2
の位相差板3を透過することにより、逆向きの円偏光は
直線偏光に変換される。第1の位相差板2により、直線
偏光の向きが調整される。この時、直線偏光の向きは、
入射時の直線偏光に対し直交する方向となる。従って、
偏光子1によって反射光は遮断される。このため表示は
黒となる。
【0039】液晶セル4が垂直配向をすると、液晶層4
は偏光状態に影響を与えなくなる。この時、液晶セル4
から反射され、出射する光は入射時と同じ向きの円偏光
となる。第2の位相差板3、第1の位相差板2を透過し
た光は、入射時と同じ向きの直線偏光となる。従ってこ
の直線偏光は偏光子1を透過する。この時表示は白とな
る。
【0040】可視光の全波長領域で以上の操作が完全に
行なえれば、完全な黒レベルが得られる。しかしなが
ら、位相差板、液晶に波長分散が存在すると、全波長領
域にわたって完全な黒を得ることが困難になる。
【0041】本発明者等は、シンテック株式会社製「L
CDマスター」を用いたシミュレーションにより、第1
の位相差板の遅相軸R1の角度θ1および第2の位相差
板3の遅相軸R2の角度θ2を種々に変化させ、最適の
結果が得られる角度を解析した。
【0042】図1(C)は、入射光を490〜580n
mの緑色光とし、θ2を107度に設定した時の反射光
量の遅相角θ1依存性を示す。図から明らかなように、
反射光量の最小値は角度θ1=104°、θ1=166°
で生じている。
【0043】なお、角度はx軸の正方向を基準方向と
し、図1(A)に示すように定義したが、x軸の負方向
を基準方向としても良く、角度の方向を逆方向としても
良い。また、偏光子の透過軸の代わりに吸収軸を用いて
も良い。位相差板に関しては、遅相軸の代わりに進相軸
を用いても良い。
【0044】図1(C)に示すような最適の結果を示す
角度θ1、θ2の関係を調べた。
【0045】図1(D)は、偏光板の偏光軸の角度に対
する第1の位相差板の角度θ1、第2の位相差板の角度
θ2の関係を概略的に示すグラフである。
【0046】これらの角度の間に、θ2=2θ1+45°
の関係が成り立つ時、反射光量が最小値を取ることが分
かった。
【0047】なお、この結果は上述の種々の角度の取り
方および軸の取り方によりその表現を変える。
【0048】図1(E)は、角度の取り方を変更した時
の別の表現を示す。すなわち、θ2=2θ1−225°の
関係を満たす時、上述の最良の結果が得られる。すなわ
ち、θ2=2θ1+45°とθ2=2θ1−225°は同一
の関係を示している。
【0049】なお、緑色光Gに対しては、第2の位相差
板の遅相軸R2を107°に設定した時が最良の結果を
生じたが、青色光Bおよび赤色光Rに対してはこれらの
値はそれぞれ109°、101°となる。なお、基準軸
方向を変更し、角度の向きを変更した時には109°は
71°となり、107°は73°となり、101°は7
9°となる。
【0050】図1(F)は、これらの結果をまとめて示
す。青色光B、緑色光G、赤色光Rに対し、λ/2の位
相差を形成する第1の位相差板2の光軸の角度、λ/4
の位相差を形成する第2の位相差板3の光軸の角度を表
に示す数値とすることにより、最良の黒表示を得ること
ができる。
【0051】なお、以上の結果は液晶セルに光が垂直入
射する条件でのシミュレーションにより得た。
【0052】従って、3板式反射型液晶表示装置の場
合、青色セル、緑色セル、赤色セルに対し、それぞれ図
1(F)に示す条件を満足するλ/2板2とλ/4板3
を液晶セルの前面に配置することにより、最適の黒表示
を得ることができる。
【0053】図2は、このような3板式反射型液晶表示
装置の構成を概略的に示すブロック図および斜視図であ
る。
【0054】図2(A)に示すように、光源LSの光を
色分離器CXにより赤色、緑色、青色の3色光に分離す
る。これら3色光は、それぞれ赤色液晶セルR−LC
D、緑色液晶セルG−LCD、青色液晶セルB−LCD
に導入される。これら各液晶セルからの反射光は、合波
器CYにより合波され、投射光学系PJを介してスクリ
ーンSR上に投射される。
【0055】図2(B)は、クロスダイクロイックプリ
ズムを用いた投射型3板式反射型液晶表示装置の1構成
例の主要部を示す斜視図である。クロスダイクロイック
プリズムCDCの直線方向の入射面には、頂角約8°の
±3°楔プリズムWPが設けられている。楔プリズムW
Pには、水平方向に偏光した緑色光Gおよび垂直方向に
偏光した赤色光Rおよび青色光Bが水平面より下方約2
5°の方向から入射される。これらの入射光は、楔プリ
ズムWPで屈折し、クロスダイクロイックプリズムCD
Cにより3色に分離される。
【0056】水平方向に偏光した緑色光Gは、クロスダ
イクロイックプリズムを直進し、緑色液晶セルG−LC
Dに入射し、反射して再び楔プリズムWPを透過して投
射レンズPGに達する。赤色光Rは、楔プリズムWPで
屈折した後、クロスダイクロイックプリズムCDCの赤
色反射面により反射され、手前に示す赤色液晶セルR−
LCDに入射し、反射して再び赤色反射面で反射し、楔
プリズムWPを介して投写レンズPJに達する。
【0057】青色光Bは、クロスダイクロイックプリズ
ムCDCの青色反射面で反射され、図中背面側に示す青
色液晶セルB−LCDにより反射され、再び青色反射面
で反射されて投射レンズPJに至る。 これら3色の反
射光は、投射レンズPJによりスクリーンSR上に投射
される。
【0058】図2(B)の構成において、クロスダイク
ロイックプリズムCDCと各液晶セルLCDの間に、λ
/2の位相差を形成する第1の位相差板と、λ/4の位
相差を形成する第2の位相差板とを挿入する。
【0059】なお、図1(F)の条件は、液晶セルに垂
直に光が入射する条件のもとで得た。図2(B)の光学
系においては、液晶セルに対して下方から斜めに光が入
射する。斜め入射の場合、位相差板の最適角度は、変調
を受ける。クロスダイクロイックプリズムの入射面に対
し、通常25度の入射角で入射光を入射する。
【0060】図2(C)は、このような斜め入射の場合
の、シュミュレーショで求めた、λ/2位相差板とλ/
4位相差板との最適角度の関係を示す。なお、λ/4の
リターデーションは、Bに対しては115nm、Gに対
しては138nm、Rに対しては155nmとした。λ
/4のリターデーションは、Bに対しては115nm、
Gに対しては138nm、Rに対しては155nmとし
た。
【0061】なお、図1(F)および図2(C)の条件
は最適の条件である。これらの角度を中心に±3度の範
囲内であれば、有効な効果が認められるであろう。好ま
しくは、これらの値の±1度の範囲に角度を選択する。
【0062】なお、図2(B)に示す光学系は、楔プリ
ズムWPを1個用い、3枚の液晶パネルに光を入射して
いる。この構成は、光学部品の点数が少なくてすむが、
液晶パネルとクロスダイクロイックプリズムの間に挿入
される偏光板、位相差板の各フィルムの表面で反射され
た光が液晶パネルからの出射光と重なってしまう。液晶
パネルに入射していない光は、ノイズ成分となる。各フ
ィルム表面で反射された光は、出力光と分離することが
望ましい。
【0063】また、クロスダイクロイックプリズム表面
に対し22.5度で入射する光は、楔プリズムWの表面
に対しては30度以上の入射角を形成してしまう。入射
角が大きくなると反射率が増大し、利用できる光強度が
制限されてしまう。
【0064】図3は、このような点を改良できる光学系
を示す。
【0065】図3(A)〜3(D)は、表示品質を向上
することのできる構成例を示す。
【0066】図3(A)は、3板式反射型液晶表示装置
の色分離、光合波光学系を含む部分の概略斜視図であ
る。クロスダイクロイックプリズムCDCの背面および
左右の側面に、それぞれ偏光子、複数枚の位相差板を含
むフィルム群F、楔プリズムWP、液晶セルLCDが配
置されている。楔プリズムは、図2(B)の場合と同
様、8°±3°の頂角を有する。入射光は、クロスダイ
クロイックプリズムCDCの入射面に水平方向より下方
から約25°±10°の入射角で入射する。
【0067】クロスダイクロイックプリズムCDCの背
面上に、緑色用のフィルム群F−Gが配置され、その背
面上に緑色用楔プリズムWP−Gが配置され、その背面
上に緑色液晶表示セルG−LCDが配置され、合わせて
緑色用部品群G−COMPを構成している。クロスダイ
クロイックプリズムCDCの左右側面には、同様の構成
を示す赤色用部品群R−COMP、青色用部品群B−C
OMPが配置されている。
【0068】図3(B)は、図3(A)の構成の上面図
を概略的に示す。クロスダイクロイックプリズムCDC
の3つの側面上に、フィルム群F−G、F−B、F−R
が先ず配置され、その上に楔プリズムWP−G、WP−
B、WP−Rが配置され、その背面上に液晶パネルG−
LCD、B−LCD、R−LCDが配置されている。入
射光は、緑色成分Gはs偏光で供給され、青色光Bおよ
び赤色光Rはp偏光で供給される。p偏光成分は、クロ
スダイクロイックプリズムの対角線上の反射面によって
反射される。
【0069】図3(C)は、クロスダイクロイックプリ
ズムの側面上の積層構成を概略的に示す断面図である。
クロスダイクロイックプリズムCDCの側面上には、偏
光子1、λ/2位相差板2、λ/4位相差板3が積層さ
れ、その上に楔プリズムWPが配置されている。液晶パ
ネルLCDは、楔プリズムWPの背面側に配置され、フ
ィルム群1、2、3とは角度をなしている。液晶パネル
LCDの背面には、反射板8が設けられている。
【0070】入射光は、クロスダイクロイックプリズム
の側面に対したとえば25.5度の入射角度で入射す
る。フィルム群を透過した後、楔プリズムWPの屈折を
受け、液晶パネルLCDに供給される。フィルム群1、
2、3で反射された光は、クロスダイクロイックプリズ
ムの側面に対し25.5度の入射角度を形成して右方向
に進行する。これに対し、液晶層で反射された光は、楔
プリズムWPの存在により、より小さな反射角度で出射
する。従って、フィルム群で反射された光と、液晶層を
通過して反射された光とを容易に分離することができ
る。また、空気中からクロスダイクロイックプリズムC
DCに入射する入射角が、図2(B)の楔プリズムWP
に入射する場合より小さなため、入射面での反射を抑え
ることができる。
【0071】図3(D)は、液晶セルの構成を概略的に
示す。液晶セルは、1対の基板5、6の間にN型液晶
(例えばメルク社製μF−7024)で形成される液晶
層を有する。背面基板6の表面上には、画素電極をなす
反射層8が配置されると共に、画素電極の電圧を制御す
る薄膜トランジスタ(TFT)9が形成されている。
【0072】図3(A)〜3(D)に示す構成によれ
ば、図2(B)の構成と較べ、部品点数は増大するもの
の、黒レベルが低く、ノイズの少ない高画質の画像を表
示することができる。この構成で、図2(C)の条件を
満たすようにすれば、極めて優れた表示特性を得ること
ができる。この構成例については後述する。
【0073】反射型液晶表示装置において、位相差板と
してλ/2板およびλ/4板を用いる場合、リターデー
ション値の変動が黒レベル、従ってコントラストに大き
な影響を与えることが分かった。
【0074】図4(A)は、フィルム厚変動率に対する
コントラストの関係を示す。図中横軸はフィルム厚変動
率を%で示し、縦軸はコンラストを示す。フィルムは、
λ/2板とλ/4板を積層したものであり、これら2種
類の位相差板の厚さが共に減少した場合を曲線CR1で
示し、λ/2板の厚さが減少し、λ/4板の厚さが増加
した時の特性を曲線CR2で示す。
【0075】図から明らかなように、λ/2板とλ/4
板が共に同符号の変動を示す時は、コントラストの変動
はさほど大きくはないが、両位相差板の変動が逆符号で
生じた時には、曲線CR2で示すようにわずかな膜厚変
動によっても大きなコントラストの低下を招く。従っ
て、逆符号の位相差板の厚さ変動は極力防止することが
望ましい。
【0076】図4(B)は、逆符号の位相差板の膜厚変
動を防止する1つの構成例を示す。本構成例において
は、偏光子1の背面側に配置するλ/2板2を、同一ロ
ットから切り出した2枚のλ/4板2a、2bで形成す
る。さらに、λ/4板3も、これらのλ/4板2a、2
bと同一フィルムから切り出したλ/4板で形成する。
すなわち、同一ロット(フィルム)から切り出した3枚
のλ/4板を用い、1枚のλ/2板と1枚のλ/4板を
構成する。同一のフィルムから切り出した位相差板であ
るため、位相差板2a、2b、3はほぼ同一の厚さを有
し、逆符号の変化は極力防止することができる。
【0077】なお、図4(A)においては、フィルム厚
変動率に対するコントラストの関係を示したが、フィル
ム厚変動率は、リターデーション値の変動と考えること
もできる。すなわち、リターデーションがλ/2とλ/
4に対して逆符号に変動することを極力避けることが望
まれる。
【0078】図4(C)は、リターデーション値の逆符
号変動を防止することのできる構成例を示す。λ/2板
2は、図4(B)同様2枚のλ/4板で形成しても良
い。λ/4板3xは、例えばλ/4より小さいリターデ
ーションを有するように形成する。液晶セル4の両基板
5,6に挟まれた液晶層7は、電圧調整によりわずかな
位相差を実現できるものとする。液晶層7の遅相軸をλ
/4板3xの遅相軸と合わせ、液晶層7がわずかなリタ
ーデーションを示した時、λ/4板3xとの合成により
正確なλ/4板を形成するようにする。
【0079】液晶層7が形成するリターデーションは、
電圧によって調整することができるため、電圧を選択す
ることによりλ/2板2のレターデーション変動とλ/
4板3xと液晶層7が協同して形成するλ/4板のリタ
ーデーション変動を同符合に選択することができる。な
お、λ/4板3xのリターデーションをλ/4よりも大
きくし、液晶層7の配向をλ/4板3xの遅相軸と直交
させるようにしてもよい。
【0080】図4(D)は、他の構成を示す。本構成に
おいては、偏光子1、λ/2板2の背面に基板5、6に
挟まれた液晶層7を含む液晶セル4が直接配置されてい
る。液晶層7は、電圧印加によりλ/4を挟む範囲内の
リターデーションを任意に選択できる。すなわち、λ/
2板2がλ/2のリターデーションよりも大きいか小さ
いかにより、液晶層7のリターデーションがλ/4より
も大きい値か小さい値に調整する。このようにして、2
種類の位相差板の変動の符号を同一符号とすることがで
きる。
【0081】位相差板の材料としては、ポリカーボネー
ト、ポリビニールアルコール等の有機材料を用いること
ができる。
【0082】図8(A)は、ポリカーボネートPCとポ
リビニールアルコールPVAの反射率の波長分散を示
す。図において横軸は、波長λを単位nmで示し、縦軸
は波長550nmでの反射率R550に対する波長λでの
反射率Rλの比を示す。曲線PCはポリカーボネートの
波長分散を示し、曲線PVAはポリビニールアルコール
の波長分散を示す。両者の特性とも、波長が長くなるに
従いRλ/R550が低下する傾向を有するが、その程度
はPVAの方が著しく小さい。
【0083】図8(B)〜8(F)は、偏光子と反射面
との間に位相差板を挟み、変更し前面から光を入射した
時の全体としての反射率を示す。なお、位相差板の遅相
軸は反射率を低くするように最適化されている。
【0084】図8(B)は、ポリカーボネート(PC)
1枚でλ/4板を形成したときの波長λに対する反射率
の変化をシミュレーションした結果を示す。
【0085】図8(C)は、ポリビニールアルコール
(PVA)1枚でλ/4板を形成した時の波長λに対す
る反射率の変化をシミュレートした結果を示す。図8
(B)と比べると、PVAを用いることにより波長分散
を低減することができることが分かる。
【0086】図8(D)は、ポリカーボネートを用い、
1枚のλ/2板と1枚のλ/2板を形成し、最適角度に
配置した時の波長λに対する反射率の変化をシミュレー
トした結果を示す。2枚の位相差板を用いることによ
り、図8(B)と比べ波長分散を著しく低減し、反射率
を低下させることができる。
【0087】図8(E)は、PVAを用い、1枚のλ/
2板と1枚のλ/4板を作成し、最適角度に組み合わせ
た時の波長分散をシミュレートした結果を示す。図8
(D)と比べ、さらに反射率が低減し、良好な黒表示が
得られる可能性が示されている。
【0088】図8(F)は、ポリカーボネートでλ/4
板を作成し、PVAでλ/2板を形成し、2枚の位相差
板を最適角度に組み合わせた時の波長分散をシミュレー
トした結果を示すグラフである。
【0089】これらの結果を考察すると、ポリカーボネ
ートよりもPVAを用いた時に波長分散がより有効に抑
制でき、より良好な黒レベルを得られる可能性が示され
ている。しかしながら、製造工程等を考慮すると、ポリ
カーボネートがPVAよりも扱い易い特徴もあり、条件
に応じてこれらの材料を使い分けることが望ましい。
【0090】図1(F)、図2(C)に示す方式は、具
体的には種々の構成で実現できる。以下、良好な黒レベ
ルを得ることができる構成例について説明する。
【0091】図9(A)、9(B)は、液晶層材料とし
てホモジニアス配向を示す液晶を用いた場合、および垂
直配向を示す液晶を用いた場合を概略的に示す。
【0092】両図において、偏光板1の背面側にλ/2
板2が配置される。このλ/2板には、2枚のλ/4板
2a、2bを積層することにより作成しても良い。λ/
2板の背面側には、λ/4板3が配置される。λ/3板
の背面側に、液晶セル4が配置される。液晶セル4は、
2枚の基板5,6の間に液晶層7が挟持された構成を有
する。背面側の基板6の表面上には、反射面8が形成さ
れている。
【0093】図9(A)においては、液晶層7として液
晶分子が基板上の配向方向に沿って基板に平行なホモジ
ニアス配向を示す液晶を用い、両基板5,6間に電圧を
印加した時、液晶層が垂直配向に変化する場合を示す。
【0094】図9(B)は、液晶層7として液晶分子が
基板に対して垂直配向する液晶を用い、両基板5,6間
に電圧を印加した時、ホモジニアス配列に変化する場合
を示す。なお、電圧印加時にも、基板5,6の界面付近
の液晶分子は、強いアンカ力によって基板上に拘束され
ている状態を示す。
【0095】また、ホモジニアス配向、垂直配向共に完
全に基板に対して平行または垂直に配向する場合のみで
なく、わずかな角度をなす場合を含めるものとする。
【0096】図9(C)は、λ/2板2の遅相軸R1と
λ/4板3の遅相軸R2とを最適の角度に配列した状態
を示す。
【0097】図9(D)は、図9(C)に示す方向の位
相差板と組み合わせて用いる液晶層7のリターデーショ
ン変化を概略的に示す。液晶層7のリターデーション
は、λ/4板3の遅相軸と同一方向に発生する。垂直配
向のときは、液晶層7のリターデーションはほぼ0とな
る。液晶層7のリターデーションが0の場合、入射光は
λ/2板2およびλ/4板3でリターデーションを受け
る。λ/2板2とλ/4板3の遅相軸が最適の条件を満
たしていれば、最適の黒表示が得られる。
【0098】液晶層7がλ/4のリターデーションを示
すようになると、λ/4板3と液晶層7のリターデーシ
ョンの和はλ/2となり、出射光の偏光方向は入射光の
偏光方向と一致し、反射光は偏光板を通過して出射す
る。従って、この時に液晶パネルは白表示となる。
【0099】図9(E)は、λ/4板3の遅相軸に対
し、液晶層7のリターデーション軸が直交方向に配列さ
れた場合を示す。例えば、液晶層7はホモジニアス配向
した時3λ/4のリターデーションを示し、垂直配向し
た時ほぼ0のリターデーションを示す。リターデーショ
ンが0の時、前述と同様液晶パネルは黒表示となる。液
晶層が3λ/4のリターデーションを示すと、λ/4板
3と液晶層7の合成リターデーションは、最適方向と直
交する方向のλ/2となる。この時、反射光の偏光方向
は入射光の偏光方向と平行となり、反射光は偏光板を透
過して白表示を実現する。
【0100】図9(F)は、λ/4板3の遅相軸R2の
方向を、図1(F)と図2(C)に示す最適方向と直交
する方向に選んだ場合を示す。このままでは、黒表示を
実現することはできない。
【0101】図9(G)は、図9(F)に示す位相差板
と共に組み合わせる液晶層7の配向方向を概略的に示
す。液晶層7は、ホモジニアス配向した時λ/4板の遅
相軸と直行する方向にλ/2のリターデーションを示
す。λ/4板3と液晶層7のリターデーションの和は、
液晶層のリターデーション方向にλ/4のリターデーシ
ョン値を示すものとなる。従って、この時最適な黒表示
が得られる。液晶層7が垂直配向すると、液晶層7のリ
ターデーションは失われ、白表示となる。
【0102】図9(H)は、λ/4板を省略した構成を
示す。位相差板としては、λ/2板2のみが用いられ
る。λ/4板の機能は、液晶層7にょって付与される。
【0103】図9(I)は、液晶層7のリターデーショ
ンの変化を示す。液晶層7がホモジニアス配向した時、
液晶層7は最適方向に配置されたλ/4位相差板の機能
を果たす。この時、最適の黒表示が得られる。液晶層7
が垂直配向すると、λ/4板の機能が失われ、白表示と
なる。
【0104】これらの機能構成は、さらに種々の形態に
よって実現することができる。
【0105】図10(A)〜10(E)は、図9
(C)、9(D)の機能を実現する1つの形態を示す。
【0106】図10(A)において、中央部に液晶表示
装置の構成を示す。偏光子1の背面側に、λ/2板2が
配置される。このλ/2板は、上述のように2枚のλ/
4板2a、2bで形成することができる。λ/2板2の
背面側に、リターデーションがちょうどλ/4であるλ
/4板3が配置される。λ/4板3の背面側に、1対の
基板5、6の間に液晶層7を挟持した液晶セルが配置さ
れる。背面基板6の表面上には、反射面8が形成されて
いる。
【0107】なお、液晶層7は、左側に示すホモジニア
ス配向と、右側に示す垂直配向とを選択的に取ることが
できる。ホモジニアス配向を取った時の液晶層7は、リ
ターデーション値が丁度λ/4となり、その配向はλ/
4板3と同方向である。
【0108】図10(A)の左側は、液晶層7がホモジ
ニアス配向した時の光の変換過程を示す。偏光子1を透
過した光は、直線偏光P1となり、λ/4板2を通過す
ることにより、方向を変化した直線偏光P2となる。直
線偏光P2が、λ/4板3を透過することにより、円偏
光P3となる。円偏光P3が、さらにλ/4板として機
能する液晶層7を透過することにより、直線偏光P2と
直交する直線偏光P4が形成される。
【0109】この直線偏光P4が、反射面8で反射さ
れ、液晶層7を再び透過することにより、円偏光P3と
逆方向の円偏光P5となる。円偏光P5は、λ/4板3
を透過することにより、直線偏光P6となる。直線偏光
P6は直線偏光P2と平行な向きである。直線偏光P6
は、λ/2板2を透過することにより直線偏光P7とな
る。直線偏光P7は、直線偏光P1と同一方向であり、
偏光子1を透過する。このようにして白表示が達成され
る。
【0110】図10(A)右側は、液晶層7が垂直配向
した時の光の変換を示す。偏光子1を透過し、λ/4板
3を透過するまでは図中左側に示す場合と同様である。
液晶層7が垂直配向しているため、円偏光P3は液晶層
7の影響を受けず、液晶層7を透過した時、同一の円偏
光P4aとなる。
【0111】反射面8で反射した円偏光P4aは、その
まま液晶層7を透過して円偏光P5aとなり、λ/4板
3を透過することにより直線偏光P6aとなる。直線偏
光P6aは直線偏光P2と直交する向きである。直線偏
光P6aは、λ/2板2を透過して直線偏光P7aに変
化する。直線偏光P7aは、直線偏光P1と直交する方
向であり、偏光子1によって遮断される。このようにし
て黒表示が達成される。
【0112】図10(B)は、液晶層7が無電界の時ホ
モジニアス配向をし、電界印加によって垂直配向する場
合のλ/2板2、λ/4板3、液晶層7のリターデーシ
ョン方向の関係を示す。
【0113】図10(C)は、図10(B)の場合の電
圧に対する反射率の変化を概略的に示すグラフである。
電圧無印加の時に、図10(A)左側の状態となり、反
射率が高く白表示がなされ、電圧印加して液晶層7が垂
直配向すると反射光が遮断され、反射率が0となり黒表
示が実現される。
【0114】図10(D)は、液晶層7が無電界の時垂
直は意向し、電圧印加によりホモジニアス配向に変化す
る場合のλ/2板2、λ/4板3、液晶層7のリターデ
ーション方向の変化を概略的に示す。液晶層7のリター
デーションが図10(B)の場合と反転している以外
は、図10(B)と同様である。
【0115】図10(E)は、図10(D)の場合の電
圧に対する反射率Rの変化を概略的に示す。電圧無印加
状態で、液晶層7は垂直配向であり、図10(A)右側
に示すように、反射光は偏光子1によって遮断される。
このため、電圧無印加状態は黒表示である。電圧を印加
して行くと、液晶層7がホモジニアス配向に変化して行
き、反射率Rは徐々に増加し、液晶層7がλ/4のリタ
ーデーションを示した時に最大の反射率を示す。
【0116】図10(A)〜10(E)においては、λ
/4板3および液晶層7が丁度λ/4のリターデーショ
ンを示す場合を説明した。前述のように、λ/2の板の
リターデーション値の変動と、λ/4板3のリターデー
ション値の変動とが逆符号となると、黒レベルが持ちあ
がり、コントラストが大きく低下してしまう。これを防
止するためには、λ/2板とλ/4板の機能を果たす部
材とが同一極性のリターデーション変動を示すようにす
ることが有効である。
【0117】図11(A)は、図10(A)と同様の構
成であるが、λ/4板3のリターデーション値がλ/4
よりもわずかに小さく、液晶層7はわずかにホモジニア
ス配向した時、λ/4板3と共にλ/4のリターデーシ
ョンを形成でき、充分ホモジニアス配向した時には、λ
/4板3と共にλ/2のリターデーションを実現できる
ように構成されている。
【0118】図11(A)、左側は、入射光の偏光状態
がどのように変化するかを示している。偏光子1を通過
した直線偏光P1は、λ/2板2により直線偏光P2と
なり、リターデーションがλ/4よりもわずかに小さい
λ/4板3を透過することにより、楕円偏光P3とな
る。この楕円偏光P3は、リターデーション値がλ/4
よりもわずかに大きい液晶層7を透過することにより、
直線偏光P2と直交する直線偏光P4となる。
【0119】反射面8により反射された直線偏光P4
は、リターデーションがλ/4よりもわずかに大きい液
晶層7を透過することにより楕円偏光P3と逆向きの楕
円偏光P5となる。楕円偏光P5は、リターデーション
がλ/4よりもわずかに小さいλ/4板3を透過するこ
とにより直線偏光P2と平行な直線偏光P6となり、λ
/2板2を透過して直線偏光P7になる。直線偏光P7
は、直線偏光P1と同一方向であり、偏光子1を透過し
て白表示を示す。
【0120】図11(A)右側は、液晶層7がわずかに
ホモジニアス配向を残した垂直配向となり、λ/4板3
と共同してλ/4の位相差を形成する場合を示す。λ/
4板3を透過した楕円偏光P3は、わずかにホモジニア
ス配向した液晶層7を透過することにより円偏光P4a
に変化する。
【0121】反射面8で反射した円偏光P4aは、液晶
層7を透過することにより楕円偏光P5aとなり、リタ
ーデーションがλ/4よりもわずかに小さいλ/4板3
を透過することにより直線偏光P2と直交する直線偏光
P6aに変化する。直線偏光P6aは、λ/2板2を透
過することにより直線偏光P7aとなる。この直線偏光
P7aは、直線偏光P1と直行する方向であり、偏光子
1によって遮断され、黒表示を実現する。
【0122】図11(B)は、液晶層が無電界時にホモ
ジニアス配向であり、電圧印加により直線偏光に変化す
る場合のλ/2板、λ/4板3、液晶層7のリターデー
ションの関係を概略的に示す。λ/4板3のリターデー
ションがλ/4よりも小さく、ほぼ垂直配向した液晶層
7と合わせてλ/4のリターデーションを実現し、液晶
層7が充分ホモジニアス配向する時、λ/4板3と合わ
せてλ/2のリターデーションを実現する。
【0123】図11(C)は、図11(B)の配置の場
合の印加電圧に対する反射率の関係を示す。電圧を印加
しない状態においては反射率は未だ最大値となっていな
い。電圧を印加し、液晶層7がわずかに垂直配向に変化
し、λ/4板3と合わせてλ/2のリターデーションを
実現する時、反射率Rは最大値を取る。
【0124】印加電圧を増大して行き、液晶層7のリタ
ーデーションが減少し、λ/4板3のリターデーション
と合わせてλ/4のリターデーションとなる時、反射率
Rは最低値を示す。さらに電圧を印加し、液晶層7が完
全に垂直配向すると、リターデーションはλ/4よりも
小さくなるため、反射率はわずかに持ち上がる。
【0125】図11(D)は、液晶層7が無電界の状態
で垂直配向であり、電界印加によりホモジニアス配向に
変化する場合を示す。なお、この垂直配向はプレチィル
トを含み、電圧を印加した時、液晶分子の倒れる方向は
λ/4板3のリターデーション方向と一致するように選
択されている。
【0126】液晶層7は、わずかにホモジニアス配向に
変化した時にλ/4板3と共同してλ/4のリターデー
ションを実現し、充分にホモジニアス配向した時にλ/
4板3と共同してλ/2のリターデーションを実現す
る。
【0127】図11(E)は、図11(D)の場合の印
加電圧Vに対する反射率Rの変化を示す。電圧無印加状
態では、液晶層7は垂直配向であり、λ/4板3のリタ
ーデーションがλ/4よりも小さいため、反射率は0よ
りも持ち上がった値を示す。電圧印加により液晶分子が
わずかに倒れると、λ/4板3のリターデーションと液
晶層7のリターデーションとを合わせてλ/4のリター
デーションが実現され、反射率Rは最低値となる。さら
に電圧を印加すると、リターデーションは徐々に増大
し、λ/2のリターデーションとなった時に反射率Rは
最大値となる。
【0128】以上の構成においては、液晶層の配向方向
とλ/4の遅相軸の方向を一致させた。これらの方向を
垂直方向とすることにより、同様の機能を実現すること
もできる。
【0129】図12(A)〜12(E)は、図9(C)
に示すλ/2板2、λ/4板3の配置と、図9(E)に
示す液晶層7の配置とを用いた場合の構成例を示す。
【0130】図12(A)において、偏光子1、λ/2
板2、λ/4板3は前述の構成と同様である。なお、λ
/4板3のリターデーションは、λ/4よりもわずかに
大きくなるように選択する。液晶層7は、ホモジニアス
配向と垂直配向とを選択的にとることのできるものであ
り、ホモジニアス配向した時のリターデーションは、3
λ/4よりも大きくなるように選択する。このような構
成とすることにより、λ/4板3と液晶層7が共同し
て、λ/4のリターデーションと、直交方向のλ/2の
リターデーションとを実現できるようにする。
【0131】図12(A)左側は、液晶層7がホモジニ
アス配向し、液晶層7とλ/4板3が協同し、黒表示に
最適な遅相軸に対し垂直方向にλ/2のリターデーショ
ンを形成する場合の入射光の偏光状態の変化を示す。λ
/2板2を通過した直線偏光P2は、リターデーション
がλ/4よりわずかに大きいλ/4板3を透過すること
により、楕円偏光P3となる。この楕円偏光P3は、直
交方向のリターデーションが3λ/4よりもわずかに大
きい液晶層7を透過することにより、直線偏光P4に変
化する。反射面8で反射した直線偏光P4は、液晶層7
を透過することにより楕円偏光P5に変化し、さらにλ
/4板3を透過することにより直線偏光P6となる。直
線偏光P6は、λ/2板2を透過して直線偏光P7とな
る。この直線偏光P7は、直線偏光P1と同一方向であ
り、偏光子1を透過して白表示を実現する。
【0132】図12(A)右側は、液晶層7がほとんど
垂直配向し、リターデーションがλ/4よりもわずかに
大きいλ/4板3と協同してλ/4のリターデーション
を実現する。λ/2板2を透過した直線偏光P2は、リ
ターデーションがλ/4よりわずかに大きいλ/4板3
を透過することにより楕円偏光P3となる。この楕円偏
光P3は、わずかにホモジニアス配向した液晶層7を透
過することにより、円偏光P4aとなる。
【0133】反射面8で反射した円偏光P4aは、液晶
層7を透過することにより楕円偏光Paとなり、リター
デーションがλ/4よりもわずかに大きいλ/4板3を
透過することにより直線偏光P6aとなり、さらにλ/
2板2を透過することにより直線偏光P7aとなる。直
線偏光P7aは、直線偏光P1と直交する方向であり、
偏光子1によって遮断される。このようにして黒表示が
実現される。
【0134】図12(B)は、液晶層7が無電界時にホ
モジニアス配向であり、電圧印加により垂直配向に変化
する場合のλ/2板2、λ/4板3、液晶層7のリター
デーションの関係を概略的に示す。
【0135】図12(C)は、図12(B)の配置の場
合の印加電圧Vに対する反射率Rの関係を示す。印加電
圧Vを増大していくと、先ずホモジニアス配向した液晶
層7がわずかに垂直方向に配向し、リターデーションが
減少する。λ/4板3のリターデーションと、液晶層7
のリターデーションの和が液晶層7の配向方向でλ/2
となる時反射率Rは最大値となる。
【0136】さらに印加電圧を増加すると、液晶層7は
垂直配向の傾向を増加し、反射率Rは徐々に減少する。
液晶層7がほぼ垂直配向し、λ/4板3との合成リター
デーションがλ/4板3のリターデーション方向でちょ
うどλ/4となる時、反射率Rは最小値となる。
【0137】図12(D)は、液晶層7が垂直配向し、
電圧印加によりλ/4板3の遅相軸に対し垂直方法にホ
モジニアス配向する場合のλ/2板2、λ/4板3、液
晶層7のリターデーションの関係を概略的に示す。
【0138】図12(E)は、図12(D)の場合の印
加電圧Vに対する反射率Rの関係を概略的に示す。わず
かに電圧を印加し、液晶層7とλ/4板3の合成リター
デーションがλ/4となる時、反射率Rは最小値とな
り、さらに印加電圧を増加すると反射率Rは増大する。
λ/4板3と液晶層7の合成リターデーションが、液晶
層7のリターデーション方向でλ/2となる時、反射率
Rは最大値となる。
【0139】図13(A)〜13(E)は、図12
(A)〜12(E)の場合のλ/4板3と液晶層7の方
位関係を反転した場合を示す。なお、液晶層7は、ホモ
ジニアス配向した時λ/2のリターデーションを示すも
のとする。
【0140】図13(A)の左側において、λ/4板3
を透過した光は、遅相軸が図12(A)の場合と90度
ずれているため、形成される円偏光の向きは逆となる。
液晶層7は、遅相軸が90度ずれ、リターデーションが
λ/2に選択されているため、液晶層7を透過した光は
逆向きの円偏光P4aとなる。
【0141】反射面8で反射した円偏光P4aは、液晶
層7を透過することにより逆向きの円偏光P5aとな
り、λ/4板3を透過することにより直線偏光P6とな
る。直線偏光P6は、λ/2板2を透過して直線偏光P
7となる。直線偏光P7は、直線偏光P1に対して直交
方向であり、偏光子1により遮断され黒表示を実現す
る。
【0142】図13(A)右側は、液晶層7が垂直配向
した時の光の変化を示す。λ/4板3を透過した円偏光
P3aは、垂直配向の液晶層7を透過して円偏光P4b
となる。
【0143】反射面8で反射した円偏光P4bは、垂直
配向の液晶層7を透過して円偏光P5bとなり、λ/4
板3を透過することにより直線偏光P6となる。直線偏
光P6は、λ/2板2を透過して直線偏光P7となる。
直線偏光P7は、直線偏光P1と同一方向であり、偏光
子1を透過して白表示を実現する。
【0144】図13(B)は、無電界の状態で液晶層7
がホモジニアス配向し、電圧印加により垂直配向に変化
する場合のλ/2板2、λ/4板3、液晶層7のリター
デーションの関係を概略的に示す。
【0145】図13(C)は、図13(B)の場合の印
加電圧Vに対する反射率Rの変化を示す。なお、液晶層
7がホモジニアス配向した時、λ/2よりわずかに大き
なリターデーションを示すように選択すると、電圧Vを
わずかに増加した時にλ/4板3と液晶層7の合成リタ
ーデーションがλ/4となり、反射率Rが最小値とな
る。電圧Vを増加すると、液晶層7のリターデーション
が失われ、反射率Rは最大値を取る。
【0146】図13(D)は、無電界の状態で液晶層7
が垂直配向し、電圧印加によりホモジニアス配向に変化
する場合のλ/2板2、λ/4板3、液晶層7のリター
デーションの関係を概略的に示す。
【0147】図13(E)は、図13(D)の場合の印
加電圧Vに対する反射率Rの関係を示す。
【0148】図11〜図13の構成において、λ/4板
3のリターデーション値を所望の値から一定方向に予め
ずらしておき、液晶層7のリターデーションによって合
成リターデーションを調整するようにすれば、λ/2板
2とλ/4板3の変動が所望値から逆方向にずれた場合
の対策を講じることができる。すなわち、コントラスト
の不本意の低下を防止することが可能となる。
【0149】上述の構成においては、λ/2板とλ/4
板を用い、さらに液晶層のリターデーションを利用して
白表示と黒表示を得た。別個のλ/4板を用いず、液晶
層によりλ/4板を構成することも可能である。
【0150】図14(A)〜14(E)は、λ/4板を
用いず、液晶層によってλ/4板の機能を実現した構成
例を示す。偏光子1の背面側には、λ/2板2が配置さ
れ、λ/2板2の背面側に液晶層7を含む液晶セルが配
置される。液晶層7は、λ/4板の機能を選択的に実現
することができる。液晶層7がホモジニアス配向した
時、約λ/4のリターデーションが生じ、液晶層7が垂
直配向した時にはリターデーションはほぼ0となる。
【0151】図14(A)左側は、液晶層7がホモジニ
アス配向した時の入射光の変化を示す。偏光子1を透過
した直線偏光P1は、λ/2板2により直線偏光P2に
変化する。直線偏光P2は、所定方向に配列したホモジ
ニアス配向の液晶層7により、円偏光P4に変化する。
【0152】反射面8で反射した円偏光P4は、液晶層
7を透過することにより、直線偏光P6に変化する。直
線偏光P6は、λ/2板を透過して直線偏光P7にな
る。直線偏光P7は、直線偏光P1と直交しており、偏
光子1によって遮断され、黒表示を実現する。
【0153】図14(A)右側は、液晶層7が垂直配向
した時の光の変化を示す。λ/2板2を透過した直線偏
光P2は、垂直配向した液晶層7によって影響を受け
ず、直線偏光P4aとして反射面8に達する。反射面8
で反射した直線偏光P4aは、液晶層7を透過して直線
偏光P6aとなり、λ/2板2を透過して直線偏光P7
aとなる。直線偏光P7aは、直線偏光P1と同一方向
であり、偏光子1を透過して白表示を実現する。
【0154】図14(B)は、液晶層7が無電界でホモ
ジニアス配向する時のλ/2板2と液晶層7のリターデ
ーションの関係を示す。液晶層7に電圧を印加すること
により、ホモジニアス配向が垂直配向に変化する。
【0155】図14(C)は、図14(B)の配置にお
いて、印加電圧Vに対する反射率Rの関係を示す。
【0156】図14(D)は、液晶層7が無電界で垂直
配向し、電圧印加によってホモジニアス配向する場合の
λ/2板2と液晶層7のリターデーションの関係を示
す。
【0157】図14(E)は、図14(D)の構成の場
合の印加電圧Vに対する反射率Rの関係を示す。
【0158】図15(A)〜15(E)は、図14
(A)〜14(E)の構成において、液晶層7のホモジ
ニアス配列時のリターデーションが、λ/4よりもわず
かに大きく選ばれている場合を示す。図15(A)〜1
5(E)は、それぞれ図14(A)〜14(E)に対応
する。液晶層7のリターデーションがλ/4よりも大き
いため、わずかに垂直配向に変化した時にλ/4のリタ
ーデーションが実現される。このため、印加電圧Vに対
する反射率Rの関係は、図15(C)、15(E)に示
すように変化する。すなわち、電圧の調整により、最適
のリターデーションを調整することができ、リターデー
ション値が逆符号に変動する危険を防止することができ
る。
【0159】上述の説明においては、λ/2板、λ/4
板、および液晶層の配向方向は正確に配列できるものと
想定した。実際には、これらの方向を設定する際、角度
誤差を避けることは難しい。
【0160】偏光板の透過軸、λ/2板、λ/4板の各
光軸、液晶セルの配向方向について、シミュレータを用
いて調べたところ、偏光板透過軸と個々の位相差板の光
軸がなす角度はそれ程問題ではなく、λ/2板とλ/4
板のなす角度がコントラストを大きく左右することが分
かった。
【0161】前述のように、偏光板透過軸とλ/2板の
なす角度をθ1、偏光板透過軸とλ/4板のなす角度を
θ2とすると、θ2=2θ1+44°の時に最も良好な黒
が得られる。この2つの角度θ1、θ2の関係が守られれ
ば、各角度自体の多少の変動は許される。しかし、各板
の軸精度は約±1度程度であり、θ2−2θ1は最大3度
程度ずれることがあり得る。
【0162】角度ずれの補償手段として、垂直配向して
いる液晶層がわずかにチルトとして発生するリターデー
ションを利用し、その発生方向を最適化できることが分
かった。
【0163】図16(A)はサンプルの構成を示す。一
対のガラス基板5、6間に液晶層7が接続されている。
背面側基板6上にはゲート電極21、ゲート絶縁膜2
2、活性半導体層23、データバス(ドレイン電極)2
4、ソース電極25を含む薄膜トランジスタ(TFT)
が形成されている。TFTは平坦化機能を有する絶縁保
護膜26で覆われる。絶縁保護膜を貫通するコンタクト
ホール27を介して反射電極28が形成されている。前
面側基板5上にはブラックマトリクスBMが形成され、
開口率71%の窓を画定している。
【0164】図16(B)、16(C)は、λ/2板の
光軸が偏光板透過軸となす角度を13度とし、λ/4板
が最適角度である70度からプラス方向およびマイナス
方向にずれた場合、液晶の配向方向が与える影響がどの
ようなものであるかを調べたグラフである。図中横軸は
液晶層の配向方向QLCを偏光板透過軸に対する相対角度
で示し、縦軸は黒輝度を任意単位で示す。黒輝度が低い
値程良好な黒表示が得られる。
【0165】図16は、λ/2板が偏光板透過軸となす
角度を13度に設定し、λ/4板の角度θ2を最適角度
70度よりも2度多いθ2=72°および1度高いθ2
71°に設定した場合を示す。
【0166】図16(C)は、最適角度70度より2度
低いθ2=68°と1度低いθ2=69°に設定した場合
を示す。曲線R+2はθ2=72°の場合、曲線R+1
はθ2=71°の場合、液晶の配向方向により得られる
黒輝度の変化を示す。曲線R−2はθ2=68°の場
合、曲線R−1はθ2=69°の場合、液晶の配向方向
の変化によって得られる黒輝度の変化を示す。
【0167】曲線R+2、R+1は、共に液晶層の配向
方向θLC=20°で最小値を示している。θ2の角度ず
れの大きさによって振幅は変化するが最小値は同一の角
度で生じた。
【0168】曲線R−2、R−1は、液晶層の配向方向
θlc=110°で黒輝度の最小値を生じた。プラスの角
度ずれの場合と同様、角度ずれの大きさを変えても最小
値の生じる位置は変化しなかった。このことから、2θ
1とθ2との差であるΔθが最適値44°よりも大きな場
合は、液晶層の配向方向θLCを20°に設定することが
好ましく、Δθが44°より小さな場合には、θLCを1
10°に設定することが好ましいことが分かる。なお、
液晶セルはわずかにチルトした垂直配向の液晶層を有す
る。
【0169】この効果を検証するため、従来技術に従
い、角度ずれを生じたときにどのような影響が出るかを
シミュレーションおよび実測により確認した。
【0170】図17(A)、17(B)は、偏光板、λ
/2板、λ/4板の設定角度に角度ずれが生じた時の影
響を示すグラフである。図17(A)は、計算によるシ
ミュレーション値であり、図17(B)は、フィルムず
れを生じた時の実測による黒輝度(反射率)である。
【0171】図17(A)において、偏光板1の背面に
2枚のλ/4板で形成されたλ/2板2が配置され、そ
の背面側にλ/4板3が配置され、楔プリズムWPを介
して液晶セル4が配置されている。液晶セル4の背面側
基板上には反射面が形成され、液晶層は垂直配向であ
る。
【0172】図において、横軸はλ/4板の偏光子透過
軸に対する角度θ2を単位「度」で示し、縦軸は黒輝度
のY値を単位10-2%で示す。曲線Y1は、λ/2板の
偏光子透過軸に対する角度を13度に固定した場合を示
し、曲線Y2は偏光子透過軸に対するλ/4板の光軸角
度θ2の変動に対し、λ/2板の光軸の偏光子透過軸に
対する角度θ1がθ2=2θ1+44°の関係を満たすよ
うに選択した場合の特性を示す。
【0173】図から明らかなように、θ1を固定し、θ2
を変化させるとθ2が最適値70度から離れるに従い、
Y値は大きく増加する。これに対し、曲線Y2が示すよ
うに、θ2=2θ1+44°の関係を満たすように、
θ1、θ2の角度を選択すると、θ 2が最適値70度から
離れてもY値はほとんど上昇しない。
【0174】図17(B)は、図17(A)に相当する
特性を実際に測定した結果を示す。横軸はλ/4板の光
軸角度θ2を単位「度」で示し、縦軸は反射率Rを%で
示す。曲線R1は、θ1を13度に固定し、θ2を変化さ
せた場合の特性を示し、曲線R2は、θ2の角度の変化
に対応し、θ1を変化させ、θ2=2θ1+44°の関係
を満足するようにした場合を示す。測定の結果は、シミ
ュレーションの結果を確認している。
【0175】図17(A)、17(B)に示す結果か
ら、λ/2板の光軸角度およびλ/4の光軸角度を最適
角度に設定しても、製造プロセスのマージンにより角度
ずれが生じると、思わぬ黒レベルの上昇を招いてしまう
ことが分かる。角度ずれによる黒輝度の上昇はわずかな
角度ずれであっても、大きな黒輝度の上昇を生じる。例
えば、λ/4の角度が最適値から1度ずれることによ
り、反射率または黒輝度は2倍以上に上昇することが図
17(A)、17(B)の結果から観察される。
【0176】λ/2板の角度はλ/4板の角度の2倍の
影響を有すると考えられる。従って、λ/2板の角度が
1度ずれれば、反射率または黒輝度は数倍以上にもなる
であろう。このことは、コントラストが大幅に低下して
しまうことを意味する。
【0177】図16の特性は、λ/2板の角度に対する
λ/4板の角度が最適値からずれても液晶層の配向を調
整することにより、黒輝度の上昇を抑えることができる
ことを示している。黒輝度上昇を抑える機能を有する液
晶の配向方向は、λ/4板の光学角度が小さい場合と大
きい場合とで90度異なる。そこで、角度ずれが生じて
もλ/4板の角度が最適値から所定極性方向にのみずれ
るようにすれば、適性な補正を行なうことができるであ
ろう。
【0178】図18(A)、18(B)は、θ2−2θ1
の値を意図的に最適の44°よりも大きくし、液晶層で
補正を行なった場合および、θ2−2θ1を意図的に44
度よりも小さく設定し、液晶層で補正を行なった場合の
シミュレーション結果を示す。
【0179】図18(A)においては、θ2−2θ1が4
4°よりも大きくなるように3種類の設定を行なった。
曲線Y3は、θ2を72度に設定した場合を示す。θ1
最適の13度である。曲線Y4は、θ1を最適の13°
よりも小さく、12°に設定し、θ2は最適の70度に
設定した場合を示す。曲線Y3、Y4は、共にθ2−2
θ1の値としては46度である。曲線Y5は、θ1は最適
の13度に保ち、θ2を71°に設定した場合を示す。
θ2−2θ1の値は45°である。図16に示すシミュレ
ーション結果に基き、θ2−2θ1が44度よりも大きい
場合の補正角として適正な液晶の配向方向を約20度に
設定した。
【0180】図18(A)において、横軸は液晶層に対
する印加電圧をVで示し、縦軸は黒輝度またはY値を1
-2%の単位で示す。
【0181】図から明らかなように、液晶層への印加電
圧が1.5Vでは、Y値は曲線Y3、Y4に対しては約
20もあり、曲線Y5に対しても約7である。印加電圧
を増大していくと、Y値は徐々に減少し、印加電圧が約
2Vを超える範囲でY値は急激に減少している。曲線Y
3、Y4、Y5共に、適正な印加電圧を与えることによ
り、2×10-2以下のY値が得られている。
【0182】図18(B)は、λ/2板の角度θ1、λ
/4板の角度θ2を意図的にθ2−2θ1=44°よりも
小さくなるように選択した場合を示す。図中、横軸は図
18(A)と同様、印加電圧をVで示し、縦軸はY値を
10-2%で示す。
【0183】曲線Y6は、θ1を13度に保ったまま、
θ2を68°に設定した場合を示す。曲線Y7は、θ1
14°に設定し、θ2は70度に保った場合を示す。曲
線Y6、Y7は共にθ2−2θ1の値としては42°であ
る。曲線Y8は、θ2を69度に設定し、θ2−2θ1
値を43°にした場合を示す。液晶層の配向方向は、図
16に示されるシミュレーション結果に従い、約110
度に設定した。
【0184】図から明らかなように、印加電圧が1.5
Vと低いときには、曲線Y6、Y7、Y8は共に比較的
大きな値を示し、印加電圧が増大するに従い、Y値は徐
々に減少する。印加電圧を約2Vより増大させると、Y
値は減少を強め、2×10-2%以下の値を実現している。
【0185】図18(A)、18(B)に示す結果か
ら、意図的にθ2−2θ1を最適値から一方の極性にずら
しても、液晶層で補正を行なえば、低いY値を得ること
ができよう。
【0186】図19(A)、19(B)は、図18
(A)、18(B)のシミュレーション結果を実測によ
って確認した結果を示す。図19(A)においては、偏
光板透過軸に対するλ/2板の角度θ1を最適の13°
に設定し、λ/4板の角度θ2を71°に設定し、θ2
2θ1=45°とした場合である。θ2−2θ1が44°
よりも大きいため、補正を行なうための液晶の配向方向
は20°とした。念のため、液晶の配向方向を110°
に設定した場合も測定した。これらの条件のもとで、液
晶層に電圧を印加しない場合と2.5Vの電圧を印加し
た場合とを測定した。
【0187】図19(A)において、横軸は入射光の波
長を単位nmで示し、縦軸は黒反射率を%で示す。曲線
R3は、液晶層に電圧を印加しない場合を示す。この場
合、液晶は垂直配向しており、配向方向は結果に影響を
与えない。曲線R4は、液晶層の配向方向が20度の場
合に液晶層に2.5Vの電圧を印加した場合を示す。適
正な配向方向で適正な電圧を印加することにより、対象
とする緑色波長領域において、曲線R3と比較し充分低
減した反射率R4が得られている。
【0188】液晶の配向方向を110度とした場合、対
象とする緑色波長領域において反射率R5は電圧を印加
しない場合の反射率R3よりも増大し、コントラストが
低下することを示している。
【0189】図19(B)は、θ2−2θ1を44°より
も小さい値に設定した場合を示す。θ1=13°、θ2
69°、θ2−2θ1=45°とした。図中横軸と縦軸
は、図19(A)と同様である。
【0190】曲線R6は、液晶層に電圧を印加しない場
合の測定値であり、曲線R7は液晶の配向方向を110
度とし、液晶層に2.5Vの電圧を印加した場合の測定
結果を示す。曲線R8は、液晶の配向方向を20度に設
定し、液晶層に2.5Vの電圧を印加した場合を示す。
【0191】緑色波長領域において、液晶層の配向方向
を適切な方向に選択した曲線R7は、電圧を印加しない
場合の反射率R6よりも低くなり、高いコントラストを
実現している。これに対し、液晶の配向方向を不適切な
方向に選択した曲線R8は、電圧を印加しない場合の反
射率R6よりも2倍程度も大きな反射率となっている。
【0192】これらの実測結果から、図16で予想され
たように、θ2−2θ1が44度よりも大きな場合には、
液晶の配向方向を20°に選択し、適切な電圧を印加す
ることにより、黒レベルを低くすることができることが
判る。逆に、θ2−2θ1が44°よりも小さい場合に
は、液晶の配向方向を110度に設定し、適切な電圧を
印加することにより黒レベルを低く補正できることが分
かる。
【0193】図20は、試作パネルの白反射率および黒
反射率を示すグラフである。図中横軸は光の波長を単位
nmで示し、縦軸は白反射率および黒反射率を%で示
す。青色領域として有効な波長領域をBを付したハッチ
ング領域で示し、緑色領域として有効な波長領域をGを
付したハッチング領域で示し、赤色領域として有効な波
長領域をRを付したハッチング領域で示す。また、それ
ぞれの液晶セルにおいて、200以上のコントラスが得
られる領域をバーで示す。なお、試作パネルの条件は以
下の通りである。
【0194】青色パネル 液晶材料 LC:MF−7024(メルク社製) セル厚 d :2μm 液晶配向軸(偏光板透過軸基準):110° 位相差板のリターデーション R:155nm×3枚
(2枚:12.5°、1枚:68.5゜)
【0195】緑色パネル 液晶材料 LC:MF−7024(メルク社製) セル厚 d :2μm 液晶配向軸(偏光板透過軸基準):110° 位相差板のリターデーション R:140nm×3枚
(2枚:13°、1枚:69.5゜)
【0196】赤色パネル 液晶材料 LC:MF−7024(メルク社製) セル厚 d :2μm 液晶配向軸(偏光板透過軸基準):110° 位相差板のリターデーション R:110nm×3枚
(2枚:13.5°、1枚:70.5゜)
【0197】液晶分子が垂直配向している時、入射光が
基板に垂直に入射すれば基板面内の方向に対して液晶層
の光学的異方性はない。しかしながら、入射光が斜め入
射すると、液晶分子が垂直配向していても入射方向に依
存した光学的異方性が生じる。すなわち、斜め入射光に
対しては、垂直配向した液晶層も斜め配向した液晶層と
同等となり、光学異方性を示す。この光学異方性による
リターデーションが黒レベルを持ち上げてしまうことに
なる。
【0198】図21(A)は、反射型液晶表示装置の1
色分の光学系の主要部を示す。クロスダイクロイックプ
リズムCDCの前面に楔プリズムWPが貼りつけられて
おり、入射光は楔プリズムWPの頂角と反対側(図中下
側)から入射する。クロスダイクロイックプリズムCV
Cの出射面には、偏光板1、λ/4板等の位相差板3、
1対の基板5、6間に液晶層7を挟んだ液晶パネル4が
積層配置されている。なお、図の構成においては背面側
基板6の裏面に反射面8が設けられている。
【0199】入射光は、楔プリズムWPで屈折した後、
クロスダイクロイックプリズム(CDC)を斜め下方か
ら斜め上方に向かって進行し、液晶層7に斜めに入射す
る。従って、液晶層7が垂直配向している時も入射光に
対して液晶層7がリターデーションを生じさせる。
【0200】図21(B)は、斜め入射光に対する液晶
層の発生するリターデーションを概略的に示す斜視図で
ある。液晶層7に対し、斜めに入射する入射光Lは、液
晶分子を斜め方向に横切ることになり、液晶分子の光学
異方性を感じる。従って、入射光Lを基板法線方向に沿
って射影した方向にリターデーションが発生する。この
リターデーションを相殺するためには、液晶のリターデ
ーションと直交する方向にリターデーション材を配置す
れば良い。このようなリターデーション材は、液晶層7
の配向を調整することにより、または別個のリターデー
ション材を積層することにより実現することもできる。
【0201】図21(C)は、液晶層7の配向を調整す
ることにより斜め入射光によるリターデーションを相殺
する場合を示す。液晶層7中の液晶分子7aを垂直配向
の状態から若干配向方向に傾いた状態7bとする。配向
方向を入射光の方向Lと直交させることにより、斜め入
射により生じるリターデーションを液晶分子の傾きによ
り相殺することができる。
【0202】図21(D)は、斜め入射によるリターデ
ーションを相殺するため、リターデーション板11を用
い、遅相軸を入射光Lの方向と直交させて配置した場合
を示す。リターデーション値を選択することにより、斜
め入射によるリターデーションを相殺することが可能と
なる。
【0203】上述の動作をシミュレーションによって確
認した。
【0204】図22(A)、22(B)は、シミュレー
ション結果を示すグラフである。
【0205】図22(A)は、液晶層が垂直配向してい
るとき、その液晶層に対し、斜め方向から光を入射し、
液晶セルに印加する電圧を操作した時の印加電圧に対す
る反射率R20の変化をシミュレートした結果を示す。
印加電圧が低い間は、液晶層は垂直配向しており、反射
率R20はほぼ0である。印加電圧を増大し、液晶層が
垂直配向からホモジニアス配向に変化し始めると、反射
率R20は増大し、やがて最大値を取る。図の構成にお
いては、印加電圧がさらに増大すると、反射率R20は
再び低下している。これは、ホモジニアス配向した液晶
層が位相差板の位相差と合わせ、再びλ/4板的に機能
するためと考えられる。
【0206】図22(A)の反射率カーブR20は、低
電圧領域でほぼ0のように見える。しかしながら、この
領域においても反射率は完全に0ではない。
【0207】図22(B)は、低反射率領域を拡大した
グラフである。なお、液晶層の配向方向は、入射光の進
行方向に対して直角となるように設定した。
【0208】反射率R21は、無電界の状態から低印加
電圧の領域においてほぼ0.001の反射率を示してい
る。しかしながら、印加電圧が約1.5Vを越えると、
反射率R21は低下し始め、印加電圧が約2.1V付近
で約0.0002以下の低い反射率を示している。
【0209】すなわち、印加電圧が閾値を若干越えた領
域において、液晶分子が垂直配向から倒れ始め、この配
向変化に伴うリターデーションが斜め入射によるリター
デーションを相殺しているものと考えられる。
【0210】図23(A)、23(B)は、上述の機構
を実際の反射型液晶表示装置で実現する構成例を示す。
【0211】図23(A)に示すように、偏光板1の背
面側にλ/4板等の位相差板3が配置され、さらにその
背面側に1対の基板5、6間に教示された液晶層7を有
する液晶パネル4が配置される。この構成例において
は、背面側基板6の内側表面上に反射面8が設けられて
いる。
【0212】液晶層7は、例えば垂直配向するメルク社
μF−7024を用い、4μmの厚さに設定する。基板
5、6表面に配向処理を行ない、液晶層が垂直配向から
倒れる方向を規定する。すなわち、図示の状態におい
て、光Lは斜め方向下方から液晶層7に入射し、斜め方
向上方に出射するように設定されている。液晶層7は、
紙面垂直方向に倒れるように配向される。
【0213】図23(B)は、図23(A)の主要構成
要素の方位関係を概略的に示す線図である。入射光L、
液晶層7の液晶分子の配向は、基板表面に射影した状態
で示す。入射光の方向L、λ/4板の遅相軸3、液晶層
の配向方向7、偏光板の偏光軸の方向1を重ねて示す。
図に示すように、液晶層7の配向方向は、光Lの進行方
向と直交するように設定され、そのリターデーションが
等しい値になるように設定される。なお、液晶のリター
デーションは、印加電圧により調整することができるた
め、斜め入射により発生するリターデーションと等しく
なるような電圧を選択すれば良い。
【0214】図24は、図23(A)の構成を用い、反
射率を測定した結果を示す。図中横軸は入射光の波長を
nmで示し、縦軸は反射率を任意単位で示す。曲線R2
2は、液晶層に電圧を印加しない状態の反射率を示す。
曲線R23は、液晶層に約2.28Vの電圧を印加した
状態の反射率を示す。液晶層に電圧を印加した時の反射
率R23は、明らかに電圧を印加しない時の反射率R2
2よりも低下している。特に、波長400nmから55
0nmの波長領域において反射率の低下が著しい。
【0215】液晶層に印加する電圧を変化させ反射率を
測定し、最適の電圧を選択することが望ましい。実際上
は、最適の電圧から0.1Vの範囲内、より好ましくは
±0.05Vの範囲内の電圧が印加されるようにするこ
とが望ましい。
【0216】図25は、弱いリターデーションを有する
膜によって斜め入射光によるリターデーションを補償す
る場合を示す。
【0217】図25(A)に示すように、液晶パネル構
成は、偏光板1の背面側に弱いリターデーションを有す
るリターデーション板11を配置し、その背面側にλ/
4板等の位相差板3を設け、その背面側に図24(A)
同様の液晶パネルを配置する。
【0218】図25(B)は、基板表面上に射影した時
の各リターデーションの関係を示す線図である。光Lの
進行方向に斜め入射によるリターデーション7が発生す
る。リターデーション板11は、液晶層7のリターデー
ションと直交する方向に遅相軸を有するように設定さ
れ、リターデーションの大きさは液晶層7のリターデー
ションと等しい大きさに設定する。
【0219】このような構成とすることにより、液晶層
7に電圧を印加しない状態で液晶分子が垂直配向してい
る時、光Lが斜め入射することによって生じるリターデ
ーションは、リターデーション板11のリターデーショ
ンにより相殺される。
【0220】外光を照明光として利用する直視型の反射
型液晶表示装置においては、コントラストよりも明るさ
が重要である。すなわち、最小反射率よりも最大反射率
が高くなることが望まれる。
【0221】また、直視型の液晶表示装置は、1枚パネ
ル構成であり、カラー表示の場合は液晶パネル中にカラ
ーフィルタを内蔵させてカラー表示を実現する。反射型
液晶表示装置においては、偏光板と液晶パネルとの間に
少なくとも1枚のλ/4位相差板を用いるが、位相差板
を色毎に異なるものとすることは困難である。従って、
1枚の位相差板で3色に対応させなければならない。
【0222】可視光領域の中心波長は、ほぼ550nm
と考えることができる。この中心波長550nmに対
し、λ/2となる光路長は約0.27μmであり、λ/
4となる光路長は約0.14μmである。位相差板とし
ては、0.1μmから0.3μmの範囲の位相差を示す
ものを用いる。好ましくは位相差が0.25μmから
0.29μmおよび0.13μmから0.15μmの位
相差板を用いる。これらの値のリターデーションを有す
る位相差板を、以下λ/2板、λ/4板と呼ぶ。
【0223】位相差板の波長分散を考慮し、偏光板と液
晶パネルとの間にλ/4板を1枚用いた構成、λ/2板
と、λ/4板をそれぞれ1枚用いた位相差板2枚の構
成、λ/2板1枚と、2枚のλ/4板を用いた位相差板
3枚の構成、λ/2板1枚と、λ/4板3枚を用いた位
相差板4枚の構成を用い、偏光板の偏光軸方向、位相差
板の遅相軸方向、液晶層の厚さ、液晶層のツイスト角を
種々に変更し、最大の反射率が得られる構成をシミュレ
ーションにより求めた。
【0224】図26は、セル厚に対する最大反射率が得
られるツイスト角を示すグラフである。横軸はセル厚を
μmで示し、縦軸はツイスト角を度で示す。なお、位相
差板の構成としては上述の1枚、2枚、3枚、4枚の構
成を考察した。
【0225】位相差板を1枚用いる構成においては、位
相差板の遅相軸の角度は、偏光軸に対し45度に設定し
た。位相差板2枚の構成においては、λ/2板の遅相軸
の方向を偏光板の偏光軸に対して17.5度に配置し、
λ/4板の遅相軸の角度を80度に設定した。位相差板
3枚の構成においては、λ/2板の遅相軸の角度を10
7.5度、λ/4板の遅相軸の角度を105度および1
50度に設定した。位相差板4枚の構成においては、λ
/2板の遅相軸の角度を110度に設定し、λ/4板の
遅相軸の角度を15度、175度、90度に設定した。
【0226】図26から明らかなように最大反射率が得
られるツイスト角は、セル厚依存性を示す。セル厚が約
3μm〜5μmの範囲においては、最大反射率が得られ
るツイスト角は約60度〜75度の範囲である。セル厚
が約3μm以上の領域においては、セル厚が減少すると
共に、最大反射率が得られるツイスト角も減少し、セル
厚2μmにおいては最大反射率の得られるツイスト角は
ほぼ0となる。
【0227】従来、直視型の反射型液晶表示装置の液晶
パネルに用いられているツイスト角は約90度であり、
図26に示す結果は、従来のツイスト角よりも小さなツ
イスト角の時に最大反射率が得られる可能性を示してい
る。特に、セル厚が約3μmよりも薄い場合には、ツイ
スト角は約60度以下が好ましい。
【0228】図27は、上述の4種類の構成における色
度特性を示す。図中横軸はx座標を示し、縦軸はy座標
を示す。図中、D65光源で得られる白点を×印で示
す。白点よりも上の方向が緑色に対応し、右下の方向が
赤色に対応し、左下の領域が青色に対応する。白抜きの
記号が明状態の色度座標を示し、中実の記号が暗状態の
色度座標を示す。
【0229】図27から、位相差板の枚数を増やすほど
無彩色な表示が得られることが分かる。
【0230】図26、図27を総合すると、位相差板の
枚数を増加すれば、良好な表示が得られることになる。
しかしながら、生産コスト、製造工程を考慮すると、位
相差板の枚数は少ないほど好ましい。最も現実的な構成
は、λ/4板を1枚、λ/2板を1枚用いる2枚位相差
板構成であろう。
【0231】位相差板を2枚(λ/2板1枚とλ/4板
1枚)用い、液晶層のセル厚を3μm〜5μmに設定
し、最大の反射率が得られる位相差板の遅相軸の角度、
偏光板の偏光軸の角度、液晶層の配向方向を調べた。λ
/2板のリターデーションは、270mnに設定し、λ
/4板のリターデーションは140nmに設定した。シ
ミュレーションの結果、液晶配向方向となす角度はλ/
2板の遅相軸の角度70度〜80度、λ/4板の遅相軸
の角度−40度〜−50度、偏光板の偏光軸の角度50
度〜60度が得られた。
【0232】なお、最適条件を取り、偏光板の偏光軸を
基準として表現しなおすと、λ/2板の遅相軸の角度は
約107.5度、λ/4板の遅相軸の角度は約−10度
となる。これも等価の方向に変換して表現し直すと、λ
/2板の遅相軸の角度θ1は17.5度、λ/4板の遅
相軸の角度θ2は80度となる。θ2=2θ1+45°の
関係となる。
【0233】以下、位相差板2枚(λ/2板1枚、λ/
4板枚)用いる条件で、液晶層の屈折率異方性Δnの波
長依存性と反射率の関係を検討した。用いた液晶層は、
波長550nmにおいて屈折率異方性Δnが0.04
8、0.068、0.088、0.103、0.118
の5種類である。さらに、波長650nmの屈折率異方
性Δn(650)に対する波長450nmでの屈折率異
方性Δn(450)の比Δn(450)/Δn(65
0)を種々に変更し、得られる最大反射率を調べた。
【0234】図28は、Δn(450)/Δn(65
0)に対する最大反射率Y(%)の関係を示すグラフで
ある。図中横軸はΔn(450)/Δn(650)を示
し、液晶層の屈折率異方性の波長分散を表す。縦軸の反
射率Yは、最大反射率が得られた時の値である。
【0235】図28に示すシミュレーション結果から、
波長550nmの屈折率異方性Δn(550)は、約
0.065〜0.070程度が好ましいであろう。この
時、液晶層の波長分散はあまり問題とならない。波長5
50nmの屈折率異方性Δn(550)が約0.1より
大きい場合、液晶層の波長分散が大きくなると、得られ
る最大反射率が低下する傾向が見られる。Δn(55
0)が約0.1以上の液晶層を用いる場合には、波長分
散の小さな材料を用いることが望ましいであろう。
【0236】図29(A)は、最大反射率が得られる時
のラビング角、ねじれ角の波長分散依存性を調べた結果
を示す。横軸は、Δn(450)/Δn(650)の波
長分散を示し、縦軸はねじれ角またはラビング角を度で
示す。本図に示した結果において特徴的なことは、ほぼ
全特性が横軸に平行なことである。すなわち、最大反射
率が得られるときのねじれ角およびラビング角は、Δn
(550)に依存するが、波長分散はほとんど依存しな
い。
【0237】図29(B)は、最大反射率のΔn(55
0)依存性を示すグラフである。横軸がΔn(550)
を示し、縦軸が得られる最大反射率(Y)を%で示す。
この図は、図29(A)のデータを組替えたものと考え
ることができる。
【0238】図から明らかなように、波長550nmで
の屈折率異方性Δn(550)が約0.1以下であれ
ば、高い反射率が得られ、明るい表示が実現できること
が分かる。
【0239】さらに、位相差板のリターデーションの波
長依存性と、色度特性について検討した。λ/2板およ
びλ/4板の波長550nmでのリターデーションをそ
れぞれ270nmおよび140nmに設定し、波長45
0nmと波長650nmでのリターデーション比をαと
し、αを変化させた場合の反射率および色度特性を調べ
た。
【0240】図30は、位相差板のリターデーション比
αに対する最適暗状態のY値を示す。横軸がλ/4板の
リターデーション比α(λ/4)を示し、縦軸が最適暗
状態のYを%で示す。なお、サンプルとしてλ/2板の
リターデーション比αが1、1.02、1.05、1.
07、1.1、1.12、1.15、1.17、1.2
のものを組み合わせた。
【0241】図から明らかなように、λ/4板およびλ
/2板のリターデーション比が1に近いほど(リターデ
ーション比が小さいほど)Y値が小さくなり、良好な黒
表示が得られることが分かる。
【0242】図31は、位相差板のリターデーション比
をパラメータとして示す色度座標のグラフである。横軸
がx座標を示し、縦軸がy座標を示す。λ/4板のリタ
ーデーション比は、右から左に向かうにしたがって大き
くなる。λ/2板のリターデーション比は、上方から下
方に向かうにしたがって大きくなる。これらの結果か
ら、波長分散が小さいほど暗状態の無彩色化が実現さ
れ、波長分散が大きくなるほど青色になることが分か
る。
【0243】図30、図31の結果から、位相差板のリ
ターデーションの波長依存性は小さいほど良いことが分
かる。
【0244】直視型の反射型液晶表示装置においては、
入射光の入射方向にかかわらず、明るい表示が観察者に
観察できることが望ましい。
【0245】図32は、簡単化した液晶パネルにおける
散乱角の影響を検討するための模式図である。
【0246】図に示すように、液晶パネルは1対の基板
5、6の間に液晶層7を挟持する。背面側基板6の内側
表面上に反射面8が形成され、入射光を反射するものと
する。前面側基板5の外側表面上に光散乱層13が配置
されているものとする。
【0247】光散乱層13は、厚さdSBを有し、屈折率
SBを有する。透明基板5は、厚さdGL、屈折率nGL
有する。液晶層7は、厚さ厚さdLC、屈折率nLCを有す
る。光散乱層13は、散乱幅θwを有するものとする。
観察者15の目は、角度δのボケを見込むとする。
【0248】反射型液晶表示装置の法線方向から画像の
ボケを見込む角度δは、以下のように表現できる。
【0249】
【数1】 δ=2tan-1[dLC・tan{sin-1(sinθW/nLC)}+dGL・ tan{sin-1(sinθw/nGL)}+dSB・tan{sin-1 (sinθw /nSB)}] (1) なお、dLC:液晶層の厚さ、dGL:透明基板の厚さ、d
SB光散乱層の厚さ、L:反射型液晶表示装置と観察者の
距離、nlc:液晶層の屈折率、nGL:透明基板の屈折
率、nSB:光散乱層の屈折率とする。
【0250】δが目の分解能δEYEよりも小さければ、
画像のボケは確認されなくなる。従って、ボケが発生し
始める散乱幅は以下のようになる。
【0251】
【数2】 θw=sin-1[n・sin{tan-1(L/{dLC+dGL+dSB} ・tan{δEYE/2})}] (2) ここで、簡単化のため、透明基板、散乱板、液晶層の屈
折率を全て屈折率nとした。典型的な例としてδEYE
LC、dGL、dSB、Lおよびnをそれぞれ1/60度、
4μm、0.7mm、100μm、40cmおよび1.
5とすると、(2)式よりθWは8度以上で画像のボケ
が発生することになる。この角度は、基板厚および屈折
率などにより若干変化する。この事情を考慮すると、散
乱特性の半値幅が10度以下である散乱板を用いること
により、画像ボケのない高画質な反射型液晶表示装置が
得られることになろう。
【0252】また、透明基板と液晶層の間、反射面の上
のいずれかに光散乱層を配置することにより、画像ボケ
のない高画質な反射型液晶表示装置が得られる。この場
合は、散乱幅を大きくしても画像のボケは発生しない。
【0253】光散乱層の代わりに反射面に光を拡散させ
る凹凸形状を設けることもできる。この場合は、反射面
と光散乱層が同一の層で構成されたと考えられる。この
場合も、散乱幅を大きくしても画像のボケは発生しな
い。
【0254】図33(A)は、直視型の反射型液晶表示
装置の基本構成を示す。偏光板1の背面側に2枚以上の
位相差板2,3a、〜3iが配置され、位相差板の背面
側に1対の基板5、6の間に液晶層7を挟持する液晶パ
ネルが配置される。背面側基板6の内側表面上には金属
等で形成された反射面8が形成されている。
【0255】図33(B)は、位相差板を1枚用いた時
の色度座標と、位相差板を2枚用いた時の色度座標を示
すグラフである。位相差板を1枚用いた時の明状態およ
び暗状態の色度座標と比べ、位相差板を2枚用いた時の
明状態および暗状態の色度座標は、白点により近づいた
状態となる。特に、暗状態の着色が抑制されている。位
相差板を2枚用いることにより、着色を抑制できること
が分かる。
【0256】なお、図33(B)のシミュレーション
は、λ/2板のリターデーションを0.27μm、λ/
4板のリターデーションを0.14μmとし、これら位
相差板の遅相軸が液晶配向方向となす角度を72.5
度、−45度に設定し、偏光板の透過軸の方向を55度
に設定した。
【0257】図34、図35は、図33(A)の構成に
加え、さらに光散乱層を用いた場合の構成例を示す。
【0258】図34においては、偏光板1の前面側に光
散乱層13が配置されている。上述のように、液晶パネ
ル外に配置される光散乱層13は、散乱幅10度以下を
有する。散乱幅を10度以下とすることにより、画像ボ
ケを抑制することができる。
【0259】図35の構成においては、液晶パネル内に
光散乱層が配置されている。図示の構成においては、前
面側基板5の内側表面上に光散乱層13が配置されてい
る。光散乱層が、反射面に極めて近い位置に配置されて
いるため、本構成の場合には散乱幅を制限する必要は必
ずしもない。
【0260】図36は、反射面と散乱面とを兼用する構
成を示す。本構成においては、背面側基板6の表面上に
形成される反射面形成用金属層8の表面を、不規則な反
射を発生させる凹凸面とした。金属層8は、反射面8お
よび散乱面13として機能する。この場合にも、散乱幅
を制限する必要は必ずしもない。
【0261】図37(A)〜37(C)は、より具体的
な反射型液晶表示装置の構成例を示す。
【0262】図37(A)においては、偏光板1の前面
側に光散乱層13が配置されている。また、液晶パネル
の前面側基板5の内側表面上には、赤R、緑G、青Bの
3色のカラーフィルタ15が形成され、その表面が透明
電極16で覆われている。
【0263】図37(B)の構成においては、光散乱層
13は、液晶パネルの前面側基板5の表面上に形成され
ている。この光散乱層13の上に、カラーフィルタ15
が形成され、さらにその上に透明電極16が形成されて
いる。
【0264】図37(C)の構成においては、液晶パネ
ルの背面側基板6の表面上に、反射面と散乱面を形成す
るための金属層8(13)が形成されている。前面側基
板5の内側表面上には、カラーフィタ層15が形成さ
れ、その表面を透明電極16が覆っている。
【0265】図37(A)〜37(C)の構成におい
て、位相差板は、1枚のλ/2板2と1枚以上のλ/4
板3a〜3iを含む。位相差板の枚数を増加することに
より、より良好な表示を実現することができるが、生産
コストは高くなる。
【0266】図37(A)の構成においては、液晶パネ
ル外に光散乱層13が配置されるため、散乱幅は10度
以内にすることが望ましい。
【0267】図37(B)、37(C)の構成において
は、散乱層は液晶パネル内に配置されているため、散乱
幅を特に制限する必要はない。
【0268】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、液
晶パネルの構成としてはアクティブマトリクス型の他、
種々の構成をとることができる。その他種々の変更、改
良、組み合わせが可能なことは当業者に自明であろう。
【0269】付 記 本発明の好ましい形態は以下の通りである。
【0270】(1)面内の基準方向に透過軸または吸収
軸を有し、前面側から入射する光を所定の直線偏光に変
換して背面側に出射することのできる偏光子と、前記偏
光子の背面側に配置され、前記基準方向に対して第1の
角度θ1 で配置された遅相軸または進相軸を有し、約λ
/2の位相差を形成する第1の位相差板と、前記第1の
位相差板の背面側に配置され、前記基準方向に対して第
2の角度θ2 で配置された遅相軸または進相軸を有し、
前記第2の角度θ2 が、θ2 =2θ1 +45°±3°の
範囲内であり、約λ/4〜約3λ/4の位相差を形成す
る第2の位相差板と、前記第2の位相差板の背面側に配
置され、一対の基板とその間に挟持された液晶層と反射
面とを有し、液晶層が電界の有無でホモジニアス配向と
垂直配向を選択的に形成することができ、前記基準方向
に対して第3の角度θ3 で配置された配向方向を有する
反射型液晶セルとを有する反射型液晶表示装置。
【0271】(2)前記第1の角度θ1 が14°±3°
である項1記載の反射型液晶表示装置。
【0272】(3)光分離器と赤、緑、青の液晶表示ユ
ニットを有し、各液晶表示ユニットが、面内の基準方向
に透過軸または吸収軸を有し、前面側から入射する光を
所定の直線偏光に変換して背面側に出射することのでき
る偏光子と、前記偏光子の背面側に配置され、前記基準
方向に対して第1の角度θ1 で配置された遅相軸または
進相軸を有し、約λ/2の位相差を形成する第1の位相
差板と、前記第1の位相差板の背面側に配置され、前記
基準方向に対して第2の角度θ2 で配置された遅相軸ま
たは進相軸を有し、前記第2の角度θ2 が、θ2 =2θ
1 +44°±1°の範囲内であり、約λ/4〜約3λ/
4の位相差を形成する第2の位相差板と、前記第2の位
相差板の背面側に配置され、一対の基板とその間に挟持
された液晶層と反射面とを有し、液晶層が電界の有無で
ホモジニアス配向と垂直配向を選択的に形成することが
でき、前記基準方向に対して第3の角度θ3 で配置され
た配向方向を有する反射型液晶セルとを有する反射型液
晶表示装置。
【0273】(4)前記赤の液晶表示ユニットが、頂角
8°±3°の楔形プリズムを含み、前記第1の角度θ1
が13.5°±1°の範囲内である項3記載の反射型液
晶表示装置。
【0274】(5)前記緑の液晶表示ユニットが、頂角
8°±3°の楔形プリズムを含み、前記第1の角度θ1
が13°±1°の範囲内である項3または4記載の反射
型液晶表示装置。
【0275】(6)前記青の液晶表示ユニットが、頂角
8°±3°の楔形プリズムを含み、前記第1の角度θ1
が12.5°±1°の範囲内である項3〜5のいずれか
に記載の反射型液晶表示装置。
【0276】(7)前記第2の位相差板の位相差が約λ
/4であり、前記液晶層がホモジニアス配向した時に形
成する位相差が約λ/4であり、前記第3の角度θ3
前記第2の角度θ2 とほぼ一致する項3〜6のいずれか
に記載の反射型液晶表示装置。
【0277】(8)前記第2の位相差板の位相差が約λ
/4であり、前記液晶層がホモジニアス配向した時に形
成する位相差が約3λ/4であり、前記第3の角度θ3
が前記第2の角度θ2 とほぼ直交する項3〜6のいずれ
かに記載の反射型液晶表示装置。
【0278】(9)前記第2の位相差板の位相差がλ/
4からずれており、前記第2の位相差板と前記液晶層と
が協同してλ/4板として機能できる項7または8記載
の反射型液晶表示装置。
【0279】(10)前記第1の位相差板が、前記第2
の位相差板と特性の等しい2枚の位相差板で形成されて
いる項7または8記載の反射型液晶表示装置。
【0280】(11)前記第2の角度θ2が、2θ1+4
4°より正または負に角度ずれしており、前記第3の角
度θ3が前記角度ずれによるリターデーション変動を打
ち消すことができる方向に選択されている項3に記載の
反射型液晶表示装置。
【0281】(12)前記角度ずれが正であり、前記第
3の角度θ3 が20°±20°の範囲内に選択されてい
る項11記載の反射型液晶表示装置。
【0282】(13)前記角度ずれが負であり、前記第
3の角度θ3 が110°±20°の範囲内に選択されて
いる項11記載の反射型液晶表示装置。
【0283】(14)面内の基準方向に透過軸または吸
収軸を有し、前面側から入射する光を所定の直線偏光に
変換して背面側に出射することのできる偏光子と、前記
偏光子の背面側に配置され、前記基準方向に対して第1
の角度θ1で配置された遅相軸または進相軸を有し、約
λ/2の位相差を形成する第1の位相差板と、前記第1
の位相差板の背面側に配置され、前記基準方向に対して
第2の角度θ2で配置された遅相軸または進相軸を有
し、約λ/4の位相差を形成する第2の位相差板と、前
記第2の位相差板の背面側に配置され、一対の基板とそ
の間に挟持された液晶層と反射面とを有し、液晶層が電
界の有無でホモジニアス配向と垂直配向を選択的に形成
することができ、前記基準方向に対して第3の角度θ3
で配置された配向方向を有し、前記液晶層がホモジニア
ス配向した時に形成する位相差が約λ/2であり、前記
第3の角度θ3 が、θ3 =2θ1 +44°±1°の範囲
内であり、前記第2の角度θ2 とほぼ直交する反射型液
晶セルとを有する反射型液晶表示装置。
【0284】(15)前記第1および第2の位相差板
が、ポリカーボネートまたは/およびポリビニールアル
コールで形成されている項1〜14のいずれかに記載の
反射型液晶表示装置。
【0285】(16)面内の基準方向に透過軸または吸
収軸を有し、前面側から入射する光を所定の直線偏光に
変換して背面側に出射することのできる偏光子と、前記
偏光子の背面側に配置され、前記基準方向に対して第1
の角度θ1 で配置された遅相軸または進相軸を有し、約
λ/2の位相差を形成する第1の位相差板と、前記第1
の位相差板の背面側に配置され、一対の基板とその間に
挟持された液晶層と反射面とを有し、液晶層が電界の有
無でホモジニアス配向と垂直配向を選択的に形成するこ
とができ、前記基準方向に対して第2の角度θ2で配置
された配向方向を有し、ホモジニアス配向された時、約
λ/4の位相差を形成し、第2の角度θ 2 がθ2 =2θ
1 +44°±1°を満たす液晶セルとを有する反射型液
晶表示装置。
【0286】(17)面内の基準方向に透過軸または吸
収軸を有し、前面側から入射する光を所定の直線偏光に
変換して背面側に出射することのできる偏光子と、前記
偏光子の背面側に配置され、前記基準方向に対して第1
の角度θ1で配置された遅相軸または進相軸を有し、約
λ/2の位相差を形成する第1の位相差板と、前記第1
の位相差板の背面側に配置され、前記基準方向に対して
第2の角度θ2で配置された遅相軸または進相軸を有
し、約λ/4の位相差を形成する第2の位相差板と、前
記第2の位相差板の背面側に配置され、一対の基板とそ
の間に挟持された液晶層と反射面とを有し、液晶層が電
界の有無でホモジニアス配向と垂直配向を選択的に形成
することができ、前記基準方向に対して第3の角度θ3
で配置された配向方向を有し、第3の角度θ3 が第1の
角度θ1と第2の角度θ2 の角度ずれによるリターデー
ション変動を補償できる角度に選択されている反射型液
晶セルとを有する反射型液晶表示装置。
【0287】(18)前記第2の角度θ2が、2θ1+4
4°より大きな角度に設定され、前記第3の角度θ3
20°±20°の範囲内に設定されている項17記載の
反射型液晶表示装置。
【0288】(19)前記第2の角度θ2が、2θ1+4
4°より小さな角度に設定され、前記第3の角度θ3
110°±20°の範囲内に設定されている項17記載
の反射型液晶表示装置。
【0289】(20)一対の基板とその間に挟持された
液晶層と反射面とを有し、液晶層が電界の有無でホモジ
ニアス配向と垂直配向を選択的に形成することができる
液晶パネルと、前記液晶パネルに斜め方向から光を入射
させる光学系とを有し、前記液晶パネルのホモジニアス
配向の配向方向が垂直配向された液晶層に光が斜めに入
射することによって生じるリターデーションを相殺でき
る方向に設定されている反射型液晶表示装置。
【0290】(21)前記光の入射方向と前記配向方向
とが、前記基板上に法線方向に沿って射影したとき直交
している項20記載の反射型液晶表示装置。
【0291】(22)一対の基板とその間に挟持された
液晶層と反射面とを有し、液晶層が電界の有無でホモジ
ニアス配向と垂直配向を選択的に形成することができる
液晶パネルと、前記液晶パネルに斜め方向から光を入射
させる光学系と、前記液晶パネルと前記光学系との間に
配置され、前記液晶層が垂直配向された時、入射光が液
晶層に斜めに入射することによって生じるリターデーシ
ョンを相殺できるリターデーションを有する位相差板と
を有する反射型液晶表示装置。
【0292】(23)前記光の入射方向と前記位相差板
の遅相軸とが、前記基板上に法線方向に沿って射影した
時直交している項22記載の反射型液晶表示装置。
【0293】(24)前記位相差板がトリアセチルセル
ロースまたはセルロースアセテートブチレートで形成さ
れている項22または23記載の反射型液晶表示装置。
【0294】(25)面内の第1の角度方向に透過軸ま
たは吸収軸を有し、前面側から入射する光を所定の直線
偏光に変換して背面側に出射することのできる偏光子
と、前記偏光子の背面側に配置され、面内の第2の角度
方向に配置された遅相軸または進相軸を有し、0.1μ
mから0.3μmの範囲内の第1の位相差を形成する第
1の位相差板と、前記第1の位相差板の背面側に配置さ
れ、面内の第3の角度方向に配置された遅相軸または進
相軸を有し、0.1μmから0.3μmの範囲内の第2
の位相差を形成する第2の位相差板と、前記第2の位相
差板の背面側に配置され、一対の基板とその間に挟持さ
れた液晶層と反射面とを有し、液晶層が無電界の時に0
°から80°の範囲内のツイスト角を有し、前記一対の
基板の一方が面内の第4の角度方向に配置された配向方
向を有する反射型液晶セルとを有する反射型液晶表示装
置。
【0295】(26)前記液晶層のツイスト角が60°
から75°の範囲内であり、前記第1、第2、第3の角
度方向が前記第4の角度方向となす角は、それぞれ50
°〜60°、70°〜80°、−40°〜−50°の範
囲内であり、前記第1、第2の位相差がそれぞれ0.2
5μm〜0.29μm、0.13μm〜0.15μmの
範囲内である項25記載の反射型液晶表示装置。
【0296】(27)さらに、前記一対の基板より前面
側に配置された光散乱層を有し、前記光散乱層の散乱特
性の半値幅は10°以内である項25または26記載の
反射型液晶表示装置。
【0297】(28)さらに、前記一対の基板の前面側
基板と前記反射面との間に配置された光散乱層を有する
項25または26記載の反射型液晶表示装置。
【0298】(29)前記反射面が光を拡散させる凹凸
面を有する項25または26記載の反射型液晶表示装
置。
【0299】(30)さらに、前記一対の基板の前面側
基板と前記反射層との間に配置されたカラーフィルタを
有する項25〜29のいずれかに記載の反射型液晶表示
装置。
【0300】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
優れた表示特性を有する反射型液晶表示装置が提供され
る。
【0301】投射型の反射型液晶表示装置においては、
黒表示の反射率を低下させ、コントラストを高く維持す
ることができる。
【0302】直視型の反射型液晶表示装置においては、
明るい表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するための液晶表示装置
の分解斜視図、概略側面図、グラフ、線図、および表で
ある。
【図2】投射型液晶表示装置の構成を概略的に示すブロ
ック図、斜視図、表である。
【図3】投射型液晶表示装置の構成を概略的に示す斜視
図、上面図、断面図である。
【図4】複数枚の位相差板を用いた時のリターデーショ
ンずれの影響を示すグラフ、およびその対策を講じる構
成例の概略側面図である。
【図5】従来技術による反射型液晶表示装置の構成およ
び機能を概略的に説明する分解斜視図、グラフである。
【図6】他の従来技術を説明するための概略斜視図およ
びグラフである。
【図7】従来技術による反射型液晶表示装置の構成を概
略的に示す分解側面図である。
【図8】位相差板の材料による波長特性を示すグラフで
ある。
【図9】本発明の実施例による液晶パネルの構成および
その機能を説明するための概略断面図および線図であ
る。
【図10】本発明の実施例による液晶表示装置の構成お
よび機能を概略的に説明するための線図である。
【図11】本発明の実施例による液晶表示装置の構成お
よび機能を概略的に説明するための線図である。
【図12】本発明の実施例による液晶表示装置の構成お
よび機能を概略的に説明するための線図である。
【図13】本発明の実施例による液晶表示装置の構成お
よび機能を概略的に説明するための線図である。
【図14】本発明の実施例による液晶表示装置の構成お
よび機能を概略的に説明するための線図である。
【図15】本発明の実施例による液晶表示装置の構成お
よび機能を概略的に説明するための線図である。
【図16】位相差板の角度ズレが生じた時の液晶層の配
向方向が黒輝度に与える影響を示すグラフである。
【図17】位相差板の角度ズレと黒輝度もしくは反射率
の関係を示すグラフである。
【図18】位相差板が角度ズレを生じた時の印加電圧に
対する黒輝度の関係を示すグラフである。
【図19】位相差板が角度ズレした時の液晶層の印加電
圧による修正を示す反射率のスペクトルである。
【図20】試作サンプルの反射率スペクトルを示すグラ
フである。
【図21】本発明の他の実施例による液晶表示装置の構
成を説明するための概略断面図および線図である。
【図22】図21の構成による反射率の印加電圧に対す
る関係を示すグラフである。
【図23】図21(C)に示す構成を実現した液晶表示
装置の構成を示す概略断面図および線図である。
【図24】図23の構成における反射率の例を示すグラ
フである。
【図25】図21(D)の構成を実現する液晶表示装置
の構成を概略的に示す断面図および線図である。
【図26】外光を利用した直視型反射型液晶表示装置に
おける最大反射率が得られるツイスト角とセル厚の関係
を示すグラフである。
【図27】図26の構成における色度座標を示すグラフ
である。
【図28】液晶層の波長分散に対する反射率の関係を示
すグラフである。
【図29】液晶層の屈折率異方性と反射率との関係を示
すグラフである。
【図30】位相差板の波長分散と暗状態の反射率の関係
を示すグラフである。
【図31】位相差板の波長分散と暗状態の色度座標を示
すグラフである。
【図32】光散乱板を用いた時の画像のボケを解析する
線図である。
【図33】反射型液晶表示装置の構成を概略的に示す側
面図および色度座標のグラフである。
【図34】光散乱層を備えた反射型液晶表示装置の構成
を概略的に示す分解側面図である。
【図35】光散乱層を備えた反射型液晶表示装置の構成
を概略的に示す分解側面図である。
【図36】光反射面が光散乱面を兼用する構成を有する
反射型液晶表示装置の分解側面図である。
【図37】反射型液晶表示装置の構成例を示す分解側面
図である。
【符号の説明】
1 偏光子 2 λ/2板 3 λ/4板 4 液晶パネル 5 前面側基板 6 背面側基板 7 液晶層 8 反射面 θ1 λ/2板の光学軸の角度 θ2 λ/4板の光学軸の角度 CDC クロスダイクロイックプリズム WP 楔プリズム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 雄一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 間山 剛宗 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 有竹 敬和 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 杉浦 規生 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 大室 克文 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2H091 FA08Z FA11X FA11Z FA14Y FA14Z FB02 FD01 FD06 FD07 GA06 LA16 LA17

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面内の基準方向に透過軸または吸収軸を
    有し、前面側から入射する光を所定の直線偏光に変換し
    て背面側に出射することのできる偏光子と、 前記偏光子の背面側に配置され、前記基準方向に対して
    第1の角度θ1 で配置された遅相軸または進相軸を有
    し、約λ/2の位相差を形成する第1の位相差板と、 前記第1の位相差板の背面側に配置され、前記基準方向
    に対して第2の角度θ 2 で配置された遅相軸または進相
    軸を有し、前記第2の角度θ2 が、θ2 =2θ 1 +45
    °±3°の範囲内であり、約λ/4〜約3λ/4の位相
    差を形成する第2の位相差板と、 前記第2の位相差板の背面側に配置され、一対の基板と
    その間に挟持された液晶層と反射面とを有し、液晶層が
    電界の有無でホモジニアス配向と垂直配向を選択的に形
    成することができ、前記基準方向に対して第3の角度θ
    3 で配置された配向方向を有する反射型液晶セルとを有
    する反射型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の角度θ1 が14°±3°であ
    る請求項1記載の反射型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 光分離器と赤、緑、青の液晶表示ユニッ
    トを有し、各液晶表示ユニットが、 面内の基準方向に透過軸または吸収軸を有し、前面側か
    ら入射する光を所定の直線偏光に変換して背面側に出射
    することのできる偏光子と、 前記偏光子の背面側に配置され、前記基準方向に対して
    第1の角度θ1 で配置された遅相軸または進相軸を有
    し、約λ/2の位相差を形成する第1の位相差板と、 前記第1の位相差板の背面側に配置され、前記基準方向
    に対して第2の角度θ 2 で配置された遅相軸または進相
    軸を有し、前記第2の角度θ2 が、θ2 =2θ 1 +44
    °±1°の範囲内であり、約λ/4〜約3λ/4の位相
    差を形成する第2の位相差板と、 前記第2の位相差板の背面側に配置され、一対の基板と
    その間に挟持された液晶層と反射面とを有し、液晶層が
    電界の有無でホモジニアス配向と垂直配向を選択的に形
    成することができ、前記基準方向に対して第3の角度θ
    3 で配置された配向方向を有する反射型液晶セルとを有
    する反射型液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記赤の液晶表示ユニットが、頂角8°
    ±3°の楔形プリズムを含み、前記第1の角度θ1 が1
    3.5°±1°の範囲内である請求項3記載の反射型液
    晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記緑の液晶表示ユニットが、頂角8°
    ±3°の楔形プリズムを含み、前記第1の角度θ1 が1
    3°±1°の範囲内である請求項3または4記載の反射
    型液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記青の液晶表示ユニットが、頂角8°
    ±3°の楔形プリズムを含み、前記第1の角度θ1 が1
    2.5°±1°の範囲内である請求項3〜5のいずれか
    に記載の反射型液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の位相差板の位相差が約λ/4
    であり、前記液晶層がホモジニアス配向した時に形成す
    る位相差が約λ/4であり、前記第3の角度θ3 が前記
    第2の角度θ2 とほぼ一致する請求項3〜6のいずれか
    に記載の反射型液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の位相差板の位相差が約λ/4
    であり、前記液晶層がホモジニアス配向した時に形成す
    る位相差が約3λ/4であり、前記第3の角度θ3 が前
    記第2の角度θ2 とほぼ直交する請求項3〜6のいずれ
    かに記載の反射型液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 前記第2の位相差板の位相差がλ/4か
    らずれており、前記第2の位相差板と前記液晶層とが協
    同してλ/4板として機能できる請求項7または8記載
    の反射型液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 前記第2の角度θ2が、2θ1+44°
    より正または負に角度ずれしており、前記第3の角度θ
    3が前記角度ずれによるリターデーション変動を打ち消
    すことができる方向に選択されている請求項3に記載の
    反射型液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 前記角度ずれが正であり、前記第3の
    角度θ3 が20°±20°の範囲内に選択されている請
    求項10記載の反射型液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 前記角度ずれが負であり、前記第3の
    角度θ3 が110°±20°の範囲内に選択されている
    請求項10記載の反射型液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 面内の基準方向に透過軸または吸収軸
    を有し、前面側から入射する光を所定の直線偏光に変換
    して背面側に出射することのできる偏光子と、 前記偏光子の背面側に配置され、前記基準方向に対して
    第1の角度θ1で配置された遅相軸または進相軸を有
    し、約λ/2の位相差を形成する第1の位相差板と、 前記第1の位相差板の背面側に配置され、前記基準方向
    に対して第2の角度θ 2で配置された遅相軸または進相
    軸を有し、約λ/4の位相差を形成する第2の位相差板
    と、 前記第2の位相差板の背面側に配置され、一対の基板と
    その間に挟持された液晶層と反射面とを有し、液晶層が
    電界の有無でホモジニアス配向と垂直配向を選択的に形
    成することができ、前記基準方向に対して第3の角度θ
    3で配置された配向方向を有し、前記液晶層がホモジニ
    アス配向した時に形成する位相差が約λ/2であり、前
    記第3の角度θ3 が、θ3 =2θ1 +44°±1°の範
    囲内であり、前記第2の角度θ2 とほぼ直交する反射型
    液晶セルとを有する反射型液晶表示装置。
  14. 【請求項14】 面内の基準方向に透過軸または吸収軸
    を有し、前面側から入射する光を所定の直線偏光に変換
    して背面側に出射することのできる偏光子と、 前記偏光子の背面側に配置され、前記基準方向に対して
    第1の角度θ1 で配置された遅相軸または進相軸を有
    し、約λ/2の位相差を形成する第1の位相差板と、 前記第1の位相差板の背面側に配置され、一対の基板と
    その間に挟持された液晶層と反射面とを有し、液晶層が
    電界の有無でホモジニアス配向と垂直配向を選択的に形
    成することができ、前記基準方向に対して第2の角度θ
    2で配置された配向方向を有し、ホモジニアス配向され
    た時、約λ/4の位相差を形成し、第2の角度θ2 がθ
    2 =2θ1 +44°±1°を満たす液晶セルとを有する
    反射型液晶表示装置。
  15. 【請求項15】 面内の基準方向に透過軸または吸収軸
    を有し、前面側から入射する光を所定の直線偏光に変換
    して背面側に出射することのできる偏光子と、 前記偏光子の背面側に配置され、前記基準方向に対して
    第1の角度θ1で配置された遅相軸または進相軸を有
    し、約λ/2の位相差を形成する第1の位相差板と、 前記第1の位相差板の背面側に配置され、前記基準方向
    に対して第2の角度θ 2で配置された遅相軸または進相
    軸を有し、約λ/4の位相差を形成する第2の位相差板
    と、 前記第2の位相差板の背面側に配置され、一対の基板と
    その間に挟持された液晶層と反射面とを有し、液晶層が
    電界の有無でホモジニアス配向と垂直配向を選択的に形
    成することができ、前記基準方向に対して第3の角度θ
    3 で配置された配向方向を有し、第3の角度θ3 が第1
    の角度θ1と第2の角度θ2 の角度ずれによるリターデ
    ーション変動を補償できる角度に選択されている反射型
    液晶セルとを有する反射型液晶表示装置。
  16. 【請求項16】 前記第2の角度θ2が、2θ1+44°
    より大きな角度に設定され、前記第3の角度θ3 が20
    °±20°の範囲内に設定されている請求項15記載の
    反射型液晶表示装置。
  17. 【請求項17】 前記第2の角度θ2が、2θ1+44°
    より小さな角度に設定され、前記第3の角度θ3 が11
    0°±20°の範囲内に設定されている請求項15記載
    の反射型液晶表示装置。
  18. 【請求項18】 一対の基板とその間に挟持された液晶
    層と反射面とを有し、液晶層が電界の有無でホモジニア
    ス配向と垂直配向を選択的に形成することができる液晶
    パネルと、 前記液晶パネルに斜め方向から光を入射させる光学系と
    を有し、前記液晶パネルのホモジニアス配向の配向方向
    が垂直配向された液晶層に光が斜めに入射することによ
    って生じるリターデーションを相殺できる方向に設定さ
    れている反射型液晶表示装置。
  19. 【請求項19】 一対の基板とその間に挟持された液晶
    層と反射面とを有し、液晶層が電界の有無でホモジニア
    ス配向と垂直配向を選択的に形成することができる液晶
    パネルと、 前記液晶パネルに斜め方向から光を入射させる光学系
    と、 前記液晶パネルと前記光学系との間に配置され、前記液
    晶層が垂直配向された時、入射光が液晶層に斜めに入射
    することによって生じるリターデーションを相殺できる
    リターデーションを有する位相差板とを有する反射型液
    晶表示装置。
  20. 【請求項20】 面内の第1の角度方向に透過軸または
    吸収軸を有し、前面側から入射する光を所定の直線偏光
    に変換して背面側に出射することのできる偏光子と、 前記偏光子の背面側に配置され、面内の第2の角度方向
    に配置された遅相軸または進相軸を有し、0.1μmか
    ら0.3μmの範囲内の第1の位相差を形成する第1の
    位相差板と、 前記第1の位相差板の背面側に配置され、面内の第3の
    角度方向に配置された遅相軸または進相軸を有し、0.
    1μmから0.3μmの範囲内の第2の位相差を形成す
    る第2の位相差板と、 前記第2の位相差板の背面側に配置され、一対の基板と
    その間に挟持された液晶層と反射面とを有し、液晶層が
    無電界の時に0°から80°の範囲内のツイスト角を有
    し、前記一対の基板の一方が面内の第4の角度方向に配
    置された配向方向を有する反射型液晶セルとを有する反
    射型液晶表示装置。
  21. 【請求項21】 前記液晶層のツイスト角が60°から
    75°の範囲内であり、前記第1、第2、第3の角度方
    向が前記第4の角度方向となす角は、それぞれ50°〜
    60°、70°〜80°、−40°〜−50°の範囲内
    であり、前記第1、第2の位相差がそれぞれ0.25μ
    m〜0.29μm、0.13μm〜0.15μmの範囲
    内である請求項20記載の反射型液晶表示装置。
  22. 【請求項22】 さらに、前記一対の基板より前面側に
    配置された光散乱層を有し、前記光散乱層の散乱特性の
    半値幅は10°以内である請求項20または21記載の
    反射型液晶表示装置。
  23. 【請求項23】 さらに、前記一対の基板の前面側基板
    と前記反射面との間に配置された光散乱層を有する請求
    項20または21記載の反射型液晶表示装置。
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