JP2005283416A - 摩耗試験装置およびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】試験体の摩耗状態を忠実に再現し、水利構造物躯体材料の摩耗特性、機能・性能低下の度合いを正確に把握する。
【解決手段】摩耗試験装置2は、試験体T1〜T6が装着され駆動モータ5により回転駆動される回転ドラム4と、回転ドラム4に装着されて回転される試験体T1〜T6に対して水流を噴射する噴射ノズル25を有する水流噴射装置6とを備えている。試験体T1〜T6には、水路の躯体を構成するコンクリート製材料が用いられる。噴射ノズル25は回転ドラム4内部の軸心側に配設され、試験体T1〜T6は摩耗試験面を内側に向け回転ドラム4の外周側に等間隔に取り付けられる。試験時には、回転ドラム4を駆動モータ5により回転駆動させ、噴射ノズル25により回転ドラム4に装着されて回転される試験体T1〜T6に対して水流を噴射し、水流による摩耗を促進させて摩耗状態を再現させるようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、水路における水利構造物の躯体を構成する材料を試験体として摩耗試験する摩耗試験装置およびその方法に関するものである。
近年、戦後急激に施工されてきた水路や水路トンネルが老朽化し、更新時期を迎えている。これら水利構造物の構造躯体に発生する主たる劣化は、水流による構造物表面の材料の摩耗である。すなわち、摩耗により表面に凹凸が発生し、粗度係数が低下することによって通水性能が低下する。これら摩耗による通水性能の低下を定量的に把握するには、水利構造物の躯体を構成する材料の摩耗特性を計測し、構造物の摩耗に対する抵抗性を把握しておく必要がある。
さらに、今後何年間機能および性能を維持し続けるか、あるいは、何年後にどの程度機能低下や性能低下を生じるかという情報についても試験により確認する必要が生じてきている。また、水利構造物表面の凹凸を平滑化する補修材料も市販されているが、これらの材料が水流による摩耗に対して何年間摩耗に有効か短期間のうちに評価できる摩耗試験が望まれている。
例えば、コンクリート製の水路では、水流による摩耗を受けた場合、図6に示すように、(1)表面付近のセメントペースト層M3が取り除かれ、(2)次に、コンクリートに含まれるセメントモルタル分M2が削り取られ、(3)コンクリート中にある粗骨材分M1が露出し、(4)粗骨材分M1が脱落する。これにより、(5)躯体の断面減少が生じ、(6)最終的には構造物としての機能および性能の低下に至る。
従来の摩耗試験装置およびその方法では、試験体にこの試験体より硬度の高い摩耗材(研磨紙、サンドペーパー、研磨材、研磨粉、摩耗輪、砥石、鋼製ブラシ、鋼製ワイヤー、鋼製びょう、スパイク)を押圧しつつ摩擦摺動させ、その質量の減少を計測する摩耗摺動試験装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、固定された試験体に固形物を圧搾空気で噴射し、その質量の減少を計測する摩耗摺動試験装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−145866号公報(第3頁、図1) 特開2000−171371(第4頁、図1)
しかしながら、上記従来の摩耗試験装置および摩耗試験方法では、試験体よりも硬質の摩耗材により摩耗を促進するようにしているため、試験対象となる材料の材質に関係なく表面から均等に摩耗が生じる。このため、水利構造物の躯体を構成する材料に対して、すなわち、コンクリートなどの土木材料に対して係る摩耗試験を実施した場合でも、材料は表面から均一に摩耗してしまい、図6に示すような、水路や水路トンネル等で実際に発生している表面の凹凸として表れる劣化減少を試験により忠実に再現できないという問題がある。さらに、一般的には材料の摩耗に対する抵抗性について、従来では摩耗試験前の材料の重量と、摩耗試験に供した後の重量とを比較し、質量の減少に着目して抵抗性の評価を行っていた。しかしながら、水路や水路トンネルなどの水利構造物の場合、抵抗性の評価についてはむしろ表面の凹凸による粗度係数の上昇が問題となるため、摩耗による凹凸の状態を計測しなければ、正確な評価を下せないという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、簡素な構成で水利構造物の通水表面における摩耗状態を簡易かつ短期間に忠実に再現することができ、試験体を定量的に計測して、水利構造物躯体材料の摩耗特性および水利構造物の機能低下、性能低下を正確に把握することができる摩耗試験装置およびその方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る摩耗試験装置は、試験体が装着され駆動手段により回転駆動される回転手段と、回転手段に装着されて回転される試験体に対して水流を噴射する噴射ノズルを有する水流噴射手段とを備えたものである。
本発明に係る摩耗試験装置では、試験体が装着され駆動手段により回転駆動される回転手段と、回転手段に装着されて回転される試験体に対して水流を噴射する噴射ノズルを有する水流噴射手段とを備えるようにしたので、実際の通水状態よりもっと速い速度で高圧の水流を試験体に当てることになり、その結果、試験体が実際の水路などで見られる摩耗状態を再現したものに近い形状で摩耗することになる。こうして、試験体に対して短時間で摩耗状態を忠実に再現したものに近い形状で摩耗させることができる。
また、請求項2に係る摩耗試験装置は、回転手段を、支持台に回動自在に軸支される回転ドラムにより構成し、試験体を、その試験面をこの回転ドラムの内外側のいずれか一方に向けて周方向に装着するように構成したものである。
請求項2に係る摩耗試験装置では、回転手段を、支持台に回動自在に軸支される回転ドラムにより構成し、試験体を、その試験面をこの回転ドラムの内外側のいずれか一方に向けて周方向に装着するように構成したので、噴射ノズルが固定されると、試験体に水流を均等に噴射することができ、摩耗の促進を安定化させることができる。また、試験体を回転ドラムの周方向に複数装着することができるので、複数の試験体の摩耗試験を同時に行うことができる。
さらに、請求項3に係る摩耗試験装置は、噴射ノズルを、試験体の試験面に対する噴射角度と噴射方向とのうち少なくともいずれか一方を調整可能に設けたものである。
請求項3に係る摩耗試験装置では、噴射ノズルを、試験体の試験面に対する噴射角度と噴射方向とのうち少なくともいずれか一方を調整可能に設けたので、摩耗試験の条件をきめ細かく設定して試験を行うことができる。
請求項4に係る摩耗試験装置は、試験体を試験面が内側に向くよう回転ドラムの外周側に沿って装着し、噴射ノズルを回転ドラム内部の軸心側に配置したものである。
請求項4に係る摩耗試験装置では、試験体を試験面が内側に向くよう回転ドラムの外周側に沿って装着し、噴射ノズルを回転ドラム内部の軸心側に配置したので、噴射した水流の飛散を抑え、噴射処理後の水の回収がし易くなるので、装置をコンパクト化することができる。また、試験体を回転ドラムに容易に取り付け取り外しすることができる。
請求項5に係る摩耗試験装置は、回転ドラムの軸心に一端が閉塞され他端から高圧水が供給される管を貫通させ、この管に回転ドラムの外側に向かって高圧水を噴射する噴射ノズルを設けたものである。
請求項5に係る摩耗試験装置では、回転ドラムの軸心に一端が閉塞され他端から高圧水が供給される管を貫通させ、この管に回転ドラムの外側に向かって高圧水を噴射する噴射ノズルを設けたので、噴射ノズルと試験体との距離を常に一定に保つことができ、かつ、噴射する方向を確実に試験体に向けることができるので、回転ドラムの回転速度と噴射される水圧と水量とを調整するだけで、きめ細かい摩耗条件を設定することができる。
請求項6に係る摩耗試験装置は、回転ドラムが、連結ロッドにより連結される円形側板と、これら連結ロッド間に設けられ試験体が着脱自在に装着される装着部とを備えるようにしたものである。
請求項6に係る摩耗試験装置では、回転ドラムは、連結ロッドにより連結される円形側板と、これら連結ロッド間に設けられ試験体が着脱自在に装着される装着部とを備えるようにしたので、回転ドラムを軽量化することができ、装置がコンパクト化される。
本発明に係る摩耗試験方法は、試験体を回転手段に装着し、この回転手段を駆動手段により回転駆動させ、水流噴射手段により回転手段に装着されて回転される試験体に対して水流を噴射し、水流による摩耗を促進させて摩耗状態を再現させるようにしたものである。
本発明に係る摩耗試験方法では、試験体を回転手段に装着し、この回転手段を駆動手段により回転駆動させ、水流噴射手段により回転手段に装着されて回転される試験体に対して水流を噴射し、水流による摩耗を促進させて摩耗状態を再現させるようにしたので、実際の通水状態よりもっと速い速度で高圧の水流を試験体に当て、試験体を実際の水路などで見られる摩耗状態を再現したものに近い形状で摩耗させ、試験体に対して短時間で摩耗状態を忠実に再現したものに近い形状で摩耗させることができる。このため、簡単な操作で試験体に対して短時間で摩耗状態を忠実に再現させることができる。
請求項8に係る摩耗試験方法は、非接触式三次元デジタイザにより試験体の摩耗状態を非接触により計測するようにしたものである。
請求項8に係る摩耗試験方法では、非接触式三次元デジタイザにより試験体の摩耗状態を非接触により計測するようにしたので、試験体の摩耗状態を調べる際、質量や体積を測定することができない場合でも、非接触で測定することができる。
本発明に係る摩耗試験装置では、試験体が装着され駆動手段により回転駆動される回転手段と、回転手段に装着されて回転される試験体に対して水流を噴射する噴射ノズルを有する水流噴射手段とを備えるようにしているので、簡素な構成で試験体の通水側表面における摩耗状態を短時間で忠実に再現することができる。このため、試験体に水利構造物躯体材料を用いると、試験体を定量的に計測して、水利構造物躯体材料の摩耗特性および水利構造物の機能低下、性能低下を正確に把握することができる
また、本発明に係る摩耗試験方法では、試験体を回転手段に装着し、この回転手段を駆動手段により回転駆動させ、水流噴射手段により回転手段に装着されて回転される試験体に対して水流を噴射し、水流による摩耗を促進させて摩耗状態を再現させるようにしているので、簡単な操作で水利構造物の通水側表面における摩耗状態を簡易かつ短期間に忠実に再現することができる。
水利構造物の通水表面における摩耗状態を忠実に再現するという目的を、試験体が装着されモータにより回転駆動される回転ドラムと、回転ドラムに装着されて回転される試験体に対して水流を噴射する噴射ノズルを有する水流噴射装置とを設けるとともに、この試験体を水路における水利構造物の躯体をなす材料により構成し、試験時には、この試験体を回転ドラムに装着し、この回転ドラムをモータにより回転駆動させ、水流噴射装置により回転ドラムに装着されて回転される試験体に対して水流を噴射し、水流による摩耗を促進させ摩耗状態を再現させることにより実現した。試験時、実際の通水状態よりもっと速い速度で高圧の水流を試験体に当て、試験体を、実際の水路などで見られる摩耗状態を再現したものに近い形状に短時間で摩耗させ、試験体に摩耗状態を再現させるようにしている。
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1および図2はそれぞれ、本実施の形態に係る摩耗試験装置全体を示す概略図および同装置の要部を示す正面図である。本実施の形態に係る摩耗試験装置2は、図1および図2に示すように、支持台3に回動自在に軸支され試験体T1〜T6が装着される回転ドラム(回転手段)4と、この回転ドラム4を回転駆動させる駆動モータ(駆動手段)5と、この回転ドラム4に装着された試験体T1〜T6に対して水流を噴出する高圧水噴射装置(水流噴射手段)6とを備えている。試験体T1〜T6は、複数の水利構造物の構造躯体を構成する材料、すなわち、コンクリート製水路を構成する材料であるコンクリート片からなっている。ここでいう試験体T1〜T6としてのコンクリート片は、図6に示すように、粗骨材分M1およびセメントモルタル分M2を含み、表面にセメントペースト層M3が形成されたコンクリート躯体をいう。試験体T1〜T6は矩形の板状またはブロック状に形が整えられる。
支持台3には、図3に示すように、一対の支持脚7、8が立設される。支持脚7、8の上端部には、中空の横軸9A、9Bがプランマブロック7A、8Aにより同一軸線上で回動自在に支持される。回転ドラム4は、一対の円形側板10、11と、これら両側板10、11間を連結する連結ロッド18と、連結ロッド18間に設けられ試験体T1〜T6が着脱自在に装着される支持金具(装着部)12A〜12Fとを備えている。円形側板10、11にはそれぞれ中心孔15が形成され、外側にボス部10A、11Aが設けられる。円形側板10、11のボス部10A、11Aにはそれぞれ、横軸9A、9Bの一端が接続される。こうして回転ドラム4は、支持脚7、8に中空の横軸9A、9Bを介して回動自在に支持されるようになっている。一方の横軸9Aは他端がプランマブロック7Aを貫通して外側に突出し、この突出端には、プーリ13が取り付けられる。このプーリ13には、後述する駆動モータ5の駆動伝達ベルト14が巻回され、駆動モータ5の回転駆動力が回転ドラム4に伝達される。駆動伝達ベルト14は、2本のゴム製Vベルトからなり、駆動モータ5の駆動力を安定して回転ドラム4に伝達するようになっている。駆動モータ5は図示しない制御装置に接続され、回転駆動力を調整し、回転ドラム4の回転速度を制御することができるようになっている。
支持金具12A〜12Fは、図5に示すように、両側板10、11間の外周側に、周方向に等間隔で6箇所、中心からの距離を等しくして設けられる。支持金具12A〜12Fは、四角形状の上下の枠で試験体T1〜T6の四辺を挟んで固定するようになっており、試験体T1〜T6の表面、すなわち、コンクリートペースト層M3を回転ドラム4の内側に向けて試験体T1〜T6を取り付けるようになっている。各円形側板10、11の下側にはそれぞれ、回転ドラム4と試験体T1〜T6との重量を支持するため、一対のベアリング16A、16B、17A、17Bが設けられる。
試験体T1〜T6は、支持金具12A〜12Fにより回転ドラム4の周方向に等間隔で中心からの距離を等しくして設けられているので、回転ドラム4の回転時、軸心から同一の距離で回転される。このため、軸心の固定側から水流が噴射されるといずれの試験体T1〜T6も均等に水流の噴射を受けるようになっている。また、試験体T1〜T6を回転ドラム4の周方向に複数装着することができるので、複数の試験体T1〜T6の摩耗試験を同時に行うことができるようになっている。回転ドラム4は、支持金具12A〜12Fが外周側に設けられているので、試験体T1〜T6を外部から回転ドラム4に容易に取り付け取り外しすることができる。
支持台3には、回転ドラム4の軸方向で支持脚7、8の外側に支柱20、21が立設される。これら支柱20、21の上端部には、耐圧管(管)22が横軸9A、9B、中心孔15、15を貫通して取り付けられる。耐圧管22は、一端22Aが閉塞され他端開口22Bが耐圧ホース24を介して高圧水供給部23に接続され、高圧水が導入される。耐圧管22には、両側板10、11間の略中央に噴射ノズル25が設けられる。この噴射ノズル25は回転ドラム4の内側から外側に向けて径方向に高圧水を扇状に均等に噴出させ、図4に示すように、所定の範囲Aに噴出させるようになっている。噴射ノズル25の噴射角度は、例えば、15°、25°、40°といった所望の角度に設定できる。なお、ここでいう噴射角度は噴射口を起点とする周方向の噴射の広がりをいう。また、この噴射ノズル25は噴出口の方向を傾斜させることができるようになっている。ここでいう噴射方向は、回転ドラム4の径方向に対する傾きをいう。このため、噴射角度だけでなく噴射方向も変えることができる。
高圧水供給部23は、水圧を所望の圧力に調整して高圧水を外部に供給する。これら高圧水供給部23、耐圧ホース24、耐圧管22および噴射ノズル25により高圧水噴射装置6を構成している。支持台3には、回転ドラム4の上部を覆うカバー(図示せず)が設けられ、噴射された水流の飛散を防ぐようになっている。
噴射ノズル25は、試験体T1〜T6の摩耗面に対する噴射角度や噴射方向が調整可能に設けられているので、摩耗試験の条件をきめ細かく設定して試験を行うことができる。また、試験体T1〜T6を摩耗試験面が内側に向くよう回転ドラム4の外周側に沿って装着し、噴射ノズル25を回転ドラム4の軸心側に配置しているので、摩耗の促進が安定化されるとともに、噴射した水流の飛散を抑え、噴射処理後の水の回収がし易くなる。このため、装置をコンパクト化することができる。さらに、噴射ノズル25を、回転ドラム4の軸心側の耐圧管22に固定して設け、回転ドラム4の外側に向かって高圧水を噴射させるようにしているので、噴射ノズル25と試験体T1〜T6との距離を常に一定に保つことができ、かつ、噴射する方向を確実に試験体T1〜T6に向けることができるので、回転ドラム4の回転速度と噴射される水圧や水量を調整するだけで、きめ細かい摩耗条件を設定することができる。
摩耗試験装置2による摩耗試験後、試験体T1〜T6の質量や体積を測定することができない場合、試験体T1〜T6の摩耗量の計測に図示しない非接触式三次元デジタライザを使用して計測を行うようになっている。このため、試験体T1〜T6に接触することなく摩耗量を計測することができる。
次に、本発明に係る摩耗試験方法について上記実施例に係る摩耗試験装置2の作用に基づいて説明する。まず、摩耗試験を行う試験体T1〜T6を試験面を内側に向けて回転ドラム4の支持金具12A〜12Fに装着する。試験体T1〜T6は、水利構造物に用いられる材料で、例えば、農業用水路を構成するコンクリートや補修材料からなるものである。次に、試験体T1〜T6が水利構造物の躯体として用いられる予定の水路の状況に応じて、噴射圧力、噴射水量、噴射角度、噴射方向、噴射時間(回転ドラム4の回転速度と噴射継続時間)等の試験条件を予め見当をつけて設定するとともに、これら試験条件を記録する。これら試験条件のうち必要な条件については試験中も継続して記録される。試験条件が設定されると、試験条件に基づいて駆動モータ5を駆動させ、回転ドラム4を一定の回転速度で回転させるとともに、高圧水供給部23を動作させ噴射ノズル25から回転する試験体T1〜T6の内側面、すなわち、摩耗試験面に対して設定された水圧、水量、噴射角度および噴射方向で水流を噴射させる。支持金具12A〜12Fは回転ドラム4の周方向に等間隔で軸心からの距離が等しく設けられているので、試験体T1〜T6はどれも噴射ノズル25から噴射される水流を均等に受ける。こうして、試験体T1〜T6の摩耗試験面には、試験時間の経過とともに実際の通水状態よりももっと速い速度で高圧の水流が当たることになる。その結果、試験体が実際の水路などで見られる摩耗状態を再現したものに近い形状で摩耗することになり、摩耗が促進される。こうして、試験体は短時間で摩耗状態を忠実に再現したものに近い形状で摩耗させられる。
本発明に係る摩耗試験方法では、水を噴射させるようにしているので、試験体T1〜T6の摩耗は、図6に示す過程で進んでゆく。すなわち、試験体T1〜T6はいずれも、コンクリート躯体の一部であり、粗骨材分M1およびセメントモルタル分M2を含み、表面にセメントペースト層M3が形成されている点で共通している。例えば、図6に示すある種の試験体T1のセメントペースト層M3に、水流が噴射されると(図6のS1参照)、時間の経過とともに、まずセメントペースト層M3が取り除かれ、コンクリートに含まれるモルタル分M2が表面側から削り取られる(図6のS2参照)。さらに、モルタル分M2が削り取られると、コンクリート中の粗骨材分M1が露出する状態となる(図6のS3参照)。さらに水流の噴射に曝されると、粗骨材分M1が脱落してしまう(図6のS4参照)。こうして、躯体の断面減少が生じ(図6のS5参照)、摩耗後躯体厚を計測すると、計測された摩耗後躯体厚から構造躯体としての機能低下・性能低下の度合いが判明する。試験終了後の試験体T1〜T6の質量や体積の測定が不可能な場合、非接触式三次元デジタライザ(図示せず)を使用して計測を行うようになっている。このように、本発明に係る試験方法では、実際の通水状態よりももっと速い速度で高圧の水流が当たることにより、試験体が実際の水路などで見られる摩耗状態を再現したものに近い形状で摩耗することになり、摩耗が促進される。こうして、試験体は短時間で実際の水路などで見られる摩耗状態を忠実に再現したものに近い形状で摩耗させられる。このため、水路における水利構造物の躯体を構成する材料に対して短時間で摩耗状態を忠実に再現することができる。
摩耗試験では、試験条件が試験時間とともに記録される。このため、水利構造物に用いられる材料(水路を構成するコンクリートやその補修材料)の耐摩耗性に関する性能の比較評価が可能となる。また、実際の水利構造物の摩耗状態を再現できる試験条件(噴射圧力、噴射水量、噴射時間の記録等)を調べることができるので、当該水利構造物の今後の摩耗に関する余寿命の予測や、補修・改修を行った際の効果を定量的に予測することが可能になる。さらに、水利構造物に特有の摩耗状態を再現することができるため、劣化過程(図6のS1〜S5)毎の機能に関する情報を入手することが可能となる。すなわち、図6の場合を例にとると、S1、S3およびS5の各状態における水理性能(粗度係数などの計測により行う)の比較や、S1およびS5の各状態における構造性能(曲げ強度などの計測により行う)の比較も可能となる。
このように、本発明に係る試験方法では、従来の摩耗促進試験が、試験体を硬質の摩耗材(研磨材、砥石、ブラシ)により摩耗を促進させ、試験体の材料の材質に関係なく表面から均等に摩耗を生じさせているのに対し、水利構造物の摩耗試験に水を用いて水利構造物に特有の摩耗状態を再現することが、すなわち、躯体を構成する材料の中で、比較的軟質のものから選択的に摩耗を受け、硬質のものは摩耗せずに脱落してゆくという過程により生じる特有の摩耗状態を再現することができる。また、水利構造物に特有の摩耗状態を再現することで、その試験条件から試験対象となる材料の摩耗特性を計測することができるので、例えば、試験対象となる材料の試験時間と摩耗量(質量、体積)との関係を計測した場合、同じ環境条件における摩耗に対する抵抗性を予測することができる。
なお、高圧水噴射装置6の高圧水供給部23は、一般に用いられている高圧洗浄機を利用してもよい。また試験条件である高圧水流の噴射圧力や噴射水量を変更することにより摩耗速度を変えることができる。
上記実施例の構成と略同一の摩耗試験装置を製作し、実際に試験を行った。試験では、圧縮強度約35N/mmのコンクリート板を、噴射圧力4.9MPa、噴射水量24.1L/min、噴射角度40°の試験条件で、連続45分間の噴射時間で1〜2mm程度、連続60分間の噴射時間で2〜3mm程度の摩耗状態が得られることを確認した。
なお、上記実施の形態では、回転ドラム4の軸心を横方向としているがこれに限られるものではなく、上下方向としてもよいことはいうまでもない。回転ドラム4の外周側に試験体T1〜T6の摩耗試験面を内側に向け、噴射ノズル25を回転ドラム4の軸心側から試験体T1〜T6に向けて水流を噴出させるようにしているが、これに限られるものではなく、回転ドラムの外周側に試験体T1〜T6の摩耗試験面を外側に向けて装着し、噴射ノズルを回転ドラムの外側から試験体に向けるようにしてもよい。また、回転手段を、回転ドラムに代えて、回転駆動軸に取り付けられた円形板により構成し、この円形板の少なくとも一面に周方向に沿って試験体を装着し、この円形板の試験体装着面に向き合うように噴射ノズルを設置するようにしてもよい。また、回転手段は、回転ドラムや円形板等の回転体に限られるものではなく、固定側の噴射ノズルに対し、所定時間毎に噴射を受けることのできる移動体であればよい。さらに、噴射する高圧水に砂等の固形物を混入させ摩耗促進効果を高めてもよい。
本発明の一実施の形態に係る摩耗試験装置全体を示す概略図である。(実施例1) 図1の摩耗試験装置の回転ドラムと駆動モータとを示す正面図である。 図1の摩耗試験装置の回転ドラムと噴射ノズルを示す側面図である。 図1の摩耗試験装置の試験状態を示す説明図である 回転ドラムの装着部を示す説明図である。 コンクリート製水路の構造躯体を構成する材料が水流による摩耗によって劣化する過程を示す概略図である。
符号の説明
2 摩耗試験装置
4 回転ドラム(回転手段)
5 駆動モータ(駆動手段)
6 水流噴射装置(水流噴射手段)
25 噴射ノズル
T1〜T6 試験体

Claims (8)

  1. 試験体が装着され駆動手段により回転駆動される回転手段と、回転手段に装着されて回転される試験体に対して水流を噴射する噴射ノズルを有する水流噴射手段とを備えたことを特徴とする摩耗試験装置。
  2. 回転手段を、支持台に回動自在に軸支される回転ドラムにより構成し、試験体を、その試験面をこの回転ドラムの内外側のいずれか一方に向けて周方向に装着するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の摩耗試験装置。
  3. 噴射ノズルを、試験体の試験面に対する噴射角度と噴射方向とのうち少なくともいずれか一方を調整可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載の摩耗試験装置。
  4. 試験体を試験面が内側に向くよう回転ドラムの外周側に沿って装着し、噴射ノズルを回転ドラム内部の軸心側に配置したことを特徴とする請求項2または3に記載の摩耗試験装置。
  5. 回転ドラムの軸心に一端が閉塞され他端から高圧水が供給される管を貫通させ、この管に回転ドラムの外側に向かって高圧水を噴射する噴射ノズルを設けたことを特徴とする請求項4に記載の摩耗試験装置。
  6. 回転ドラムは、連結ロッドにより連結される円形側板と、これら連結ロッド間に設けられ試験体が着脱自在に装着される装着部とを備えることを特徴とする請求項5に記載の摩耗試験装置。
  7. 試験体を回転手段に装着し、この回転手段を駆動手段により回転駆動させ、水流噴射手段により回転手段に装着されて回転される試験体に対して水流を噴射し、水流による摩耗を促進させて摩耗状態を再現させることを特徴とする摩耗試験方法。
  8. 非接触式三次元デジタイザにより試験体の摩耗状態を非接触により計測することを特徴とする請求項7に記載の摩耗試験方法。
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