JP2723381B2 - アブレーシブ・エロージョン試験装置 - Google Patents

アブレーシブ・エロージョン試験装置

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JP2723381B2
JP2723381B2 JP3143107A JP14310791A JP2723381B2 JP 2723381 B2 JP2723381 B2 JP 2723381B2 JP 3143107 A JP3143107 A JP 3143107A JP 14310791 A JP14310791 A JP 14310791A JP 2723381 B2 JP2723381 B2 JP 2723381B2
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erosion test
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正弘 齋藤
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、構造物の土砂流による
磨耗・損傷を定量的に評価するアブレーシブ・エロージ
ョン試験装置に関する。 【0002】 【従来の技術】土砂の多い河川に建設された水力発電所
において、洪水吐・排砂門などのコンクリート構造物
や、鉄管、水車、あるいはバルブ等の流路鋼構造物は、
噴流土砂による磨耗・損傷を受けやすい。その結果、流
路面の磨耗・損傷等により水車効率の低下や、補修のた
め長期的な設備稼働停止による著しい稼働率低下を招く
ことがある。従って、水力発電所において、周期的ある
いは突発的に繰り返される設備補修による損失の低減は
重要な課題である。 【0003】このような土石流による水力設備の磨耗・
損傷は、清流河川の多い日本ではあまり深刻な例は見ら
れないが、インド、中国、東南アジア、南米諸国では数
か月に一回程度、水車の補修不能による発電所の閉鎖等
が発生し、対策に苦慮しているのが実情である。 【0004】しかしながら、この分野における既設発電
所の保守技術については、未だ全般的に確立されたもの
がなく、耐磨耗性技術に対する要求が強い。このような
背景から、水力設備の耐土砂磨耗技術の確立を計るため
の研究開発が鋭意進められている。 【0005】水車構造物の土砂流による磨耗・損傷を実
験的に評価する方法は、最も基本的で重要な事項であ
り、従来から種々の評価手法が提案されている。これに
は乾式と湿式の2通りの評価方法がある。 【0006】乾式によるエロージョン試験方法として
は、「肉盛溶射(鋼)製品試験方法」(JIS-H8664 )、
「肉盛溶接金属のブラスト・エロージョン特性」(伊藤
他、溶接学会論文集、第8 巻第2 号、236〜241 、199
0)、「コーティングプロセス選択のための材料評価研
究(第一報)」(高橋他、溶接学会全国大会講演概要、
40、198 〜199 、1987)、「金属溶射被膜のブラスト・
エロージョン特性」(伊藤他、溶接学会論文集、第8巻
第3号、419 〜426、1990)等がある。また、湿式によ
るエロージョン試験、すなわちアブレーシブ・エロージ
ョン試験方法としては、「湿式土砂磨耗の評価法」(福
本他、溶接学会論文集、第5巻第3号、385〜、198
7)、「砂に対する鋼、鋳鉄、アルミニウム及び黄銅の
消耗について」(辻他、東京工業高等専門学校研究報告
書、第16号、19〜22)等がある。 【0007】これらの方法の実機適用に際しては、種々
のプロセスによって製作された材料を適確に評価する必
要があるが、それらの評価方法や評価試験装置について
も、統一的な指針や確立された方法は未だ明らかになっ
ていない。従って、耐土砂磨耗材料の開発にあたって
は、耐土砂磨耗特性を評価する試験装置の開発および土
砂磨耗評価試験方法の確立が急務である。 【0008】次に、従来のアブレーシブ・エロージョン
試験装置の構成例を、図10および図11を参照して説
明する。 【0009】図10は攪拌式アブレーシブ・エロージョ
ン試験装置を示すもので、1はモータ、2は変速レバ
ー、3はギヤーボックス、4は水密カバー、5は主軸、
6は水槽、7は攪拌スクリュー、8はスイッチ、9は水
槽6の周囲に取り付けた冷却管、10は支柱、11はベ
ースを示す。 【0010】アブレーシブ・エロージョン試験は水Wと
研磨材Gの混合水を充填した水槽6内にて行われる。こ
の場合、水槽6内にはアイスキャンデー型の試験片Tを
主軸5にバランス良く取付け、水Wと研磨材Gを試験条
件に従って混合投入する。その後、試験中に混合水が飛
び出さないように水密カバー4で防護し、変速ギヤーを
回転試験速度に設定する。設定後、スイッチ8を投入し
てモータ1を回転させ、その回転をギヤーボックス3に
て水平回転に変換し、主軸5を介して試験片Tに回転を
伝達する。このとき、研磨材Gは水槽6の下部に堆積す
る傾向があるため攪拌スクリュー7にて攪拌し、水槽6
内に存在する研磨材Gと水Wの混合状態を均一化する。 【0011】アブレーシブ・エロージョン試験時間は任
意に設定可能であるが、試験時間が長くなるにつれてア
イスキャンデー型試験片Tと研磨材Gおよび水Wとの接
触や衝突により熱が発生し、冷却しない場合には、温度
が60℃以上となることがある。このように試験条件が試
験開始時期と異なってくると、試験結果に微妙な影響を
与える。そこで、水槽6の外部に冷却管9を設け、冷却
水を流すようにしている。 【0012】試験終了後、装置からアイスキャンデー型
の試験片Tを取出し、乾燥して水分を除去する。その
後、微小な重量変化を求めるために、電子天秤にて試験
片Tの重量を測定し、磨耗・損傷量を求める。 【0013】このような構成の従来の攪拌式アブレーシ
ブ・エロージョン試験装置については、次のような問題
点が指摘されている。 【0014】(1) 試験片の表面に対する磨耗状態の
均等化が良くない。すなわち、試験片は回転方向の一面
だけが磨耗・損傷を受け、他の部位は健全である。その
結果は試験結果に大きな影響を与え、各種材料を比較す
る上で有意差の判断が困難となる場合がある。特に、角
度依存性を持つ材料については定量的な評価が不可能で
ある。 【0015】(2) 最近の傾向として、試験材料に機
械加工が困難なセラミックスを用いる場合が増加してい
るが、その場合、アイスキャンデー型試験片の製作が困
難である。 【0016】(3) 攪拌式アブレーシブ・エロージョ
ン試験装置の流速はモータ1の回転数およびギヤーボッ
クス3の変速比によって決まるが、現状の装置性能はた
かだか10m/sec 程度である。そのため、水車構造物を模
擬した部位は限定され、水車構造物を対象とした評価試
験ができない。 【0017】(4) 攪拌式アブレーシブ・エロージョ
ン試験装置は閉ループのため、長時間試験を継続する
と、アイスキャンデー型試験片Tと研磨材Gおよび水W
との接触や衝突により研磨材Gの粒子形状が微小になっ
たり、試験片Tが磨耗・損傷して不純物が増加し、試験
開始初期の混合条件と異なってくる。このため、定量的
な評価試験ができない。 【0018】(5) 研磨材Gと水Wの混合水は攪拌式
アブレーシブ・エロージョン試験装置の水槽自体を磨耗
・損傷させ、装置の信頼性を低下させる。 【0019】図11は閉ループ方式の噴射式アブレーシ
ブ・エロージョン試験装置の従来例を示すもので、水槽
6の上部に設けたワーク槽12内には噴射ノズル13と
試験片Tが所定の角度で対向して配置されており、噴射
ノズル13には圧縮空気源14が連結されている。ま
た、水槽6の下端と噴射ノズル13の間を連結する配管
15の途中にはスラリーポンプ16が介挿されている。 【0020】上記構成の噴射式アブレーシブ・エロージ
ョン試験装置においては、水Wと研磨材Gを水槽6にて
攪拌混合し、この混合水を土砂流Sとしてスラリーポン
プ16によって汲み上げ、圧縮空気源14からの圧縮空
気により試験片Tに噴射させる。 【0021】しかしながら、このような閉ループ方式の
噴射式アブレーシブ・エロージョン試験装置には、次の
ような問題点がある。 【0022】(1) 水と研磨材が混合した土砂流S
が、アブレーシブ・エロージョン試験装置のスラリーポ
ンプ16、配管15内等の流路面を通過するため、装置
自体の磨耗・損傷が大きい。 【0023】(2) 装置の損傷あるいは研磨材の粒子
形状変化が大きいため、土砂流Sの噴射速度をあまり高
速にすることができない。 【0024】(3) 圧縮空気により土砂流Sを試験片
Tに噴射するため、土砂流には空気が混入し、土砂流が
衝突した試験片Tの表面では、キャビテーションが発生
する。従って、得られた試験結果には、土砂磨耗特性に
キャビテーション特性が重畳するため、真の土砂磨耗特
性を求められない。 【0025】 【発明が解決しようとする課題】上述のように、水車構
造物の土砂による磨耗・損傷は、水車効率の低下や設備
稼働率の低下を招き、機器としての機能および信頼性を
著しく阻害するため、水車構造物の磨耗・損傷を低下さ
せる材料の開発、材料開発を支援する評価方法、および
定量的に評価できるアブレーシブ・エロージョン試験装
置の早急な開発が望まれている。 【0026】この場合、解決すべき課題として、次のよ
うな要望が出されている。 【0027】(1) 水車構造物の対象範囲を大きくす
るため、低流速から高流速の試験が任意に設定可能であ
ること。 【0028】(2) 高圧水と研磨材の混合量を定量的
にし、研磨材の混合量を水に対して任意に調整可能であ
ること。 【0029】(3) 試験片への噴射角度、噴射流速、
噴射面積、噴射量などが任意に設定可能であり、かつ、
これらの条件は試験中に常に安定であること。 【0030】(4) 試験条件を常に一定にするため、
ノズル自体の磨耗・損傷を防止できること。 【0031】(5) 高圧噴流水へ均一に研磨材を混入
する方法、および試験片と研磨材、水との接触や衝突に
より研磨材の粒子形状が微小になったりせず、常に一定
の試験条件にて試験が可能なこと。 【0032】(6) 土砂流に空気が混入するとキャビ
テーションが発生し、磨耗・損傷に重畳した試験結果と
なるため、土砂流への空気の混入を避ける方式であるこ
と。しかしながら、従来のアブレーシブ・エロージョン
試験装置においては、試験装置が閉ループの場合は、試
験を長時間継続すると、試験片と研磨材および水との接
触や衝突によって研磨材の粒子形状が微小になったり、
試験片の磨耗・損傷に伴う不純物が増加し、試験開始初
期の混合条件と異なってくるので、定量的な評価試験が
できない。また、閉ループの試験装置において土砂流を
高速にすると、研磨材およびアブレーシブ・エロージョ
ン試験装置の流路面自体が極めて短時間に磨耗・損傷す
るため、装置の信頼性が低下し、評価試験を完遂するこ
とができない。さらには、土砂流に空気が混入するた
め、土砂磨耗特性とキャビテーション特性が重畳した評
価結果になるという問題点を有している。 【0033】本発明者は、このような問題を解決するた
め、高圧水と研磨材を定量的に混合し低速から高速の任
意の速度の土砂流として基材模擬試験片に噴射するミキ
シングノズルを備えたアブレーシブ・エロージョン試験
装置を案出した。この装置は、前述した問題をすべて解
決するものではあるが、実験の結果、研磨材自体が湿気
を含んでいたり、あるいはミキシングノズルの内面が結
露していると、研磨材がいわゆるブリッジ現象を起こし
てしまい、ノズル内で詰まりを生ずるという問題を起こ
すことが判明した。本発明は、上述した(1)〜(6)
の問題の解決をはかるとともに、ノズル内での研磨材の
詰まりの問題を解消したアブレーシブ・エロージョン試
験装置を提供することを目的とするものである。 【0034】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のアブレーシブ・エロージョン試験装置は、
高圧水と研磨材を定量的に混合し低速から高速の任意の
速度の土砂流として基材模擬試験片に噴射するミキシン
グノズルを備え構造物の土砂流による磨耗・損傷特性を
評価するアブレーシブ・エロージョン試験装置におい
て、前記ミキシングノズルに研磨材の吸湿による詰まり
を防止するためのヒータを配設したことを特徴としてい
る。なお、上記構成のうち、望ましい実施態様は次のと
おりである。 【0035】ミキシングノズル材料にセラミックスを用
いたアブレーシブ・エロージョン試験装置である。 【0036】ミキシングノズルにヒーターを内蔵させた
アブレーシブ・エロージョン試験装置である。 【0037】高圧水と研磨材を定量的に混合する手段と
して、研磨材をスクリューフィーダーに自然落下させる
ツインホッパーと、ミキシングノズルへ研磨材を供給す
る渦巻き状ツインスクリューフィーダーを設けたアブレ
ーシブ・エロージョン試験装置である。 【0038】一度使用した土砂流を再使用せず、直接装
置外部へ排泄する開ループとしたアブレーシブ・エロー
ジョン試験装置である。 【0039】ホッパーから減量した研磨材の量を定量的
に測定するディジタル電子天秤をホッパーの下に設けた
アブレーシブ・エロージョン試験装置である。 【0040】 【作用】本発明のアブレーシブ・エロージョン試験装置
は、高圧水と研磨材を定量的に混合し、低速から高速の
土砂流を基材模擬試験片に噴射するミキシングノズルを
有するので、研磨材はミキシングノズルの入り口直前に
て高圧水と混合して試験片に噴射され、土砂流への空気
の混入がなくなり、キャビテーションの発生が防止され
る。また、高速土砂流がアブレーシブ・エロージョン試
験装置の流路面を通過しないため、高速土砂流によるア
ブレーシブ・エロージョン試験装置流路面自体の磨耗・
損傷も防止できる。特に、本発明においては、ミキシン
グノズルに研磨材の吸湿を防ぐヒータを配設したので、
研磨材が適温に加熱され、研磨材自体が湿気をもった
り、あるいはミキシングノズル内面の結露により研磨材
が詰まりを起こすようなことがなくなる。 【0041】 【実施例】次に、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。 【0042】図1、図2は本発明のアブレーシブ・エロ
ージョン試験装置の実施例を示すもので、制御盤20、
一対のツインホッパー21a,21b、フィーダーモー
タ22a,22b、電子天秤23a,23b、ツインス
クリューフィーダー24a,24b、ミキシングノズル
25、ワーク槽26、電源ボックス27、非常停止スイ
ッチ28、排圧レバー29、ディジタル圧力計30、低
圧圧力調整器31l、中圧圧力調整器31m、高圧圧力
調整器31h、低速送水レバー32l、中圧送水レバー
32m、高圧送水レバー32h、フレーム33、モータ
34、高圧ポンプ35、Vベルト36、低圧ポンプ3
7、および水ノズル38等から構成されており、高圧ポ
ンプ35および低圧ポンプ37と水ノズル38との間は
配水管(図示せず)によって連結されている。また、水
ノズル38は、図3に示すように、ミキシングノズル2
5の中央に、適度のギャップをおいて配置固定されてい
る。このような構成の本発明の試験装置において、アブ
レーシブ・エロージョン試験を行う場合には、試験片T
をワーク槽26内に所定の試験角度にてセットし、電源
ボックス27のスイッチを入れる。次に、研磨材Gをツ
インホッパー21a,21bに適量ずつ投入し、低圧圧
力調整器31l、中圧圧力調整器31m、高圧圧力調整
器31h、低速送水レバー32l、中圧送水レバー32
m、高圧送水レバー32hにて試験圧力を設定し、制御
盤20のスイッチを入れ、ツインスクリューフィーダー
24a,24bの出口まで研磨材Gを移動させる。研磨
材Gの高圧水への混合量はフィーダーモータ22a,2
2bの回転数を増減することにより行う。 【0043】このようにして試験準備が完了したら、制
御盤20のスイッチを入れ、アブレーシブ・エロージョ
ン試験を開始する。図3に示すように、水ノズル38か
ら噴射される高圧水Wと、ツインスクリューフィーダー
24a,24bから供給される研磨材Gはミキシングノ
ズル25の入り口手前にて混合されて高速の土砂流Sと
なり、ミキシングノズル25の先端より試験片Tに噴射
される。試験片Tに噴射された土砂流Sはワーク槽26
の下部を通過し、装置外部へ排泄される。 【0044】なお、高圧ポンプ35と低圧ポンプ37の
使い分けはアブレーシブ・エロージョン試験の噴射速度
に応じて行われる。すなわち、噴射速度10〜40 m/Sec程
度までのアブレーシブ・エロージョン試験には低圧ポン
プ37を用い、噴射速度30〜100 m/Sec までの試験には
高圧ポンプ35を用いる。これによって、広範囲な噴射
試験速度による評価が可能となる。 【0045】図3は本発明のミキシングノズル部におけ
る高圧水Wと研磨材Gの混合方法を示すもので、水ノズ
ル38内を流過する高速の高圧水Wによりミキシングノ
ズル25内は負圧となり、左右のツインスクリューフィ
ーダー24a,24bから自然落下した研磨材Gが吸引
され、水ノズル38から放出された高圧水Wと混合し、
混合水となって試験片Tの表面へ噴射される。 【0046】このように、本発明においては、ミキシン
グノズル25にて高圧水Wと研磨材Gを混合するように
したので、高速土砂流Sによるアブレーシブ・エロージ
ョン試験装置の流路面の磨耗・損傷を防止することがで
きる。なお、上記実施例において、左右一対のツインス
クリューフィーダー24a,24bを用いたのは、ミキ
シングノズル25における混合に際して、研磨材Gが高
圧水Wへ定量的に、かつ均一に分散することを狙ったか
らである。 【0047】本実施例においては、ミキシングノズル2
5の材質としてセラミックス材料を用いている。これ
は、図4に示すように、セラミックス材料は金属材料に
比べて耐土砂磨耗特性が良く、かつ入射角度の依存性が
少いため、ノズルのような低入射角の部位に適用するの
が効果的であるからである。 【0048】図5は、本発明の特徴とするミキシングノ
ズル25の外面に巻装したヒータ40を示したものであ
る。このヒータ40の存在により、本発明のアブレーシ
ブ・エロージョン試験装置では、アブレーシブ・エロー
ジョン試験に用いられる研磨材が適温に加熱され、研磨
材G自体が湿気をもったり、あるいはミキシングノズル
の内面の結露により研磨材Gが詰まりを起こすようなこ
とはない。 【0049】図6は、上記実施例において、ミキシング
ノズル25の口径と噴射流量の関係を、低圧ポンプ37
および高圧ポンプ35のポンプ圧力を20kg/ cm2 から
80kg/ cm2 まで変化させた場合について示すもので、
ミキシングノズル25の口径が大きくなると、同じポン
プ圧力においても噴射流量が増加する。また、ミキシン
グノズル25の口径が一定の場合、圧力の増加と共に噴
射流量が増加する。しかしながら、ミキシングノズル2
5の口径が大きくなると試験片に噴射される混合液の面
積が大きくなり、その流速分布は図7のようにピークを
持つ。従って、試験片表面において均一な流速分布を示
す口径のミキシングノズル25を用いて土砂磨耗試験を
行えば、定量的で精度の良い評価試験を行うことができ
る。 【0050】図7の例では、ミキシングノズル25の口
径がφ2.34のとき、最も均一な流速分布を示しい
る。このとき、水の流量Q(l/min)と流速V( m/Se
c)は、一般的な水力学の式で表わせば、次式で示され
る。 【0051】 Q=0.66CD2 (4P) 1/2 ………(式1) V=14P1/2 ………(式2) 但し、P:圧力(kg/ cm2 )、D:ミキシングノズル
径、C:係数ミキシングノズル25から噴射された高速
の土砂流Sの流速は試験片Tに向かうにつれて次第に減
速する。図8はミキシングノズル25の出口でのノズル
流速と試験片Tの表面における試験片表面流速の関係
を、ノズルと試験片の距離をパラメータとして示してい
る。試験流速は試験片表面の流速で設定する必要がある
ため、本発明においては、これらの較正曲線を用いて設
定する。 【0052】図9は本発明の他の実施例を示すもので、
アブレーシブ・エロージョン試験装置41の噴射速度、
高圧水量、研磨材量、試験時間などの試験条件を制御盤
に内蔵したコンピュータ42にて設定し、試験片の設定
後、試験が完了するまで全ての工程を自動的に実行し、
かつ必要な表示43を行うものである。また、長時間の
試験においては、左右のホッパーに投入した研磨材の量
が低下すると、高圧水との混合割合が不均一となり、試
験精度や信頼性が低下する恐れがあるので、左右のホッ
パーの下部にディジタル式の電子天秤を取り付けて研磨
材の量を常時監視し、低下した場合はアラーム44を発
生して試験中の状態を作業者に知らせ、適確な処置を講
ずることができるようにシステム化されている。 【0053】なお、上記実施例においては、試験片Tの
材料として、Ni基合金、Co基合金、W合金、セラミ
ックスの内から選択されたいずれかの材料を用いた。ま
た、試験片Tの表面にAl2 3 、ZrO2 、Y
2 3 、Cr2 O3 、TiC、TiN、TiCN、Zr
N、SiC、Si3 4 、SUS304、8YZ、MC
rAlYのいずれかのコーティングを施したものを用い
た。これらのコーティング材料は溶射、レーザ照射、湿
式メッキ、蒸着、塗装のいずれかの施行方法を用いてコ
ーティングされた。 【0054】このように種々の基材、種々のコーティン
グ材料、種々のコーティング施工法によって試験片を製
作し、夫々のアブレーシブ・エロージョン試験を実施し
て評価試験法を確立した結果、定量的で精度の良い構造
物の磨耗・損傷評価が可能となった。 【0055】 【発明の効果】以上のように、本発明においては、高圧
水と研磨材を定量的に混合し、高速の土砂流を基材模擬
試験片に噴射するミキシングノズルを設けることによ
り、高圧水と研磨材をミキシングノズルの入り口直前に
て混合して試験片に噴射するため、土砂流への空気の混
入を防ぎ、キャビテーション発生を防止できる。また高
速土砂流がアブレーシブ・エロージョン試験装置の流路
面を通過しないため、アブレーシブ・エロージョン試験
装置自体の流路面の磨耗・損傷を防止できる。 【0056】従って、噴射試験速度を10 m/Sec程度の
低速から、従来行われていなかった100 m/Sec程度の
高速まで任意に選定でき、水車構造物の広範囲な部位の
耐土砂磨耗特性を評価でき、最適な材料選択、材料開発
により、水車構造物の長寿命化、高信頼性化に寄与する
ことができる。 【0057】また、ミキシングノズルにヒータを配設し
たので、湿気や配管の結露による研磨材の吸水が防止さ
れ、研磨材のミキシンブノズルへの詰まりがなくなるの
で、装置の長寿命化、試験精度の向上による高信頼性化
を図ることができる。さらに、ヒーター内蔵のセラミッ
クスを用いた場合には、金属に比べてアブレーシブ・エ
ロージヨン特性が優れているため、ミキシングノズル自
体の噴流土砂流による磨粍・損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のアブレーシブ・エロージョン試験装置
を示す正面図である。 【図2】本発明のアブレーシブ・エロージョン試験装置
を示す平面図である。 【図3】本発明のアブレーシブ・エロージョン試験装置
における高圧水と研磨材の混合状態を示すミキシングノ
ズル部分の断面図である。 【図4】本発明のアブレーシブ・エロージョン試験装置
におけるミキシングノズル材料に用いたセラミックスの
耐土砂磨耗特性を示すグラフである。 【図5】本発明のアブレーシブ・エロージョン試験装置
において、ミキシングノズルにヒータを巻いた例を示す
説明図である。 【図6】ミキシングノズルの口径と噴射流量の関係を示
す較正曲線図である。 【図7】ノズルより噴射した噴流水がノズル径を変える
ことによって発生する試験片表面における流速分布図で
ある。 【図8】ノズル流速と試験片表面流速の関係を示す較正
曲線図である。 【図9】本発明の他の実施例を示す説明図である。 【図10】従来の攪拌式アブレーシブ・エロージョン試
験装置の説明図である。 【図11】従来の閉ループ方式の噴射式アブレーシブ・
エロージョン試験装置を示す説明図である。 【符号の説明】 1………モータ 2………変速レバー 3………ギヤボックス 4………水密カバー 5………主軸 6………水槽 7………攪拌スクリュー 8………スイッチ 9………冷却管 10………支柱 11………ベース 12………ワーク槽 13………噴射ノズル 14………圧縮空気源 15………配管 16………スラリーポンプ 20………制御盤 21a,21b…ツインホッパー 22a,22b…フィーダーモータ 23a,23b…電子天秤 24a,24b…ツインスクリューフィーダー 25………ミキシングノズル 26………ワーク槽 27………電源ボックス 28………非常停止スイッチ 29………排圧レバー 30………ディジタル圧力計 31l,31m,31h…圧力調整器 32l,32m,32h…送水レバー 33………フレーム 34………モータ 35………高圧ポンプ 36………ベルト 37………低圧ポンプ 38………水ノズル 40………ヒーター 41………コンピュータ 42………アブレーシブ・エロージョン試験装置 T………試験片 W………水 G………研磨材 S………土砂流(混合水)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】高圧水と研磨材を定量的に混合し低速から高速の任意の
    速度の土砂流として基材模擬試験片に噴射するミキシン
    グノズルを備え構造物の土砂流による磨耗・損傷特性を
    評価する アブレーシブ・エロージョン試験装置におい
    て、前記ミキシングノズルにヒータを配設したことを特
    徴とする構造物の土砂流による磨耗・損傷特性を評価す
    アブレーシブ・エロージョン試験装置。
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