JPH04366747A - アブレーシブ・エロージョン試験装置 - Google Patents

アブレーシブ・エロージョン試験装置

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JPH04366747A
JPH04366747A JP3143107A JP14310791A JPH04366747A JP H04366747 A JPH04366747 A JP H04366747A JP 3143107 A JP3143107 A JP 3143107A JP 14310791 A JP14310791 A JP 14310791A JP H04366747 A JPH04366747 A JP H04366747A
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abrasive
test
water
test piece
sediment
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Masahiro Saito
正弘 齋藤
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造物の土砂流による
磨耗・損傷を定量的に評価するアブレーシブ・エロージ
ョン試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】土砂の多い河川に建設された水力発電所
において、洪水吐・排砂門などのコンクリート構造物や
、鉄管、水車、あるいはバルブ等の流路鋼構造物は、噴
流土砂による磨耗・損傷を受けやすい。その結果、流路
面の磨耗・損傷等により水車効率の低下や、補修のため
長期的な設備稼働停止による著しい稼働率低下を招くこ
とがある。従って、水力発電所において、周期的あるい
は突発的に繰り返される設備補修による損失の低減は重
要な課題である。
【0003】このような土石流による水力設備の磨耗・
損傷は、清流河川の多い日本ではあまり深刻な例は見ら
れないが、インド、中国、東南アジア、南米諸国では数
か月に一回程度、水車の補修不能による発電所の閉鎖等
が発生し、対策に苦慮しているのが実情である。
【0004】しかしながら、この分野における既設発電
所の保守技術については、未だ全般的に確立されたもの
がなく、耐磨耗性技術に対する要求が強い。このような
背景から、水力設備の耐土砂磨耗技術の確立を計るため
の研究開発が鋭意進められている。
【0005】水車構造物の土砂流による磨耗・損傷を実
験的に評価する方法は、最も基本的で重要な事項であり
、従来から種々の評価手法が提案されている。これには
乾式と湿式の2通りの評価方法がある。
【0006】乾式によるエロージョン試験方法としては
、「肉盛溶射(鋼)製品試験方法」(JIS−H866
4 )、「肉盛溶接金属のブラスト・エロージョン特性
」(伊藤他、溶接学会論文集、第8 巻第2 号、23
6〜241 、1990)、「コーティングプロセス選
択のための材料評価研究(第一報)」(高橋他、溶接学
会全国大会講演概要、40、198 〜199 、19
87)、「金属溶射被膜のブラスト・エロージョン特性
」(伊藤他、溶接学会論文集、第8巻第3号、419 
〜426、1990)等がある。また、湿式によるエロ
ージョン試験、すなわちアブレーシブ・エロージョン試
験方法としては、「湿式土砂磨耗の評価法」(福本他、
溶接学会論文集、第5巻第3号、385〜、1987)
、「砂に対する鋼、鋳鉄、アルミニウム及び黄銅の消耗
について」(辻他、東京工業高等専門学校研究報告書、
第16号、19〜22)等がある。
【0007】これらの方法の実機適用に際しては、種々
のプロセスによって製作された材料を適確に評価する必
要があるが、それらの評価方法や評価試験装置について
も、統一的な指針や確立された方法は未だ明らかになっ
ていない。従って、耐土砂磨耗材料の開発にあたっては
、耐土砂磨耗特性を評価する試験装置の開発および土砂
磨耗評価試験方法の確立が急務である。
【0008】次に、従来のアブレーシブ・エロージョン
試験装置の構成例を、図10および図11を参照して説
明する。
【0009】図10は攪拌式アブレーシブ・エロージョ
ン試験装置を示すもので、1はモータ、2は変速レバー
、3はギヤーボックス、4は水密カバー、5は主軸、6
は水槽、7は攪拌スクリュー、8はスイッチ、9は水槽
6の周囲に取り付けた冷却管、10は支柱、11はベー
スを示す。
【0010】アブレーシブ・エロージョン試験は水Wと
研磨材Gの混合水を充填した水槽6内にて行われる。こ
の場合、水槽6内にはアイスキャンデー型の試験片Tを
主軸5にバランス良く取付け、水Wと研磨材Gを試験条
件に従って混合投入する。その後、試験中に混合水が飛
び出さないように水密カバー4で防護し、変速ギヤーを
回転試験速度に設定する。設定後、スイッチ8を投入し
てモータ1を回転させ、その回転をギヤーボックス3に
て水平回転に変換し、主軸5を介して試験片Tに回転を
伝達する。このとき、研磨材Gは水槽6の下部に堆積す
る傾向があるため攪拌スクリュー7にて攪拌し、水槽6
内に存在する研磨材Gと水Wの混合状態を均一化する。
【0011】アブレーシブ・エロージョン試験時間は任
意に設定可能であるが、試験時間が長くなるにつれてア
イスキャンデー型試験片Tと研磨材Gおよび水Wとの接
触や衝突により熱が発生し、冷却しない場合には、温度
が60℃以上となることがある。このように試験条件が
試験開始時期と異なってくると、試験結果に微妙な影響
を与える。そこで、水槽6の外部に冷却管9を設け、冷
却水を流すようにしている。
【0012】試験終了後、装置からアイスキャンデー型
の試験片Tを取出し、乾燥して水分を除去する。その後
、微小な重量変化を求めるために、電子天秤にて試験片
Tの重量を測定し、磨耗・損傷量を求める。
【0013】このような構成の従来の攪拌式アブレーシ
ブ・エロージョン試験装置については、次のような問題
点が指摘されている。
【0014】(1)  試験片の表面に対する磨耗状態
の均等化が良くない。すなわち、試験片は回転方向の一
面だけが磨耗・損傷を受け、他の部位は健全である。そ
の結果は試験結果に大きな影響を与え、各種材料を比較
する上で有意差の判断が困難となる場合がある。特に、
角度依存性を持つ材料については定量的な評価が不可能
である。
【0015】(2)  最近の傾向として、試験材料に
機械加工が困難なセラミックスを用いる場合が増加して
いるが、その場合、アイスキャンデー型試験片の製作が
困難である。
【0016】(3)  攪拌式アブレーシブ・エロージ
ョン試験装置の流速はモータ1の回転数およびギヤーボ
ックス3の変速比によって決まるが、現状の装置性能は
たかだか10m/sec 程度である。そのため、水車
構造物を模擬した部位は限定され、水車構造物を対象と
した評価試験ができない。
【0017】(4)  攪拌式アブレーシブ・エロージ
ョン試験装置は閉ループのため、長時間試験を継続する
と、アイスキャンデー型試験片Tと研磨材Gおよび水W
との接触や衝突により研磨材Gの粒子形状が微小になっ
たり、試験片Tが磨耗・損傷して不純物が増加し、試験
開始初期の混合条件と異なってくる。このため、定量的
な評価試験ができない。
【0018】(5)  研磨材Gと水Wの混合水は攪拌
式アブレーシブ・エロージョン試験装置の水槽自体を磨
耗・損傷させ、装置の信頼性を低下させる。
【0019】図11は閉ループ方式の噴射式アブレーシ
ブ・エロージョン試験装置の従来例を示すもので、水槽
6の上部に設けたワーク槽12内には噴射ノズル13と
試験片Tが所定の角度で対向して配置されており、噴射
ノズル13には圧縮空気源14が連結されている。また
、水槽6の下端と噴射ノズル13の間を連結する配管1
5の途中にはスラリーポンプ16が介挿されている。
【0020】上記構成の噴射式アブレーシブ・エロージ
ョン試験装置においては、水Wと研磨材Gを水槽6にて
攪拌混合し、この混合水を土砂流Sとしてスラリーポン
プ16によって汲み上げ、圧縮空気源14からの圧縮空
気により試験片Tに噴射させる。
【0021】しかしながら、このような閉ループ方式の
噴射式アブレーシブ・エロージョン試験装置には、次の
ような問題点がある。
【0022】(1)  水と研磨材が混合した土砂流S
が、アブレーシブ・エロージョン試験装置のスラリーポ
ンプ16、配管15内等の流路面を通過するため、装置
自体の磨耗・損傷が大きい。
【0023】(2)  装置の損傷あるいは研磨材の粒
子形状変化が大きいため、土砂流Sの噴射速度をあまり
高速にすることができない。
【0024】(3)  圧縮空気により土砂流Sを試験
片Tに噴射するため、土砂流には空気が混入し、土砂流
が衝突した試験片Tの表面では、キャビテーションが発
生する。従って、得られた試験結果には、土砂磨耗特性
にキャビテーション特性が重畳するため、真の土砂磨耗
特性を求められない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、水車構
造物の土砂による磨耗・損傷は、水車効率の低下や設備
稼働率の低下を招き、機器としての機能および信頼性を
著しく阻害するため、水車構造物の磨耗・損傷を低下さ
せる材料の開発、材料開発を支援する評価方法、および
定量的に評価できるアブレーシブ・エロージョン試験装
置の早急な開発が望まれている。
【0026】この場合、解決すべき課題として、次のよ
うな要望が出されている。
【0027】(1)  水車構造物の対象範囲を大きく
するため、低流速から高流速の試験が任意に設定可能で
あること。
【0028】(2)  高圧水と研磨材の混合量を定量
的にし、研磨材の混合量を水に対して任意に調整可能で
あること。
【0029】(3)  試験片への噴射角度、噴射流速
、噴射面積、噴射量などが任意に設定可能であり、かつ
、これらの条件は試験中に常に安定であること。
【0030】(4)  試験条件を常に一定にするため
、ノズル自体の磨耗・損傷を防止できること。
【0031】(5)  高圧噴流水へ均一に研磨材を混
入する方法、および試験片と研磨材、水との接触や衝突
により研磨材の粒子形状が微小になったりせず、常に一
定の試験条件にて試験が可能なこと。
【0032】(6)  土砂流に空気が混入するとキャ
ビテーションが発生し、磨耗・損傷に重畳した試験結果
となるため、土砂流への空気の混入を避ける方式である
こと。しかしながら、従来のアブレーシブ・エロージョ
ン試験装置においては、試験装置が閉ループの場合は、
試験を長時間継続すると、試験片と研磨材および水との
接触や衝突によって研磨材の粒子形状が微小になったり
、試験片の磨耗・損傷に伴う不純物が増加し、試験開始
初期の混合条件と異なってくるので、定量的な評価試験
ができない。また、閉ループの試験装置において土砂流
を高速にすると、研磨材およびアブレーシブ・エロージ
ョン試験装置の流路面自体が極めて短時間に磨耗・損傷
するため、装置の信頼性が低下し、評価試験を完遂する
ことができない。さらには、土砂流に空気が混入するた
め、土砂磨耗特性とキャビテーション特性が重畳した評
価結果になるという問題点を有している。
【0033】本発明は、水車構造物の土砂流による磨耗
・損傷を定量的に評価するアブレーシブ・エロージョン
試験装置において、土砂流の噴射速度を、低流速から従
来あまり行われていない高流速までの任意の速度に設定
しても、噴射角度、噴射流速、噴射面積、噴射量などが
試験中、常に安定であり、長寿命で信頼性の高いアブレ
ーシブ・エロージョン試験装置を提供することを目的と
するものである。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
、本発明のアブレーシブ・エロージョン試験装置は、構
造物の模擬試験片に高圧水と研磨材を混合した土砂流を
噴射して構造物の土砂流による磨耗・損傷特性を評価す
るアブレーシブ・エロージョン試験装置において、前記
高圧水と研磨材を定量的に混合し、低速から高速までの
任意の速度の土砂流を前記模擬試験片に噴射するミキシ
ングノズルを設けたことを特徴とする。なお、上記構成
のうち、望ましい実施態様は次の通りである。
【0035】ミキシングノズル材料にセラミックスを用
いたアブレーシブ・エロージョン試験装置である。
【0036】ミキシングノズルにヒーターを内蔵させた
アブレーシブ・エロージョン試験装置である。
【0037】高圧水と研磨材を定量的に混合する手段と
して、研磨材をスクリューフィーダーに自然落下させる
ツインホッパーと、ミキシングノズルへ研磨材を供給す
る渦巻き状ツインスクリューフィーダーを設けたアブレ
ーシブ・エロージョン試験装置である。
【0038】一度使用した土砂流を再使用せず、直接装
置外部へ排泄する開ループとしたアブレーシブ・エロー
ジョン試験装置である。
【0039】ホッパーから減量した研磨材の量を定量的
に測定するディジタル電子天秤をホッパーの下に設けた
アブレーシブ・エロージョン試験装置である。
【0040】
【作用】本発明によれば、高圧水と研磨材を定量的に混
合し、低速から高速の土砂流を基材模擬試験片に噴射す
るミキシングノズルを設けたことにより、研磨材をミキ
シングノズルの入り口直前にて高圧水と混合して試験片
に噴射するため、土砂流への空気の混入を無くし、キャ
ビテーション発生を防止する。また、高速土砂流がアブ
レーシブ・エロージョン試験装置の流路面を通過しない
ために、高速土砂流によるアブレーシブ・エロージョン
試験装置流路面自体の磨耗・損傷を防止できる。
【0041】
【実施例】次に、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。
【0042】図1、図2は本発明のアブレーシブ・エロ
ージョン試験装置の実施例を示すもので、制御盤20、
一対のツインホッパー21a,21b、フィーダーモー
タ22a,22b、電子天秤23a,23b、ツインス
クリューフィーダー24a,24b、ミキシングノズル
25、ワーク槽26、電源ボックス27、非常停止スイ
ッチ28、排圧レバー29、ディジタル圧力計30、低
圧圧力調整器31l、中圧圧力調整器31m、高圧圧力
調整器31h、低速送水レバー32l、中圧送水レバー
32m、高圧送水レバー32h、フレーム33、モータ
34、高圧ポンプ35、Vベルト36、低圧ポンプ37
、および水ノズル38等から構成されており、高圧ポン
プ35および低圧ポンプ37と水ノズル38との間は配
水管(図示せず)によって連結されている。また、水ノ
ズル38は、図3に示すように、ミキシングノズル25
の中央に、適度のギャップをおいて配置固定されている
。このような構成の本発明の試験装置において、アブレ
ーシブ・エロージョン試験を行う場合には、試験片Tを
ワーク槽26内に所定の試験角度にてセットし、電源ボ
ックス27のスイッチを入れる。次に、研磨材Gをツイ
ンホッパー21a,21bに適量ずつ投入し、低圧圧力
調整器31l、中圧圧力調整器31m、高圧圧力調整器
31h、低速送水レバー32l、中圧送水レバー32m
、高圧送水レバー32hにて試験圧力を設定し、制御盤
20のスイッチを入れ、ツインスクリューフィーダー2
4a,24bの出口まで研磨材Gを移動させる。研磨材
Gの高圧水への混合量はフィーダーモータ22a,22
bの回転数を増減することにより行う。
【0043】このようにして試験準備が完了したら、制
御盤20のスイッチを入れ、アブレーシブ・エロージョ
ン試験を開始する。図3に示すように、水ノズル38か
ら噴射される高圧水Wと、ツインスクリューフィーダー
24a,24bから供給される研磨材Gはミキシングノ
ズル25の入り口手前にて混合されて高速の土砂流Sと
なり、ミキシングノズル25の先端より試験片Tに噴射
される。試験片Tに噴射された土砂流Sはワーク槽26
の下部を通過し、装置外部へ排泄される。
【0044】なお、高圧ポンプ35と低圧ポンプ37の
使い分けはアブレーシブ・エロージョン試験の噴射速度
に応じて行われる。すなわち、噴射速度10〜40 m
/Sec程度までのアブレーシブ・エロージョン試験に
は低圧ポンプ37を用い、噴射速度30〜100 m/
Sec までの試験には高圧ポンプ35を用いる。これ
によって、広範囲な噴射試験速度による評価が可能とな
る。
【0045】図3は本発明のミキシングノズル部におけ
る高圧水Wと研磨材Gの混合方法を示すもので、水ノズ
ル38内を流過する高速の高圧水Wによりミキシングノ
ズル25内は負圧となり、左右のツインスクリューフィ
ーダー24a,24bから自然落下した研磨材Gが吸引
され、水ノズル38から放出された高圧水Wと混合し、
混合水となって試験片Tの表面へ噴射される。
【0046】このように、本発明においては、ミキシン
グノズル25にて高圧水Wと研磨材Gを混合するように
したので、高速土砂流Sによるアブレーシブ・エロージ
ョン試験装置の流路面の磨耗・損傷を防止することがで
きる。なお、上記実施例において、左右一対のツインス
クリューフィーダー24a,24bを用いたのは、ミキ
シングノズル25における混合に際して、研磨材Gが高
圧水Wへ定量的に、かつ均一に分散することを狙ったか
らである。
【0047】本実施例においては、ミキシングノズル2
5の材質としてセラミックス材料を用いている。これは
、図4に示すように、セラミックス材料は金属材料に比
べて耐土砂磨耗特性が良く、かつ入射角度の依存性が少
いため、ノズルのような低入射角の部位に適用するのが
効果的であるからである。
【0048】図5はミキシングノズル25の外面にヒー
タ40を巻いた実施例を示すもので、アブレーシブ・エ
ロージョン試験に用いる研磨材Gを適温に加熱し、研磨
材Gの湿気およびミキシングノズル25の結露による研
磨材Gの詰まりを防止したものである。
【0049】図6は、上記実施例において、ミキシング
ノズル25の口径と噴射流量の関係を、低圧ポンプ37
および高圧ポンプ35のポンプ圧力を20kg/ cm
2 から80kg/ cm2 まで変化させた場合につ
いて示すもので、ミキシングノズル25の口径が大きく
なると、同じポンプ圧力においても噴射流量が増加する
。また、ミキシングノズル25の口径が一定の場合、圧
力の増加と共に噴射流量が増加する。しかしながら、ミ
キシングノズル25の口径が大きくなると試験片に噴射
される混合液の面積が大きくなり、その流速分布は図7
のようにピークを持つ。従って、試験片表面において均
一な流速分布を示す口径のミキシングノズル25を用い
て土砂磨耗試験を行えば、定量的で精度の良い評価試験
を行うことができる。
【0050】図7の例では、ミキシングノズル25の口
径がφ2.34のとき、最も均一な流速分布を示しいる
。このとき、水の流量Q(l/min)と流速V( m
/Sec)は、一般的な水力学の式で表わせば、次式で
示される。
【0051】 Q=0.66CD2  (4P) 1/2      
 ………(式1)V=14P1/2         
              ………(式2)但し、P
:圧力(kg/ cm2 )、D:ミキシングノズル径
、C:係数ミキシングノズル25から噴射された高速の
土砂流Sの流速は試験片Tに向かうにつれて次第に減速
する。図8はミキシングノズル25の出口でのノズル流
速と試験片Tの表面における試験片表面流速の関係を、
ノズルと試験片の距離をパラメータとして示している。 試験流速は試験片表面の流速で設定する必要があるため
、本発明においては、これらの較正曲線を用いて設定す
る。
【0052】図9は本発明の他の実施例を示すもので、
アブレーシブ・エロージョン試験装置41の噴射速度、
高圧水量、研磨材量、試験時間などの試験条件を制御盤
に内蔵したコンピュータ42にて設定し、試験片の設定
後、試験が完了するまで全ての工程を自動的に実行し、
かつ必要な表示43を行うものである。また、長時間の
試験においては、左右のホッパーに投入した研磨材の量
が低下すると、高圧水との混合割合が不均一となり、試
験精度や信頼性が低下する恐れがあるので、左右のホッ
パーの下部にディジタル式の電子天秤を取り付けて研磨
材の量を常時監視し、低下した場合はアラーム44を発
生して試験中の状態を作業者に知らせ、適確な処置を講
ずることができるようにシステム化されている。
【0053】なお、上記実施例においては、試験片Tの
材料として、Ni基合金、Co基合金、W合金、セラミ
ックスの内から選択されたいずれかの材料を用いた。ま
た、試験片Tの表面にAl2 O3 、ZrO2 、Y
2 O3 、Cr2 O3 、TiC、TiN、TiC
N、ZrN、SiC、Si3 N4 、SUS304、
8YZ、MCrAlYのいずれかのコーティングを施し
たものを用いた。これらのコーティング材料は溶射、レ
ーザ照射、湿式メッキ、蒸着、塗装のいずれかの施行方
法を用いてコーティングされた。
【0054】このように種々の基材、種々のコーティン
グ材料、種々のコーティング施工法によって試験片を製
作し、夫々のアブレーシブ・エロージョン試験を実施し
て評価試験法を確立した結果、定量的で精度の良い構造
物の磨耗・損傷評価が可能となった。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、高圧
水と研磨材を定量的に混合し、高速の土砂流を基材模擬
試験片に噴射するミキシングノズルを設けることにより
、高圧水と研磨材をミキシングノズルの入り口直前にて
混合して試験片に噴射するため、土砂流への空気の混入
を防ぎ、キャビテーション発生を防止できる。また高速
土砂流がアブレーシブ・エロージョン試験装置の流路面
を通過しないため、アブレーシブ・エロージョン試験装
置自体の流路面の磨耗・損傷を防止できる。
【0056】従って、噴射試験速度を10 m/Sec
程度の低速から、従来行われていなかった100 m/
Sec程度の高速まで任意に選定でき、水車構造物の広
範囲な部位の耐土砂磨耗特性を評価でき、最適な材料選
択、材料開発により、水車構造物の長寿命化、高信頼性
化に寄与することができる。
【0057】なお、ミキシングノズルとしてヒーター内
蔵のセラミックスを用いた場合には、金属に比べてアブ
レーシブ・エロージョン特性が優れているため、ミキシ
ングノズル自体の噴流土砂流による磨耗・損傷を防止で
き、また湿気や配管の結露による研磨材の吸水を防止し
、研磨材のミキシングノズルへの詰まりが無くなるので
、装置の長寿命化、試験精度の向上による高信頼性化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアブレーシブ・エロージョン試験装置
を示す正面図である。
【図2】本発明のアブレーシブ・エロージョン試験装置
を示す平面図である。
【図3】本発明のアブレーシブ・エロージョン試験装置
における高圧水と研磨材の混合状態を示すミキシングノ
ズル部分の断面図である。
【図4】本発明のアブレーシブ・エロージョン試験装置
におけるミキシングノズル材料に用いたセラミックスの
耐土砂磨耗特性を示すグラフである。
【図5】本発明のアブレーシブ・エロージョン試験装置
において、ミキシングノズルにヒータを巻いた例を示す
説明図である。
【図6】ミキシングノズルの口径と噴射流量の関係を示
す較正曲線図である。
【図7】ノズルより噴射した噴流水がノズル径を変える
ことによって発生する試験片表面における流速分布図で
ある。
【図8】ノズル流速と試験片表面流速の関係を示す較正
曲線図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す説明図である。
【図10】従来の攪拌式アブレーシブ・エロージョン試
験装置の説明図である。
【図11】従来の閉ループ方式の噴射式アブレーシブ・
エロージョン試験装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1………モータ 2………変速レバー 3………ギヤボックス 4………水密カバー 5………主軸 6………水槽 7………攪拌スクリュー 8………スイッチ 9………冷却管 10………支柱 11………ベース 12………ワーク槽 13………噴射ノズル 14………圧縮空気源 15………配管 16………スラリーポンプ 20………制御盤 21a,21b…ツインホッパー 22a,22b…フィーダーモータ 23a,23b…電子天秤 24a,24b…ツインスクリューフィーダー25……
…ミキシングノズル 26………ワーク槽 27………電源ボックス 28………非常停止スイッチ 29………排圧レバー 30………ディジタル圧力計 31l,31m,31h…圧力調整器 32l,32m,32h…送水レバー 33………フレーム 34………モータ 35………高圧ポンプ 36………ベルト 37………低圧ポンプ 38………水ノズル 40………ヒーター 41………コンピュータ 42………アブレーシブ・エロージョン試験装置T……
…試験片 W………水 G………研磨材 S………土砂流(混合水)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  構造物の模擬試験片に高圧水と研磨材
    を混合した土砂流を噴射して構造物の土砂流による磨耗
    ・損傷特性を評価するアブレーシブ・エロージョン試験
    装置において、前記高圧水と研磨材を定量的に混合し、
    低速から高速までの任意の速度の土砂流を前記模擬試験
    片に噴射するミキシングノズルを設けたことを特徴とす
    るアブレーシブ・エロージョン試験装置。
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