図1〜図7はこの発明の一実施例を示しており、図1及び図2は漏れ検査装置の正面図及び側面図、図3は前記漏れ検査装置のチャンバの拡大断面図、図4は前記漏れ検査装置の配管系統図である。
まず、前記漏れ検査装置について説明すると、この漏れ検査装置は図1〜図4に示したように、移動ラック1に、内部に紙パック容器等の内容物充填容器Aを置いて密閉されるチャンバ3と、前記チャンバ3内を減圧する減圧系8と、前記チャンバ3内に除塵脱臭空気を供給する給気系15と、前記チャンバ3内に洗浄水を供給する洗浄水供給系22と、前記チャンバ3内の空気及び洗浄水を排出する排気・排水系23と、前記チャンバ3内の空気を循環させるためのチャンバ内空気循環路34と、前記内容物充填容器A内の内容物の少なくとも1種のガス成分を検出するガスセンサ39を有し、前記チャンバ3内の空気中のセンサ検出成分量を測定する成分量測定手段37と、測定値及び漏れ検査結果の表示部46と、これらをコントロールするための操作盤47とを設けたものである。
前記移動ラック1は、下端の4隅部にキャスター2を備え、下端から700mm程度の高さと下端近くとに上下2段にテーブル1a,1bを設けるとともに、上段のテーブル1aの後縁部に背面壁1cを設けたものであり、前記チャンバ3と操作盤47は前記移動ラック1の上段テーブル1a上に設けられている。
前記チャンバ3は、図1〜図3に示したように、下端部を足部材4により前記移動ラック1の上段テーブル1a上に固定された上端が開放する縦型円筒状のチャンバ本体3aと、このチャンバ本体3aの開放端の一側に枢支され、前記チャンバ蓋3bの開放面を密閉して蓋締め機構5によりクランプされる開閉可能なチャンバ蓋3bとからなっており、前記チャンバ本体3a内の下端部には複数の通気孔を有する容器置き台6が水平に設けられ、前記チャンバ本体3aの外部にはチャンバ3内の圧力を表示する圧力ゲージ7が設けられている。
前記減圧系8は、図4に示したように、前記チャンバ本体3aに設けられた減圧系接続部9(図3参照)に一端を接続された真空引き管10と、この真空引き管10の他端に接続された真空タンク11と、前記真空タンク11に逆止弁12を介して接続された真空ポンプ13と、前記真空引き管10に設けられた電磁弁からなる減圧制御用開閉弁(以下、減圧制御弁という)14とからなっており、前記真空タンク11と真空ポンプ13は前記移動ラック1の下段テーブル1b上に設置されている。
また、前記給気系15は、図4に示したように、前記チャンバ本体3aに設けられた給気系接続部16(図3参照)に一端を接続され、他端に外部に開放する外気取り込み口が設けられた給気管17と、この給気管17にその外気取り込み口側から順に設けられた手動開閉弁18、除塵フィルタ19、脱臭フィルタ20及び電磁弁からなる給気制御用開閉弁(以下、給気制御弁という)21とからなっている。なお、前記脱臭フィルタ20は、例えば活性炭を脱臭材としたものである。
さらに、前記洗浄水供給系22は、前記チャンバ本体3aの上端付近に設けられた洗浄水供給系接続部24(図3参照)に一端を接続された洗浄水供給管25と、この洗浄水供給管25に設けられた手動開閉弁26及び電磁弁からなる洗浄水供給制御用開閉弁(以下、洗浄水供給制御弁という)27とからなっており、チャンバ3内を洗浄するときに、前記洗浄水供給管25の他端を外部の洗浄水供給源28に接続して使用される。
なお、前記洗浄水供給源28は、水槽内の水をポンプにより供給するか、あるいは水道水をその圧力を利用して供給するものであり、洗浄開始時に洗剤を溶解した洗浄水を一定時間供給し、次いで除塵及び脱臭フィルタを通したすすぎ洗浄水を一定時間供給するように構成されている。
一方、前記排気・排水系23は、前記チャンバ本体3aの下端に設けられた排気・排水系接続部29(図3参照)に一端を接続され、他端に排水口が設けられた排気・排水管30と、この排気・排水管30に設けられた手動開閉弁31及び電磁弁からなる排気・排水制御用開閉弁(以下、排気・排水制御弁という)32と、前記排気・排水管30の弁設置よりも排水口側の部分に並列に接続されたバイパス管30aに設けられた排気・排水ポンプ33とからなっており、チャンバ3内を洗浄するときに、前記排気・排水管30の排水口を外部の排水受けタンク等に接続して使用される。なお、前記排気・排水ポンプ33は前記移動ラック1の下段テーブル1b上に設置されている。
また、前記チャンバ内空気循環路34は、前記チャンバ本体3aの上端付近と前記容器置き台6の上面付近とに設けられた循環路接続部35a,35bに両端を接続された配管からなっており、このチャンバ内空気循環路34の両端側にそれぞれ、前記チャンバ3との接続端に近接させて、電磁弁からなる空気循環制御用開閉弁(以下、空気循環制御弁という)36a,36bが設けられるとともに、これらの空気循環制御弁36a,36bの間の部分に、前記ガスセンサ39と空気循環ポンプ40とを備えたセンサユニット38が設けられている。
そして、前記成分量測定手段37は、前記ガスセンサ39と成分測定回路41とにより構成されており、前記成分測定回路41は、前記ガスセンサ39に一定値の電圧を印加し、前記ガスセンサ39の出力電圧に基づいてチャンバ内空気中のセンサ検出成分量を測定して、その測定値を記憶するとともに前記表示部46に表示させる。
なお、前記ガスセンサ39と空気循環ポンプ40とを備えたセンサユニット38は、前記移動ラック1の背面壁1cの前面に設けられており、前記成分測定回路41は、前記移動ラック1の上段テーブル1a上に設けられた操作盤47内に設けられている。
さらに、前記チャンバ内空気循環路34の前記空気循環制御弁36a,36b間の部分には、その一端側に前記給気系15の除塵フィルタ19及び脱臭フィルタ20と給気制御弁21との間の部分から分岐された給気管42が接続されるとともに、他端側に排気管43が接続されており、この給気管42と排気管43にそれぞれ、前記空気循環路34内のフラッシングを行なうための電磁弁からなるフラッシング制御用開閉弁(以下、フラッシング制御弁という)44,45が設けられている。
この実施例の漏れ検査装置は、酒類を充填した紙パック容器の漏れを検査するためのものであり、前記ガスセンサ39として、アルコール成分を含むガス成分を検出し、その検出成分量に応じた電圧信号を出力するものを備えている。
この種のガスセンサ39には、例えば、酸化スズ(SnO2)等からなる酸素吸着性の多孔質体に吸着された酸素が、エタノール(アルコール成分)、メタン、アンモニア、水蒸気等の還元性物質により消費されることによる前記多孔質体の電気的性質の変化を電圧値として出力するものがある。
また、前記表示部46は、例えばドットマトリックス液晶表示パネルと、この液晶表示パネルに接続されてその背後に配置された表示駆動回路とからなっており、この表示部46は、前記移動ラック1の背面壁1cの前面に設けられている。
前記操作盤47は、漏れ検査装置に、チャンバ3内及びチャンバ内空気循環路34内の除塵脱臭空気によるフラッシングと、前記チャンバ3内に置いた内容物充填容器Aの漏れ検査と、前記チャンバ3内の洗浄とを行なわせるために設けられており、この操作盤47の上面には、フラッシング開始キー、測定回数設定キー、検査開始キー、検査結果確認キー、チャンバ内洗浄キー等の各種キー48が配列されている。
そして、この操作盤47内には、図示しないが、前記チャンバ内空気循環路34に接続された前記給気管42及び排気管43のフラッシング制御弁44,45の開閉を行なうフラッシング回路と、前記減圧系8により前記チャンバ3内を所定の真空圧に減圧し、その減圧状態を一定時間保持した後に、前記給気系15によりチャンバ3内に除塵脱臭空気を供給して前記チャンバ3内を大気圧に戻し、その後に前記チャンバ3内への除塵脱臭空気の供給を停止して、前記成分量測定手段37によるチャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定を行なう成分量測定作業を複数回繰り返すための測定制御手段としての測定制御回路と、前記センサ検出成分量の測定値に基づいて前記内容物充填容器Aの漏れの有無を判定する漏れ判定回路と、前記洗浄水供給系22の洗浄水供給制御弁27の開閉及び前記排気・排水系の排気・排水制御弁32の開閉と排気・排水ポンプ33の駆動及び停止を行なう洗浄回路とが設けられている。
次に、前記漏れ検査装置による内容物充填容器Aの漏れ検査方法を説明すると、前記漏れ検査装置は、給気系15と洗浄水供給系22と排気・排水系23の手動開閉弁18,26,31を開き、移動ラック1の適当箇所または操作盤47に設けられた電源スイッチ(図示せず)をオンさせて使用されるものであり、前記電源スイッチをオンさせると、前記給気系15の真空ポンプ13が図示しないポンプ制御回路により駆動され、真空タンク11内の圧力が所定の真空圧、例えば−0.08MPA(メガパスカル)に調整される。
なお、前記ポンプ制御回路は、前記真空タンク11に設けられた圧力ゲージ11aの圧力値に応じて、タンク内圧力が−0.08MPAよりも高くなったときに真空ポンプ13を駆動し、タンク内圧力が−0.08MPAになったときに真空ポンプ13を停止させるものであり、それにより前記真空タンク11内の圧力が常に−0.08MPAに維持される。
また、前記電源スイッチのオン時は、前記減圧系8の減圧制御弁14と、前記給気系15の給気制御弁21と、前記洗浄水供給系22の洗浄水供給制御弁27と、前記排気・排水系の排気・排水制御弁32と、前記チャンバ内空気循環路34の空気循環制御弁36a,36bと、前記チャンバ内空気循環路34に接続された給気管42及び排気管43のフラッシング制御弁44,45はいずれも閉状態にあり、また、前記排気・排水系の排気・排水ポンプ33と、前記チャンバ内空気循環路34に設けられたセンサユニット38の空気循環ポンプ40はいずれも停止状態にある。
そして、内容物充填容器Aの漏れ検査は、前記チャンバ3内とチャンバ内空気循環路34内とを除塵脱臭空気によりフラッシングした後に行なう。
すなわち、漏れ検査員は、前記チャンバ3内に内容物充填容器Aを置く前に、前記チャンバ3を一旦密閉し、操作盤47のフラッシング開始キーをオンさせて、漏れ検査装置にチャンバ内フラッシングと循環路内フラッシングとを行なわせる。
このチャンバ内フラッシングと循環路内フラッシングは、操作盤47内のフラッシング回路による自動フラッシングであり、次のような手順で行なう。
まず、前記フラッシング開始キーのオンによって前記減圧系8の減圧制御弁14を開き、チャンバ3内の空気を真空タンク11に真空引きして前記チャンバ3内を前記真空タンク11内の真空圧と同じ−0.08MPAに減圧した後に、前記減圧制御弁14を閉じてチャンバ内減圧を停止する。
なお、このフラッシング時のチャンバ3内の減圧は、その減圧に要する時間を前記フラッシング回路に予め設定しておくことにより、前記チャンバ3内が前記真空タンク11内の真空圧と同じになるまで行なうことができる。
次に、前記給気系15の給気制御弁21を開いて前記チャンバ3内に除塵脱臭空気を供給し、前記チャンバ3内を大気圧に戻した後に、前記給気制御弁21を開いたまま、前記排気・排水系23の排気・排水制御弁32を開くとともに排気・排水ポンプ33を駆動し、前記チャンバ3内への前記除塵脱臭空気の供給と前記チャンバ3内の空気の排気とを一定時間(例えば2〜4分間程度)継続して前記チャンバ3内を前記除塵脱臭空気によりフラッシングし、前記チャンバ3内を清浄化する。
このようにして前記チャンバ3内をフラッシングした後は、前記給気制御弁21と排気・排水制御弁32とを閉じ、排気・排水ポンプ33を停止するとともに、チャンバ内空気循環路34の両端側の空気循環制御弁36a,36bを閉じてチャンバ3内とチャンバ内空気循環路34内との連通を遮断する。
次に、前記チャンバ内空気循環路34に接続された給気管42及び排気管43のフラッシング制御弁44,45を開くとともに、前記チャンバ内空気循環路34に設けられたセンサユニット38の空気循環ポンプ40を駆動することにより、前記空気循環ポンプ40の送風力を利用して、前記給気系15からの除塵脱臭空気を前記給気管42を介してチャンバ内空気循環路34にその一端側から流入させるとともに、その空気を前記チャンバ内空気循環路34の他端側から前記排気管43を介して排出し、前記チャンバ内空気循環路34に除塵脱臭空気を一定時間(例えば2〜4分間程度)流す循環路内フラッシングを行なって、前記チャンバ内空気循環路34内及び前記センサユニット38のガスセンサ39のガス成分検出面を清浄化し、その後に、前記給気管42及び排気管43のフラッシング制御弁44,45を閉じ、前記センサユニット38の空気循環ポンプ40を停止して前記循環路内フラッシングを終了する。
そして、内容物充填容器Aの漏れ検査は、前記チャンバ3内とチャンバ内空気循環路34内のフラッシング後に次のようにして行なう。
まず、漏れ検査員は、前記チャンバ3を開いて前記チャンバ3内の容器置き台6上に内容物充填容器Aを置き、前記チャンバ3を密閉して、検査開始キーをオンさせる。
なお、上述したように、前記内容物充填容器Aは、酒類を充填した紙パック容器であり、漏れ検査を行なう容器は、多数の製品の中からランダムにピックアップされてチャンバ3内に置かれる。
前記チャンバ3内に内容物充填容器Aを置いて前記チャンバ3を密閉した後の前記内容物充填容器Aの漏れ検査は、操作盤47内の測定制御回路及び漏れ判定回路による自動検査であり、前記漏れ検査装置は、前記検査開始キーのオンによりチャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定を複数回繰り返し、その少なくとも2回以上の成分量測定値を比較して、そのうちの前の回の成分量測定値よりも後の回の成分量測定値が高いときに前記容器Aを漏れありと判定する。
なお、前記成分量測定作業の繰り返し回数は前記測定制御回路に予め設定されており、必要に応じて前記操作盤47の測定回数設定キーにより任意に変更される。
図5は前記内容物充填容器Aの漏れ検査手順図であり、ここでは、チャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定作業を3回行なう例を示している。
まず、1回目のチャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定作業を説明すると、1回目の測定作業では、前記検査開始キーのオンによって前記減圧系8の減圧制御弁14を開き、チャンバ3内の空気を真空タンク11に真空引きして前記チャンバ3内を所定の真空圧、つまり前記真空タンク11内の真空圧と同じ−0.08MPAに減圧し、前記減圧制御弁14を閉じてチャンバ内減圧を停止する。
なお、前記チャンバ3内の所定の真空圧への減圧は、その減圧に要する時間を前記測定制御回路に予め設定しておくか、あるいは前記チャンバ3の圧力ゲージ7の圧力値を前記測定制御回路により設定真空圧を比較させることにより、誤差無く確実に行なうことができる。
次に、前記チャンバ3内の減圧状態を一定時間、例えば2分間保持する。このように、チャンバ3内を所定の真空圧に減圧し、その減圧状態を一定時間保持すると、前記容器Aに、例えば紙パック材の貼り合せ不良等による漏れ欠陥があるときに、容器A内の内容物(酒類)のガス成分が、減圧中や減圧状態の保持中に容器内外の圧力差によって前記漏れ欠陥部からチャンバ3内に放出される。
次に、前記給気系15の給気制御弁21を開き、前記チャンバ3内に除塵脱臭空気を供給してチャンバ3内を大気圧に戻し、前記給気制御弁21を閉じてチャンバ3内への除塵脱臭空気の供給を停止する。
このように、チャンバ3内に除塵脱臭空気を供給して前記チャンバ3内を大気圧に戻すと、前記容器Aに漏れ欠陥があるときに前記減圧中や減圧状態の保持中に容器A内からチャンバ3内に放出されたガス成分がチャンバ3内に供給された除塵脱臭空気中に混入する。
次に、チャンバ内空気循環路34の空気循環制御弁36a,36bを開き、次いで空気循環ポンプ40を駆動して、前記除塵脱臭空気を供給して大気圧にしたチャンバ3内の空気を前記空気循環路34を通して循環させ、その後に、前記成分量測定手段37によるチャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定を開始させる。
前記成分量測定手段37は、成分測定回路41により制御され、チャンバ内空気循環路34を通って循環しているチャンバ内空気中のセンサ検出成分をガスセンサ39により検出し、その成分量を予め設定された時間間隔、例えば30秒間隔で経時的に測定して、その測定値を成分測定回路41に記憶するとともに表示部46にグラフまたは数値で表示させる。
前記1回目の測定作業は、所定時間(例えば2〜4分間)継続した後、前記成分量測定手段37のセンサ検出成分量の測定を停止することにより終了し、その後に、前記空気循環ポンプ40を停止し、前記チャンバ内空気循環路34の空気循環制御弁36a,36bを閉じてチャンバ内の空気の循環を停止する。
前記1回目の測定作業の終了後は、前記空気循環ポンプ40の停止と前記チャンバ内空気循環路34の空気循環制御弁36a,36bの閉鎖を待って、2回目のチャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定作業を開始する。
この2回目の測定作業も、前記チャンバ3内の減圧からチャンバ3内に除塵脱臭空気を供給してチャンバ3内を大気圧に戻した後のチャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定までの作業を前記1回目と同じ条件で行なう作業であり、前記成分量測定手段37は、前記チャンバ内空気循環路34を通って循環しているチャンバ内空気中のセンサ検出成分を前記ガスセンサ39により検出し、その成分量を例えば30秒間隔で経時的に測定して、その測定値を成分測定回路41に記憶するとともに表示部46にグラフまたは数値で表示させる。
この2回目の測定作業も1回目と同じ時間(例えば2〜4分間)継続した後、前記成分量測定手段37のセンサ検出成分量の測定を停止することにより終了し、その後に、前記空気循環ポンプ40を停止し、前記チャンバ内空気循環路34の空気循環制御弁36a,36bを閉じてチャンバ内の空気の循環を停止する。
前記2回目の測定作業の終了後は、前記1回目の測定作業の終了後と同様に、前記空気循環ポンプ40の停止と前記チャンバ内空気循環路34の空気循環制御弁36a,36bの閉鎖を待って、3回目のチャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定作業を自動的に開始する。
この3回目の測定作業も、前記チャンバ3内の減圧からチャンバ3内に除塵脱臭空気を供給してチャンバ3内を大気圧に戻した後のチャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定までの作業を前記1回目及び2回目と同じ条件で行なう作業であり、前記成分量測定手段37は、前記チャンバ内空気循環路34を通って循環しているチャンバ内空気中のセンサ検出成分を前記ガスセンサ39により検出し、その成分量を例えば30秒間隔で経時的に測定して、その測定値を成分測定回路41に記憶するとともに表示部46にグラフまたは数値で表示させる。
この3回目の測定作業も1回目及び2回目と同じ時間(例えば2〜4分間)継続した後、前記成分量測定手段37のセンサ検出成分量の測定を停止することにより終了し、その後に、前記空気循環ポンプ40を停止し、前記チャンバ内空気循環路34の空気循環制御弁36a,36bを閉じてチャンバ内の空気の循環を停止する。
なお、この漏れ検査方法は、チャンバ3内に内容物充填容器Aを置いて前記チャンバ3を密閉した状態で上記チャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定作業を繰り返し行なうため、その途中で前記容器Aが破裂し、その内容物がチャンバ3内に溢れ出すことがあるが、そのときは、次の回のチャンバ内減圧時間が異常に長くなるか、あるいはチャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定値が異常に高くなるため、前記測定制御回路により前記容器Aの破裂を自動的に検知して以後の作業を停止するとともに、表示部46への表示等により漏れ検査員に容器破裂を報知することができる。
なお、前記測定制御回路は、チャンバ3内の減圧中に容器Aの破裂を検知したときは減圧制御弁14を閉じてチャンバ内減圧を中止し、チャンバ3内の減圧状態の保持時間中に容器Aの破裂を検知したときは減圧状態保持を中止する。そして、前記測定制御回路は、前記チャンバ内減圧の中止後または減圧状態保持の中止後に給気制御弁21を開いてチャンバ3内を大気圧に戻し、その後に前記給気制御弁21を閉じて容器破裂を報知する。
また、前記測定制御回路は、チャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定中に容器Aの破裂を検知したときは、センサ検出成分量の測定を中止し、空気循環制御弁36a,36bを閉じて容器破裂を報知する。
前記容器Aの破裂が報知されたときは、漏れ検査員は、チャンバ3を開いて破裂した容器Aを取り出し、前記チャンバ3を再び密閉した後に、操作盤47のチャンバ内洗浄キーをオンさせて漏れ検査装置にチャンバ内洗浄を行なわせる。
このチャンバ内洗浄は、前記操作盤47内の洗浄回路による自動洗浄であり、前記チャンバ内洗浄キーのオンにより洗浄水供給制御弁27と排気・排水制御弁32を開くとともに排気・排水ポンプ33を駆動し、洗浄水供給源28から、洗剤を溶解した洗浄水を一定時間供給し、次いで除塵及び脱臭フィルタを通したすすぎ洗浄水を一定時間供給してチャンバ3内を洗浄し、その後に、前記排気・排水ポンプ33を停止し、前記洗浄水供給制御弁27及び排気・排水制御弁32を閉じる。
そして、前記チャンバ内洗浄を行なった後に内容物充填容器Aの漏れ検査を再開するときは、漏れ検査員は、まず前記フラッシング開始キーをオンさせて漏れ検査装置に上述したチャンバ内フラッシングと循環路内フラッシングとを行なわせ、その後に、チャンバ3内に次に漏れ検査を行なう内容物充填容器Aを置いて前記チャンバ3を密閉し、検査開始キーをオンさせて、上述した3回の成分量測定作業を1回目から開始させる。
前記3回の成分量測定作業による成分量測定値は、3回目の測定作業を終了した後に、前記成分量測定手段37の成分測定回路41から操作盤47内の漏れ判定回路に出力される。
前記漏れ判定回路は、前記3回の測定作業の成分量測定値を比較して、そのうちの1回目の成分量測定値よりも2回目の成分量測定値が高く、前記2回目の成分量測定値よりも3回目の成分量測定値が高いときにチャンバ3内の内容物充填容器Aを漏れありと判定し、それ以外のときは前記内容物充填容器Aを漏れ無しと判定して、その判定結果を表示部46に表示させる。
なお、漏れ検査員は、前記表示部46に表示された判定結果を確認して操作盤47の検査結果確認キーをオンさせる。
そして、前記漏れ検査装置は、前記検査結果確認キーのオンにより、前記空気循環ポンプ40を停止するとともにチャンバ内空気循環路34の空気循環制御弁36a,36bを閉じてチャンバ内の空気の循環を停止し、漏れ検査を終了する。
上記漏れ検査方法による検査例を説明すると、図6は、前記漏れ検査装置によりアルコール度が25°の焼酎を充填した紙パック容器の漏れ検査を行なったときの1〜3回目回の成分量測定値を示しており、(a)は容器に漏れがあるときの測定値を示し、(b)は漏れが無いときの測定値を示している。
図6のように、前記容器に漏れがあるときは、1回目の成分量測定値よりも2回目の成分量測定値が高く、さらに前記2回目の成分量測定値よりも3回目の成分量測定値が高いのに対し、前記容器に漏れが無いときは、2回目以後の成分量測定値が1回目の成分量測定値に極く近いか、あるいは1回目の成分量測定値よりも低い。
このように、容器に漏れがあるときは1回目の成分量測定値よりも2回目の成分量測定値が高くなり、さらに前記2回目の成分量測定値よりも3回目の成分量測定値が高くなるのは、チャンバ内減圧時に、前の測定回のセンサ検出成分を含んだ空気や前記センサ検出成分が僅かではあるがチャンバ3内及びチャンバ内空気循環路34に残り、その残留空気中のセンサ検出成分と、新たに容器内から放出されたセンサ検出成分とが、次にチャンバ内に供給された除塵脱臭空気中に混入するためや、前の測定回に前記センサ検出成分の一部がガスセンサ39の多孔質体等に付着して残り、その残留成分が、次にチャンバ3内に供給された除塵脱臭空気中に混入したセンサ検出成分と一緒に検出されるためであり、したがって、各回における容器内からのセンサ検出成分の放出量が同じでも、測定回ごとにチャンバ内空気中のセンサ検出成分量が多くなる。
また、前記容器の漏れ欠陥は、前記チャンバ内減圧の繰り返しにより次第に大きくなることもあり、その場合は、測定回ごとに容器内からのセンサ検出成分の放出量が多くなり、各回の成分量測定値の差がさらに大きくなる。
なお、前記ガスセンサ39は、上述したように、エタノール(アルコール成分)だけでなく、メタン、アンモニア、水蒸気等によっても電気的性質を変えるため、前記容器に漏れがあるときも無いときも、各回の成分量測定値は、図6のようにある程度の値をもっている。
また、前記容器に漏れがあるときも無いときも、各回の成分量測定値は、図6のように時間の経過にともなって変化するが、これは、チャンバ内空気の循環開始直後は前記空気中のセンサ検出成分の濃度にムラがあるためや、容器外面やチャンバ内面に付着していたガス成分が時間の経過にともなって前記内空気中に混入するためと考えられる。
また、容器に漏れがあるときの測定時間に応じた成分量測定値の上昇率が、容器に漏れが無い場合に比べて大きいのは、チャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定中にも容器内からセンサ検出成分が放出されるためと考えられる。
ただし、前記時間の経過にともなう成分量測定値の変化は、図6のように、測定開始後1分間程度は不安定であるが、それを過ぎると、測定値の上昇率がほぼ安定した変化になる。
さらに、容器に漏れがあるときの各回の成分量測定値は、前記容器の漏れ欠陥の大きさによって異なり、漏れ欠陥が大きいほど各回の成分量測定値が高くなる。
なお、前記容器の漏れ欠陥が極く小さいときや漏れを発生する直前の状態であるときは、その漏れが1回目の測定では発生せず、2回目の測定時に発生することもあり、その場合は、1回目の成分量測定値は漏れが無いときの測定値とほぼ同じであるが、2回目以後の成分量測定値が高くなる。
また、図7は前記漏れ検査装置によりアルコール度が13〜14°の料理用清酒を充填した紙パック容器の漏れ検査を行なったときの1〜3回目の各回の成分量測定値を示しており、(a)は容器に漏れがあるときの測定値を示し、(b)は漏れが無いときの測定値を示している。
この料理用清酒を充填した紙パック容器の漏れ検査においても、図7のように、容器に漏れがあるときは、1回目の成分量測定値よりも2回目の成分量測定値が高く、さらに前記2回目の成分量測定値よりも3回目の成分量測定値が高い。
なお、図7(a)に示した容器に漏れがあるときの各回の成分量測定値は、前記容器の漏れ欠陥が大きいときの値であり、前記漏れ欠陥が小さいときは各回の成分量測定値も低くなる。
したがって、前記3回の測定作業の成分量測定値を比較し、そのうちの1回目の成分量測定値よりも2回目の成分量測定値が高く、前記2回目の成分量測定値よりも3回目の成分量測定値が高いときに容器を漏れありと判定することにより、極く微量な漏れも見落とすこと無く信頼度の高い漏れ検査を行なうことができる。
この漏れ検査方法の信頼性は、漏れありと判定した紙パック容器と、漏れ無しと判定した紙パック容器とをそれぞれ輪切りにして内容物を捨て、その容器の内面全体に着色試薬を塗布して、容器外面への前記着色試薬の染み出しを目視検査するカラーチェックによって確認されている。
なお、上記図6及び図7に示した各回の成分量測定値は、チャンバ3内を大気圧に戻した直後にセンサ検出成分量の測定を開始したときの値であり、時間の経過にともなう成分量測定値の変化は、上述したように、測定開始後1分間程度は不安定であるが、それを過ぎると、測定値の上昇率がほぼ安定した変化になる。
したがって、上記漏れ検査方法においては、各回の作業におけるチャンバ3内を一定圧にした時点から一定時間、例えば2分程度の時間を経過したとき、つまり測定値の上昇率がほぼ安定した変化になったときのセンサ検出成分量の測定値に基づいて漏れ判定を行なうのが好ましく、このようにすることにより、前記チャンバ内空気中のセンサ検出成分量を高精度に測定し、より信頼度の高い漏れ検査を行なうことができる。
また、上記漏れ検査方法においては、前記ガスセンサ39を、前記チャンバ3に両端を接続したチャンバ内空気循環路34に配置し、各回の成分量測定作業ごとに、除塵脱臭空気を供給して一定圧にしたチャンバ3内の空気を前記空気循環路34を通して循環させてチャンバ内空気中のセンサ検出成分量を測定しているため、空気循環によりチャンバ内空気中のセンサ検出成分の濃度分布を短時間で均等にすることができ、したがって、チャンバ内空気中のセンサ検出成分量を高精度に測定し、さらに信頼度の高い漏れ検査を行なうことができる。
さらに、上記漏れ検査方法においては、チャンバ3内に内容物充填容器Aを置く前に、前記チャンバ3を密閉した状態で、チャンバ3内を減圧した後に前記チャンバ3内に除塵脱臭空気を供給するとともに、前記チャンバ3内への前記除塵脱臭空気の供給と前記チャンバ3内の空気の排気とを一定時間継続するチャンバ内フラッシングと、前記チャンバ内空気循環路34に除塵脱臭空気を一定時間流す循環路内フラッシングとを行なっているため、前記チャンバ内空気中のセンサ検出成分量をさらに高精度に測定し、より信頼度の高い漏れ検査を行なうことができる。
なお、上記実施例の漏れ検査方法では、減圧されたチャンバ3内を大気圧に戻した状態でチャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定を行なっているが、各回のチャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定は、大気圧に限らず、他の圧力下で行なってもよく、その場合は、減圧後のチャンバ3内に除塵脱臭空気をチャンバ内圧が前記圧力になるまで供給すればよい。
また、上記実施例の漏れ検査方法では、チャンバ3内の減圧からチャンバ3内に除塵脱臭空気を供給して前記チャンバ3内を一定圧(大気圧または他の圧力)にした後のチャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定までの成分量測定作業を3回繰り返しているが、前記成分量測定作業の回数は、複数回であれば3回に限らず、また内容物充填容器Aの漏れは、上記実施例の1回目〜3回目の成分量測定値に限らず、前記複数回の成分量測定作業のうちの少なくとも2回以上の成分量測定値に基づいて判定してもよい。
すなわち、この発明の漏れ検査方法は、チャンバ3内に内容物充填容器Aを置いて前記チャンバ3を密閉し、その状態で、前記チャンバ3内を所定の真空圧に減圧してその減圧状態を一定時間保持した後に前記チャンバ3内に除塵脱臭空気を供給して前記チャンバ内を一定圧にし、その後に前記チャンバ3内への除塵脱臭空気の供給を停止して、前記ガスセンサ39により前記チャンバ3内の空気中のセンサ検出成分量を測定する成分量測定作業を複数回繰り返し、その少なくとも2回以上の成分量測定値を比較して、そのうちの前の回の成分量測定値よりも後の回の成分量測定値が高いときに前記容器を漏れありと判定するものであればればよく、この漏れ検査方法によれば、極く微量な漏れも見落とすこと無く信頼度の高い漏れ検査を行なうことができる。
この漏れ検査方法においては、前記複数回の成分量測定値のうち、1回目の成分量測定値よりも2回目以後の成分量測定値が高いときに漏れありと判定するのが望ましく、このようにすることにより、前記内容物充填容器の漏れを短時間で能率良く検査することができる。
さらに、この漏れ検査方法においては、前記チャンバ内の減圧から前記チャンバ内に除塵脱臭空気を供給した後のチャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定までの成分量測定作業を少なくとも3回繰り返し、そのうちの前の回の成分量測定値よりも後の回の成分量測定値が高く、それよりもさらに後の回の成分量測定値が高いときに漏れありと判定するのが好ましく、このようにすることにより、前記内容物充填容器の漏れを、より高い信頼度で検査することができる。
その場合は、1回目の成分量測定値よりも2回目の成分量測定値が高く、前記2回目の成分量測定値よりも3回目の成分量測定値が高いときに漏れありと判定するのが望ましく、このようにすることにより、前記内容物充填容器の漏れを、より高い信頼度でしかも能率良く検査することができる。
また、上記漏れ検査装置は、内部に内容物充填容器Aを置いて密閉されるチャンバ3と、前記チャンバ3内を減圧する減圧系8と、前記チャンバ3内に除塵脱臭空気を供給する給気系15と、前記容器A内の内容物の少なくとも1種のガス成分を検出するガスセンサ39を有し、前記チャンバ3内の空気中のセンサ検出成分量を測定する成分量測定手段37と、前記減圧系8により前記チャンバ3内を所定の真空圧に減圧し、その減圧状態を一定時間保持した後に、前記給気系15により前記チャンバ3内に除塵脱臭空気を供給して前記チャンバ内を一定圧にし、その後に前記チャンバ3内への除塵脱臭空気の供給を停止して、前記成分量測定手段37にチャンバ内空気中のセンサ検出成分量の測定を行なわせる作業を成分量測定作業を複数回繰り返すための測定制御手段(上記実施例では操作盤47内の図示しない測定制御回路)とを備えたものであるため、上述した漏れ検査方法による信頼度の高い内容物充填容器Aの漏れ検査を行なうことができる。
また、上記漏れ検査装置においては、前記ガスセンサ39を、前記チャンバ3に両端を接続するとともに両端側にそれぞれ開閉弁(上記実施例では電磁弁からなる空気循環制御弁)36a,36bを設けたチャンバ内空気循環路34に設けているため、前記チャンバ内空気中のセンサ検出成分量をより高精度に測定し、信頼度の高い漏れ検査を行なうことができるとともに、前記チャンバ3内の減圧から前記チャンバ3内に除塵脱臭空気を供給して前記チャンバ内を一定圧にするまでの作業を、前記開閉弁36a,36bを閉じてチャンバ3内とチャンバ内空気循環路34内との連通を遮断した状態で、前記ガスセンサ39に真空圧を作用させることなく行なうことができる。
さらに、上記漏れ検査装置においては、前記チャンバ3にチャンバ内空気を排出する排気系(上記実施例ではチャンバ内の空気及び洗浄水を排出する排気・排水系)23を接続するとともに、前記チャンバ内空気循環路34の前記開閉弁36a,36b間の部分の一端側に除塵脱臭空気の給気系15から分岐された給気管42を接続し、他端側に排気管43を接続しているため、前記チャンバ3内に内容物充填容器Aを置く前に、前記チャンバ内フラッシングと循環路内フラッシングとを行なって、前記チャンバ内空気中のセンサ検出成分量をさらに高精度に測定し、より信頼度の高い漏れ検査を行なうことができる。
なお、上記実施例では、漏れ検査装置の操作盤47内に漏れ判定回路を設け、前記漏れ判定回路により少なくとも2回以上の成分量測定値を比較して内容物充填容器Aの漏れを自動的に判定するようにしているが、前記容器Aの漏れは、例えばパソコン等の外部機器を利用し、各回の成分量測定値を前記パソコン等に入力して判定させてもよく、また、漏れ検査装置の表示部46に各回の成分量測定値を重ねて表示して、漏れ検査員に漏れ判定を行なわせるようにしてもよい。
また、前記ガスセンサ39が真空圧に対して十分な強度を有している場合は、前記チャンバ内空気中のセンサ検出成分の検出を、前記ガスセンサ39をチャンバ3内に配置して行なってもよく、その場合は、チャンバ内空気循環路34に代えてチャンバ3内に空気を攪拌ファンを設け、空気攪拌によりチャンバ内空気中のセンサ検出成分の濃度分布を均等にすればよい。
なお、このようにチャンバ内空気を攪拌ファンにより攪拌してチャンバ内空気中のセンサ検出成分を測定する場合も、内容物充填容器Aの漏れ判定は、各回の成分量測定作業におけるチャンバ3内を一定圧にした時点から一定時間を経過したときのセンサ検出成分量の測定値に基づいて判定するのが好ましく、このようにすることにより、チャンバ内空気中のセンサ検出成分量を高精度に測定し、さらに信頼度の高い漏れ検査を行なうことができる。
また、前記ガスセンサ39をチャンバ3内に配置する場合も、前記チャンバ3内に内容物充填容器Aを置く前に、前記チャンバ3を密閉した状態で、前記チャンバ3内を減圧した後に前記チャンバ3内に除塵脱臭空気を供給するとともに、前記チャンバ3内への前記除塵脱臭空気の供給と前記チャンバ3内の空気の排気とを一定時間継続するチャンバ内フラッシングを行なうのが好ましく、このようにすることにより、チャンバ内空気中のセンサ検出成分量をさらに高精度に測定し、より信頼度の高い漏れ検査を行なうことができる。
さらに、この発明の漏れ検査方法及び漏れ検査装置は、上述した焼酎や料理用清酒を充填した容器に限らず、飲用清酒や洋酒等の酒類、あるいは醤油等のアルコール成分を含む調味料類を充填した容器の漏れ検査にも適用することができる。
また、この発明の漏れ検査方法及び漏れ検査装置は、前記ガスセンサ39を他のガス成分を検出するものと交換することにより、他の内容物を充填した容器の漏れ検査にも適用することができ、さらには、紙パック容器に限らず、樹脂フィルムからなるバッグ容器やPETボトル等の内容物充填容器の漏れ検査にも適用することができる。
A…内容物充填容器、3…チャンバ、8…減圧系、11…真空タンク、13…真空ポンプ、15…給気系、19…除塵フィルタ、20…脱臭フィルタ、22…洗浄水供給系、23…吸気・排水系、33…吸気・排水ポンプ、34…チャンバ内空気循環路、開閉弁(空気循環制御弁)36a,36b、37…成分量測定手段、38…センサユニット、39…ガスセンサ、40…空気循環ポンプ、42…給気管、43…排気管、44,45…フラッシング制御弁、46…表示部、47…操作盤。