JP2005282251A - セメント瓦及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐候性に優れた無機塗料層を従来よりも薄くて均一な厚みで形成することにより、有機塗料層の紫外線劣化を効果的に防止することができるセメント瓦を提供する。
【解決手段】セメント瓦Aに関する。セメントを主材とする基板1の表面に骨材4が分散状態で固定された有機塗料層3を設ける。この有機塗料層3の表面に無機塗料層5を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】セメント瓦Aに関する。セメントを主材とする基板1の表面に骨材4が分散状態で固定された有機塗料層3を設ける。この有機塗料層3の表面に無機塗料層5を設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、建築物の屋根を葺設するのに用いられるセメント瓦及びその製造方法に関するものである。
従来より、着色セメント瓦としては、次のような方法で製造されるものが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。すなわち、未硬化セメント瓦表面に着色セメント塗材を塗布し、次に着色樹脂セメント塗材を塗布し、セメント瓦及び両塗膜を同時に養生硬化させた後、アクリル樹脂エマルション塗料を塗布し、乾燥させるというものである。
しかし、一般に有機塗料は防水性や着色性に優れ、しかも比較的安価に入手できるという利点があるものの、紫外線劣化が起こりやすくて耐候性に劣るという欠点を有している。
そこで、図4に示すように、セメントを主材とする基板1に着色層2を介して有機塗料を塗布することにより有機塗料層3を設け、次に、有機塗料に比べて紫外線劣化が起こりにくく耐候性に優れているという利点を有する無機塗料を上記有機塗料層3の表面に塗布して無機塗料層5を設けることにより、セメント瓦を製造することが行われている。このような方法でセメント瓦を製造すれば、無機塗料層5で有機塗料層3を被覆して保護することができ、有機塗料の欠点を無機塗料の利点で補完することができるものである。
特開昭58−32089号公報
しかし、一般に無機塗料の粘度は低いので、スプレー等で有機塗料層3の表面に吹き付けられた無機塗料は有機塗料層3の表面に沿って容易に流動し、所望の塗布厚さを確保することが困難となり、無機塗料層5の厚さにばらつきが生じやすくなる。特にセメント瓦の表面は、通常、図4に示すように、凸部及び凹部からなる曲面で形成されているので、凸部よりも凹部に無機塗料が多く溜まることとなり、これにより無機塗料層5の厚さのばらつきはさらに大きくなる。そうすると、無機塗料層5の厚さが薄い箇所では、紫外線透過率が増大して、有機塗料層3の紫外線劣化を効果的に防止できなくなるという問題がある。
ここで、有機塗料層3の紫外線劣化を防止するためには、無機塗料層5の厚さを6μm程度にすればよいことが知られているが、従来のセメント瓦では上記のように無機塗料層5の厚さにばらつきがあるので、無機塗料層5の厚さが最も薄い箇所で6μm程度の厚さを確保する必要がある。そうすると、無機塗料層5の厚さは平均12μm程度となるように厚くせざるを得ず、比較的高価な無機塗料を必要以上に多く使用しなければならなくなる。ちなみに、無機塗料層5の厚さが6μm程度であると、紫外線透過率は0〜5%となる。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、耐候性に優れた無機塗料層を従来よりも薄くて均一な厚みで形成することにより、有機塗料層の紫外線劣化を効果的に防止することができるセメント瓦を提供することを目的とし、また、比較的高価な無機塗料の使用量を従来よりも低減して、上記のようなセメント瓦を効率良くかつ安価に製造することができる方法を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係るセメント瓦は、セメントを主材とする基板1の表面に骨材4が分散状態で固定された有機塗料層3を設けると共に、この有機塗料層3の表面に無機塗料層5を設けて成ることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1において、平均粒径が38〜250μmの骨材4が平均200〜700μmの間隔で分散した状態で固定されて成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係るセメント瓦の製造方法は、骨材4を混ぜた有機塗料をセメントを主材とする基板1の表面に塗布することにより、骨材4が分散状態で固定された有機塗料層3を形成する有機塗料塗布工程と、上記有機塗料層3の表面に無機塗料30を流し込み、この流し込んだ未硬化の無機塗料30に空気を吹き付けて余剰無機塗料30を排除する無機塗料塗布工程とを有することを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係るセメント瓦の製造方法は、セメントを主材とする基板1の表面に有機塗料を塗布して未硬化有機塗料層3aを設け、この未硬化有機塗料層3aの表面に骨材4を散布することにより、骨材4が分散状態で固定された有機塗料層3を形成する有機塗料塗布工程と、上記有機塗料層3の表面に無機塗料30を流し込み、この流し込んだ未硬化の無機塗料30に空気を吹き付けて余剰無機塗料30を排除する無機塗料塗布工程とを有することを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項3又は4において、平均粒径が38〜250μmの骨材4を平均200〜700μmの間隔で分散した状態で固定することを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係るセメント瓦によれば、有機塗料層に分散状態で固定された骨材が無機塗料の流動を抑制することにより、耐候性に優れた無機塗料層を従来よりも薄くて均一な厚みで形成することができ、これにより、有機塗料層の紫外線劣化を効果的に防止することができるものである。
請求項2の発明によれば、無機塗料の流動抵抗を増大させ、無機塗料の流動をさらに抑制することができるものである。
本発明の請求項3に係るセメント瓦の製造方法によれば、塗布前の有機塗料に骨材を混ぜることにより、無機塗料の流動を抑制できる有機塗料層を形成することができ、これにより、耐候性に優れた無機塗料層を従来よりも薄くて均一な厚みで形成することができる。よって、比較的高価な無機塗料の使用量を従来よりも低減して、上記のようなセメント瓦を効率良くかつ安価に製造することができるものである。
本発明の請求項4に係るセメント瓦の製造方法によれば、未硬化有機塗料層の表面に骨材を散布することにより、無機塗料の流動を抑制できる有機塗料層を形成することができ、これにより、耐候性に優れた無機塗料層を従来よりも薄くて均一な厚みで形成することができる。よって、比較的高価な無機塗料の使用量を従来よりも低減して、上記のようなセメント瓦を効率良くかつ安価に製造することができるものである。
請求項5の発明によれば、無機塗料の流動抵抗を増大させ、無機塗料の流動をさらに抑制することができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係るセメント瓦Aを図1及び図2に示す。図1に示すセメント瓦Aは、セメントを主材とする基板1の表面に骨材4が分散状態で固定された有機塗料層3を設けると共に、この有機塗料層3の表面に無機塗料層5を設けることによって得られるものである。一方、図2に示すセメント瓦Aは、セメントを主材とする基板1の表面に、着色層2を介して、骨材4が分散状態で固定された有機塗料層3を設けると共に、この有機塗料層3の表面に無機塗料層5を設けることによって得られるものである。いずれのセメント瓦Aにおいても骨材4は有機塗料層3の表面から突出するように固定されているが、基板1と有機塗料層3との間に着色層2を介在させることは任意である。
〔骨材〕
骨材4としては、特に限定されるものではないが、例えば、シラスバルーン、セラミックバルーン、珪砂等を用いることができる。骨材4の平均粒径は、特に限定されるものではないが、38〜250μmであることが好ましい。平均粒径が38μmより小さい骨材4では、無機塗料30の流動抵抗を十分に増加させることができないおそれがある。その理由は、有機塗料層3の厚みは通常10〜25μmであり、骨材4の平均粒径が38μmより小さいと、突出量が小さくなるなるからである。逆に、平均粒径が250μmより大きい骨材4では、有機塗料層3に対する骨材4の固着力が低下したり、塗布面積増大により無機塗料30の使用量が増大したり、余剰無機塗料30を排除する際に無機塗料30が骨材4の陰に残留したりするおそれがある。なお、骨材4の比重は、特に限定されるものではないが、無機塗料30の比重が1.2程度であれば、この近傍であることが好ましく、具体的には0.2〜2.6に設定するのが好ましい。
骨材4としては、特に限定されるものではないが、例えば、シラスバルーン、セラミックバルーン、珪砂等を用いることができる。骨材4の平均粒径は、特に限定されるものではないが、38〜250μmであることが好ましい。平均粒径が38μmより小さい骨材4では、無機塗料30の流動抵抗を十分に増加させることができないおそれがある。その理由は、有機塗料層3の厚みは通常10〜25μmであり、骨材4の平均粒径が38μmより小さいと、突出量が小さくなるなるからである。逆に、平均粒径が250μmより大きい骨材4では、有機塗料層3に対する骨材4の固着力が低下したり、塗布面積増大により無機塗料30の使用量が増大したり、余剰無機塗料30を排除する際に無機塗料30が骨材4の陰に残留したりするおそれがある。なお、骨材4の比重は、特に限定されるものではないが、無機塗料30の比重が1.2程度であれば、この近傍であることが好ましく、具体的には0.2〜2.6に設定するのが好ましい。
〔有機塗料〕
有機塗料としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリルシリコン等を用いることができる。
有機塗料としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリルシリコン等を用いることができる。
〔無機塗料〕
無機塗料30としては、特に限定されるものではないが、例えば、次のようなものを用いることができる。すなわち、
(A)(a)一般式R1 nSi(OR2)4−n(式中、R1は炭素数1〜8の有機基であり、R2は炭素数1〜5のアルキル基であり、nは1又は2である。)で示されるオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物100重量部と、
(b)加水分解性シリル基、又は水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有し、かつ酸価が20〜150mgKOH/gのシリル基含有ビニル系樹脂5〜200重量部と、
の加水分解縮合反応物を中和剤で中和し、水を添加して得られた有機無機複合樹脂水分散液、
(B)アミノ基を有する加水分解縮合反応可能なアルコキシシラン、及び
(C)上記(B)成分のアミノ基との反応性を有するエポキシ基を分子内に有する化合物
を含有するものである。
無機塗料30としては、特に限定されるものではないが、例えば、次のようなものを用いることができる。すなわち、
(A)(a)一般式R1 nSi(OR2)4−n(式中、R1は炭素数1〜8の有機基であり、R2は炭素数1〜5のアルキル基であり、nは1又は2である。)で示されるオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物100重量部と、
(b)加水分解性シリル基、又は水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有し、かつ酸価が20〜150mgKOH/gのシリル基含有ビニル系樹脂5〜200重量部と、
の加水分解縮合反応物を中和剤で中和し、水を添加して得られた有機無機複合樹脂水分散液、
(B)アミノ基を有する加水分解縮合反応可能なアルコキシシラン、及び
(C)上記(B)成分のアミノ基との反応性を有するエポキシ基を分子内に有する化合物
を含有するものである。
上記(A)成分の有機無機複合樹脂水分散液は、
(a)一般式R1 nSi(OR2)4−n(式中、R1は炭素数1〜8の有機基であり、R2は炭素数1〜5のアルキル基であり、nは1又は2である。)で示されるオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物100重量部と、
(b)加水分解性シリル基、又は水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有し、かつ酸価が20〜150mgKOH/gのシリル基含有ビニル系樹脂5〜200重量部と、
の加水分解縮合反応物を中和剤で中和し、水を添加して得られる。
(a)一般式R1 nSi(OR2)4−n(式中、R1は炭素数1〜8の有機基であり、R2は炭素数1〜5のアルキル基であり、nは1又は2である。)で示されるオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物100重量部と、
(b)加水分解性シリル基、又は水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有し、かつ酸価が20〜150mgKOH/gのシリル基含有ビニル系樹脂5〜200重量部と、
の加水分解縮合反応物を中和剤で中和し、水を添加して得られる。
上記(a)成分の一般式R1 nSi(OR2)4−nにおいて、R1で示される有機基として、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基を挙げることができる。また、アルキル基は直鎖でも分岐したものでもよく、このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基を挙げることができる。好ましいアルキル基は炭素数が1〜4個のものである。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基を好適に挙げることができる。アリール基としては、例えば、フェニル基を挙げることができる。上記の各官能基は任意に置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、脂環式基を挙げることができる。
R2で示されるアルキル基は直鎖でも分岐したものでもよく、このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等を挙げることができる。好ましいアルキル基は炭素数が1〜2個のものである。
上記の一般式R1 nSi(OR2)4−nで示されるオルガノシランの具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジプロポキシシランを挙げることができる。好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシランである。これらのオルガノシランは1種単独で使用する事も、2種以上を併用することもできる。
上記の(a)成分は上記のオルガノシランの部分加水分解縮合物であってもよい。該部分加水分解縮合物のポリスチレン換算重量平均分子量は、例えば、300〜5000、好ましくは500〜3000が適当である。このような分子量の縮合物を使用することにより、貯蔵安定性を悪化させることなく、密着性のよい塗膜を得ることができる。また、オルガノシランの部分加水分解縮合物は、ケイ素原子に結合した−OH基や−OR2基を1個以上、好ましくは3〜30個有するものであることが適当である。
このような縮合物の具体例としては、市販品である信越化学工業社製のKR−211、KR−212、KR−213、KR−214、KR−216、KR−218;東芝シリコーン社製のTSR−145、TSR−160、TSR−165、YR−3187等を挙げることができる。
上記の(a)成分について、一般式R1 nSi(OR2)4−nのn値が1のオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物と、n値が2のオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物との、重量比が50:50〜100:0、好ましくは60:40〜95:5の混合物を用いると、加水分解縮合反応させる際に安定に反応し、また耐クラック性のよい塗膜が得られるので望ましい。
上記の(b)成分は、ビニル系樹脂の末端あるいは側鎖に加水分解性シリル基、又は水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を樹脂1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上有し、かつ酸価が20〜150mgKOH/gであり、好ましくは、分子量が例えば約1000〜50000のビニル系樹脂である。
上記のシリル基は一般式−SiXP(R3)(3−P)(式中、Xはアルコキシ基、アシロキシ基、ハロゲン基、ケトシキメート基、メルカプト基、アルケニルオキシ基、フェノキシ基等の加水分解性基又は水酸基であり、R3は水素又は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基等の1価の炭化水素基であり、Pは1〜3の整数である。)で示されるものである。
シリル基含有ビニル系樹脂は、例えば、一般式(X)P(R3)(3−P)Si−H(式中、X、R3及びPは上記と同じ意味である。)で示されるヒドロシラン化合物と、炭素−炭素二重結合を有するビニル系樹脂とを常法に従って反応させることにより製造される。
なお、上記のヒドロシラン化合物として、例えば、メチルジクロロヒドロシラン、メチルジエトキシヒドロシラン、メチルジアセトキシヒドロシラン等を代表的なものとして挙げることができる。シリル基含有ビニル系樹脂を製造する際のヒドロシラン化合物の使用量は、ビニル系樹脂中に含まれる炭素−炭素二重結合の数に対して0.5〜2倍となるモル量が適当である。
上記のビニル系樹脂は、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸等のカルボン酸又は無水マレイン酸等の酸無水物を必須モノマー単位として含有し、さらに(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、シクロヘキシル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等からなる群から選ばれるビニル系モノマーをコモノマー単位として含有する共重合体であるが、共重合体製造時に(メタ)アクリル酸アリル、ジアリルフタレート等をラジカル共重合させることにより、ビニル系樹脂中にヒドロシリル化反応のための炭素−炭素二重結合を導入することが可能となる。
なお、得られるビニル系樹脂の酸価が20〜150mgKOH/g、好ましくは50〜120mgKOH/gとなるように、共重合体の構成モノマー中に上記のカルボン酸又は酸無水物を含有させる必要がある。ビニル系樹脂の酸価が20mgKOH/gより小さいと、得られる水分散液の貯蔵安定性が悪くなり、逆にビニル系樹脂の酸価が150mgKOH/gを超えると、得られる塗膜の耐水性、耐熱水性が悪くなるので、いずれも好ましくない。
また、上記のシリル基含有ビニル系樹脂のその他の製造方法としては、上記のカルボン酸又は酸無水物を含むビニル系モノマーと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテル等の水酸基含有モノマーと、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、β−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、β−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジエチルメトキシシラン等のシリル基含有ビニル化合物とをラジカル重合させる方法もある。これらシリル基含有ビニル系樹脂の具体例としては、例えば、市販品である鐘淵化学工業社製のカネカゼムラツク等を挙げることができる。
次に、主剤成分として用いる(A)成分の有機無機複合樹脂水分散液の製造方法について説明する。
まず、上記の(a)成分と(b)成分との混合物にさらに水及び触媒を存在させて加水分解及び縮合反応を生じさせる。(a)成分と(b)成分との混合割合は、(a)成分100重量部に対し、(b)成分5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部であることが適当である。
なお、(b)成分が5重量部より少ないと、得られる塗膜の外観や耐クラック性、耐凍害性、耐アルカリ性等が悪くなり、逆に(b)成分の配合量が200重量部を超えると、得られる塗膜の耐候性、耐汚染性等が悪くなるので好ましくない。
上記の(a)成分と(b)成分との混合物に添加する水の量は、(a)成分と(b)成分との混合物中に初期に存在していた加水分解性基の好ましくは45〜100%、より好ましくは50〜90%を加水分解及び縮合反応させるのに十分な量であり、具体的には上記の混合物中の加水分解性基の総数の0.45〜1.0倍、好ましくは0.5〜0.9倍のモル数となる量が適当である。なお、ここで45%以上が好ましいとする理由は、有機無機複合樹脂水分散液(エマルション)となったときの貯蔵安定性がよく、また、塗料に用いたときに透明性の高い膜形成が可能であるためである。
上記の(a)成分と(b)成分との混合物に添加する触媒としては、硝酸、塩酸等の無機酸や、酢酸、蟻酸、プロピオン酸等の有機酸を挙げることができる。触媒の添加量は、上記混合物のpHが3〜6になる量が適当である。加水分解反応については、(a)成分と(b)成分との混合物を水及び触媒の存在下で、40〜80℃、好ましくは45〜65℃で、2〜10時間、撹拌しながら反応させる方法が適当であるが、この方法に限定されるものではない。
なお、(a)成分と(b)成分との加水分解縮合反応を上記のように一段階で実施することが可能であるが、生成物の貯蔵安定性の観点から、次のような二段階で反応させることが好ましい。すなわち、第一段階として、水及び触媒の存在下で、(a)成分と(b)成分との混合物中に初期に存在していた加水分解性基の40〜80%、好ましくは45〜65℃で1〜8時間、撹拌しながら反応させる。
第二段階として、第一段階に続いて、さらに水及びトリメトキシボラン、トリエトキシボラン等のトリアルコキシボラン、トリ−n−ブトキシエチルアセテートジルコニウム、ジn−ブトキシ(エチルアセテート)ジルコニウム、テトタラキス(エチルアセテート)ジルコニウム等のジルコニウムキレート化合物、ジイソプロポキシビス(アセチルアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセテート)チタン等のチタンキレート化合物、モノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジイソプロポキシエチルアセテートアルミニウム等のアルミニウムキレート化合物等の有機金属化合物触媒を添加し、加水分解及び縮合反応を生じさせる。なお、第二段階で用いるトリアルコキシボランや有機金属化合物触媒は縮合反応を促進し、塗膜の外観、耐候性、耐汚染性、耐熱水性等を向上させることができる。
第二段階で添加する水の量は、(a)成分と(b)成分との混合物中に初期に存在していた加水分解性基の45〜100%、好ましくは50〜90%が加水分解及び縮合反応するのに十分な量である。第二段階で添加する触媒の量は、第一段階で得られた反応物と未反応で残っている上記(a)成分及び(b)成分との合計量100重量部に対して0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜2重量部が適当である。第二段階における加水分解縮合反応は、第一段階と同様に40〜80℃で2〜5時間反応させるのが適当である。
なお、加水分解縮合反応物は、その反応で生成するアルコール分により、又はそのアルコール分と必要に応じて添加した後記の有機溶媒とにより溶液状態となっている。このようにして得られた反応物である有機無機複合樹脂の溶液に中和剤を加えて均一に分散させ、中和した後、水を加えるか、若しくは中和剤と水とを同時に加え、攪拌することにより強制分散させて水分散液(エマルション)を得る。
中和剤の量は、安定なエマルションが得られるように、反応物である有機無機複合樹脂中の酸基の50〜100%、好ましくは70〜100%を中和する量が適当である。なお、中和剤としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、モルホリン等が代表的なものとして挙げられる。
また、中和後に加える水の量は塗料の塗装作業性等を考慮して任意に決定されるが、通常、無機塗料30の固形分が10〜70重量%になる程度の量が適当である。なお、このようにして得られた有機無機複合樹脂水分散液中には上記の加水分解縮合反応により生成したアルコール分が残っている。従って、その水分散液をそのまま無機塗料30として使用すると、揮発性有機成分(VOC)が多くなるので、常法に従ってアルコール分を減圧下で除去することが好ましい。
(B)成分は、分子内にアミノ基を有する加水分解縮合反応可能なアルコキシシランであり、具体的には、一般式
(R6−NH−R5−)nSi(OR4)4−n
(式中、R4は炭素数1〜5のアルキル基であり、R5は炭素数1〜5のアルキレン基であり、R6は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、又は置換若しくは未置換のアミノ基であり、nは1又は2である。)で示されるアミノ基含有アルコキシシランを好適に使用することができる。
(R6−NH−R5−)nSi(OR4)4−n
(式中、R4は炭素数1〜5のアルキル基であり、R5は炭素数1〜5のアルキレン基であり、R6は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、又は置換若しくは未置換のアミノ基であり、nは1又は2である。)で示されるアミノ基含有アルコキシシランを好適に使用することができる。
なお、R4としてのアルキル基は直鎖でも分岐したものでもよく、その例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基を挙げることができる。好ましいアルキル基は炭素数が1〜2個のものである。
R5としてのアルキレン基は直鎖でも分岐したものでもよく、その例として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基を挙げることができる。
R6としてのアルキル基は上記のR4の場合と同様である。また、R6としてのシクロアルキル基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基を挙げることができる。またR6としてのアリール基としては、例えば、フェニル基を挙げることができる。さらにR6としてのアミノ基としては、アミノ基中の水素原子の一方又は両方が、例えば、上記炭素数1〜5のアルキル基で置換されたものを挙げることができる。
上記の一般式で示されるアミノ基含有アルコキシシランとしては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−シクロヘキシル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。
(B)成分であるアルコキシシランの配合量は、前記(A)成分である有機無機複合樹脂水分散液の固形分(有機無機複合樹脂)100重量部に対し好ましくは0.5〜30重量部、より好ましくは2〜15重量部が適当である。なお、(B)成分の配合量が上記の範囲よりも少ないと、得られる塗膜の硬化性や耐汚染性が悪くなる傾向があり、逆に多過ぎると耐熱水性や耐クラック性が悪くなる傾向がある。
(C)成分は前記(B)成分中のアミノ基との反応性を有するエポキシ基を分子内に有する化合物である。これら化合物としてはエポキシ基含有アルコキシシラン、アルキルグリシジルエーテル及びエステル、シクロエポキシ化合物、ビスフェノールAF系の低分子量エポキシ樹脂、あるいはこれらの乳化物等を用いることができる。
具体的には、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロペニルオキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイミノオキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−イソンアネートプロピルトリイソプロペニルオキシシランとグリシドールとの付加物、ブチルグリシジルエーテル、ポリオキシエチレングリシジルエーテル、カージュラーE(シェル社製商品名)、ブチルフェニルグリシジルエーテル、エピコート815、828、834(油化シェルエポキシ社製商品名)等及びこれら乳化物が代表的なものとして挙げられる。上記のエポキシ基含有化合物の中でも加水分解性シリル基をもつエポキシ基含有アルコキシシラン化合物を用いた場合には塗膜の硬化性が向上し、耐熱性、耐アルカリ性等が良くなるので好ましい。
(C)成分の配合量は、上記の(B)成分であるアミノ基含有アルコキシシラン化合物のアミノ基の活性水素の総数に対して、エポキシ基含有化合物のエポキシ基の総数が好ましくは0.1〜2.0倍、より好ましくは0.2〜1.2倍となる量が適当である。
なお、(C)成分のエポキシ基含有化合物の量が上記の範囲より少ないと、得られる塗膜の耐熱水性等が悪くなる傾向があり、逆に上記の範囲より多過ぎると塗膜の耐候性、耐クラック性等が悪くなる傾向がある。
上記の(B)成分であるアミノ基含有アルコキシシラン化合物及び(C)成分であるエポキシ基含有化合物は塗装直前に(A)成分の水分散液と混合し、分散させて使用する。
上記の(B)成分及び(C)成分は硬化剤として作用し、(B)成分中のアミノ基は(C)成分中のエポキシ基と反応すると共に、(B)成分中のシリル基、さらには(C)成分中のシリル基(存在する場合のみ)が、(A)成分中の有機無機複合樹脂中に残存するシリル基と加水分解縮合反応し、耐熱水性、耐アルカリ性、耐候性、耐汚染性、耐溶剤性等に優れた硬化塗膜を形成する。
無機塗料30は、以上に説明した、主剤成分となる(A)成分の有機無機複合樹脂水分散液とその硬化剤となる(B)成分であるアミノ基含有アルコキシシラン化合物及び(C)成分であるエポキシ基含有化合物とを主成分とし、さらに、必要に応じて、無機塗料30の貯蔵安定性や塗装作業性を良くするための水、有機溶媒及び充填剤、染料、さらには、硬化促進剤、増粘剤、顔料分散剤等の各種添加剤等を配合したものから構成される。
上記の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等の親水性有機溶媒やそれとトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の疎水性の各種塗料用有機溶媒との混合有機溶媒が使用可能である。
これら有機溶媒は、上記の(A)成分である有機無機複合樹脂水分散液の製造時において、反応が均質に生じるように溶媒として配合することも可能である。有機溶媒の配合量は、無機塗料30の好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下が適当である。
上記の充填剤としては、通常の無機・有機染顔料を使用することができる。具体的には、酸化チタン、硫化亜鉛、亜鉛華、鉛白、リトポン、カーボンブラック、油煙、紺青、フタロシアニンブルー、群青、カーミンFB、黄鉛、亜鉛黄、ハンザイエロー、オーカー、ベンガラ、不活性含有アゾ染料等が代表的なものとして挙げられる。充填剤の配合量は、無機塗料30の固形分の好ましくは70重量%以下、より好ましくは50重量%以下が適当である。
〔セメント瓦の製造〕
セメントを主材とする粉体材料に水を添加しながら成形する乾式法によって、図2に示すセメント瓦Aを製造する方法を図3を参照しながら工程順に説明する。
セメントを主材とする粉体材料に水を添加しながら成形する乾式法によって、図2に示すセメント瓦Aを製造する方法を図3を参照しながら工程順に説明する。
〔成形工程〕
成形工程では、まず、散水装置36によって水を第1無端コンベア9の搬送面に供給し、次に、珪砂とセメントとパルプ繊維とを、各原料ホッパー6a,6b,6cから自動秤量後、ミキサー7で均一に乾式混合して乾式セメント材料8を作製し、その乾式セメント材料8を駆動回動中の第1無端コンベア9の搬送面に連続的に落下供給する。ここで、珪砂とセメントとパルプ繊維とからなる材料に若干加水してこれを均一に湿式混合して作製される湿式セメント材料を、上記乾式セメント材料8の代わりに、供給してもよい。
成形工程では、まず、散水装置36によって水を第1無端コンベア9の搬送面に供給し、次に、珪砂とセメントとパルプ繊維とを、各原料ホッパー6a,6b,6cから自動秤量後、ミキサー7で均一に乾式混合して乾式セメント材料8を作製し、その乾式セメント材料8を駆動回動中の第1無端コンベア9の搬送面に連続的に落下供給する。ここで、珪砂とセメントとパルプ繊維とからなる材料に若干加水してこれを均一に湿式混合して作製される湿式セメント材料を、上記乾式セメント材料8の代わりに、供給してもよい。
第1無端コンベア9に落下供給した乾式セメント材料8は、邪魔板10で略一定厚みに均した後、第1加圧ローラ11で加圧する。次に、散水装置12によってセメント硬化用の水を散布した後、カッター18で適当な寸法の矩形板状体19に切断する。
次に、セメントと着色顔料とを混合してある着色材15aを材料散布装置16aで矩形板状体19に散布し、さらに、第2加圧ローラ13で加圧した後、珪砂15bのみを材料散布装置16bで矩形板状体19に散布する。そして、第3加圧ローラ17で加圧した後、着色層2が積層された矩形板状体19に数日間の自然養生を施す。ここで、着色材15a及び珪砂15bを散布しないようにすれば、図1に示すセメント瓦Aを製造することができる。また、図1及び図2に示すようにセメント瓦Aの表面を曲面で形成する加工は、第3加圧ローラ17により行うことができるが、自然養生の際に別途行うこともできる。
〔打ち抜き工程〕
打ち抜き工程では、養生を終えた矩形板状体19を第2無端コンベア20の搬送面に載置して搬送しながら、パンチプレス21等で所定の寸法形状の基板1に打ち抜く。
打ち抜き工程では、養生を終えた矩形板状体19を第2無端コンベア20の搬送面に載置して搬送しながら、パンチプレス21等で所定の寸法形状の基板1に打ち抜く。
〔有機塗料塗布工程〕
有機塗料塗布工程としては、次の(1)又は(2)の工程を経ることができる。
有機塗料塗布工程としては、次の(1)又は(2)の工程を経ることができる。
(1)上記基板1を第1ローラーコンベア24の搬送面に載置して搬送しながら、その表面にシャワーコータ25でアクリルシリコン等の有機塗料を塗布して未硬化有機塗料層3aを設ける。次に、エアーナイフ31で未硬化有機塗料層3aに空気を吹き付け、この空気で余剰有機塗料を流し出すように排除し、所望の塗布厚さに仕上げる。その後、この未硬化有機塗料層3aの表面に骨材散布装置26で骨材4を散布する。
そして、ドライヤー23で上記未硬化有機塗料層3aを硬化させ、骨材4を硬化有機塗料層3bの表面にその表面から突出した分散状態で固定し、さらにオートクレーブ27内で高温高圧の蒸気養生を行う。上記のように固定された骨材4は、後述する無機塗料塗布工程で塗布される無機塗料30の流動を抑制する働きを有する。
ここで、例えば、骨材4として平均粒径が38〜250μmの珪砂を用いる場合には、未硬化有機塗料層3aの表面において上記骨材4の単位面積当たりの重量が18〜36g/m2となるように散布すれば、上記骨材4を有機塗料層3の表面において平均200〜700μmの間隔で分散させることができる。骨材4間の平均間隔は、単位面積当たりの骨材4重量より計算することができるので、珪砂以外の骨材4を用いる場合には、好ましい散布量は計算により求めることができる。そして、上記のように骨材4を有機塗料層3の表面において平均200〜700μmの間隔で分散させることにより、無機塗料の流動抵抗を増大させ、無機塗料の流動をさらに抑制することができるものである。しかも、セメント瓦Aを葺設する際に滑り防止効果を得ることもできる。骨材4間の間隔が平均200μmより小さいと、無機塗料30の溜まりを排除することができないおそれがある。逆に、骨材4間の間隔が平均700μmより大きいと、無機塗料30の流動を抑制する効果を十分に得ることができず、骨材4間の無機塗料層5に不均一が発生するおそれがある。
(2)上記基板1を第1ローラーコンベア24の搬送面に載置して搬送しながら、その表面にシャワーコータ25で、骨材4を混ぜたアクリルシリコン等の有機塗料を塗布して未硬化有機塗料層3aを設ける。次に、エアーナイフ31で未硬化有機塗料層3aに空気を吹き付け、この空気で余剰有機塗料を流し出すように排除し、所望の塗布厚さに仕上げる。
そして、ドライヤー23で上記未硬化有機塗料層3aを硬化させ、骨材4を硬化有機塗料層3bの表面にその表面から突出した分散状態で固定し、さらにオートクレーブ27内で高温高圧の蒸気養生を行う。上記のように固定された骨材4は、後述する無機塗料塗布工程で塗布される無機塗料30の流動を抑制する働きを有する。なお、上記のように、この(2)の工程では、上記(1)の工程とは異なり、骨材散布装置26は特に必要としない。しかし、施工時の安全性を確保するためには、上記未硬化有機塗料層3aの表面に滑り防止砂を散布するのが好ましいので、(2)の工程でも、滑り防止砂の散布用として骨材散布装置26を用いることができる。
ここで、例えば、骨材4として珪砂を用いる場合には、平均粒径が38〜250μmの珪砂をあらかじめ有機塗料全量に対して20〜40重量%添加しておけば、上記珪砂を有機塗料層3の表面において平均200〜700μmの間隔で分散させることができる。骨材4間の平均間隔は、単位面積当たりの骨材4重量より計算することができるので、珪砂以外の骨材4を用いる場合には、好ましい添加量は計算により求めることができる。そして、上記のように骨材4を有機塗料層3の表面において平均200〜700μmの間隔で分散させることにより、無機塗料の流動抵抗を増大させ、無機塗料の流動をさらに抑制することができるものである。しかも、セメント瓦Aを葺設する際に滑り防止効果を得ることもできる。骨材4間の平均間隔が200μmより小さいと、無機塗料30の溜まりを排除することができないおそれがある。逆に、骨材4間の平均間隔が700μmより大きいと、無機塗料30の流動を抑制する効果を十分に得ることができず、骨材4間の無機塗料層5に不均一が発生するおそれがある。
〔無機塗料塗布工程〕
無機塗料塗布工程では、骨材4が硬化有機塗料層3bの表面に固定されている基板1を第2ローラーコンベア28の搬送面に載置して搬送しながら、硬化有機塗料層3bの表面にシャワーコータ29で水性無機塗料30を流し込み、その流し込んだ未硬化の水性無機塗料30にエアーナイフ31で吹き付けた空気で余剰無機塗料30を流し出すように排除して、所望の塗布厚さの未硬化無機塗料層5aを設け、ドライヤー32で未硬化無機塗料層5aを硬化させて、硬化無機塗料層5bの厚さにばらつきが少なくて、有機塗料層3の紫外線劣化を効果的に防止できるセメント瓦Aを製造する。硬化無機塗料層5bの厚さにばらつきが少なくなるのは、有機塗料層に分散状態で、かつ、突出した状態で固定された骨材が無機塗料の流動を抑制するためであると考えられる。そして、このように硬化無機塗料層5bの厚さにばらつきが少なくなるので、無機塗料30の使用量を低減して硬化無機塗料層5bの厚さを薄くしても、有機塗料層の紫外線劣化を十分に防止することができるものである。
無機塗料塗布工程では、骨材4が硬化有機塗料層3bの表面に固定されている基板1を第2ローラーコンベア28の搬送面に載置して搬送しながら、硬化有機塗料層3bの表面にシャワーコータ29で水性無機塗料30を流し込み、その流し込んだ未硬化の水性無機塗料30にエアーナイフ31で吹き付けた空気で余剰無機塗料30を流し出すように排除して、所望の塗布厚さの未硬化無機塗料層5aを設け、ドライヤー32で未硬化無機塗料層5aを硬化させて、硬化無機塗料層5bの厚さにばらつきが少なくて、有機塗料層3の紫外線劣化を効果的に防止できるセメント瓦Aを製造する。硬化無機塗料層5bの厚さにばらつきが少なくなるのは、有機塗料層に分散状態で、かつ、突出した状態で固定された骨材が無機塗料の流動を抑制するためであると考えられる。そして、このように硬化無機塗料層5bの厚さにばらつきが少なくなるので、無機塗料30の使用量を低減して硬化無機塗料層5bの厚さを薄くしても、有機塗料層の紫外線劣化を十分に防止することができるものである。
なお、排除した余剰無機塗料30は回収して、ポンプ等でシャワーコータ29に戻すことにより再使用できるように構成してある。
また、乾式セメント材料8や着色材15用のセメントとしては、普通ポルトランドセメント又はアルミナセメント等を使用できる。
〔その他の実施形態〕
本発明に係るセメント瓦Aは、未硬化有機塗料層3aを硬化させた硬化有機塗料層3bに、骨材4を有機塗料以外の別の接着剤で分散状態で固定してあってもよい。
本発明に係るセメント瓦Aは、未硬化有機塗料層3aを硬化させた硬化有機塗料層3bに、骨材4を有機塗料以外の別の接着剤で分散状態で固定してあってもよい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例及び比較例において「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」である。
〔基板〕
セメントを主材とする基板としては、クボタ松下電工外装株式会社「カラーベスト・シリーズ」を用いた。
セメントを主材とする基板としては、クボタ松下電工外装株式会社「カラーベスト・シリーズ」を用いた。
〔骨材〕
骨材としては、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトMSB−5011」シラスバルーン、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトSC−50」シラスバルーン、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズSL125」セラミックバルーン、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズSL75」セラミックバルーン、珪砂を用いた。
骨材としては、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトMSB−5011」シラスバルーン、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトSC−50」シラスバルーン、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズSL125」セラミックバルーン、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズSL75」セラミックバルーン、珪砂を用いた。
〔有機塗料〕
有機塗料としては、大日本塗料株式会社「KC148A」を用いた。
有機塗料としては、大日本塗料株式会社「KC148A」を用いた。
〔シリル基含有ビニル系樹脂溶液の調製〕
還流冷却器及び撹拌機を備えた反応器に、ジエチレングリコールモノブチルエーテル50部及びn−ブタノール50部を加え、撹拌しながら100℃に加熱した。次にイソブチルメタクリレート50部、2−エチルヘキシルメタクリレート31.5部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン8.5部、アクリル酸10.5部及びt−ブチルペロキシ−2−エチルヘキサノエート2.5部からなる混合溶液を100℃で3時間かけて滴下し、その後105℃に昇温させ、2時間維持して反応を終了させた。得られたシリル基含有ビニル系樹脂溶液は固形分濃度50%で、樹脂の酸価は65mgKOH/g、数平均分子量は10000であった。
還流冷却器及び撹拌機を備えた反応器に、ジエチレングリコールモノブチルエーテル50部及びn−ブタノール50部を加え、撹拌しながら100℃に加熱した。次にイソブチルメタクリレート50部、2−エチルヘキシルメタクリレート31.5部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン8.5部、アクリル酸10.5部及びt−ブチルペロキシ−2−エチルヘキサノエート2.5部からなる混合溶液を100℃で3時間かけて滴下し、その後105℃に昇温させ、2時間維持して反応を終了させた。得られたシリル基含有ビニル系樹脂溶液は固形分濃度50%で、樹脂の酸価は65mgKOH/g、数平均分子量は10000であった。
〔無機塗料の調製〕
還流冷却器及び撹拌機を備えた反応器に、(a)成分であるメチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物23部、メチルトリメトキシシラン8部、ジメチルジメトキシシラン1.7部、(b)成分であるシリル基含有ビニル系樹脂溶液25部、及びイソプロパノール10部を加え、混合した後、イオン交換水3.0部及び1規定塩酸0.05部を加え、60℃で3時間反応させた。次いでモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム0.3部及びイオン交換水0.8部を加え、さらに60℃で3時間反応させた。次いでジメチルアミノエタノール0.55部及び水37部を加え、50℃で1時間撹拌した後、減圧(1.3×104Pa)下で脱溶剤を行った後、水で固形分濃度35%になるよう希釈調整を行って、有機無機複合樹脂水分散液を調製した。
還流冷却器及び撹拌機を備えた反応器に、(a)成分であるメチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物23部、メチルトリメトキシシラン8部、ジメチルジメトキシシラン1.7部、(b)成分であるシリル基含有ビニル系樹脂溶液25部、及びイソプロパノール10部を加え、混合した後、イオン交換水3.0部及び1規定塩酸0.05部を加え、60℃で3時間反応させた。次いでモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム0.3部及びイオン交換水0.8部を加え、さらに60℃で3時間反応させた。次いでジメチルアミノエタノール0.55部及び水37部を加え、50℃で1時間撹拌した後、減圧(1.3×104Pa)下で脱溶剤を行った後、水で固形分濃度35%になるよう希釈調整を行って、有機無機複合樹脂水分散液を調製した。
上記で得た有機無機複合樹脂水分散液100部に着色剤を固形分の15%となる割合で添加して着色した。塗装直前に、これにアミノ基含有アルコキシシラン化合物1部及びエポキシ基含有アルコキシシラン化合物2.4部を混合して無機塗料を調製した。
なお、上記の着色剤はイオン交換水17.7部、増粘剤(ハーキュリーズ・ジャパン株式会社から入手できるナトラゾール250HR)0.2部、分散剤(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社から入手できるOROTAN731DP)5部、湿潤分散剤(第一工業製薬株式会社から入手できるネオノイゲン140A)0.5部、カーボンブラック(旭カーボン株式会社から入手できる旭#50)9部、二酸化チタン(石原産業株式会社から入手できるタイペークCR−97)10部、硫酸バリウム(堺化学工業株式会社から入手できる沈降性硫酸バリウム#100)57.5部、及び消泡剤(サンノプコ株式会社から入手できるノプコ8034)1部を混合してその中にガラスビーズ30部を加え、粒ゲージで20μm以下になるまでディスパー撹拌して得たものである。
〔実施例1〕
骨材4(株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトMSB」シラスバルーン)を混ぜた有機塗料(有機塗料:骨材=100:2.4(重量比))をセメントを主材とする基板1の表面に塗布することにより、骨材4が分散状態で固定された有機塗料層3を形成した。次に、上記有機塗料層3の表面に無機塗料30を流し込み、この流し込んだ未硬化の無機塗料30に空気を吹き付けて余剰無機塗料30を排除した。これにより、図1に示すようなセメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
骨材4(株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトMSB」シラスバルーン)を混ぜた有機塗料(有機塗料:骨材=100:2.4(重量比))をセメントを主材とする基板1の表面に塗布することにより、骨材4が分散状態で固定された有機塗料層3を形成した。次に、上記有機塗料層3の表面に無機塗料30を流し込み、この流し込んだ未硬化の無機塗料30に空気を吹き付けて余剰無機塗料30を排除した。これにより、図1に示すようなセメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
〔実施例2〕
骨材4として、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトMSB」シラスバルーンを用いると共に、有機塗料:骨材=100:4.8(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
骨材4として、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトMSB」シラスバルーンを用いると共に、有機塗料:骨材=100:4.8(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
〔実施例3〕
骨材4として、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトSC−50」シラスバルーンを用いると共に、有機塗料:骨材=100:4.2(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
骨材4として、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトSC−50」シラスバルーンを用いると共に、有機塗料:骨材=100:4.2(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
〔実施例4〕
骨材4として、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトSC−50」シラスバルーンを用いると共に、有機塗料:骨材=100:8.4(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
骨材4として、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトSC−50」シラスバルーンを用いると共に、有機塗料:骨材=100:8.4(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
〔実施例5〕
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズ」セラミックバルーンを用いると共に、有機塗料:骨材=100:4.6(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズ」セラミックバルーンを用いると共に、有機塗料:骨材=100:4.6(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
〔実施例6〕
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズ」セラミックバルーンを用いると共に、有機塗料:骨材=100:9.2(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズ」セラミックバルーンを用いると共に、有機塗料:骨材=100:9.2(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
〔実施例7〕
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズSL75」セラミックバルーンを用いると共に、有機塗料:骨材=100:4.5(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズSL75」セラミックバルーンを用いると共に、有機塗料:骨材=100:4.5(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
〔実施例8〕
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズSL75」セラミックバルーンを用いると共に、有機塗料:骨材=100:9(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズSL75」セラミックバルーンを用いると共に、有機塗料:骨材=100:9(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
〔実施例9〕
骨材4として、珪砂を用いると共に、有機塗料:骨材=100:20(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
骨材4として、珪砂を用いると共に、有機塗料:骨材=100:20(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
〔実施例10〕
骨材4として、珪砂を用いると共に、有機塗料:骨材=100:40(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
骨材4として、珪砂を用いると共に、有機塗料:骨材=100:40(重量比)となるように上記骨材4を有機塗料に混ぜた以外は、実施例1と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
〔比較例〕
骨材4を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、図4に示すセメント瓦を得た。
骨材4を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、図4に示すセメント瓦を得た。
〔実施例11〕
セメントを主材とする基板1の表面に有機塗料を塗布して未硬化有機塗料層3aを設け、この未硬化有機塗料層3aの表面に骨材4(株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトMSB」シラスバルーン)を単位面積当たりの重量が2.16g/m2となるように散布することにより、骨材4が分散状態で固定された有機塗料層3を形成した。次に、上記有機塗料層3の表面に無機塗料30を流し込み、この流し込んだ未硬化の無機塗料30に空気を吹き付けて余剰無機塗料30を排除した。これにより、図1に示すようなセメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
セメントを主材とする基板1の表面に有機塗料を塗布して未硬化有機塗料層3aを設け、この未硬化有機塗料層3aの表面に骨材4(株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトMSB」シラスバルーン)を単位面積当たりの重量が2.16g/m2となるように散布することにより、骨材4が分散状態で固定された有機塗料層3を形成した。次に、上記有機塗料層3の表面に無機塗料30を流し込み、この流し込んだ未硬化の無機塗料30に空気を吹き付けて余剰無機塗料30を排除した。これにより、図1に示すようなセメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
〔実施例12〕
骨材4として、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトMSB」シラスバルーンを用いると共に、単位面積当たりの重量が4.32g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
骨材4として、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトMSB」シラスバルーンを用いると共に、単位面積当たりの重量が4.32g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
〔実施例13〕
骨材4として、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトSC−50」シラスバルーンを用いると共に、単位面積当たりの重量が3.78g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
骨材4として、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトSC−50」シラスバルーンを用いると共に、単位面積当たりの重量が3.78g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
〔実施例14〕
骨材4として、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトSC−50」シラスバルーンを用いると共に、単位面積当たりの重量が7.56g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
骨材4として、株式会社アクシーズケミカル「ウィンライトSC−50」シラスバルーンを用いると共に、単位面積当たりの重量が7.56g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
〔実施例15〕
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズ」セラミックバルーンを用いると共に、単位面積当たりの重量が4.14g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズ」セラミックバルーンを用いると共に、単位面積当たりの重量が4.14g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
〔実施例16〕
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズ」セラミックバルーンを用いると共に、単位面積当たりの重量が8.28g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズ」セラミックバルーンを用いると共に、単位面積当たりの重量が8.28g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
〔実施例17〕
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズSL75」セラミックバルーンを用いると共に、単位面積当たりの重量が4.05g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズSL75」セラミックバルーンを用いると共に、単位面積当たりの重量が4.05g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
〔実施例18〕
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズSL75」セラミックバルーンを用いると共に、単位面積当たりの重量が8.10g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
骨材4として、太平洋セメント株式会社「イースフィアーズSL75」セラミックバルーンを用いると共に、単位面積当たりの重量が8.10g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
〔実施例19〕
骨材4として、珪砂を用いると共に、単位面積当たりの重量が18g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
骨材4として、珪砂を用いると共に、単位面積当たりの重量が18g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約300μmであった。
〔実施例20〕
骨材4として、珪砂を用いると共に、単位面積当たりの重量が36g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
骨材4として、珪砂を用いると共に、単位面積当たりの重量が36g/m2となるように上記骨材4を散布した以外は、実施例11と同様にして、セメント瓦Aを得た。このセメント瓦Aの表面において、骨材4の平均間隔は約200μmであった。
そして、上記のようにして得た各セメント瓦Aの無機塗料30の塗りムラについて、下記[表1]に示す等級(塗れ性評価点)を基準として等級を付けた。結果を下記[表2]及び[表3]に示す。
表2及び表3にみられるように、比較例よりも各実施例の方が、塗れ性評価点が高いことから、均一な厚みで無機塗料層5を形成できることが確認される。なお、塗れ性を適正に評価するため、各実施例及び比較例の無機塗料層5はいずれも厚みが12μm程度となるように形成した。
また、厚みが6μm程度となるように各実施例及び比較例の無機塗料層5を形成すると、各実施例についてはいずれも均一性が保持されていたが、比較例については均一性が保持されず、塗れ性評価点は2.5点に下がった。
よって、本発明に係るセメント瓦Aは、耐候性に優れた無機塗料層を従来よりも薄くて均一な厚みで形成することにより、有機塗料層の紫外線劣化を効果的に防止できるものであると考えられ、また、本発明に係るセメント瓦Aの製造方法によれば、比較的高価な無機塗料の使用量を従来よりも低減して、上記のようなセメント瓦Aを効率良くかつ安価に製造できると考えられる。
A セメント瓦
1 基板
3 有機塗料層
3a 未硬化有機塗料層
4 骨材
5 無機塗料層
30 無機塗料
1 基板
3 有機塗料層
3a 未硬化有機塗料層
4 骨材
5 無機塗料層
30 無機塗料
Claims (5)
- セメントを主材とする基板の表面に骨材が分散状態で固定された有機塗料層を設けると共に、この有機塗料層の表面に無機塗料層を設けて成ることを特徴とするセメント瓦。
- 平均粒径が38〜250μmの骨材が平均200〜700μmの間隔で分散した状態で固定されて成ることを特徴とする請求項1に記載のセメント瓦。
- 骨材を混ぜた有機塗料をセメントを主材とする基板の表面に塗布することにより、骨材が分散状態で固定された有機塗料層を形成する有機塗料塗布工程と、上記有機塗料層の表面に無機塗料を流し込み、この流し込んだ未硬化の無機塗料に空気を吹き付けて余剰無機塗料を排除する無機塗料塗布工程とを有することを特徴とするセメント瓦の製造方法。
- セメントを主材とする基板の表面に有機塗料を塗布して未硬化有機塗料層を設け、この未硬化有機塗料層の表面に骨材を散布することにより、骨材が分散状態で固定された有機塗料層を形成する有機塗料塗布工程と、上記有機塗料層の表面に無機塗料を流し込み、この流し込んだ未硬化の無機塗料に空気を吹き付けて余剰無機塗料を排除する無機塗料塗布工程とを有することを特徴とするセメント瓦の製造方法。
- 平均粒径が38〜250μmの骨材を平均200〜700μmの間隔で分散した状態で固定することを特徴とする請求項3又は4に記載のセメント瓦の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004100471A JP2005282251A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | セメント瓦及びその製造方法 |
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