JP2005281900A - ポリビニルアルコール系繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】
実用上十分な機械的特性および耐水性を兼ね備え、ロープやテント、土木シート、紡績糸、またはセメント、ゴム、プラスチックの補強材をはじめとして多くの用途に極めて有用なポリビニルアルコール系繊維およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体が繊維内部にまで均一に含有してなり、且つその含有量が0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とするポリビニルアルコール系繊維。
【選択図】図1
実用上十分な機械的特性および耐水性を兼ね備え、ロープやテント、土木シート、紡績糸、またはセメント、ゴム、プラスチックの補強材をはじめとして多くの用途に極めて有用なポリビニルアルコール系繊維およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体が繊維内部にまで均一に含有してなり、且つその含有量が0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とするポリビニルアルコール系繊維。
【選択図】図1
Description
本発明は、優れた機械的特性と耐水性を兼ね備えたポリビニルアルコール(以下、PVAと略する)系繊維及びその製造方法に関するものであり、該性能が必要なロープやテント、土木シート、紡績糸、またはセメント、ゴム、プラスッチックの補強用をはじめとして多くの用途に極めて有効に使用することができる。
従来、PVA系繊維はポリアミドやポリエステル、ポリアクリロニトリル系繊維に比べて、強度、弾性率などの機械的特性に優れることから、産業資材用繊維として広範囲に使用されている。また、耐アルカリ性や接着性に優れることから、特にアスベスト代替のセメント補強用繊維として脚光を浴びている。しかしながら、PVA系繊維は、ポリマー骨格内に水酸基を有するために耐水性が十分と言えず、長期に渡って湿潤状態に曝される場合に起こる繊維の膨潤とそれにより引き起こされる力学物性の低下、また、繰り返しの洗濯などによる収縮などの問題を抱えており、一般産業資材や衣料素材として用いられるにしても用途が制限されていた。特にセメント補強用繊維として用いる場合、繊維はセメントマトリックス中で均一に分散していることがセメント曲げ強度やたわみ量などの物性に効果的であると考えると、セメント施工時のスラリー水溶液中での繊維の分散性、すなわち水中での繊維の分散性が必要であるが、特に有機溶剤系による湿式あるいは乾湿式紡糸によって製造されたPVA系繊維は、その繊維表面が柔らかいがために、繊維内への水の拡散が起こりやすく、そのため繊維表面からPVA系ポリマーが溶出し、それが原因で膠着を引き起こしたり、繊維物性が低下する等、耐水性および水中での繊維の分散性が十分といえず、一層の改善が望まれていた。
PVA系繊維の耐水化技術としては、アルデヒド化合物とPVA系ポリマーの水酸基とのアセタール化反応を利用してPVA系繊維の疎水化あるいは架橋させる技術が広く提案されている。例えば、特許文献1及び2には、ホルマリンを用いてPVAの水酸基をホルマール化して疎水化することにより染色や洗濯に耐えられるPVA系繊維が提案されているが、これらの繊維は強度、弾性率などの力学物性が低く、特にセメント、ゴム、プラスチックの補強材には適さないものであった。また、高強力PVA系繊維をホルマール化することが特許文献3に提案されているが、ホルマール化度が5から15モル%と低く、PVA系繊維の非晶領域のごく一部が疎水化されているに過ぎず、耐水性は十分ではなく、繰り返し長期間湿潤状態に曝される産業資材や、セメントの補強材での使用においては満足できるものではなかった。
一方、ジアルデヒド化合物による分子間架橋は特許文献4及び5に記載されているが、ジアルデヒド化合物と反応触媒である酸の混合浴で後処理するため、高度に配向結晶化した高強力繊維では、ジアルデヒド化合物が浸透し難く、繊維全体の架橋が困難であった。また、特許文献6には、ジアルデヒドまたはアセタール化合物を紡糸原液に添加し、高倍率に延伸した後、酸処理により繊維内部に架橋を生じさせることが提案されている。さらに特許文献7には延伸した後のPVA系繊維に特許文献6で示されるジアルデヒド化合物を繊維内部まで浸透させたのち、モノアルデヒド化合物と架橋触媒を含有する浴に浸漬させて架橋反応を起こさせることで、耐水性に優れたPVA系繊維が提案されている。しかしながら、本発明者等が追試した結果、実施例に記載されている酸処理工程にて、PVA系繊維の膨潤が起こり、それ故、機械的特性がかなり低下してしまい、本発明でいう、特に高強度が要求される産業資材やセメント、ゴム、プラスチックなどの補強材の分野には必ずしも適したものとはいえなかった。
更に、アセタール化された構造単位を有するPVA系ポリマーを用いて紡糸、延伸した後、酸処理により繊維内部まで均一に架橋させる技術が特許文献12に提案されているが、アセタール化された構造単位が5モル%を超えると機械的特性が低下するばかりでなく、このようなPVA系ポリマーを得るには特殊な重合を施さなければならず、コスト高になるなどの問題を抱えていた。
また特許文献9、10及び11には、抽出浴にアルデヒド化合物を溶解し、その中に膨潤状態の糸篠を通過させることで、アルデヒド化合物を繊維内部にまで十分含侵させ、乾燥、延伸後に、アセタール化を進行させるのに必要な固体触媒が分散された浴、或いは硫酸水溶液浴で処理する事により、耐水性に優れたPVA系繊維が提案されている。この方法は、繊維の内部にまで均一にアルデヒド化合物を含侵できることや、配向結晶化した後に酸処理を施すといった点では好ましい方法であるが、やはり、アセタール化による耐水化には反応度を高くすることを目的に、処理時間を長く設定しなければならないことや、酸処理浴といった工程を別途設定しなければならないことなど、工程性通過性の面で一層の改善が望まれていた。
上述したように、従来報告されているアセタール化反応を利用したPVA系繊維の耐水化の向上においては、アセタール化処理は全て酸の水溶液中で処理する方法が取られている。また、実用上必要な耐水化を付与させるには、アセタール化反応を十分進行させなければならず、その為には塩酸や硫酸のような強酸の使用が必要であり、反応させる温度も50℃以上必要である。このような条件で処理することは、本来耐水性の低いPVA系繊維を膨潤させてしまうことに他ならず、それ故、PVA系繊維の分子配向を乱して結晶化度を低下させるなど、機械的特性の低下を招くという根本的な問題を抱えていた。また、特許文献13には、PVA系繊維を予め湿熱収縮処理することで、耐水性に優れたPVA系繊維が提案されているが、セメント補強繊維等に使うには不十分であり、更なる改善が望まれていた。
本発明の目的は、強度、弾性率等の機械的特性、及び耐水性に優れたPVA系繊維とその製造方法を提供することである。
本願発明者等は上記したPVA系繊維を得るべく鋭意検討を重ねた結果、PVA系ポリマーに対して、特別な工程を必要とせず、通常の紡糸工程中において、PVA系ポリマーと架橋構造を形成することが可能な、炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体を繊維中に含浸させ、その後、延伸及び熱処理することで、優れた機械的特性と耐水性を有するPVA系繊維を安価に製造できることを見出した。
すなわち本発明は、炭素数10以上の疎水性の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体が繊維内部にまで均一に含有してなり、且つその含有量が0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とするPVA系繊維であり、好ましくは炭素数10以上の疎水性の脂肪族または脂環族ジカルボン酸が、未水添ダイマー酸または水添ダイマー酸である上記のPVA系繊維に関するものである。
また、本発明はPVA系ポリマーを有機溶媒に溶解して得た紡糸原液を、該ポリマーに対して固化能を有する有機溶媒を主体とする固化浴に湿式または乾湿式紡糸し、浴溶媒がPVAに対して30〜300質量%含有される膨潤状態の糸篠を、炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体が1〜200g/lの濃度で溶解された浴を通して繊維内部にまで該化合物を均一に浸透させ、その後の乾燥、延伸、熱処理し、全延伸倍率が10倍以上である上記のPVA系繊維の製造方法に関するものである。
また、本発明はPVA系ポリマーを有機溶媒に溶解して得た紡糸原液を、該ポリマーに対して固化能を有する有機溶媒を主体とする固化浴に湿式または乾湿式紡糸し、浴溶媒がPVAに対して30〜300質量%含有される膨潤状態の糸篠を、炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体が1〜200g/lの濃度で溶解された浴を通して繊維内部にまで該化合物を均一に浸透させ、その後の乾燥、延伸、熱処理し、全延伸倍率が10倍以上である上記のPVA系繊維の製造方法に関するものである。
本発明によれば、強度、弾性率などの機械的特性、及び耐水性に優れたPVA系繊維を提供することが可能である。また本発明のPVA系繊維は、特別な工程を必要とせず、通常の紡糸、延伸工程で達成可能であり、安価に製造することができるので、該性能が必要なロープやテント、土木シートなどの一般産業資材や、セメント、ゴム、プラスチックの補強材をはじめとして多くの用途に極めて有効に使用することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。まず本発明のPVA系繊維を構成するPVA系ポリマーについて説明する。本発明に用いるPVA系ポリマーの重合度は特に限定されるものではないが、得られる繊維の機械的特性や寸法安定性等を考慮すると30℃水溶液の粘度から求めた平均重合度が1200〜20000のものが望ましい。高重合度のものを用いると、機械的特性、耐水性等の点で優れるので好ましいが、ポリマー製造コストや繊維化コストなどの観点から、より好ましくは、平均重合度が1500〜5000である。
本発明で用いるPVA系ポリマーのケン化度は特に限定されるものではないが、得られる繊維の力学物性の点から、99モル%以上であることが好ましい。PVA系ポリマーのケン化度が99モル%よりも低いものを使用した場合、得られる繊維の機械的特性や耐水性などの面で好ましくない。
また本発明の繊維を形成するPVA系ポリマーは、ビニルアルコールユニットを主成分とするものであれば特に限定されず、本発明の効果を損なわない限り、所望により他の構成単位を有していてもかまわない。このような構造単位としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン類、アクリル酸及びその塩とアクリル酸メチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のメタクリルアミド誘導体、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、ポリアルキレンオキシドを側鎖に有するアリルエーテル類、メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリル等のニトリル類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル、マレイン酸およびその塩またはその無水物やそのエステル等の不飽和ジカルボン酸等がある。このような変性ユニットの導入法は共重合による方法でも、後反応による方法でもよい。しかしながら、本発明の目的とする繊維を得るためにはビニルアルコール単位が99モル%以上のポリマーがより好適に使用される。もちろん本発明の効果を損なわない範囲であれば、目的に応じてポリマー中に酸化防止剤、凍結防止剤、pH調整剤、隠蔽剤、着色剤、油剤などの添加剤が含まれていてもよい。
本発明のPVA系繊維は、原糸の段階で、疎水性である炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体を繊維内部にまで均一に含浸させることが重要なポイントである。本発明で使用する炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体としては特に限定されず、例えば、炭素数18の二塩基酸であるオクタデシル酸や、炭素数36のダイマー酸、またはその誘導体である水添ダイマー酸、ダイマーイソシアネート、ダイマージアミンを用いることができる。これらの中でもコスト、入手し易さの点で、炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体は、ダイマー酸または水添ダイマー酸であることが好ましい。
本発明のPVA系繊維は、上記で示したように、炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体を用いる必要がある。炭素数が10未満の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体を用いた場合、PVA系ポリマーへの含侵はできても、炭素の数が少ないので所望の耐水性が得られない。多量に含侵させれば、耐水性に優れた繊維は得ることができるが、その場合、機械的特性の低下をもたらす。また、炭素数が10以上であっても、芳香族ジカルボン酸またはその誘導体を用いた場合、後述する浴への溶解度が低下したり、取り扱いが難しいなど安全の面で問題を引き起こすので好ましくない。
以上のことから、炭素数10以上の疎水性の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体を繊維内部にまで均一に含侵させることが本発明のポイントであり、従来耐水化技術として広く提案されてきたアセタール化のような、PVA系ポリマーに対して多量な架橋を必要とすることなく、また酸処理といった特別な工程を必要とすることなく、従って、強度、弾性率などの機械的特性を損なうことなく、少ない含有量で繊維の内部または表層を疎水化でき、耐水性、機械的特性に優れたPVA系繊維を得ることができる。
本発明のPVA系繊維において、上記した炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体の含有量は、0.1質量%以上10質量%以下であることが必要である。含有量が0.1質量%未満の場合、本発明の目的とする耐水性に優れた繊維が得られず、また10質量%を越えると繊維間の膠着など引き起こし、そのため得られる繊維の機械的特性が低くなるなどの問題が生じる。好ましくは0.2〜8質量%であり、より好ましくは0.3〜7質量%である。なお本発明のPVA系繊維において、疎水性の炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体の含有量は後述する方法で測定される。
また、本発明のPVA系繊維においては、炭素数10以上の疎水性の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体が繊維の内部にまで均一に含有されている必要がある。繊維の表面付近のみに含有している場合や、繊維内部であっても均一に含有されていない場合は耐久性が不十分であったり、再現性が得られないなど、所望の耐久性が得られない。なお、炭素数10以上の疎水性の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体の繊維の内部への含有状態は、後述する方法にて測定される。
次に本発明のPVA系繊維の製造方法について説明する。本発明においては、PVA系ポリマーを水あるいは有機溶剤に溶解した紡糸原液を用いて後述する方法で繊維を製造することにより、繊維内部まで炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体を含有した、機械的特性及び耐水性に優れた繊維を効率良く安価に製造することができる。紡糸原液を構成する溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略記)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどの極性溶媒やグリセリン、エチレングリコールなどの多価アルコール類、およびこれらとロダン塩、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛などの膨潤性金属塩の混合物、さらにはこれら溶媒同士、あるいはこれら溶媒と水との混合物などが挙げられるが、これらの中でも、とりわけ水やDMSOがコスト、回収性等の工程通過性の点で最も好適である。
紡糸原液中のポリマー濃度は組成、重合度、溶媒によって異なるが、8〜40質量%の範囲であることが好ましい。紡糸原液の吐出時の液温は、紡糸原液が分解、着色しない範囲であることが好ましく、具体的には50〜150℃とすることが好ましい。
かかる紡糸原液をノズルから吐出して湿式紡糸あるいは乾湿式紡糸を行えばよく、PVA系ポリマーに対して固化能を有する固化液に吐出すればよい。なお、湿式紡糸とは、紡糸ノズルから直接固化浴に紡糸原液を吐出する方法のことであり、一方乾湿式紡糸とは、紡糸ノズルから一旦任意の距離の空気中あるいは不活性ガス中に紡糸原液を吐出し、その後に固化浴に導入する方法のことである。
本発明において用いる固化浴は、原液溶媒が有機溶媒の場合と水の場合では異なる。有機溶媒を用いた原液の場合には、得られる繊維強度等の点から固化浴溶媒と原液溶媒からなる混合液であることが好ましく、固化溶媒としては特に制限はないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノ−ル、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類等のPVA系ポリマーに対して固化能を有する有機溶媒を用いることができる。これらの中でも低腐食性及び溶剤回収の点でメタノールとDMSOとの組合せが好ましい。一方、紡糸原液が水溶液の場合、固化浴を構成する固化溶媒としては、芒硝、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のPVA系ポリマーに対して固化能を有する無機塩類の水溶液を用いることができる。
次に固化された原糸から紡糸原液の溶媒を抽出除去するために、抽出浴を通過させるが、抽出時に同時に原糸を湿延伸することが、乾燥時の繊維間膠着抑制及び得られる繊維の機械的特性を向上させるうえで好ましい。その際の湿延伸倍率としては2〜10倍であることが工程性、生産性の点で好ましい。抽出溶媒としては固化溶媒単独あるいは原液溶媒と固化溶媒の混合液を用いることができる。
湿延伸後、繊維を乾燥または延伸してPVA系繊維を製造すればよいが、本発明の目的とする繊維を得るためには、疎水性の炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体を溶解した浴を通過させて該化合物を繊維中に含浸させる。この場合、繊維内部への均一浸透の点から、繊維は浴溶媒により膨潤していることが必要であり、そのためには浴に用いる溶媒はメタノール等のアルコール類や水であることが好ましい。すなわち紡糸工程中において繊維が十分に結晶化した後に抽出溶媒中で膨潤状態にある繊維に該化合物を含浸させ、その後の乾燥、延伸、熱処理などの工程で該化合物が繊維内部にまで均一に含有させることにより実質的な延伸倍率が低下することはなく、機械的特性や耐水性を兼備したPVA系繊維が得られる。その時の浴溶媒による繊維の膨潤率は30質量%以上であることが好ましい。膨潤率が30質量%未満の場合、繊維の内部まで均一に浸透できず、従って繊維内部まで該化合物を含侵させることができない。一方で、膨潤率が大きくなりすぎた場合、浴へのPVA系ポリマーの溶出などが起こり、工程通過性の面で好ましくない。以上のことから、炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体が溶解された浴での膨潤率は30質量%以上300質量%以下であることが好ましく、50質量%以上250質量%以下であることがより好ましい。
一方、例えば炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体を原液から仕込んだ場合には、固化過程での結晶化が阻害され、その後の延伸性が低下し、結果として機械的特性の低い繊維しか得られない。また該化合物をPVA系ポリマーに反応させたものを原料として使用した場合においても得られる繊維の結晶性は低くなり、それ故機械的特性の低い繊維しか得られない。さらには、延伸や熱処理後にローラータッチなどで該化合物を付与する方法では、繊維内部まで十分な量が付与できないことに加えて、繊維への均一含浸ができず、再現性に乏しいものとなる。したがって先述したように、抽出溶媒中で膨潤状態にあるPVA系繊維に該化合物を含浸させておくことが好適である。
疎水性の炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体の浴への溶解量は必要に応じて適宜設定すればよいが、1〜200g/lの範囲であることが好ましい。添加量が1g/l未満の場合、所望の物性が得られず、また200g/lを越える場合は、ローラーへの付着など、工程性不良をもたらすので好ましくない。より好ましくは20〜100g/lである。
前記したように、所定の膨潤状態にある場合、疎水性の炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体が溶解された浴に糸篠が通過した時点で、繊維への含浸は問題なく起こるので、浴での滞留時間については特に制限はないが、繊維内部にまで該化合物を均一に含侵させることを目的に、浴での滞留時間は3秒以上であることが望ましい。
前記したように、所定の膨潤状態にある場合、疎水性の炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体が溶解された浴に糸篠が通過した時点で、繊維への含浸は問題なく起こるので、浴での滞留時間については特に制限はないが、繊維内部にまで該化合物を均一に含侵させることを目的に、浴での滞留時間は3秒以上であることが望ましい。
このようにして固化から抽出などの紡糸工程中で繊維中に該化合物を導入させ、その後乾燥、延伸、熱処理などの工程を通し、全延伸倍率を10倍以上とすることで、本発明のPVA系繊維を製造することができる。乾燥、延伸、熱処理時の温度は特に制限はないが、繊維の力学的特性を発現させるための配向結晶化を促進させることを考慮すると、150〜260℃の範囲であることが好ましい。温度が150℃未満の場合、繊維の白化が生じ、そのため機械的物性の低下をもたらす。また260℃を越えると繊維の部分的な融解が生じ、この場合においても力学的物性の低下をもたらすので好ましくない。より好ましくは200〜240℃の範囲である。
本発明のPVA系繊維は、全延伸倍率を10倍以上にすることが好ましく、特に15〜25倍の全延伸倍率で延伸すると、繊維の結晶化度と配向度があがり、繊維の機械的特性が著しく向上するのでより好ましい。延伸倍率が10倍未満の場合には、繊維の機械的特性が損なわれる。なお、ここでいう延伸倍率とは、先述した乾燥前の固化浴中での湿延伸と乾燥後の延伸倍率の積である。例えば、湿延伸を4倍とし、その後の延伸を5倍とした場合の全延伸倍率は20倍となる。
本発明により得られる繊維の繊度は特に限定されず、例えば繊度0.1〜10000dtex、好ましくは1〜1000dtexの繊維が広く使用できる。
本発明のPVA系繊維は、力学物性、耐水性に優れることから、例えばカットファイバー、フィラメント、紡績糸、紐状物、ロープ、等の形態で使用可能である。また該繊維を用いて、例えば不織布、織編物等を作製しても構わず、あらゆる用途に好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は本実施例により何等限定されるものではない。なお以下の実施例において、炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体の繊維中での含有状態、含有量、繊維の膨潤率、繊維の水中分散性評価、耐水性評価、繊維の引張強度及び強度保持率は下記の方法により測定したものを示す。
[炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体の繊維中での含有状態の測定]
炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体の繊維中での含有状態の測定は、KAISER社製顕微レーザーラマンHoloLab Series5000を用いて行った。測定の際には図1に示すようにミクロトームを用いて繊維の断面出しを行い、繊維内部の中心部分及び表面部分のスペクトルの測定を行った。得られたスペクトル中において炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体に帰属されるピークの有無を判定することで繊維中での該化合物の含有状態を判断した。
炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体の繊維中での含有状態の測定は、KAISER社製顕微レーザーラマンHoloLab Series5000を用いて行った。測定の際には図1に示すようにミクロトームを用いて繊維の断面出しを行い、繊維内部の中心部分及び表面部分のスペクトルの測定を行った。得られたスペクトル中において炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体に帰属されるピークの有無を判定することで繊維中での該化合物の含有状態を判断した。
[炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体の繊維中での含有量 質量%]
炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体のPVA繊維中での含有量の測定は、日本電子社製核磁気共鳴装置(NMR)を用いて行った。PVA系繊維を溶液温度50〜140℃のDMSO溶液に溶解せしめ、13C−NMRによって、炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体に帰属されるピークとPVA中のCH2基ピークの面積比から求めた。
炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体のPVA繊維中での含有量の測定は、日本電子社製核磁気共鳴装置(NMR)を用いて行った。PVA系繊維を溶液温度50〜140℃のDMSO溶液に溶解せしめ、13C−NMRによって、炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体に帰属されるピークとPVA中のCH2基ピークの面積比から求めた。
[浴中での繊維の膨潤率測定 質量%]
炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体が溶解された浴から繊維を取り出し、膨潤状態にある繊維の乾燥前後の質量変化から以下の式より膨潤率を測定した。
膨潤率(%)=〔(乾燥前の膨潤状態の質量−乾燥後の質量)/(乾燥後の質量)〕×100
炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体が溶解された浴から繊維を取り出し、膨潤状態にある繊維の乾燥前後の質量変化から以下の式より膨潤率を測定した。
膨潤率(%)=〔(乾燥前の膨潤状態の質量−乾燥後の質量)/(乾燥後の質量)〕×100
[繊維の水中分散性評価]
6mmにカットした繊維束0.1gを、25℃の水500ml入れたビーカーに投入し、羽根付きプロペラを用いて500rpmの回転数で2分間水溶液全体を攪拌後、さらに200rpmの回転数で2分間攪拌した。その時の繊維の状態を以下の指標で目視判定した。耐水化されている繊維ほど、水が繊維に与える影響が少なく、レベルが高いものとする。
レベル5:繊維が凝集せず、水中で均一に分散している。
レベル4:直径5〜10mmの繊維の凝集物が1個できている。
レベル3:直径5〜10mm以上の繊維の凝集物が2〜3個できている。
レベル2:直径5〜10mm以上の繊維の凝集物が4〜5個できている。
レベル1:直径5〜10mm以上の繊維の凝集物が6個以上できているか、若しくは直径10mm以上の繊維の凝集物が1個以上できている。または、繊維が最初から膠着しており、凝集物はできていなくとも、水中で繊維束のバラケが起きていない。
6mmにカットした繊維束0.1gを、25℃の水500ml入れたビーカーに投入し、羽根付きプロペラを用いて500rpmの回転数で2分間水溶液全体を攪拌後、さらに200rpmの回転数で2分間攪拌した。その時の繊維の状態を以下の指標で目視判定した。耐水化されている繊維ほど、水が繊維に与える影響が少なく、レベルが高いものとする。
レベル5:繊維が凝集せず、水中で均一に分散している。
レベル4:直径5〜10mmの繊維の凝集物が1個できている。
レベル3:直径5〜10mm以上の繊維の凝集物が2〜3個できている。
レベル2:直径5〜10mm以上の繊維の凝集物が4〜5個できている。
レベル1:直径5〜10mm以上の繊維の凝集物が6個以上できているか、若しくは直径10mm以上の繊維の凝集物が1個以上できている。または、繊維が最初から膠着しており、凝集物はできていなくとも、水中で繊維束のバラケが起きていない。
[繊維の耐水性評価 進行収縮率%]
1mにカットした繊維を、末端フリーの状態で50℃の水に20分浸漬させ、その後、100℃の乾燥機で1時間乾燥させた。この処理を20回繰り返し、その時点での収縮率を算出した。
1mにカットした繊維を、末端フリーの状態で50℃の水に20分浸漬させ、その後、100℃の乾燥機で1時間乾燥させた。この処理を20回繰り返し、その時点での収縮率を算出した。
[繊維物性 cN/dtex]
JIS L1013に準じて、予め調湿された繊維を試長20cm、初荷重0.25cN/dtex及び引張速度50%/分の条件で測定し、n=20の平均値を採用した。また繊維繊度(dtex)は質量法により求めた。
JIS L1013に準じて、予め調湿された繊維を試長20cm、初荷重0.25cN/dtex及び引張速度50%/分の条件で測定し、n=20の平均値を採用した。また繊維繊度(dtex)は質量法により求めた。
[繊維の強度保持率 %]
1mにカットした繊維を、100℃の水中で30分湿熱処理した後、80℃の乾燥機で24時間乾燥した。処理した繊維の強度を上述の方法で測定し、処理前の強度から、強度保持率を算出した。
1mにカットした繊維を、100℃の水中で30分湿熱処理した後、80℃の乾燥機で24時間乾燥した。処理した繊維の強度を上述の方法で測定し、処理前の強度から、強度保持率を算出した。
[実施例1]
(1)粘度平均重合度1700、ケン化度99.8モル%のPVAをPVA濃度23質量%となるようにDMSO中に添加し、90℃にて窒素雰囲気下で加熱溶解した。得られた紡糸原液を、孔径0.08mm、ホール数108のノズルを通して液温5℃のメタノール/DMSO=70/30(質量比)よりなる固化浴中に乾湿式紡糸した。
(2)得られた固化糸を固化浴と同じメタノール/DMSO組成の第2浴に浸漬し、次いで液温25℃のメタノール浴中で4倍の湿延伸を施した。その後、コグニスジャパン株式会社製の炭素数36の二塩基酸である未水添ダイマー酸(商品名:EMPOL1061)を20g/l溶解した25℃のメタノール浴に導糸した。このときの繊維の浴中での膨潤率は200質量%であった。導糸後、120℃の熱風で乾燥し乾燥原糸を得た。
(3)上記で得られた乾燥原糸を230℃の熱風延伸炉中で総延伸倍率(湿延伸倍率×熱風炉延伸倍率)が17倍になるように延伸し、繊維を得た。得られた繊維は、図1に示すラマンスペクトルを測定したところ、繊維の表層付近だけでなく内部にまで未水添ダイマー酸中のカルボン酸に由来するピーク(図中1500cm−1付近)が確認され、すなわち上記(2)で使用した未水添ダイマー酸が繊維内部にまで均一に含有していることが確認できた。
(4)さらに、得られた繊維の性能評価結果を表1に示す。表1に示すように、上記(2)で添加した未水添ダイマー酸の含有量は1.6質量%であった。また得られた繊維の繊維物性は単糸繊度2.0dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ12.3cN/dtex、345cN/dtexであった。さらに分散性はレベル5と優れており、進行収縮率は1.7%、強度保持率は86%であり、従来のPVA系繊維の力学物性に加えて耐水性に優れるものであった。またさらに繊維の外観は良好で糸斑等はみられなかった。
(1)粘度平均重合度1700、ケン化度99.8モル%のPVAをPVA濃度23質量%となるようにDMSO中に添加し、90℃にて窒素雰囲気下で加熱溶解した。得られた紡糸原液を、孔径0.08mm、ホール数108のノズルを通して液温5℃のメタノール/DMSO=70/30(質量比)よりなる固化浴中に乾湿式紡糸した。
(2)得られた固化糸を固化浴と同じメタノール/DMSO組成の第2浴に浸漬し、次いで液温25℃のメタノール浴中で4倍の湿延伸を施した。その後、コグニスジャパン株式会社製の炭素数36の二塩基酸である未水添ダイマー酸(商品名:EMPOL1061)を20g/l溶解した25℃のメタノール浴に導糸した。このときの繊維の浴中での膨潤率は200質量%であった。導糸後、120℃の熱風で乾燥し乾燥原糸を得た。
(3)上記で得られた乾燥原糸を230℃の熱風延伸炉中で総延伸倍率(湿延伸倍率×熱風炉延伸倍率)が17倍になるように延伸し、繊維を得た。得られた繊維は、図1に示すラマンスペクトルを測定したところ、繊維の表層付近だけでなく内部にまで未水添ダイマー酸中のカルボン酸に由来するピーク(図中1500cm−1付近)が確認され、すなわち上記(2)で使用した未水添ダイマー酸が繊維内部にまで均一に含有していることが確認できた。
(4)さらに、得られた繊維の性能評価結果を表1に示す。表1に示すように、上記(2)で添加した未水添ダイマー酸の含有量は1.6質量%であった。また得られた繊維の繊維物性は単糸繊度2.0dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ12.3cN/dtex、345cN/dtexであった。さらに分散性はレベル5と優れており、進行収縮率は1.7%、強度保持率は86%であり、従来のPVA系繊維の力学物性に加えて耐水性に優れるものであった。またさらに繊維の外観は良好で糸斑等はみられなかった。
[実施例2]
コグニスジャパン製の炭素数36の二塩基酸である水添ダイマー酸(商品名:EMPOL1068)を用いた以外は実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維は、実施例1の場合と同様、図1に示すラマンスペクトルにより、繊維の表層付近だけでなく内部にまで水添ダイマー酸中のカルボン酸に由来するピーク(図中1500cm−1付近)が確認され、すなわち上記水添ダイマー酸が繊維内部にまで均一に含有していることが確認でき、そして繊維中における水添ダイマー酸の含有量は1.7質量%であった。また得られた繊維の性能は表1に示すように繊維物性は単糸繊度2.1dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、12.5cN/dtex、332cN/dtexであった。さらに分散性はレベル5と優れており、進行収縮率は1.6%、強度保持率は86%であり、従来のPVA系繊維の力学物性に加えて耐水性に優れるものであった。またさらに繊維の外観は良好で糸斑等はみられなかった。
コグニスジャパン製の炭素数36の二塩基酸である水添ダイマー酸(商品名:EMPOL1068)を用いた以外は実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維は、実施例1の場合と同様、図1に示すラマンスペクトルにより、繊維の表層付近だけでなく内部にまで水添ダイマー酸中のカルボン酸に由来するピーク(図中1500cm−1付近)が確認され、すなわち上記水添ダイマー酸が繊維内部にまで均一に含有していることが確認でき、そして繊維中における水添ダイマー酸の含有量は1.7質量%であった。また得られた繊維の性能は表1に示すように繊維物性は単糸繊度2.1dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、12.5cN/dtex、332cN/dtexであった。さらに分散性はレベル5と優れており、進行収縮率は1.6%、強度保持率は86%であり、従来のPVA系繊維の力学物性に加えて耐水性に優れるものであった。またさらに繊維の外観は良好で糸斑等はみられなかった。
[実施例3]
浴への溶解量を50g/lにした以外は実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維は、実施例1の場合と同様、図1に示すラマンスペクトルにより、繊維の表層付近だけでなく内部にまで未水添ダイマー酸中のカルボン酸に由来するピーク(図中1500cm−1付近)が確認され、すなわち上記未水添ダイマー酸が繊維内部にまで均一に含有していることが確認でき、そして繊維中における未水添ダイマー酸の含有量は4.9質量%であった。また得られた繊維の性能は表1に示すように繊維物性は単糸繊度1.9dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ12.0cN/dtex、320cN/dtexであった。さらに分散性はレベル4と良好であり、進行収縮率は1.5%、強度保持率は89%であり、従来のPVA系繊維の力学物性に加えて耐水性に優れるものであった。またさらに繊維の外観は良好で糸斑等はみられなかった。
浴への溶解量を50g/lにした以外は実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維は、実施例1の場合と同様、図1に示すラマンスペクトルにより、繊維の表層付近だけでなく内部にまで未水添ダイマー酸中のカルボン酸に由来するピーク(図中1500cm−1付近)が確認され、すなわち上記未水添ダイマー酸が繊維内部にまで均一に含有していることが確認でき、そして繊維中における未水添ダイマー酸の含有量は4.9質量%であった。また得られた繊維の性能は表1に示すように繊維物性は単糸繊度1.9dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ12.0cN/dtex、320cN/dtexであった。さらに分散性はレベル4と良好であり、進行収縮率は1.5%、強度保持率は89%であり、従来のPVA系繊維の力学物性に加えて耐水性に優れるものであった。またさらに繊維の外観は良好で糸斑等はみられなかった。
[実施例4]
コグニスジャパン製の炭素数18の二塩基酸であるオクタデシル二酸(商品名:Emerox118)が20g/l溶解されたn−プロパノール浴を用いた以外は実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維は、実施例1の場合と同様、図1に示すラマンスペクトルにより、繊維の表層付近だけでなく内部にまでオクタデシル二酸中のカルボン酸に由来するピーク(図中1500cm−1付近)が確認され、すなわち上記オクタデシル二酸が繊維内部にまで均一に含有していることが確認でき、そして繊維中における上記オクタデシル二酸の含有量は2.0質量%であった。また得られた繊維の性能は表1に示すように繊維物性は単糸繊度2.0dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、13.0cN/dtex、341cN/dtexであった。さらに分散性はレベル4と良好であり、進行収縮率は1.9%、強度保持率は85%であり、従来のPVA系繊維の力学物性に加えて耐水性に優れるものであった。またさらに繊維の外観は良好で糸斑等はみられなかった。
コグニスジャパン製の炭素数18の二塩基酸であるオクタデシル二酸(商品名:Emerox118)が20g/l溶解されたn−プロパノール浴を用いた以外は実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維は、実施例1の場合と同様、図1に示すラマンスペクトルにより、繊維の表層付近だけでなく内部にまでオクタデシル二酸中のカルボン酸に由来するピーク(図中1500cm−1付近)が確認され、すなわち上記オクタデシル二酸が繊維内部にまで均一に含有していることが確認でき、そして繊維中における上記オクタデシル二酸の含有量は2.0質量%であった。また得られた繊維の性能は表1に示すように繊維物性は単糸繊度2.0dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、13.0cN/dtex、341cN/dtexであった。さらに分散性はレベル4と良好であり、進行収縮率は1.9%、強度保持率は85%であり、従来のPVA系繊維の力学物性に加えて耐水性に優れるものであった。またさらに繊維の外観は良好で糸斑等はみられなかった。
[実施例5]
重合度2400、ケン化度99.8モル%のPVAを用いた以外は、実施例1と同じ条件で紡糸し、繊維を得た。得られた繊維は、実施例1の場合と同様、図1に示すラマンスペクトルにより、繊維の表層付近だけでなく内部にまで未水添ダイマー酸中のカルボン酸に由来するピーク(図中1500cm−1付近)が確認され、すなわち未水添ダイマー酸が繊維内部にまで均一に含有していることが確認でき、繊維中における未水添ダイマー酸の含有量は1.7質量%であった。また得られた繊維の性能は表1に示すように繊維物性は単糸繊度2.3dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、13.3cN/dtex、350cN/dtexであった。さらに分散性はレベル5と優れており、進行収縮率は1.5%、強度保持率は88%であり、従来のPVA系繊維の機械的特性に加えて耐水性に優れるものであった。またさらに繊維の外観は良好で糸斑等はみられなかった。
重合度2400、ケン化度99.8モル%のPVAを用いた以外は、実施例1と同じ条件で紡糸し、繊維を得た。得られた繊維は、実施例1の場合と同様、図1に示すラマンスペクトルにより、繊維の表層付近だけでなく内部にまで未水添ダイマー酸中のカルボン酸に由来するピーク(図中1500cm−1付近)が確認され、すなわち未水添ダイマー酸が繊維内部にまで均一に含有していることが確認でき、繊維中における未水添ダイマー酸の含有量は1.7質量%であった。また得られた繊維の性能は表1に示すように繊維物性は単糸繊度2.3dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、13.3cN/dtex、350cN/dtexであった。さらに分散性はレベル5と優れており、進行収縮率は1.5%、強度保持率は88%であり、従来のPVA系繊維の機械的特性に加えて耐水性に優れるものであった。またさらに繊維の外観は良好で糸斑等はみられなかった。
[実施例6]
(1)粘度平均重合度1700、ケン化度99.8モル%のPVAをPVA濃度16質量%となるように水に投入し、90℃にて窒素雰囲気下で加熱溶解した。得られた紡糸原液を孔径0.16mm、ホール数108のノズルを通して飽和芒硝水溶液からなる凝固浴中へ湿式紡糸した。
(2)さらに、得られた繊維を水中で5倍に湿延伸した後、コグニスジャパン株式会社製の炭素数36の二塩基酸である未水添ダイマー酸(商品名:EMPOL1061)を20g/L溶解した浴に導糸した。このときの浴中での繊維の膨潤率は150質量%であった。導糸後、120℃の熱風で乾燥し、乾燥原糸を得た。
(3)上記で得られた乾燥原糸を230℃の熱風延伸炉中で総延伸倍率(湿延伸倍率×熱風炉延伸倍率)が17倍になるように延伸し、繊維を得た。得られた繊維は、図1に示すラマンスペクトルを測定したところ、繊維の表層付近だけでなく内部にまで未水添ダイマー酸中のカルボン酸に由来するピーク(図中1500cm−1付近)が確認され、すなわち上記(2)で使用した未水添ダイマー酸が繊維内部にまで均一に含有していることが確認できた。
(4)さらに得られた繊維の性能評価結果を表1に示す。表1に示すように、上記(2)で添加した炭素数36の二塩基酸である未水添ダイマー酸の含有量は1.4質量%であった。また繊維物性は単糸繊度1.7dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、12.0cN/dtex、325cN/dtexであった。さらに分散性はレベル4と良好であり、進行収縮率は1.8%、強度保持率は82%であり、従来のPVA系繊維の力学物性に加えて、耐水性に優れるものであった。さらに繊維の外観は良好で糸斑等はみられなかった。
(1)粘度平均重合度1700、ケン化度99.8モル%のPVAをPVA濃度16質量%となるように水に投入し、90℃にて窒素雰囲気下で加熱溶解した。得られた紡糸原液を孔径0.16mm、ホール数108のノズルを通して飽和芒硝水溶液からなる凝固浴中へ湿式紡糸した。
(2)さらに、得られた繊維を水中で5倍に湿延伸した後、コグニスジャパン株式会社製の炭素数36の二塩基酸である未水添ダイマー酸(商品名:EMPOL1061)を20g/L溶解した浴に導糸した。このときの浴中での繊維の膨潤率は150質量%であった。導糸後、120℃の熱風で乾燥し、乾燥原糸を得た。
(3)上記で得られた乾燥原糸を230℃の熱風延伸炉中で総延伸倍率(湿延伸倍率×熱風炉延伸倍率)が17倍になるように延伸し、繊維を得た。得られた繊維は、図1に示すラマンスペクトルを測定したところ、繊維の表層付近だけでなく内部にまで未水添ダイマー酸中のカルボン酸に由来するピーク(図中1500cm−1付近)が確認され、すなわち上記(2)で使用した未水添ダイマー酸が繊維内部にまで均一に含有していることが確認できた。
(4)さらに得られた繊維の性能評価結果を表1に示す。表1に示すように、上記(2)で添加した炭素数36の二塩基酸である未水添ダイマー酸の含有量は1.4質量%であった。また繊維物性は単糸繊度1.7dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、12.0cN/dtex、325cN/dtexであった。さらに分散性はレベル4と良好であり、進行収縮率は1.8%、強度保持率は82%であり、従来のPVA系繊維の力学物性に加えて、耐水性に優れるものであった。さらに繊維の外観は良好で糸斑等はみられなかった。
[比較例1]
未水添ダイマー酸が溶解された浴を通過させない以外は、実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維の性能は表2に示すように繊維物性は単糸繊度2.1dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、12.5cN/dtex、340cN/dtexであり、繊維の外観は良好で糸斑等はなかったが、ダイマー酸が繊維内部に全く含有されていないため進行収縮率は3.0%で耐水性に劣り、分散性はレベル1と劣るものであった。さらに強度保持率は70%であり、実施例に比べて低いものとなった。
未水添ダイマー酸が溶解された浴を通過させない以外は、実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維の性能は表2に示すように繊維物性は単糸繊度2.1dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、12.5cN/dtex、340cN/dtexであり、繊維の外観は良好で糸斑等はなかったが、ダイマー酸が繊維内部に全く含有されていないため進行収縮率は3.0%で耐水性に劣り、分散性はレベル1と劣るものであった。さらに強度保持率は70%であり、実施例に比べて低いものとなった。
[比較例2]
未水添ダイマー酸の浴への溶解量を300g/lにした以外は、実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維の性能は表2に示すように繊維物性は単糸繊度2.9dtex、進行収縮率は1.3%、強度保持率は82%であり、繊維内部にまで未水添ダイマー酸の含有は確認できたが、繊維中における未水添ダイマー酸の含有量が10.3質量%と多すぎるため、糸間の膠着が激しく、水中での糸のバラケが起こらず分散性はレベル1であり、分散性に劣るものであった。また繊維強度及び弾性率もそれぞれ、9.8cN/dtex、290cN/dtexと低いものであった。
未水添ダイマー酸の浴への溶解量を300g/lにした以外は、実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維の性能は表2に示すように繊維物性は単糸繊度2.9dtex、進行収縮率は1.3%、強度保持率は82%であり、繊維内部にまで未水添ダイマー酸の含有は確認できたが、繊維中における未水添ダイマー酸の含有量が10.3質量%と多すぎるため、糸間の膠着が激しく、水中での糸のバラケが起こらず分散性はレベル1であり、分散性に劣るものであった。また繊維強度及び弾性率もそれぞれ、9.8cN/dtex、290cN/dtexと低いものであった。
[比較例3]
未水添ダイマー酸の浴への溶解量を0.5g/lとした以外は、実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維の性能は表2に示すように繊維物性は単糸繊度2.0dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、12.9cN/dtex、346cN/dtexであり、繊維の外観は良好で糸斑等はなかったが、繊維中における未水添ダイマー酸の含有量が0.02質量%と少ないため、繊維内部における未水添ダイマー酸の含有は確認できなかった。したがって進行収縮率は3.0%で耐水性に劣り、分散性はレベル2と劣るものであった。さらに強度保持率は71%であり、実施例に比べて低いものであった。
未水添ダイマー酸の浴への溶解量を0.5g/lとした以外は、実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維の性能は表2に示すように繊維物性は単糸繊度2.0dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、12.9cN/dtex、346cN/dtexであり、繊維の外観は良好で糸斑等はなかったが、繊維中における未水添ダイマー酸の含有量が0.02質量%と少ないため、繊維内部における未水添ダイマー酸の含有は確認できなかった。したがって進行収縮率は3.0%で耐水性に劣り、分散性はレベル2と劣るものであった。さらに強度保持率は71%であり、実施例に比べて低いものであった。
[比較例4]
未水添ダイマー酸の代わりに、炭素数6の二塩基酸であるアジピン酸を添加した以外は、実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維の性能は表2に示すように繊維物性は単糸繊度2.0dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、12.6cN/dtex、331cN/dtexであり、繊維の外観は良好で糸斑等はなかったが、進行収縮率は2.8%で耐水性に劣り、分散性はレベル2と劣るものであった。さらに強度保持率は70%であり、実施例に比べて低いものであった。
未水添ダイマー酸の代わりに、炭素数6の二塩基酸であるアジピン酸を添加した以外は、実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維の性能は表2に示すように繊維物性は単糸繊度2.0dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、12.6cN/dtex、331cN/dtexであり、繊維の外観は良好で糸斑等はなかったが、進行収縮率は2.8%で耐水性に劣り、分散性はレベル2と劣るものであった。さらに強度保持率は70%であり、実施例に比べて低いものであった。
[比較例5]
未水添ダイマー酸の代わりに、ホルムアルデヒドを溶解した以外は、実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維を、硫酸が80g/l溶解した75℃の水浴で30分間処理し、いわゆるアセタール化反応を施した。得られた繊維の性能は表2に示すように繊維物性は単糸繊度2.2dtex、進行収縮率は1.4%、分散性レベルは3であったが、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、9.0cN/dtex、250cN/dtexであり、また、強度保持率は68%と低いものであった。
未水添ダイマー酸の代わりに、ホルムアルデヒドを溶解した以外は、実施例1と同じ条件で紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維を、硫酸が80g/l溶解した75℃の水浴で30分間処理し、いわゆるアセタール化反応を施した。得られた繊維の性能は表2に示すように繊維物性は単糸繊度2.2dtex、進行収縮率は1.4%、分散性レベルは3であったが、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、9.0cN/dtex、250cN/dtexであり、また、強度保持率は68%と低いものであった。
[比較例6]
未水添ダイマー酸を抽出浴に溶解せず、延伸後、該化合物が20g/l溶解されたメタノールをローラータッチ(後付与)にて繊維に付着させた以外は、実施例1と同じ条件にて紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維の性能は表2に示すように、得られた繊維の性能は表2に示すように繊維物性は単糸繊度2.0dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、12.8cN/dtex、335cN/dtexであり、繊維の外観は良好で糸斑等はなかったが、未水添ダイマー酸は繊維の表面にしか含有されてなく、またその含有量は0.02質量%と少なかった。進行収縮率は2.8%で耐水性に劣り、分散性はレベル2と劣るものであった。さらに強度保持率は70%であり、実施例に比べて低いものであった。
未水添ダイマー酸を抽出浴に溶解せず、延伸後、該化合物が20g/l溶解されたメタノールをローラータッチ(後付与)にて繊維に付着させた以外は、実施例1と同じ条件にて紡糸、延伸し、繊維を得た。得られた繊維の性能は表2に示すように、得られた繊維の性能は表2に示すように繊維物性は単糸繊度2.0dtex、繊維強度及び弾性率はそれぞれ、12.8cN/dtex、335cN/dtexであり、繊維の外観は良好で糸斑等はなかったが、未水添ダイマー酸は繊維の表面にしか含有されてなく、またその含有量は0.02質量%と少なかった。進行収縮率は2.8%で耐水性に劣り、分散性はレベル2と劣るものであった。さらに強度保持率は70%であり、実施例に比べて低いものであった。
表1の結果から明らかなように、本発明のPVA系繊維は、優れた機械的特性と耐水性兼ね備えている。一方、表2の結果から明らかなように、繊維中において脂肪族10以上の疎水性の脂肪族または脂環族ジカルボン酸化合物の含有量が少ない場合もしくは多すぎる場合、または繊維の表面に付着しただけで内部にまで均一に含有されていない場合、更には本発明外の化合物を使用した場合、また更にはアセタール化処理を施した場合は、本発明の繊維のように優れた機械的特性と耐水性の両特性を兼備することはできない。
本発明によれば、機械的特性と優れた耐水性を兼備したPVA系繊維を提供することができる。また本発明のPVA系繊維は特別な工程を必要とせず、通常の紡糸、延伸工程で安価に製造可能である。さらに本発明のPVA系繊維は、該性能が必要なロープやテント、土木シート、紡績糸、またはセメント、ゴム、プラスチックの補強材をはじめとして多くの用途に極めて有効に使用することができる。
Claims (3)
- 炭素数10以上の疎水性の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体が繊維内部にまで均一に含有してなり、且つその含有量が0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とするポリビニルアルコール系繊維。
- 炭素数10以上の疎水性の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体が、未水添ダイマー酸または水添ダイマー酸である請求項1記載のポリビニルアルコール系繊維。
- ポリビニルアルコール系ポリマーを有機溶媒に溶解して得た紡糸原液を、該ポリマーに対して固化能を有する有機溶媒を主体とする固化浴に湿式または乾湿式紡糸し、浴溶媒がポリビニルアルコールに対して30〜300質量%含有される膨潤状態の糸篠を、炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸またはその誘導体が1〜200g/lの濃度で溶解された浴を通して繊維内部にまで該化合物を均一に浸透させ、その後の乾燥、延伸、熱処理し、全延伸倍率が10倍以上である請求項1または2記載のポリビニルアルコール系繊維の製造方法。
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CN115772713A (zh) * | 2022-11-30 | 2023-03-10 | 安徽皖维高新材料股份有限公司 | 一种熔融增塑-湿法纺丝制备pva粗旦纤维的方法 |
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2004
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CN115772713A (zh) * | 2022-11-30 | 2023-03-10 | 安徽皖维高新材料股份有限公司 | 一种熔融增塑-湿法纺丝制备pva粗旦纤维的方法 |
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