JP2005281737A - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インヒビターレス成分系においても、磁気特性とフォルステライト被膜特性が共に優れる方向性電磁鋼板を得ることができる製造方法を提案する。
【解決手段】 C:0.01〜0.08mass%、Si:2.0〜4.5mass%、Mn:0.005〜3.0mass%、sol.Al:100mass ppm未満、S:50mass ppm未満、Se:50mass ppm未満、N:60mass ppm未満を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延し、脱炭焼鈍した後、焼鈍分離剤を塗布し、最終仕上焼鈍して方向性電磁鋼板を製造する方法において、冷間圧延後の鋼板表面粗度を算術平均粗さRaで0.15〜0.50μmとし、脱炭焼鈍後の酸素目付量が1.0〜1.6g/m2となるよう制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、方向性電磁鋼板の製造方法に関し、特に、磁気特性およびフォルステライト被膜特性の両特性に優れる方向性電磁鋼板を製造する方法に関するものである。
方向性電磁鋼板は、変圧器や発電機の鉄心材料として広く用いられている軟磁性材料である。この方向性電磁鋼板の表面には、一次再結晶焼鈍(脱炭焼鈍)において鋼板表面に生成した主としてSiO2からなるサブスケールと、焼鈍分離剤の主成分であるMgOとが二次再結晶焼鈍(最終仕上焼鈍)時に反応してできるフォルステライト(Mg2SiO4)被膜と称されるセラミックス質の被膜が形成されているのが一般的である。このフォルステライト被膜には、その後の剪断加工あるいは巻き加工時に、剥離を起こさず、鋼板全面にわたって絶縁性を付与すること、また、フォルステライト被膜の上に被成される張力コート被膜との密着性がよく、剥離を引き起こさないことが求められる。
上記のような密着性の良好なフォルステライト被膜を形成するためには、最終仕上焼鈍前の脱炭焼鈍に於いて、適度な酸素目付量を確保し、良好な性状のサブスケールを形成することが必要である。上記酸素目付量の制御は、主として焼鈍雰囲気の酸化性(水素分圧と水蒸気分圧の比:PH2O/PH2)を調整することにより行なわれる。すなわち、酸素目付量を上げる場合には焼鈍雰囲気の酸化性を上げ、逆に、酸素目付量を下げる場合には焼鈍雰囲気の酸化性を下げて制御を行っている。
ところで、脱炭焼鈍においては、本来の目的である脱炭反応の制御も、この焼鈍雰囲気の酸化性を調整することにより行われる。したがって、この脱炭焼鈍時の雰囲気の酸化性は、良好なフォルステライト被膜を得るための酸素目付量を確保する条件と、脱炭反応に必要な条件とを同時に満たすことが必要である。このような技術として、例えば、特許文献1や特許文献2には、Al,S,Se,Nなどのインヒビター成分を含む方向性電磁鋼板の製造方法において、焼鈍雰囲気の酸化性を制御することにより、脱炭反応、酸素目付量およびサブスケールの品質の全てを制御する技術が開示されている。
さて、最近、特許文献3に開示されているように、インヒビター成分を実質的に含まない成分組成(以下、「インヒビターレス成分系」という)からなる鋼スラブ、即ち、Al:100mass ppm未満、S,Se,Oを各々50mass ppm未満、Nを60mass ppm未満にそれぞれ制御した鋼スラブを用いた方向性電磁鋼板の製造技術が開発された。この技術によれば、従来技術では、インヒビター成分を固溶させるために1400℃程度の高温加熱が必要であった熱間圧延前のスラブ加熱温度を、1200℃程度に低温化できるので、優れた磁気特性を有する方向性電極鋼板を低コストで製造することができる。
特開昭59-035624号公報 特開平05-148532号公報 特開2000-129356号公報
しかしながら、特許文献3の技術のように、インヒビターレス成分系の鋼スラブを用いて方向性電極鋼板を製造する場合には、脱炭焼鈍時における十分な脱炭量の確保と最適な酸素目付量の調整とを同時に焼鈍雰囲気の酸化性の制御のみで行うことは困難であった。そのため、優れた磁気特性を得るために脱炭量を確保しようとすると、酸素目付量の制御ができなくなり、良好なフォルステライト被膜特性を得ることができなくなるという問題があった。
本発明の目的は、インヒビターレス成分系においても、磁気特性のみならずフォルステライト被膜特性にも優れる方向性電磁鋼板を有利に製造する方法を提案することにある。
発明者らは、上記課題を解決するために、インヒビターレス成分系からなる鋼スラブを素材に用いて方向性電磁鋼板を製造する場合において、脱炭焼鈍時の最適酸素目付量の範囲と、脱炭焼鈍雰囲気の酸化性以外の酸素目付量に影響を及ぼす因子について、鋭意研究を重ねた。その結果、冷間圧延後すなわち脱炭焼鈍時の鋼板表面粗度を算術平均粗さRaで0.15〜0.50μmの範囲に調整した上で、脱炭焼鈍後の酸素目付量が1.0〜1.6g/m2となるよう制御すれば、磁気特性とフォルステライト被膜特性が共に優れる方向性電磁鋼板を製造し得ること見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、C:0.01〜0.08mass%、Si:2.0〜4.5mass%、Mn:0.005〜3.0mass%、sol.Al:100mass ppm未満、S:50mass ppm未満、Se:50mass ppm未満、N:60mass ppm未満を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、熱間圧延した後、必要に応じて熱延板焼鈍を施してから、冷間圧延し、脱炭焼鈍した後、焼鈍分離剤を塗布し、最終仕上焼鈍して方向性電磁鋼板を製造する方法において、冷間圧延後の鋼板表面粗度を算術平均粗さRaで0.15〜0.50μmとし、脱炭焼鈍後の酸素目付量が1.0〜1.6g/m2となるよう制御することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法である。
なお、本発明は、上記成分組成に加えてさらに、Ni:0.01〜1.50mass%、Sn:0.01〜0.50mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%、P:0.005〜0.50mass%およびCr:0.01〜1.50mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする。
本発明によれば、インヒビターレス成分系においても、磁気特性を損なうことなく、フォルステライト被膜品質に優れた方向性電磁鋼板の製造できるので、安価で品質のよい方向性電磁鋼板を提供することが可能となる。
本発明を開発する契機となった実験について説明する。
C:0.08mass%、Si:3.3mass%、Mn:0.05mass%、sol.Al:70mass ppm、N:32mass ppm、S:9mass ppm、Se:0.5mass ppmおよびO:10mass ppmを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、1150℃に加熱後、熱間圧延して板厚2.2mmの熱延板とし、1000℃×30秒の熱延板焼鈍を施した後、この熱延板を1000℃×30秒の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延により板厚0.23mmの冷延板とした。この際、圧延ロール粗度を調整することにより、鋼板表面粗度を算術平均粗さRaで0.05μmから0.60μmまで変化させた。その後、この冷延板を、890℃×30秒の脱炭焼鈍を施した。この脱炭焼鈍においては、雰囲気の酸化性を調整することによって、酸素目付量を0.5〜2.5g/m2の範囲で変化させた。次いで、この脱炭焼鈍後の鋼板表面に、MgO:95mass%、TiO2:5mass%を含有する焼鈍分離剤を水スラリーとして鋼板に塗布し、1200℃で最終仕上焼鈍(二次再結晶焼鈍)を行った後、その鋼板表面に、リン酸塩−クロム酸塩−コロイダルシリカを重量比3:1:3で含有する絶縁被膜を塗布し、800℃で焼き付けて、方向性電磁鋼板を製造した。
このようにして得た方向性電磁鋼板について、フォルステライト被膜特性(被膜密着性)および磁気特性を調査した。フォルステライト被膜の密着性は、得られた鋼板を、各種径を有する鉄の丸棒に巻き付けた時、被膜の剥離が起こらない最小径(直径)でもって評価した。また、磁気特性は、JIS C 2550に準じて磁束密度B8(T)を測定し評価した。
上記測定の結果を図1に示す。この図1から、インヒビターレス成分系においては、フォルステライト被膜と磁気特性とが共に良好となる脱炭焼鈍後の酸素目付量の最適範囲は1.0〜1.6g/m2で、より最適な範囲は1.4〜1.6g/m2であり、従来のインヒビター成分を含む場合よりその範囲が狭いこと、また、そのような好適な範囲に酸素目付量を制御したとしても、冷間圧延後の鋼板表面粗度が算術平均粗さRaで0.15〜0.50μmの範囲を外れる場合には、必要な脱炭量の確保と良好なサブスケール性状の両者を同時に満足することはできず、その結果、良好な磁気特性とフォルステライト被膜特性を得られない。
すなわち、冷間圧延後の鋼板表面粗度が算術平均粗さRaで0.15μm未満の場合には、酸素目付量を適正範囲に制御するためには、脱炭焼鈍時の雰囲気の酸化性を比較的高めに設定する必要があり、その結果、脱炭量は確保できるが、鋼板表面に形成されるサブスケールの組成が変化して良好なフォルステライト被膜の形成が阻害される。一方、冷間圧延後の鋼板表面粗度がRaで0.50μmを超える場合には、酸素目付量を適正範囲に制御するためには、脱炭焼鈍時の雰囲気の酸化性を比較的低めに設定する必要があり、その結果、十分な脱炭量が確保できず、良好な磁気特性が得られないことが明らかになった。
したがって、脱炭焼鈍時の鋼板表面粗度は、算術平均粗さRaで0.15〜0.50μmの範囲に制御することが必要である。この理由は十分に明らかとはなっていないが、インヒビターレス成分系を素材とする場合には、従来のインヒビターを含有する成分系のように表面反応に影響を及ぼすAl,Se,S等のインヒビター形成元素を含有しないため、酸素目付量や脱炭量、サブスケール性状に及ぼす鋼板表面粗度の影響が異なって現れたものと推測している。
次に、本発明において、素材の成分組成を上記範囲に限定する理由について説明する。
C:0.08mass%以下
Cは、熱延組織を改善し、磁気特性を向上させるために0.01mass%以上含有することが必要である。しかし、C含有量が0.08mass%を超えると、脱炭焼鈍によってCを40mass ppm以下まで低減するのが困難となる。よって、C含有量は0.01〜0.08mass%の範囲とする。
Si:2.0〜4.5mass%
Siは、電気抵抗を大きくし鉄損を改善するのに有用な元素であり、2.0mass%以上含有することが必要である。しかし、含有量が4.5mass%を超えると、加工性が著しく低下して冷間圧延が困難となる。よって、Si含有量は2.0〜4.5mass%の範囲に限定する。
Mn:0.005〜3.0mass%
Mnは、熱間加工性を改善するために有用な元素であるが、含有量が0.005mass%未満では、その添加効果に乏しく、一方、3.0mass%を超えると磁束密度の低下を招くので、Mn含有量は0.005〜3.0mass%の範囲とする。
sol.Al:100mass ppm未満、N:60mass ppm未満
sol.AlおよびNは、二次再結晶を良好に発現させるためには、それぞれ100mass ppm未満、60mass ppm未満、好ましくはそれぞれ80mass ppm以下、30mass ppm以下まで低減しておくことが必要である。
S:50mass ppm未満、Se:50mass ppm未満
Al,N以外のインヒビター形成元素であるSおよびSeについても、それぞれを50mass ppm未満、好ましくは30mass ppm以下に低減する必要がある。なお、その他の炭窒化物形成元素であるTi,Nb,B,Ta,V等についても、それぞれ50mass ppm以下に低減することが、鉄損の劣化を防止し、加工性を確保する上で有効である。
以上、必須成分および抑制成分について説明したが、本発明では、その他に、Ni,Sn,Sb,Cu,PおよびCrのうちから選ばれる1種または2種以上を、下記の範囲で適宜含有させることができる。
Ni:0.01〜1.50mass%
Niは、熱延板組織を改善して磁気特性を向上させる有用元素である。しかしながら、含有量が0.01mass%未満では磁気特性の向上効果が小さく、一方、1.50mass%を超えると、二次再結晶が不安定になり磁気特性が劣化する。よって、Niは0.01〜1.50mass%の範囲で添加するのが好ましい。
Sn:0.01〜0.50mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%、P:0.005〜0.50mass%、Cr:0.01〜1.50mass%
Sn,Sb,Cu,P,Crは、それぞれ、鉄損の向上に有用な元素であるが、いずれも上記範囲の下限値に満たないと鉄損の向上効果が小さく、一方、上記上限値を超えると、二次再結晶粒の成長が阻害される。よって、Sn:0.01〜0.50mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%、P:0.005〜0.50mass%、Cr:0.01〜1.5mass%の範囲で含有させるのが好ましい。
次に、本発明の製造方法について説明する。
上記の成分組成に調整した溶鋼を、転炉、電気炉などの公知の方法で精錬し、必要に応じて真空処理などの二次精錬を施したのち、連続鋳造法や造塊−分塊法等の通常公知の方法を用いて鋼スラブを製造する。なお、直接鋳造法により、100mm以下の厚さの薄鋳片を直接製造してもよい。このスラブは、その後、再加熱して熱間圧延し熱延板とする。鋳造後、再加熱せずに直ちに熱間圧延する直接圧延により熱延板を製造してもよい。また、薄鋳片の場合には、その後、熱間圧延を行っても良く、熱間圧延を省略し、そのまま以後の工程に進めてもよい。
熱間圧延後の熱延板は、必要に応じて熱延板焼鈍を行ってもよい。二次再結晶においてゴス組織を高度に発達させるためには、熱延板の焼鈍温度は、800〜1000℃の範囲が好適である。
熱延ままあるいは熱延板焼鈍後の熱延板は、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚まで圧延し冷延板とする。この冷間圧延に際しては、圧延温度を100〜250℃に上昇させて温間圧延することや、冷間圧延の途中で100〜250℃の温度範囲で時効処理を1回または複数回行うことが、ゴス組織を発達させる上で有効である。
この冷間圧延工程においては、冷延後の鋼板表面粗度を算術平均粗さRaで0.15〜0.50μmの範囲に調整することが必要である。鋼板表面粗度の調整は、最終冷間圧延時のロール粗度、圧延油粘度、圧延速度等、一般的な冷間圧延での鋼板表面粗度調整方法により行うことができる。
なお、工業的規模で生産を行う場合、同一コイル内における鋼板表面粗度の変動幅がRaで0.25μmを超えると、脱炭焼鈍雰囲気の酸化性を調整して酸素目付量を制御することが事実上不可能となり、その結果、コイル長手方向の全長に亘り良好な特性のフォルステライト被膜を得ることができなくなる。よって、コイル内での鋼板表面粗度の変動幅は、Raで最大0.25μm以内とすることが望ましい。
冷間圧延後、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を行う。本発明の製造方法においては、この脱炭焼鈍は重要な工程である。すなわち、インヒビターレス成分系の素材を用いる本発明の製造方法においては、この脱炭焼鈍後における酸素目付量を1.0〜1.6g/m2の範囲に制御することが必要である。前述したように、インヒビターレス成分系を素材とする場合には、冷間圧延前の鋼板表面粗度を適正化した上で、脱炭焼鈍時の雰囲気の酸化性を調整し、本発明のように従来よりも狭い酸素目付量範囲に制御した場合にのみ、脱炭性の低下を招くことなく良好なサブスケールを得ることができ、ひいては、良好な磁気特性とフォルステライト被膜を得ることができる。なお、好ましくは1.4〜1.6g/m2とする。
脱炭焼鈍後の鋼板は、その後、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布した後、二次再結晶焼鈍を兼ねた最終仕上焼鈍を行い、二次再結晶組織を発達させると共に、フォルステライト被膜を鋼板表面に形成させる。本発明においては、脱炭焼鈍において、脱炭が十分に行なわれ、かつ、サブスケールの性状も適正化されているため、この最終仕上焼鈍により、磁気特性とフォルステライト被膜特性が共に優れる方向性電磁鋼板を得ることができる。この最終仕上焼鈍条件については、従来公知の条件でよく、特別な規制は必要としない。最終仕上焼鈍後の鋼板は、常法に従い、絶縁被膜を塗布した後、平坦化焼鈍を兼ねた焼き付け処理を行い製品とする。
C:0.07mass%、Si:3.5mass%、Mn:0.05mass%、sol.Al:50mass ppm、N:25mass ppm、S:10mass ppm、Se:0.1mass ppm、O:10mass ppm、Sb:0.02mass%、Sn:0.02mass%およびCu:0.15mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、1150℃に加熱後、熱間圧延を行って板厚2.0mmの熱延板とした後、1000℃×30秒の熱延板焼鈍を施し、次いで、冷間圧延により板厚0.30mmの冷延板とした。この際、冷間圧延の圧延油粘度と圧延速度を調整することにより、鋼板表面粗度を算術平均粗さRaで0.05〜0.60μmまで変化させた。その後、890℃×30秒の脱炭焼鈍を兼ねる一次再結晶焼鈍を施した。この脱炭焼鈍においては、焼鈍雰囲気の酸化性を調整することにより、酸素目付量を1.4〜1.6g/m2の範囲に制御した。この脱炭焼鈍後の鋼板表面に、MgO:95mass%、TiO2:5mass%を含有する焼鈍分離剤を水スラリーとして鋼板に塗布し、1200℃で最終仕上焼鈍(二次再結晶焼鈍)を行った後、この鋼板表面に、リン酸塩−クロム酸塩−コロイダルシリカを重量比3:1:3で含有する絶縁被膜液を塗布し、800℃で焼き付けた。このようにして鋼板について、前述した方法と同様にして、フォルステライト被膜特性および磁気特性を測定した。その他、製品鋼板中の残留炭素量についても調査した。
上記測定の結果を、表1に鋼板表面粗度、脱炭焼鈍時の雰囲気の酸化性(PH2O/PH2)と併記して示した。この表1から明らかなように、鋼板表面粗度がRaで0.15μm未満ではフォルステライト被膜の密着性が不良となり、一方、Raで0.55μm超えでは脱炭不足となり、磁気特性が不良となる。
Figure 2005281737
C:0.07mass%、Si:3.5mass%、Mn:0.05mass%、sol.Al:50mass ppm、N:25mass ppm、S:10mass ppm、Se:0.1mass ppm、O:10mass ppmおよびCu:0.15mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、1150℃に加熱後、熱間圧延して板厚2.2mmの熱延板とした後、1000℃×30秒の熱延板焼鈍を施し、次いで、冷間圧延により板厚0.30mmの冷延板とした。この際、圧延ロール粗度を調整することにより、鋼板表面粗度をRaで0.05〜0.60μmの範囲で変化させた。その後、890℃×30秒の脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍を施し、脱炭焼鈍後の酸素目付量を1.4〜1.6g/m2となるように調整した。次に、MgO:95mass%、TiO2:5mass%を含有する焼鈍分離剤を水スラリーとして鋼板に塗布し、1200℃で最終仕上焼鈍(二次再結晶焼鈍)を施した後、この鋼板の表面に、リン酸塩−クロム酸塩−コロイダルシリカを重量比3:1:3で含有する絶縁被膜を塗布し、800℃で焼き付けた。このようにして得た鋼板について、実施例1と同様の調査を行った。
上記測定の結果を、表2に鋼板表面粗度、脱炭焼鈍時の雰囲気の酸化性(PH2O/PH2)と併記して示した。この表2から明らかなように、実施例1の場合と同様、鋼板表面粗度がRaで0.15μm未満ではフォルステライト被膜の密着性が不良となり、一方、Raで0.55μm超えでは脱炭不足となり、磁気特性が不良となる。
Figure 2005281737
冷延後の鋼板表面粗度および脱炭焼鈍後の酸素目付量が被膜特性および磁気特性に及ぼす影響を示すグラフである。

Claims (2)

  1. C:0.01〜0.08mass%、
    Si:2.0〜4.5mass%、
    Mn:0.005〜3.0mass%、
    sol.Al:100mass ppm未満、
    S:50mass ppm未満、
    Se:50mass ppm未満、
    N:60mass ppm未満を含有し、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、熱間圧延した後、必要に応じて熱延板焼鈍を施してから、冷間圧延し、脱炭焼鈍した後、焼鈍分離剤を塗布し、最終仕上焼鈍して方向性電磁鋼板を製造する方法において、冷間圧延後の鋼板表面粗度を算術平均粗さRaで0.15〜0.50μmとし、脱炭焼鈍後の酸素目付量が1.0〜1.6g/m2となるよう制御することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 上記成分組成に加えてさらに、Ni:0.01〜1.50mass%、Sn:0.01〜0.50mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%、P:0.005〜0.50mass%およびCr:0.01〜1.50mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。

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