JP2005281718A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プラズマが発生する電気経路への電力供給を増大させることができるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供する。
【解決手段】 互いに対向配置されるドラム状回転電極5と基材搬送台2(電極)との間に誘電体基材3が配置された場合に、ドラム状回転電極5と誘電体基材3との対向位置へ反応ガスを供給するガス給送部と、ドラム状回転電極5へ高周波電力を供給することによりプラズマ放電を行ってドラム状回転電極5と誘電体基材3との対向位置にプラズマを発生させる高周波電源7と、高周波電源7による高周波電力の供給経路中に、前記プラズマが発生した状態のドラム状回転電極5と基材搬送台2との間におけるリアクタンス成分と絶対値が略同等の誘導性リアクタンスを生じるインピーダンス調整部4を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマを用いて誘電体基材の表面に各種薄膜の形成その他の表面処理を施すためのプラズマ処理装置およびその方法に関するものである。
近年、表面硬度の向上、特定波長の吸収、ガス透過性の改善、光触媒機能の発揮などを目的として、種々の機能性薄膜の開発、実用化が進められている。このような機能性薄膜には、シリコン,アモルファスカーボン,ダイヤモンドライクカーボンなどの無機質薄膜、チタニア,ジルコンなどの金属酸化物薄膜、アルミニウム,チタンなどの金属薄膜などがある。そして、このような機能性薄膜を工業製品に用いるには、その製造コストの低減が最重要課題であり、製造時における成膜コストの低減のため、成膜速度の高速化や、成膜面積の大面積化を図ることが求められている。
成膜装置については、工業的には、プラズマCVD法により成膜を行う平行平板型電極式プラズマ成膜装置が一般的に用いられている。この装置は、反応容器内に平行平板型電極を備え、一方の平板型電極に高周波電力を印加し、接地された他方の平板型電極との間でプラズマを発生させ、薄膜を形成するための反応ガスをこのプラズマ中に供給し、プラズマによって反応ガスを分解することにより板状の基材上に薄膜を形成させるものである。
このような平行平板型電極式プラズマ成膜装置では、均一な(厚みが均一で且つ均質な)薄膜を高速で且つ大面積で形成するには、プラズマ領域に均一に且つ効率よく反応ガスを供給することが必要となる。
しかしながら、平行平板型電極式プラズマ成膜装置では、反応ガスの濃度を高くして高速成膜を行う場合には、それによる反応ガス圧力の上昇とともに電極間のギャップも狭くなり(反応ガス圧力が高くなると、放電を起こすに必要な高い電界強度(電界強度=電圧/ギャップ距離)を得るべく、電極間のギャップを狭める必要がある)、プラズマ空間に対するガス供給が不均一になるため、均一な薄膜の形成は困難となる。また、プラズマ中に発生する余剰の高エネルギー粒子が基材表面に衝突してダメージを与えることを避けるため、投入電力を増加することにより成膜速度を高くするには著しい制限がある。
そこで、均一な薄膜を高速で且つ大面積で形成することを可能にするとともに、従来では困難とされていた1気圧以上の圧力下でプラズマを発生させることができるプラズマ成膜装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図12はこのような回転電極を備えた従来のプラズマ成膜装置の構成を説明するための側面図である。図12において、左右方向に移動可能な基材搬送台101の上に表面処理を施す対象となるガラス基板等の誘電体基材102が載置されている。基材搬送台101は、アース(電源グラウンド)に電気的に接続されて接地され、電極として機能する。そして、誘電体基材102と1mm以下のわずかな間隙を持って対向するように、基材搬送台101に向かって凸状となる円筒状外周面を有するドラム状回転電極103が設けられている。ドラム状回転電極103は、インピーダンス整合回路104を介して高周波電源105に接続されている。
そして、反応ガス及び希釈ガスをドラム状回転電極103と誘電体基材102との間に供給し、ドラム状回転電極103に高周波電力を供給してドラム状回転電極103と誘電体基材102との間にプラズマ106を発生させる。そうすると、ここで反応ガスが化学反応を起こすことにより、誘電体基材102上に薄膜が形成される。このとき発生するプラズマはドラム状回転電極103の軸方向(図中奥行き方向)に沿って発生するいわゆるライン状プラズマとなり、また、ドラム状回転電極103の回転によりドラム状回転電極103と誘電体基材102間の狭いギャップにプラズマを発生させるためのガスを効率よく供給することができるので、その結果、形成される薄膜はライン状にしかも高速で形成される。このようなライン状プラズマにより化学反応を起こさせながら、誘電体基材102が載置された基材搬送台101をドラム状回転電極103の軸方向と直交する方向に移動させることで、誘電体基材102上の全面に薄膜を形成することができる。
図13はこのような回転電極を備えた従来のプラズマ成膜装置の他の構成を説明するための側面図である。図13において、電極として機能する基材搬送台101は、バイアス用高周波電源107にバイアス用インピーダンス整合部108を介して接続されている。このとき、バイアス用インピーダンス整合部108は、インピーダンス整合回路104とは別の回路定数をもつ。バイアス用インピーダンス整合部108は、一般にインダクタとコンデンサを含む回路で構成され、その目的は、バイアス用高周波電源107の内部インピーダンスと装置側とのインピーダンスを整合させ、バイアス用高周波電力を装置側に、反射波を生じることなく効率的に供給することにある。また、バイアス用高周波電源107の周波数は、プラズマ発生用の高周波電源105の周波数とは少なくとも500Hz以上異なるようにされており、2つの周波数が干渉することを抑制して安定したプラズマを得るようにされている。
特開平9−104985号公報
ところで、上述の誘電体基材102が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂等のプラスチック、ガラス、セラミック等のいわゆる誘電体であるとき、電気回路的に見れば、プラズマ106と直列に誘電体基材102が静電容量として接続されることとなる。そうすると、誘電体基材102の静電容量により生じるインピーダンスによって、プラズマが発生する電気経路に電力を供給することが困難となり、結果として、高速成膜に望ましい高密度なプラズマを発生させることが困難であるという不都合があった。
特に、図12、図13に示すような円筒状外周面を有するドラム状回転電極103を用いたプラズマ成膜装置では、プラズマがライン状であるので、プラズマが接する基材の面積は平行平板型電極式プラズマ成膜装置に比較して小さく、そのためプラズマに直列に接続される静電容量成分がより小さくなる結果、基材のインピーダンスが増大し、プラズマが発生する電気経路への電力供給の困難性がより顕著となる。
一方で、電極に印加するプラズマ発生用の高周波電力の周波数を高くすることで、プラズマに直列に接続される基材のインピーダンスを低減することが考えられるが、周波数を高くすると、様々な浮遊容量や浮遊インダクタンスの影響が無視出来なくなり、技術的な難易度が上がるとともに、使用する各部材や部品そのもののコストが上昇し、結果として装置ならびに処理コストの大幅な上昇を招くため、工業的に望ましくない。
本発明は、このような問題に鑑みて為された発明であり、プラズマが発生する電気経路への電力供給を増大させることができるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、互いに対向配置される電極対と、処理対象となる誘電体の基材が前記電極対間に配置された場合に前記電極対と前記基材との対向位置へ反応ガスを供給するガス給送部と、前記電極対へ高周波電力を供給することによりプラズマ放電を行って前記反応ガスが供給された電極対と基材との対向位置にプラズマを発生させる電力供給部とを備えたプラズマ処理装置であって、前記プラズマを発生させるための前記電力供給部による高周波電力の供給経路中に、当該供給経路におけるリアクタンスの絶対値を減少させるべく誘導性リアクタンスを生じさせるためのインピーダンス調整部を備えることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、反応ガスが供給された電極対と基材との対向位置にプラズマを発生させるための高周波電力の供給経路中に設けられたインピーダンス調整部によって、誘電体の基材が配置された電極対間に生じる容量性リアクタンスの絶対値を減少させるように誘導性リアクタンスを生じさせることが可能であり、これによって、電極対間におけるリアクタンス成分が相殺される結果、プラズマが発生する電気経路への電力供給を増大させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記インピーダンス調整部は、前記プラズマが発生した状態の前記電極対間におけるリアクタンス成分と絶対値が略同等の誘導性リアクタンスを生じさせるためのものであることを特徴としている。請求項2に記載の発明によれば、反応ガスが供給された電極対と基材との対向位置にプラズマを発生させるための高周波電力の供給経路中に設けられたインピーダンス調整部によって、誘電体の基材が配置された電極対間に生じる容量性リアクタンス成分と絶対値が略同等の誘導性リアクタンスが生じるので、電極対間におけるリアクタンス成分が相殺される結果、プラズマが発生する電気経路への電力供給を増大させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置において、前記インピーダンス調整部は、前記電極対間におけるリアクタンス成分と絶対値が略同等かつ誘導性のリアクタンスを生じるべく前記インピーダンス調整部のリアクタンスを調節可能な設定部を備えることを特徴としている。請求項3に記載の発明によれば、設定部によって、インピーダンス調整部が電極対間におけるリアクタンス成分と絶対値が同等かつ誘導性のリアクタンスを生じるべくリアクタンスを調節可能にされている。これにより、基材の厚さや誘電率、電極対間の間隔等の条件が異なるために電極対間におけるリアクタンス成分が異なる場合であっても、インピーダンス調整部のリアクタンスを、電極対間におけるリアクタンス成分と絶対値が略同等かつ誘導性のリアクタンスにするべく調節することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載のプラズマ処理装置において、前記設定部は、前記誘導性リアクタンスの絶対値として、前記処理対象となるべき基材の誘電率と前記プラズマの前記基材に対する投影面積との積を前記基材の厚さで除して得られる静電容量Cに応じたリアクタンスの絶対値に対して90%〜150%の範囲を設定可能にされていることを特徴としている。請求項4に記載の発明によれば、設定部によって、インピーダンス調整部のリアクタンスとして、電極対間におけるリアクタンス成分と絶対値が略同等かつ誘導性のリアクタンスを設定することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4記載のプラズマ処理装置において、前記設定部は、可変インダクタを備え、前記可変インダクタに設定されたインダクタンスによって、前記インピーダンス調整部のリアクタンスを設定するものであることを特徴としている。請求項5に記載の発明によれば、可変インダクタのインダクタンス値を設定することにより、電極対間におけるリアクタンス成分と絶対値が略同等かつ誘導性のリアクタンスを設定することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項3又は4記載のプラズマ処理装置において、前記設定部は、固定インダクタと可変コンデンサの直列回路を備え、前記可変コンデンサに設定されたキャパシタンスによって、前記直列回路のリアクタンスを前記インピーダンス調整部のリアクタンスとして設定するものであることを特徴としている。請求項6に記載の発明によれば、可変コンデンサのキャパシタンス値を設定することにより、電極対間におけるリアクタンス成分と絶対値が略同等かつ誘導性のリアクタンスを設定することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマ処理装置において、前記電極対のうち少なくとも一方の電極は、一方向に長尺に延び、かつ、その長手方向と直交する断面の形状が他方の電極に向かって凸状にされており、前記基材を、前記電極対間を通って前記電極の長手方向と直交する方向に移送する移送部をさらに備えることを特徴としている。請求項7に記載の発明によれば、少なくとも一方の電極は、一方向に長尺に延び、かつ、その長手方向と直交する断面の形状が他方の電極に向かって凸状にされているので、当該電極と基材との対向位置にライン状のプラズマが発生する。さらに、移送部によって、基材が電極対間を通って電極の長手方向と直交する方向に移送されるので、基材表面に面状に薄膜を形成することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7記載のプラズマ処理装置において、前記基材はガラスであり、前記インピーダンス調整部は、前記誘導性リアクタンスの絶対値を、前記長尺に延びた電極により生成されるプラズマの長手方向の長さに対して単位長さあたりの静電容量Csを53pF以上、かつ、354pF以下の範囲としたときに当該プラズマの長さ全体から得られる静電容量に応じたリアクタンスの絶対値と、略同等にさせるためのものであることを特徴としている。請求項8に記載の発明によれば、インピーダンス調整部によって、前記電力供給部による高周波電力の供給経路中に、前記長尺に延びた電極により生成されるプラズマの長手方向の長さに対して単位長さあたりの静電容量Csを53pF以上、かつ、354pF以下の範囲としたときに当該プラズマの長さ全体から得られる静電容量に応じたリアクタンスと、絶対値が略同等の誘導性リアクタンスを生じさせることが可能にされるので、ガラス基材により生じた容量性リアクタンスを相殺することが可能になる。
請求項9に記載の発明は、互いに対向配置される電極対間に、処理対象となる誘電体の基材を配置し、前記電極対と前記基材との対向位置へ反応ガスを供給すると共に、前記電極対へ高周波電力を供給することによりプラズマ放電を行って前記反応ガスが供給された電極対と前記基材との対向位置にプラズマを発生させるプラズマ処理方法であって、前記プラズマを発生させるための前記電力供給部による高周波電力の供給経路中に、当該供給経路におけるリアクタンスの絶対値を減少させるべく誘導性リアクタンスを介設しておき、この介設状態でプラズマ放電を行うことを特徴としている。
請求項9に記載の発明によれば、反応ガスが供給された電極対と基材との対向位置にプラズマを発生させるための高周波電力の供給経路中に、誘電体の基材が配置された電極対間に生じる容量性リアクタンスの絶対値を減少させるように誘導性リアクタンスが生じるので、電極対間におけるリアクタンス成分が相殺される結果、プラズマが発生する電気経路への電力供給を増大させることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項9記載のプラズマ処理方法において、前記誘導性リアクタンスは、前記プラズマが発生した状態の前記電極対間におけるリアクタンス成分と絶対値が略同等であることを特徴としている。請求項10に記載の発明によれば、反応ガスが供給された電極対と基材との対向位置にプラズマを発生させるための高周波電力の供給経路中に設けられたインピーダンス調整部によって、誘電体の基材が配置された電極対間に生じる容量性リアクタンス成分と絶対値が略同等の誘導性リアクタンスが生じるので、電極対間におけるリアクタンス成分が相殺される結果、プラズマが発生する電気経路への電力供給を増大させることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項9記載のプラズマ処理方法において、前記誘導性リアクタンスの絶対値は、前記処理対象の基材の誘電率と前記プラズマの前記基材に対する投影面積との積を前記基材の厚さで除して得られる静電容量Cに対して90%〜150%の範囲であることを特徴としている。請求項11に記載の発明によれば、インピーダンス調整部のリアクタンスは、電極対間におけるリアクタンス成分と絶対値が略同等かつ誘導性のリアクタンスとなる。
請求項12に記載の発明は、請求項9〜11のいずれかに記載のプラズマ処理方法において、前記電極対のうち少なくとも一方の電極として、一方向に長尺に延び、かつ、その長手方向と直交する断面の形状が他方の電極に向かって凸状の電極を用いて、前記電極対間において前記プラズマを発生させつつ、前記基材を前記電極対間を通って前記電極の長手方向と直交する方向に移送することを特徴としている。請求項12に記載の発明によれば、少なくとも一方の電極は、一方向に長尺に延び、かつ、長手方向と直交する断面の形状が他方の電極に向かって凸状にされているので、当該電極と基材との対向位置にライン状のプラズマが発生する。さらに、基材が電極対間を通って電極の長尺方向と直交する方向に移送されるので、基材表面に面状に薄膜を形成することができる。
このような構成のプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法は、電極対間におけるリアクタンス成分を相殺することができるので、プラズマが発生する電気経路への電力供給を増大させることができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置の一例であるプラズマ成膜装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示すプラズマ成膜装置1は、基材搬送台2、インピーダンス調整部4、ドラム状回転電極5、インピーダンス整合部6、及び高周波電源7を備え、ドラム状回転電極5、基材搬送台2、及び誘電体基材3は、例えばステンレス鋼製の箱型形状にされた図略の反応容器に納められており、図略のガス給送部から反応ガス及び希釈ガスが前記反応容器内に給送されるようになっている。
基材搬送台2は、例えばステンレス製であり、基材加熱用のヒータを備えている。また、基材搬送台2は、図略の駆動機構により左右方向及び上下方向に移動可能にされており、基材搬送台2の上に載置された表面処理を施す対象となる誘電体基材3を、ドラム状回転電極5の軸方向と直交する方向に、所定の間隔を保持しながら移送する。また、基材搬送台2は、インピーダンス調整部4を介してアース(電源グラウンド)に電気的に接続されて接地され、電極として機能する。誘電体基材3は、例えば平板状のガラス基板である。
インピーダンス調整部4は、例えば可変インダクタ、あるいは固定インダクタと可変コンデンサの直列回路等を備え、誘導性のリアクタンスを設定可能にされている。図2、図3は、インピーダンス調整部4の一例を示す回路図である。図2に示すインピーダンス調整部4は、例えば可変インダクタ41から構成されており、例えば、可変インダクタ41のインダクタンスを1μH〜26μHの範囲でユーザが設定可能にされている。また、図3に示すインピーダンス調整部4は、例えばインダクタンス3.5μHの固定インダクタ42と、静電容量を60pF〜480pFの範囲でユーザが設定可能な可変コンデンサ43との直列回路から構成されている。
これにより、ユーザが、可変インダクタ41のインダクタンス値、あるいは可変コンデンサ43の容量値を設定することによって、誘導性のインピーダンス調整部4全体のリアクタンスの値を容易に設定出来、表面処理を施したい誘電体基材3の特性に応じて、最適なリアクタンスの値を予め設定することができる。
ドラム状回転電極5は、例えばアルミニウム合金からなり、例えば幅(紙面の奥行き方向)が10cmの円筒状外周面を有している。また、プラズマの安定化を図るために、ドラム状回転電極5の表面は、溶射処理により厚さ50μmのアルミナがコーティングされている。また、ドラム状回転電極5の回転数は、10〜5000rpmの範囲で設定される。そして、ドラム状回転電極5は、誘電体基材3と100μm〜10mm程度の間隙を保持して対向するように配設され、インピーダンス整合部6を介してプラズマ発生用の高周波電源7に接続されている。
プラズマ発生用の高周波電源7は、例えば周波数13.56MHz、出力インピーダンスは純抵抗で50Ωの電源装置である。インピーダンス整合部6は、効率的に電力をプラズマ8へ供給するために高周波電源7の出力インピーダンスと整合をとるべく回路定数を調整出来るようにされている。図4は、インピーダンス整合部6の構成の一例を示す回路図である。図4に示すインピーダンス整合部6は、例えば、高周波電源7とドラム状回転電極5との間に介設されるコイル61と可変コンデンサ62との直列回路と、高周波電源7と電源グラウンドとの間に介設される可変コンデンサ63とを備える。
次に、このように構成されたプラズマ成膜装置1の動作を説明する。まず、図略の反応容器内に図略のガス給送部から反応ガス及び希釈ガスが供給され、高周波電源7からインピーダンス整合部6を介してドラム状回転電極5に高周波電力が供給されると、ドラム状回転電極5と誘電体基材3との間にグロー放電プラズマであるプラズマ8が発生する。そうすると、ここで反応ガスが化学反応を起こすことにより、誘電体基材3上に薄膜が形成される。このとき発生するプラズマ8はドラム状回転電極5の軸方向に沿って発生するいわゆるライン状プラズマとなり、その結果、形成される薄膜はライン状にしかも高速で形成される。このようなライン状プラズマにより化学反応を起こさせながら、誘電体基材3が載置された基材搬送台2をドラム状回転電極5の軸方向と直交する方向に移動させることで、誘電体基材3上の広い面積に薄膜を形成することができる。
図5、図6、及び図7を参照して、プラズマ成膜装置1の動作の詳細を説明する。図5は、定常状態でのプラズマ部分の電気回路を説明するための模式図である。図5において、下部電極として機能する基材搬送台2の上に誘電体基材3が載置されており、誘電体基材3とドラム状回転電極5との間にプラズマ8(プラズマ領域)が発生している。また、誘電体基材3におけるプラズマ8と接する部分を、領域部分9として網掛けで示している。
このとき、ドラム状回転電極5と基材搬送台2との間の電気回路は概ね次のようにみなすことができる。すなわち、プラズマ8の領域を抵抗成分81と静電容量成分82との並列回路とみなす。さらに、この並列回路と直列に誘電体基材3における領域部分9の静電容量Cが接続されていると考えられる。また、プラズマ8と誘電体基材3における領域部分9とを除く部分の浮遊容量10が並列に接続されていると考えることができる。
図6は、図5で示した模式図の等価回路を示す図である。図6に示す等価回路は、さらに簡略化すると、図7に示すように抵抗成分11と容量成分12の直列回路とみなすことができる。
本発明者らは、一例として以下の表1に示す条件を用いて実験を行い、図6における抵抗成分81として20Ω、静電容量成分82として17pF、静電容量Cとして116pF、浮遊容量10として13pFを得た。
Figure 2005281718
図6の等価回路において、ドラム状回転電極5と基材搬送台2との間のインピーダンスZは、レジスタンス(抵抗)R、及びリアクタンスXによって、Z=R+jX で表されるので、抵抗成分81を20Ω、静電容量成分82を17pF、静電容量Cを116pF、浮遊容量10を13pFとすると、高周波電源7の周波数13.56MHzのとき、Z=16−92j(Ω)となる。これは、図7の等価回路において、抵抗成分11が16Ω、容量成分12が128pFの場合に相当する。
ここで示した計算例は概算であるが、次のことが分かる。図7に示す等価回路で表したときの容量成分12の値は、概ね、図5または図6に示す静電容量Cと近似する。また、容量成分12からなるリアクタンス(この例では−92Ω)は、プラズマ領域の抵抗成分11に比べて大きい。従って、プラズマ8への電力の供給は、容量成分12によって阻害されることとなる。
プラズマ領域への電力を効率的に供給するためには、容量成分12からなる負の符号をもつ容量性のリアクタンスを打ち消すように、絶対値が略同等で正の符号を持つ誘導性リアクタンスであるインダクタをインピーダンス調整部4として回路に直列に接続すればよい。上述の例では、インピーダンス調整部4を、+92Ωのリアクタンスを持つインダクタとすればよい。周波数が13.56MHzの場合は、これは約1.1μHのインダクタに相当する。インダクタとしては、コイルや積層チップインダクタなどを用いることができる。また、同軸ケーブルや金属製の板状の配線の、予め値の分かった寄生のインダクタンスを利用することもできる。なお、プラズマ処理装置では一般に1A以上の大電流が流れるため、銅線あるいは銅パイプからなるコイルや同軸ケーブルや銅板配線を用いる方が好ましい。
なお、上述の例では、接続するリアクタンスの値を様々な実測と計算の結果求めたが、その値は、上述の如く、プラズマ領域直下の誘電体基材部分の静電容量Cから生じるリアクタンスで近似出来、この値は、プラズマを上から見たときの投影面積から概算出来る。具体的には、静電容量C=(誘電体基材3の誘電率)×(プラズマ8の誘電体基材3上での投影面積)/(誘電体基材3の厚み)として概算することができる。
図8は、誘電体基材3における領域部分9を説明するための斜視図である。図8に示す領域部分9において、プラズマ長aはプラズマ8の長手方向の長さであり、プラズマ幅Wpはプラズマ8の長手方向と直交する方向の長さである。そして、プラズマ8の誘電体基材3上での投影面積は、プラズマ長a×プラズマ幅Wpで表される。また、誘電体基材3の厚さが厚さtとなる。
そうすると、静電容量Cは、
C=εrε0・Wp・a/t ・・・(1)
εr : 誘電体の比誘電率
ε0 : 真空の誘電率
=8.854×10-12(F/m)
として表される。
また、領域部分9の長手方向(プラズマ長a)に対して単位長さあたりの静電容量Csは、
Cs=εrε0・Wp/t ・・・(2)
となる。
例えば、誘電体基材3がガラス基板であれば、比誘電率εrは、約6となる。そうすると、例えばプラズマ幅Wp=10mm、厚さt=10mmのとき、式(2)より、単位長さあたりの静電容量Csは、53pFとなる。また、例えばプラズマ幅Wp=20mm、厚さt=3mmのとき、式(2)より、単位長さあたりの静電容量Csは、354pFとなる。
この場合、静電容量C=Cs×aで得られ、ドラム状回転電極5と基材搬送台2との間のリアクタンスXは、
X=−1/(ωC) ・・・(3)
ω=2πf
f : 高周波電源7の周波数
となる。
そうすると、リアクタンスXを打ち消すためには、インピーダンス調整部4のインダクタンスLを、L=1/(ω2C)とすればよい。
実際には、このようにして概算した容量値の90%から150%程度の容量値に相当するリアクタンス成分と絶対値が同等の誘導性リアクタンスを生じさせるべくインピーダンス調整部4のリアクタンスを設定する方が好ましい。リアクタンス相殺の効果を大きくするには、その他周辺の寄生容量を考慮すると、前述の概算容量の110〜130%程度の容量値に相当するようにインピーダンス調整部4のリアクタンスを設定する方がより好ましい。なお、概算容量値とリアクタンス設定の根拠となる目標容量値とのズレは、誘電体基材3の厚みや誘電率、ならびにドラム状回転電極5と誘電体基材3との隙間(ギャップ)などに依存して変わる。
また、プラズマ領域直下の誘電体基材部分の容量Cは、プラズマ8の状態が異なれば変化する。つまり、プラズマ8の幅に依存し、プラズマ8の密度変化に伴う抵抗成分81の変化にも依存する。従って、インピーダンス調整部4として接続すべきインダクタンス成分の値は概算であり、正確を期する必要はない一方で、概算値であってもプラズマ領域直下の誘電体基材部分の静電容量Cに起因するリアクタンス成分を打ち消し、プラズマ8への電流供給の効率を上げる効果が期待できる。
なお、例えば、設定部によって、インピーダンス調整部4のリアクタンスの値が自動的に設定されるようにしても良い。具体的には、例えば、インピーダンス調整部4の設定部として、ドラム状回転電極5と基材搬送台2との間の電位差を測定する電圧計と、ドラム状回転電極5と基材搬送台2との間に流れる電流を測定する電流計と、例えばCPU(Central Processing Unit)等を用いて構成された制御部とを備え、前記制御部は、例えば前記電流計によって測定された電流値及び前記電圧計によって測定された電圧値や、当該電流電圧の位相差等に基づいて、ドラム状回転電極5と基材搬送台2との間のインピーダンスや容量成分12を算出し、さらに前記制御部は、算出した容量成分12に相当するリアクタンス成分と絶対値が同等の誘導性リアクタンスを生じさせるべくインピーダンス調整部4のリアクタンスを設定するようにしてもよい。
以上のように、インピーダンス調整部4のリアクタンスは可変であることが好ましい。可変範囲は、使用する誘電体基材3の材質、厚み、及び高周波電源7の周波数からリアクタンスの範囲を想定し、決定すればよいが、プラズマ成膜装置1におけるプラズマ長aに対する単位長さあたりの静電容量が静電容量Csであれば、Cs=10〜1500pF/mに相当する正の誘導性リアクタンスの範囲でインピーダンス調整部4のリアクタンスを可変にすると、適用可能な基材の厚みの範囲が広く、プラズマ成膜装置として好適である。さらに、インピーダンス調整部4のリアクタンスを20〜500pF/mに相当する正のリアクタンスの範囲で可変にした装置もプラズマ成膜装置として好適である。
インピーダンス調整部4のリアクタンスを可変にする手段としては、インピーダンス調整部4をインダクタとコンデンサとで構成し、そのいずれかを可変とすることで実現できる。なお、静電容量Csに相当する正のリアクタンスとは、高周波電源7の周波数をfHzとするとき、以下の式で表現されるXの値を意味する。
X=1/(2・π・f・Cs) [Ω]
以上の動作により、プラズマ領域直下の誘電体基材部分の静電容量Cに起因するリアクタンス成分を打ち消してプラズマが発生する電気経路への電力供給を増大させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施の形態によるプラズマ処理装置の一例であるプラズマ成膜装置について説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態によるプラズマ成膜装置1aのの一例を示すブロック図である。図9に示すプラズマ成膜装置1aと図1に示すプラズマ成膜装置1とでは、下記の点で異なる。すなわち、図9に示すプラズマ成膜装置1aは、バイアス用インピーダンス整合部13と、バイアス用高周波電源14とをさらに備える。その他の構成は図1に示すプラズマ成膜装置1と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の特徴的な点について説明する。
図9に示すプラズマ成膜装置1aにおいて、電極として機能する基材搬送台2は、バイアス用高周波電源14に、バイアス用インピーダンス整合部13を介して接続されている。バイアス用インピーダンス整合部13は、例えばインダクタとコンデンサを含む回路で構成され、バイアス用高周波電源14の内部インピーダンスと装置側とのインピーダンスを整合させるべく、インピーダンスを設定可能にされている。バイアス用インピーダンス整合部13は、バイアス用高周波電源14の内部インピーダンスと装置側とのインピーダンスを整合することにより、バイアス用高周波電力をプラズマ8に、反射波を生じることなく効率的に供給する。
図10は、バイアス用インピーダンス整合部13の構成の一例を示す回路図である。図10に示すバイアス用インピーダンス整合部13は、例えばバイアス用高周波電源14とドラム状回転電極5との間に介設された可変インダクタ131,132及びインダクタ133の直列回路と、可変インダクタ131と可変インダクタ132の接続点と電源グラウンドとの間に介設されたコンデンサ134と、インダクタ133とドラム状回転電極5との接続点と電源グラウンドとの間に介設されたコンデンサ135とを備える。
また、バイアス用高周波電源14の周波数は、プラズマ発生用の高周波電源7の周波数とは少なくとも500Hz以上異なるようにされており、2つの周波数が干渉することを抑制して安定したプラズマを得るようにされている。
図9に示すプラズマ成膜装置1aにおいて、インピーダンス調整部4は、高周波電源7の周波数に対してドラム状回転電極5と基材搬送台2との間のリアクタンス、すなわち容量成分12に相当するリアクタンス成分と絶対値が同等の誘導性リアクタンスを生じるようにされている。これにより、容量成分12に相当するリアクタンス成分を打ち消してプラズマが発生する電気経路への電力供給を増大させることができる。
また、インピーダンス調整部4は、バイアス用高周波電源14の周波数に対してインピーダンスが増大するようにされている。これにより、バイアス用高周波電力がプラズマ8に供給されることなくインピーダンス調整部4を経由して漏洩してしまうことが抑制され、バイアス用高周波電力をプラズマ8に効率良く供給することができる。
プラズマ発生用の高周波電源7の周波数とバイアス用高周波電源14の周波数は、一方が他方の10倍程度以上あることがより好ましい。両者の周波数が接近していると、インピーダンス調整部4とバイアス用インピーダンス整合部13との干渉が生じ、それぞれの機能を実現する回路定数の選択が困難となる。すなわち、コンデンサやインダクタのリアクタンスは周波数に依存するので、前記両者の周波数が大きいほど、インピーダンス調整部4のインピーダンスをバイアス用高周波電源14の周波数に対して増大させることが容易になる。また、プラズマ8に有効に電力を供給するため、プラズマ発生用の高周波電源7の周波数をバイアス用高周波電源14の周波数よりも高くする方がより好ましい。
なお、インピーダンス調整部4を下部電極である基材搬送台2に接続する例を示したが、インピーダンス調整部4は、プラズマを発生させるための電力供給経路に直列に接続されていればよく、例えばドラム状回転電極5とインピーダンス整合部6の間、あるいはインピーダンス整合部6と高周波電源7の間等に接続される構成であってもよい。また、高周波電源7からプラズマ8を介して電源グラウンドに至る電力供給経路のリアクタンスの総和を略同等とすれば、インピーダンス調整部4を、高周波電源7からドラム状回転電極5までの経路中と、基材搬送台2から電源グラウンドまでの経路中とに分配して配設しても同様の効果が得られる。
また、円筒状外周面を有するドラム状回転電極5を用いる例を示したが、高周波電力を供給する電極は、ドラム状の回転電極に限る必要はなく、板状、あるいは、線状(ライン状)の形状であってもよい。また、平板形状の基材搬送台2を下部電極として用いる例を示したが、電極の形状は平板に限らず、搬送用ローラーなどの線状(ライン状)であってもよい。
また、プラズマ処理装置の一例として成膜を行うプラズマ成膜装置について説明したが、ガス成分を変えることで表面の改質、エッチングなど各種表面処理を行うプラズマ処理装置であってもよい。また、ここでは圧力として1気圧近傍を想定したが、プラズマを用いた表面処理は、1気圧近傍に限らず低圧領域に至るまで幅広い圧力で行うことが出来る。
(実施例1)
本発明者らは、一実施例として、上述の表1と同様の条件で、図1に示すプラズマ成膜装置1と、図12に示す従来例によるプラズマ成膜装置とでシリコン酸化膜の成膜を行った場合の比較実験を行った。
まず、図12に示す従来例によるプラズマ成膜装置を用いて、基材搬送台101を0.2m/分の速度で搬送したとき、ガラス基板である誘電体基材102上には、膜厚275nmのシリコン酸化膜が成膜された。このとき、基材搬送台101を接地するための配線は、別途測定の結果、0.1μH程度の浮遊インダクタンスを有していた。
次に、図1に示すプラズマ成膜装置1を用いて、プラズマ成膜装置1においても上述の図12に示すプラズマ成膜装置と同様にインピーダンス調整部4を介して基材搬送台2を接地するための配線が0.1μH程度の浮遊インダクタンスを有することを考慮の上、インピーダンス調整部4として、1μHのインダクタンスを有するコイルを接続した。
そして、図12に示すプラズマ成膜装置の場合と同様の条件で成膜した結果、ガラス基板上に形成されたシリコン酸化膜の膜厚は、508nmであり、約85%成膜速度が向上されることを確認した。
(実施例2)
本発明者らは、一実施例として、上述の表1と同様の条件で、図9に示すプラズマ成膜装置1aと、図13に示す従来例によるプラズマ成膜装置とでシリコン酸化膜の成膜を行った場合の比較実験を行った。
まず、図13に示す従来例によるプラズマ成膜装置で成膜した。バイアス用高周波電源107の周波数は400kHzとし、5Wの電力を供給した。バイアス用インピーダンス整合部108は、バイアス用高周波電源107の出力インピーダンス50Ωと整合するように回路定数を選択した。そして、基材搬送台101を0.2m/分の速度で搬送したとき、ガラス基板である誘電体基材102上には、膜厚310nmのシリコン酸化膜が成膜された。
次に、図9に示すプラズマ成膜装置1aにおいて、インピーダンス調整部4を、図3に示す固定インダクタ42(コイル)と可変コンデンサ43の直列回路とし、固定インダクタ42のインダクタンスを1.5μH、可変コンデンサ43を60〜480pFの間で容量可変の可変コンデンサとした。そして、可変コンデンサの容量値を280pFに設定した。この場合、インダクタンス1.5μHの固定インダクタ42と容量280pFの可変コンデンサ43との直列回路は、高周波電源7の周波数13.56MHzに対して約1.0μHのインダクタに相当する。
そして、バイアス用高周波電源14の周波数は400kHzとし、3Wの電力を供給した。バイアス用インピーダンス整合部13は、バイアス用高周波電源14の出力インピーダンス50Ωと整合するように回路定数を選択した。このとき、上述の図13に示すプラズマ成膜装置の場合と同様の条件で成膜した結果、ガラス基板である誘電体基材3上に形成されたシリコン酸化膜の膜厚は、520nmであり、約68%成膜速度が向上されることを確認した。
この例では、仮に可変コンデンサ43を接続せずに、1μHのコイルのみとした場合、バイアス用高周波電源14の周波数400kHzに対しては、1μHのインダクタンスは、比較的小さな2.5Ωのリアクタンスに相当し、バイアス用高周波電力はバイアス印加の機能を果たさない。一方、280pFのコンデンサは、400kHzに対しては、絶対値が1400Ω以上のリアクタンスとして働き、バイアス印加は有効に機能する。
従って、インピーダンス調整部4として、固定インダクタ42と可変コンデンサ43の直列回路を用いることにより、ドラム状回転電極5と基材搬送台2との間のリアクタンス成分を打ち消しつつ、バイアス用高周波電力の供給を効果的に行うことが容易となる。
(実施例3)
本発明者らは、一実施例として、図11に示すプラズマ成膜装置1bによるチタニア(チタン酸化膜)の成膜実験を行った。図11に示すプラズマ成膜装置1bは、図1に示すプラズマ成膜装置1とは、ドラム状回転電極5の代わりに板状形状の電極5aを備える点で異なる。その他の構成は図1に示すプラズマ成膜装置1と同様であるので、その説明を省略する。電極5aは、厚み3mm、幅(紙面の左右方向)2cm、長さ(紙面の奥行き方向)10cmの銅板であり、異常放電を防止するために、その表面に溶射処理でアルミナを100μmの厚みでコーティングしている。
そして、図11に示すプラズマ成膜装置1bにおいて、成膜の条件を以下の表2に示した通りとし、図略の反応容器内に表2に示すガス種の混合気体を圧力(分圧)が一定となるように、毎分1リットルの速さで吸気および排気し、紙面の左から右へのガス流れを作った。
Figure 2005281718
まず、インピーダンス調整部4の有無による成膜速度の差を確認するため、図11に示すプラズマ成膜装置1bにおいて、インピーダンス調整部4を接続せず、基材搬送台2(下部電極)を直接接地する従来と同様の構成により成膜を行った。このとき、ガラス基板である誘電体基材3の上には、160nmのチタニア薄膜が成膜された。
次に、本発明の一実施形態である図11に示すプラズマ成膜装置1bにおいて、インピーダンス調整部4として1μHのインダクタンスを有するコイルを接続して、同様の成膜を行った。このとき、ガラス基板である誘電体基材3の上に形成されたチタニア膜の膜厚は、310nmとなった。これにより、インピーダンス調整部4によって、約94%成膜速度を向上させることができることを確認した。
なお、実際の装置や配線の各部には、浮遊容量や浮遊インダクタンスが存在するので、インピーダンス調整部4のリアクタンス値の設定にあたっては、装置や配線の各部に生じる浮遊容量及び浮遊インダクタンスの値ならびにその接続形態を考慮することが望ましい。例えば、実施例1で用いた図1に示すプラズマ成膜装置1においては、下部電極である基材搬送台2と電源グラウンドに接続された図略の反応容器との間に10pF程度の浮遊容量が存在した。また、基材搬送台2を、インピーダンス調整部4を介して電源グラウンドに接続する配線には、上述のように0.1μH程度の浮遊インダクタンスが存在した。
これらの浮遊容量や浮遊インダクタンスを考慮して、基材搬送台2と電源グラウンドとの間の全体のリアクタンスを例えば+92Ωにしたい場合、例えばインピーダンス調整部4として0.9μH程度のコイルを用いればよい。この場合、基材搬送台2と電源グラウンドとの間の等価回路は、0.1μH+0.9μH=1.0μHのインダクタンスと、10pFのキャパシタンスとの並列回路とみなすことができる。
本発明の第1の実施形態に係るプラズマ処理装置の一例であるプラズマ成膜装置の構成の一例を示す模式図である。 図1に示すインピーダンス調整部の一例を示す回路図である。 図1に示すインピーダンス調整部の一例を示す回路図である。 図1に示すインピーダンス整合部の構成の一例を示す回路図である。 図1に示すプラズマ成膜装置の動作を説明するための模式図である。 図5に示すプラズマ部分の等価回路の説明図である。 図5に示すプラズマ部分を簡略化した等価回路の説明図である。 図5に示す誘電体基材における領域部分を説明するための斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るプラズマ処理装置の一例であるプラズマ成膜装置の構成の一例を示す模式図である。 図9に示すバイアス用インピーダンス整合部の構成の一例を示す回路図である。 実施例3の実験に用いたプラズマ成膜装置の構成の一例を示す模式図である。 背景技術に係るプラズマ成膜装置の構成の一例を示す模式図である。 背景技術に係るプラズマ成膜装置の構成の一例を示す模式図である。
符号の説明
1,1a,1b プラズマ成膜装置
2 基材搬送台(電極対、移送部)
3 誘電体基材
4 インピーダンス調整部(設定部)
5 ドラム状回転電極(電極対)
6 インピーダンス整合部
7 高周波電源(電力供給部)
8 プラズマ
9 領域部分
10 浮遊容量
11 抵抗成分
12 容量成分
13 バイアス用インピーダンス整合部
14 バイアス用高周波電源
41 可変インダクタ
42 可変コンデンサ
43 固定インダクタ
81 抵抗成分
82 静電容量成分
C 静電容量

Claims (12)

  1. 互いに対向配置される電極対と、処理対象となる誘電体の基材が前記電極対間に配置された場合に前記電極対と前記基材との対向位置へ反応ガスを供給するガス給送部と、前記電極対へ高周波電力を供給することによりプラズマ放電を行って前記反応ガスが供給された電極対と基材との対向位置にプラズマを発生させる電力供給部とを備えたプラズマ処理装置であって、
    前記プラズマを発生させるための前記電力供給部による高周波電力の供給経路中に、当該供給経路におけるリアクタンスの絶対値を減少させるべく誘導性リアクタンスを生じさせるためのインピーダンス調整部を備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記インピーダンス調整部は、前記プラズマが発生した状態の前記電極対間におけるリアクタンス成分と絶対値が略同等の誘導性リアクタンスを生じさせるためのものであることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記インピーダンス調整部は、前記電極対間におけるリアクタンス成分と絶対値が略同等かつ誘導性のリアクタンスを生じるべく前記インピーダンス調整部のリアクタンスを調節可能な設定部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記設定部は、前記誘導性リアクタンスの絶対値として、前記処理対象となるべき基材の誘電率と前記プラズマの前記基材に対する投影面積との積を前記基材の厚さで除して得られる静電容量Cに応じたリアクタンスの絶対値に対して90%〜150%の範囲を設定可能にされていることを特徴とする請求項3記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記設定部は、可変インダクタを備え、前記可変インダクタに設定されたインダクタンスによって、前記インピーダンス調整部のリアクタンスを設定するものであることを特徴とする請求項3又は4記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記設定部は、固定インダクタと可変コンデンサの直列回路を備え、前記可変コンデンサに設定されたキャパシタンスによって、前記直列回路のリアクタンスを前記インピーダンス調整部のリアクタンスとして設定するものであることを特徴とする請求項3又は4記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記電極対のうち少なくとも一方の電極は、一方向に長尺に延び、かつ、その長手方向と直交する断面の形状が他方の電極に向かって凸状にされており、
    前記基材を、前記電極対間を通って前記電極の長手方向と直交する方向に移送する移送部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記基材はガラスであり、
    前記インピーダンス調整部は、前記誘導性リアクタンスの絶対値を、前記長尺に延びた電極により生成されるプラズマの長手方向の長さに対して単位長さあたりの静電容量Csを53pF以上、かつ、354pF以下の範囲としたときに当該プラズマの長さ全体から得られる静電容量Cに応じたリアクタンスの絶対値と、略同等にさせるためのものであることを特徴とする請求項7記載のプラズマ処理装置。
  9. 互いに対向配置される電極対間に、処理対象となる誘電体の基材を配置し、前記電極対と前記基材との対向位置へ反応ガスを供給すると共に、前記電極対へ高周波電力を供給することによりプラズマ放電を行って前記反応ガスが供給された電極対と前記基材との対向位置にプラズマを発生させるプラズマ処理方法であって、
    前記プラズマを発生させるための前記電力供給部による高周波電力の供給経路中に、当該供給経路におけるリアクタンスの絶対値を減少させるべく誘導性リアクタンスを介設しておき、この介設状態でプラズマ放電を行うことを特徴とするプラズマ処理方法。
  10. 前記誘導性リアクタンスは、前記プラズマが発生した状態の前記電極対間におけるリアクタンス成分と絶対値が略同等であることを特徴とする請求項9記載のプラズマ処理方法。
  11. 前記誘導性リアクタンスの絶対値は、前記処理対象の基材の誘電率と前記プラズマの前記基材に対する投影面積との積を前記基材の厚さで除して得られる静電容量Cに対して90%〜150%の範囲であることを特徴とする請求項9記載のプラズマ処理方法。
  12. 前記電極対のうち少なくとも一方の電極として、一方向に長尺に延び、かつ、その長手方向と直交する断面の形状が他方の電極に向かって凸状の電極を用いて、
    前記電極対間において前記プラズマを発生させつつ、前記基材を前記電極対間を通って前記電極の長手方向と直交する方向に移送することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
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