JP2005281416A - スルホン酸基含有カルボン酸系重合体を含んでなる洗浄剤、衣料用処理剤 - Google Patents

スルホン酸基含有カルボン酸系重合体を含んでなる洗浄剤、衣料用処理剤 Download PDF

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Abstract

【課題】洗浄剤や衣料用処理剤などの繊維処理製品の用途において、溶解性に優れたカルボン酸系重合体粉体を提供する。
【解決手段】 下記(a)、(b)の要件を満たすカルボン酸系重合体粉体を含むことを特徴とする、洗浄剤、衣料用処理剤が、格段に溶解性が向上することを見出した。
(a)0.2重量%の水溶液粘度が10mPa・s以上である。
(b)カルボキシル基とスルホン酸基とを含有し、かつ、重合体を構成する全単量体に占めるスルホン酸基含有単量体の割合が0.5モル%以上90モル%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶解性に優れた高分子量カルボン酸系重合体を含んでなる洗浄剤及び衣料用処理剤に関する。
これまで、洗浄時に非洗浄物によく馴染み物体表面への定着性を高めるためや、繊維製品上に水溶性もしくは水分散性の皮膜を形成しうるポリマーとして水溶性高分子物質が、洗浄剤や衣料用処理剤(防汚剤など)の配合成分として開示されている(特許文献1、2参照)。
特開平9―273079号公報 特開2003―3198号公報
ところで、近年、省エネや設置場所の問題から洗濯機や自動食器洗浄機などはコンパクトが進み、使用する洗浄水量が少なくなり、さらに洗浄時間も短縮される傾向にある。そのため、洗浄時に使用する各種洗浄剤の溶解性は、洗浄剤の性能を発現するために、非常に重要となってきている。しかしながら、前記特許公報1の技術が開発された当時は、溶解性といった課題は認識されておらず、前記特許公報2の技術が開発された当時には、溶解性の課題は認識されていたが、溶解性の観点からはポリビニルアルコールしか認識されておらず、カルボン酸系重合体では認識されていなかった。さらに、ポリビニルアルコールにおいても溶解性を改善するためには、粘度が低い、いわゆる低分子量のほうが好ましいといった解決法しか提案されていなかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、高分子量のカルボン酸系重合体であっても溶解性を高めることができ、例えば、節水タイプの洗濯機において優れた性能を発揮しうる洗浄剤および衣料用処理剤を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、カルボン酸系重合体の単量体組成が、カルボン酸系重合体粉体の溶解性に大きく影響すると考え、スルホン酸基含有カルボン酸系重合体粉体が、格段に溶解性が向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明にかかる洗浄剤および衣料用処理剤は、下記の要件(a)、(b)を満たすカルボン酸系重合体粉体を含むことを特徴とする。
(a)0.2重量%の水溶液粘度が10mPa・s以上である。
(b)カルボキシル基とスルホン酸基とを含有し、かつ、重合体を構成する全単量体に占めるスルホン酸基含有単量体の割合が0.5モル%以上90モル%以下である。

本発明によれば、高分子量カルボン酸系重合体粉体を効率よく溶解することができ、例えば節水タイプの洗濯機において優れた洗浄性発現しうる洗浄剤および、濡れた状態にある繊維製品に適用される衣料用処理剤であって、当該衣料用処理剤を適用後乾燥した繊維製品上に水溶性もしくは水分散性の皮膜を形成し得るポリマーを含有する衣料用処理剤を提供することができる。
以下、本発明にかかる洗浄剤および衣料用処理剤について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔カルボン酸系重合体粉体およびその製造方法〕
上記カルボン酸系重合体としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体の単独重合体;カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体とその他の単量体との共重合体等が挙げられる。上記例示の重合体のうち、カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体を含む単量体成分を重合してなる共重合体がより好ましく、そのなかでも、カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体とスルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体との共重合体が特に好ましい。スルホン酸基の導入により、カルボン酸系重合体粉体が継粉になりにくく、カルボン酸系重合体粉体の溶解速度を向上させる。さらに、スルホン酸基は洗浄液中に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの多価イオンに対する耐ゲル化性が良好であり、多価イオンによるカルボン酸系重合体の不溶化を抑制する。
尚、本発明における「カルボキシル基」には、−COOH基(遊離のカルボキシル基)に加えて、この官能基のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等の塩も含むこととする。また、本発明における「スルホン酸基」には、−SO3 H基(遊離のスルホン酸基)に加えて、この官能基のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等の塩も含むこととする。
上記の重合体は、例えば、アミド基含有単量体、カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体、および、スルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体等に、必要に応じて、上記単量体と共重合可能なその他の単量体(以下、単に、その他の単量体と記す)をさらに含む単量体成分を重合させることにより、容易に得ることができる。
上記アミド基含有単量体は、アミド基を有する単量体であればよく、特に限定されるものではない。アミド基含有単量体としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体は、カルボキシル基および/またはその塩を有する単量体であればよく、特に限定されるものではない。カルボキシル基含有単量体としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、シトラコン酸、N−(メタ)アクリロイルアスパラギン酸等が挙げられる。また、カルボキシル基の塩を含有する単量体としては、具体的には、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら単量体は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の単量体のうち、(メタ)アクリル酸および/またはその塩がより好ましく、(メタ)アクリル酸(本発明においてはアクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する)が特に好ましい。
上記スルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体は、スルホン酸基および/またはその塩を有する単量体であればよく、特に限定されるものではない。スルホン酸基含有単量体としては、具体的には、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、イソプロペニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、イソプレンのスルホン化物等が挙げられる。また、スルホン酸基の塩を含有する単量体としては、具体的には、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら単量体は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の単量体のうち、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、および、これら単量体のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等がより好ましく、スルホエチル(メタ)アクリレートが特に好ましく、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が最も好ましい。
また、上記その他の単量体は、アミド基含有単量体、カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体、および、スルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体と共重合可能な単量体であればよく、特に限定されるものではない。つまり、本発明にかかる重合体に含まれていてもよい、アミド基含有単量体単位、カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体単位、および、スルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体単位以外の構造単位は、特に限定されるものではない。
その他の単量体としては、具体的には、例えば、アリルホスホン酸、イソプロペニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、および、これら単量体のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等の、モノエチレン性不飽和酸;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の、ポリアルキレングリコールと上記カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体とのエステル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;アリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール等の不飽和アルコール;アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル単量体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド等のアミド系単量体;ホスホエチルメタクリレート、スチレン、アリルアルコールやイソプレノールのエチレンオキシド付加物(前記不飽和アルコールに対して、炭素数2〜18のアルキレンオキシドを1〜300モル、好ましくは3〜100モル、さらに好ましくは5〜80モル付加した化合物)、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、アリルアミン等の、上記以外の官能基を含有する単量体;等が挙げられる。
これらその他の単量体は、必要に応じて、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示のその他の単量体のうち、メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、および、N−ビニル−2−ピロリドンが特に好ましい。
上記重合体の製造方法、即ち、上記単量体成分の重合方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ラジカル重合開始剤等の重合開始剤を用いる重合方法;イオン化放射線、電子線等の放射線や、紫外線などの電磁波を照射する重合方法;加熱による重合方法;等の従来公知の種々の方法を採用することができ、さらに、これら重合方法の2種以上を併用することも可能である。
また、本発明法における重合形式は、溶媒の存在下で重合を行う溶液重合であるが、このほか、例えば縣濁重合なども採用可能である。さらにこれらはバッチ式、連続式のいずれの態様であっても構わない。
得られたカルボン酸系重合体を粉体状にする際に、上記混合液から水を蒸発させた後、得られたカルボン酸系重合体を乾燥・粉砕し、必要に応じて分級することで、後述する所望の粒径のカルボン酸系重合体を得ることができる。
上記ラジカル重合開始剤としては、過酸化物系やレドックス系、アゾ系の開始剤を用いることができ、具体的には、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキサイド等の、過酸化物系やレドックス系で好適に用いられる過酸化物;亜硫酸水素ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄アンモニウム、L−アスコルビン酸、トリエタノールアミン等の、レドックス系で好適に用いられる還元剤;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン) 二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチルアミド二水和物、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル) プロパン〕二塩酸塩等のアゾ系開始剤;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。尚、重合開始剤の使用量や、重合反応の反応条件等は、特に限定されるものではない。
以下、本実施の形態では、上記例示の重合体のうち、本実施の形態では、上記例示の重合体のうち、カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体の単独重合体(以下、単独重合体Aと称する)および、カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体とスルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体との共重合体(以下、共重合体Bと称する)について説明する。
尚、上記の共重合体Bは、例えば、カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体を含むと共に、必要に応じて、スルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体やその他の単量体をさらに含む単量体成分を重合させて得られる共重合体Bに対して、スルホン酸基を導入する後変成を行うことにより、製造することもできる。該製造方法については、後段にて詳述する。
本実施の形態にかかる共重合体Bとしては、上記例示のうち、(メタ)アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とを含む単量体成分を重合させることによって得られる共重合体が、最も好ましい。上記(メタ)アクリル酸は、水に対して非常に溶け易いので、溶解速度が比較的速い。また、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸は、吸湿性が比較的低い。従って、上記(メタ)アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とを共重合させることによって得られる共重合体は、配合比を変えることができ、水に対する溶解度が比較的速いために好適に使用することができる。
本実施の形態において、上記単量体成分中における上記カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体の割合、即ち、上記の共重合体Bを構成する全単量体単位に占めるカルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体単位の割合は、50モル%以上99.5モル%以下が好ましく、55モル%以上99モル%以下がより好ましく、60モル%以上98.5モル%以下がさらに好ましく、65モル%以上98モル%以下が特に好ましく、70モル%以上97モル%が最も好ましい。上記カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体の割合が50モル%以上であれば、洗浄剤に対する共重合体Bの添加量をより少なくすることができる。
本実施の形態において、上記単量体成分中における上記スルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体の割合、即ち、上記の共重合体Bを構成する全単量体単位に占めるスルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体単位の割合は、0.5モル%以上90モル%以下が好ましく、1モル%以上70モル%より好ましく、1.5モル%以上50モル%がさらに好ましく、2モル%以上40モル%以下が特に好ましく、3モル%以上30モル%以下が最も好ましい。上記スルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体の割合が0.5モル%以上であれば、水に対する共重合体Bの溶解速度をより向上させることができる。また、上記スルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体の割合が90モル%以下であれば,洗浄剤に対する共重合体Bの配合量をより少なくすることができる。
つまり、本実施の形態にかかる共重合体Bは、カルボキシル基とスルホン酸基とを含有し、かつ、共重合体Bを構成する全単量体単位に占めるスルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体単位の割合が0.5モル%以上50モル%以下であること、或いは、カルボキシル基とスルホン酸基とを含有し、かつ、該カルボキシル基とスルホン酸基とのモル比が99.3:0.5〜1:1の範囲内であることがより好ましい。尚、共重合体Bにおけるカルボキシル基とスルホン酸基とのモル比は、例えば、常法に従って、pHが2に調節された水溶液と、pHが10に調節された水溶液とを用いたコロイド滴定を行うことによって、容易に求めることができる。
また、上記の単独重合体Aおよび共重合体B中に含まれるカルボキシル基、即ち、上記の単独重合体Aおよび共重合体Bを構成するカルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体が有するカルボキシル基は、遊離酸または塩の何れの状態で存在していてもよいが、遊離のカルボキシル基が含まれていることがより好ましい。また、上記の塩としては、具体的には、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;アミン塩;等が挙げられるが、ナトリウム塩が好ましい。
上記単独重合体Aおよび共重合体B中に含まれるカルボキシル基のうち、遊離のカルボキシル基の割合としては、5モル%以上であることが好ましく、20モル%以上99モル%以下であることがより好ましく、30モル%以上97モル%以下であることがさらに好ましく、40モル%以上95モル%以下であることが特に好ましく、50モル%以上90モル%以下であることが最も好ましい。
上記遊離のカルボキシル基の割合が5モル%未満の場合、即ち、上記単独重合体Aおよび共重合体Bの中和率が95モル%を越える場合には、継粉になりやすくなるおそれがある。
本実施の形態にかかる共重合体Bは、前記単量体成分を重合する上記の重合方法によって製造することができるが、例えば、カルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体を含むと共に、必要に応じて、スルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体やその他の単量体をさらに含む単量体成分(以下、変成用単量体成分と記す)を重合させて得られる重合体(以下、変成用重合体と記す)に対して、スルホン酸基を導入する後変成を行うことにより、製造することもできる。
変成用単量体成分に含まれるカルボキシル基および/またはその塩を含有する単量体やスルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体、その他の単量体としては、具体的には、例えば、前記例示の各種化合物が挙げられる。また、変成用単量体成分を重合して変成用重合体を得る方法としては、例えば、前記例示の各種方法が挙げられる。該変成用重合体としては、具体的には、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸が好適であり、ポリアクリル酸が最適である。
変成用重合体に対してスルホン酸基を導入する後変成の方法としては、変成用重合体に対してスルホン酸基導入化合物を反応させる方法が好適であり、より具体的には、例えば、変成用重合体が含有するカルボキシル基と、スルホン酸基導入化合物としてのイセチオン酸ナトリウム(ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウム)が含有するヒドロキシル基とをエステル結合させる方法、変成用重合体が含有するカルボキシル基と、スルホン基導入化合物としてのタウリン・ナトリウム塩(アミノエタンスルホン酸ナトリウム)が含有するアミノ基をアミド結合させる方法、スルホン酸基導入化合物としての発煙硫酸等を用いて、変成用重合体をスルホン化する方法、等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
上記のスルホン酸基導入化合物は、変成用重合体にスルホン酸基を導入することができる化合物であればよく、特に限定されるものではない。該スルホン酸基導入化合物としては、具体的には、例えば、エステル結合を形成するのに好適な、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム等の化合物;アミド結合を形成するのに好適な、アミノメタンスルホン酸ナトリウム、アミノエタンスルホン酸ナトリウム、アミノプロパンスルホン酸ナトリウム等の化合物;発煙硫酸;等が挙げられる。
後変成の反応方法としては、例えば、変成用重合体とスルホン酸基導入化合物とを混合して加熱すればよいが、特に限定されるものではない。また、変成用重合体に対するスルホン酸基導入化合物の使用量等の、後変成の反応条件は、変成用重合体の組成やスルホン酸基導入化合物の種類、両者の組み合わせ等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。さらに、前記単量体成分を重合する上記の重合方法によって得られる共重合体B(カルボキシル基とスルホン酸基とを含有する共重合体B)に対して、スルホン酸基の割合を高めるために、必要に応じて、上記の後変成を行うこともできる。
変成用重合体を後変成することによって得られる本実施の形態にかかる共重合体Bは、カルボキシル基とスルホン酸基とを含有し、共重合体Bを構成する全単量体単位に占めるスルホン酸基および/またはその塩を含有する単量体単位の割合が0.5モル%〜50モル%の範囲内であること、或いは、カルボキシル基とスルホン基とを含有し、該カルボキシル基とスルホン酸基とのモル比が99.5:0.5〜1:1の範囲内であることがより好ましい。
本発明の洗浄剤および衣料用処理剤に配合されるカルボン酸系重合体の未反応(メタ)アクリル酸系モノマー含有量が(メタ)アクリル酸換算で2.0重量%(質量%)以下であることが好ましく、1.5重量%以下がより好ましく、1.3重量%以下がさらに好ましく、1.1重量%以下が特に好ましく、1.0重量%以下が最も好ましい。未反応(メタ)アクリル酸系モノマー含有量が2.0重量%より多く存在している場合には、臭気の問題がある恐れがある。
本発明の洗浄剤および衣料用処理剤に配合されるカルボン酸系重合体粉体の粘度は、(1)および/または(2)の条件を満たす。カルボン酸系重合体は、同じ重量平均分子量であっても、pHによって粘度が変わるため、カルボン酸系重合体粉体の水溶液のpHによってpHの測定方法および粘度測定方法は、選択すればよい。
カルボン酸系重合体粉体の水溶液に関わらず、(1)の条件を満たす。(1)の条件を満たさない場合で、1重量%の水溶液のpH(25℃)が6未満である場合には、(2)の条件を満たす。
(1)25℃での0.2重量%の水溶液粘度が10mPa・s以上10,000mPa・s以下、好ましくは20mPa・s以上5,000mPa・s以下、より好ましくは30mPa・s以上4,000mPa・s以下、さらに好ましくは40mPa・s以上3,000以下、最も好ましくは50mPa・s以上2,000mPa・s以下である。
(2)25℃での10重量%の水溶液粘度が300mPa・s以上5,000mPa・s、好ましくは350mPa・s以上4,500mPa・s以下、より好ましくは400mPa・s以上4,000以下、さらに好ましくは450mPa・s以上3,500mPa・s以下、最も好ましくは500mPa・s以上3,000mPa・s以下である。
(1)の場合に0.2重量%の水溶液粘度が30mPa・s未満や(2)の場合に、10重量%の水溶液粘度が300mPa・s未満ではカルボン酸系重合体の分子量が低いため、洗浄剤としての性能の発現が十分でなくなる恐れがあり、また(1)の場合に0.2重量%の水溶液粘度が10,000mPa・sより大きい場合や(2)の場合に10重量%の水溶液粘度が5,000mPa・sより大きい場合には、洗浄液の粘度が高くなりすぎる恐れがあり、すすぎの効率が悪くなる可能性がある。
また、本発明のカルボン酸系重合体の重量平均分子量は、好ましくは20万以上1,000万以下、より好ましくは25万以上900万以下、さらに好ましくは30万以上800万以下、特に好ましくは40万以上700万以下、最も好ましくは50万以上500万以下である。重量平均分子量が10万未満である場合には、カルボン酸系重合体の分子量が低いため、洗浄剤としての性能の発現が十分でなくなる恐れがあり、また、重量平均分子量が1,000万よりも大きい場合には、洗浄液の粘度が高くなりすぎる恐れがあり、すすぎの効率が悪くなる可能性がある。
本発明の洗浄剤および衣料用処理剤に配合されるカルボン酸系重合体粉体の粒径は、(3)および/または(4)の条件を満たす。
(3)JIS篩の20メッシュ(750μm)パスで300メッシュ(30μm)オンの粒径のものを50重量%以上含有、好ましくは60重量%以上含有、より好ましくは70重量%以上含有、さらに好ましくは75重量%以上含有、最も好ましくは80重量%以上含有する。JIS篩はJIS Z8801記載のものである。
(4)平均粒径は10μm以上600μm以下が好ましく、20μm以上550μm以下がより好ましく、30μm以上500μm以下がさらに好ましく、40μm以上450μm以下が特に好ましく、50μm以上350μm以下が最も好ましい。
(3)の場合で、JIS篩の20メッシュパスで300メッシュオンの粒径のものが50重量%未満になり、特に20メッシュオンのものが多くなった場合には、洗浄液や水への溶解性が低下して、不溶解分が増加する恐れがあり、逆に、300メッシュパスのものが多くなると、洗浄液や水への溶解時に継粉が増加したり、粉立ちが起きたりする恐れがあり、さらに粉体の吸湿が起こりやくなる恐れがある。
(4)の場合で、平均粒径が10μm未満であると、洗浄液や水への溶解時に継粉が増加したり、粉立ちが起きたりする恐れがあり、さらに粉体の吸湿が起こりやくなる恐れがある。逆に平均粒径が600μmより大きい場合には、洗浄液や水への溶解性が低下して、不溶解分が増加する恐れがある。ここで用いる平均粒径とは実施例記載の体積平均粒子径を意味する。
本発明のカルボン酸系重合体粉体には界面活性剤を構成要素に含むことが好ましく、前記カルボン酸系重合体を1種以上の単量体の重合する際に、前記界面活性剤を共存させておくことが好ましい。
上記カルボン酸系重合体粉体における界面活性剤の存在による効果は、次のようであると考えている。界面活性剤を含有する水溶性重合体は、その表面に存在する界面活性剤が剥離すると同時に水を取り込み、継粉となるのを防止でき、水に対する溶解性が高くなる。
本発明法を採用することで特に優れた効果が得られるのは次の理由によるものと考えている。前記カルボン酸系重合体は、カルボン酸系重合体を構成する単量体を重合することで得られるが、この重合反応を界面活性剤の存在下で行えば、重合反応終了時には、水溶性重合体と界面活性剤の混合液が得られる。得られたカルボン酸系重合体を粉体状にする際に、上記混合液から水を蒸発させた後、得られたカルボン酸系重合体を乾燥・粉砕する。上記蒸発工程においてカルボン酸系重合体は、水が蒸発するのにしたがって凝集するが、このとき、上記カルボン酸系重合体の分子鎖間には界面活性剤が取り込まれた状態となる。したがって、得られるカルボン酸系重合体はその表面のみならず、重合体内部にも界面活性剤が存在することとなる。
このようなカルボン酸系重合体は、上記の通り洗浄液に添加されると、その表面の界面活性剤が剥離すると同時に水を取り込み、分子鎖がほぐれ始めるが、この分子鎖表面には未だ界面活性剤が存在しているため、近傍の分子鎖同士で付着結合することなく、洗濯液などに溶解することができるのである。したがって、継粉を生じることなく優れた洗浄力や処理能力を得ることができる。
本発明における界面活性剤は、洗浄液や衣料用処理液においてカルボン酸系重合体同士が急激に付着・結合するのを抑制して、継粉になるのを防ぐために用いるものである。本発明で使用可能な界面活性剤としては、上記カルボン酸系重合体が洗浄液や衣料用処理液に良好に溶解するまで、該重合体同士が付着・結合するのを抑制できるものであれば特に限定されず、公知の界面活性剤が使用可能である。具体的には、非イオン界面活性剤が好ましく、例えば、エーテル型の非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、などのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの他、ポリオキシエチレン誘導体やオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーなどが挙げられる。エーテルエステル型の非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタンモノ、ジ、トリ脂肪酸エステル(脂肪酸の炭素数12〜18、以下の脂肪酸についても同じ);ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどが挙げられる。エステル型の非イオン界面活性剤としては、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリステアレートなどのソルビタンモノ、ジ、トリ脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセライド;ショ糖エステルなどが挙げられる。これらの中でも、ソルビタン脂肪酸エステルが好ましい。
〔洗浄剤および衣料用処理剤〕
本発明の洗浄剤および衣料用処理剤は、前記カルボン酸系重合体粉体を含有するものである。これにより、洗浄剤として優れた洗浄力を発揮し、洗浄脱水後等の濡れた状態の繊維製品に適用することにより、乾燥後の繊維製品上に水溶性もしくは水分散性の皮膜を形成し、それにより繊維製品の繊維自体に直接汚れが付着するのを抑制する、次の洗濯において汚れの離脱を促進する、或いはこれらの両方の機能を発揮することにより、繊維製品の汚れを防止するものである。
本発明の洗浄剤および衣料用処理剤中に占める前記カルボン酸系重合体の含有量は、0.001〜10重量%であることが好ましく、0.01〜8重量%であることがより好ましく、0.02〜6重量%であることがさらに好ましく、0.03〜4重量%であることが特に好ましく、0.04〜2重量%であることが最も好ましい。前記カルボン酸系重合体の含有量が多すぎると、洗浄剤の粘度が高くなることがあり、すすぎの効率を落とす恐れがあり、一方、少なすぎると、充分な性能を発現し得ない恐れがある。
本発明における洗浄剤や衣料用処理剤は、例えば、粉末状、液体状、ジェル状等のいずれの形態であってもよい。以下、代表的な例として、粉末状の粉末洗浄剤と、液体状の液体洗浄剤について詳しく説明する。
本発明の洗浄剤は、ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、ゼオライト、層状シリケートからなる群より選ばれる1種以上(以下「成分A」と称する)を含むことが好ましい。特に、本発明の洗浄剤が粉末洗浄剤である場合には、優れた洗浄効果と再汚染防止能とを発揮させるためには、前記成分Aが必須となる。一方、本発明の洗浄剤が液体洗浄剤である場合には、前記成分Aは、必ずしも含有している必要はないが、この場合も、成分Aを含有することにより、洗浄効果と再汚染防止能とをより向上させることができる。なお、本発明の洗浄剤が液体洗浄剤である場合であって、透明な液体洗浄剤としたい場合には、前記成分Aのうち、ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、層状シリケートからなる群より選ばれる1種以上を選択することが好ましい。
前記ポリカルボン酸(塩)としては、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリグリオキシル酸、アミノカルボン酸系重合体(例えば、ポリアスパラギン酸等)およびこれらの塩等が挙げられる。前記塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。なお、これらポリカルボン酸(塩)の重量平均分子量は、500〜150,000であることが好ましく、1,000〜100,000であることがより好ましく、2,000〜50,000であることがさらに好ましい。
前記クエン酸塩としては、例えば、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記ゼオライトとしては、例えば、水和ゼオライトA、X、B、HS等が挙げられる。
前記層状シリケートとしては、例えば、層状ケイ酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明の洗浄剤が粉末洗浄剤である場合、洗浄剤中に占める前記成分Aの含有量は、合計で、0.1〜50重量%であることが好ましく、0.5〜40重量%であることがより好ましく、1〜30重量%であるのがさらに好ましい。成分Aの合計含有量が多すぎると、界面活性能が低下する傾向があり、一方、少なすぎると、充分な洗浄効果と再汚染防止能を発現し得ない恐れがある。なお、本発明の洗浄剤が粉末洗浄剤である場合、成分Aのうち各々の含有量については、その種類によって適宜設定すればよいが、例えば、ポリカルボン酸(塩)やクエン酸塩の場合は、それぞれ0〜30重量%であるのが好ましく、ゼオライトや層状シリケートの場合は、それぞれ0〜50重量%であるのが好ましい。
本発明の洗浄剤が液体洗浄剤である場合、洗浄剤中に占める前記成分Aの含有量は、合計で、0〜50重量%であることが好ましく、0〜40重量%であることがより好ましく、0〜30重量%であることがさらに好ましい。成分Aの合計含有量が多すぎると、界面活性能が低下する傾向があり、一方、少なすぎると、充分な洗浄効果と再汚染防止能を発現し得ない恐れがある。なお、本発明の洗浄剤が液体洗浄剤である場合、成分Aのうち各々の含有量については、その種類によって適宜設定すればよいが、例えば、ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、層状シリケートの場合は、0〜30重量%であるのが好ましく、ゼオライトの場合は、0〜20重量%であるのが好ましい。
本発明の洗浄剤は、さらに、通常、洗浄剤に配合されている界面活性剤をも含有していてもよい。界面活性剤としては、具体的には、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
前記アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和または不飽和脂肪酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルまたはアルケニルリン酸エステルまたはその塩等を挙げることができる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等を挙げることができる。
前記カチオン系界面活性剤としては、例えば、第4アンモニウム塩等を挙げることができる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシル型またはスルホベタイン型両性界面活性剤等を挙げることができる。
本発明の洗浄剤が粉末洗浄剤である場合、洗浄剤中に占める前記界面活性剤の含有量は、特に制限されないが、通常、3〜50重量%とするのが好ましく、5〜40重量%とするのがより好ましく、10〜35重量%とするのがさらに好ましい。界面活性剤が多すぎると、経済性が低下する傾向があり、一方、少なすぎると、充分な洗浄剤性能を発揮できなくなる恐れがある。
本発明の洗浄剤が液体洗浄剤である場合、洗浄剤中に占める前記界面活性剤の含有量は、3〜60重量%とするのが好ましく、5〜50重量%とするのがより好ましく、10〜40重量%とするのがさらに好ましい。界面活性剤が多すぎると、相溶性が低下する傾向があるとともに、経済性も低下するので好ましくなく、一方、少なすぎると、充分な洗浄剤性能を発揮できなくなる恐れがある。
本発明の洗浄剤は、さらに、従来公知の洗浄剤用ビルダーを含有していてもよい。洗浄剤用ビルダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレングリコール、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ニトリロトリ酢酸ナトリウム、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウムやカリウム、多糖類のカルボキシル系重合体、フマル酸(共)重合体塩などの水溶性重合体等が挙げられる。なお、これら洗浄剤ビルダーをも含有する場合、その含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定すればよい。
本発明の洗浄剤は、さらに、洗浄剤に慣用されている種々の添加剤を含有していてもよい。具体的には、例えば、汚染物質の再沈着を防止するためのカルボキシメチルセルロースナトリウム、ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素等のよごれ抑制剤、アルカリ剤(pH調節のためのアルカリ性物質)、香料、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、過炭酸ナトリウムや過ホウ酸ナトリウム等の漂白剤、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩やテトラアセチルエチレンジアミン等の漂白活性剤、酵素、染料、水等の溶媒等が挙げられる。なお、これらの添加剤をも含有する場合、その含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定すればよい。
本発明の洗浄剤が液体洗浄剤である場合には、前記添加剤の中でも、洗浄力と再汚染防止能、色移り防止能を向上させるため、アルカリ剤を含むことが特に好ましい。アルカリ剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミンやジエタノールアミン等のアルカノールアミン、珪酸塩、炭酸塩などが挙げられる。この場合、洗浄剤中のアルカリ剤の含有量は、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜15重量%がより好ましく、1〜10重量%がさらに好ましい。アルカリ剤が0.1重量%未満であると、充分な洗浄効果と再汚染防止能を発現しにくくなる傾向があり、一方、20重量%を超えると、肌に付着した際に肌荒れ等が起こる恐れがあるために好ましくない。
なお、本発明の洗浄剤は、洗浄剤の中間体、すなわち洗浄剤として必要な酵素や香料などの他の成分をさらに配合して洗浄剤とされるものであってもよいし、洗浄剤自体、すなわちそのままの状態で洗浄剤として用いられるものであってもよい。また、本発明の洗浄剤は、衣類用、シャンプー用、ボディーソープ用、洗濯槽用、お風呂用、トイレ用、床用、絨毯用、台所用、食器用、ガラス用、靴用、自動車用、排水口用、エアコン用、シェーバー用、歯磨き用、眼鏡用など、各種の洗浄剤として用いることができるものである。
前記カルボン酸系重合体粉体を粉末洗剤に配合する際方法としては、各種の方法で添加することができる。前記カルボン酸系重合体粉体は、洗浄剤組成物スラリーに乾燥する前に添加してもよく、別の方法としては、水および/または他の溶媒に前記カルボン酸系重合体を溶解させてから、その溶液から粉末洗剤に噴霧して混合してもよく、さらには粉体のまま粉末洗剤に乾燥状態で混合してもよい。いずれの方法においても、前記カルボン酸系重合体粉体の溶解性は、重要である。
本発明の衣料用処理剤は、前記したカルボン酸系重合体を必須成分として含有し、通常残部は任意成分である。好ましくは前記カルボン酸系重合体(a)とシリコーン(b)の両者を含有する。カルボン酸系重合体は、上記の範囲で配合される。またシリコーン(b)は衣料用処理剤中に0.002重量%以上40重量%以下、好ましくは0.005重量%以上15重量%以下配合される。両者の併用割合は、(a)/(b)= 100/1〜0.05 /1(重量比)が好ましい。
本発明に用いられるカルボン酸系重合体(a)、シリコーン(b)等の水溶性有機ポリマーは、水溶性で、且つ水溶性もしくは水分散性の皮膜形成性を有するため、衣類に塗布、噴霧された後、繊維表面に保護被膜を形成し、汚れが付着するのを防止する。しかも、水溶性であるため、被膜に汚れが付着しても次の洗濯時に汚れが洗濯水の方に移りやすくなる。
また、本発明衣料用処理剤中には、香料、抗菌剤、殺菌剤、色素、顔料、蛍光染料、プロピレングリコール、エチレングリコールなどの多価アルコールを任意に添加することができる。
本発明の衣料用処理剤は、洗浄脱水後等の濡れた状態の繊維製品(衣類、タオル、シーツ等)に適用される。その際、本発明組成物は、使用前に水に溶解または分散させて、洗濯終了後に洗濯機中で浸漬させてもよいし、手動式スプレー(例えば、ポンプ、トリガーなど)で噴霧してもよいし、エアゾールとして高圧ガスとともに噴霧してもよい。また、吐出口を持つ容器にて塗布してもよいし、スポンジ等の多孔性物質を介して塗布してもよい。或いはハケ、スポンジなどの道具を用いて塗布してもよい。衣類への塗布方法及び本発明組成物を収納する容器は特に限定されない。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、特に断りのない限り、「重量部(質量部)」を単に「部」と、「重量%(質量%)」を単に「%」と記す。
カルボン酸系重合体粉体の体積平均粒子径は、粒度分布計(株式会社日機装製;機種名9200−FRA)により、測定を行った。そして、体積分布(積算ふるい下分布)による50%累積時の粒子径を平均粒径とした。
10重量%および0.2重量%カルボン酸系重合体粉体の粘度は、B型粘度計で、ローターNo.2、30rpmの条件で25℃にて測定した。
1重量%および0.1重量%カルボン酸系重合体粉体のpHは、pHメーターで、25℃にて測定した。
得られたカルボン酸系重合体重量平均分子量および未反応モノマー量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析によって測定した。
〔実施例1〕
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1Lのステンレス鋼製セパラブルフラスコ(1)に、シクロヘキサン340g、ソルビタンモノステアレート(花王株式会社、商品名「レオドールSP−S10」)4.59g(分散剤)を入れ、攪拌しながら50ml/分の速度で窒素導入し、70℃まで昇温した。
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた500mlのセパラブルフラスコ(2)にアクリル酸113.05g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸36.11g、48重量%水酸化ナトリウム水溶液14.54g、イオン交換水133.71gを入れ、攪拌して溶解させた。さらに攪拌を継続しながら窒素を25分間セパラブルフラスコ(2)の溶液内に導入した後、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩が0.03重量%、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)が0.04重量%、および次亜リン酸ナトリウム一水和物が0.03重量%の水溶液42.62gをセパラブルフラスコ(2)の溶液に加え、さらに5分間窒素を導入することにより、該溶液中の溶存酸素を1mg/L以下とした。その後、セパラブルフラスコ(2)で調製した単量体を、セパラブルフラスコ(1)に2時間かけて添加して重合を行い、さらに30分間熟成した。引き続き脱水を行った後、30℃まで冷却し、内容物の固液分離を行い、乾燥して、粉砕し、分級した後、共重合体1と界面活性剤の混合物の粉体(1)を得た。
表1に結果を示した。
〔比較例1〕
温度計、窒素導入管、撹拌機および還流冷却器を備えた容量5リットルの四つ口フラスコに水2,540g を仕込み 100℃まで昇温した。次に、0.7重量%過硫酸アンモニウム水溶液40g と80重量%アクリル酸水溶液920gを1時間にわたって、沸点温度にて連続的に滴下し、重合反応を行なった。さらに0.7重量%過硫酸アンモニウム水溶液160gを15分間、沸点温度にて連続的に滴下し、滴下終了後、系の沸点温度でさらに30分撹拌し重合反応を完了し、固形分20%のポリアクリル酸水溶液を得た。得られたポリアクリル酸水溶液を150℃で2時間乾燥した後、ボールミルにて粉砕し、分級し、ポリアクリル酸単独重合体粉体(2) を得た。
表1に結果を示した。
〔比較例2〕
温度計、窒素導入管、撹拌機および還流冷却器を備えた1リットルセパラブルフラスコに、中和率100%の37重量%アクリル酸ナトリウム水溶液973g(36重量%対全仕込み量)、水17g を仕込み、氷浴で水溶液を10±2℃に冷却した後、窒素ガスを吹き込み水溶液中に溶存している酸素を除去した。 0.013重量%(対重合単量体)の過硫酸アンモニウムを添加し、水溶液量を1,000g にした。10分間撹拌した後、撹拌停止し35℃の恒温槽に浸した。水溶液は20分後から白濁し始め、ゲル化した。重合開始80分後に最高温度93℃を示した。4時間後、透明になったゲル状重合体を取り出し、細片にして190℃で80分通風乾燥した。得られた重合体をボールミルにて粉砕し、分級し、ポリアクリル酸ナトリウム単独重合体粉体(3) を得た。
<溶解性試験>
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)12.5g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(AES)12.5g、炭酸ナトリウム25gに純水を加えて全体で200gとし、乾燥して洗剤配合(以下、ベース配合と称する)を調製した。ベース配合に実施例1のカルボン酸系重合体粉体(1)を0.5g加えた洗剤配合を調製する。
1Lビーカーに超純水1Lを入れ、25℃とした後、スターラーを用いて80rpmで攪拌する。このビーカーに上記洗剤配合を2g加えた。1分ごとに攪拌を止めて、目視にて、カルボン酸系重合体粉体が溶解しているかどうかを確認して、溶解性を試験した。(表1)
比較例1、2のカルボン酸系重合体粉体(2)、(3)でも同様に行い、溶解性を試験した。なお、カルボン酸系重合体粉体を加えていないベース配合の溶解時間は4分であった。
Figure 2005281416
表1の結果から、本発明記載のスルホン酸基含有カルボン酸系重合体粉体を用いた場合、洗浄剤として優れた溶解性を発揮することが明らかであり、これによって本発明の洗浄剤衣料用処理剤が効率よく機能を発現することが判る。
本発明にかかる洗浄剤、衣料用処理剤は、溶解性に優れたカルボン酸系重合体粉体を配合したものであり、例えば、少量の水に短時間に溶解させることができるので、節水タイプの洗濯機での洗浄や衣料の処理に好適に使用することができる。

Claims (2)

  1. 下記(a)、(b)の要件を満たすカルボン酸系重合体粉体を含むことを特徴とする、洗浄剤、衣料用処理剤。
    (a)0.2重量%の水溶液粘度が10mPa・s以上である。
    (b)カルボキシル基とスルホン酸基とを含有し、かつ、重合体を構成する全単量体に占めるスルホン酸基含有単量体の割合が0.5モル%以上90モル%以下である。
  2. 前記カルボン酸系重合体粉体が界面活性剤をさらに含んでいることを特徴とする、請求項1記載の洗浄剤、衣料用処理剤。

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