JP2005280654A - 衝撃吸収式ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運転者の体重の大小などに応じて異なるコラプス荷重を、適正に吸収できるようにする。
【解決手段】 ステアリングコラム側に設けられて車両の衝突時に移動すると共に長孔を有する保持部材と、車体側に設けられると共に前記長孔に挿通された摺動軸とで衝撃吸収手段を構成し、前記保持部材は長孔の幅寸法が異なる一対の保持部材2,72を重ね合わせて用いる一方、前記摺動軸75は大径部75bと小径部75aとを有するものを軸方向へ移動可能に設け、前記一対の保持部材2,72の少なくともいずれか一方の長孔4,74の幅寸法を該長孔に沿って変化させ、前記一対の保持部材2,72と、前記摺動軸75の大径部75b,小径部75aとの組み合わせにより、衝撃吸収荷重が変えられるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、衝撃吸収式ステアリング装置に関し、とりわけ、車両の衝突時にステアリングホイールからステアリングコラムに伝達されたコラプス荷重を、該コラプス荷重の大きさに応じて衝撃を可変的に吸収する衝撃吸収式ステアリング装置に関する。
周知のように、自動車が他の自動車や建造物などに衝突して、運転者が慣性でステアリングホイールに二次衝突することがあるが、これらの二次衝突における運転者の受傷を防止するために、種々の衝撃吸収式ステアリング装置が開発されており、コラプス荷重が発生した際に、例えばアッパークランプを塑性変形させて衝撃を吸収するいわゆるベンディング式や、リッピングプレートを切り裂いて衝撃を吸収するリッピングプレート式や、以下の特許文献1に記載されたボール式のものなどがある。
特開2002−67980号公報
しかしながら、前記従来の衝撃吸収式ステアリング装置にあっては、前述のように、運転者の体重の大小やシートベルトの装着の有無などに応じてコラプス荷重の吸収を可変にするようになっているものの、複数の金属球や該金属球を保持する複数の金属球保持器及び保持器分離手段など、数多くの部品点数が必要になると共に、各構成部品の高い成形精度が要求されることから製造作業や組立作業の能率が低下すると共に、コストの高騰が余儀なくされている。
また、従来の衝撃吸収式ステアリング装置にあっては、コラプス荷重を吸収するストローク範囲において、高荷重側と低荷重側とで略同じ荷重特性となるため高荷重側と低荷重側とで荷重特性を変えたい場合には対応できない。
本発明は、前記従来の衝撃吸収式ステアリング装置の技術的課題に鑑みて案出されたもので、衝撃エネルギーの吸収を金属球などを用いずに、構造の簡単な摩擦と塑性変形による衝撃吸収手段を用いて高荷重側と低荷重側とで荷重特性を変えることが容易にできると共に、部品点数の増加が少なく、かつ小型化を図りうる衝撃吸収ステアリング装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、車体に支持されたステアリングコラムと、該ステアリングコラムの収縮または移動時に摩擦抵抗と塑性変形とによってコラプス荷重を吸収する衝撃吸収手段とを備えた衝撃吸収式ステアリング装置において、前記衝撃吸収手段は、車体側に設けられた固定側部材と、前記ステアリングコラム側に設けられコラプス荷重を受けて移動する移動側部材とのいずれか一方側の部材に設けられ、車体前後方向に沿った長孔を有する保持部材と、他方側の部材に設けられ、前記長孔に挿通されると共に前記長孔の対向孔縁に摺接する外周面の外径寸法が軸方向で異なる摺動軸と、前記長孔に対する前記摺動軸の挿入量を制御する制御機構とを有し、前記長孔の長さ方向に沿って前記長孔の幅寸法を変化させることにより、前記摺動軸が前記長孔に沿って相対的に移動する際に、前記移動側の部材が前記固定側の部材から受ける衝撃吸収荷重が、前記長孔の幅寸法の変化に伴って変化するようにしたことを特徴とする。
このような衝撃吸収式ステアリング装置では、摺動軸が保持部材の長孔に沿って相対的に移動する際に、衝撃吸収荷重が長孔に沿って変化するので、荷重特性に変化を持たせることができ、例えば長孔の途中から衝撃吸収荷重を大きくする等することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリング装置において、前記保持部材は長孔の幅寸法が異なる一対の保持部材を重ね合わせて用いると共に、少なくともいずれか一方の長孔の幅寸法を該長孔の長さ方向に沿って変化させる一方、前記摺動軸は大径部と小径部とを有するものを用い、前記一対の保持部材と、前記摺動軸の大径部,小径部とを組み合わせて係合させるようにしたことを特徴とする。
このような衝撃吸収式ステアリング装置では、摺動軸の大径部,小径部と、長孔の幅寸法が異なる一対の保持部材とを組み合わせ、衝撃吸収荷重に変化を持たせたモードを複数設けることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の衝撃吸収式ステアリング装置において、前記摺動軸の小径部が、前記長孔の幅寸法が小さい保持部材にのみ係合する状態と、前記摺動軸の小径部が、前記長孔の幅寸法が小さい保持部材に係合し、かつ前記摺動軸の大径部が、前記長孔の幅寸法が大きい保持部材に係合する状態との2つのモードを有することを特徴とする。
このような衝撃吸収式ステアリング装置では、摺動軸を軸方向に移動させて2位置の2モードで使用することができ、1つ目のモードと2つ目のモードとは相互に関係が有り、2つ目のモードは1つ目の衝撃吸収荷重の変化量に一定の衝撃吸収荷重の変化量を加算したモードとなる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の衝撃吸収式ステアリング装置において、前記摺動軸の前記大径部と前記小径部との間に、前記一対の保持部材のいずれとも接触しない非接触部を設け、前記摺動軸の前記小径部が、前記長孔の幅寸法が小さい保持部材にのみ係合し、前記大径部は接触しない状態と、前記摺動軸の前記大径部が、前記長孔の幅寸法が大きい保持部材にのみ係合し、前記小径部は接触しない状態との2つのモードを有することを特徴とする。
このような衝撃吸収式ステアリング装置では、2つのモードで使用することができるが、2つ目のモードは1つ目の衝撃吸収荷重の変化量とは無関係で独立しており、相関関係がない。このため、衝撃吸収荷重の設定が2つのモードで別個独立に行える。
本発明によれば、長孔の幅寸法を変化させることにより容易に荷重特性を変えることができる。しかも、部品点数の増加を最小限に抑えているので、衝撃吸収式ステアリング装置が大型化することもない。また、長孔の幅寸法が異なる一対の保持部材を重ねて用いることにより、高荷重側の荷重特性と、低荷重側の荷重特性とに変化を持たせることができ、例えば運転者の体重が多い場合は、衝撃吸収荷重をストロークの途中から大きくする一方、体重が少ない場合はストロークの途中から小さくする等、衝撃吸収荷重を変化させることができる。
以下、本発明に係る衝撃吸収式ステアリング装置の実施の形態を、図面に基づいて詳述する。
(a)実施の形態1
図1〜図9は本発明の実施の形態1を示すものであり、衝突時にステアリングコラムが車体から離脱した際のコラプス荷重の安定化を図ったものである。
ステアリングコラムの部分の構成を図5に示す。ステアリングコラム61は、シャフトの部分と、シャフトの部分を覆うハウジングの部分とから構成される。シャフトの部分は、前輪の操舵部分に接続される中実のロアシャフト61aと、中空のアッパシャフト61bとがスプライン結合部62を介し伸縮自在に結合されている。そして、このアッパシャフト61bと、図示しないステアリングホィールの取り付けられたシャフト61cとが図示しない自在継手を介して連結されている。
一方、ハウジングの部分は、ロアハウジング64aの内部に挿通された状態で、摺動自在にアッパハウジング64bが設けられ、ロアハウジング64aに対してアッパハウジング64bを固定するテレスコロック機構65が設けられている。また、アッパハウジング64bの後端部を覆うようにしてヒンジブラケット64cが設けられている。そして、ヒンジブラケット64cに対してチルトブラケット64dが回動軸91を中心として回動自在に設けられ、ヒンジブラケット64cに対してチルトブラケット64dを固定するチルトロック機構63が設けられている。そして、ロアシャフト61aとロアハウジング64aとの間には軸受89が設けられており、またシャフト61cとチルトブラケット64dとの間にも図示しない軸受が設けられている。
前記テレスコロック機構65は、図9のように構成されている。テレスコレバー66がボルト67に結合されており、ボルト67には右ねじ部67aと左ねじ部67bとが形成されている。右ねじ部67aにはコマ68aがねじ結合し、左ねじ部67bにはコマ68bがねじ結合している。コマ68a,コマ68bにはテーパ面69a,69bが形成され、テレスコレバー66を一方向へ回動させるとアッパハウジング64bがロアハウジング64aの内周面に押圧され、テレスコロックが行われる。テレスコレバー66を他の方向へ回動させると、ロックが解除される。
一方、チルトロック機構63は、図5の右下に示すように、ヒンジブラケット64cに固定された固定ギヤ70aとチルトブラケット64dに回動自在に設けられた可動ギヤ70bとを噛合させたり噛合解除させたりするために、チルトブラケット64dと一体の反力部70cと可動ギヤ70bとの間に入り込む楔部71aを設け、該楔部71aを、水平軸の回りに回動自在なチルトレバー71の先端に形成したものである。チルトレバー71が水平軸の回りの一方向へ回動すると楔部71aが図5の左方へ移動して固定ギヤ70aに可動ギヤ70bが噛み合ってチルトロックされ、他の方向へ回動させると、ロック解除される。
図7に示すように、ステアリングコラム61を構成するロアハウジング(移動側部材)64aの上面には、平板状の一対の保持部材2,72が重ね合わせて設けられ、これらの両端が3本のボルト73を介してロアハウジング64aに取り付けられている。図4に示すように、保持部材2,72には、長孔4,74が夫々形成されている。保持部材2は、摺動軸75が接触しない待機孔4cと、幅寸法がW1,W2の孔4d,4eとを有し、保持部材72は、摺動軸75が接触しない待機孔74cと、幅寸法がW3,W4の孔74d,74eとを有する。長孔4,74の幅寸法を長孔の途中で変えたのは、摺動軸75が長孔に沿って相対的に移動する際に、長孔に沿って衝撃吸収荷重が変化するようにしたものである。長孔4,74の両側は、対向孔縁4a,4b,74a,74bとなっている。図5に示すように、下方の保持部材72とロアハウジング64aの上面との間には、保持部材72の両端を除いて、隙間が形成されている。この隙間は、後述する保持プレート80と保持プレート87とに干渉することなく、ロアハウジング64aが相対的に移動できるようにするために設けられる。なお、長孔4の幅寸法W1およびW2は、摺動軸75の小径部75aの外径寸法よりも大きく形成されている。
一方、車体側には摺動軸75が設けられており、該摺動軸75が保持部材2,72の長孔4,74に挿通されている。摺動軸75は略円柱形状であり、下部には外径寸法の小さい小径部75aが形成され、上部には外径寸法の大きい大径部75bが形成されている。
また、車体側には、前記保持部材2,72をスライド自在に案内しかつ保持する保持手段が設けられている。即ち、以下のように構成されている。図5,7に示すように、マウンティングブラケットとしてのクランプ76が、図示しないボルトを介して車体側メンバに結合されている。図5に示すように、クランプ76の下面にはボルト77,78を介してロアブラケット79が結合されている。ロアブラケット(固定側部材)79の下面には、前記保持部材2,72をスライド自在に案内しかつ保持する保持手段として、扁平な筒部を形成するための保持プレート80が設けられ、その両端がロアブラケット79に溶接されている。これにより、ロアブラケット79と保持プレート80との間には、扁平な筒孔81が形成されている。
そして、前記摺動軸75における保持部材2,72を上下から挟む両端側を支持する支持手段が設けられている。つまり、保持手段を構成するロアブラケット79,保持プレート80と、保持部材2,72とに、摺動軸75を貫通させることにより、保持手段の内部で、摺動軸75が保持部材2,72の長孔に挿通されている。これにより、摺動軸75の両端側がロアブラケット79,保持プレート80を介して支持されることになり、ロアブラケット79,保持プレート80は、支持手段としての機能を有する。ロアブラケット79,保持プレート80には、上下方向に貫通孔79a,80aが形成され、この貫通孔79a,80aに摺動軸75の大径部75b,小径部75aが挿通されている。そして、摺動軸75を昇降させることにより、筒孔81の内部に位置する大径部75b,小径部75aの高さ位置が変えられるようになっている。
図7に示すように、摺動軸75の上部には取付孔75cが形成され、該取付孔75cにばね82bを介して電磁アクチュエータ82の可動コア82aが嵌合され、ピン83によって抜け止めがされている。電磁アクチュエータ82は、図示しないボルトを介してロアブラケット(固定側部材)79に結合されている。
電磁アクチュエータ82は、ソレノイドケーシングの内部に電磁コイルや固定コアなどの通常のソレノイド構成部品を収容して構成され、通常は内臓されたばねの付勢力により上動位置にあり、電磁コイルが励磁されると、前記可動コア82aが固定コアによって吸引されて下動する。
長孔4,74に対する摺動軸75の挿通量を制御するために、図示しない制御機構が設けられている。制御機構は、電磁アクチュエータ82を制御する図示しないコントローラによって構成されている。
コントローラは、シートポジションセンサの他、運転者の体重を検出する体重センサ、車速センサ、乗員位置センサ、シートベルト着用センサなどのセンサ類からの情報信号が入力されるようになっており、コントローラはこれらの各種情報に基づいて前記電磁アクチュエータ82に制御電流を出力する。
例えば運転者の体重が小さい場合には、電磁アクチュエータ82が作動せずに可動コア82aが上動位置にあり、よって摺動軸75は、図2(a)に示すように、小径部75aが長孔4,74内に挿入されている。
一方、運転者の体重が大きい場合には、これを検出した前記センサからの情報信号に基づいて、コントローラからの制御電流が電磁アクチュエータ82の電磁コイルに出力され、可動コア82aを介して摺動軸75を下降させる。このため、図2(b)に示すように、摺動軸75の大径部75bが長孔4に挿入される。
このように、運転者の体重などに応じて長孔4,74に対する摺動軸75の挿通位置を2段階に変化させ、摺動摩擦抵抗力と塑性変形量を2段階に可変制御することができることから、前記コラプス荷重を最適かつ高精度に吸収することが可能になる。また、摺動軸75を保持部材2,72の板厚分だけ軸方向へ移動させれば切り替えができるだけでなく、摺動軸75の移動量が少なくて済み、しかも摺動軸75の移動の際に抵抗力を受けないことから、力の弱いソレノイドを有する電磁アクチュエータを利用することができる。
前記保持部材2,72が前記筒孔81に挿通された状態で、ロアハウジング64aが、クランプ76およびロアブラケット79に結合されている。即ち、図7に示すように、ロアハウジング64aの溝孔84に下から挿入したボルト85がクランプ76のねじ孔にねじ込まれ、ロアブラケット79の溝孔86に上から挿入したボルト90がロアハウジング64aのねじ孔にねじ込まれている。このように溝孔84,86を採用したのは、衝突の際に、二次的に運転者が図示しないステアリングホィールに衝突してステアリングコラム61にコラプス荷重が加わると、ステアリングコラム61が車体から外れるように、ステアリングコラム61を離脱可能にしたものである。ステアリングコラム61が外れて車体に対して前方へ移動する際に、保持部材2,72を結合している後方のボルト73の頭部がクランプ76に干渉しないように、クランプ76には逃げ用の長孔76aが形成されている。
車体の保持プレート80が設けられた位置とは離間した位置に、保持部材72をスライド自在に案内しかつ保持する第2保持手段としての保持プレート87が設けられている。保持プレート87の一端には略J字形の係合部87aが形成され、他端にはねじ孔87bが形成されている。そして、係合部87aをクランプ76に引っ掛け、クランプ76を貫通したボルト88をねじ孔87bにねじ込むことにより、保持プレート87がクランプ76に結合されている。なお、このような構成に代えて、ロアハウジング64aの上面とクランプ76の下面とのいずれか一方に頭部を有するボルトまたはピンを植設し、他方には長孔を有する部材を設け、前記ボルトまたは前記ピンを前記長孔に挿通する構成を別個に設けることもできる。
車両の衝突時に、二次的に運転者が図示しないステアリングホィールに衝突し、ステアリングコラム61にコラプス荷重が加わると、溝穴84,86が形成されているために、ステアリングコラム61がクランプ76およびロアブラケット79から外れて前方へ移動する。このとき、ステアリングコラム61と共に保持部材2,72が筒孔81の内部をスライドし、保持部材2,72の移動に伴い摺動軸75の外周面が長孔4,74の対向孔縁4a,4b,74a,74bの摩擦抵抗を受けると共にこれらを塑性変形させながら移動する。前記のようにステアリングコラム61がクランプ76およびロアブラケット79から外れるが、筒孔81の内部に保持部材2,72が挿通されて常に保持されているので、ステアリングコラム61が車体から脱落することはない。また、保持部材2,72は保持プレート87によっても常に保持されているので、ステアリングコラム61が車体から離脱した際の姿勢を安定させることができる。
図2(a)に示すように、摺動軸75が上動した状態では、小径部75aが長孔4,74と対応するが、長孔4の幅寸法は大きいので、小径部75aは保持部材72とのみ係合し、保持部材2とは係合しない第1モードとなる。このため、摺動軸75のストロークと衝撃吸収荷重との関係は、図3の(イ)に示すようになる。即ち、図4(b)の長孔74の形状からわかるように、摺動軸75が待機孔74cの位置から相対的に移動して長孔74の幅寸法が小さい孔74dの部分に至ると衝撃吸収荷重は一旦大きくなるが、その後に幅寸法が大きい孔74eの部分に至ると衝撃吸収荷重は小さくなる。
次に、摺動軸75が下動した状態では、図2(b)に示すように、小径部75aが長孔74と対応し、かつ大径部75bが長孔4と対応するために、小径部75aが保持部材72と係合し、かつ大径部75bが保持部材2と係合する第2モードとなる。このため、摺動軸75のストロークと衝撃吸収荷重との関係は図3の(ハ)のようになる。図3の(ハ)のグラフは、前記の図3の(イ)のグラフに、図3の(ロ)のグラフを加算したものである。図3の(ロ)のグラフは、図2(b)に示す大径部75bが保持部材2と係合し、保持部材72が係合しない場合を想定したときの、摺動軸75のストロークと衝撃吸収荷重との関係を示すものである。図3の(ロ)のグラフは、図4(a)の長孔4の形状からわかるように、摺動軸75が長孔4の待機孔4cから幅寸法の大きい孔4dの部分に至ると衝撃吸収荷重はある程度大きくなり、その後に幅寸法が小さい孔4eの部分に至ると衝撃吸収荷重は一段と大きくなる状態を示すものである。このように、グラフ(ハ)は、グラフ(イ)にグラフ(ロ)を加算したものとなる。
このほか、摺動軸75がロアブラケット79および保持プレート80を貫通して設けられていることから、保持部材2,72の長孔4,74に挿通されている摺動軸75の上下位置である両端側がロアブラケット79,保持プレート80によって支持された状態になる。このため、保持部材2,72から大きな力を受ける摺動軸75の上下位置を強固に支持することになり、摺動軸75は安定して支持される。また、摺動軸75と保持部材2,72との位置関係を常に一定に保持でき、コラプス荷重に対する安定化を図ることができる。
保持部材2,72をロアハウジング64aの上面に設けているため、保持部材2,72を車体に設ける場合に比べてステアリングコラム61の移動ストロークを大きくとることができる。保持部材2,72を車体側のクランプ76に設ける場合は長孔を設けることからクランプ76が大きくなるが、保持部材2,72をロアハウジング64aに設けるので、クランプ76を小さくすることができる。
前記の長孔4,74の幅寸法や摺動軸75の外径寸法は、車両の仕様や大きさなどに応じて変更し、対向孔縁4a,4b,74a,74bの塑性変形と摩擦抵抗の大きさを変更することができ、これによって、各種の条件に応じて最適かつ高精度な二次衝突の衝撃吸収作用を得ることができる。
なお、外周面を段差径状にした摺動軸を電磁アクチュエータにより駆動する構成にしたが、電動モータによって駆動してもよい。
(b)実施の形態2
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態は、図10(a)に示すように、実施の形態1に加えて、摺動軸75の小径部75aと大径部75bとの間に、一対の保持部材2,72のいずれとも接触しない非接触部75cを形成し、一対の保持部材2,72の双方が同時に摺動軸75に係合することがなく、片方ずつ係合するようにしたものである。
このため、図10(a)に示すように摺動軸75を上動させて、摺動軸75の小径部75aが、幅寸法の小さい長孔74を有する保持部材72にのみ係合し、大径部75bは接触しない第1モードの状態と、図10(b)に示すように摺動軸75を下動させて、摺動軸75の大径部75bが、幅寸法の大きい長孔4の保持部材2にのみ係合し、小径部75aは接触しない第2モードの状態との2つのモードを設定することができる。
摺動軸75を上動させた図10(a)の第1モードの状態では、前記図2(a)の場合と同じなので、摺動軸75のストロークと衝撃吸収荷重との関係を示すグラフは、図11の(イ)のようになる。一方、摺動軸75を下動させた図10(b)の第2モードの状態では、図2(b)において大径部75bが保持部材2に係合するが、係合部材72は係合しない場合を想定した図3の(ロ)のグラフと同じになるので、図11のグラフ(ロ)となる。
ここで、実施の形態1と実施の形態2とを比較すると、以下のようになる。摺動軸75を上動させた状態では、得られるグラフは、図3の(イ)と図11の(イ)であって同じである。次に、摺動軸75を下動させた状態では、図3のグラフ(ハ)は、グラフ(イ)にグラフ(ロ)を加えたものになり、グラフ(ハ)にはグラフ(イ)の影響が必ず及ぶことになる。一方、図11では、グラフ(ロ)は他からの影響を受けずに全く独立したものとなる。
このように、図11の(ロ)のグラフは、摺動軸75の大径部75bと保持部材2の長孔4との関係のみによって決まるので、予め希望するグラフを作成し、該グラフが示すストロークと衝撃吸収荷重が実現されるように大径部75bと長孔4とを設定すればよく、設計の作業が容易になる。
なお、車体の前後方向に沿った長孔とあることについては、ステアリングコラムの長さ方向に沿って長孔が設けられることから、ステアリングコラムが車体に水平に設けられている場合は長孔も水平となり、ステアリングコラムの前方が後方よりも低い位置となっている場合は長孔も前方が後方よりも低い位置となり、いずれの場合も含むものである。
また、本実施の形態では、摺動軸のアクチュエータ側を大径部とした場合を示したが、摺動軸のアクチュエータ側が小径部となるようにしてもよい。
本発明にかかる衝撃吸収式ステアリング装置の実施形態1の要部の平面図である。 図1のA−A矢視図に係り、(a)は摺動軸を上動させた状態の断面図、(b)は摺動軸を下動させた状態の断面図である。 ステアリングコラムの移動ストロークと衝撃吸収荷重との関係を示すグラフである。 一対の保持部材の夫々の平面図である。 本発明にかかる衝撃吸収式ステアリング装置の実施形態1を示す正面図である。 同実施形態のステアリング装置を示す平面図である。 同実施形態のステアリング装置を示す要部の分解斜視図である。 図5の要部の断面図である。 図5の要部の断面図である。 本発明にかかる衝撃吸収式ステアリング装置の実施形態2の要部に係り、(a)は摺動軸を上動させた状態の断面図、(b)は摺動軸を下動させた状態の断面図である。 ステアリングコラムの移動ストロークと衝撃吸収荷重との関係を示すグラフである。
符号の説明
2,72…保持部材
4,74…長孔
4a,4b,74a,74b…対向孔縁
61…ステアリングコラム
64a…ロアハウジング(移動側部材)
75…摺動軸
75a…小径部
75b…大径部
75c…非接触部
79…ロアブラケット(固定側部材)

Claims (4)

  1. 車体に支持されたステアリングコラムと、該ステアリングコラムの収縮または移動時に摩擦抵抗と塑性変形とによってコラプス荷重を吸収する衝撃吸収手段とを備えた衝撃吸収式ステアリング装置において、
    前記衝撃吸収手段は、車体側に設けられた固定側部材と、前記ステアリングコラム側に設けられコラプス荷重を受けて移動する移動側部材とのいずれか一方側の部材に設けられ、車体前後方向に沿った長孔を有する保持部材と、他方側の部材に設けられ、前記長孔に挿通されると共に前記長孔の対向孔縁に摺接する外周面の外径寸法が軸方向で異なる摺動軸と、前記長孔に対する前記摺動軸の挿入量を制御する制御機構とを有し、
    前記長孔の長さ方向に沿って前記長孔の幅寸法を変化させることにより、前記摺動軸が前記長孔に沿って相対的に移動する際に、前記移動側の部材が前記固定側の部材から受ける衝撃吸収荷重が、前記長孔の幅寸法の変化に伴って変化するようにしたことを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリング装置において、
    前記保持部材は長孔の幅寸法が異なる一対の保持部材を重ね合わせて用いると共に、少なくともいずれか一方の長孔の幅寸法を該長孔の長さ方向に沿って変化させる一方、前記摺動軸は大径部と小径部とを有するものを用い、
    前記一対の保持部材と、前記摺動軸の大径部,小径部とを組み合わせて係合させるようにしたことを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置。
  3. 請求項2に記載の衝撃吸収式ステアリング装置において、
    前記摺動軸の小径部が、前記長孔の幅寸法が小さい保持部材にのみ係合する状態と、前記摺動軸の小径部が、前記長孔の幅寸法が小さい保持部材に係合し、かつ前記摺動軸の大径部が、前記長孔の幅寸法が大きい保持部材に係合する状態との2つのモードを有することを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置。
  4. 請求項2に記載の衝撃吸収式ステアリング装置において、
    前記摺動軸の前記大径部と前記小径部との間に、前記一対の保持部材のいずれとも接触しない非接触部を設け、前記摺動軸の前記小径部が、前記長孔の幅寸法が小さい保持部材にのみ係合し、前記大径部は接触しない状態と、前記摺動軸の前記大径部が、前記長孔の幅寸法が大きい保持部材にのみ係合し、前記小径部は接触しない状態との2つのモードを有することを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置。
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