JP2007276730A - ステアリングコラム装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクトでありながら十分なエネルギ吸収量を確保できるステアリングコラム装置を提供する。
【解決手段】キーロックカラー6は、ステアリングシャフト4に対して、コラプス時に発生する所定値以上の力より低い軸線方向力を受けたときは、軸線方向に相対的に移動しないので、キー孔6bにキーロックユニット8のキー8aを受け入れる際に不用意に動くことがない。一方、キーロックカラー6は、コラプス時に所定値以上の軸線方向力を受けたときには、ステアリングシャフト4に対して相対移動するようになっているので、キーロックカラー6とステアリングシャフト4とを、抵抗(荷重W2)を与えながら相対移動させることで、エネルギ吸収の一部を負担することができる。
【選択図】図5
【解決手段】キーロックカラー6は、ステアリングシャフト4に対して、コラプス時に発生する所定値以上の力より低い軸線方向力を受けたときは、軸線方向に相対的に移動しないので、キー孔6bにキーロックユニット8のキー8aを受け入れる際に不用意に動くことがない。一方、キーロックカラー6は、コラプス時に所定値以上の軸線方向力を受けたときには、ステアリングシャフト4に対して相対移動するようになっているので、キーロックカラー6とステアリングシャフト4とを、抵抗(荷重W2)を与えながら相対移動させることで、エネルギ吸収の一部を負担することができる。
【選択図】図5
Description
本発明はステアリングコラム装置に関し、特に小型・軽量なステアリングコラム装置に関する。
ステアリングコラム装置は、車両の重要安全保安部品であり、衝突時に乗員の安全を確保するために衝突時におけるその挙動を、どのように制御するかが非常に重要である。通常は、ステアリングコラム装置自体に衝撃エネルギー吸収機構を設けるともに、ステアリングホイール内に収納したエアーバッグの支持部材としても重要な役割を担っている。
一方、車両の盗難を防止すべく、ステアリングシャフトを回転固定した状態にロックするキーロックユニットが設けられている。キーロックユニットは、ステアリングシャフトに対して半径方向に移動するキーが、ステアリングシャフトの周面に設けられた凹部に係合することでステアリングのロックが行われ、又かかる凹部から離脱することでロック解除が行われるようになっている。このようなステアリングのロックは、通常は、車両を停止させるキーの動作に連動してなされるため、ステアリングホイールの近い位置に設けられることが多い(特許文献1参照)。
特開2005−225395号公報
ところで、1ボックスワゴンやコンパクトな車両においては、一般的にステアリングコラム装置の全長が短くなる傾向がある。ステアリングコラム装置の全長が短くなると、ステアリングコラムを支持するブラケットと、ステアリングホイールの裏側に配置されたウインカーレバーなどの操作ユニットとの間隔が狭まり、ここにキーロックユニットを設けることが困難となる。一方で、コラプス時に、ステアリングシャフトを軸線方向に大きく移動させることで、エネルギ吸収量を稼ぎたいという要求もあるが、キーロックユニットの設置場所によっては、ステアリングシャフトの移動量が少なくなる恐れがある。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、コンパクトでありながら十分なエネルギ吸収量を確保できるステアリングコラム装置を提供することを目的とする。
本発明のステアリングコラム装置は、
車体に取り付けられるステアリングコラムと、
ステアリングホイールに連結され、前記ステアリングコラム内を延在するステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトに対して相対回転不能に且つ軸線方向に相対移動可能に連結された伝達軸と、
前記ステアリングシャフトもしくは前記伝達軸に対して相対回転不能に連結され、キーロック用のキーが係合するキーロックカラーと、を有し、
前記キーロックカラーは、それが相対回転不能に連結されている前記ステアリングシャフトもしくは前記伝達軸に対して、軸線方向に所定値以上の力を受けたときに相対移動するようになっていることを特徴とする。
車体に取り付けられるステアリングコラムと、
ステアリングホイールに連結され、前記ステアリングコラム内を延在するステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトに対して相対回転不能に且つ軸線方向に相対移動可能に連結された伝達軸と、
前記ステアリングシャフトもしくは前記伝達軸に対して相対回転不能に連結され、キーロック用のキーが係合するキーロックカラーと、を有し、
前記キーロックカラーは、それが相対回転不能に連結されている前記ステアリングシャフトもしくは前記伝達軸に対して、軸線方向に所定値以上の力を受けたときに相対移動するようになっていることを特徴とする。
本発明のステアリングコラム装置によれば、前記キーロックカラーは、それが相対回転不能に連結されている前記ステアリングシャフトもしくは前記伝達軸に対して、軸線方向に所定値以上の力を受けたときに相対移動するようになっているので、例えばコラプス時などにおいて、前記キーロックカラーと前記ステアリングシャフトもしくは前記伝達軸とに抵抗を与えながら相対移動させることで、所望のエネルギ吸収量を確保することができる。尚、キーロックカラーは別部材であるため、焼き入れ処理を行う場合にはステアリングシャフトと別工程で行うことができ、製造が容易になるというメリットもある。
更に、前記キーロックカラーと、それが相対回転不能に連結されている前記ステアリングシャフトもしくは前記伝達軸との軸線方向連結範囲は、前記ステアリングシャフトと前記伝達軸との軸線方向連結範囲と重なっていると、コンパクトな構成ながら、キーロックによるステアリングホイールの回転固定機能と、ステアリングホイールから入力された操舵力の伝達機能と、コラプス時の衝撃吸収機能とを実現することができる。
更に、前記キーロックカラーと、それが相対回転不能に連結されている前記ステアリングシャフトもしくは前記伝達軸とが相対移動するときは、その相対移動により生じる荷重に応じて、前記ステアリングシャフトを介して伝達される衝突エネルギの一部を吸収し、前記ステアリングシャフトと、前記伝達軸とが相対移動するときは、その相対移動により生じる荷重に応じて、前記ステアリングシャフトを介して伝達される衝突エネルギの別の一部を吸収するので、少なくとも2段階の衝撃吸収特性を与えることができる。
更に、前記キーロックカラーの端部内周は面取りされていると、前記ステアリングシャフトと前記キーロックカラーとの相対移動時に食い込みなどを抑制できる。
更に、コラプス時に、前記キーロックカラーが、軸線方向における移動端で相手部材に当接した後に、前記ステアリングシャフトが相手部材に当接すると、例えばエネルギ吸収量を2段階に変更することができ、所望のエネルギ吸収特性に調整することができる。
更に、前記相手部材は前記伝達軸であると好ましい。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態にかかるパワーステアリング装置を含むステアリングコラム装置100の斜視図である。図2は、ステアリングコラム装置100の軸線方向断面図である。図1において、不図示の車体に対して、ロワーブラケット1を介してチューブ状のコラム(ステアリングコラムともいう)2の一端部(図2で左端)が枢動自在に連結され、またアッパブラケット3を介してコラム2の他端部(図2で右端)がチルト方向(上下方向)に移動可能に支持されている。アッパブラケット3と、不図示の車体との間には、カプセルCP(図1)が介在している。コラム2は、アウタコラム2Aと、インナコラム2Bとからなり、アウタコラム2Aは特定値(例えばコラプス時に動き出す程度の荷重値)以上の力が生じたときに軸線方向に相対移動できるようにインナコラム2Bに対して圧入されている。
図2で右端部にステアリングホイール(不図示)を取り付けたステアリングシャフト4は、アウタコラム2A内に挿通され、軸受5により回転自在に支持されている。ステアリングシャフト4は、左端部が中空となっており、その外周にキーロックカラー6が取り付けられている。又、ステアリングシャフト4の中空の左端部には、伝達軸7の右端部が嵌合している。
図3は、ステアリングシャフト4と、キーロックカラー6と、伝達軸7とを分解して示す斜視図である。図3に示すように、ステアリングシャフト4の中空端部外周には、雄セレーション4aが形成されている。一方、必要に応じて焼き入れ処理されたキーロックカラー6の内周には、それに応じた雌セレーション6aが形成されている。雄セレーション4aの形状と、雌セレーション6aの形状とは、互いに嵌合した状態で弾性変形が生じるようになっており、それによりステアリングシャフト4の外周に、キーロックカラー6の内周を嵌合させたときに、相対回転不能であり且つ所定値以上の力を加えた時に軸線方向に移動するようになっている。尚、キーロックカラー6は、外周に2つのキー孔6b、6bを有する。凹部としてのキー孔6b、6bは、2個に限られず、それ以上設けられても良く、更に貫通した開口でなく袋孔や溝であっても良い。また、キーロックカラー6の端部(図3で奥側端)内周は面取りされていると、後述するステアリングシャフト4とキーロックカラー6との相対移動時に食い込みなどを抑制できる。
一方、ステアリングシャフト4の中空端部の内周は円筒面であり、伝達軸7の端部の外周も円筒面であり、両者は楕円嵌合の形で組み合わされているので、両者は相対回転不能に連結されている。また、楕円嵌合により生じる摩擦力で、コラプス時に閾値以上の軸線方向力が付与されたときのみ軸線方向に相対移動可能となるように、両者は連結されている。
図4は、楕円嵌合を説明するための図である。図4(a)に示すように、ステアリングシャフト4の中空端部の内周に、伝達軸7の端部の外周を嵌合させた状態で、対向する治具Jにより、ステアリングシャフト4の外周を介して伝達軸7の端部外周をプレスし、その断面が楕円になるように塑性変形させる。このように塑性変形した伝達軸7の端部外周が、ステアリングシャフト4に対して軸線方向に相対移動して、真円断面のステアリングシャフト4の領域に侵入すると、所定の抵抗が生じる。又同様に、断面が楕円形に塑性変形したステアリングシャフト4の内周を、真円断面の伝達軸7が移動すると所定の抵抗が生じるので、これを用いてコラプス時のエネルギ吸収を行うことができる(図4(b)参照)。尚、塑性変形量を変えることで、エネルギ吸収量を任意に調整することもできる。
図2において、キーロックユニット8が、アウタコラム2Aとインナコラム2Bとの圧入代を含んだ軸線方向位置で、アウタコラム2Aの外周に相対回転不能且つ軸線方向に相対移動不能に連結されている。キーロックユニット8が連結される軸線方向位置は、アッパブラケット3より車両前方側であり、またハウジング10より車両後方側である。キーロックユニット8に設けられたステアリングロック用のキー8a(点線で図示)は、アウタコラム2Aに形成された開口(穴)2aと、それに重合するインナコラム2Bの開口(穴)2bを貫通可能となっている。キーロックユニット8は、所定のスイッチ操作により、内蔵するキー8aを半径方向に移動させるように例えば電磁的な駆動を行えるので、図2に示すように伝達軸7に近い側に設けることができる。ソレノイド等電磁的な駆動手段については、良く知られているので説明を省略する。具体的な動作としては、駆動されたキー8aは、開口2a、2bを貫通してキーロックカラー6のキー孔6bに係合する係合位置(図2で点線で示す位置)と、キーロックカラー6のキー孔6bから離脱する離脱位置との間を移動可能となっている。キー8aが係合位置にあるときには、キーロックカラー6の回転が阻止されるので、ステアリングシャフト4の回転も阻止され、いわゆるキーロック状態となる。
伝達軸7の図2で左端側は大径部7aとなっており、インナコラム2Bと大径部7aとの間にはシール9が配置されている。キーロックカラー6は、伝達軸7の大径部7aの端面に軸線方向に対向している。インナコラム2Bの端部は、ギヤハウジング10に固定されている。
ギヤハウジング10内に、出力軸11が配置されている。中空の出力軸11は、軸受12,13によりギヤハウジング10に対して回転自在に支持されている。図2で右端を伝達軸7の左端部内部に圧入し、左端を出力軸11にピン結合させることで連結したトーションバー14が、出力軸11内を延在している。
出力軸11の図2で右端近傍外周に対向する位置に、受けたトルクに比例してトーションバー14がねじれることに基づき、操舵トルクを検出する検出装置すなわちトルクセンサ15が設けられている。このトルクセンサ15は、ロータリー式非接触トルクセンサであって、トーションバー14のねじれに基づく伝達軸7と出力軸11との相対角度変位を、所定の磁気回路におけるインピーダンスの変化としてコイルにより検出し、電気信号として制御回路CPUへ出力するものである。
出力軸11の中央部において軸受12,13の間には、ウォームホイール16が配置されている。ウォームホイール16は、圧入などにより出力軸11に一体的に回転するように取り付けられた芯金16bと、その外周にインサート成形されてなる樹脂の歯部16aとからなる。ウォームホイール16の歯部16aは、ギヤハウジング10に取り付けられたモータ17の回転軸に一体的に形成されたウォーム18と噛合している。ウォームホイール16とウォーム18とで動力伝達機構(ウォーム機構)を構成する。
次に、本実施の形態の動作について説明する。車両が走行している状態では、キーロックユニット8が、キー8aをキーロックカラー6のキー孔6bから離脱した状態とするため、ステアリングシャフト4は回転自在となっている。ここで、車両が直進状態にあり、不図示のステアリングホイールから、ステアリングシャフト4を介して伝達軸7に操舵力が入力されていないとすると、トルクセンサ15は出力信号を発生せず、従ってモータ17は補助操舵力を発生しない。
これに対し、車両がカーブを曲がろうとするときに運転者がステアリングホイール(不図示)を回転操作すると、ステアリングシャフト4から伝達軸7に操舵力が伝達されるので、その操舵力に応じてトーションバー14がねじれ、伝達軸7と出力軸11との間で相対回動が発生する。トルクセンサ15は、この相対回動の方向および量に応じてトルク信号を出力する。このトルク信号と、不図示のセンサからの車速信号とから予め設定された制御マップ等に基づいて、制御回路CPUは、所定のモータ電流をモータ17に供給するので、モータ17は所望の補助操舵力を発生する。かかるモータ17の発生したトルクは、動力伝達機構(18、16)により減速されて出力軸11に伝達され、不図示の操舵機構を駆動し、車輪を操舵できるようになっている。
次に、コラプスが生じた場合について説明する。図5〜7は、ステアリングシャフト4の周辺を示す拡大断面図であるが、キー孔は省略して示している。図8は、ステアリングシャフト4に生じる荷重と時間との関係を示すグラフである。本実施の形態によれば、図5に示すように、キーロックカラー6と、それが相対回転不能に連結されているステアリングシャフト4との軸線方向連結範囲Xは、ステアリングシャフト4と伝達軸7との軸線方向連結範囲Yと重なるように設計されているので、コンパクトな構成を実現できると共に、以下に述べる優れた衝撃吸収機能を発揮できる。
まず、図5に示す初期状態において、車両衝突時に、慣性で車両前方(図5で左方)に投げ出された運転者の身体が不図示のステアリングホイールに当たって、いわゆるコラプスが生じたとき、かかるステアリングホイールを介して、ステアリングシャフト4に車両前方(図5で左方)に向かう力Fが付与される(図8の時刻t1)。このとき、ギヤハウジング10及びそれに取り付けられた伝達軸7やインナコラム2Bは車体VBに固定されたままであるので、ステアリングシャフト4はそれらに対して相対的に軸線方向(図5で左方)に移動を開始する。ここで、伝達軸7とステアリングシャフト4とは楕円嵌合をしているため、相対移動時に抵抗(荷重W1)が生じ、これによりコラプス時のエネルギの一部を吸収することができる。
このとき、アウタコラム2Aは軸受5を介してステアリングシャフト4に軸線方向に移動不能に連結されているので、ステアリングシャフト4と共に軸線方向に移動を開始し、インナコラム2Bに対して相対摺動するようになる。アウタコラム2Aが移動を開始すると、それに固定されたアッパブラケット3も車両前方側に移動するようになる。従って、アッパブラケット3と車体VBにボルト止めされたカプセルCPとの間に相対摺動が生じ、これによってもコラプス時のエネルギの一部を吸収することができるが、説明を簡略化すべく、ここではカプセルCPに関わるエネルギ吸収量をゼロとして示している。
しかるに、キーロックユニット8をインナコラム2Bに固定する構成も考えられるが、その場合、コラプス時にアウタコラム2A側のアッパブラケット3が移動してキーロックユニット8と干渉してしまい、それによりステアリングシャフト4の吸収ストロークを長く確保できない恐れがある。これに対し、本実施の形態によれば、キーロックユニット8をアウタコラム2Aに取り付けているので、キーロックユニット8もそれと一緒に移動(変位)することとなり、コラプス時に、移動するアッパブラケット3等とキーロックユニット8とが干渉してしまうことが回避され、コンパクトなステアリングコラム装置でありながら、十分な吸収ストロークを確保できる。
一方、ステアリングシャフト4の移動により、その左端に取り付けられたキーロックカラー6も、ステアリングシャフト4と共に前方側に移動するようになるが、キーロックカラー6は、伝達軸(相手部材)7の大径部7aの端面7bに対向しているので、そのまま移動し続ければ、図6に示すように、先行する端部(左端)が大径部7aの端面7bに当接することとなる(図8の時刻t1)。かかる当接により反力が生じ、これがキーロックカラー6の雌セレーション6aとステアリングシャフト4の雄セレーション4aとの間の摩擦力にうち勝ったときに、固定されたキーロックカラー6に対してステアリングシャフト4が相対摺動することとなる。かかる相対摺動により抵抗(荷重W2:単独の値を図8に点線で示す)が生じることとなるので、これによりコラプス時のエネルギの残りを吸収することができる。つまり、時刻t1以降のエネルギ吸収量はW1+W2となる。最終的に、ステアリングシャフト4の先行する端部が、伝達軸7の大径部7aの端面7bに当接することで、エネルギ吸収動作が終了する(図7参照)。
本実施の形態によれば、キーロックカラー6は、ステアリングシャフト4に対して、コラプス時に発生する所定値以上の力より低い軸線方向力を受けたときは、軸線方向に相対的に移動しないので、キー孔6bにキーロックユニット8のキー8aを受け入れる際に不用意に動くことがない。一方、キーロックカラー6は、コラプス時に所定値以上の軸線方向力を受けたときには、ステアリングシャフト4に対して相対移動するようになっているので、キーロックカラー6とステアリングシャフト4とを、抵抗(荷重W2)を与えながら相対移動させることで、エネルギ吸収の一部を負担することができる。又、キーロックカラー6とステアリングシャフト4との形状等を変更することで、荷重W2の値を調整できるため、図8に示す吸収特性を任意に調整することができる。
図9は、別な実施の形態にかかるステアリングシャフト4’と、キーロックカラー6と、伝達軸7’とを分解して示す斜視図であり、図10は、これらを組み立てた状態で示す斜視図である。ステアリングコラム装置によっては、テレスコ方向(軸線方向)にステアリングホイールを調整する機能を有するものがある。本実施の形態は、そのようなステアリングコラム装置に好適なものである。より具体的に説明すると、上述した構成(但し、楕円嵌合はされていない)に加えて、ステアリングシャフト4’の端部内周に雌セレーション4bを形成し、且つ伝達軸7’の対向端部外周に雄セレーション7cを形成し、更にこれらを係合させ、回転方向に相対変位不能であって軸線方向に相対移動可能なように連結している。キーロックカラー6及びそれに付随する構成は、上述した実施の形態と同様であるため説明を省略する。
テレスコ調整時には、セレーション4b、7cとが相対的に軸線方向に摺動するので、伝達軸7’に対するステアリングシャフト4’の位置を任意に位置決めすることが可能となる。テレスコ調整後には、不図示の固定機構により、伝達軸7’に対するステアリングシャフト4’の相対軸線方向移動が阻止されるが、コラプス時に閾値以上の力が付与されたときは、固定が解除されて両者は相対的に移動するようになっている。
本実施の形態においては、ステアリングシャフト4’と伝達軸7’とが軸線方向に相対移動する際に抵抗が殆ど生じないが、両者を別個のワイヤや板材で連結して、相対移動によりその塑性変形が生じるようにすることで、エネルギ吸収を行わせることができる。その場合でも、キーロックカラー6とステアリングシャフト4’との相対移動時に抵抗が生じ、エネルギ吸収の一部を負担できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、キーロックカラーは、ステアリングシャフトでなく伝達軸の大径部側外径に、セレーション嵌合などで相対回転不能に連結されていても良い。又、2つ以上のキーロックカラーを互いに入れ子式にしてステアリングシャフトに配置することで、更に吸収ストロークを稼ぐこともできる。本発明のステアリングコラム装置は、電動式パワーステアリング装置のみならず、油圧式パワーステアリング装置や、操舵アシストのないステアリング装置や、チルト・テレスコ調整機能のないステアリング装置にも適用することもできる。
1 ロワーブラケット
2 ステアリングコラム
2A アウタコラム
2B インナコラム
2a 開口
2b 開口
3 アッパブラケット
4 ステアリングシャフト
4a 雄セレーション
4b 雌セレーション
5 軸受
6 キーロックカラー
6a 雌セレーション
6b キー孔
7 伝達軸
7a 大径部
7b 端面
7c 雄セレーション
8 キーロックユニット
8a キー
9 シール
10 ギヤハウジング
11 出力軸
12,13 軸受
14 トーションバー
15 トルクセンサ
16 ウォームホイール
16a 歯部
16b 芯金
17 モータ
18 ウォーム
CP カプセル
CPU 制御回路
J 治具
VB 車体
2 ステアリングコラム
2A アウタコラム
2B インナコラム
2a 開口
2b 開口
3 アッパブラケット
4 ステアリングシャフト
4a 雄セレーション
4b 雌セレーション
5 軸受
6 キーロックカラー
6a 雌セレーション
6b キー孔
7 伝達軸
7a 大径部
7b 端面
7c 雄セレーション
8 キーロックユニット
8a キー
9 シール
10 ギヤハウジング
11 出力軸
12,13 軸受
14 トーションバー
15 トルクセンサ
16 ウォームホイール
16a 歯部
16b 芯金
17 モータ
18 ウォーム
CP カプセル
CPU 制御回路
J 治具
VB 車体
Claims (6)
- 車体に取り付けられるステアリングコラムと、
ステアリングホイールに連結され、前記ステアリングコラム内を延在するステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトに対して相対回転不能に且つ軸線方向に相対移動可能に連結された伝達軸と、
前記ステアリングシャフトもしくは前記伝達軸に対して相対回転不能に連結され、キーロック用のキーが係合するキーロックカラーと、を有し、
前記キーロックカラーは、それが相対回転不能に連結されている前記ステアリングシャフトもしくは前記伝達軸に対して、軸線方向に所定値以上の力を受けたときに相対移動するようになっていることを特徴とするステアリングコラム装置。 - 前記キーロックカラーと、それが相対回転不能に連結されている前記ステアリングシャフトもしくは前記伝達軸との軸線方向連結範囲は、前記ステアリングシャフトと前記伝達軸との軸線方向連結範囲と重なっていることを特徴とする請求項1に記載のステアリングコラム装置。
- 前記キーロックカラーと、それが相対回転不能に連結されている前記ステアリングシャフトもしくは前記伝達軸とが相対移動するときは、その相対移動により生じる荷重に応じて、前記ステアリングシャフトを介して伝達される衝突エネルギの一部を吸収し、前記ステアリングシャフトと、前記伝達軸とが相対移動するときは、その相対移動により生じる荷重に応じて、前記ステアリングシャフトを介して伝達される衝突エネルギの別の一部を吸収することを特徴とする請求項1又は2に記載のステアリングコラム装置。
- 前記キーロックカラーの端部内周は面取りされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のステアリングコラム装置。
- コラプス時に、前記キーロックカラーが、軸線方向における移動端で相手部材に当接した後に、前記ステアリングシャフトが相手部材に当接することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のステアリングコラム装置。
- 前記相手部材は前記伝達軸であることを特徴とする請求項5に記載のステアリングコラム装置。
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---|---|---|---|
JP2006108809A JP2007276730A (ja) | 2006-04-11 | 2006-04-11 | ステアリングコラム装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1973110A2 (en) | 2007-03-19 | 2008-09-24 | Ricoh Company, Ltd. | Minute structure and information recording medium |
JP2010221925A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Aisin Seiki Co Ltd | エネルギー吸収ステアリングコラム |
JP2010274708A (ja) * | 2009-05-27 | 2010-12-09 | Fuji Kiko Co Ltd | ステアリングコラム装置 |
JP2012201169A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Nsk Ltd | ステアリングロック装置 |
KR101760157B1 (ko) * | 2013-07-01 | 2017-07-20 | 주식회사 만도 | 스티어링 샤프트 |
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2006
- 2006-04-11 JP JP2006108809A patent/JP2007276730A/ja active Pending
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