JP2005280647A - マウント部の支持構造 - Google Patents

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Tsutomu Ogawa
努 小川
Kunihiko Kimura
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Abstract

【課題】車両用動力ユニットやサスペンションの取付位置を下げることができるマウント部の支持構造を提供する。
【解決手段】マウント部の支持構造80は、マウント部58を、エンジン/トランスミッションユニットに取り付けるアウター部材と、アウター部材内に配置したインナー部材と、インナー部材およびアウター部材間に設けた弾性部材とで構成し、インナー部材をサブフレーム41に取り付けるものである。この支持構造80は、縦メンバ61の上部61aに、マウント部58の下部58aを収納可能な収納凹部84を形成し、収納凹部84の前後側に、インナー部材の前後の連結部87,88を取り付ける前後の取付部位85,86をそれぞれ備えた。
【選択図】図5

Description

本発明はマウント部の支持構造に係り、特に、車両用動力ユニットやサスペンションを車体フレームに取り付けるマウント部の支持構造に関する。
内燃機関および変速機よりなる車両用動力ユニットを車体に取り付ける際に、車両用動力ユニットの振動を車体側に伝えないように、車両用動力ユニットを車体に取り付けるマウント部の支持構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−86192号公報(図5)
特許文献1のマウント部の支持構造は、サブフレームの上面にゴムブッシュを取り付け、ゴムブッシュで車両用動力ユニットを支えるものである。
車両用動力ユニットの振動をゴムブッシュで吸収することで、車両用動力ユニットの振動を車体側に減衰させて伝える。
このマウント部の支持構造は、サブフレームの上面にゴムブッシュを設けるため、ゴムブッシュの取付位置は比較的高くなる。
このゴムブッシュに車両用動力ユニットを取り付けるので、車両用動力ユニットは比較的高い位置に取り付けられる。
ところで、自動車は、走行時の安定性をより一層高めるために重心位置を下げることが好ましく、あるいは乗員の前方視界をより一層良好に確保するためにボンネットの位置を下げることが好ましい。
このため、車両用動力ユニットの取付位置を下げることが望まれるが、車両用動力ユニットの取付位置を下げるためにはマウント部の取付位置を下げる必要がある。
しかし、防振性を備えたマウント部は、比較的大型の部材であり、マウント部の取付位置を下げることは難しい。
さらに、自動車のなかには、サブフレームにサスペンションを取り付けるものがある。この場合でも、重心位置を下げることや、ボンネットの位置を下げるために、サスペンションの取付位置を下げることが好ましい。
また、サスペンションのアームレイアウト上、ブッシュの突出を最小限とすることが好ましい。
ここで、サブフレームにサスペンションを取り付ける場合、路面の凹凸に起因して生じるサスペンションの振動を減衰させてサブフレームに伝えるために、サスペンションを、防振性のゴムブッシュ、すなわちマウント部を介してサブフレームに取り付ける。
この防振性を備えたマウント部は、前述したように、比較的大型の部材であり、マウント部の取付位置を下げたり、突出量を最小限とすることが好ましい。
このため、サブフレームにサスペンションをマウント部を介して取り付ける場合にも、サスペンションの取付位置を下げたり、突出量を最小限とすることが好ましい。
本発明は、サブフレームのマウント部の取付剛性を低下させることなく、車両用動力ユニットやサスペンションの取付位置を下げたり、突出量を減らすことができるマウント部の支持構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車両用動力ユニットおよびサスペンションの少なくとも一方を車体フレームに取り付けるマウント部の支持構造であって、前記マウント部を、車両用動力ユニットおよびサスペンションの少なくとも一方に取り付けるアウター部材と、アウター部材内に配置したインナー部材と、インナー部材およびアウター部材間に設けた弾性部材とで構成し、前記インナー部材を前記車体フレームに取り付けるマウント部の支持構造において、前記車体フレーム上に、前記マウント部の一部を収納可能な収納凹部を形成し、この収納凹部の両側に、前記インナー部材の両端部を取り付ける取付部位をそれぞれ備えたことを特徴とする。
車体フレーム上に、マウント部の一部を収納可能な収納凹部を形成した。収納凹部にマウント部の一部を収納することで、サブフレームのマウント部の取付部剛性を下げることなく、車体フレームに対するマウント部の突出量を下げる。
マウント部の突出量を下げることで、サブフレームのマウント部の取付部剛性を下げることなく、車両用動力ユニットやサスペンションのレイアウト性を下げることができる。
請求項2は、アウター部材を筒状体に形成し、この筒状体の一部を収納凹部に収納可能とし、インナー部材を、アウター部材と同軸上に配置するとともに、両端部がアウター部材の両端から突出可能な棒状体とし、このインナー部材を、車体フレームの前後方向に向けて配置するとともに、両端部を取付部位にそれぞれ取り付けたことを特徴とする。
インナー部材を棒状体とし、このインナー部材を車体フレームの前後方向に向けて配置し、インナー部材の両端部を収納凹部の両側の取付部位に取り付ける。
車体フレームに車体前後方向の荷重がかかった場合、車体フレームにかかった荷重の一部は、インナー部材の一端部からインナー部材の他端側に伝わり、他端部から車体フレームに伝わる。
よって、車体フレームにかかった荷重の一部を、収納凹部を避けて伝えることで、収納凹部に大きな荷重がかかることを防ぐ。
これにより、車体フレームに車体前後方向の荷重がかかっても、車体フレームが収納凹部で変形することを防ぐことが可能になり、車体フレームの剛性を確保することができる。
請求項3は、車体フレームは、車体前後方向に左右側の縦メンバを延ばし、左右側の縦メンバの前端部間に前部横メンバを車体左右方向に延ばし、左右側の縦メンバの前端部に前部横メンバの左右端部をそれぞれ連結部材を介して連結し、左右側の縦メンバの後端部間に後部横メンバを車体左右方向に延ばし、左右側の縦メンバの後端部に後部横メンバの左右端部をそれぞれ連結することで略井桁状に形成したアルミ製のフレームであり、左右側の縦メンバの少なくとも一方に前記収納凹部を設けたことを特徴とする。
ここで、自動車は燃費性能などの見地から軽量化を図ることが好ましい。そこで、請求項3において、車体フレームをアルミ製にして、軽量化を図ることにした。
加えて、インナー部材を棒状体とし、このインナー部材を車体フレームの前後方向に向けて配置して両端部を収納凹部の両側の取付部位に取り付けることで、車体フレームの剛性を確保する。
よって、アルミ製の左右側の縦メンバの少なくとも一方に収納凹部を形成することが可能になった。
これにより、自動車の軽量化を図るとともに、フレームの剛性を下げることなく、マウント部の取付位置を下げることで、車両用動力ユニットやサスペンションの取付位置を下げたり、突出量を減らすことができる。
請求項1に係る発明では、車体フレームの収納凹部にマウント部の下部を収納することで、車両用動力ユニットやサスペンションの取付位置を下げることができるという利点がある。
請求項2に係る発明では、棒状体のインナー部材を車体フレームの前後方向に向けて配置し、その両端部を収納凹部の両側に取り付けることで、車体フレームの剛性を確保することができるという利点がある。
請求項3に係る発明では、アルミ製の左右側の縦メンバの少なくとも一方に収納凹部を形成することで、自動車の軽量化を図るとともに、フレームの剛性を下げることなく、車両用動力ユニットやサスペンションの取付位置を下げたり、突出量を減らすことができるという利点がある。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側を示す。
図1は本発明に係るマウント部の支持構造を備えた車体前部構造を示す斜視図である。
車両10は車体の前部を構成する車体前部構造(車体)20を備える。この車体前部構造20は、車体前後方向に延びた左右のフロントサイドフレーム21,21と、フロントサイドフレーム21,21の車幅方向外側で、かつ上方で車体前後に延びた左右のアッパフレーム22,22と、フロントサイドフレーム21,21とアッパフレーム22,22との間に掛け渡した左右のフロントダンパハウジング23,23と、左右のフロントサイドフレーム21,21の前部並びに左右のアッパフレーム22,22の前部に結合したフロントバルクヘッド24とを備える。
フロントバルクヘッド24は、左右のフロントサイドフレーム21,21の前部下方で車幅方向に延びたロアクロスメンバ25と、ロアクロスメンバ25の両端部から上方へ延びた左右のサイドステー26,26と、これらのサイドステー26,26の上端に結合すべく車幅方向に延びたアッパクロスメンバ27とを備える。
アッパクロスメンバ27の左右両端部から、左右の延長部28,28を斜め後方へ延ばし、延長部28,28の端部を左右のアッパフレーム22,22に連結する。
フロントサイドフレーム21,21の後端から、左右のフロアフレーム31,31をそれぞれ車体後方に向けて延ばす。
そして、左右のフロントサイドフレーム21,21のそれぞれの前部と、左右のフロアフレーム31,31とに、車体フレームとしてのフロントサブフレーム(以下、「サブフレーム」という)41の前後左右の端部を、4個の防振用弾性ブッシュ42…(…は複数を示す。以下同じ。)を介して吊り下げる。
左フロントダンパハウジング23には、左フロントサスペンション(サスペンション)46のフロントクッション47を備える。
同様に、右フロントダンパハウジング23には、右フロントサスペンション(サスペンション)46(図示せず)のフロントクッション47(図示せず)を備える。
図2は本発明に係るマウント部の支持構造でサブフレームにエンジン/トランスミッションユニットを取り付けた状態を示す斜視図である。
サブフレーム41には、エンジン/トランスミッションユニット45を取り付ける。エンジン/トランスミッションユニット(車両用動力ユニット)45は、右側の横置きエンジン43と左側のトランスミッション44とを一体したユニットである。
サブフレーム41の右縦メンバ61に右マウント部(図示せず)を介して横置きエンジン43を取り付ける。
また、サブフレーム41の前後部の横メンバ62,63に前後の中央マウント部56,57を介してエンジン/トランスミッションユニット45の中央部位を取り付ける。
さらに、サブフレーム41の左縦メンバ61に左マウント部(マウント部)を介してトランスミッション44を取り付ける。
トランスミッション44の出力側から後方にプロペラシャフト48を延ばして動力を伝達する。
図3は本発明に係るマウント部の支持構造を備えたサブフレームを示す斜視図である。
サブフレーム41は、金属材料製品、例えばアルミニウム製品又はアルミニウム合金製品(総称して「アルミ製のフレーム」と言う。)である。
このサブフレーム41は、平面視略井桁状を呈し、車体の前後方向に延びる左右側の縦メンバ61,61と、これらの縦メンバ61,61の前端部間に掛け渡すべく車体の左右方向に延びる前部横メンバ62と、左右側の縦メンバ61,61の後端部間に掛け渡すべく車体の左右方向に延びる後部横メンバ63と、左右側の縦メンバ61,61の前端部に前部横メンバ62の左右端部を連結する左右の連結部材64,64とを備え、左右側の縦メンバ61,61の後端部に後部横メンバ63の左右端部を連結したものである。
左右側の縦メンバ61,61は、例えば筒状の押出し材(押出し成形品)からなる角パイプを、部分的に凹凸形状に形成した成形品のサイドメンバである。
前部横メンバ62は、例えば筒状の押出し材(押出し成形品)からなる丸パイプのクロスメンバである。
左右の連結部材64,64は、平面視略L字状を呈するダイカスト製品であって、車体取付部64aを一体に備え、この車体取付部64aに、上下方向に貫通した嵌合孔(図示せず)を備える。これらの左右の嵌合孔に、防振用弾性ブッシュ42…をそれぞれ圧入する。
左右の連結部材64,64に縦メンバ61,61および前部横メンバ62を差し込んで、それぞれの部材61,61,62を一体的に接合する。
後部横メンバ63は、平面視略H字状のダイカスト製品からなるクロスメンバである。具体的には、後部横メンバ63は、梁部66を上方へ凸となる湾曲状に形成し、左右端に車体の前後方向に延びる左右の副縦メンバ71,71をそれぞれ一体に形成したものである。
左右の副縦メンバ71,71は、後部に上下方向に貫通した嵌合孔(図示せず)を有する。これらの左右の嵌合孔に、防振用弾性ブッシュ42…をそれぞれ圧入する。
このように、左右の連結部材64,64の嵌合孔に、防振用弾性ブッシュ42,42をそれぞれ圧入した状態で、防振用弾性ブッシュ42,42にボルト74,74を差し込む。差し込んだボルト74,74を左右のフロントサイドフレーム21,21(図1参照)の前端部に取り付ける。
さらに、左右の副縦メンバ71,71の嵌合孔72,72に、防振用弾性ブッシュ42,42をそれぞれ圧入した状態で、防振用弾性ブッシュ42,42にボルト74,74を差し込む。差し込んだボルト74,74を左右のフロアフレーム31,31(図1参照)に取り付ける。
これにより、図1に示す左右のフロントサイドフレーム21,21のそれぞれの前部と、左右のフロアフレーム31,31とに、サブフレーム41を、4個の防振用弾性ブッシュ42…を介して吊り下げる。
ところで、サブフレーム41の左右の連結部材64,64には、左右のステー52,52の基端部53,53を備える。
左右のステー52,52の先端部54,54をロアクロスメンバ25の左右の端部に取り付ける。
左側の縦メンバ61には、左マウント部(マウント部)58を支えるマウント部の支持構造80を備える。
マウント部の支持構造80は、一対のボルト81,81および一対のナット82,82で左マウント部58を左側の縦メンバ61に取り付けるものである。
以下、左マウント部58およびその支持構造80を図4〜図8に基づいて説明する。なお、図4〜図8においては、本発明の理解を容易にするためにマウント部58およびその支持構造80をエンジンルーム側(すなわち、車体の内側)から見た状態を示して説明する。
図4は本発明に係るマウント部の支持構造を示す斜視図である。
マウント部の支持構造80は、サブフレーム41の左枠体を構成する左側の縦メンバ61の上部(車体フレーム上)61aに、ダイカスト製のカバー83を取り付け、このカバー83に、マウント部58の下部(マウント部58の一部)58aを収納可能な収納凹部84を形成し、この収納凹部84の前後側(両側)に、前後の取付部位(取付部位)85,86をそれぞれ備える。
前後の取付部位85,86に、マウント部58の前後の連結部(両端部)87、88をそれぞれ取り付ける。
カバー83の収納凹部84にマウント部58の下部58aを収納するとともに、マウント部58の軸線59を車体前後方向に向けて配置する。
この状態で、前後の取付部位85,86にマウント部58の前後の連結部87,88を載せる。マウント部58の前後の連結部87,88を前後の取付部位85,86にボルト81,81およびナット82,82で取り付ける。
マウント部58に取付ブラケット91の3個の取付孔92…を設け、取付孔92…にそれぞれボルト93…を差し込む。差し込んだボルト93…をトランスミッション44の取付部位44a(図2参照)に取り付ける。
図5は本発明に係るマウント部の支持構造を示す分解斜視図である。
サブフレーム41の左側の縦メンバ61を上面95、下面96、外面97および内面98で断面略矩形状に形成し、上面95から内面98に亘った部位(上部61a)に開口部99を形成する。
また、左側の縦メンバ61の下面96で、かつ開口部99の下方にボルト81,81を差し込む前後の差込孔101,101をそれぞれ形成する。
この開口部99にカバー83を嵌合する。カバー83は、開口部99内に収まる収納凹部84を備え、収納凹部84に外周部102を備える。
具体的には、収納凹部84の周壁84aを、開口部99の周壁より僅かに内側に位置するように形成し、収納凹部84の底面84bを下面96より上方に配置するように形成する。そして、収納凹部84の周壁84a上端に外周部102を備える。外周部102は、開口部99の周縁の外側まで張り出した張出片である。
また、収納凹部84の前後側(両側)に、前後の取付部位(取付部位)85,86をそれぞれ備える。前後の取付部位85,86に、上下方向に貫通した貫通孔85a,86aをそれぞれ形成する。
このカバー83の収納凹部84を開口部99に嵌め込むことにより、カバー83の外周部102を縦メンバ61の上面95および内面98に当て、上面95および内面98に外周部102を、例えば溶接で接合する。
これにより、縦メンバ61の上面95および内面98にカバー83を取り付ける。
この状態で、前取付部位85の貫通孔85aを下面96の前差込孔101と同軸上に配置し、後取付部位86の貫通孔86aを下面96の後差込孔101と同軸上に配置する。
マウント部58は、前後に連結部(両端部)87,88を備え、前後の連結部87,88にそれぞれ前後の取付孔87a,88aを備える。
マウント部58の前後の連結部87,88をそれぞれ前後の取付部位85,86に載せる。この際、前連結部87の取付孔87aおよび前取付部位85の貫通孔85aを同軸上に配置し、後連結部88の後取付孔88aおよび後取付部位86の貫通孔86aを同軸上に配置する。
よって、前連結部87の前取付孔87a、前取付部位85の貫通孔85aおよび下面96の前差込孔101を同軸上に配置する。
さらに、後連結部88の後取付孔88a、後取付部位86の貫通孔86aおよび下面96の後差込孔101を同軸上に配置する。
この状態で、前差込孔101、貫通孔85aおよび前取付孔87aに、ボルト81を下方側から差し込み、前取付孔84aから突出したボルト81の先端部にナット82をねじ結合する。
同様に、後差込孔101、貫通孔86a、および後取付孔88aに、ボルト81を下方側から差し込み、後取付孔88aから突出したボルト81の先端部にナット82をねじ結合する。
これにより、縦メンバ61の上面95および内面98にカバー83を取り付け、このカバー83の前後の取付部位85,86に、マウント部58の前後の連結部87,88を取り付ける。
図6は本発明に係るマウント部の支持構造に取り付けるマウント部の分解斜視図である。
マウント部58は、図2に示すエンジン/トランスミッション(車両用動力ユニット)45に取り付けるアウター部材104と、アウター部材104の内周に圧入した外ブッシュ105と、外ブッシュ105の内周に圧入した内ブッシュ106と、内ブッシュ106内に同軸上に配置したインナー部材107と、インナー部材107および内ブッシュ106間に設けたゴム製の弾性部材108とで構成したものである。
アウター部材104は、「筒状体の一部」としての筒状体の下部(すなわち、マウント部58の下部)58aが収納凹部84(図5参照)に収納可能で、かつ外ブッシュ105を圧入可能な筒状体109を備え、筒状体109の外周壁に取付ブラケット91を備え、取付ブラケット91に3個の取付孔92…を備える。
これらの取付孔92…にボルト93…(図4参照)をそれぞれ差し込み、差し込んだボルト93…をトランスミッション44の取付部位44a(図2参照)に取り付ける。
インナー部材107は、断面円形の中央部111と、この中央部111の前後端にそれぞれ設けた前後の連結部(両端部)87,88とからなる棒状体である。
中央部111を弾性部材108の内筒部112内に設けることで、内筒部112から前後の連結部87,88を突出させる。
前連結部87は、上下の面87b,87cを互いに平行に形成し、上下の面87b、87cに貫通する前取付孔87aを備える。
後連結部88は、上下の面88b、88cを互いに平行に形成し、上下の面88b、88cに貫通する後取付孔88aを備える。
弾性部材108は、内筒部112を設け、内筒部112の外側に外筒部113を設け、内筒部112の外周から3個のステー114…を放射状に延ばし、それぞれのステー114…を外筒部113の内周に連結した弾性変形可能なゴム製の部材である。
内筒部112にインナー部材107の中央部111を嵌合する。
この弾性部材108の外周に内ブッシュ106を嵌合する。インナー部材107、弾性部材108および内ブッシュ105は一体化された防振ユニット115を構成する。
この防振ユニット115を外ブッシュ105とともに、アウター部材104の筒状体109に圧入することで、マウント部58を得る。
ここで、筒状体109、外ブッシュ105、内ブッシュ106および弾性部材108は略同じ長さである。
よって。インナー部材7の前後の連結部87,88を、弾性部材108の前後端(すなわち、内筒部112の前後端)から突出させることで、前後の連結部87,88を、筒状体109、外ブッシュ105および内ブッシュ106から突出させる(図4、図5参照)。
これにより、図4に示すように、カバー83の前後の取付部位85,86に、マウント部58の前後の連結部87,88を載せ、前後の連結部87,88を前後の取付部位85,86にボルト81…およびナット82…で取り付けることができる。
図7は本発明に係るマウント部の支持構造を示す断面図である。
サブフレームの左側の縦メンバ61の開口部99にカバー83を嵌合し、カバー83の外周部102を左側の縦メンバ61の上面95および内面98(図5参照)に当て、外周部102の周縁を、上面95および内面98に、例えば溶接で接合する。
これにより、縦メンバ61の上面95および内面98にカバー83を取り付ける。
カバー83に収納凹部84を形成し、収納凹部84の前後側に前後の取付部位85,86をそれぞれ備える。前後の取付部位85,86の上面をそれぞれ平坦な取付面85b、86bとし、前後の取付面85b、86bを、左側の縦メンバ61の上面95と略面一にする。
前取付部位85の取付面85bにインナー部材107の前連結部87を載せるとともに、後取付部位86の取付面86bにインナー部材107の後連結部88を載せる。この状態で、マウント部58の下部58a(筒状体109の下部)が収納凹部84に収納する。
縦メンバ61の下面96に備えた前差込孔101、前取付部位85の貫通孔85a、および前連結部87の前取付孔87aに、ボルト81を下方側から差し込み、前取付孔87aから突出した先端部にナット82をねじ結合する。
同様に、縦メンバ61の下面96に備えた後差込孔101、後取付部位86の貫通孔86a、および後連結部88の後取付孔88aに、ボルト81を下方側から差し込み、後取付孔88aから突出した先端部にナット82をねじ結合する。
これにより、カバー83の前後の取付部位85,86に、マウント部58の前後の連結部87,88を取り付ける。
なお、マウント部58の取付ブラケット91の取付孔92…に、ボルト93…を差し込み、差し込んだボルト93…をエンジン/トランスミッションユニット45の取付部位44a(図2参照)に取り付ける。
これにより、エンジン/トランスミッションユニット45を、マウント部58を介してサブフレーム41で支える。
本発明に係るマウント部の支持構造80によれば、マウント部58の下部58aを収納凹部84に収納することで、マウント部58の前後の連結部87,88を、前後の取付部位85,86に取り付ける。
前取付部位85の取付面85bおよび後取付部位86の取付面86bは、縦メンバ61の上面95と略面一に形成されている。
よって、マウント部58の前後の連結部87,88の取付位置を下げることで、マウント部58を下げることが可能になり、エンジン/トランスミッションユニット45の取付位置を下げることができる。
この際に、収納凹部84の前後側の部位、すなわち前後の取付部位85,86を、棒状体のインナー部材107で連結する。これにより、カバー83の剛性を高めることができる。
なお、カバー83の剛性については図8で詳しく説明する。
図8(a),(b)は本発明に係るマウント部の支持構造の作用を説明する図である。
(a)において、インナー部材107を棒状体とし、このインナー部材107を車体前後方向に向けて配置し、インナー部材107の前後の連結部87,88を収納凹部84の前後の取付部位85,86に取り付ける。
サブフレーム41の縦メンバ61に、例えば車体前方向から荷重F1が矢印の如くかかった場合、荷重F1の一部は、収納凹部84の前側の部位からカバー83の外周部102を経てインナー部材107の前連結部(一端部)87に伝わる。
前連結部87に伝わった荷重は、インナー部材107を経て後連結部(他端部)88に矢印bの如く伝わる。
後連結部88に伝わった荷重は、後連結部88からカバー83の外周部102を経て収納凹部84の後方の縦メンバ61に矢印cの如く伝わる。
一方、荷重F1のうち、残りの荷重は、サブフレーム41の縦メンバ61の前端から後端に向けて、収納凹部84を避けて矢印dの如く伝わる。
このように、サブフレーム41の縦メンバ61の前端にかかった荷重F1の一部を、インナー部材107に伝えることで、収納凹部84に大きな荷重がかかることを防ぐ。
よって、万が一縦メンバ61の前端に車体前後方向の荷重F1が矢印の如くかかった場合でも、縦メンバ61が収納凹部84の箇所で変形することを防いで、縦メンバ61(すなわち、サブフレーム41)の剛性を確保することができる。
(b)において、マウント部58に、エンジン/トランスミッションユニット45(図1、図2参照)の荷重F2が矢印の如くかかる。
ここで、インナー部材107の前後の連結部87,88を、カバー83に備えた収納凹部84の前後の取付部位85,86に取り付けた。
よって、マウント部58に矢印の如くかかった荷重F2は、インナー部材107の前後の連結部87,88およびカバー83の外周部102を経て縦メンバ61に矢印e,fの如く分散する。
これにより、マウント部58に、エンジン/トランスミッションユニット45の荷重F2が矢印の如くかかっても、左側の縦メンバ61が収納凹部84の箇所で変形することを防いで、左側の縦メンバ61(すなわち、サブフレーム41)の剛性を確保することができる。
以上説明したように、マウント部の支持構造80によれば、インナー部材107を棒状体とし、このインナー部材107を車体前後方向に向けて配置して前後の連結部87,88を収納凹部84の前後側の前後の取付部位85,86に取り付けることで、サブフレーム41の剛性を確保する。
よって、アルミ製の左側の縦メンバ61に収納凹部84を形成することが可能になった。これにより、自動車の軽量化を図るとともに、フレームの剛性を下げることなく、マウント部58の取付位置を下げることで、エンジン/トランスミッション45の取付位置を下げたり、突出量を減らすことができる。
なお、前記実施の形態においては、車体フレームとして、車体前部に取り付けたフロントサブフレーム41を例に説明したが、これに限らないで、車体後部に取り付けるリヤサブフレームを車体フレームとすることも可能であり、さらには車体前部構造20などのその他の構造を車体フレームとすることも可能である。
また、前記実施の形態では、サブフレーム41にエンジン/トランスミッションユニット(車両用動力ユニット)45を取り付けた例について説明したが、これに限らないで、サブフレーム41に左右のサスペンション46,46を取り付けることも可能であり、さらにはエンジン/トランスミッションユニット(車両用動力ユニット)45と左右のサスペンション46,46との両方を取り付けることも可能である。
さらに、前記実施の形態では、マウント部58の軸線59を車体前後方向に向けて配置した例について説明したが、マウント部58の向きはこれに限定するものではなく、任意に決めることができる。
また、前記実施の形態では、インナー部材107を棒状体とした例について説明したが、これに限らないで、インナー部材107を筒状体とすることも可能である。
さらに、前記実施の形態では、マウント部の支持構造80を左側の縦メンバ61に備えた例について説明したが、これに限らないで、マウント部の支持構造80を右側の縦メンバ61に備えることも可能である。
また、前記実施の形態では、車体フレーム上として左側の縦メンバの上部にカバー83を取り付けた例について説明したが、これに限らないで、その他の車体フレーム上にカバー83を取り付けることも可能である。
さらに、前記実施の形態では、マウント部の一部としてマウント部58の下部58aを収納凹部84に収納する例について説明したが、これに限らないで、マウント部58の下部58aに加えてその他の部位を収納凹部84に収納することも可能であり、さらには、マウント部58の下部58a以外のその他の部位を収納凹部84に収納することも可能である。
本発明のマウント部の支持構造は、車両用動力ユニットやサスペンションを車体フレームに取り付ける自動車への適用に好適である。
本発明に係るマウント部の支持構造を備えた車体前部構造を示す斜視図である。 本発明に係るマウント部の支持構造でサブフレームにエンジン/トランスミッションユニットを取り付けた状態を示す斜視図である。 本発明に係るマウント部の支持構造を備えたサブフレームを示す斜視図である。 本発明に係るマウント部の支持構造を示す斜視図である。 本発明に係るマウント部の支持構造を示す分解斜視図である。 本発明に係るマウント部の支持構造に取り付けるマウント部の分解斜視図である。 本発明に係るマウント部の支持構造を示す断面図である。 本発明に係るマウント部の支持構造の作用を説明する図である。
符号の説明
10…車両、20…車体前部構造(車体)、25…ロアクロスメンバ(車体)、41…サブフレーム(車体フレーム)、43…エンジン、44…トランスミッション、45…エンジン/トランスミッションユニット(車両用動力ユニット)、46…フロントサスペンション(サスペンション)、58…マウント部、58a…マウント部の下部(マウント部の一部)、61…左右側の縦メンバ、61a…左側の縦メンバの上部(車体フレーム上)、62…前部横メンバ、63…後部横メンバ、64…連結部材、80…マウント部の支持構造、84…収納凹部、85…前取付部位(取付部位)、86…後取付部位(取付部位)、87…前連結部(インナー部材の両端部の一方)、88…後連結部(インナー部材の両端部の他方)、104…アウター部材、107…インナー部材、108…弾性部材、109…筒状体。

Claims (3)

  1. 車両用動力ユニットおよびサスペンションの少なくとも一方を車体フレームに取り付けるマウント部の支持構造であって、前記マウント部を、車両用動力ユニットおよびサスペンションの少なくとも一方に取り付けるアウター部材と、アウター部材内に配置したインナー部材と、インナー部材およびアウター部材間に設けた弾性部材とで構成し、前記インナー部材を前記車体フレームに取り付けるマウント部の支持構造において、
    前記車体フレーム上に、前記マウント部の一部を収納可能な収納凹部を形成し、この収納凹部の両側に、前記インナー部材の両端部を取り付ける取付部位をそれぞれ備えたことを特徴とするマウント部の支持構造。
  2. 前記アウター部材を筒状体に形成し、この筒状体の一部を前記収納凹部に収納可能とし、
    前記インナー部材を、アウター部材と同軸上に配置するとともに、両端部がアウター部材の両端から突出可能な棒状体とし、
    このインナー部材を、前記車体フレームの前後方向に向けて配置するとともに、前記両端部を前記取付部位にそれぞれ取り付けたことを特徴とする請求項1記載のマウント部の支持構造。
  3. 前記車体フレームは、車体前後方向に左右側の縦メンバを延ばし、左右側の縦メンバの前端部間に前部横メンバを車体左右方向に延ばし、左右側の縦メンバの前端部に前部横メンバの左右端部をそれぞれ連結部材を介して連結し、左右側の縦メンバの後端部間に後部横メンバを車体左右方向に延ばし、左右側の縦メンバの後端部に後部横メンバの左右端部をそれぞれ連結することで略井桁状に形成したアルミ製のフレームであり、
    左右側の縦メンバの少なくとも一方に前記収納凹部を設けたことを特徴とする請求項2記載のマウント部の支持構造。
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