JP2005280399A - 横置きエンジンの支持構造並びに筒型防振マウント組付体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジンのボデーに対する車両前後方向への相対変位を有利に阻止し得る横置きエンジンの支持構造を提供する。
【解決手段】 横置きにされたエンジン10の慣性主軸上に配置された左側及び右側防振マウントと、エンジン10の車両前後方向の両側に配置された前側及び後側筒型防振マウント18,20とにて、エンジン10を支持させる。そして、前側及び後側筒型防振マウント18,20のうちの何れか一方の軸部材62と外筒部材64とをエンジン10とボデー16に対して別々に取り付ける第一及び第二の取付金具50,52の何れか一方に、軸部材62と外筒部材64とが車両前後方向に相対変位せしめられたときに、第一及び第二の取付金具50,52のうちの他方が当接するストッパ部100を備えた変位規制部材96を設けた。
【選択図】 図 3

Description

本発明は、横置きエンジンの支持構造並びに筒型防振マウント組付体に係り、特に、横置きにされたエンジンを、その慣性主軸(トルクロール軸)上におけるエンジンの左右両側に位置せしめられた二つの防振マウントと、エンジンの前後両側に位置せしめられた二つの筒型防振マウントとにて、車両のボデーに支持せしめるようにした横置きエンジンの支持構造と、そのような支持構造に有利に用いられる筒型防振マウント組付体とに関するものである。
よく知られているように、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型自動車等においては、エンジンが、その慣性主軸を車両の左右方向に延出させるように、横置きに配置されている。そして、この横置きに配置されたエンジンを車両のボデーに支持させる構造の一種として、エンジンの慣性主軸上におけるエンジンの左右両側に位置せしめられた二つの防振マウントと、エンジンの前後両側に位置せしめられた二つの防振マウントとを介して、エンジンを車両のボデーに防振支持せしめるようにした構造が、知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような横置きエンジンの支持構造においては、慣性主軸上に配された左側及び右側防振マウントにて、エンジン重量の殆どが分担せしめられた状態で、エンジンがボデーに防振支持されるようになっているところから、加減速時において、エンジンが、そのトルク変動により、ロール方向(慣性主軸を回転軸とした回転方向)に変位(回転)せしめられるようになる。そのため、かかる支持構造では、エンジンの前後両側に位置せしめられた前側及び後側防振マウントが、エンジンのロール方向の変位を弾性的に抑えるロールマウントとして、機能せしめられるようになっている。
すなわち、従来の横置きエンジンの支持構造では、エンジンの前後両側に位置せしめられる二つの防振マウントが、多くの場合、車両の左右方向に延びる軸部材と、この軸部材の軸直角方向外方に所定距離を隔てて配された外筒部材とを、それらの間に介装された本体ゴム弾性体にて連結せしめてなる、所謂筒型防振マウントにて構成されており、この筒型防振マウントの軸部材と外筒部材のうちの何れか一方が、エンジンに取り付けられたブラケット等の取付金具に固定される一方、それらのうちの何れか他方が、ボデーに取り付けられたブラケット等の取付金具に固定されることで、それら軸部材と外筒部材とが、取付金具を介して、エンジンとボデーとに取り付けられるようになっている。
これによって、発進時や制動時等の加減速時に生ずるエンジンのロール方向の変位(慣性主軸を回転軸とした、エンジンの回転)が、エンジンの前後に位置せしめられる筒型防振マウントに対して、略上下方向への振動として入力せしめられ、そして、この略上下方向の入力振動が、本体ゴム弾性体の弾性変形によって吸収せしめられるようになっているのである。
ところが、このような従来の横置きエンジンの支持構造においては、エンジンをボデーに防振支持させる防振マウント、特に、エンジンの前後両側に位置せしめられる筒型防振マウントが、主に、上下方向の振動として入力されるエンジンの変位を抑制し得るように構成されているために、例えば、車両の衝突時に、エンジンが、ボデーに対して車両前後方向に相対変位せしめられたときに、かかる変位を抑えることが困難であった。
それ故、車両の衝突が、たとえ、時速10km程度での軽衝突であっても、エンジンの車両前後方向への変位により、エンジンの周囲において、ボデーに固定された様々な部品とエンジンとが接触して、それらの部品が損傷し、また、その損傷が著しい場合には、自走が困難となってしまう恐れさえもあったのである。
なお、このような問題を解消するには、例えば、エンジンの前後両側に位置せしめられる筒型防振マウントにおける軸部材と外筒部材との間の距離を十分に小さくして、エンジンが前後方向に変位せしめられたときに、それら軸部材と外筒部材を接触させることにより、かかるエンジンの前後方向への変位量を、軸部材と外筒部材との間の距離に応じた量において規制するように為すことが、容易に考えられる。しかしながら、その場合には、軸部材と外筒部材との間に介装される本体ゴム弾性体が不可避的に薄いものとなり、それによって、筒型防振マウントの防振特性、ひいてはエンジンの防振支持特性に悪影響が及ぼされるといった新たな問題が惹起されることとなる。
特許第2760108号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、横置きにされたエンジンを、車両のボデーに対して防振マウントを介して支持せしめた状態で、防振マウントの所望の防振特性を損なうことなく、エンジンのボデーに対する車両前後方向への相対変位を阻止して、エンジンの周囲に配される部品の車両の軽衝突時における損傷を有利に防止することが出来るようにした横置きエンジンの支持構造を提供することにあり、また、そのような横置きエンジンの支持構造に有利に用いられる筒型エンジンマウント組付体を提供することをも、解決課題とするものである。
そして、本発明にあっては、横置きエンジンの支持構造に係る課題の解決のために、その第一の態様とするところは、横置きされた車両用エンジンの慣性主軸上における該エンジンを間に挟んだ車両の左側及び右側にそれぞれ位置せしめた左側防振マウントと右側防振マウントとにて、かかるエンジンを、その左右両側において、車両のボデーに支持させると共に、車両の左右方向に延びる軸部材と、該軸部材の軸直角方向外方に所定距離を隔てて配された外筒部材とが、それらの間に介装された本体ゴム弾性体にて連結されてなり、且つエンジンを間に挟んだ車両の前側及び後側において、該軸部材が、第一の取付金具を介して、エンジンとボデーのうちの何れか一方に取り付けられる一方、該外筒部材が、第二の取付金具を介して、エンジンとボデーのうちの何れか他方に取り付けられた構造の前側筒型防振マウントと後側筒型防振マウントとにて、エンジンを、その前後両側においても、ボデーに支持するようにした横置きエンジンの支持構造において、前記前側及び後側筒型防振マウントのうちの少なくとも何れか一方を、(a)前記軸部材を間に挟んだ上側と下側の前記本体ゴム弾性体部位に、肉抜け空所をそれぞれ設ける一方、(b)前記第一の取付金具と前記第二の取付金具のうちの何れか一方に、それらのうちの何れか他方に対して、車両の前後方向に所定距離を隔てて位置せしめられたストッパ部と、該ストッパ部を該一方の取付金具に連結せしめる連結部とを有する変位規制部材を設け、前記軸部材と前記外筒部材とが車両前後方向に相対変位せしめられたときに、該変位規制部材の該ストッパ部と該他方の取付金具とが相互に当接せしめられることにより、それら軸部材と外筒部材の車両前後方向への相対変位量が、該ストッパ部と該他方の取付金具との間の距離に応じた量において規制されるように、構成したことを特徴とする横置きエンジンの支持構造にある。
また、このような本発明に従う横置きエンジンの支持構造の好ましい第二の態様においては、前記変位規制部材のストッパ部が、上下方向に延びるストッパ面を有して構成される一方、前記他方の取付金具が、該ストッパ面に平行な当接面を有して構成される。
さらに、本発明に従う横置きエンジンの支持構造の有利な第三の態様では、前記変位規制部材が、前記ストッパ部と前記連結部とが一体形成された金属製部材にて構成される。
そして、本発明にあっては、筒型エンジンマウント組付体に係る技術的課題の解決のために、その第四の態様とするところは、エンジンが横置きされた車両の左右方向に延びる軸部材と、該軸部材の軸直角方向外方に所定距離を隔てて配された外筒部材とを、それらの間に介装された本体ゴム弾性体にて連結せしめてなる筒型防振マウントが、かかるエンジンと車両のボデーのうちの何れか一方に取り付けられる第一の取付金具に対して、該軸部材を固定せしめて、組み付けられると共に、エンジンとボデーのうちの何れか他方に取り付けられる第二の取付金具に対して、該外筒部材を固定せしめて、組み付けられて、エンジンを間に挟んだ車両の前側と後側とにおけるエンジンとボデーとの間にそれぞれ介装される組付体からなり、エンジンの慣性主軸上におけるエンジンを間に挟んだ車両の左側と右側とにおけるエンジンとボデーとの間にそれぞれ介装される防振マウントと共に、エンジンをボデーに支持せしめる筒型防振マウント組付体において、前記筒型防振マウントの前記軸部材を間に挟んだ上側と下側の前記本体ゴム弾性体部位に、肉抜け空所がそれぞれ設けられる一方、前記第一の取付金具と前記第二の取付金具のうちの何れか一方に、それらのうちの他方に対して、車両の前後方向に所定距離を隔てて位置せしめられるストッパ部と、該ストッパ部を該一方の取付金具に連結せしめる連結部とを有する変位規制部材が設けられて、該筒型防振マウントが、該第一及び第二の取付金具を介して、エンジンとボデーとに取り付けられた状態下において、前記軸部材と前記外筒部材とが車両前後方向に相対変位せしめられたときに、該変位規制部材の該ストッパ部と該他方の取付金具とが相互に当接せしめられることにより、それら軸部材と外筒部材の車両前後方向への相対変位量が、該ストッパ部と該他方の取付金具との間の距離に応じた量において規制されるように構成されていることを特徴とする筒型防振マウント組付体にある。
すなわち、本発明に従う横置きエンジンの支持構造の第一の態様においては、エンジンの前後に配された前側筒型防振マウントや後側筒型防振マウントの軸部材と外筒部材とが車両前後方向に相対変位せしめられたときに、第一の取付金具と第二の取付金具のうちの何れか一方に、それらのうちの他方と車両前後方向に所定距離を隔てて設けられた変位規制部材のストッパ部と、かかる他方の取付金具とが当接せしめられて、軸部材と外筒部材との車両前後方向への相対変位量が、それらストッパ部と他方の取付金具との間の距離に応じた量において規制されるようになっているところから、エンジンが、ボデーに対して車両前後方向に相対変位せしめられた場合にあっても、それに伴って変位せしめられる前側筒型防振マウントや後側筒型防振マウントの軸部材と外筒部材の車両前後方向の相対変位量が、ストッパ部と他方の取付金具との間の距離に応じた量において規制されることとなる。
これによって、本発明に係る横置きエンジンの支持構造では、例えば、車両の衝突時等に、エンジンが車両前後方向に変位せしめられたときに、その変位量が、前側筒型防振マウントや後側筒型防振マウントに取り付けられる第一の取付金具と第二の取付金具のうちの何れか一方に設けられた変位規制部材のストッパ部と、それらのうちの他方の取付金具との間の距離の範囲内に抑えられて、かかる距離を超えた量において、エンジンが、ボデーに対して、車両前後方向に相対変位せしめられることが有利に阻止され得る。
しかも、本発明構造では、エンジンが、その慣性主軸上に配された左側及び右側防振マウントにて、エンジンの左右両側で防振されていることにより、車両の通常走行時において、エンジンが、主に、ロール方向に変位せしめられて、前後方向方向に変位せしめられるようなことが殆どないため、前記変位規制部材のストッパ部と他方の取付金具との間の距離を可及的に小さくすることが出来、それによって、エンジンの車両前後方向への変位規制量を、より十分に小さく為すことが可能となっている。
それ故、本発明に従う横置きエンジンの支持構造においては、車両が、例えば、時速10km程度で軽衝突せしめられた場合にあっても、エンジンの周囲において、ボデーに固定された様々な部品とエンジンとが接触して、それらの部品が損傷せしめられるようなことが有利に防止され得、また、それによって、車両の自走機能が損なわれるようなことも、効果的に解消され得ることとなる。
また、かかる本発明構造では、前側筒型防振マウントや後側筒型防振マウントに取り付けられる第一及び第二の取付金具のうちの何れか一方の取付金具に設けられた変位規制部材のストッパ部と、それらのうちの何れか他方の取付金具とを当接させることにより、軸部材と外筒部材の相対変位量、ひいてはエンジンの車両前後方向への相対変位量の規制が実現されているのであって、かかる規制の実現に際して、前側及び後側筒型防振マウントの構造自体が、何等変更せしめられるものではなく、そのため、前側及び後側筒型防振マウントの所望の防振特性が安定的に且つ有利に確保され得る。
さらに、本発明に係る横置きエンジンの支持構造においては、変位規制部材が設けられる一方の取付金具を介してエンジンやボデーに取り付けられる筒型防振マウントにおける軸部材を間に挟んだ上側と下側の本体ゴム弾性体部位に、肉抜け空所が設けられているところから、かかる本体ゴム弾性体における車両の上下方向のばね特性が軟らかくされる一方、車両前後方向のばね特性が、車両上下方向のばね特性よりも有利に硬く為され得る。
これによって、車両の加減速時におけるエンジンのロール方向への変位に基づいて、エンジンの前側や後側に位置せしめられる筒型防振マウントに入力される車両上下方向の振動が、上述の如き肉抜け空所が本体ゴム弾性体に設けられた筒型防振マウントの本体ゴム弾性体における車両上下方向の軟らかいばね特性に基づいて、より効果的に低減せしめられる一方、かかる筒型防振マウントの本体ゴム弾性体における車両前後方向の硬いばね特性によって、エンジンのボデーに対する車両前後方向への相対変位の抑制が、可及的に図られ得る。
従って、かくの如き本発明に従う横置きエンジンの支持構造によれば、横置きにされたエンジンを、車両のボデーに対して防振マウントを介して支持せしめた状態で、防振マウントの所望の防振特性が、何等損なわれることなく、エンジンのボデーに対する車両前後方向への相対変位が有利に阻止され得て、エンジンの周囲におけるボデー上に配設される部品の車両の軽衝突時等における損傷が、極めて効果的に防止され得ることとなるのである。
なお、このような本発明に従う横置きエンジンの支持構造の第二の態様によれば、エンジンが車両前後方向に変位せしめられた際に、ストッパ部と、それに対向位置せしめられる取付金具とが、より一層確実に当接せしめられ得ることとなり、それによって、エンジンのボデーに対する車両前後方向への相対変位が、更に一層確実に且つ安定的に防止され得る。
また、本発明に従う横置きエンジンの支持構造の第三の態様によれば、変位規制部材の十分な剛性が確保され得て、エンジンの車両前後方向への変位の防止効果が、より安定的に発揮され得ることとなる。
そして、本発明に従う筒型防振マウント組付体に係る第四の態様においては、筒型防振マウントが、第一の取付金具や第二の取付金具を介して、エンジンとボデーに取り付けられた状態下で、かかる第一及び第二の取付金具のうちの何れか一方に、それらのうちの何れか他方と車両前後方向に所定距離隔てて位置せしめられるストッパ部を備えた変位規制部材が設けられて、軸部材と外筒部材とが車両前後方向に変位せしめられたときに、変位規制部材のストッパ部と他方の取付金具とが当接せしめられて、軸部材と外筒部材との車両前後方向への相対変位量が、それらストッパ部と他方の取付金具との間の距離に応じた量において規制されるようになっているところから、例えば、車両の衝突等により、エンジンが、車両前後方向に、ストッパ部と他方の取付金具との間の距離の範囲を越えた量をもって、ボデーに対して相対変位せしめられることが有利に阻止され得、以て、車両の軽衝突等によるエンジンのボデーに対する車両前後方向への相対変位によって、エンジンの周囲の部品が損傷するようなことも、効果的に解消され得る。
また、このような本発明に係る筒型防振マウント組付体では、筒型防振マウント自体には、エンジンの車両前後方向への変位を規制するための特別な構造が、何等付加されていないため、かかる筒型防振マウントの所望の防振特性が有利に確保され得る。
しかも、かかる筒型防振マウント組付体においては、筒型防振マウントの軸部材を間に挟んだ上側と下側の本体ゴム弾性体部位に、肉抜け空所が設けられているところから、エンジンとボデーとの間に介在せしめられた状態下で、車両の上下方向における本体ゴム弾性体のばね特性が軟らかくされて、車両上下方向の入力振動を有利に低減させることが出来ると共に、車両前後方向における本体ゴム弾性体のばね特性が比較的に硬く為され得て、エンジンの車両前後方向への変位の抑制が、可及的に図られ得る。
従って、かくの如き本発明に従う筒型防振マウント組付体を用い、これを横置きエンジンの前側と後側に配置して、エンジンの慣性主軸上における左右両側に配置された防振マウントと共に、かかる横置きエンジンをボデーに支持せしめれば、所望の防振特性をもって、エンジンをボデーに防振支持させることが出来、また、そのようなエンジンのボデーへの支持状態下で、エンジンのボデーに対する車両前後方向への相対変位が有利に阻止され得て、エンジンの周囲におけるボデー上に配された部品が、車両の軽衝突時等にエンジンと接触せしめられて、損傷を受けるようなことが、極めて効果的に防止され得るのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に係る横置きエンジンの支持構造と筒型防振マウント組付体の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う横置きエンジンの支持構造の一実施形態として、本発明に従う筒型防振マウント組付体を用いて、FF型自動車のボデーに、エンジンを横置きに配置して、支持せしめた構造が、概略的に示されている。かかる図1において、10は、FF型自動車のエンジンであって、エンジンルーム内に、慣性主軸:Lが車両の左右方向(車両の進行方向に向かっての左右方向であって、図1中、紙面に垂直な方向)に延出せしめられるように、横置きに配置されている。そして、この横置きに配置されたエンジン10が、慣性主軸:L上におけるエンジン10を間に挟んだ車両の左右方向の両側にそれぞれ位置せしめられた左側防振マウント12と右側防振マウント14とにて、左右両側において、車両のボデー16に支持されていると共に、エンジン10を間に挟んだ車両前後方向(車両の進行方向においての前後方向であって、図1中、左右方向)の両側に各々位置せしめられた前側防振マウント18と後側防振マウント20とにて、前後両側においても、ボデー16に支持されている。
より具体的には、左側防振マウント12は、公知の筒型防振マウントと同様な構造とされている。即ち、左側防振マウント12は、小径円筒状の内筒金具22と、この内筒金具22に対して、その径方向外方に所定距離を隔てて同軸的に配置された大径円筒状の外筒金具24とを有し、それら内筒金具22と、外筒金具24とが、それらの間に介装された筒状の本体ゴム弾性体26に対して、それぞれの外周面と内周面とにおいて、加硫接着せしめられることにより、かかる本体ゴム弾性体26にて連結されて、構成されている。
そして、この左側防振マウント12にあっては、エンジン10の左側(車両の進行方向に向かって左側であって、図1における紙面の手前側)において、内筒金具22が、エンジン10の慣性主軸:Lに対して直角な方向に延び、且つ軸方向の中心において、慣性主軸:Lに交差するように配された状態下で、かかる内筒金具22内に、エンジン10に固定されたエンジン側ブラケット28に一体的に設けられた取付軸30が挿通固定されており、また、外筒金具24が、ボデー16に固定されたボデー側ブラケット32に固定されている。換言すれば、左側防振マウント12と、エンジン10に取り付けられた状態で、左側防振マウント12の内筒金具22に固定されて、組み付けられたエンジン側ブラケット28と、ボデー16に取り付けられた状態で、左側防振マウント12の外筒金具24に固定されて、組み付けられたボデー側ブラケット32とからなる左側防振マウント組付体34が、エンジン10の左側に、配設されている。
また、右側防振マウント14は、左側防振マウント12と同様な構造とされていると共に、中心軸が慣性主軸:Lの延出方向に沿って延びるように位置せしめられる以外、左側防振マウント12と同様にして、エンジン10とボデー16との間に設置されている。
すなわち、右側防振マウント14は、径方向に所定距離を隔てて同軸的に配置された小径円筒状の内筒金具36と大径円筒状の外筒金具38とが、それらの間に介装された筒状の本体ゴム弾性体40にて、加硫接着により連結されて、構成されている。そして、エンジン10の右側(車両の進行方向に向かって右側であって、図1中、紙面の奥側)において、内筒金具36が、慣性主軸:Lと略同一方向に延びるように位置せしめられた状態で、かかる内筒金具36内に、エンジン10に固定されたエンジン側ブラケット42に一体的に設けられた取付軸44が挿通固定されており、また、外筒金具38が、ボデー16に固定されたボデー側ブラケット46に固定されている。つまり、右側防振マウント14と、エンジン10に取り付けられた状態で、右側防振マウント14の内筒金具36に固定されて、組み付けられたエンジン側ブラケット42と、ボデー16に取り付けられた状態で、右側防振マウント14の外筒金具38に固定されて、組み付けられたボデー側ブラケット46とからなる左側防振マウント組付体48が、エンジン10の左側に、配設されている。
かくして、左側及び右側防振マウント12,14のそれぞれの内筒金具22,36が、エンジン10の慣性主軸:L上におけるエンジン10の左右両側において、エンジン側ブラケット28,42を介して、エンジン10に取り付けられている一方、各外筒金具24,38が、ボデー側ブラケット32,46を介して、ボデー16に取り付けられている。そして、これによって、エンジン10の重量の殆どが、その慣性主軸:L上の左右両側で、左側防振マウント組付体34と右側防振マウント組付体48とにて分担せしめられた状態で、エンジン10が、それら左側及び右側防振マウント組付体34,48を介して、ボデー16に対して弾性的に支持せしめられているのである。
而して、本実施形態においては、前側防振マウント18と後側防振マウント20が、前記左側及び右側防振マウント12,14と略同様な基本構造とされているものの、かかる前側防振マウント18が、それをエンジン10やボデー16に取り付けるエンジン側ブラケット50及びボデー側ブラケット52に組み付けられてなる前側防振マウント組付体54と、後側防振マウント20が、それをエンジン10やボデー16に取り付けるエンジン側ブラケット56及びボデー側ブラケット58に組み付けられてなる後側防振マウント組付体60とが、前記左側防振マウント組付体34や右側防振マウント組付体48とは異なる、従来には見られない特別な構造とされており、そこに、大きな技術的特徴が存しているのである。なお、ここでは、前側防振マウント組付体54の構造と後側防振マウント組付体60の構造とが、互いに同一の構造とされているため、前側防振マウント組付体54の構造のみについて、図面を参照しながら詳述し、後側防振マウント組付体60の構造に関して、その詳細な説明が省略されていることが理解されるべきである。
すなわち、図2及び図3に示されるように、前側防振マウント18(後側防振マウント20)は、軸部材たる小径円筒状の内筒金具62と、この内筒金具62に対して、その径方向外方に所定距離を隔てて同軸的に配置された、外筒部材としての大径円筒状の外筒金具64と、それら内筒金具62と外筒金具64との間に介装された筒状の本体ゴム弾性体66とを有している。そして、内筒金具62と外筒金具64とが、それぞれの外周面と内周面とにおいて、本体ゴム弾性体66に加硫接着せしめられることにより、本体ゴム弾性体66にて連結されて、構成されている。つまり、前側防振マウント18(後側防振マウント20)は、前記左側及び右側防振マウント12,14と同じ基本構造を有する筒型防振マウントとして、構成されているのである。
そして、ここでは、かかる前側防振マウント18(後側防振マウント20)の内筒金具62を間に挟んだ本体ゴム弾性体66の径方向一方向の一方側部位とその他方側部位とに、肉抜け空所68が、それぞれ一つずつ、設けられている。この二つの肉抜け空所68,68は、何れも、本体ゴム弾性体66の径方向一方向の一方側部位と他方側部位とを、該径方向一方向とは直角な方向において実質的に二分するような幅をもって、本体ゴム弾性体66の軸方向に貫通して延びるように、形成されている。これによって、本体ゴム弾性体66における該径方向一方向のばね特性が軟らかくされている。
また、かかる前側防振マウント18(後側防振マウント20)と前側防振マウント組付体54(後側防振マウント組付体60)を構成して、ボデー16に取り付けられるボデー側ブラケット52(58)は、縦断面コ字形状を呈する一枚の金属板からなり、略長手矩形の平板形状を呈する取付板部70と、この取付板部70の幅方向の両端縁部から、厚さ方向一方側に向かって、互いに平行に、所定高さをもって一体的に延び出す二つの支持板部72,72とを有して、構成されている。
また、このようなボデー側ブラケット52(58)の取付板部70の長さ方向両端部側の部位には、かかる部位を貫通するボルト層通孔74が、それぞれ一つずつ設けられている。一方、二つの支持板部72,72においては、それらの対向方向において互いに対応する部位に、前側防振マウント18(後側防振マウント20)の外筒金具64が厚入可能な径を有する取付孔76が、それらの部位を貫通して、それぞれ設けられており、また、この取付孔76を取り囲む部位の外周面の一部が、ボデー側ブラケット52(58)のボデー16への取付状態下で、鉛直方向に延びるように構成された平坦な当接面78とされている。
そして、このようなボデー側ブラケット52が、エンジン10の前側(車両の進行方向に向かって前側であって、図2及び図3における左側)において、ボデー16上に、二つの支持板部72,72を、それらに設けられた各当接面78がエンジン10側とは反対側(車両の前方側)に向けられて、鉛直方向に延出せしめられるように、立設して配した状態で、取付板部70の各ボルト層通孔74に挿通された取付ボルト80にて、ボデー16に取り付けられている。そしてまた、かかるボデー側ブラケット52のボデー16への取付状態下で、前側防振マウント18が、ボデー側ブラケット52の二つの支持板部72,72を跨ぐように配置されて、外筒金具64の長さ方向(高さ方向)の両側端部において、各支持板部72の取付孔76に厚入されて、支持されている。
これによって、前側防振マウント18が、ボデー側ブラケット52に対して、外筒金具64を固定させて、組み付けられていると共に、かかる前側防振マウント18の外筒金具64が、ボデー側ブラケット52を介して、ボデー16に固定されている。このことから明らかなように、本実施形態では、ボデー側ブラケット52にて、第二の取付金具が構成されている。
また、ここでは、上述の如きボデー側ブラケット52のボデー16への取付状態下において、ボデー側ブラケット52に固定される前側防振マウント18の本体ゴム弾性体66に設けられた二つの肉抜け空所68,68が、内筒金具62を挟んで、その上側と下側に位置せしめられるようになっており、これによって、前側防振マウント18の本体ゴム弾性体66における車両上下方向のばね特性が十分に軟らかくされている一方、車両前後方向のばね特性が、比較的に硬くされている。
一方、それら前側防振マウント18(後側防振マウント20)とボデー側ブラケット52(58)と共に前側防振マウント組付体54(後側防振マウント組付体60)を構成するエンジン側ブラケット50(56)も、ボデー側ブラケット52(58)と同様に、縦断面コ字形状を呈する一枚の金属板からなっており、略長手矩形の平板形状を呈し、長さ方向両端部側の部位に、それらの部位を貫通して延びるボルト層通孔82が、それぞれ一つずつ設けられてなる取付板部84と、この取付板部84の幅方向の両端縁部から、厚さ方向一方側に向かって、互いに平行に、所定高さをもって一体的に延び出す二つの支持板部86,86とを有して、構成されている。
また、このようなエンジン側ブラケット50(56)にあっては、二つの支持板部86,86のそれぞれの延出方向先端部位の間に、取付軸88が、各先端部位の対向方向に延びるように、取り付けられている。即ち、二つの支持板部86,86の各先端部位には、貫通孔90が、それぞれ同軸上に位置する状態で、形成されている。また、取付軸88は、それら各貫通孔90と前側防振マウント18(後側防振マウント20)の内筒金具62内とに各々挿通可能な外径と、二つの支持板部86,86の間の距離よりも長い長さとを有する脚部を備えたボルトからなっている。そして、このボルトからなる取付軸88のボルト脚部が、一方の支持板部86から他方の支持板部86に向かって延びるように、それら各支持板部86の貫通孔90に挿通せしめられて、他方の支持板部86の貫通孔90から、一方の支持板部86側とは反対側に突出せしめられたボルト脚部の先端部に、ナット92が螺合されている。これによって、取付軸88が、二つの支持板部86,86のそれぞれの先端部位に跨って延びるように設けられているのである。
そして、かかるエンジン側ブラケット50が、前側防振マウント18が固定されて、エンジン10の前側のボデー16に取り付けられたボデー側ブラケット52とエンジン10との間に位置せしめられて、取付板部84の各ボルト層通孔82に挿通された取付ボルト94にて、エンジン10の前面に取り付けられている。また、そのようなエンジン10への取付状態下で、エンジン側ブラケット50の二つの支持板部86,86が、ボデー側ブラケット52の二つの支持板部72,72の外側において、それらを間に挟むように位置せしめられると共に、各支持板部86の先端部に跨って延びる取付軸88が、ボデー側ブラケット52の二つの支持板部72,72にて支持された前側防振マウント18の内筒間具62内に挿通、位置せしめられることにより、かかる内筒金具62が、取付軸88に取り付けられている。
これによって、前側防振マウント18が、エンジン側ブラケット50に対して、内筒金具62を固定させて、組み付けられていると共に、かかる前側防振マウント18の内筒金具62が、エンジン側ブラケット50を介して、エンジン10に固定されている。このことから明らかなように、本実施形態では、エンジン側ブラケット50にて、第一の取付金具が構成されている。
かくして、ここでは、図1に示される如く、前側防振マウント18とエンジン側ブラケット50とボデー側ブラケット52とからなる前側防振マウント組付体54が、エンジン10の前側において、エンジン10とボデー16との間に介装されて、配設されている。また、前述せる如く、後側防振マウント20とエンジン側ブラケット56とボデー側ブラケット58とからなる後側防振マウント組付体60も、前側防振マウント組付体54と同じ構造をもって、エンジン10の後側(車両の進行方向に向かって後側であって、図1における右側)において、エンジン10とボデー16との間に介装されて、配設されているのであるが、この後側防振マウント組付体60にあっては、ボデー側ブラケット58の各支持板部に72設けられた当接面78が、エンジン10側とは反対側(車両後側)に向けられて、鉛直方向に延びるように位置せしめられた状態で、配設されている。
そして、これによって、エンジン10が、その前側と後側で、前側及び後側防振マウント組付体54,60を介して、ボデー16に対して弾性的に支持せしめられており、以て、車両の発進時や制動時に生ずるエンジン10のロール方向の変位(慣性主軸:Lを回転軸とした、エンジン10の回転)が、前側及び後側防振マウント18,20に対して、略上下方向への振動として入力せしめられ、そして、この略上下方向の入力振動が、前側及び後側防振マウント18,20における各本体ゴム弾性体66の、柔らかなばね特性を発揮する上下方向の弾性変形によって、効果的に吸収せしめられるようになっているのである。
而して、本実施形態では、特に、図1乃至図3から明らかなように、上述の如き構造とされた前側防振マウント組付体54と後側防振マウント組付体60における各エンジン側ブラケット50,56に対して、変位規制部材としての変位規制金具96が、それぞれ設けられている。なお、上述の説明と同様に、後側防振マウント60のエンジン側ブラケット56に設けられた変位規制金具96は、前側防振マウント54のエンジン側ブラケット50に設けられた変位規制金具96と同一の構造とされているため、ここでは、前側防振マウント54のエンジン側ブラケット50に設けられた変位規制金具96の構造についてのみ、詳述する。
すなわち、図2及び図3に示されるように、変位規制金具96は、比較的に厚肉、狭幅で且つ長尺な帯状の一枚の金属板からなり、かかる金属板が、コ字状に屈曲せしめられてなる如き形状を呈している。そして、そのようなコ字状金属板からなる変位規制金具96が、板厚方向において、互いに所定距離を隔てて対向して、長手方向に同一の長さをもって平行に延び出す一対の連結板部98,98と、かかる一対の連結板部98,98の先端部位の間において、それらの対向方向に一体的に延び出して、一対の連結板部98,98の先端部位同士を相互に接続するストッパ部100とを有して、構成されている。また、かかるストッパ部100にあっては、その内側、つまり連結板部98,98側の面が、平坦なストッパ面102とされている。
そして、このような変位規制金具96が、ストッパ部100のストッパ面102を、ボデー側ブラケット52(58)における各支持板部72の当接面78に対して、所定距離を隔てて、平行に位置するように対向させた状態で、各連結板部98のストッパ部100側とは反対の先端部において、エンジン側ブラケット50(56)の各支持板部86の外側面に、溶接等により固着されて、連結されている。
また、ここでは、かくの如き変位規制金具96のエンジン側ブラケット50への固着状態下で、互いに平行に対向位置せしめられたストッパ部100のストッパ面102と各支持板部72の当接面78との距離:dが、エンジン10の周囲のボデー16上に配設された各種の部品のうちで、エンジン10に最も近接する部品(図示せず)とエンジン10との間の距離よりも小さな寸法とされている。更に、前述せる如く、ボデー側ブラケット50のボデー16への取付状態下で、各当接面78が、エンジン10とは反対側に向けられて、鉛直方向に延びるように位置せしめられているところから、ストッパ部100のストッパ面102は、それら各当接面78に対して、それらよりも車両の前側において、上述の如き比較的に小さな距離を隔ててつつ、鉛直方向に延びるように位置せしめられている。
なお、先に詳述せるように、本実施形態においては、エンジン10の重量の殆どを分担して支持する左側防振マウント組付体34と右側防振マウント組付体48とが、エンジン10の慣性主軸:L上における左右両側に位置せしめられているため、車両の定速度での走行時は勿論、加減速時においても、エンジン10のロール方向の変位は認められるものの、前後方向への変位は殆どない。それ故に、ストッパ部100のストッパ面102と各支持板部72の当接面78との距離:dを十分に小さくしても、通常の車両走行に対して悪影響が及ぼされることはない。
また、図には明示されていないものの、後側防振マウント組付体60のエンジン側ブラケット56に設けられた変位規制金具96も、かかる後側防振マウント組付体60のボデー側ブラケット58の各支持板部72に設けられた、鉛直方向に延びる当接面78に対して、それらよりも車両の後側において、エンジン10に最も近接する部品とエンジン10との間の距離よりも小さな距離を隔てつつ、鉛直方向に延びるように位置せしめられている。
かくして、本実施形態では、例えば、車両の衝突等により、エンジン10が、ボデー16に対して前後方向に相対変位せしめられ、それに伴って、エンジン側ブラケット50,56を介してエンジン10に取り付けられる前側及び後側防振マウント18,20の各内筒金具62が、ボデー側ブラケット52,58を介してボデー16に取り付けられる前側及び後側防振マウント18,20の各外筒金具64に対して相対変位せしめられたときに、エンジン側ブラケット50,56にそれぞれ設けられた変位規制金具96のストッパ部100のストッパ面102と、ボデー側ブラケット52,58の各当接面78とが相互に当接せしめられるようになる。そして、それによって、エンジン10のボデー16に対する車両前後方向への相対変位に伴って変位せしめられる前側及び後側防振マウント18,20の各外筒金具64と各外筒金具64との相対変位量が、変位規制金具96のストッパ部100のストッパ面102とボデー側ブラケット52,58の各当接面78との間の距離:dに応じた量において規制されることとなる。また、上述のように、それらストッパ面102と各当接面78との間の距離:dは、エンジン10の周囲のボデー16上において、エンジン10と最も近接する部品(図示せず)とエンジン10との間の距離よりも小さくされている。
従って、かくの如き本実施形態によれば、車両が、例えば、時速10km程度で軽衝突せしめられた場合にあっても、エンジン10周りのボデー16上に配設された様々な部品とエンジン10とが接触して、それらの部品が損傷せしめられるようなことが有利に防止され得、また、それによって、車両の自走機能が損なわれるようなことも、効果的に解消され得るのである。
しかも、本実施形態では、エンジン10のボデー16に対する車両前後方向の相対変位量を規制するために、例えば、前側及び後側防振マウント18,20のそれぞれの内筒金具62と外筒金具64との間の距離を小さくするような、各防振マウント18,20の防振特性、更には耐久性に悪影響を及ぼしめる設計変更が、前側及び後側防振マウント18,20に対して、何等行われるものでないため、エンジン10のボデー16に対する車両前後方向の相対変位量の規制、更にはそれによって得られる上述の如き格別顕著な作用・効果が、前側及び後側防振マウント18,20の防振特性や耐久性を損なうことなく、極めて有利に奏され得ることとなる。
また、かかる本実施形態においては、車両の加減速時におけるエンジン10のロール方向への変位に伴って生ぜしめられるエンジン10の振動が、前側及び後側防振マウント18,20の各本体ゴム弾性体66の上下方向の柔らかいばね特性に基づいて、より効果的に低減せしめられる一方、それら各防振マウント18,20の本体ゴム弾性体66における車両前後方向の硬いばね特性によっても、エンジン10のボデー16に対する車両前後方向への相対変位の抑制が、可及的に図られ得る。
さらに、本実施形態では、エンジン10が、ボデー16に対して、車両前後方向に相対変位せしめられたときに、互いに当接して、その相対変位量を規制するストッパ面102と当接面78とが、それぞれ鉛直方向に延び出して、互いに平行に位置せしめられているところから、それらストッパ面102と当接面78とが、車両前後方向において、可及的に大きな面積をもって確実に当接せしめられ得ることとなり、それによって、エンジン10のボデー16に対する車両前後方向への相対変位が、更に一層確実に且つ安定的に防止され得る。
更にまた、本実施形態では、そのようなストッパ面102と当接面78とが、金属板にて構成されていることによって、十分な剛性と堅牢性が確保可能な金属板からなるエンジン側ブラケット50,56の変位規制金具96と、同じく金属板からなるボデー側ブラケット52,58に形成されているところから、エンジン10の車両前後方向への変位の防止効果が、より安定的に発揮され得るといった利点が得られる。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約を受けるものではない。
例えば、前記実施形態では、前側防振マウント組付体54に設けられた変位規制部材としての変位規制金具96におけるストッパ部100のストッパ面102が、ボデー側ブラケット52の当接面78に対して、車両の前方側において対向位置せしめられる一方、後側防振マウント組付体60に設けられた変位規制部材としての変位規制金具96におけるストッパ部100のストッパ面102が、ボデー側ブラケット58の当接面78に対して、車両の後方側において対向位置せしめられていたが、それとは異なって、前側防振マウント組付体54に設けられた変位規制金具96におけるストッパ部100のストッパ面102を、ボデー側ブラケット52の当接面78に対して、車両の後方側において対向位置せしめたり、或いは、後側防振マウント組付体60に設けられた変位規制金具96におけるストッパ部100のストッパ面102を、ボデー側ブラケット58の当接面78に対して、車両の前方側において対向位置せしめたりすることも、可能である。
また、変位規制部材たる変位規制金具96は、前側防振マウント組付体54と後側防振マウント組付体60の両方に、必ずしも設けられている必要はなく、それら二つの組付体54,60のうちの少なくとも何れか一方に設けられておれば良い。
さらに、かかる変位規制金具96を、エンジン側ブラケット50,56に代えて、ボデー側ブラケット52,58に設けることも、可能である。勿論、その場合には、かかる変位規制金具96のストッパ部100のストッパ面102と当接せしめられる当接面78は、エンジン側ブラケット50,56に設けられることとなる。
更にまた、そのような変位規制部材の形状や材質、或いは前側防振マウント組付体54や後側マウント組付体60への固定構造も、例示のものに、何等限定されるものでないことは、言うまでもないところである。
また、前側及び後側防振マウント組付体54,60におけるエンジン側ブラケット50,56やボデー側ブラケット52,58の形状、エンジン10やボデー16への取付構造、更には前側及び後側防振マウント18,20の内筒金具62や外筒金具64に対する固定構造も、前記実施形態に示されるものに、特に限定されるものでないことは、勿論である。
さらに、前記実施形態では、左側及び右側防振マウント12,14として、筒型防振マウントタイプのものが採用されていたが、そのような筒型防振マウントタイプ以外の従来より公知のタイプの防振マウントを用いることも出来、更に、それらの防振マウントをブラケットを介することなく、エンジンやボデーに対して直接に取り付けることも、可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
本発明に従って、横置きエンジンをボデーに支持せしめた状態を示す側面説明図である。 図1のII矢視における要部拡大説明図である。 図2のIII−III断面における要部説明図である。
符号の説明
10 エンジン
12 左側防振マウント
14 右側防振マウント
16 ボデー
18 前側防振マウント
20 後側防振マウント
22,36,62 内筒金具
24,38,64 外筒金具
26,40,66 本体ゴム弾性体
28,42,50,56 エンジン側ブラケット
32,46,52,58 ボデー側ブラケット
54 前側防振マウント組付体
60 後側防振マウント組付体
68 肉抜け空所
78 当接面
96 変位規制金具
98 連結部
100 ストッパ部
102 ストッパ面

Claims (4)

  1. 横置きされた車両用エンジンの慣性主軸上における該エンジンを間に挟んだ車両の左側及び右側にそれぞれ位置せしめた左側防振マウントと右側防振マウントとにて、かかるエンジンを、その左右両側において、車両のボデーに支持させると共に、車両の左右方向に延びる軸部材と、該軸部材の軸直角方向外方に所定距離を隔てて配された外筒部材とが、それらの間に介装された本体ゴム弾性体にて連結されてなり、且つエンジンを間に挟んだ車両の前側及び後側において、該軸部材が、第一の取付金具を介して、エンジンとボデーのうちの何れか一方に取り付けられる一方、該外筒部材が、第二の取付金具を介して、エンジンとボデーのうちの何れか他方に取り付けられた構造の前側筒型防振マウントと後側筒型防振マウントとにて、エンジンを、その前後両側においても、ボデーに支持するようにした横置きエンジンの支持構造にして、
    前記前側及び後側筒型防振マウントのうちの少なくとも何れか一方を、
    前記軸部材を間に挟んだ上側と下側の前記本体ゴム弾性体部位に、肉抜け空所をそれぞれ設ける一方、前記第一の取付金具と前記第二の取付金具のうちの何れか一方に、それらのうちの何れか他方に対して、車両の前後方向に所定距離を隔てて位置せしめられたストッパ部と、該ストッパ部を該一方の取付金具に連結せしめる連結部とを有する変位規制部材を設け、前記軸部材と前記外筒部材とが車両前後方向に相対変位せしめられたときに、該変位規制部材の該ストッパ部と該他方の取付金具とが相互に当接せしめられることにより、それら軸部材と外筒部材の車両前後方向への相対変位量が、該ストッパ部と該他方の取付金具との間の距離に応じた量において規制されるように、構成したことを特徴とする横置きエンジンの支持構造。
  2. 前記変位規制部材のストッパ部が、上下方向に延びるストッパ面を有して構成される一方、前記他方の取付金具が、該ストッパ面に平行な当接面を有して構成されている請求項1に記載の横置きエンジンの支持構造。
  3. 前記変位規制部材が、前記ストッパ部と前記連結部とが一体形成された金属製部材にて構成されている請求項1又は請求項2に記載の横置きエンジンの支持構造。
  4. エンジンが横置きされた車両の左右方向に延びる軸部材と、該軸部材の軸直角方向外方に所定距離を隔てて配された外筒部材とを、それらの間に介装された本体ゴム弾性体にて連結せしめてなる筒型防振マウントが、かかるエンジンと車両のボデーのうちの何れか一方に取り付けられる第一の取付金具に対して、該軸部材を固定せしめて、組み付けられると共に、エンジンとボデーのうちの何れか他方に取り付けられる第二の取付金具に対して、該外筒部材を固定せしめて、組み付けられて、エンジンを間に挟んだ車両の前側と後側とにおけるエンジンとボデーとの間にそれぞれ介装される組付体からなり、エンジンの慣性主軸上におけるエンジンを間に挟んだ車両の左側と右側とにおけるエンジンとボデーとの間にそれぞれ介装される防振マウントと共に、エンジンをボデーに支持せしめる筒型防振マウント組付体にして、
    前記筒型防振マウントの前記軸部材を間に挟んだ上側と下側の前記本体ゴム弾性体部位に、肉抜け空所がそれぞれ設けられる一方、前記第一の取付金具と前記第二の取付金具のうちの何れか一方に、それらのうちの他方に対して、車両の前後方向に所定距離を隔てて位置せしめられるストッパ部と、該ストッパ部を該一方の取付金具に連結せしめる連結部とを有する変位規制部材が設けられて、該筒型防振マウントが、該第一及び第二の取付金具を介して、エンジンとボデーとに取り付けられた状態下において、前記軸部材と前記外筒部材とが車両前後方向に相対変位せしめられたときに、該変位規制部材の該ストッパ部と該他方の取付金具とが相互に当接せしめられることにより、それら軸部材と外筒部材の車両前後方向への相対変位量が、該ストッパ部と該他方の取付金具との間の距離に応じた量において規制されるように構成されていることを特徴とする筒型防振マウント組付体。
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