JP2005279992A - インクジェット記録による画像形成方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録による画像形成方法及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐光性に優れ、かつ、文字品質が良く色混じりの発生がない高精細な画像を安定に記録することができる活性光線硬化型インクジェット記録による画像形成方法及び記録装置を提供する。
【解決手段】 インクジェット記録ヘッドより、紫外線吸収剤、光ラジカル発生剤、ラジカル重合性化合物を含有するインクを記録材料上に吐出して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法において、インク着弾後の硬化雰囲気を不活性ガスで置換することを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、環境(温度・湿度)によらず様々な記録材料に耐光性に優れかつ高精細な画像を安定に再現できるインクジェット記録による画像形成方法、記録装置に関する。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作製出来るため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムは、記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後紫外線(UV)光により架橋させるUVインクジェット方式などである。
中でも、UVインクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録媒体への記録が出来る点で、近年注目されつつあり、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されて(例えば、特許文献1、2参照。)いる。
しかしながら、これらのインクを用いる場合、屋外用途で耐光性を上げる為に紫外線吸収剤を含有させると、硬化性が大きく劣ってしまう問題が有り、記録材料の種類や作業環境によって、着弾後のドット径が大きく変化してしまい、様々な記録材料に対して、高精細な画像を形成することは不可能であった。
特開平6−200204号公報(特許請求の範囲、実施例) 特表2000−504778号公報(特許請求の範囲、実施例)
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は耐光性に優れ、かつ、文字品質が良く色混じりの発生がない高精細な画像を安定に記録することができる活性光線硬化型インクジェット記録による画像形成方法及び記録装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
インクジェット記録ヘッドより、紫外線吸収剤、光ラジカル発生剤、ラジカル重合性化合物を含有するインクを記録材料上に吐出して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法において、インク着弾後の硬化雰囲気を不活性ガスで置換することを特徴とする画像形成方法。
(請求項2)
インク着弾後の硬化雰囲気の酸素濃度を不活性ガス置換により0.1%〜10%に制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
(請求項3)
インクジェット記録ヘッドより、紫外線吸収剤、光ラジカル発生剤、ラジカル重合性化合物を含有するインクを記録材料上に吐出して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法において、該ラジカル重合性化合物としてマレイミド骨格を含む化合物を含有することを特徴とする画像形成方法。
(請求項4)
インクジェット記録ヘッドより、紫外線吸収剤、光ラジカル発生剤、ラジカル重合性化合物を含有するインクを記録材料上に吐出して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法において、該ラジカル重合性化合物としてポリエン化合物及びポリチオール化合物を含有することを特徴とする画像形成方法。
(請求項5)
インクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(請求項6)
インクが着弾し、活性光線照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(請求項7)
記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が2〜15plであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(請求項8)
紫外線吸収剤が下記一般式(C)で表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤、および下記一般式(D)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
Figure 2005279992
(式中、R21、R22は、それぞれ置換されていても良いアルキル基およびアリール基、−OR23、−NR24(R25)、−SR26、−COX2、シアノ基、ニトロ基、およびハロゲン原子を表す。ここでX2は−OR27、−NR28(R29)を表し、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29は、それぞれ水素原子、置換されていても良いアルキル基およびアリール基を表す。m1は0〜4までの整数を表し、m2は0〜5までの整数を表し、m1が2以上の場合、複数のR21は同一であっても異なっていても良く、m2が2以上の場合、複数のR22は同一であっても異なっていても良い。)
Figure 2005279992
(式中、R31、R32は、それぞれ置換されていても良いアルキル基およびアリール基、−OR33、−NR34(R35)、−SR36、−COX3、シアノ基、ニトロ基、およびハロゲン原子を表す。ここでX3は−OR37、−NR38(R39)を表し、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39は、それぞれ水素原子、置換されていても良いアルキル基およびアリール基を表す。n1およびn2はそれぞれ独立に0〜4までの整数を表し、n1が2以上の場合、複数のR31は同一であっても異なっていても良く、n2が2以上の場合、複数のR32は同一であっても異なっていても良い。)
(請求項9)
請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置であって、活性光線硬化型インク及び記録ヘッドを35〜80℃に加熱した後、吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
本発明により、耐光性に優れ、かつ、文字品質が良く色混じりの発生がない高精細な画像、を安定に記録することができる活性光線硬化型インクジェット記録による画像形成方法及び記録装置を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。
本発明の画像形成方法に用いられる活性光線硬化型インクジェット記録用インクは、紫外線吸収剤を含有する。記録後の印刷物の耐光性を向上させるために、紫外線吸収剤を含有させることは公知であるが、単純に活性光線硬化型インクに用いると、著しく硬化性が劣化して高画質な画像が形成できなかった。
本発明者は、光ラジカル発生剤、ラジカル重合性化合物を用い、インク着弾後の硬化雰囲気を不活性ガスで置換することで、紫外線吸収剤の存在下でも飛躍的に硬化性が向上するばかりでなく、硬化収縮や反応熱による記録材料のカールや波打ちの問題も解決できることで、非常に安定に様々な記録材料に高精細な画像を形成できることを見出した。
また、ラジカル重合性化合物としてマレイミド骨格を含む化合物、ポリエン化合物及びポリチオール化合物、を含有することでも、上記と同様な効果が得られることを見出した。
本発明で用いられる紫外線吸収剤は、従来より公知の化合物を用いることができ、例えば特開平9−157560号、同9−279075号、特開2001−181528号に記載の酸化セリウムなどの紫外線吸収性無機化合物、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤等が挙げられる。
本発明で用いられる紫外線吸収剤は得られるインクジェット画像の画質から有機系の化合物であることが好ましく、特に前記の一般式(C)で表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤、および一般式(D)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
以下、本発明で用いることのできる前記一般式(C)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005279992
以下、本発明で用いることのできる前記一般式(D)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005279992
本発明に係わる前記一般式(C)または一般式(D)で表される紫外線吸収剤は、当業者公知の方法に従って合成して得ることができ、また、市販品として容易に入手することができる。
本発明のインクでは、光重合性化合物としてラジカル重合性化合物を用いる。ラジカル重合性化合物としては、公知のあらゆる(メタ)アクリレートモノマー及びまたはオリゴマーを用いることができる。
例えば、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン変性可とう性アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート等の単官能モノマー、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の三官能以上の多官能モノマーが挙げられる。
この他、重合性のオリゴマー類も、モノマー同様に配合可能である。重合性オリゴマーとしては、エポキシアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、直鎖アクリルオリゴマー等が挙げられる。
なお、感作性、皮膚刺激性、眼刺激性、変異原性、毒性などの観点から、上記モノマーの中でも特に、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、ラクトン変性可とう性アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
更にこの中でも、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが特に好ましい。
また、本発明で用いられる光ラジカル発生剤としては、アリールアルキルケトン、オキシムケトン、チオ安息香酸S−フェニル、チタノセン、芳香族ケトン、チオキサントン、ベンジルとキノン誘導体、ケトクマリン類などの従来公知の光ラジカル発生剤が使用出来る。「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)に詳しい。中でもアシルフォスフィンオキシドやアシルホスフォナートは、感度が高く、開始剤の光開裂により吸収が減少するため、インクジェット方式のように1色当たり5〜12μmの厚みを持つインク画像での内部硬化に特に有効である。具体的には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドなどが好ましい。
また、前述のモノマー同様、安全性を考慮した選択では、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア(R)1173)が好適に用いられる。好ましい添加量は、インク組成物全体の1〜6質量%、好ましくは2〜5質量%である。
本発明で用いることの出来るマレイミド骨格を含む化合物(以下、マレイミド化合物ともいう)について説明する。本発明で用いられるマレイミド化合物としては、例えば、特開2000−211249号、同2000−143729号、同2000−144033号、同2000−144041号、同2000−264922号、特開平11−292874号、同11−124404号、同11−124403号、同11−302278号に紹介されている既に公知の様々な構造のマレイミド化合物を用いることが出来る。
また、本発明で好適に使用されるマレイミド化合物としては、下記一般式(A)で表されるマレイミド化合物が挙げられる。
Figure 2005279992
前記一般式(A)において、m及びnは、各々独立した1以上の整数を表す。特に、常温で液体であり、単独で硬化皮膜を形成する機能を付与させる観点から、m及びnは、各々独立した1〜5の整数で、m+nが2以上6以下の整数となる化合物が推奨される。
11及びR12は、各々独立して脂肪族基または芳香族基を有する2価の基を表す。中でも特に、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリールアルキレン基及びシクロアルキルアルキレン基からなる群より選ばれる2価の基が好ましい。
ここで、アルキレン基は直鎖状であっても、分岐状であってもよく、また、アリールアルキレン基或いはシクロアルキルアルキレン基は、各々、主鎖または分枝鎖にアリール基またはシクロアルキル基を有しても良い。
11及びR12で各々表される脂肪族基または芳香族基を有する2価の基の具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基の如き直鎖状アルキレン基;1−メチルエチレン基、1−メチル−トリメチレン基、2−メチル−トリメチレン基、1−メチル−テトラメチレン基、2−メチル−テトラメチレン基、1−メチル−ペンタメチレン基、2−メチル−ペンタメチレン基、3−メチル−ペンタメチレン基、ネオペンチル基の如き分岐アルキル基を有するアルキレン基;シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基の如きシクロアルキレン基;ベンジレン基、2,2−ジフェニル−トリメチレン基、1−フェニル−エチレン基、1−フェニル−テトラエチレン基、2−フェニル−テトラエチレン基の如き主鎖または側鎖にアリール基を有するアリールアルキレン基;シクロヘキシルメチレン基、1−シクロヘキシル−エチレン基、1−シクロヘキシル−テトラエチレン基、2−シクロヘキシル−テトラエチレン基の如き主鎖或いは側鎖にシクロアルキル基を有するシクロアルキルアルキレン基等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
2は脂肪族基または芳香族基が(a)エーテル結合、(b)エステル結合、(c)ウレタン結合及び(d)カーボネート結合からなる群より選ばれる少なくとも1つの結合で結ばれた平均分子量40〜100,000の(A)(ポリ)エーテル連結鎖または(ポリ)エーテル残基、(B)(ポリ)エステル連結鎖または(ポリ)エステル残基、(C)(ポリ)ウレタン連結鎖または(ポリ)ウレタン残基或いは(D)(ポリ)カーボネート連結鎖または(ポリ)カーボネート残基を表す。
2は、これらの連結鎖が繰り返しの一単位となって繰り返されたオリゴマー或いはポリマーで構成される連結鎖であっても良い。
2を表す連結鎖または残基を具体的に示すと、例えば以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
(a)直鎖アルキレン基、分枝アルキレン基、シクロアルキレン基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの炭化水素基が、エーテル結合で結合された一つ或いはそれらの繰り返し単位を有する平均分子量40〜100,000の(ポリ)エーテル(ポリ)オールから構成される連結鎖または残基:
(b)直鎖アルキレン基、分枝アルキレン基、シクロアルキレン基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの炭化水素基が、エステル結合で結合された一つ或いはそれらの繰り返し単位を有する平均分子量40〜100,000の(ポリ)エステル(ポリ)オールから構成される連結鎖または残基:
(c)直鎖アルキレン基、分枝アルキレン基、シクロアルキレン基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの炭化水素基が、エーテル結合で結合された一つ或いはそれらの繰り返し単位を有する平均分子量40〜100,000の(ポリ)エーテル(ポリ)オールとジ〜ヘキサ−カルボン酸(以下、ポリカルボン酸と略記する)とをエステル化して得られる、末端がポリカルボン酸残基である(ポリ)カルボン酸{(ポリ)エーテル(ポリ)オール}エステルから構成される連結鎖または残基:
(d)直鎖アルキレン基、分枝アルキレン基、シクロアルキレン基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの炭化水素基が、エーテル結合及びエステル結合で結合された一つ或いはそれらの繰り返し単位を有する平均分子量40〜100,000の(ポリ)エステル(ポリ)オールとポリカルボン酸とをエステル化して得られる末端がポリカルボン酸残基である(ポリ)カルボン酸{(ポリ)エステル(ポリ)オール}エステルから構成される連結鎖または残基:
(e)直鎖アルキレン基、分枝アルキレン基、シクロアルキレン基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの炭化水素基が、エーテル結合で結合された一つ或いはそれらの繰り返し単位を有する平均分子量100〜40,000の(ポリ)エポキシドを開環して得られる連結鎖または残基:
(f)直鎖アルキレン基、分枝アルキレン基、シクロアルキレン基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの炭化水素基が、エーテル結合で結合された一つ或いはそれらの繰り返し単位を有する平均分子量40〜100,000の(ポリ)エーテル(ポリ)オールと有機(ポリ)イソシアネートとをウレタン化した(ポリ)エーテル(ポリ)イソシアネートから構成される連結鎖または残基:
(g)直鎖アルキレン基、分枝アルキレン基、シクロアルキレン基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの炭化水素基が、エステル結合で結合された一つ或いはそれらの繰り返し単位を有する平均分子量40〜100,000の(ポリ)エステル(ポリ)オールと有機(ポリ)イソシアネートとをウレタン化した(ポリ)エステル(ポリ)イソシアネートから構成される連結鎖または残基:
(h)直鎖アルキレン基、分枝アルキレン基、シクロアルキレン基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの炭化水素基が、エーテル結合で結合された一つ或いはそれらの繰り返し単位を有する平均分子量40〜100,000の(ポリ)エーテル(ポリ)オールの炭酸エステルから構成される連結鎖または残基:
上記の連結鎖または残基(a)を構成する(ポリ)エーテル(ポリ)オールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールの如きポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロパンジオール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトールの如きアルキレングリコール類の、エチレンオキシド変性物、プロピレンオキシド変性物、ブチレンオキシド変性物、テトラヒドロフラン変性物、などが挙げられ、これらの中でも、アルキレングリコール類の各種変性物が好ましい。
更に、上記の連結鎖(a)を構成する(ポリ)エーテル(ポリ)オールとしては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、プロピレングリコールとテトラヒドロフランの共重合体、エチレングリコールとテトラヒドロフランの共重合体、ポリイソプレングリコール、水添ポリイソプレングリコール、ポリブタジエングリコール、水添ポリブタジエングリコールの如き炭化水素系ポリオール類、ポリテトラメチレンヘキサグリセリルエーテル(ヘキサグリセリンのテトラヒドロフラン変性物)の如き多価水酸基化合物、などが挙げられるが、これらに限定されない。
上記の連結鎖または残基(b)を構成する(ポリ)エステル(ポリ)オールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールの如きポリアルキレングリコール類、或いはエチレングリコール、プロパンジオール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトールの如きアルキレングリコール類の、ε−カプロラクトン変性物、γ−ブチロラクトン変性物、δ−バレロラクトン変性物またはメチルバレロラクトン変性物;アジピン酸、ダイマー酸の如き脂肪族ジカルボン酸と、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオールの如きポリオールとのエステル化物である脂肪族ポリエステルポリオール;テレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸とネオペンチルグリコールの如きポリオールとのエステル化物である芳香族ポリエステルポリオールの如きポリエステルポリオール;ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリテトラメチレンヘキサグリセリルエーテル(ヘキサグリセリンのテトラヒドロフラン変性物)の如き多価水酸基化合物と、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸の如きジカルボン酸とのエステル化物;グリセリンの如き多価水酸基含有化合物と動物・植物の脂肪酸エステルとのエステル交換反応により得られるモノグリセリドの如き多価水酸基含有化合物、などが挙げられるが、これらに限定されない。
上記の連結鎖または残基(c)を構成する末端がポリカルボン酸である(ポリ)カルボン酸{(ポリ)エーテル(ポリ)オール}エステルとしては、例えば、(1)コハク酸、アジピン酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、フマル酸、イソフタル酸、イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゼンペンタカルボン酸、ベンゼンヘキサカルボン酸、シトリック酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸の如きポリカルボン酸と、(2)上記(a)で示した(ポリ)エーテル(ポリ)オールとのエステル化で得られる末端がポリカルボン酸である(ポリ)カルボン酸{(ポリ)エーテル(ポリ)オール}エステルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
上記の連結鎖または残基(d)を構成する末端がポリカルボン酸である(ポリ)カルボン酸{(ポリ)エステル(ポリ)オール}エステルとしては、例えば、(1)コハク酸、アジピン酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、フマル酸、イソフタル酸、イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゼンペンタカルボン酸、ベンゼンヘキサカルボン酸、シトリック酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸の如きジ〜ヘキサ−カルボン酸と、(2)上記(b)に示した(ポリ)エステル(ポリ)オールとのエステル化で得られる、末端がポリカルボン酸である(ポリ)カルボン酸{(ポリ)エステル(ポリ)オール}エステルが挙げられるが、これらに限定されない。
上記の連結鎖または残基(e)を構成する(ポリ)エポキシドとしては、例えば、(メチル)エピクロルヒドリンと、ビスフェノールAやビスフェノールF及びそのエチレンオキシド、プロピレンオキシド変性物などから合成されるエピクロルヒドリン変性ビスフェノール型のエポキシ樹脂;(メチル)エピクロルヒドリンと、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、それらのエチレンオキシド変性物、プロピレンオキシド変性物などとから合成されるエピクロルヒドリン変性水添ビスフェノール型のエポキシ樹脂、エポキシノボラック樹脂;フェノール、ビフェノールなどと(メチル)エピクロルヒドリンとの反応物;テレフタル酸、イソフタル酸またはピロメリット酸のグリシジルエステルなどの芳香族エポキシ樹脂;(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)ブチレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール類、それらのアルキレンオキシド変性物のポリグリシジルエーテル;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪族多価アルコールや、それらのアルキレンオキシド変性物のグリシジルエーテル;アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、イタコン酸などのカルボン酸のグリシジルエステル;多価アルコールと多価カルボン酸とのポリエステルポリオールのグリシジルエーテル;グリシジル(メタ)アクルレートやメチルグリシジル(メタ)アクリレートの共重合体;高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化大豆油、エポキシ化ひまし油、エポキシ化ポリブタジエンの如き脂肪族エポキシ樹脂、などが挙げられるが、これらに限定されない。
上記連結鎖または残基(f)を構成する(ポリ)エーテル(ポリ)イソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの2量体、2,6−トリレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチレン)シクロヘキサンの如き脂環式ジイソシアネート、などのポリイソシアネートと、(ポリ)エーテル(ポリ)オールとのウレタン化反応によって得られる(ポリ)エーテル(ポリ)イソシアネート等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ポリイソシアネートとの反応に用いる(ポリ)エーテル(ポリ)オールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールの如きポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロパンジオール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトールの如きアルキレングリコール類の、エチレンオキシド変性物、プロピレンオキシド変性物、ブチレンオキシド変性物、テトラヒドロフラン変性物等が挙げられ、これらの中でも、アルキレングリコール類の各種変性物が好ましい。
更に、ポリイソシアネートとの反応に用いる(ポリ)エーテル(ポリ)オールとしては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、プロピレングリコールとテトラヒドロフランの共重合体、エチレングリコールとテトラヒドロフランの共重合体、ポリイソプレングリコール、水添ポリイソプレングリコール、ポリブタジエングリコール、水添ポリブタジエングリコールの如き炭化水素系ポリオール類;ポリテトラメチレンヘキサグリセリルエーテル(ヘキサグリセリンのテトラヒドロフラン変性物)の如き多価水酸基化合物、などが挙げられるが、これらに限定されない。
上記の連結鎖または残基(g)を構成する(ポリ)エステル(ポリ)イソシアネートとしては、例えば、連結鎖(a)で掲げたポリイソシアネートと、(ポリ)エステル(ポリ)オールとのウレタン化で得られる(ポリ)エステル(ポリ)イソシアネート等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ポリイソシアネートとの反応に用いる(ポリ)エステル(ポリ)オールとしては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトールの如きアルキレングリコール類の、ε−カプロラクトン変性物、γ−ブチロラクトン変性物、δ−バレロラクトン変性物、メチルバレロラクトン変性物;アジピン酸やダイマー酸の如き脂肪族ジカルボン酸と、ネオペンチルグリコールやメチルペンタンジオールの如きポリオールとのエステル化物である脂肪族ポリエステルポリオール;テレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸と、ネオペンチルグリコールの如きポリオールとのエステル化物である芳香族ポリエステルポリオールの如きポリエステルポリオール;ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリテトラメチレンヘキサグリセリルエーテル(ヘキサグリセリンのテトラヒドロフラン変性物)の如き多価水酸基化合物と、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸の如きジカルボン酸とのエステル化物;グリセリンの如き多価水酸基含有化合物と動物・植物の脂肪酸エステルとのエステル交換反応により得られるモノグリセリドの如き多価水酸基含有化合物、などが挙げられるが、これらに限定されない。
上記の連結鎖または残基(h)を構成する(ポリ)エーテル(ポリ)オールとしては上記(a)記載の(ポリ)エーテル(ポリ)オールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
(ポリ)エーテル(ポリ)オールとの炭酸エステル化に用いられる化合物としては、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピルまたはフォスゲン等が挙げられる。また、エポキシドと二酸化炭素の交互重合によってもポリカーボネート化することが出来るが、これらに限定されない。
これらの中でも、R2は、(1)炭素数2〜24直鎖アルキレン基、炭素数2〜24分枝アルキレン基、水酸基を有する炭素数2〜24アルキレン基、シクロアルキレン基、アリール基及びアリールアルキレン基からなる群より選ばれる少なくとも1つの有機基が(a)エーテル結合及び(b)エステル結合からなる群より選ばれる少なくとも1つの結合で結ばれた平均分子量100〜100,000の(A)(ポリ)エーテル連結鎖または(ポリ)エーテル残基、或いは(B)(ポリ)エステル連結鎖または(ポリ)エステル残基が好ましく、中でも特に、(2)炭素数2〜24の直鎖アルキレン基、炭素数2〜24の分枝アルキレン基、水酸基を有する炭素数2〜24のアルキレン基及び/またはアリール基を含む繰り返し単位からなる平均分子量100〜100,000の(ポリ)エーテル連結鎖または(ポリ)エーテル残基、或いは(3)炭素数2〜24の直鎖アルキレン基、炭素数2〜24の分枝アルキレン基、水酸基を有する炭素数2〜24のアルキレン基及び/またはアリール基を含む繰り返し単位からなる平均分子量100〜100,000の(ポリ)エステル連結鎖または(ポリ)エステル残基が好ましい。
近年、活性エネルギー線硬化性組成物において、特に紫外線硬化性組成物の分野では速硬化性が要求されている。その目的のためには、R11及びR12は、各々独立して、炭素数1〜5のアルキレン基であり、G1及びG2は各々独立して−COO−または−OCO−で表されるエステル結合であり、R2が、炭素原子数2〜6の直鎖アルキレン基、炭素原子数2〜6の分枝アルキレン基及び/または水酸基を有する炭素原子数2〜6のアルキレン基を含む繰り返し単位からなる平均分子量100〜1,000の(ポリ)エーテル連結鎖または(ポリ)エーテル残基であるマレイミド化合物(誘導体)を用いることが特に推奨される。
一般式(A)で表されるマレイミド化合物は、例えば、特開2000−211249号などに紹介されているような、既に公知の技術を用いて合成することが出来る。また、これらマレイミド化合物は、前記(メタ)アクリレートモノマー及びまたはオリゴマー、光ラジカル発生剤と併用して用いても良い。
次に、本発明に用いられるポリエン及びポリチオール化合物としては公知の化合物、例えば特開2001−26608号等に記載された化合物が使用できる。
本発明に用いられるポリエンとは、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有する多官能性の化合物をいう。ポリエンとしては、アリルアルコール誘導体、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル類、ウレタン(メタ)アクリレート及びジビニルベンゼン等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
アリルアルコール誘導体としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルアジペート、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリルピロメリテート、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル及びソルビトールジアリルエーテル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル類の中で、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等が挙げられる。
これらの中では、ポリチオールとの反応性の点で、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート及びマレイン酸ジアリルからなる群から選ばれる1種以上のものが好ましく、トリアリルイソシアヌレートがより好ましい。
本発明に用いられるポリチオールとは、1分子中に2個以上のチオール基を有する多官能性の化合物を言う。ポリチオールとしては、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類、脂肪族ポリチオール類及び芳香族ポリチオール類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類の中で、メルカプトカルボン酸としては、チオグリコール酸、α−メルカプトプロピオン酸及びβ−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。又、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等が挙げられる。
脂肪族ポリチオール類及び芳香族ポリチオール類としては、エタンジチオール、プロパンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、デカメチレンジチオール、トリレン−2,4−ジチオール及びキシレンジチオール等が挙げられる。
これらの中では、臭気が少ない点で、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類が好ましい。
また、これらポリエン及びポリチオール化合物は、前記(メタ)アクリレートモノマー及びまたはオリゴマー、光ラジカル発生剤と併用して用いても良い。
本発明に用いられる活性光線硬化型インクは、上述の活性光線硬化型組成物と共に、各種公知の染料及び/または顔料を含有しているが、好ましくは顔料を含有する。
本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I.Pigment Yellow
1,2,3,12,13,14,16,17,73,74,75,81,83,87,93,95,97,98,109,114,120,128,129,138,151,154
C.I.Pigment Red
5,7,12,22,38,48:1,48:2,48:4,49:1,53:1,57:1,63:1,101,112,122,123,144,146,168,184,185,202
C.I.Pigment Violet
19,23
C.I.Pigment Blue
1,2,3,15:1,15:2,15:3,15:4,18,22,27,29,60
C.I.Pigment Green
7,36
C.I.Pigment White
6,18,21
C.I.Pigment Black

また、本発明において、プラスチックフィルムのような透明基材での色の隠蔽性を上げる為に、白インクを用いることが好ましい。特に、軟包装印刷、ラベル印刷においては、白インクを用いることが好ましいが、吐出量が多くなるため、前述した吐出安定性、記録材料のカール・しわの発生の観点から、自ずと使用量に関しては制限がある。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いる照射線硬化型インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
本発明に係るインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。
本発明の画像形成方法では、インク着弾後の硬化雰囲気を不活性ガスで置換する。好ましくは、酸素濃度を不活性ガス置換により0.1%〜10%に制御することが好ましい。硬化雰囲気の酸素濃度を抑えることで、硬化に必要な活性光線のエネルギーを小さくすることができることは公知であるが、本発明では、酸素濃度を抑えることで、紫外線吸収剤の存在下でも十分な硬化性が得られるだけでなく、硬化時のインク収縮や反応熱による記録材料の波うちやしわを抑えることができることを見出した。
硬化雰囲気の酸素濃度を0.1%〜10%に制御する手段としては、例えば、画像形成装置を閉じた系にして、窒素雰囲気や二酸化炭素雰囲気にする方法などがある。窒素の供給手段としては、例えば、窒素ボンベを用いたり、酸素と窒素の中空糸膜に対する透過性の違いを利用し空気中から窒素ガスのみを分離する装置を用いる方法がある。二酸化炭素の供給手段としてもボンベによる供給方法がある。
(インク着弾後の総インク膜厚)
本発明では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、前述した記録材料のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
尚、ここで「総インク膜厚」とは記録材料に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
(インクの吐出条件)
インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
また、本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が2〜15plであることが好ましい。
本来、高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要であるが、この液滴量で吐出する場合、前述した吐出安定性が特に厳しくなる。本発明によれば、インクの液滴量が2〜15plのような小液滴量で吐出を行っても吐出安定性は向上し、高精細画像が安定して形成出来る。
(インク着弾後の光照射条件)
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001秒〜1.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが特に重要となる。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることが出来る。
また、活性光線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、かつ、全印字終了後、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
従来、UVインクジェット方式では、インク着弾後のドット広がり、滲みを抑制のために、光源の総消費電力が1kW・hrを超える高照度の光源が用いられるのが通常であった。しかしながら、これらの光源を用いると、特に、シュリンクラベルなどへの印字では、記録材料の収縮があまりにも大きく、実質上使用出来ないのが現状であった。
本発明では、254nmの波長領域に最高照度をもつ活性光線を用いることもでき、総消費電力が1kW・hr以上の光源を用いても、高精細な画像を形成出来、且つ、記録材料の収縮も実用上許容レベル内に収められる。
本発明においては、更に活性光線を照射する光源の総消費電力が1kW・hr未満であることが好ましい。総消費電力が1kW・hr未満の光源の例としては、蛍光管、冷陰極管、熱陰極管、LEDなどがあるが、これらに限定されない。
次いで、本発明のインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)について説明する。記録装置全体を覆い、閉じた系にすることで、硬化雰囲気を不活性ガスで置換することが可能である。
以下、本発明の記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。尚、図面の記録装置はあくまでも本発明の記録装置の一態様であり、本発明の記録装置はこの図面に限定されない。
図1は本発明の記録装置の要部の構成を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
尚、図1ではヘッドキャリッジ2がホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)、ホワイト(W)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えばUV硬化インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出されるUVインクは色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで開始剤が触媒として作用することに伴なうモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対してUVインクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けてUVインクの吐出を行なった後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してUVインクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3からUVインクを吐出することにより、記録材料P上にUVインク滴の集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましい。特に波長254nmの紫外線を発光する低圧水銀ランプ、熱陰極管、冷陰極管及び殺菌灯が滲み防止、ドット径制御を効率よく行なえ、好ましい。ブラックライトを照射手段4の放射線源に用いることで、UVインクを硬化するための照射手段4を安価に作製することができる。
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってUVインクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(UVインクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。又、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にすると更に好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプ又はフィルターを交換することで適宜変更することができる。
本発明のインクは、非常に吐出安定性が優れており、ラインヘッドタイプの記録装置を用いて画像形成する場合に、特に有効である。
図2は、インクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
図2で示したインクジェット記録装置は、ラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色のインクジェット記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、インク印字面全域をカバーするように配置されている照射手段4が設けられている。照明手段4に用いられる照射光源にはメタルハライドランプ線光源8を用いた。
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
本発明で用いることのできる記録材料としては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの記録材料の中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は、有効となる。これらの基材は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
これら、各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録材料によってインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギーが35〜60mN/mの広範囲の記録材料に良好な高精細な画像を形成できる。
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
《インク組成物の調製》
インク組成
表1〜6記載のインク組成で下記のようにインクを作製した。尚、表中の量を示す数値は質量部を表す。
表に示す種類、量の光重合性化合物及び分散剤をステンレスビーカーに入れ、65℃ホットプレート上で加熱しながら1時間撹拌混合し溶解させる。
これに、表に示す種類、量の色材を入れて、直径1mmのジルコニアビーズ200gと共にポリ瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて2時間分散処理した後、ジルコニアビーズを取り除き、表に示す残余の素材を加えて撹拌混合した。
これをプリンター目詰まり防止のため0.8μmメンブランフィルターで濾過してインクを得た。
Figure 2005279992
Figure 2005279992
Figure 2005279992
Figure 2005279992
Figure 2005279992
Figure 2005279992
尚、表の各記号K〜Lyは以下の通り、
K:濃ブラックインク
C:濃シアンインク
M:濃マゼンタインク
Y:濃イエローインク
W:ホワイト
Lk:淡ブラックインク
Lc:淡シアンインク
Lm:淡マゼンタインク
Ly:淡イエローインク
《インクジェット画像形成方法》
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製した表1〜3に示す各インクK〜Lyを装填し、表7に記載の巾600mm、長さ500mの長尺の各記録材料へ、下記の画像記録を連続して行った。画像データとしては「高精細カラーデジタル標準画像データ『N5・自転車』(財団法人 日本規格協会 1995年12月発行)」を用いた。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。ピエゾヘッドは、2〜15plのマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で吐出できるよう駆動して、各インクを連続吐出した。インクは記録材料に着弾した後、キャリッジ両脇のランプユニットにより瞬時(着弾後1秒未満)に硬化される。記録後、トータルインク膜厚を測定したところ、2.3〜13μmの範囲であった。
また、記録装置全体を密閉し、中空糸膜を用いた窒素発生装置又は活性炭を用いたPSA(Pressure Swing Adsorption)方式にて窒素ガスを系内に注入し、系内の酸素濃度を表7に示す通りに制御した。比較として、窒素ガスを注入しない場合も評価した。
また、全く同様に図2に記載のラインヘッド記録方式のインクジェット記録装置を用い、上記調製した表4〜6に示す各インクK〜Wを用いて、画像を形成した。
Figure 2005279992
なお、表7に記載の各記録材料の略称の詳細は、以下の通りである。
OPP:oriented polypropylene(ユポFGS(ユポ製))
PET:polyethylene terephthalate
PVC:polyvinyl chloride
《インクジェット記録画像の評価》
上記画像形成方法で記録した各画像について、下記の各評価を行った。
(印刷物しわ、カール)
印刷直後に印刷物を手に取り、照射・硬化によりしわやカールが発生していないかを目視評価した。
○:良好
△:やや良好(なんとか実用に耐えられるレベル)
×:悪い、印刷物にしわがよりカールも見られる。
(文字品質)
Y、M、C、K各色インクを用いて、目標濃度で6ポイントMS明朝体文字を印字し、文字のガサツキをルーペで拡大評価し、下記の基準に則り文字品質の評価を行った。
◎:ガサツキなし
○:僅かにガサツキが見える
△:ガサツキが見えるが、文字として判別でき、ギリギリ使えるレベル
×:ガサツキがひどく、文字がかすれていて使えないレベル。
(色混じり(滲み))
720dpiで、Y、M、C、K各色1ドットが隣り合うように印字し、隣り合う各色ドットをルーペで拡大し、滲み具合を目視観察し、下記の基準に則り色混じりの評価を行った。
◎:隣り合うドット形状が真円を保ち、滲みがない
○:隣り合うドット形状はほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない
△:隣り合うドットが少し滲んでいてドット形状が少しくずれているが、ギリギリ使えるレベル
×:隣り合うドットが滲んで混じりあっており、使えないレベル。
(耐光性の評価)
上記評価で得られた試料に対して、23℃/60%RHの環境下でXeランプにより70,000luxの照度で200時間光照射を行い、照射前後の濃度から濃度残存率を以下の式により求めた。
濃度残存率=(光照射後の濃度)÷(光照射前の濃度)×100(%)
この濃度残存率から以下のランクで耐光性を評価した。
○:濃度残存率が90%より大きい
△:濃度残存率が70%より大きく、90%以下
×:濃度残存率が70%以下
○および△を実用上問題ないレベルと判定した。
以上により得られた各評価結果を、表9に示す。
Figure 2005279992
Figure 2005279992
表9から、本発明の構成は、様々な記録材料に非常に安定に、耐光性に優れ、かつ、文字品質が良く色混じりの発生がない高精細な画像を形成することがわかる。
本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す正面図である。 本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
符号の説明
1 記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 記録ヘッド
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
8 メタルハライドランプ線光源
P 記録材料

Claims (9)

  1. インクジェット記録ヘッドより、紫外線吸収剤、光ラジカル発生剤、ラジカル重合性化合物を含有するインクを記録材料上に吐出して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法において、インク着弾後の硬化雰囲気を不活性ガスで置換することを特徴とする画像形成方法。
  2. インク着弾後の硬化雰囲気の酸素濃度を不活性ガス置換により0.1%〜10%に制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. インクジェット記録ヘッドより、紫外線吸収剤、光ラジカル発生剤、ラジカル重合性化合物を含有するインクを記録材料上に吐出して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法において、該ラジカル重合性化合物としてマレイミド骨格を含む化合物を含有することを特徴とする画像形成方法。
  4. インクジェット記録ヘッドより、紫外線吸収剤、光ラジカル発生剤、ラジカル重合性化合物を含有するインクを記録材料上に吐出して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法において、該ラジカル重合性化合物としてポリエン化合物及びポリチオール化合物を含有することを特徴とする画像形成方法。
  5. インクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. インクが着弾し、活性光線照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が2〜15plであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  8. 紫外線吸収剤が下記一般式(C)で表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤、および下記一般式(D)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
    Figure 2005279992
    (式中、R21、R22は、それぞれ置換されていても良いアルキル基およびアリール基、−OR23、−NR24(R25)、−SR26、−COX2、シアノ基、ニトロ基、およびハロゲン原子を表す。ここでX2は−OR27、−NR28(R29)を表し、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29は、それぞれ水素原子、置換されていても良いアルキル基およびアリール基を表す。m1は0〜4までの整数を表し、m2は0〜5までの整数を表し、m1が2以上の場合、複数のR21は同一であっても異なっていても良く、m2が2以上の場合、複数のR22は同一であっても異なっていても良い。)
    Figure 2005279992
    (式中、R31、R32は、それぞれ置換されていても良いアルキル基およびアリール基、−OR33、−NR34(R35)、−SR36、−COX3、シアノ基、ニトロ基、およびハロゲン原子を表す。ここでX3は−OR37、−NR38(R39)を表し、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39は、それぞれ水素原子、置換されていても良いアルキル基およびアリール基を表す。n1およびn2はそれぞれ独立に0〜4までの整数を表し、n1が2以上の場合、複数のR31は同一であっても異なっていても良く、n2が2以上の場合、複数のR32は同一であっても異なっていても良い。)
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置であって、活性光線硬化型インク及び記録ヘッドを35〜80℃に加熱した後、吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
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