JP2005279966A - 液体流れ検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】特殊なインクを用いず、インク供給を妨げることなくインク流れをより確実に検出可能にする。
【解決手段】液体流れ検出装置500は、インク8と異なる液体512を貯蔵する液体タンク511、圧力室102と共通流路112とを接続するよう圧力室102の上流側に設けられ光を透過する部材で構成された円管である検出部516、液体タンク511からの液体512を検出部516に注入する注入路514、注入路514を介して液体512を液体タンク511から検出部516に注入させるポンプ513を備えている。さらに、液体流れ検出装置500は、検出部516に対向する照明レンズ518に光を照射する光源515、検出部516を透過した光を集光する集光レンズ519、集光レンズ519の集光した光から流路を通過する液体の光量、分光透過率又は分光反射率を検知するセンサ517を備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、インクジェットプリンタの吐出口にインクなどの液体を供給する流路で液体が流れているか否かを検出する装置に関する。
従来、インクジェットプリンタなどで使用される液体インクの流れを検出する技術として、例えば特許文献1〜3に記載のものがある。特許文献1によると、供給タンクに液面検出器を設け、液面が任意設定の液面から第2の任意設定の液面Aに到達したとき、第1液面検出器が作動して時間間隔を初期設定する信号を制御器に送る。引き続き液面が降下して第3の任意設定の液面Bに到達したとき第2液面検出器が作動して時間間隔の測定を停止する信号を制御器に送る。制御器は測定した時間間隔と基準流れ時間とを比較し、必要に応じて溶剤を供給タンクに加える。液面検出器は例えば磁気的フロートである。特許文献2によると、白金線などの細線をインクの供給路の中心をさえぎるように横架し、細線に定電流を流すことで加熱する。細線の周囲の液体が流れると細線が冷却されて電気抵抗が変化する。この抵抗の変化を検知することで供給路中のインクの流れを検知できる。特許文献3によると、インク容器中の導電性インクに電荷を付与し、インクがノズルに供給されることで発生する電流を電流計で検出する。予め既知のインク流量と電流値を求めておけば検出した電流からインク流量を検出できる。
特開平2−6143号公報 特開平3−5155号公報 特開平9−201980号公報
ところが、特許文献1では検出したい液面ごとに磁気的フロートなどを設置する必要があり、緻密な流量変化の検出が困難であり汎用性に乏しい。また、特許文献2では流路中に細線を設置するため、インクが詰まる原因となる。さらに、特許文献3では導電性インクを使用しなければならず、やはり汎用性に乏しい。このような問題点に鑑み、本発明は特殊なインクを用いず、インク供給を妨げることなくインク流れをより確実に検出可能にすることを目的とする。
上述の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、第1の液体を貯蔵する第1液体タンクと、前記第1の液体を吐出する吐出口が配列されている液体吐出ヘッドと、前記第1液体タンクから前記吐出口へ前記第1の液体を供給する流路と、前記第1の液体と異なる第2の液体を前記流路の所定の部位から前記流路に注入する注入手段と、前記所定の部位よりも前記吐出口側に配置され、前記第2の液体を検出可能な検出手段と、を備える液体流れ検出装置である。
上記発明によると、液体吐出ヘッドに第1の液体を供給する流路内の所定の部位から第1の液体と異なる第2の液体を注入する。この所定の部位よりも吐出口側に近接する流路内の部位である検出部位において第2の液体を検出する。第2の液体が所定の部位から検出部位まで第1の液体の移動に伴って移動し、検出部位において第2の液体を検出できれば、第1の液体が流路を移動していると判断できる。このように、第1の液体に特殊な組成を付与しなくても第1の液体の移動を検出できる。よって、第1の液体の組成の自由度が広がる。
インクが正常に吐出できない状態では、このような検出部位におけるインクの流速(平均流速)は止まってしまうか、あるいは正常時に比べて遅くなる。ピエゾアクチュエータなどのインク吐出手段の動きに対応させて流速をさらに詳細に観測してみると、インク吐出手段の動きによってインクが進まずにただ往復運動する様子が検出される。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の液体流れ検出装置において、前記注入手段は前記注入する第2の液体の量を調整可能である。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の液体流れ検出装置において、前記所定の部位は液滴を吐出するために液滴を加圧する圧力室の上流側に配置された内径Dの円管の検出流路であり、D≦200μm、D/3≦L≦Dとするとき、前記注入手段は前記円管の内径Dで円管の長さLに相当する容積の第2の液体を注入する。
このように第2の液体の注入容積の範囲を設定することで、画像記録への影響が発生しない程度の第2の液体の注入量を設定できる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の液体流れ検出装置において、前記円管の内径Dで円管の長さLに相当する容積と略同一量に調整した前記第2の液体の前記検出手段による検出に基づいて前記第1の液体の移動量又は移動速度を算出する算出手段をさらに備える。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の液体流れ検出装置において、前記注入手段は、前記流路において前記第1の液体が略静止しているか又は流速が略最小のタイミングで前記第2の液体を注入する。
第2の液体を確実に検出できるよう、第2の液体は、第1の液体と混合してしまう前の状態で検出することが好ましい。従って、第2の液体は、流路において第1の液体が略静止しているか又は流速が略最小のタイミングで注入することが好ましい。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の液体流れ検出装置において、前記注入手段は前記吐出口から前記第1の液体が1回〜50回程度吐出される毎に前記第2の液体を注入する。
請求項7に係る発明は、請求項5に記載の液体流れ検出装置において、前記注入手段は前記インクジェットプリンタの副走査方向に沿って前記第1の液体が画像記録媒体に0.5mm以下記録される毎に前記第2の液体を注入する。
請求項8に係る発明は、請求項6又は7に記載の液体流れ検出装置において、前記第2の液体が注入される時間間隔内に前記吐出口から吐出される前記第1の液体及び前記第2の液体の合計吐出量Qに対して、前記第2の液体の注入量L0はL0≦Q/2を満たす。
円管における第1の液体の長さと第2の液体の長さとの比を2:1以下とすることで第2の液体の検出感度を向上させることができる。
請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の液体流れ検出装置において、前記検出手段は、前記第1の液体及び前記第2の液体から測定される物理的性質の差異に基づいて前記第2の液体又は前記第1の液体を検出する。
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の液体流れ検出装置において、前記物理的性質の差異は前記第1の液体と前記第2の液体の分光透過率、分光反射率、超音波透過率、電気抵抗値又は電磁気に関する物理量の差異である。
ここで、第2の液体の検出は、第1の液体及び第2の液体から測定される物理的性質の差異、具体的には第1の液体と第2の液体の分光透過率、分光反射率、超音波透過率、電気抵抗値又は電磁気に関する物理量の差異に基づいて行うことができる。このようにすれば、安価な構成で第1の液体の移動を検出できる。
請求項11に係る発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の液体流れ検出装置において、前記液体吐出ヘッドは1次元又は2次元に配列されており、前記検出手段は前記配列に従い前記液体吐出ヘッドの流路の各検出部位に光を順次照射し、前記照射時の各検出部位の光量を測定し、前記測定された光量に基づいて各検出部位の第2の液体又は前記第1の液体を検出する。
請求項12に係る発明は、請求項1〜11のいずれかに記載の液体流れ検出装置において、前記第2の液体は前記第1の液体の組成の少なくとも一部と同一の組成を含む。
請求項13に係る発明は、請求項1〜11のいずれかに記載の液体流れ検出装置において、前記第2の液体は揮発性物質である。
請求項14に係る発明は、請求項1〜11のいずれかに記載の液体流れ検出装置において、前記第2の液体は水である。
第1の液体の吐出に影響を与えないようにするため、第2の液体は第1の液体の組成の少なくとも一部と同一の組成を含むことが好ましい。あるいは、第2の液体は揮発性物質であることが好ましい。あるいは、第2の液体は水であることが好ましい。
請求項15に係る発明は、請求項12〜14のいずれかに記載の液体流れ検出装置において、前記第1の液体と前記第2の液体とを混合する混合手段をさらに備える。
上記発明によると、液体吐出ヘッドに第1の液体を供給する流路内の所定の部位から第1の液体と異なる第2の液体を注入する。この所定の部位よりも吐出口側に近接する流路内の部位である検出部位において第2の液体を検出する。第2の液体が所定の部位から検出部位まで第1の液体の移動に伴って移動し、検出部位において第2の液体を検出できれば、第1の液体が流路を移動していると判断できる。このように、第1の液体に特殊な組成を付与しなくても第1の液体の移動を検出できる。よって、第1の液体の組成の自由度が広がる。
以下、添付した図面を参照し本発明の好ましい実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置10の全体構成図である。
インクジェット記録装置10は、記録紙14に液滴を吐出して画像等のデータを記録するプリンターであって、記録紙14を供給する給紙部12、記録紙14のカールを除去するデカール処理部16、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッドからインク滴を吐出させ記録紙14上に画像等のデータを記録する印字部50、印字部50のノズル面(インク吐出面)に対向して設けられ、記録紙14の平面性を保持しながら記録紙14を搬送する吸着ベルト搬送部20、印字部50による印字結果を読み取る印字検出部22、印字された記録紙14に後処理を施す後乾燥部24及び印字された記録紙14を外部に排出する排出部26を備えている。
図1には給紙部12の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、複数の用紙を利用可能な構成にした場合には、紙幅や紙質の異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットを備えてもよい。
複数の記録紙14を利用可能な構成では、記録紙14の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録紙14の種類を自動的に判別し、記録紙14の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
ロール紙を使用する装置構成では、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)34が設けられており、カッター34によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター34は、少なくとも記録紙14の搬送路幅以上の長さを有する固定刃34Bと固定刃34Bに沿って移動する丸刃34Aとから構成されており、印刷裏面側に固定刃34Bが設けられ、搬送路を挟んで印刷面側に丸刃34Aが設けられている。カット紙を使用する場合にはカッター34は不要である。
給紙部12から送り出された記録紙14は、マガジンに巻き付けられていることにより巻きくせが残りカールする。このカールを除去するために、デカール処理部16においてマガジンの巻きくせ方向と逆方向に加熱ドラム30で熱を与える。このとき、多少印刷面外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙14は吸着ベルト搬送部20に送られる。吸着ベルト搬送部20は、ローラー36、38間に無端状の搬送ベルト40が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部50のノズル面及び印字検出部22のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
搬送ベルト40は記録紙14の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。ローラー36、38に掛けられた搬送ベルト40の内側の印字部50のノズル面及び印字検出部22のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー42が設けられており、この吸着チャンバー42をファン44で吸引して負圧にすることによって搬送ベルト40上の記録紙14が吸着保持される。
搬送ベルト40が巻かれているローラー36、38の少なくとも一方にモータ(不図示、図6中符号214として記載)の動力が伝達されることにより、搬送ベルト40は図1の時計回り方向に駆動され、搬送ベルト40上に保持された記録紙14は図1の左から右へと搬送される。
縁なしプリント等を印字すると搬送ベルト40にもインクが付着するので、搬送ベルト40の所定の位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部46が設けられている。ベルト清掃部46の構成について詳細には図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、給水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式ではベルト線速度とローラー線速度とを変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部20に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印刷領域をローラー・ニップ搬送すると、印刷直後に記録紙14の印刷面にローラーが接触し、画像がにじみ易いという問題があり、記録紙14の印刷領域では印刷面をローラーに接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部20により形成される搬送路上において印字部50の手前側(上流側)には加熱ファン49が設けられている。加熱ファン49は、印字前の記録紙14に加熱空気を吹き付け、記録紙14を加熱する。印字直前に記録紙14を加熱しておくことにより、インクが記録紙14に着弾後乾き易くなる。
印字部50は、最大紙幅に対応する長さを有する印字ヘッド(ラインヘッド)50K、50C、50M、50Yを記録紙14の搬送方向(副走査方向)と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルラインヘッドとなっている。
詳細な構造は後述するが、各印字ヘッド50K、50C、50M、50Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙14の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出孔(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。記録紙14の搬送方向(紙送り方向)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド50K、50C、50M、50Yが配置されている。記録紙14を搬送しつつ各印字ヘッドからそれぞれの色インクを吐出することにより記録紙14上にカラー画像を形成し得る。
なお、本例では、KCMYの標準色の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部52は、各印字ヘッド50K,50C,50M,50Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは不図示の管路を介して各印字ヘッド50K,50C,50M,50Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部52は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部22は、ノズルの目詰まりなどの吐出不良をチェックするための手段であり、打滴結果を撮像するためのイメージセンサを含んでいる。本実施形態の印字検出部22は少なくとも各印字ヘッドによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサが用いられている。このように本発明のインク流れ検出とは別に最終的に印字結果を検出する印字検出部22を備えることで詳細な画質も確認できる。
印字検出部22の後段には後乾燥部24が設けられている。後乾燥部24は、印字された印字面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字のインクが乾くまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のぺーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
加熱・加圧部60は画像表面の光沢度を制御するために、印字面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー62、64で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り替える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター34と同様であり、固定刃48Bと丸刃48Aとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソーターが設けられる。なお、符号26Bはテスト印字排出部である。
次に、印字ヘッドの構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド50K,50C,50M,50Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図2(a) は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図2(b) はその一部の拡大図である。また、図2(c)は印字ヘッド50の他の構造例を示す平面透視図である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図2(a) 〜(c)に示したように、インク滴が吐出するノズル100と、各ノズル100に対応する圧力室102等からなる複数のインク室ユニット104を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
すなわち、本実施形態における印字ヘッド50は、図2(a) ,(b) に示すように、インクを吐出する複数のノズル100が印字媒体送り方向と略直交する方向に印字媒体の全幅に対応する長さにわたって配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。
また、図2(c) に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、印字媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。各ノズル100に対応して設けられている圧力室102は、その平面形状が略正方形となっており、対角線上の両隅部に供給口110が設けられている。
図3は、印字ヘッド50周辺の概略構成を示す。印字ヘッド50の記録紙14と対向する面には、ノズル100が複数配列されている。説明の簡略のため、この図では1つのノズル100のみを示している。各圧力室102は供給口110を介して共通流路112と連通されている。ノズル100には、インク供給タンク150から共通流路112を介してインク8が供給される。圧力室102の天面を構成している加圧板114には個別電極116を備えたアクチュエータ118が接合されており、個別電極116に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ118が変形して吐出口4からインク8が記録紙14に向けて吐出され、画像が記録される。インク8が吐出されると、共通流路112から供給口110を通って新しいインク8が圧力室102に供給される。
図4に示す如く、かかる構造を有する多数のインク室ユニット104は主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット104を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなる。
すなわち、主走査方向については、各ノズル100が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。以下、説明の便宜上、ヘッドの長手方向(主走査方向)に沿って各ノズル100が一定の間隔(ピッチP)で直線状に配列されているものとして説明する。
なお、用紙(記録紙14)の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン又は1個の帯状を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図4に示すようなマトリクス状に配置されたノズル100を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル100-11 、100-12 、100-13 、100-14 、100-15 、100-16 を1つのブロックとし(他にはノズル100-21 、…、100-26 を1つのブロック、ノズル100-31 、…、100-36 を1つのブロック、…として)記録紙14の搬送速度に応じてノズル100-11 、100-12 、…、100-16 を順次駆動することで記録紙14の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン1列のドットによるライン又は複数列のドットからなるラインの印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。
図5はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インク供給タンク150はインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部52に設置される。インク供給タンク150の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図5のインク供給タンク150は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部52と等価のものである。
図5に示したように、インク供給タンク150と印字ヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルター152が設けられている。フィルター・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図5には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル100の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ156と、ノズル100面の清掃手段としてのクリーニングブレード162とが設けられている。
これらキャップ156及びクリーニングブレード162を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ156は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ156を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面(インク吐出面)をキャップ156で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル100の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、ピエゾアクチュエータが動作してもノズル100からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(ピエゾアクチュエータの動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)ピエゾアクチュエータを動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ156(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き)が行われる。
また、印字ヘッド50内のインクに気泡が混入した場合、アクチュエータが動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合には印字ヘッド50にキャップ156を当て、吸引ポンプ164で圧力室102内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク166へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室102内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード162は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード162をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル100内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
次に、インクジェット記録装置10の制御について説明する。
図6はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10のシステム制御部200は、ホストコンピュータ202から送られてくるデータを取得する通信インターフェース204、該画像データに基づいて各部を統括制御するシステムコントローラ206、印字ヘッドの制御を行うプリント制御部208及び画像メモリ210、画像バッファメモリ212から構成されている。
ホストコンピュータ202から送出された画像データは通信インターフェース204を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ210に記憶される。取り込まれた画像データは展開され、吸着ベルト搬送部20のモータ214やヒーター216を制御する搬送系制御信号が生成される。搬送系制御信号はシステムコントローラ206からモータドライバ218及びヒータードライバ220へ加えられる。
プリント制御部208では、画像メモリ210から送られた画像データを印字ヘッド50へ出力するための各種加工、補正などの処理が行われる。プリント制御部208で必要な処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ222を介して印字ヘッド50のインク滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。また、必要に応じて印字検出部22から得られる情報に基づいて、印字ヘッド50に対する各種補正を行うこともある。プリント制御部208には画像データ処理時に画像データやパラメータなどを一時的に格納する画像バッファメモリ212が備えられている。
通信インターフェース204にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。
システムコントローラ206はCPU(演算部)と画像処理用IC(DSP)、メモリコントローラから構成してもよいし、これらの機能をワンチップ化したIC(プロセッサ)で構成してもよい。
画像メモリ210にはRAMが適用されるが、半導体素子だけでなくハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
画像バッファメモリ212はプリント制御部208に付随して設けられている態様を例示したが、画像メモリ210と兼用することも可能である。また、プリント制御部208に用いられるプロセッサに内蔵されているメモリを用いてもよい。
ヘッドドライバ222はプリント制御部208から画像データに基づいて各色ヘッドのアクチュエータ(図3の符号118)を駆動する。ヘッドドライバ222にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部22はプリントされた画像を読み取り、所定の信号処理を行った後、各ノズルの吐出の有無や打滴ばらつきなどの印刷状況を検出してプリント制御部208に送出する。
再び図3を参照すると、印字ヘッド50には、液体流れ検出装置500が設けられている。液体流れ検出装置500は、インク8と異なる液体512を貯蔵する液体タンク511、圧力室102と共通流路112とを接続するよう圧力室102の上流側(インク供給タンク150側)に設けられ光を透過する部材で構成された内径Dの円管である検出部516、液体タンク511からの液体512を検出部516に注入する注入路514、注入路514を介して液体512を液体タンク511から検出部516に注入させるポンプ513を備えている。さらに、液体流れ検出装置500は、検出部516に対向する照明レンズ518に光を照射する光源515、検出部516を透過した光を集光する集光レンズ519、集光レンズ519の集光した光から流路を通過する液体(即ちインク8又は液体512)の光量、分光透過率又は分光反射率を検知するセンサ517を備えている。なお、ここでは開示しないが、光源515から検出部516までの間に、インク8又は液体512を透過又は反射した光を制限する各液の流れ方向に幅の狭いスリットを設けることが望ましい。これによって各液の検出精度を高めることができる。ポンプ513の駆動のタイミングはプリント制御部208により制御される。
ポンプ513は、プリント制御部208の制御に応じ、注入する液体512の量を適宜調整できる。例えば、注入路514と接続された検出部516が直径約30μm程度の円管である場合、検出部516の長さ方向に10μmの幅で液体512を注入すると約7plの液量となるよう調整できる。一般に、検出部516の内径D≦200μm、D/3≦L≦Dとすると、円管の内径Dで円管の長さLに相当する容積πL(D/2)^2の液体512を注入すれば、インク8による記録紙14への画像記録に支障をきたさず、かつ液体512を検出するのに十分な量となる。以下、液体512の注入量をL0で表す。
液体512の種類はインク8の吐出及び記録紙14への画像記録に支障をきたさないものが好ましく、水やインク8の成分の一部である。例えばインク8が水性インクであれば、液体512はイソプロパノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン、尿素、トリエタノールアミン、AF337(プロキセル)、AF101(酸化防止剤)、オレフィンのいずれか、またはこれらの内の2つ以上の混合物である。液体512の組成をインク8の成分の一部と同一にすれば、液体512とインク8が自然拡散あるいはアクチュエータ118の動作で混合して吐出されても画像記録に支障をきたす可能性が少なく好ましい。あるいは、液体512はインク8とともに吐出された後速やかに揮発するような揮発性の高いもの、具体的にはインク8の揮発成分であることが好ましい。この場合、ポンプ513はプリント制御部208の制御に応じ、印字ヘッド50周辺の気温、相対温度、絶対温度、インク8の揮発成分の飽和蒸気圧、印字ヘッド50の温度、印字量(ドット数の多さ)など、液体512が揮発しやすい条件である場合、液体512の注入量を増加してもよい。このように液体512の注入量を増せば、さらに液体512の検出が確実となる。
なお、注入された液体512は、アクチュエータ118を駆動することでノズル100の圧力室102内でインク8と混合させてもよい。この混合はインクの吐出時だけでなく非吐出時に行ってもよい。なお、液体512とインク8を混合すると画像記録に支障をきたすおそれのある場合、検出部516よりも圧力室102に近接する共通流路112の一部にドレーンを設け、注入された液体512を排出してもよい。
図7はプリント制御部208によるアクチュエータ118及びポンプ513の駆動のタイミングチャートである。このうち図7(a)はアクチュエータ118の駆動タイミングであり、プリント制御部208はアクチュエータ118に対して時間t1にインク供給タンク150からインク8の供給を開始させるタイミングを出力する。アクチュエータ118はこのタイミングに基づいてノズル100の圧力室102に陰圧を加えてインク8の供給を受ける。次に、プリント制御部208はアクチュエータ118に対して時間t2にノズル100からのインク8の吐出を開始させるタイミングを出力する。アクチュエータ118はこのタイミングに基づいてノズル100の圧力室102に陽圧を加えてインク8を吐出させる。以下同様にしてプリント制御部208は周期Tごとにインク8の供給及び吐出を開始させるタイミングを出力する。図7(b)はポンプ513の駆動タイミングの一例である。この図によると、プリント制御部208は、アクチュエータ118によるインク8の供給が開始するタイミングt1からインク8の吐出が開始するタイミングt2までのタイミングでありかつ圧力室102でインク8が略静止しているか又はインク8の流速が最小のタイミングt1+Δt1(即ちt1<t1+Δt1<t2)でポンプ513に液体512の注入を開始させるタイミングを出力する。図7(c)はポンプ513の駆動タイミングの他の例である。この図によると、プリント制御部208は、アクチュエータ118によるインク8の吐出が開始するタイミングt2から次の周期のインク供給が開始するタイミングT+t1までのタイミングでありかつ圧力室102のインク8が略静止しているか又はインク8の流速が最小のタイミングt2+Δt2(即ちt2<t2+Δt2<T+t1)でポンプ513に液体512の注入を開始させるタイミングを出力する。上述のように図7(b)及び(c)のタイミングt1+Δt1、t2+Δt2は圧力室102のインク8が略静止しているか又はインク8の流速が最小のタイミングである点で共通しているが、比較的長くインク8が略静止しているか又はインク8の流速が最小の時間間隔に含まれるタイミングt2+Δt2でポンプ513を駆動させることが好ましい。具体的には、アクチュエータ118の駆動周波数1/T=10kHzの場合、インク8が略静止しているか又はインク8の流速が最小の時間間隔は周期Tの10〜20%程度の時間即ち10〜20μsecであり、この間にポンプ513に液体512の注入を開始させるタイミングを出力すればよい。以上のように、インク8が略静止しているか又は流速が略最小のタイミングで液体512を注入すれば液体512がインク8と混合する前に検出部516まで移動する可能性が高まり、液体512の検出の精度が高まる。
なお、ポンプ513による液体512の注入の周期T’はインク8の吐出量あるいは吐出周期に合わせて調整すればよい。例えば、2400dpiの解像度で画像記録するフルラインヘッドインクジェットプリンタにおいて、1回のインク8の吐出量が2pl程度の場合、10回程度の吐出で表現される記録紙14上の画像の長さは副走査方向に沿って0.0.5mm以下に過ぎない。このため、インク8を1〜50回程度、望ましくは1〜20回程度吐出するごとに液体512を注入すれば液体512の検出(即ち吐出が正常であることを検出)には十分であり、しかも画像の視認性に支障を生じない範囲内で吐出の正常/異常を検出できる。また、液体512の注入の周期T’内に吐出口4から吐出されるインク8及び液体512の合計吐出量Qに対して、液体512の注入量L0がL0≦Q/2を満たすように液体512を注入すれば、円管の検出部516におけるインク8の長さと液体512の長さとの比率を2:1以下とすることができ、液体512の検出分解能が向上する。
センサ517は、光源515から検出部516を透過した光の光量の変化あるいは分光率の変化を検出する。プリント制御部208は、この変化に基づき検出部516を移動したインク8の移動速度を算出する。具体的には、プリント制御部208は上記変化が始まった時間T0(図8(a)参照)と上記変化が終了した時間T1(図8(b)参照)との差ΔT0=T1−T0を図示しない半導体メモリなどに記憶する。そして、液体512の注入量L0をΔT0で割った値V0=L0/ΔT0をインク8の単位時間当たりの体積速度として算出する。さらにプリント制御部208は、T又はTの整数倍の時間におけるV0の平均値E(V0)について、E(V0)≠0又は吐出しているインク8の量からばらつき分を減じた閾値Vdに対し、E(V0)≧Vdであればインク8がノズル100から吐出されている(即ち吐出口4が詰まっておらず、正常)と判断し、E(V0)≒0又はE(V0)<Vdであればインク8がノズル100から吐出されていない(即ち吐出口4が詰まっており、異常)と判断する。なお、0<E(V0)<Vdであるのは、ノズル100付近にインク8が付着し、正常吐出はできないがインク8は流れている状態である。あるいは、プリント制御部208は、予め正常時のインク8の移動速度を測定しておき、これを算出されたV0と比較することでインク8が共通流路112で正常に流れているか否かを判断してもよい。さらに、プリント制御部208は、算出された移動速度V0からインク8の移動量を算出してもよい。例えば、インク8の吐出周期TにE(V0)を乗じた値T×E(V0)をインク8の1回の吐出量として算出してもよい。
[第2実施形態]
図9は、本発明の他の実施形態に係る印字ヘッド周辺の概略を示す。この印字ヘッド50には、第1実施形態と同様、液体流れ検出装置500が設けられている。ただし、本実施形態の液体流れ検出装置500は、インク8の移動方向である検出部516に沿って離間して設置された2つの光源515a、515b及びそれらに対応する光を照射する照射レンズ518a、518b、照射レンズ518a、518bの光を集光する集光レンズ519a、519b、集光レンズ519a、519bの集光した光を検知する2つのセンサ517a、517bを有している。さらに、検出部516は、光源515aの放つ光がセンサ517bにより検出されないよう、また光源515bの放つ光がセンサ517aにより検出されないよう(即ち光源515a、515bの放つ光がそれぞれセンサ517a、517bのみに検出されるよう)光源515a、515bの放つ光の投射方向をそれぞれセンサ517a、517bの設置方向に制限するスリット(図示せず)を有している。その他、第1実施形態と同様の構成は同一の符号で表している。
この液体流れ検出装置500は、第1実施形態と異なり、インク8が流れる方向も検出できる。例えば、図10(a)に示すように、液体512がインク供給タンク150から吐出口4へ向かう方向D1に検出部516を流れる場合、センサ517aが上記変化を検知した時間T0よりもセンサ517bが上記変化を検知した時間T1が後になる。逆に、液体512が吐出口4からインク供給タンク150へ向かう方向D2に検出部516を流れる場合、センサ517bが上記変化を検知した時間T0’よりもセンサ517aが上記変化を検知した時間T1’が後になる。即ち、センサ517a、517bがそれぞれ上記変化を検知した時間の前後からインク8が流れる方向を検出できる。これにより、圧力室102にインク8を供給する際に生じるインク8の移動D1と、圧力室102からインク8を吐出する際に生じるインク8のインク供給タンク150への逆流D2とを区別でき、単にインク8が逆流しているにもかかわらずインク8が正常に流れていると判断することを防げる。
[第3実施形態]
上述の第1及び2実施形態では、センサ517は光源515からの光の光量、分光透過率の変化を検出していたが、検出部516で分光反射率の変化を検出するようにしてもよい。具体的には、光源515をセンサ517と同一側に配置して検出部516の一方側を照射し、集光レンズ519で検出部516の一方側からの反射光を集光し、センサ517は反射光から分光反射率の変化を検出するようにしてもよい。あるいは、上記に限らず、センサ517は液体512をインク8に注入することで観測できる各種の物理量の変化を検出する機能を有していてもよい。例えば、図11(a)に示すように、検出部516の周囲に磁束密度計やガウスメーターをセンサ517として設置しておき、電荷を付与した導電性の液体512を検出部516に注入して検出部516の磁気変化を計測・検出してもよい。あるいは、図11(b)に示すように、検出部516の内部に電極Eを設置しておき、この電極Eに抵抗計517を接続する。そして、導電性の液体512を検出部516に注入し、電気抵抗の変化を計測・検出してもよい。あるいは、図11(c)に示すように、光源515の代わりにピエゾ素子などで構成されており所定の周波数の超音波を発生する超音波発生装置521と、ピエゾ素子などで構成され超音波発生装置521からの超音波を検出するセンサ517を検出部516を挟んで設置する。超音波発生装置521及びセンサ517は狭指向性を有することが好ましい。そして、インク8と超音波透過率の異なる液体512を検出部516に注入し、センサ517で超音波透過率の変化を検出すればよい。あるいは、図11(d)に示すように、光源515と、光源515からの光を検出部516に照射する照射レンズ518と、CCDセンサやCMOSセンサなどの複数の画像センサ517a、517b、517c・・と、照射レンズ518からの光による検出部516の像Ra、Rb、Rc・・を複数の画像センサ517a、517b、517c・・に結像させる結像レンズ520とを検出部516に沿って設置し、検出部516を流れるインク8と液体512との境界を撮影することで液体512の移動をとらえ、この撮影結果に基づいてインク8の移動を検出してもよい。なお、図11(d)では、画像センサ517に対し像を結ぶために結像レンズ520を用いているが、検出部516の側壁と画像センサ517とを密着できる場合は、結像レンズ520は必ずしも必要でない。
[第4実施形態]
第1実施形態に示すような圧力室102が格子状に並んでいる所謂マトリックスヘッド等、圧力室102が1次元又は2次元に複数配列されている場合、各圧力室102に通じる検出部516の各々に1つの光源515から発せられるレーザ光を上記配列に従ってポリゴンスキャナ等により可及的速やかに順次照射し、各検出部516を透過した光をライトガイド等で1つのセンサ517に集め、その光量を個別に測定する。その光量が、検出部516にインク8のみが存在している場合と比較して変化している場合、検出部516に液体512が移動したと判断でき、吐出が正常と判断できる。
[第5実施形態]
第1実施形態に示すような印字ヘッド50において、記録紙14に記録する画像の濃淡に応じて液体512の注入量を調整してもよい。例えば、記録紙14に記録する画像を薄くする場合、液体512の注入量を増加させてもよい。一方、記録紙14に記録する画像を濃くする場合、液体512の注入量を減少させてもよい。ただし、いずれにせよ、圧力室102内のインク8の量は、吐出回数に換算して通常100回程度であるので、液体512の注入量をポンプ513の制御により調整して変化させても、吐出口4から吐出されるインク8の濃淡への影響は小さい。このため、液体512の注入量の調整による画像の濃淡の調整は、穏やかな画像の濃度変化に適しており、特に画像全体のダイナミックレンジ拡大やハイライト部の粒状感の低減に適している。
[第6実施形態]
第1実施形態に示すような印字ヘッド50において算出されたインク8の移動速度の平均値E(V0)≒0又はE(V0)<Vdであった場合、あるいは第2実施形態に示すような印字ヘッド50においてインク8の正常時より過大なインク供給タンク150への逆流D2が検出された場合など吐出口4の詰まりが発生した場合や、その他任意のメンテナンス時において、液体512を検出部516に連続的に注入し、検出部516、圧力室102、吐出口4を洗浄してもよい。この場合、液体512は、汚れを洗浄しやすい成分、インク8を溶解しやすい成分、気泡を溶解しやすい成分をインク8よりも多く含むことが好ましく、具体的には液体512は水であることが好ましい。洗浄後は、検出部516、圧力室102、吐出口4に注入された液体512が全てインク8に置換するまでインク8をインク供給タンク150から供給することが好ましい。あるいは、ポンプ513の発生する圧力を用いて検出部516、圧力室102、吐出口4から強制的に気泡や異物を除去してもよい。
以上、本発明のインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置について詳細に説明したが、本発明は以上の例には限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改良や変形を行ってもよいのは言うまでもない。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 図2(a)の要部拡大図 印字ヘッドの他の構造例を示す平面透視図 第1実施形態に係る印字ヘッド周辺の概略構成図 図2(a)に示した印字ヘッドのノズル配列を示す拡大図 図1に示したインクジェット記録装置のインク供給部のブロック図 図1に示したインクジェット記録装置のシステム構成図 アクチュエータ及びポンプの駆動のタイミングチャート 光源からの光量変化開始と終了を模式的に示した図 第2実施形態に係る印字ヘッド周辺の概略構成図 検出部を流れる液体の方向とセンサの位置関係を示す図 液体の物理量を検出するためのセンサの他の構成を示す図
符号の説明
500・・液体流れ検出装置、512・・液体、513・・ポンプ、514・・注入路、515・・光源、516・・検出部、517・・センサ、521・・超音波発生装置

Claims (15)

  1. 第1の液体を貯蔵する第1液体タンクと、
    前記第1の液体を吐出する吐出口が配列されている液体吐出ヘッドと、
    前記第1液体タンクから前記吐出口へ前記第1の液体を供給する流路と、
    前記第1の液体と異なる第2の液体を前記流路の所定の部位から前記流路に注入する注入手段と、
    前記所定の部位よりも前記吐出口側に配置され、前記第2の液体を検出可能な検出手段と、
    を備える液体流れ検出装置。
  2. 前記注入手段は前記注入する第2の液体の量を調整可能である請求項1に記載の液体流れ検出装置。
  3. 前記所定の部位は液滴を吐出するために液滴を加圧する圧力室の上流側に配置された内径Dの円管の検出流路であり、D≦200μm、D/3≦L≦Dとするとき、前記注入手段は前記円管の内径Dで円管の長さLに相当する容積の第2の液体を注入する請求項2に記載の液体流れ検出装置。
  4. 前記円管の内径Dで円管の長さLに相当する容積と略同一量に調整した前記第2の液体の前記検出手段による検出に基づいて前記第1の液体の移動量又は移動速度を算出する算出手段をさらに備える請求項3に記載の液体流れ検出装置。
  5. 前記注入手段は、前記流路において前記第1の液体が略静止しているか又は流速が略最小のタイミングで前記第2の液体を注入する請求項1〜4のいずれかに記載の液体流れ検出装置。
  6. 前記注入手段は前記吐出口から前記第1の液体が1回〜50回程度吐出される毎に前記第2の液体を注入する請求項5に記載の液体流れ検出装置。
  7. 前記注入手段は前記インクジェットプリンタの副走査方向に沿って前記第1の液体が画像記録媒体に0.5mm以下記録される毎に前記第2の液体を注入する請求項5に記載の液体流れ検出装置。
  8. 前記第2の液体が注入される時間間隔内に前記吐出口から吐出される前記第1の液体及び前記第2の液体の合計吐出量Qに対して、前記第2の液体の注入量L0は
    L0≦Q/2
    を満たす請求項6又は7に記載の液体流れ検出装置。
  9. 前記検出手段は、前記第1の液体及び前記第2の液体から測定される物理的性質の差異に基づいて前記第2の液体又は前記第1の液体を検出する請求項1〜8のいずれかに記載の液体流れ検出装置。
  10. 前記物理的性質の差異は前記第1の液体と前記第2の液体の分光透過率、分光反射率、超音波透過率、電気抵抗値又は電磁気に関する物理量の差異である請求項9に記載の液体流れ検出装置。
  11. 前記液体吐出ヘッドは1次元又は2次元に配列されており、前記検出手段は前記配列に従い前記液体吐出ヘッドの流路の各検出部位に光を順次照射し、前記照射時の各検出部位の光量を測定し、前記測定された光量に基づいて各検出部位の第2の液体又は前記第1の液体を検出する請求項1〜8のいずれかに記載の液体流れ検出装置。
  12. 前記第2の液体は前記第1の液体の組成の少なくとも一部と同一の組成を含む請求項1〜11のいずれかに記載の液体流れ検出装置。
  13. 前記第2の液体は揮発性物質である請求項1〜11のいずれかに記載の液体流れ検出装置。
  14. 前記第2の液体は水である請求項1〜11のいずれかに記載の液体流れ検出装置。
  15. 前記第1の液体と前記第2の液体とを混合する混合手段をさらに備える請求項12〜14のいずれかに記載の液体流れ検出装置。
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