以下に添付図面を参照して、本発明に係る画像形成装置及び制御方法の実施の形態を説明する。以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。なお、各実施の形態は、内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることができる。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置1の概略斜視図の例である。図2は、実施の形態1に係るキャリッジ6の平面図の例である。図3は、実施の形態1に係る記録ヘッド20の概略構成図の例である。
画像形成装置1には、本体筐体2が本体フレーム3上に配設されている。本体筐体2内には、両矢印Aで示す主走査方向に主ガイドロッド4と、副ガイドロッド5とが張り渡されている。主ガイドロッド4は、キャリッジ6を移動可能に支持する。キャリッジ6には、副ガイドロッド5に係合してキャリッジ6の姿勢を安定化させる連結片6aが設けられている。
画像形成装置1には、主ガイドロッド4に沿って無端ベルト状のタイミングベルト7が配設されている。タイミングベルト7は、駆動プーリ8と、従動プーリ9との間に張り渡されている。駆動プーリ8は、主走査モータ10によって回転駆動され、タイミングベルト7に対して所定の張りを与える状態で配設されている。また、駆動プーリ8は、主走査モータ10によって回転駆動されることで、回転方向に応じて、タイミングベルト7を主走査方向に回転移動させる。キャリッジ6は、タイミングベルト7に連結されており、タイミングベルト7が駆動プーリ8によって主走査方向に回転移動されることで、主ガイドロッド4に沿って主走査方向に往復移動する。
画像形成装置1には、本体筐体2内の主走査方向両端部位置に、カートリッジ部11と、維持機構部12とが収納されている。カートリッジ部11には、少なくとも、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ホワイト(W)の各インクをそれぞれ収納するカートリッジが、交換可能に収納されている。カートリッジ部11の各カートリッジは、キャリッジ6に搭載された記録ヘッド20の対応する色の記録ヘッド20y、20m、20c、20k、20w(図3参照)と、図示しないパイプで連結されている。すなわち、記録ヘッド20yはイエロー(Y)インクを、記録ヘッド20mはマゼンタ(M)インクを、記録ヘッド20cはシアン(C)インクを、記録ヘッド20kはブラック(K)インクを、記録ヘッド20wはホワイト(W)インクをそれぞれ吐出する。
カートリッジ部11は、パイプを通して記録ヘッド20y、20m、20c、20k、20wに対してインクを供給する。以下では、記録ヘッド20y、20m、20c、20k、20wを区別しない場合、これらを総称して「記録ヘッド20」と呼ぶ場合がある。画像形成装置1は、キャリッジ6を主走査方向に移動させながら、プラテン14(図2参照)上を、主走査方向と直交する副走査方向(矢印B方向)に間欠的に搬送される被記録媒体P(図2参照)にインクを吐出することで、被記録媒体Pに画像を記録出力する。
維持機構部12は、記録ヘッド20の吐出面の清掃やキャッピング、不要なインクの吐出等を行なって、記録ヘッド20からの不要なインクの排出や、記録ヘッド20の信頼性の維持をはかっている。画像形成装置1には、被記録媒体Pの搬送部分を開閉可能に、カバー13が設けられている。ユーザは、画像形成装置1のメンテナンス時やジャム発生時に、カバー13を開けることで、本体筐体2内部のメンテナンス作業やジャムの発生した被記録媒体Pの除去等の作業を行なうことができる。
記録ヘッド20は、吐出面(ノズル面)が被記録媒体P側に向くように、キャリッジ6に搭載されている。画像形成装置1には、タイミングベルト7、すなわち主ガイドロッド4に平行に、少なくともキャリッジ6の移動範囲にわたってエンコーダシート15が配設されている。キャリッジ6には、エンコーダシート15を読み取るエンコーダセンサ21が取り付けられている。画像形成装置1は、エンコーダセンサ21によるエンコーダシート15の読み取り結果に基づいて、主走査モータ10の駆動を制御することで、キャリッジ6の主走査方向の移動を制御する。キャリッジ6に搭載された記録ヘッド20y、20m、20c、20k、20wは、複数のノズル列で構成される。記録ヘッド20y、20m、20c、20k、20wは、プラテン14上を搬送される被記録媒体P上にノズル列からインクを吐出することで、被記録媒体Pに画像を形成する。
図4は、実施の形態1に係るインク層の重ね合わせの例を説明する図である。図4に示すように、本実施の形態では、一つの様態として、透明媒体である記録媒体上に、ホワイトインク層を背景画像として記録し、ホワイトインク層の記録後にカラーインク層を記録する。例えば、壁面等への掲示の際に、壁面とインク層との接触を避けたい場合にこのようなインク層の重ね合わせを実現する。また、カラーインク層を保護するために、カラーインク層の記録後にクリアインク等をさらに記録しても良い。
図5は、実施の形態1に係る粒状度とドット径との関係の例を説明する図である。図5に示すように、粒状度とドット径との関係は、記録媒体上のドット径が小さくなるほど、粒状度が小さくなる。粒状度とは、粒状感を定量化した指標であり、ここでは値が小さいほど粒状感が小さいことを示している。これらから、ドット径を小さくすることは、粒状感を抑制することに効果がある。
図6は、実施の形態1に係る画像形成装置1の制御部100の構成例を示す図である。図6に示すように、制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、NVRAM(Non‐Volatile RAM)104と、ASIC105とを有する。
CPU101は、画像形成装置1全体を統括的に制御する。ROM102は、CPU101によって実行されるプログラムや、その他の固定データを記憶するメモリである。RAM103は、画像データ等を一時記憶するメモリである。NVRAM104は、画像形成装置1の電源が遮断されている間もデータを保持可能な不揮発性メモリである。ASIC105は、各種の信号処理や並び替え等を行なう画像処理、その他、画像形成装置1全体を制御するための入出力信号を処理する。
また、制御部100は、ホストI/F106と、ヘッド駆動制御部107と、ヘッドドライバ108と、主走査モータ駆動部111と、副走査モータ駆動部113と、I/O116とを有する。
ホストI/F106は、ホスト90側とデータや信号の送受を行なう。ヘッド駆動制御部107やヘッドドライバ108は、記録ヘッド20を駆動制御するための駆動波形を生成する。主走査モータ駆動部111は、主走査モータ110を駆動する。主走査モータ110は、駆動によりキャリッジ6を移動走査させる。副走査モータ駆動部113は、副走査モータ112を駆動する。副走査モータ112は、駆動によりロール紙搬送部114の搬送ベルトを周回移動させる。I/O116は、環境センサ118からの情報を取得し、画像形成装置1の各部の制御に必要な情報を抽出する。例えば、環境センサ118は、環境温度や環境湿度等を検出する。なお、I/O116は、環境センサ118以外の各種センサからの検知信号も入力する。また、制御部100には、各種情報の入力及び表示を行なうための操作パネル117が接続されている。
制御部100は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置、イメージスキャナ等の画像読取装置、デジタルカメラ等の撮像装置等のホスト90側からの画像データを含む印刷データ等を、ケーブル又はネットワークを介してホストI/F106で受信する。なお、制御部100に対する印刷データの生成出力は、ホスト90側のプリンタドライバ91によって行なうようにしている。具体的には、ホストI/F106は、ホスト90側のプリンタドライバ91から、ケーブル又はネットワークを介して信号の送受を行なう。CPU101は、ホストI/F106に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析する。そして、ASIC105にて画像処理やデータの並び替え処理等が行なわれ、画像データがヘッド駆動制御部107やヘッドドライバ108に転送される。
図7は、実施の形態1に係る画像形成装置1の機能構成例を示すブロック図である。図7に示すように、画像形成装置1は、画像データ取得部131と、CMM(Color Management Module)処理部132と、γ補正部133と、中間調処理部134と、分割部135と、分類部136と、着弾制御部137と、画像形成部138とを有する。上記各部は、これらの一部又は全てがソフトウェア(プログラム)で実現されても良いし、ハードウェア回路で実現されても良い。一つの様態として、上記各部は、ASIC105によって実行される機能である。但し、一部機能や全ての機能は、CPU101によって実行されても良い。さらに、一部機能や全ての機能は、図示しないチップ(ハードウェア)により実行されても良い。
画像データ取得部131は、ホスト90のプリンタドライバ91から画像データを取得する。より具体的には、画像データ取得部131は、ホストI/F106を介して、ホスト90のプリンタドライバ91から画像データを取得する。例えば、取得される画像データは、カラーインク用の画像データである。
CMM処理部132は、カラーマッチング処理を実行する。より具体的には、CMM処理部132は、画像データ取得部131によって取得された画像データを、モニタ表示用の色空間から画像形成装置1用の色空間へ変換する。例えば、CMM処理部132は、画像データをRGB表色系からCMYK表色系へ変換する。
γ補正部133は、濃度補正を行なう。より具体的には、γ補正部133は、CMM処理部132によって表色系の変換が行なわれた画像データに対し、CMYK毎に画像形成装置1の出力特性等に応じた階調補正を行なう。
中間調処理部134は、中間調処理を実行する。より具体的には、中間調処理部134は、γ補正部133によって階調補正された画像データを、画像形成装置1から噴射するドットのパターン配置に置き換える多値・少値マトリクスを含む中間調処理を実行する。
分割部135は、画像データを分割する。より具体的には、分割部135は、中間調処理部134による中間調処理後の画像データを、数画素(又は1画素)をひとまとまりとした画素群に分割する。例えば、画素群は、3×3の画素群とするが、これに限られるものではない。
分類部136は、分割された画像データを、インクデューティが規定値未満であるハイライト領域と、インクデューティが規定値以上である非ハイライト領域とに分類する。インクデューティとは、単位面積あたりに使用されるインク量を指す。すなわち、インクデューティが規定値未満であるハイライト領域は、単位面積あたりに使用されるインク量が比較的少ない領域となり、インクデューティが規定値以上である非ハイライト領域は、単位面積あたりに使用されるインク量が比較的多い領域となる。
より具体的には、分類部136は、分割部135による画像データの分割によって得られた画素群それぞれについて、画素群に含まれるドットの記録率を算出する。そして、分類部136は、画素群それぞれについて、算出した記録率が所定閾値以上であるか否かを判定する。例えば、所定閾値は、50パーセントである。このとき、分類部136は、記録率が所定閾値未満である画素群をハイライト領域(画素群S1と呼ぶ)に分類し、記録率が所定閾値以上である画素群を非ハイライト領域(画素群S2と呼ぶ)に分類する。すなわち、分類部136は、インクドットの記録率が少なく、1ドットが孤立している画素群をハイライト領域(画素群S1)とし、これ以外の画素群を非ハイライト領域(画素群S2)とする。
上記処理によって、CMM処理部132によりCMYK表色系へ変換された画像データは、C、M、Y、Kそれぞれの色に対して、ハイライト領域の画素群S1と、非ハイライト領域の画素群S2の2種類の画像データが生成されることになり、全体として「4色×2種類=8種類」の画像データが生成されることになる。
着弾制御部137は、第1のインクと、第1のインクとは異なる第2のインクとが記録媒体に対して着弾するときのドット径を、非ハイライト領域よりもハイライト領域の方がより小さくなるように制御する。以下では、第1のインクをホワイトインクとし、第2のインクをカラーインクとして説明するが、これに限られるものではない。より具体的には、着弾制御部137は、ハイライト領域の画像形成に対するホワイトインクとカラーインクとの着弾時間の差が、ハイライト領域の画像形成後に形成される非ハイライト領域の画像形成に対するカラーインクの着弾時間の差よりも短くなるように、ホワイトインクとカラーインクとの記録媒体に対する着弾時間を制御する。後述するように、ハイライト領域の画像形成は、背景画像(ホワイト)+画素群S1の画像形成に対応する。また、ハイライト領域の画像形成後に形成される非ハイライト領域の画像形成は、背景画像(ホワイト)+画素群S1の画像形成後に形成される画素群S2の画像形成に対応する。なお、着弾制御部137の処理は、上述したヘッド駆動制御部107やヘッドドライバ108、主走査モータ駆動部111、副走査モータ駆動部113等による処理に対応する。
画像形成部138は、第1のインクと第2のインクとを記録ヘッド20のノズルから吐出して記録媒体上に画像形成する。より具体的には、画像形成部138は、着弾制御部137による制御に従って、ホワイトインクとカラーインクとを、記録ヘッド20のノズルから吐出して記録媒体上に画像形成する。なお、画像形成部138の処理は、記録ヘッド20等による処理に対応する。
図8は、実施の形態1に係る記録画素分類処理の流れの例を示すフローチャートである。図8に示すように、画像形成装置1は、ホスト90のプリンタドライバ91等から画像データを取得する(ステップS101)。そして、画像形成装置1は、取得した画像データを、モニタ表示用の色空間から画像形成装置1用の色空間へ変換するカラーマッチング処理を実行する(ステップS102)。続いて、画像形成装置1は、表色系の変換が行なわれた画像データに対し、CMYK毎に画像形成装置1の出力特性等に応じた階調補正(γ補正)を行なう(ステップS103)。
その後、画像形成装置1は、階調補正された画像データを、画像形成装置1から噴射するドットのパターン配置に置き換える多値・少値マトリクスを含む中間調処理を実行する(ステップS104)。そして、画像形成装置1は、中間調処理後の画像データを、数画素をひとまとまりとした画素群に分割する(ステップS105)。続いて、画像形成装置1は、分割によって得られた画素群について、画素群に含まれるドットの記録率を算出する(ステップS106)。
ここで、画像形成装置1は、画素群の記録率が閾値未満である場合に(ステップS107:Yes)、該画素群をハイライト領域の画素群S1に分類する(ステップS108)。一方、画像形成装置1は、画素群の記録率が閾値以上である場合に(ステップS107:No)、該画素群を非ハイライト領域の画素群S2に分類する(ステップS109)。そして、画像形成装置1は、全ての画素について処理した場合に(ステップS110:Yes)、処理を終了する。また、画像形成装置1は、全ての画素について処理していない場合に(ステップS110:No)、未処理の画素群に対してステップS106の処理を再度実行する。
なお、図8で示した記録画素分類処理については、記録媒体に画像形成した際に記録媒体とドット輪郭部との明度差が所定値未満となるドットに限定して行なうようにしても良い。例えば、記録媒体とドット輪郭部との明度差が所定値未満となるドットとは、黒色のドット(黒色に近いドット)である。すなわち、黒色であれば、ハイライト領域として扱う。
画像形成装置1は、分類された画素群それぞれをもとに、以下で説明する着弾時間差制御により記録媒体への画像形成を行なう。
次に、図9A~図9Eを用いて、実施の形態1に係る着弾時間差制御について説明する。図9A~図9Eは、実施の形態1に係る着弾時間差制御の例を説明する図である。本実施の形態において、着弾時間差制御とは、ハイライト領域の画素群S1と、非ハイライト領域の画素群S2との各ドットデータをもとに、記録ヘッド20から吐出させるタイミングを制御する処理を指す。
まず、図9Aに示すように、左側にホワイトインク、右側にカラーインクを吐出可能なノズルにより構成された記録ヘッド20を矢印方向にスキャンする(スキャン番号1)。詳細には、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、記録ヘッド20の下半分のノズルのうち、ホワイトインクを吐出することにより、記録媒体(例えば、透明媒体)上に背景画像(ホワイト)を形成する。スキャン(1)は、背景画像(ホワイト)が形成された領域となる。
次に、図9Bに示すように、記録ヘッド20を矢印方向にスキャンする(スキャン番号2)。詳細には、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、記録ヘッド20の下半分のノズルのうち、ハイライト領域に分類された画素群S1のドットデータに対応するカラーインクを吐出することにより、図9Aで形成された背景画像(ホワイト)上に、画素群S1に応じた画像を形成する。すなわち、図9A及び図9Bにより、画像形成装置1は、スキャンの往復において、背景画像(ホワイト)を形成した直後のスキャンで画素群S1に対応するカラー画像を形成する。スキャン(1)+(2)は、背景画像(ホワイト)上に画素群S1に対応するカラー画像が形成された領域となる。
ここで、ホワイトインクでの画像形成後、すぐにカラーインクで画像形成すると、ホワイトインクにカラーインクが沈み込む。そこで、粒状感がでやすいハイライト領域の画素群S1の小ドット化をはかるために、背景画像(ホワイト)を形成した直後のスキャンで画素群S1に対応するカラー画像を形成している。これにより、ハイライト領域のドットが小さくなることで、粒状感を抑制することができるようになる。
次に、図9Cに示すように、用紙の搬送後、記録ヘッド20を矢印方向にスキャンする(スキャン番号3)。詳細には、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、記録ヘッド20の下半分のノズルのうち、ホワイトインクを吐出することにより、記録媒体上に背景画像(ホワイト)を形成する。ここで、記録媒体は記録ヘッド20の半分(長手方向の半分)の距離だけ搬送されている。従って、図9Cでは、スキャン(1)+(2)の領域にはインクは吐出されない。スキャン(3)は、背景画像(ホワイト)が形成された領域となる。
次に、図9Dに示すように、記録ヘッド20を矢印方向にスキャンする(スキャン番号4)。詳細には、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、記録ヘッド20の上半分のノズルのうち、非ハイライト領域に分類された画素群S2のドットデータに対応するカラーインクを吐出することにより、図9Bで形成された背景画像(ホワイト)+画素群S1上に、画素群S2に応じた画像を形成する。すなわち、図9B及び図9Dにより、画像形成装置1は、背景画像(ホワイト)+画素群S1の画像の形成後、1スキャン分(図9Cに示したスキャン分)の時間をおいて、画素群S2の画像を形成する。スキャン(1)+(2)+(4)は、背景画像(ホワイト)上に画素群S1及び画素群S2に対応するカラー画像が形成された領域となる。
また、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、記録ヘッド20の下半分のノズルのうち、ハイライト領域に分類された画素群S1のドットデータに対応するカラーインクを吐出することにより、図9Cで形成された背景画像(ホワイト)上に、画素群S1に応じた画像を形成する。すなわち、図9C及び図9Dにより、画像形成装置1は、スキャンの往復において、背景画像(ホワイト)を形成した直後のスキャンで画素群S1に対応するカラー画像を形成する。スキャン(3)+(4)は、背景画像(ホワイト)上に画素群S1に対応するカラー画像が形成された領域となる。
次に、図9Eに示すように、用紙の搬送後、記録ヘッド20を矢印方向にスキャンする(スキャン番号5)。詳細には、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、記録ヘッド20の下半分のノズルのうち、ホワイトインクを吐出することにより、記録媒体上に背景画像(ホワイト)を形成する。ここで、記録媒体は記録ヘッド20の半分(長手方向の半分)の距離だけ搬送されている。従って、図9Eでは、スキャン(3)+(4)の領域にはインクは吐出されない。スキャン(5)は、背景画像(ホワイト)が形成された領域となる。
画像形成装置1は、このような着弾時間差制御により、記録媒体全体に画像を形成していく。
上記では、両方向のスキャンにおける着弾時間差制御の例を説明した。以下では、片方向のスキャンにおける着弾時間差制御の例を説明する。次に、図10A~図10Cを用いて、実施の形態1に係る着弾時間差制御について説明する。図10A~図10Cは、実施の形態1に係る着弾時間差制御の例を説明する図である。
まず、図10Aに示すように、左側にホワイトインク、右側にカラーインクを吐出可能なノズルにより構成された記録ヘッド20を矢印方向にスキャンする(スキャン番号1)。詳細には、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、記録ヘッド20の下半分のノズルのうち、ホワイトインクと、ハイライト領域に分類された画素群S1のドットデータに対応するカラーインクとを吐出することにより、記録媒体上に背景画像(ホワイト)と画素群S1に応じた画像とを形成する。すなわち、図10Aにより、画像形成装置1は、1スキャンにおいて、背景画像(ホワイト)を形成するとともに、画素群S1に対応するカラー画像を形成する。スキャン(1)は、背景画像(ホワイト)上に画素群S1に対応するカラー画像が形成された領域となる。
次に、図10Bに示すように、用紙の搬送後、記録ヘッド20を矢印方向にスキャンする(スキャン番号3)。ここで、図示しないスキャン番号2では、図中右方向に空スキャンしている。空スキャンとは、インクを吐出しないことを指す。すなわち、図10Bは、図10Aのスキャンから1スキャン分の時間が経過している。また、記録媒体は記録ヘッド20の半分(長手方向の半分)の距離だけ搬送される。詳細には、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、記録ヘッド20の上半分のノズルのうち、非ハイライト領域に分類された画素群S2のドットデータに対応するカラーインクを吐出することにより、図10Aで形成された背景画像(ホワイト)+画素群S1上に、画素群S2に応じた画像を形成する。すなわち、図10A及び図10Bにより、画像形成装置1は、背景画像(ホワイト)+画素群S1の画像の形成後、空スキャンにより1スキャン分の時間をおいて、画素群S2の画像を形成する。スキャン(1)+(3)は、背景画像(ホワイト)上に画素群S1及び画素群S2に対応するカラー画像が形成された領域となる。
また、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、記録ヘッド20の下半分のノズルのうち、ホワイトインクと、ハイライト領域に分類された画素群S1のドットデータに対応するカラーインクとを吐出することにより、記録媒体上に背景画像(ホワイト)と画素群S1に応じた画像とを形成する。スキャン(3)は、背景画像(ホワイト)上に画素群S1に対応するカラー画像が形成された領域となる。
次に、図10Cに示すように、用紙の搬送後、記録ヘッド20を矢印方向にスキャンする(スキャン番号5)。ここで、図示しないスキャン番号4では、図中右方向に空スキャンしている。すなわち、図10Cは、図10Bのスキャンから1スキャン分の時間が経過している。また、記録媒体は記録ヘッド20の半分(長手方向の半分)の距離だけ搬送される。詳細には、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、記録ヘッド20の上半分のノズルのうち、非ハイライト領域に分類された画素群S2のドットデータに対応するカラーインクを吐出することにより、図10Bで形成された背景画像(ホワイト)+画素群S1上に、画素群S2に応じた画像を形成する。すなわち、図10B及び図10Cにより、画像形成装置1は、背景画像(ホワイト)+画素群S1の画像の形成後、空スキャンにより1スキャン分の時間をおいて、画素群S2の画像を形成する。スキャン(3)+(5)は、背景画像(ホワイト)上に画素群S1及び画素群S2に対応するカラー画像が形成された領域となる。
また、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、記録ヘッド20の下半分のノズルのうち、ホワイトインクと、ハイライト領域に分類された画素群S1のドットデータに対応するカラーインクとを吐出することにより、記録媒体上に背景画像(ホワイト)と画素群S1に応じた画像とを形成する。スキャン(5)は、背景画像(ホワイト)上に画素群S1に対応するカラー画像が形成された領域となる。
画像形成装置1は、このような着弾時間差制御により、記録媒体全体に画像を形成していく。
上記では、片方向のスキャンにおいて、空スキャンしつつ記録媒体上に画像を形成する例を説明した。以下では、両方向のスキャンにおいて、空スキャンをせずに記録媒体上に画像を形成する着弾時間差制御の例を説明する。次に、図11A~図11Cを用いて、実施の形態1に係る着弾時間差制御について説明する。図11A~図11Cは、実施の形態1に係る着弾時間差制御の例を説明する図である。
まず、図11Aに示すように、左側及び右側にホワイトインク、中間にカラーインクを吐出可能なノズルにより構成された2段の記録ヘッド20を矢印方向にスキャンする(スキャン番号1)。以下では、2段の記録ヘッド20それぞれについて、上段の記録ヘッド20、下段の記録ヘッド20と呼ぶ。詳細には、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、下段の記録ヘッド20のノズルのうち、ホワイトインク(右側)と、ハイライト領域に分類された画素群S1のドットデータに対応するカラーインクとを吐出することにより、記録媒体上に背景画像(ホワイト)と画素群S1に応じた画像とを形成する。すなわち、図11Aにより、画像形成装置1は、1スキャンにおいて、背景画像(ホワイト)を形成するとともに、画素群S1に対応するカラー画像を形成する。スキャン(1)は、背景画像(ホワイト)上に画素群S1に対応するカラー画像が形成された領域となる。
次に、図11Bに示すように、用紙の搬送後、記録ヘッド20を矢印方向にスキャンする(スキャン番号2A、2B)。詳細には、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、上段の記録ヘッド20のノズルのうち、非ハイライト領域に分類された画素群S2のドットデータに対応するカラーインクを吐出することにより、図11Aで形成された背景画像(ホワイト)+画素群S1上に、画素群S2に応じた画像を形成する。すなわち、図11A及び図11Bにより、画像形成装置1は、背景画像(ホワイト)+画素群S1の画像を形成した直後のスキャンで画素群S2に対応するカラー画像を形成する。スキャン(1)+(2A)は、背景画像(ホワイト)上に画素群S1及び画素群S2に対応するカラー画像が形成された領域となる。
また、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、下段の記録ヘッド20のノズルのうち、ホワイトインク(左側)と、ハイライト領域に分類された画素群S1のドットデータに対応するカラーインクとを吐出することにより、記録媒体上に背景画像(ホワイト)と画素群S1に応じた画像とを形成する。すなわち、図11Bにより、画像形成装置1は、1スキャンにおいて、背景画像(ホワイト)を形成するとともに、画素群S1に対応するカラー画像を形成する。スキャン(2B)は、背景画像(ホワイト)上に画素群S1に対応するカラー画像が形成された領域となる。
次に、図11Cに示すように、用紙の搬送後、記録ヘッド20を矢印方向にスキャンする(スキャン番号3A、3B)。詳細には、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、上段の記録ヘッド20のノズルのうち、非ハイライト領域に分類された画素群S2のドットデータに対応するカラーインクを吐出することにより、図11Bで形成された背景画像(ホワイト)+画素群S1上に、画素群S2に応じた画像を形成する。すなわち、図11B及び図11Cにより、画像形成装置1は、背景画像(ホワイト)+画素群S1の画像を形成した直後のスキャンで画素群S2に対応するカラー画像を形成する。スキャン(2B)+(3A)は、背景画像(ホワイト)上に画素群S1及び画素群S2に対応するカラー画像が形成された領域となる。
また、画像形成装置1は、矢印方向にスキャンする際に、下段の記録ヘッド20のノズルのうち、ホワイトインク(右側)と、ハイライト領域に分類された画素群S1のドットデータに対応するカラーインクとを吐出することにより、記録媒体上に背景画像(ホワイト)と画素群S1に応じた画像とを形成する。すなわち、図11Cにより、画像形成装置1は、1スキャンにおいて、背景画像(ホワイト)を形成するとともに、画素群S1に対応するカラー画像を形成する。スキャン(3B)は、背景画像(ホワイト)上に画素群S1に対応するカラー画像が形成された領域となる。
ここで、図11A~図11Cで説明した各スキャンで時間差を設けるために、以下の3つの動作のうち少なくとも1つの動作を実施する仕組みとする。
一つの動作は、スキャン動作を小さくする(遅くする)ことである。一つの動作は、用紙の搬送速度を全体的に小さくする(遅くする)ことである。一つの動作は、1スキャンごとに待機時間を設けることである。上述したように、ホワイトインクでの画像形成後、すぐにカラーインクを吐出すると、ホワイトインクにカラーインクが沈み込む。本実施の形態では、このようにドットが小さくなることを利用して、粒状感がでやすいハイライト領域(画素群S1)をホワイトインクの吐出直後に吐出することで小ドット化している。つまり、背景画像(ホワイトインク)と画素群S1に応じた画像とを形成した後は、可能な限り乾燥させたうえで、画素群S2に応じた画像を形成したいため、上記3つの動作のうち少なくとも1つの動作を実施する。
記録媒体に形成されるドットの大きさは、ホワイトインクと同一画素上に重ねられるカラーインクドットの着弾時間差によって変動する。図12A及び図12Bは、実施の形態1に係る着弾時間差とドットの大きさとの関係性の例を示す図である。図12Aは、ホワイトインクとカラーインクドットとの着弾時間が短い場合のカラーインクドットの大きさを示している。すなわち、図12Aは、上述した「背景画像(ホワイト)+画素群S1」に対応する。図12Bは、着弾時間差を十分に確保した場合のカラーインクドットの大きさを示している。すなわち、図12Bは、上述した「背景画像(ホワイト)+画素群S1+画素群S2」に対応する。図12A及び図12Bに示すように、着弾時間差が短い場合は、着弾時間差を十分に確保した場合よりもドットの大きさが小さくなっていることが分かる。
上述したように、画像形成装置1は、画像データを画素群に分割し、画素群それぞれをハイライト領域の画素群S1と非ハイライト領域の画素群S2とに分類したうえで、ホワイトインクと画素群S1のカラーインクとの記録媒体に対する着弾時間を、その後の画素群S2のカラーインクの記録媒体に対する着弾時間よりも短くなるように、画像形成を制御するので、インクの消費量を増大させることなく、粒状感を抑制することができる。換言すると、画像形成装置1は、未乾燥状態のホワイトインクドット上にカラーインクドットを重ね合わせて形成することで、ハイライト領域の画素群S1を小ドット化し、ある程度乾燥したうえで非ハイライト領域の画素群S2に対する画像形成を行なうので、インクの消費量を増大させることなく、粒状感を抑制することができる。
(実施の形態2)
上記実施の形態1では、記録ヘッド20からインクを吐出させるタイミングを制御(着弾時間差制御)し、ハイライト領域の画素群を小ドット化することで、粒状感を抑制する場合を説明した。ハイライト領域の画素群の小ドット化の手法は、これに限られるものではない。例えば、ラインエンジン型の画像形成装置において、実施の形態1に係る記録ヘッド20とは異なる構成により、ハイライト領域の画素群の小ドット化を実現することもできる。そこで、実施の形態2では、実施の形態1に係る記録ヘッド20とは異なる構成により、ハイライト領域の画素群の小ドット化を実現する例を説明する。
図13は、実施の形態2に係る記録ヘッド20aの一例を示した概略構成図である。図13は、ラインエンジン型の画像形成装置1aを示している。
図13に示すように、記録ヘッド20aは、記録ヘッド20w1と、記録ヘッド20w2と、記録ヘッド20kと、記録ヘッド20cと、記録ヘッド20mと、記録ヘッド20yとを有する。記録ヘッド20w1はホワイト(W1)インクを、記録ヘッド20w2はホワイト(W2)インクをそれぞれ吐出する。記録ヘッド20kはブラック(K)インクを、記録ヘッド20cはシアン(C)インクを、記録ヘッド20mはマゼンタ(M)インクを、記録ヘッド20yはイエロー(Y)インクをそれぞれ吐出する。画像形成装置1aは、用紙等のメディア(被記録媒体)が用紙搬送方向に移動する間に、記録ヘッド20aのそれぞれからインクを吐出させて画像を形成する。
具体的には、画像形成装置1aの記録ヘッド20aは、ホワイト(W1)インクを吐出するノズル列と、カラー(KCMY)インクを吐出するノズル列と、ホワイト(W2)インクを吐出するノズル列とを有する。これらのうち、ホワイト(W2)インクを吐出するノズル列は、用紙の搬送方向に対して、ホワイト(W1)インクを吐出するノズル列よりも下流に、及び、カラー(KCMY)インクを吐出するノズル列よりも上流に配置される。
なお、ホワイト(W1)インクは「第1のインク」に対応し、ホワイト(W1)インクを吐出するノズル列は「第1のノズル列」に対応する。また、カラー(KCMY)インクは「第2のインク」に対応し、カラー(KCMY)インクを吐出するノズル列は「第2のノズル列」に対応する。また、ホワイト(W2)インクは「第1のインク」に対応し、ホワイト(W2)インクを吐出するノズル列は「第3のノズル列」に対応する。
図14は、実施の形態2に係る画像形成装置1aの機能構成例を示すブロック図である。図14では、実施の形態1に係る画像形成装置1の機能構成と同様の機構構成については同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。図14に示すように、画像形成装置1aは、画像データ取得部131と、CMM処理部132と、γ補正部133と、中間調処理部134と、分割部135と、分類部136と、着弾制御部137aと、画像形成部138とを有する。
着弾制御部137aは、ホワイト(W1)インクを吐出するノズル列と、カラー(KCMY)インクを吐出するノズル列とを用いて、非ハイライト領域に対応する画像形成を制御する。また、着弾制御部137aは、ホワイト(W2)インクを吐出するノズル列と、カラー(KCMY)インクを吐出するノズル列とを用いて、ハイライト領域に対応する画像形成を制御する。
より具体的には、着弾制御部137aは、非ハイライト領域(画素群S2)に対しては、用紙の搬送方向に対して最も上流に配置された記録ヘッド20w1のノズル列からホワイト(W1)インクを吐出させ、記録ヘッド20k、記録ヘッド20c、記録ヘッド20m、記録ヘッド20yのノズル列からカラー(KCMY)インクを吐出させるように制御する。また、着弾制御部137aは、ハイライト領域(画素群S1)に対しては、用紙の搬送方向に対して記録ヘッド20w1よりも下流に配置された記録ヘッド20w2のノズル列からホワイト(W2)インクを吐出させ、記録ヘッド20k、記録ヘッド20c、記録ヘッド20m、記録ヘッド20yのノズル列からカラー(KCMY)インクを吐出させるように制御する。
画像形成部138は、着弾制御部137aの制御に従ってホワイトインクとカラーインクとを記録ヘッド20aのノズルから吐出して用紙上に画像形成する。より具体的には、画像形成部138は、中間調処理部134による処理で、記録ヘッド20aから噴射するドットのパターン配置が分かっている。これにより、画像形成部138は、分類部136によって分類されたハイライト領域及び非ハイライト領域に対応するインクを、用紙の搬送が完了するまで一度に記録ヘッド20aから吐出し、用紙に着弾させる。
詳細には、画像形成部138は、記録ヘッド20w1から、非ハイライト領域の画素群S2に対応するホワイト(W1)インクを吐出する。これにより、用紙には、非ハイライト領域において、ホワイト(W1)インクによる画像が形成される。そして、画像形成部138は、記録ヘッド20w2から、ハイライト領域の画素群S1に対応するホワイト(W2)インクを吐出する。これにより、非ハイライト領域においてホワイト(W1)インクによる画像が形成された状態の用紙には、ハイライト領域において、ホワイト(W2)インクによる画像が形成される。その後、画像形成部138は、記録ヘッド20k、記録ヘッド20c、記録ヘッド20m及び記録ヘッド20yから、カラー(KCMY)インクを吐出する。これにより、非ハイライト領域においてホワイト(W1)インクによる画像が形成され、ハイライト領域においてホワイト(W2)インクによる画像が形成された状態の用紙には、ハイライト領域及び非ハイライト領域の全ての領域において、カラー(KCMY)インクによる画像が形成される。
着弾制御部137aの制御に従い、記録ヘッド20aからインクが吐出された場合は、ホワイトインクを吐出させてからカラーインクを吐出させるまでの時間差が、非ハイライト領域よりもハイライト領域の方がより短くなる。ホワイトインクでの画像形成後に、より短い時間差によりカラーインクで画像形成するほど、乾燥していないホワイトインクにカラーインクが沈み込む。従って、用紙の搬送方向に対して、粒状感がでやすいハイライト領域の画素群S1に対応するホワイト(W2)インクを吐出するノズル列を、非ハイライト領域の画素群S2に対応するホワイト(W1)インクを吐出するノズル列よりも下流に配置することで、ハイライト領域のドット径をより小さくすることができる。
図15は、実施の形態2に係る用紙に着弾するドット径の例を説明する図である。図15に示すように、記録ヘッド20w1のノズル列からホワイト(W1)インクを吐出させ、記録ヘッド20k、記録ヘッド20c、記録ヘッド20m、記録ヘッド20yのノズル列から小ドット、中ドット、大ドットに対応するカラー(KCMY)インクを吐出させた場合、小ドット、中ドット、大ドットの大きさのドット径にて用紙に着弾させることができる。また、記録ヘッド20w2のノズル列からホワイト(W2)インクを吐出させ、記録ヘッド20k、記録ヘッド20c、記録ヘッド20m、記録ヘッド20yのノズル列から小ドットに対応するカラー(KCMY)インクを吐出させた場合、小ドットよりも小さい極小ドットの大きさのドット径にて用紙に着弾させることができる。
一般のラインエンジン型の画像形成装置では、ホワイト(W1)インクの吐出後にカラー(KCMY)インクを吐出させるので、用紙に着弾するドット径は、駆動波形で制御できる小ドット、中ドット、大ドットの3種類の大きさとなる。これに対し、本実施の形態2に係るラインエンジン型の画像形成装置1aでは、さらに、ホワイト(W2)インクの吐出後にカラー(KCMY)インクを吐出させるので、一般のラインエンジン型の画像形成装置によって用紙に着弾させられるドット径の種類よりも1種類増えた4種類の大きさとなり、さらに小さい極小ドットを用紙に着弾させることができる。つまり、本実施の形態2に係るラインエンジン型の画像形成装置1aでは、駆動波形で制御できるドット径(3種類)に1サイズ(極小ドット)増えることになる。
上述したように、画像形成装置1aは、非ハイライト領域に対して、用紙の搬送方向に対して最も上流に配置された記録ヘッド20w1のノズル列からホワイト(W1)インクを吐出させ、記録ヘッド20k、記録ヘッド20c、記録ヘッド20m、記録ヘッド20yのノズル列からカラー(KCMY)インクを吐出させるように制御する。また、画像形成装置1aは、ハイライト領域に対して、用紙の搬送方向に対して記録ヘッド20w1よりも下流に配置された記録ヘッド20w2のノズル列からホワイト(W2)を吐出させ、記録ヘッド20k、記録ヘッド20c、記録ヘッド20m、記録ヘッド20yのノズル列からカラー(KCMY)インクを吐出させるように制御する。これらの結果、画像形成装置1aは、用紙にインクが着弾するときのドット径について、非ハイライト領域よりもハイライト領域の方がより小さくなるので、粒状感を抑制することができる。
また、画像形成装置1で実行されるプログラムは、一つの様態として、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記憶されて提供される。また、画像形成装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしても良い。また、画像形成装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
また、上記文書中や図面中等で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータ等を含む情報は、特記する場合を除いて任意に変更することができる。また、図示した装置の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、装置の分散又は統合の具体的形態は、図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負担や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に、分散又は統合することができる。