JP2005279810A - HfNコーティング工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 工具母材とHfN膜との密着性を高めて高速加工やドライ加工、難削材に対する切削加工などにも使用できる高温での耐摩耗性に優れた高寿命のHfNコーティング工具を提供する。
【解決手段】 工具母材12の表面にTiN膜14および(Ti、Hf)N膜16が設けられ、その(Ti、Hf)N膜16の上にHfN膜18が設けられているため、TiN膜14の存在で超硬合金製の工具母材12に対する密着性が向上するとともに、(Ti、Hf)N膜16は、膜自体の結合力が高いとともにTiN膜14およびHfN膜18との密着性が高いため、被膜全体として工具母材12に対する付着強度が向上する。また、最上部に、高温で優れた耐摩耗性が得られるHfN膜18が設けられているため、高速加工やドライ加工、難削材に対する切削加工などに対しても優れた耐久性(耐摩耗性)が得られ、付着強度の向上と相まって工具寿命が実質的に向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】 工具母材12の表面にTiN膜14および(Ti、Hf)N膜16が設けられ、その(Ti、Hf)N膜16の上にHfN膜18が設けられているため、TiN膜14の存在で超硬合金製の工具母材12に対する密着性が向上するとともに、(Ti、Hf)N膜16は、膜自体の結合力が高いとともにTiN膜14およびHfN膜18との密着性が高いため、被膜全体として工具母材12に対する付着強度が向上する。また、最上部に、高温で優れた耐摩耗性が得られるHfN膜18が設けられているため、高速加工やドライ加工、難削材に対する切削加工などに対しても優れた耐久性(耐摩耗性)が得られ、付着強度の向上と相まって工具寿命が実質的に向上する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、硬質被膜としてHfN(窒化ハフニウム)膜が設けられているHfNコーティング工具に係り、特に、工具母材とHfN膜との密着性を高める技術に関するものである。
切削工具等の加工工具の表面に、硬質被膜としてHfN膜をコーティングしたHfNコーティング工具が知られている。例えば特許文献1には、20m/min以下の低速で加工を行う工具にHfN膜をコーティングすることが提案されている。また、特許文献2には、超硬合金等の工具母材の表面にTiN膜を設けるとともに、そのTiN膜の上に、HfNにTi(チタン)を所定の割合で添加した(Ti、Hf)N膜をコーティングする技術が記載されている。
ところで、上記HfN膜は、高温での耐摩耗性が優れているため、被加工物との摩擦などで加工中に高温になる高能率加工等の高速加工やドライ加工、或いは難削材に対する切削加工などに使用する工具にコーティングすることが考えられているが、超硬合金等の工具母材との密着性や膜自体の結合力が低いため、剥離等の被膜の損傷で必ずしも十分に満足できる工具寿命の向上効果が得られなかった。(Ti、Hf)N膜については、Tiの添加で結合力が向上するとともに、TiN膜を介して高い密着性でコーティングできるものの、HfN膜に比較して高温での耐摩耗性が劣る。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、工具母材とHfN膜との密着性を高めて高速加工やドライ加工、難削材に対する切削加工などにも使用できる高温での耐摩耗性に優れた高寿命のHfNコーティング工具を提供することにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、表面にHfN膜がコーティングされているHfNコーティング工具であって、工具母材の表面にはTiN膜が設けられるとともに、そのTiN膜の上には(Ti、Hf)N膜が設けられ、その(Ti、Hf)N膜の上に前記HfN膜が設けられていることを特徴とする。
第2発明は、第1発明のHfNコーティング工具において、(a) 前記TiN膜、(Ti、Hf)N膜、およびHfN膜は、何れもアーク放電PVD(物理的気相成長)法によって設けられているとともに、(b) そのTiN膜の平均膜厚は0.01〜0.6μmの範囲内で、(Ti、Hf)N膜の平均膜厚は0.5〜4.0μmの範囲内で、HfN膜の平均膜厚は0.05〜2.0μmの範囲内で、それ等の全体の平均総膜厚は0.56〜6.6μmの範囲内であることを特徴とする。
このようなHfNコーティング工具においては、TiN膜の存在で超硬合金や高速度工具鋼等の工具母材に対する密着性が向上するとともに、(Ti、Hf)N膜は、膜自体の結合力が高いとともにTiN膜やHfN膜との密着性が良いため、被膜全体として工具母材に対する付着強度が向上し、高速加工やドライ加工、難削材に対する切削加工などでも実用上十分な耐久性(耐剥離性)が得られるようになる。HfN膜自体の結合力は低いが、(Ti、Hf)N膜の存在でHfN膜の膜厚を例えば2μm程度以下にすることができるため、そのHfN膜自体の結合力に関する問題が抑制されるのである。また、最上部に、高温で優れた耐摩耗性が得られるHfN膜が設けられているため、高速加工やドライ加工、難削材に対する切削加工などに対しても優れた耐久性(耐摩耗性)が得られ、上記付着強度の向上と相まって工具寿命が実質的に向上する。
第2発明では、TiN膜、(Ti、Hf)N膜、およびHfN膜が、何れもアーク放電PVD法によって設けられているため、例えば工具母材を処理炉内に保持したまま、それ等の膜を高い膜厚精度で連続して形成することができる。また、TiN膜の平均膜厚は0.01〜0.6μmの範囲内で、(Ti、Hf)N膜の平均膜厚は0.5〜4.0μmの範囲内で、HfN膜の平均膜厚は0.05〜2.0μmの範囲内で、それ等の全体の平均総膜厚は0.56〜6.6μmの範囲内であるため、優れた付着強度や高温での耐摩耗性が得られる。
本発明は、エンドミルやフライス、ドリル、バイト等の切削工具に好適に適用されるが、転造加工用の工具など切削加工以外の工具にも適用され得る。それ等の工具に着脱可能に取り付けられて使用されるスローアウェイチップにも適用され得ることは勿論である。
工具母材としては、超硬合金や高速度工具鋼が好適に用いられるが、超硬合金以外の超硬質工具材料や他の工具材料を用いることもできる。
(Ti、Hf)N膜のTiとHfの割合は、例えば1:1に設定されるが、何れか一方が0とならない範囲で適宜変更することが可能である。この(Ti、Hf)N膜は単層であっても良いが、複数積層して設けることも可能で、TiとHfの割合が異なる複数種類の(Ti、Hf)N膜を積層することもできる。
TiN膜、(Ti、Hf)N膜、HfN膜の形成手段としては、アーク放電イオンプレーティング法等のアーク放電PVD法が好適に用いられるが、他の成膜技術を採用することもできる。
TiN膜は、工具母材との密着性を高めるためのもので、平均膜厚が0.01〜0.6μmの範囲内が適当であり、0.01μmよりも薄いと密着性が損なわれ、0.6μmよりも厚いと耐摩耗性が損なわれる。HfN膜は、高温での耐摩耗性を高めるためのもので、平均膜厚が0.05〜2.0μmの範囲内が適当であり、0.05μmよりも薄いと高温での耐摩耗性が損なわれ、2.0μmよりも厚いと自身の結合力の不足から強度が損なわれる可能性がある。また、(Ti、Hf)N膜は、上記TiN膜とHfN膜との密着性を高めるためのもので、平均膜厚が0.5〜4.0μmの範囲内が適当であり、0.5μmよりも薄いと密着性が損なわれ、4.0μmよりも厚いと内部応力が高くなって膜内の密着性が損なわれる。
本発明のHfNコーティング工具は、高温での耐摩耗性が優れているため、加工によって工具温度が高くなる高能率加工等の高速加工やドライ加工、難削材に対する切削加工などに対して好適に用いられるが、その他の加工にも使用できることは勿論である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されたHfNコーティング工具としてのスローアウェイチップ10を説明する図で、(a) は斜視図、(b) は表層部の断面図である。このスローアウェイチップ10は、ホルダ等を介して旋盤の刃物台などに取り付けられて旋削加工等に使用されるもので、平面視において略菱形形状を成しており、平行な一対の辺が切れ刃20として用いられるとともに、平面視の中央部には取付ボルトが挿通させられる取付穴22が設けられている。また、上下反転して使用できるように、反対側の面(図1(a) における裏側の面)についても、平行な一対の辺が切れ刃20として用いられるようになっている。
図1は、本発明が適用されたHfNコーティング工具としてのスローアウェイチップ10を説明する図で、(a) は斜視図、(b) は表層部の断面図である。このスローアウェイチップ10は、ホルダ等を介して旋盤の刃物台などに取り付けられて旋削加工等に使用されるもので、平面視において略菱形形状を成しており、平行な一対の辺が切れ刃20として用いられるとともに、平面視の中央部には取付ボルトが挿通させられる取付穴22が設けられている。また、上下反転して使用できるように、反対側の面(図1(a) における裏側の面)についても、平行な一対の辺が切れ刃20として用いられるようになっている。
上記スローアウェイチップ10は、超硬合金製の工具母材12を主体として構成されており、その工具母材12の表面には、硬質被膜として、アーク放電イオンプレーティング法によりTiN膜14、(Ti、Hf)N膜16、およびHfN膜18が順番に積層して設けられている。TiN膜14の平均膜厚は0.01〜0.6μmの範囲内で、本実施例では0.2μm程度であり、(Ti、Hf)N膜16の平均膜厚は0.5〜4.0μmの範囲内で、本実施例では2.0μm程度であり、HfN膜18の平均膜厚は0.05〜2.0μmの範囲内で、本実施例では1.0μm程度であり、それ等の全体の平均総膜厚は0.56〜6.6μmの範囲内で、本実施例では3.2μm程度である。(Ti、Hf)N膜16は、TiとHfとを例えば1:1等の所定の割合で含む窒化物の単層である。
図2は、上記アーク放電イオンプレーティング法によって膜14、16、18を形成するアーク放電イオンプレーティング装置50の一例を説明する概略構成図(模式図)で、多数のワークすなわち工具母材12を保持しているワーク保持具52、そのワーク保持具52を略垂直な回転中心まわりに回転駆動する回転装置54、工具母材12に負のバイアス電圧を印加するバイアス電源56、工具母材12などを内部に収容している処理炉としてのチャンバ58、チャンバ58内に所定の反応ガスを供給する反応ガス供給装置60、チャンバ58内の気体を真空ポンプなどで排出して減圧する排気装置62、第1アーク電源64、第2アーク電源66等を備えている。反応ガス供給装置60は、本実施例では窒化物であるTiN膜14、(Ti、Hf)N膜16、HfN膜18を形成するために窒素ガス(N2 )を供給するようになっている。
第1アーク電源64は、TiN膜14や(Ti、Hf)N膜16の構成物質であるTiから成る第1ターゲット68をカソードとして、アノード70との間に所定のアーク電流を通電してアーク放電させることにより、第1ターゲット68からTiを蒸発させるもので、蒸発したTiは正(+)の金属イオンになって負(−)のバイアス電圧が印加されている工具母材12の表面に付着する。また、第2アーク電源66は、(Ti、Hf)N膜16やHfN膜18の構成物質であるHfから成る第2ターゲット72をカソードとして、アノード74との間に所定のアーク電流を通電してアーク放電させることにより、第2ターゲット72からHfを蒸発させるもので、蒸発したHfは正(+)の金属イオンになって負(−)のバイアス電圧が印加されている工具母材12の表面に付着する。上記第1ターゲット68および第2ターゲット72は、ワーク保持具52を挟んで略水平方向の対称位置に配置されている。
そして、予め排気装置62で排気しながらチャンバ58内が所定の圧力に保持されるように反応ガス供給装置60から窒素ガスを供給しつつ、バイアス電源56により工具母材12に所定のバイアス電圧を印加し、回転装置54によりワーク保持具52を所定の回転速度で回転させながら、前記TiN膜14や(Ti、Hf)N膜16、HfN膜18をそれぞれ所定の膜厚で連続して形成する。具体的には、TiN膜14を形成する際には、第1アーク電源64をON(通電)し、第1ターゲット68とアノード70との間でアーク放電させてTiを蒸発させることにより、工具母材12の表面にTiN膜14を0.2μmの狙い膜厚で形成する。(Ti、Hf)N膜16を形成する際には、第1アーク電源64および第2アーク電源66を共にON(通電)し、第1ターゲット68とアノード70との間でアーク放電させてTiを蒸発させるとともに、第2ターゲット72とアノード74との間でアーク放電させてHfを蒸発させることにより、上記TiN膜14の上に(Ti、Hf)N膜16を2.0μmの狙い膜厚で形成する。また、HfN膜18を形成する際には、第2アーク電源66をON(通電)し、第2ターゲット72とアノード74との間でアーク放電させてHfを蒸発させることにより、上記(Ti、Hf)N膜16の上にHfN膜18を1.0μmの狙い膜厚で形成する。
ここで、本実施例のスローアウェイチップ10は、工具母材12の表面にTiN膜14が設けられるとともに、そのTiN膜14の上に(Ti、Hf)N膜16が設けられ、その(Ti、Hf)N膜16の上にHfN膜18が設けられているため、TiN膜14の存在で超硬合金製の工具母材12に対する密着性が向上するとともに、(Ti、Hf)N膜16は、膜自体の結合力が高いとともにTiN膜14およびHfN膜18との密着性が良いため、被膜全体として工具母材12に対する付着強度が向上し、高速加工やドライ加工、難削材に対する切削加工などでも実用上十分な耐久性(耐剥離性)が得られるようになる。HfN膜18自体の結合力は低いが、(Ti、Hf)N膜16の存在でHfN膜18の膜厚が1μm程度とされているため、そのHfN膜18自体の結合力に関する問題が抑制されるのである。
また、最上部に、高温で優れた耐摩耗性が得られるHfN膜18が設けられているため、高速加工やドライ加工、難削材に対する切削加工などに対しても優れた耐久性(耐摩耗性)が得られ、上記付着強度の向上と相まって工具寿命が実質的に向上する。
また、本実施例ではアーク放電イオンプレーティング装置50を用いてTiN膜14、(Ti、Hf)N膜16、およびHfN膜18を形成するため、工具母材12をチャンバ58内に保持したままアーク電源64、66のON、OFFを切り換えるだけで、それ等のTiN膜14、(Ti、Hf)N膜16、およびHfN膜18をそれぞれ高い膜厚精度で連続して形成することができる。
また、TiN膜14の平均膜厚は0.2μm程度で、(Ti、Hf)N膜16の平均膜厚は2.0μm程度で、HfN膜18の平均膜厚は1.0μm程度で、被膜全体の平均総膜厚は3.2μm程度であるため、特に優れた付着強度や高温での耐摩耗性が得られる。
次に、本発明の効果を明らかにするために本発明者等が行った試験結果を説明する。図3は、用意した試験品を説明する図で、No1は、超硬合金製の工具母材の表面に直接3.0μmの膜厚でHfN膜を設けたもので、No2は、超硬合金製の工具母材の表面に0.2μmの膜厚でTiN膜を設けるとともに、そのTiN膜の上に3.0μmの膜厚でHfN膜を設けたものであり、何れも比較品である。また、No3は、超硬合金製の工具母材の表面に0.2μmの膜厚でTiN膜を設けるとともに、そのTiN膜の上に2.0μmの膜厚で(Ti、Hf)N膜を設け、その(Ti、Hf)N膜の上に1.0μmの膜厚でHfN膜を設けたもので、前記実施例のスローアウェイチップ10と同じものである。
そして、上記No1〜No3の3つの試験品を用いて、付着強度を調べるためにスクラッチ試験を行った。スクラッチ試験は、ダイヤモンドコーンに連続的に変化する荷重を加えながら試験品に押し付けて引っ掻くとともに、被膜が破壊したり剥離したりする際に発生するアコースティックエミッション(AE)を検出し、その検出信号が急激に立ち上がった時の荷重を臨界荷重として測定するもので、臨界荷重が大きい程付着強度が高いことを意味する。図4は、各試験品No1〜No3の臨界荷重を示したもので、No3の本発明品の臨界荷重は130Nで、HfN膜を直接設けたNo1は勿論、TiNを介してHfNを設けたNo2よりも優れた付着強度が得られることが分かる。
また、上記No1〜No3の試験品を用いて、以下の加工条件で工具寿命に達するまでの耐久性を調べたところ、図5に示すように、No3の本発明品によれば、試験品No1、No2に比較して寿命が2〜3倍向上することが分かる。
(加工条件)
被削材:S45C(機械構造用炭素鋼)
切削速度:V=240m/min
送り速度:f=0.1mm/rev
切り込み量:t=0.5mm
切削油剤:乾式
切削方式:NC旋盤を用いた連続旋削加工
寿命判定:逃げ面摩耗幅0.1mm
(加工条件)
被削材:S45C(機械構造用炭素鋼)
切削速度:V=240m/min
送り速度:f=0.1mm/rev
切り込み量:t=0.5mm
切削油剤:乾式
切削方式:NC旋盤を用いた連続旋削加工
寿命判定:逃げ面摩耗幅0.1mm
図6は、HfN、TiN、およびTiCについて、高温時(700℃および900℃)における耐摩耗性を調べた結果で、(a) はTiCを基準とする相対アブレッシブ摩耗量で、(b) はTiCを基準とする相対化学的摩耗量である。アブレッシブ摩耗量は擦りによる摩耗量で、化学的摩耗量は化学的反応による摩耗量である。そして、(a) の相対アブレッシブ摩耗量では、HfNの摩耗量はTiNの数百分の1〜数千分の1で、TiCに対しても数分の1〜十数分の1であり、特に900℃の方が、その差が顕著となり、高温での耐摩耗性が優れていることが分かる。また、(b) の相対化学的摩耗量では、HfNの摩耗量はTiCの百分の1〜千分の1程度で、TiNに対しても十分の1以下であり、高温での耐摩耗性が優れていることが分かる。
図7は、本発明品(前記実施例のスローアウェイチップ10と同じ)と、超硬合金の工具母材の表面に3.0μmの膜厚でTiAlN膜を設けた従来品とを用いて、以下の加工条件で工具寿命に達するまでの耐久性を調べた結果で、切削速度V=240、300の何れにおいても本発明品の方が優れた耐久性が得られるが、特に高速加工(V=300)でその差が顕著となり、本発明品は高温での加工で特に優れた耐久性が得られることが分かる。
(加工条件)
被削材:SUS304(ステンレス鋼)
切削速度:V=240、300m/min
送り速度:f=0.15mm/rev
切り込み量:t=0.2mm
切削油剤:水溶性
切削方式:NC旋盤を用いた連続旋削加工
寿命判定:逃げ面摩耗幅0.15mm
(加工条件)
被削材:SUS304(ステンレス鋼)
切削速度:V=240、300m/min
送り速度:f=0.15mm/rev
切り込み量:t=0.2mm
切削油剤:水溶性
切削方式:NC旋盤を用いた連続旋削加工
寿命判定:逃げ面摩耗幅0.15mm
図8は、本発明品(前記実施例のスローアウェイチップ10と同じ)と、超硬合金の工具母材の表面に3.0μmの膜厚でTiN膜を設けた従来品とを用いて、以下の加工条件で工具寿命に達するまでの耐久性を調べた結果で、難削材である鉄−銅系焼結金属材料に対する切削加工であることから、図7に比べて工具寿命は著しく低下するものの、従来品に比較して約2倍の工具寿命が得られることが分かる。
(加工条件)
被削材:鉄−銅系焼結金属
(JIS Z2550の参照記号P2011Z)
切削速度:V=120m/min
送り速度:f=0.2mm/rev
切り込み量:t=1.0mm
切削油剤:水溶性
切削方式:NC旋盤を用いた連続旋削加工
寿命判定:逃げ面摩耗幅0.15mm
(加工条件)
被削材:鉄−銅系焼結金属
(JIS Z2550の参照記号P2011Z)
切削速度:V=120m/min
送り速度:f=0.2mm/rev
切り込み量:t=1.0mm
切削油剤:水溶性
切削方式:NC旋盤を用いた連続旋削加工
寿命判定:逃げ面摩耗幅0.15mm
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
10:スローアウェイチップ(HfNコーティング工具) 12:工具母材 14:TiN膜 16:(Ti、Hf)N膜 18:HfN膜
Claims (2)
- 表面にHfN膜がコーティングされているHfNコーティング工具であって、
工具母材の表面にはTiN膜が設けられるとともに、該TiN膜の上には(Ti、Hf)N膜が設けられ、該(Ti、Hf)N膜の上に前記HfN膜が設けられている
ことを特徴とするHfNコーティング工具。 - 前記TiN膜、(Ti、Hf)N膜、およびHfN膜は、何れもアーク放電PVD法によって設けられているとともに、
該TiN膜の平均膜厚は0.01〜0.6μmの範囲内で、該(Ti、Hf)N膜の平均膜厚は0.5〜4.0μmの範囲内で、該HfN膜の平均膜厚は0.05〜2.0μmの範囲内で、それ等の全体の平均総膜厚は0.56〜6.6μmの範囲内である
ことを特徴とする請求項1に記載のHfNコーティング工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004095311A JP2005279810A (ja) | 2004-03-29 | 2004-03-29 | HfNコーティング工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004095311A JP2005279810A (ja) | 2004-03-29 | 2004-03-29 | HfNコーティング工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005279810A true JP2005279810A (ja) | 2005-10-13 |
Family
ID=35178733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004095311A Pending JP2005279810A (ja) | 2004-03-29 | 2004-03-29 | HfNコーティング工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005279810A (ja) |
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2004
- 2004-03-29 JP JP2004095311A patent/JP2005279810A/ja active Pending
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