JP2005279337A - Rh/SiO2触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】担体の有する高い比表面積を有効に活用することができないため十分な特性が得られないという課題を解決した、マクロ細孔とメソ細孔の二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカを担体とする高活性の触媒を提供する。
【解決手段】マイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔と、ナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔との二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカにRh化合物の溶液を含浸した後、熱処理・還元処理して得た、二元細孔シリカにRhを担持したRh/SiO触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、Rh/SiO触媒に関する。詳しくは、マイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔と、ナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔との二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカにRhを担持したRh/SiO触媒に関するもので、該Rh/SiO触媒は例えば水素化反応触媒として好適に利用される。
貴金属のRhは優れた触媒能を有し、水素化反応、酸化反応、酢酸合成、ヒドロホルミル化反応、カルボニル化反応などの分野で工業的に利用されており、特に芳香族の水素化反応において極めて優れた特性を有する。
Rh触媒は、例えば非特許文献1に記載のアルミナに担持されたRh/Al触媒、非特許文献2記載のシリカに担持されたRh/SiO触媒、カーボンに担持されたRh/C触媒など触媒担体に担持されたものが使用されているが、従来の触媒担体は細孔構造の特性上、担体の有する表面全体を反応場として有効に活用しているものではなかった。つまり、高い比表面積を有する担体を用いる場合でも触媒反応に寄与するのは最外表面近傍に限定され、担体内部は反応に寄与していない。
特に、物質の拡散速度が律速となるような液相水素化反応等に用いる場合には、触媒担体内部の活性点が有効に使われないため高い触媒活性を発現できないことが問題となっている。活性点までの反応物の物質移動、活性点から系外への生成物の物質移動は触媒担体の有する細孔構造に制約を受ける。細孔径が小さくなるほど触媒担体の比表面積が増大し、触媒活性向上に寄与するものと考えられるが、物質輸送という観点からは不利になる。一方、細孔径を大きくすれば物質輸送能に優れるが、比表面積が低下するため触媒活性向上が図られない。
従来の触媒担体は、物質輸送能と高比表面積を両立させることができないため特に拡散律速反応となる液相反応等の分野において好適な触媒を提供することが困難であった。
T. Richardson, et. al., Appl. Catal., 61(1992)293 E. Ronzon, et. al., J. Mol. Catal. A:Chemical 148(1999)105
従来のRh/SiO触媒は、触媒担体の有する高い比表面積を有効に利用することが困難なため十分な触媒活性が得られないという課題があった。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、物質輸送能に優れるマクロ細孔および高い比表面積を持つメソ細孔の二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカを担体に用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、マイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔と、ナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔との二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカにRhを担持したRh/SiO触媒である。
本発明のRh/SiO触媒は、マクロ細孔及びメソ細孔の両者が存在するため高い触媒活性を発現し、例えば水素化反応触媒として好適に利用される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のRh/SiO触媒は、マイクロメートル領域のマクロ細孔を有し、該マクロ細孔の細孔径の範囲は特に限定されるものではないが0.1〜30μmの範囲が好適に用いられる。マクロ細孔の細孔径が0.1μm未満の場合、圧力損失が高くなり触媒反応等に用いる場合には装置上あるいは反応上の不都合を来たす。また、マクロ細孔の細孔径が30μm超の場合、機械的強度が著しく低下するため好ましくない。マクロ細孔の細孔径が大きいものほど物質輸送能に優れるため化学反応上好ましいが、強度上の観点からマクロ細孔の細孔径は制限され、マクロ細孔の細孔径は1〜20μmの範囲が好ましい。
また、本発明のRh/SiO触媒はナノメートル領域のメソ細孔を有し、該メソ細孔の細孔径の範囲は特に限定されるものではないが1〜50nmの範囲が好適に用いられる。該Rh/SiO触媒は、二元細孔シリカにRhをメソ細孔およびマクロ細孔の外表面に担持することにより調製されるが、該二元細孔シリカのメソ細孔の細孔径が1nm未満の場合、メソ細孔への触媒成分の担持が困難となり好ましくない。また、該二元細孔シリカのメソ細孔の細孔径が50nm超の場合、メソ細孔への触媒成分の担持は容易となるが比表面積が減少し触媒活性の低下をもたらす。
本発明のRh/SiO触媒の形状は、特に限定されるものではなく目的に応じて定めることができるが、例えば球状粒状、不定形顆粒状、円柱形ペレット状、リング形状、ハニカム状のものが挙げられる。
また本発明のRh/SiO触媒のサイズは、反応器の形式や大きさなどプラントの制約、操作条件、経済性などを考慮して決定される。
球状粒状、不定形顆粒状等の粒子状の触媒を用いる場合、触媒反応速度は境膜拡散や細孔内拡散などの物質移動の影響が大きいため該触媒粒子の外表面積が大きくなるほど活性が向上する。触媒活性の面だけからいえば、該触媒粒子のサイズは小さいものが好ましいが、実際の工業プロセスにおいては、触媒粒子は反応器に充填されて使用され反応流体がこの触媒層を通過する。触媒粒子径が小さいときは触媒層を通過する流体抵抗が大きくなるため、触媒活性と触媒層の圧力損失との兼合いで触媒粒子径が決定されている。一般に工業的な触媒プロセスでは3〜20mm程度のサイズのものが用いられているが、活性向上を図るためには、より微小サイズの触媒が望ましい。
本発明のRh/SiO触媒は、既に述べたように物質輸送に有利なマクロ細孔と、高い比表面積を有し触媒反応場となるメソ細孔を併せもつため、圧力損失が低く、かつ触媒活性も高い触媒の担体となりうる特徴を有している。
本発明のRh/SiO触媒の細孔容積は、グラム当り0.3〜2cmの範囲で制御可能であり、通常1cmのものが好適に用いられる。
本発明のRh/SiO触媒の比表面積は、グラム当たり10〜1,000mの範囲で制御可能である。ただし、高温下ではメソ細孔が消滅し比表面積が低下するといった熱耐性の問題を含み、反応活性および熱耐性の観点からグラム当たり200〜800mの範囲のものが好適に用いられる。
本発明のRh/SiO触媒のRh担持量は、Rh/(Rh+SiO)の重量比で0.001〜0.20の範囲にあり、コスト的な観点から0.01〜0.10の範囲が好ましい。
本発明のRh/SiO触媒の製造方法は特に限定されないが、代表的には次の方法で製造することができる。
本発明においては、担体としてマイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔と、ナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔との二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカを用いる。
該二元細孔シリカのマクロ細孔の細孔径の範囲は0.1〜30μm、メソ細孔の細孔径の範囲は1〜50nmのものが好適である。
該二元細孔シリカは相分離を利用した手法により、例えばシリカ源としてケイ素アルコキシドを用いる特開平3−8729号記載の方法や水ガラスを用いる高橋らの方法(R. Takahashi.,et.al.,J.Ceram.Soc.Japan,109(2001)577)により作製できる。
シリカ源としては、メトキシシラン、エトキシシラン等のケイ素アルコキシドや、水ガラスが特に制限なく用いられる。
水ガラスは、一般にはケイ酸アルカリ塩の濃厚水溶液であり、その種類や濃度は特に限定されないが、JIS規格の水ガラスである珪酸ナトリウムJIS3号またはそれと同等のものがシリカ源として取扱いやすい。
相分離とゲル化を同時に起こして湿潤状態のゲルを作製するためには、シリカ源を含む溶液にポリマーおよび酸を存在させてゲル化を進める手段が有効に利用される。
ここでポリマーとは、適当な濃度の溶液を形成することができる有機高分子であって、シリカ源を含有する溶液中において均一に溶解することができるものが好適である。具体的には、高分子金属塩であるポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩またはカリウム塩、高分子酸であって解離してポリアニオンとなるポリアクリル酸、高分子塩基であってポリカチオンを生ずるポリアクリルアミンまたはポリエチレンイミン、中性高分子であって主鎖にエーテル結合を持つポリエチレンオキシド、側鎖にヒドロキシル基を有するポリビニルアルコール、もしくはカルボニル基を有するポリビニルピロリドン等である。
これらのうち、ポリアクリル酸またはポリビニルアルコールが、取扱いが容易であり好ましい。ポリアクリル酸は分子量15,000〜300,000、好ましくは20,000〜150,000のものが好適である。
加水分解反応の触媒として働きゲル化を促進するために添加される酸として、通常硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸または有機酸が使用される。最終的な酸の濃度は、最終溶液1リットルあたり、0.001〜5モル、好ましくは0.1〜4モルの範囲が好ましい。
湿潤状態のゲルを得るためのゲル化の代表的方法は、シリカ源、ポリマー、酸等からなる混合溶液(以下、ゾル液と呼ぶ)を密閉容器などに入れ、0〜80℃で、好ましくは20〜50℃で10分〜1週間、さらに好ましくは1時間〜24時間放置することにより行う。
マクロ細孔の細孔径や容積はゲル化条件によって制御することができる。
シリカ源に水ガラスを用いる場合は、作製された湿潤ゲルを乾燥する前に洗浄する必要がある。これは、水ガラスにナトリウム等のアルカリ金属が含まれており、湿潤ゲルをそのまま乾燥させると乾燥が進むにつれてゲルの崩壊が進むからである。洗浄は、ゲルを水に漬け、厚さが1cm程度あるゲルでは室温で12時間以上放置することにより行うが、ゲルの厚さがこれより薄ければより短時間で洗浄可能である。
次いで、マクロ細孔の他にメソ細孔を有する二元細孔シリカを得るために、水洗後のゲルを塩基性水溶液中で熟成させる。該二元細孔シリカのメソ細孔の細孔径は、熟成条件によって制御できる。熟成は、0.01〜10規定のアルカリ溶液中で0〜80℃の温度で行うのが好ましい。これら熟成条件は、希望とするメソ細孔の細孔径を適宜選択することにより決定できる。
熟成後のゲルは、30〜80℃で数時間〜数十時間放置して乾燥を行う。乾燥後、マクロ細孔作製の目的で加えられた水溶性高分子化合物等の有機物を除去するため、および強度を向上しマクロ細孔構造を維持するために焼成する。焼成温度は、500〜1,100℃が好ましいが、500℃以下で焼成しても良い。
本発明においては、前述の方法に基づいて調製した二元細孔シリカにRhを担持してRh/SiO触媒を得る。
本発明のRh/SiO触媒の製造において二元細孔シリカに担持する方法は特に限定されるものではなく、既に知られている種々の担持方法を用いることができるが、含浸法が特に好適に用いられる。含浸法に用いる溶液は、Rh化合物および溶媒からなる。また、必要に応じて該含浸法に用いる溶液にカルボン酸化合物を添加することもできる。
Rh化合物の代表的なものを例示すると、塩化ロジウム、硝酸ロジウム等が挙げられる。また、溶媒は例えば水、アルコール等の極性溶媒が用いられるが、特に水が好適である。
カルボン酸化合物は特に限定されるものではないが、クエン酸、乳酸が好適に用いられ、特に乳酸を用いて製造されるRh/SiO触媒は、高い活性を示す。この理由は、明らかではないが、Rh/SiO触媒を製造する際の乾燥工程においてRh種の塩の結晶化による凝集の抑止、あるいは焼成時に有機物分解の急激な反応がないためRhの凝集が抑制されることによるものと考えられる。
該含浸法に用いる溶液におけるRh化合物、溶媒の配合割合は特に限定されず所望のRh担持量となるように適宜決定することができるが、沈殿物等を生じない均一な溶液を得ることが必要である。カルボン酸化合物を添加する場合、沈殿物等を生じない均一な溶液を得られること、及び触媒活性向上の観点からRh化合物/カルボン酸化合物の量比はモル比で0.1〜5の範囲が好ましい。
二元細孔シリカに含浸法によりRhを担持するには、前述の溶液を二元細孔シリカに含浸させればよいが、担持効率を上げるために減圧下で脱気することもできる。また、低いRh濃度を有する溶液を用いて、含浸と乾燥を複数回繰り返すこともできる。
含浸後の二元細孔シリカは、Rh化合物、溶媒等を細孔中に含むため、熱処理により溶媒揮発、有機物を分解させる必要がある。
熱処理は、通常400〜1,000℃の範囲であり、二元細孔シリカの比表面積を低減しない500〜800℃の範囲が好ましい。熱処理時の雰囲気は、有機物分解を促進するため酸素ガス中あるいは空気中が好ましい。該熱処理により、Rh化合物は酸化されとなり、Rh/SiOが得られる。
本発明のRh/SiO触媒は、該Rh/SiOを水素気流下で熱処理してRhをRhに還元することにより得られる。水素気流下での熱処理における水素流量、熱処理温度は特に限定されず、該Rh/SiOの処理量等を勘案して適宜決定される。
該水素気流下での熱処理条件を例示すれば、試料2gに対し水素流量30cm/min、150℃で1時間熱処理を行うがよい。
尚、本発明のRh/SiO触媒のマクロ細孔の細孔径は、水銀圧入法あるいは電子顕微鏡による直接観察により、またメソ細孔の細孔径は水銀圧入法あるいは窒素吸着法により確認することができる。
また、本発明のRh/SiO触媒の細孔容積は、水銀圧入法あるいは窒素吸着法を用いて求めることができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
(窒素吸着法による比表面積測定)
液体窒素温度における窒素の吸着量を絶対平衡吸着圧力0.35以下で3点測定し、BET法により比表面積計算を行った。測定試料は、予め110℃で一晩乾燥し、秤量後300℃で一時間減圧処理した後、窒素吸着装置(ベックマンコールター社製、OMNISORP 100CX)を用いて測定を行った。
(XRD測定)
Rh/SiO触媒の結晶構造をX線回折装置(マック・サイエンス社製M18XHF−SRA)を用いて評価を行った。X線源はCu−Kα(λ=0.154nm)を用いた。結晶相の同定はJCPDSに基づいて行った。
(マクロ細孔の細孔径の測定)
予め120℃、12時間乾燥させた測定用試料を、水銀圧入法(カンタクローム社製、POREMASTER−60)によりマクロ細孔の細孔径を測定した。測定で得られた細孔径分布において、マイクロメートル領域に現れる最大ピークの孔径をマクロ細孔の細孔径とした。
(メソ細孔の細孔径の測定)
予め120℃、12時間乾燥させた測定用試料を、窒素吸着法(ベックマンコールター社製、OMNISORP 100CX)によりメソ細孔の細孔径を測定した。−196℃で窒素の吸着−脱離等温線を測定し、吸着等温線(脱離側)を用いて細孔径分布を求めた。該吸着等温線からメソ細孔の細孔径を算出した。
(Rh担持量の測定)
Rh/SiO触媒のRhの担持量は、水素還元処理前のRh/SiO触媒を用いてTPR測定(Temperature―Programmed Reduction)により決定した。試料にHとNの混合ガス(H:N=1:9)、流量10cm/minを流通し、昇温速度5℃/minとし、室温から400℃まで昇温した際のHの消費量をTCD(Thermal Conductivity Detector)により検出した。また、予めRhのみの試料から検量線を作成し、Rh/SiO触媒の担持量を求めた。
(触媒活性評価)
Rh/SiO触媒を用い下式に示すシクロヘキセンの液相水素化反応を行った。
10 + H → C12
反応容器(内径19mm、高さ140mm)の内部に予め0℃に冷却した反応溶液(シクロヘキセン0.85ml、ペンタン5.6ml)にRh/SiO 10mgを入れ、反応溶液をマグネティックスターラで1,350rpmのスピードで攪拌した。反応容器を水素1.1MPa加圧下、30分間反応を行った。尚、反応温度は0℃とした。反応生成物の分析はFID式ガスクロマトグラフィーにより測定した。仕込みシクロヘキセンが反応により消費された量から転化率を決定した。転化率はシクロヘキセンからシクロヘキサンへの反応の程度を示し下式で表される。
転化率(%)=(消費シクロヘキセン)/(仕込みシクロヘキセン)×100
また、反応時間tにおける転化率Xから次式により計算した一次反応速度定数kを求めた。
kt=ln〔1/(1−X)〕

実施例1
平均分子量10万のポリエチレンオキシド(以下PEOという)共存下にテトラエトキシシラン(以下TEOSという)を用いて、マクロ細孔の細孔径2μm、メソ細孔の細孔径12nm、比表面積402m/gの二元細孔シリカを作製した。仕込組成は重量比で水:濃硝酸:PEO:TEOS=11.5:1.5:1.3:9.4とし、室温で攪拌し均一溶液とした後50℃で静置しゲル化させた。該ゲルを三日間水洗した後、0.1規定のアンモニア水溶液中50℃で三日間熟成を行った。その後該ゲルを50℃で一週間乾燥した後600℃で二時間焼成を行った。
焼成ゲルを乳鉢を用いて粉砕し、250〜600μmに篩い分けした。予め調製した、RhCl・3HO 0.384g、HO 76.8gからなる含浸溶液を焼成後の試料2.85gに、赤外線ランプ下で加熱しながら該含浸溶液をゆっくりと滴下することによりRhを担持した。その後500℃で二時間焼成した。こうして得られる試料はRh/SiOであり、引き続き水素還元処理を行った。該水素還元処理は、水素流量30cm/min、150℃、一時間とした。水素還元処理後の試料を瑪瑙乳鉢を用いて粉砕し粒径を90〜125μmに揃えた後110℃で乾燥してRh/SiO触媒を得た。
図1に水素還元処理後の試料の断面SEM写真を、図2に水素還元処理後の試料の水銀圧入法測定結果を示す。図1に示すように、水素還元により得たRh/SiO触媒は、細孔径2μmのマクロ細孔が存在する多孔体である。また図2に示すように、水銀圧入法によりマクロ細孔とメソ細孔が共に存在することを確認した。また、窒素吸着法によりメソ細孔の細孔径が12nmであることを確認した。TPR測定より、該Rh/SiO触媒のRhの担持量はRh/(Rh+SiO)の重量比で0.05であった。また、Rh/SiO触媒のペンタン溶媒中でのシクロヘキセンの水素化反応における転化率は77.9%、反応速度定数は2,015h−1−1であった(表1)。
図3にRh/SiO触媒の焼成温度を種々変化させた試料について各々水素還元処理前後のXRD測定の結果を示す。焼成温度は、焼成なしの乾燥ゲル(none calcination)、300℃、400℃、500℃、600℃、800℃で、焼成時間は各二時間である。図3よりわかるように、水素還元処理前はRhの状態となっているが水素還元処置後にはRh金属の状態へ変化していることがわかる。また、焼成温度600℃以下では水素還元処理後のRhピークは非常にブロードでRh粒子が微小であることがわかる。
実施例2
予め調製した、RhCl・3HO 0.384g、HO 76.8g、RhCl・3HOの2倍モル量の乳酸0.26gからなる含浸溶液を用いる以外は、実施例1と全く同様にしてRh/SiO触媒を作製した。
SEM写真、水銀圧入法、窒素吸着法によりマクロ細孔が細孔径2μm、メソ細孔の細孔径が12nmであることを確認した。TPR測定より、該Rh/SiO触媒のRhの担持量はRh/(Rh+SiO)の重量比で0.05であった。また、Rh/SiO触媒のペンタン溶媒中でのシクロヘキセンの水素化反応における転化率は97.5%、反応速度定数は4,895h−1−1であった(表1)。
実施例3
平均分子量25,000のポリアクリル酸(以下HPAAという)共存下、水ガラス(3号珪曹)より、マクロ細孔の細孔径2μm、メソ細孔の細孔径12nm、比表面積390m/gの二元細孔シリカを作製した。仕込組成は、重量比で水:濃硝酸:HPAA:水ガラス=97:37:6.5:58とし、室温で攪拌し均一溶液とした後、25℃で静置しゲル化させた。ナトリウム除去のために該ゲルを水洗した後、0.1規定のアンモニア水溶液中で、70℃で三日間熟成を行った後に、50℃で乾燥した後600℃で二時間焼成を行った。
焼成ゲルを乳鉢を用いて粉砕し、250〜600μmに篩い分けした。予め調製した、RhCl・3HO 0.384g、HO 76.8gからなる含浸溶液を焼成後の試料2.85gに、赤外線ランプ下で加熱しながら該含浸溶液をゆっくりと滴下することによりRhを担持した。その後500℃で二時間焼成した。こうして得られる試料はRh/SiOであり、引き続き水素還元処理を行った。該水素還元処理は、水素流量30cm/min、150℃、一時間とした。水素還元処理後の試料を瑪瑙乳鉢を用いて粉砕し粒径を90〜125μmに揃えた後110℃で乾燥してRh/SiO触媒を得た。
SEM写真、水銀圧入法、窒素吸着法によりマクロ細孔が細孔径2μm、メソ細孔の細孔径が12nmであることを確認した。TPR測定より、該Rh/SiO触媒のRhの担持量はRh/(Rh+SiO)の重量比で0.05であった。また、Rh/SiO触媒のペンタン溶媒中でのシクロヘキセンの水素化反応における転化率は77.0%、反応速度定数は1,900h−1−1であった(表1)。
実施例4
実施例1で作製したRh/SiO触媒を用いて、シクロヘキセンの水素化反応をエタノロール溶媒中で行った。シクロヘキセンの水素化反応における転化率は94.4%、反応速度定数は3,833h−1−1であった(表1)。
比較例1
市販のRh/C(触媒担体はカーボン、Rh担持量はRh/(Rh+C)の重量比で0.05、触媒の比表面積:760m/g、和光純薬工業)を用いた以外は実施例1と同様にして、シクロヘキセンの水素化反応を行った。シクロヘキセンの水素化反応における転化率は2.7%、反応速度定数は36h−1−1であった(表1)。また、Rh/Cの水素還元処理前後のXRDパターンを図3に示す。
比較例2
市販のRh/C(触媒担体はカーボン、Rh担持量はRh/(Rh+C)の重量比で0.05、触媒の比表面積:760m/g、和光純薬工業)を用いた以外は実施例4と同様にして、シクロヘキセンの水素化反応を行った。シクロヘキセンの水素化反応における転化率は48.7%、反応速度定数は889h−1−1であった(表1)。
表1より明らかなように、二元細孔シリカを担体に用いたRh/SiO触媒は、転化率および反応速度定数も高く好適な水素還元触媒であることがわかる。
Figure 2005279337
Rh/SiO触媒のSEM写真 水銀圧入法によるRh/SiO触媒の細孔分布を示す図 Rh/SiO触媒およびRh/Cの水素還元処理前後のXRDパターン

Claims (1)

  1. マイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔と、ナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔との二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカにRhを担持したRh/SiO触媒。


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