JP2005278373A - 誘導電動機の回転子 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性体コアのスロットに2つの導電部で形成された2次導体部を備える誘導電動機の回転子において、2次導体部から前記コアに加わる遠心荷重を効果的に軽減させると共に、2次導体部に生じる総電力損失を効率的に抑制する。
【解決手段】磁性体からなるコア11の軸心O周りに該軸心Oに沿って伸びる複数のスロット12を設け、これらスロット12に電気抵抗率の異なるアルミニウム及び銅で形成された2次導体部14を備える誘導電動機の回転子1であって、2次導体部14は、スロット12の底部12a側に電気抵抗率の低い銅からなる第1導電部1を備えると共に、そのスロット12の外周部12b側に第1導電材1より電気抵抗率の高いアルミニウムからなる第2導電部2を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁性体からなるコアの軸心周りに該軸心に沿って伸びる複数のスロットを設け、これらスロットに電気抵抗率の異なる2つの導電部で形成された2次導体部を備えてなり、その周囲に発生する回転磁界と、この回転磁界により2次導体部に生じる誘導電流との相互作用によって回転する誘導電動機の回転子に関するものである。
図7(a)は、誘導電動機の回転子30を例示する断面図である。この回転子30は、一般にかご形回転子と呼ばれており、磁性体からなるコア(以下、「回転子コア」という。)31の軸心O周りに該軸心Oに沿って伸びる複数のスロット32を有し、これらスロット32を回転子コア31の外周部にある表皮部分(以下、「ブリッジ」という)31Bにスリット(空間)32sを設け、このスリット32sを除くスロット32にそれぞれ、導電材をダイキャストして2次導体部34を成形したものである。
一方、導電材には軽量、安価で、融点及び熱膨張率の低く、ダイキャスト性に優れるアルミニウムを用いるのが一般的であるが、電気抵抗率が銅の2倍近くもあり、回転子の回転トルク発生に伴い生じるトルク電流による電力損失、即ち、負荷運転中における2次導体部34での電力損失P1が大きいため、効率の低下や回転子の過熱の原因となっている。一方、銀に次いで電気抵抗率の低い銅を用いて2次導体部34を成形する技術も公知であるが、銅は、融点が700゜Cと高く、その上、高価で質量が大きいため、製造しやすさに難があると同時に、高速回転中の遠心荷重に対する制御が難しいという理由から、銅のみで2次導体部34を成形することは一般的ではない。
これに対し、他のかご形回転子としては、図7(b)の要部断面図に示す如く、スロット12内のスリット32s側に銅からなる棒状部材を密着配置して第1の導電部34aとすると共に、スロット32の残部にアルミニウムをダイキャストして第2の導電部34bとしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−206080号公報
図7(b)に示すかご形回転子は、スロット32とスリット32sとの間を第1導電部34aで隔絶してスリット32sにアルミニウムが流れ込むことを防止する。しかして、こうしたかご形回転子にあっては、第1導電部34aがスロット32において回転子コア31の軸心Oから最も遠い位置にあるため、回転子が高速回転化するに従ってブリッジ31Bが第1導電部34aから大きな遠心荷重を受けるため、このブリッジ31Bを押し上げて破損に至る可能性がある。
また、上記かご形回転子は、スリット32sにまで導体を設けるとインバータ電圧が惹起する高調波電圧のために渦電流損失が生じるという不都合に鑑み、銅バー34aによって溶融したアルミニウムのスリット32s内への浸入を阻止すべく画策されたものであると同時に、銅バー34aを抵抗値の低い2次導体として機能させることにより、2次損失を低減させようとするものであるが、スロットが外部に開放された所謂オープンスロットでは、オープンスロットの外周部側にインバータ電源の高調波による影響が生じると共に、抵抗率の低い銅バー中に過大な渦電流損失が生じることを避け得ない。しかして、密度の高い銅を外周部側に配置することは、2次導体部34からコア31に加わる遠心荷重に対する耐遠心荷重性能上も得策とは言い難い。このため、本願発明者は、オープンスロットに2次導体部を挿入して特性の改善を図る策として、スロットの外周部側に軽量で抵抗率の高い導体を配置し、スロットの底部側に重量で抵抗率の低い導体を配置する構成に想到するに至った。
本発明の解決すべき課題は、上述した事実に鑑みてなされたものであり、磁性体コアのスロットに2つの導電部で形成された2次導体部を備える誘導電動機の回転子において、2次導体部から前記コアに加わる遠心荷重を効果的に軽減させると共に、2次導体部に生じる総電力損失を効率的に抑制することにある。
本発明である誘導電動機の回転子は、磁性体からなるコアの軸心周りに該軸心に沿って伸びる複数のスロットを設け、これらスロットに電気抵抗率の異なる2つの導電材で形成された2次導体部を備える誘導電動機の回転子において、前記2次導体部は、前記スロットの底部側に電気抵抗率の低い第1の導電材からなる第1の導電部を備えると共に、そのスロットの残部に前記第1の導電材より電気抵抗率の高い第2の導電材からなる第2の導電部を備えることを特徴とするものである。
本発明において、前記スロットは、その内部を外部に開放するスリットを備えることが好ましく、また、前記2次導体部は、前記第1の導電部を前記第2の導電部で一体に包囲し、この第2の導電部を介して前記スロット内に固定保持したものであることが好ましい。更に、本発明において、前記2次導体部は、前記第1の導電部及び前記第2の導電部をそれぞれ銅及びアルミニウムで構成し、前記スロットの底部からその外周部までの距離Lと、このスロットの外周部から前記第1の導電部の最外周部までの距離ΔLとの比を、L:ΔL=1:0.03〜0.7に設定することが好ましい。
本発明によれば、前記スロットの底部側に電気抵抗率の低い第1の導電材からなる第1の導電部を設けたことにより、前記スロットの外周部側に電気抵抗率の高い第2の導電材からなる第2の導電部を設けたことにより、スロットの外周部側では電気抵抗率の高い導電材からなる第2の導電部によってインバータ高調波による電力損失を重点的に抑制し、インバータ高調波による影響を受けにくいスロットの底部側では電気抵抗率の低い導電材からなる第1の導電部によってトルク電流による電力損失を抑制するため、2次導体部全体の総電力損失を効果的に減らすことができ、その結果として、誘導電動機の効率が向上すると共に出力トルクを効率的に取り出せる。また、かかる構成によれば、第1の導電部が銅といった質量の大きいものである場合も、この質量の大きい導電部がスロットの外周部よりも軸心側になるから、第1導電部の回転径縮小の効果で2次導体部からコアに加わる遠心荷重を軽減させることができる。従って、本発明によれば、耐久性に優れて電力損失の少ない誘導電動機の回転子を提供することができる。
ところで、前記スロットがその内部を外部に開放するものである場合、一般にインバータ高調波はスロット内に深く浸透する。このため、本発明に係るスロットがその内部を外部に開放するスリットを備えるものである場合、インバータ高調波による電力損失を効果的に抑制できるため、2次導体部に生じる総電力損失を更に軽減できる。また、本発明に係る2次導体部を、前記第1の導電部を前記第2の導電部で一体に包囲し、この第2の導電部を介して前記スロット内に固定保持すれば、このスロット内での2次導体部の座が安定すると共に前記第2の導電部が緩衝材となるため、前記2次導体部から前記コアに加わる遠心荷重を更に軽減させることができる。
また、2次導体部における電力損失Pは一般に、
P=P1+P2 ・・・(1)
P1=(本来のトルク電流)2×(抵抗値)
P2=(インバータによって惹起される高調波電流)2×(表皮効果を含む抵抗値)
で表され、この式(1)の右辺第1項P1の増加を極小化すれば、2次導体部での過熱及び効率の低下を防止することができるが、2次導体部を銅のみで構成した時の第1項P1をP1=1とした場合の、本発明に係る2次導体部での第1項P1がP1=3を超えると、誘導電動機の機能及び性能に影響が及び、誘導電動機の体格を大きくしたり、巧妙な冷却機構が必要になる等、その影響が多大である。そこで、本発明にあっては、前記第1の導電部及び前記第2の導電部をそれぞれ銅及びアルミニウムで構成し、前記スロットの底部からその外周部までの距離Lと、このスロットの外周部から前記第1の導電部の外周部までの距離ΔLとの比を、L:ΔL=1:0.03〜0.7に設定すれば、2次導体部を銅のみで構成した時の第1項P1をP1=1とした場合の、本発明に係る2次導体部での第1項P1がP1=2.1に以下できるため、2次導体部での過熱及び効率の低下防止に有効である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る回転子10を採用する誘導電動機100の一形態であって、その側面を示す要部縦断面図である。
誘導電動機100は、所謂、三相交流モータであって、ケースC内に軸受Bによって回転自在に支持されたシャフトSを有し、このシャフトSの軸心Oと同軸上に一体に設けられたかご形回転子10と、このかご形回転子10を取り囲むように軸心O周りに180°間隔で配置された固定子20とを備え、これら固定子20に、120°の位相差のある3相交流電流を流すことにより、ケースC内にてかご形回転子10の周囲に回転磁界を発生させることができる。
かご形回転子10は、複数の電磁鋼板11aを軸心Oに沿って積層してなる回転子コア11を有し、この回転子コア11の前後端面に配した短絡環13を複数の2次導体部14で連結したものである。
図2(a)は、かご形回転子10を電磁鋼板11aと共に軸心Oに直交する断面で示す正面図である。なお、図中、符号αは、軸心Oに直交する断面にて、この軸心Oから放射状に伸びる径方向軸線である。
電磁鋼板11aは、シャフトSを固定する開口Hと、その軸心O周りに複数のスロット12とを有するディスク状のものであって、この電磁鋼板11aを図1に示す如くシャフトSに沿って複数個積層することにより、軸心O周りに軸心Oに沿って伸びる複数のスロット12を有する回転子コア11が形成される。スロット12は、回転子コア11のブリッジ11Bにスリット12sを有し、このスリット12sでスロット12の内部を外部に開放するオープンスロットである。
図2(b)は、2次導体部14を示す要部拡大図である。2次導体部14は、図2(b)に示す如く、各スロット12の底部12a側に電気抵抗率の低い銅からなる第1導電部1を備えると共に、そのスロット12の残部に銅より電気抵抗率の高いアルミニウムからなる第2導電部2を備える。具体的には、第1導電部1は2つの短絡環13をよじれ状態で繋ぐ銅製の棒状部材であって、これをスロット12の底部12a側に配した後、スロット12内をアルミニウムでダイキャストして第2導電部2を成形する。
次に、かご形回転子10の具体的な作用効果を検証する。なお、以下の説明にあっては、必要に応じて、図7の従来技術を参照する。
インバータ電源で駆動される誘導電動機100において、2次導体部14内には2種類の原因によって電力損失Pが生じる。
先ず第1の原因は、かご形回転子10の回転トルクに伴って生じるトルク電流による電力損失P1である。トルク電流の場合、ある負荷状態に対して一定のトルク電流値が望まれるとき、第1導電部1と第2導電部2とは各抵抗値の逆比で電流を分担しつつ、それら電流の和が所定の回転トルクを発生する電流となるように分布する。そして、すべりが十分に小さい場合、回転子10の表面付近の2次導体部に電流分布の偏りを生じさせる所謂、表皮効果は発生せず、各導電部1,2内の電流密度は、径方向αに沿ってかご形回転子10の外周部10bからスロット12の底部12aに至るまでの任意の深さβによらず均質であると考えられる。つまり、2次導体部14では、銅からなる第1導電部1と、アルミニウムからなる第2導電部2とで電流値が二段階に画然と区分けされている。この原理による電力損失P1は、理論式上、P1=I2・R(I:電流,R:抵抗)となり、総抵抗が小さいほど小さくなる。このため、銅からなる第1導電部1の比率を高くすればするほど、トルク電流による電力損失P1の低減に効果がある。
これに対し、図3は、軸心Oに直交する断面において、2次導体部14の断面積SをS=1とした場合に、この断面積Sに対してアルミニウムからなる第2導電部2の断面積S2が占めるアルミ含有率S1/Sを横軸に取り、このアルミ含有比率S1/Sにおけるトルク電流による電力損失P1を横軸に取った解析図である。図3から明らかな如く、2次導体部14においてアルミ含有比率S1/Sを増加させると、それに従ってトルク電流による電力損失P1も単純に増加する。即ち、トルク電流による電力損失P1を抑制するためには、2次導体部14における銅の割合を増やすことが好ましい。なお、図3において、電力損失P1の数値そのものは単位量に対するものであって、その数値自体に特別な意味を有するものではない。
一方、2次導体部14に電力損失Pが生じる第2の原因は、インバータ電源から供給される電圧に含まれる搬送波に起因して2次導体部14内に発生する高調波電圧に伴うインバータ高調波による電力損失P2である。インバータ高調波による電流は、かご形回転子10の外表面で最も高く、スロット12の底部12aに向かうに従って、ほぼエラー関数e=e0・e×p(−x/δ)(e0:回転子の外表面での誘起電圧、e:スロット12の深さxにおける誘起電圧、δ:諸パラメータによって決まる誘起電圧の浸透深さ)に沿って低減される誘起電圧を各導電材の電気抵抗率で除した電流分布となる。なお、図4は、スロット12の底部12aからその外周部12bまでの距離L1をL1=1とした場合の、かご形回転子10の外周部10bから任意の深さβを横軸に取り、この深さβに対する誘起電圧Vを縦軸に取って誘起電圧Vの分布を示す解析図であり、浸透深さは0.2である。但し、浸透深さは回転子コア11の積層構造などの影響を受けるものとする。また、図4において、誘起電圧Vの数値自体は特別な意味を有するものではないが、基本の磁束密度や搬送周波数が高い場合には、その数値は大きくなる傾向にある。この原理による電力損失P2は、理論式上、P2=V2/R(V:電圧,R:抵抗)となり、電気抵抗率が高い導電材を用いるほど小さくなる。このため、トルク電流による電力損失P1とは逆に、アルミニウムからなる第2導電部2の比率を高くすればするほど、電力損失P2の低減に効果がある。
図5は、軸心Oに対して直交する縦断面において、2次導体部14の断面積SをS=1とした場合に、この断面積Sに対してアルミニウムからなる第2導電部2の断面積S2が示すアルミ含有比率S1/Sを横軸に取り、このアルミ含有比率S1/Sにおけるインバータ高調波による電力損失P2を横軸に取った解析図である。図5から明らかな如く、2次導体部14においてアルミ含有比率S1/Sを増加させると、それに従ってインバータ高調波による電力損失P2も最初急速に低下するが、やがて緩慢に低下する。即ち、インバータ高調波による電力損失P2を抑制するためには、2次導体部14におけるアルミニウムの割合を増やすことが好ましい。なお、図4においても、電力損失P2の数値そのものは単位量に対するものであって、その数値自体に特別な意味を有するものではない。
上記図3〜5に基づく検討の結果、本発明に係る2次導体部14の如く、インバータ高調波による電力損失P2が生じるスロット12の外周部12b側に電気抵抗率の高いアルミニウムからなる第2導電部2を設けると共に、インバータ高調波による影響を受けにくいスロット12の底部12b側に電気抵抗率の低い銅からなる第1導電部1を設ければ、スロット12の外周部12b側ではアルミニウムからなる第2導電部2によってインバータ高調波による電力損失P2を重点的に抑制し、インバータ高調波による影響を受けにくいスロット12の底部12b側では銅からなる第1導電部1によってトルク電流による電力損失P1を抑制するため、2次導体部14全体の総電力損失P=P1+P2を効果的に減らすことができ、その結果として、誘導電動機100の効率が向上すると共に出力トルクを効率的に取り出せる。また、かかる構成によれば、第1導電部1が質量の大きい銅であっても、この質量の大きい第1導電部1がスロット12の外周部12bよりも軸心O側になるから、第1導電部1の回転径縮小の効果で2次導体部14から回転子コア11のブリッジ11Bに加わる遠心荷重を軽減させることができる。従って、本発明によれば、耐久性に優れて電力損失の少ないかご形回転子を提供することができる。
ところで、本形態の如く、スロット12がその内部を外部に開放するオープンスロットである場合、一般にインバータ高調波はスロット12内に深く浸透する。このため、本発明に係るスロット12の如く、スロット12がその内部を外部に開放するスリット12Sを備えるものである場合、インバータ高調波による電力損失P2を効果的に抑制できるため、2次導体部14に生じる総電力損失Pを更に軽減できる。また、本発明の係る2次導体部14の如く、第1導電部1を第2導電部2で一体に包囲し、この第2導電部2を介してスロット12内に固定保持すれば、このスロット12内での2次導体部の座が安定すると共に第2導電部2が緩衝材となるため、2次導体部14からブリッジ11Bに加わる遠心荷重を更に軽減させることができる。
また、図6は、スロット12の底部12aからその最外周部12bまでの距離L1をL1=1とした場合の、この距離L1に対する、スロット12の最外周部12bから第1導電部1の最外周部1bまでの距離ΔLの比率ΔL(=ΔL/(L1=1))を横軸に取り、この距離ΔLにおける2次導体部14内での総電力損失P(=P1+P2)を縦軸に取った解析図である。
2次導体部における電力損失Pは一般に、
P=P1+P2 ・・・(1)
P1=(本来のトルク電流)2×(抵抗値)
P2=(インバータによって惹起される高調波電流)×(表皮効果を含む抵抗値)2
で表され、この式(1)の右辺第1項P1の増加を極小化すれば、2次導体部での過熱及び効率の低下を防止することができるが、2次導体部を銅のみで構成した時の第1項P1をP1=1とした場合の、本発明に係る2次導体部14での第1項P1がP1=3を超えると、誘導電動機100の機能及び性能に影響が及び、誘導電動機100の体格を大きくしたり、巧妙な冷却機構が必要になる等、その影響が多大である。
そこで、本発明の如く、銅からなる第1導電部1とアルミニウムからなる第2導電部2との境界がスロット12の外周部12bから比率ΔL=0.03〜0.7の範囲内の位置、即ち、第1導電部1及び第2導電部2をそれぞれ銅及びアルミニウムで構成し、スロット12の底部12aからその外周部12bまでの距離Lと、このスロット12の外周部12bから第1の導電部1の外周部1bまでの距離ΔLとの比を、L:ΔL=1:0.03〜0.7に設定すれば、図6に示す如く、図7のように2次導体部34を銅のみで構成した時の第1項P1をP1=1とした場合の、本発明に係る2次導体部14での第1項P1がP1=2.1に以下できるため、2次導体部14での過熱及び効率の低下防止に有効である。更に図6から明らかな如く、第1導電部1と第2導電部2との境界がスロット12の外周部12bから比率ΔL=0.2の範囲内の位置、即ち、距離L1と距離ΔLとの比を、L:ΔL=1:0.03〜0.7に設定すれば、2次導体部14内での総電力損失Pを最小値に抑えることができる。
上述したところは、本発明の一形態を示すに過ぎず、様々な変更が可能である。例えば、2次導体部14は、第2導電部2を棒状部材等の固体導体として第1導電部1をダイキャストして成形してもよい。また、2次導体部14は、第1導電部1及び第2導電部2をそれぞれアルミニウム及び空気又は銅及び空気で構成してもよい。またスロット12はスリット12sでその内部が外部に開放される所謂オープンスロットに限ることなく、回転子コア11のブリッジ11Bによって外部と遮断された所謂クローズスロットであってもよい。
本発明に係る回転子を採用する誘導電動機の一形態であって、その側面を示す要部縦断面図である。 (a),(b)はそれぞれ、同形態におけるかご形回転子を電磁鋼板と共に軸心に直交する断面で示す正面図及び同形態における2次導体部を示す要部拡大図である。 同形態の2次導体部における、アルミニウム含有率に応じたトルク電流による電力損失を示す解析図である。 回転子の外周部から任意の深さβにおいて生じる誘起電圧の分布を示す解析図である。 同形態の2次導体部における、アルミニウム含有率に応じたインバータ高調波による電力損失を示す解析図である。 同形態の2次導体部における、アルミニウム含有率に応じた総電力損失を示す解析図である。 (a),(b)はそれぞれ、従来の回転子を例示する断面図及び、他の従来回転子を例示する要部断面図である。
符号の説明
1 第1の導電部
1b 第1の導電部の外周部
2 第2の導電部
10 回転子
11 回転子コア
11B ブリッジ
12 スロット
12a スロットの底部
12b スロットの外周部
13 短絡環
14 2次導体部
L スロットの底部からその外周部までの距離
ΔL スロットの外周部から第1の導電部の外周部までの距離

Claims (4)

  1. 磁性体からなるコアの軸心周りに該軸心に沿って伸びる複数のスロットを設け、これらスロットに電気抵抗率の異なる2つの導電材で形成された2次導体部を備える誘導電動機の回転子において、
    前記2次導体部は、前記スロットの底部側に電気抵抗率の低い第1の導電材からなる第1の導電部を備えると共に、そのスロットの残部に前記第1の導電材より電気抵抗率の高い第2の導電材からなる第2の導電部を備えることを特徴とする誘導電動機の回転子。
  2. 前記スロットは、その内部を外部に開放するスリットを備えることを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機の回転子。
  3. 前記2次導体部は、前記第1の導電部を前記第2の導電部で一体に包囲し、この第2の導電部を介して前記スロット内に固定保持したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導電動機の回転子。
  4. 前記2次導体部は、前記第1の導電部及び前記第2の導電部をそれぞれ銅及びアルミニウムで構成し、前記スロットの底部からその外周部までの距離Lと、このスロットの外周部から前記第1の導電部の外周部までの距離ΔLとの比を
    L:ΔL=1:0.03〜0.7
    に設定したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の誘導電動機の回転子。
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