JPH11252835A - 永久磁石式回転電機の回転子及び高速回転型永久磁石式回転電機 - Google Patents

永久磁石式回転電機の回転子及び高速回転型永久磁石式回転電機

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JPH11252835A
JPH11252835A JP10053165A JP5316598A JPH11252835A JP H11252835 A JPH11252835 A JP H11252835A JP 10053165 A JP10053165 A JP 10053165A JP 5316598 A JP5316598 A JP 5316598A JP H11252835 A JPH11252835 A JP H11252835A
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permanent magnet
rotor
rotating
eddy current
electric machine
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JP10053165A
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English (en)
Inventor
Satoru Onodera
悟 小野寺
Shintaro Koichi
伸太郎 小市
Shinji Suzuki
信二 鈴木
Manabu Matsushita
学 松下
Akihiko Takahashi
昭彦 高橋
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Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Denki Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Denki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定子側の構造を変えることなく、また固定
子と回転子との間の空隙寸法を変えることなく、回転子
側の構造を変えるだけで回転界磁を構成する永久磁石の
表面に生ずる渦電流を低減できる永久磁石式回転電機の
回転子を提供する。 【解決手段】 回転子1は回転軸2に固定された回転子
鉄心3の上に鉄分を含有する永久磁石により構成された
回転界磁4を有する。回転界磁4を回転軸2の軸線方向
に並ぶ三つの分割永久磁石ユニット5a〜5cにより構
成する。隣接する二つの分割永久磁石ユニットの隣接す
る端面間に、この隣接する二つの分割永久磁石ユニット
に跨がって渦電流が流れるのを阻止する電気絶縁層6,
6を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転子の回転磁界
が永久磁石により構成されている永久磁石式回転電機の
回転子及び高速回転型永久磁石式回転電機に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】工作機械用高速スピンドル装置に用いら
れる高速回転型永久磁石電動機や、高速原動機によって
駆動される小形の高速回転型永久磁石発電機等のいわゆ
る表面磁石形回転電機または高速回転型永久磁石式回転
電機では、回転子の回転磁界が永久磁石により構成され
ている。これらの回転電機では、回転電機から発生する
熱による機械装置への熱的影響を極力低減するために、
回転電機からの発熱を低くすることが望まれている。ま
た、省エネルギの観点からも回転電機のエネルギ変換効
率が高いことが望まれる。例えば、高速スピンドル装置
においては、電動機の発熱によって機械加工精度の悪化
を招いたり、軸受などの機械要素の寿命低下を招いたり
するので、特にエネルギ変換効率の高い電動機が望まれ
る。
【0003】一般に、永久磁石式回転電機で生じるエネ
ルギ損失は、電機子銅損、電機子鉄損および機械損に大
別され、回転子鉄心や回転子表面に備えられた永久磁石
において生じる損失は無視されている。これは、回転電
機の空隙中の回転磁界としてその基本波成分のみを考え
た場合、同期速度で回転する同期機においては基本波磁
界と回転子との間には相対速度を持たないので、回転子
側に渦電流が流れ得ないためである。しかしながら実際
の回転電機においては、電機子巻線分布に起因する起磁
力の高調波やスロット開口に起因するパーミアンス高調
波の影響によって、空隙中には基本波磁界以外に多くの
高調波磁界が存在する。この高調波磁界と回転子との間
には相対速度が発生するため、この高調波磁界に対応す
る渦電流が回転子鉄心および回転子表面に備えられた永
久磁石に流れることになる。特に、高エネルギ積を持つ
Nd-Fe-B 系の永久磁石のように鉄を含む永久磁石では、
電気固有抵抗が比較的小さいので、このような永久磁石
に流れる高調波渦電流によって発生する渦電流損失を無
視することはできない。永久磁石式回転電機のエネルギ
変換効率の向上を図り、回転電機の発熱を低減するため
には、上記の永久磁石に流れる高調波渦電流損失を低減
することが有効となる。
【0004】一般に、回転磁界中に含まれる高調波磁束
の中でも、電機子スロット開口部による、いわゆるスロ
ット高調波磁束の影響が最も大きい。従って、前述の高
調波渦電流に対しても、スロット高調波磁束の影響が支
配的であるため、空隙のパーミアンス分布に含まれるス
ロット高調波成分を低減する目的で、永久磁石式同期電
動機の電機子スロット開口部に磁性くさびを挿入した
り、電機子スロット開口幅を極力狭くすることが考えら
れている。また回転子と固定子との間の空隙長さを極力
長くしてスロット高調波磁束の大きさを低減することに
より、回転子側の渦電流損失を低減する手段なども考え
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電機子
スロット開口部に磁性くさびを挿入することは、回転電
機の製作材料費と製作工数の大幅な増加を招く問題があ
る。また電機子スロット開口幅を狭くすると、電機子ス
ロットへの巻線の挿入作業が非常にやりづらいものにな
る。また、回転子と固定子との間の空隙長さを長くする
ことは回転電機の体格の大型化や力率の低下を招く問題
を生じさせる。
【0006】本発明の目的は、固定子側の構造を変える
ことなく、また固定子と回転子との間の空隙寸法を変え
ることなく、回転子側の構造を変えるだけで回転界磁を
構成する永久磁石の表面に生ずる渦電流を低減できる永
久磁石式回転電機の回転子及び該回転子を用いた高速回
転型永久磁石式回転電機を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、永久磁石式回転電機
の製作コストの増加や電気特性の低下を招くことなく回
転界磁を構成する永久磁石の表面で発生する渦電流損失
を低減できる永久磁石式回転電機の回転子及び該回転子
を用いた高速回転型永久磁石式回転電機を提供すること
にある。
【0008】発明の更に他の目的は、分割永久磁石ユニ
ット間の電気的絶縁を安価にしかも確実に図ることがで
きる永久磁石式回転電機の回転子及び該回転子を用いた
高速回転型永久磁石式回転電機を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、少ない数の分割永久
磁石ユニットを用いて永久磁石の表面で発生する渦電流
損失を低減できる永久磁石式回転電機の回転子及び該回
転子を用いた高速回転型永久磁石式回転電機を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転軸に固定
された回転子鉄心の上に鉄分を含有する永久磁石により
構成された回転界磁を有する永久磁石式回転電機の回転
子を改良の対象とする。回転子は固定子の内部に配置さ
れるインナーロータ形または固定子の外側を回転するア
ウターロータ形のいずれでもよい。
【0011】本発明においては、回転界磁を回転軸の軸
線方向に並ぶ複数の分割永久磁石ユニットから構成す
る。ここで分割永久磁石ユニットは、全体として見ると
環状即ちリング状をなしており、回転軸の周方向に複数
の磁極が所定のパターンで並んだ構造を有するものであ
る。典型的な分割永久磁石ユニットは、一つのリング状
の磁性体を着磁して構成したものであるが、回転軸の周
方向に並ぶ複数の永久磁石によってリング状に構成され
たものであってもよい。
【0012】そして本発明では、隣接する二つの分割永
久磁石ユニットの隣接する端面間に、この隣接する二つ
の分割永久磁石ユニットに跨がって渦電流が流れるのを
阻止する電気絶縁層を配置することを特徴とする。この
ようにすると電気絶縁層の存在によって各分割永久磁石
ユニットに発生する渦電流路間が絶縁されるので、回転
子表面上の永久磁石に形成される全体として見た渦電流
回路の流路の長さが長くなる上、渦電流路の等価電気抵
抗が増加し、渦電流の大きさが減少する。そしてこれに
伴って永久磁石に生ずる渦電流損失が低減することにな
る。
【0013】電気絶縁層は、渦電流が流れるのを阻止す
ることができるものでなければならない。通常、永久磁
石の表面には、錆止め用のコーティングが施されている
が、このコーティングの厚みは非常に薄く、また永久磁
石の特に軸線方向側端面を完全に覆っているという保障
がないものである。そのためこのようなコーティングで
は、隣接する二つの分割永久磁石ユニットに跨がって渦
電流が流れるのを確実に阻止することはできない。本発
明で用いる電気絶縁層は、隣接する二つの分割永久磁石
ユニットに跨がって渦電流が流れることを確実に阻止す
ることができるものであり、例えば固定子鉄心の電機子
スロットの内部に配置されるスロットインシュレータを
製造する場合に用いられる絶縁紙等の絶縁シートにより
電気絶縁層を構成すると、安価に絶縁性能の高い電気絶
縁層を配置することができ、しかも軸線方向の寸法を長
くすることがないという利点が得られる。なお絶縁樹脂
により電気絶縁層を形成してもよいが、その場合には軸
線方向の厚みを必要十分な程度に確保すればよい。また
この電気絶縁層は所定の幅を有する空気層であってもよ
い。
【0014】なお従来、回転子の回転界磁の軸線方向の
長さが長いものでは、製造上の問題から回転界磁を複数
の分割永久磁石ユニットにより構成しているものがあ
る。しかしながら本発明は、回転子の軸線方向の長さが
本来的に分割の必要がない程度に短いものであって、渦
電流損失を低減するために回転界磁を複数の分割永久磁
石ユニットにより構成するのであるから、従来のものと
は本質的に技術的思想が相違している。渦電流損失の低
減効果を検討した結果、回転界磁を構成する分割永久磁
石ユニットの有効な数が分かってきた。すなわち渦電流
損失の低減を考慮しなければ本来的に軸線方向に分割の
必要がない回転界磁を軸線方向に分割する場合、3分割
が効率的であることが分かった。これは2分割及び3分
割で得られる渦電流損失の低減効果が非常に大きく、更
に細かく分割しても、さほど大きな渦電流損失の低減効
果が得られないためである。しかし3分割よりも更に分
割すること、すなわち四つ以上の分割永久磁石ユニット
を用いて回転界磁を構成すれば、それなりに渦電流損失
の低減効果が大きくなることは明らかであるから、本発
明はこれを排除するものではない。但し、渦電流損失の
低減効果と回転子の組み立て作業の容易性を考えると、
分割永久磁石ユニットの数は三つが好ましいと考える。
【0015】本発明の回転子は、回転軸に固定された回
転子鉄心の上に鉄分を含有する永久磁石からなる回転界
磁を有する回転子と固定励磁巻線を有する固定子とを具
備し、固定励磁巻線からの磁束により回転界磁を構成す
る永久磁石の表面に発生する渦電流によって生じる渦電
流損失がエネルギ変換効率を大幅に低下させるほどに高
速で回転する高速回転型永久磁石式回転電機に適用する
のが好ましい。高速を数値的に明確に限定することは難
しいため、前述の通り「渦電流損失がエネルギ変換効率
を大幅に低下させるほどに高速」と表現しているが、あ
えて高速を数値で示せば回転数が10,000rpm前
後以上と定義することも可能である。またエネルギ変換
効率の低下率で見れば、渦電流損失により5%以上エネ
ルギ変換効率が低下する程度の速度または回転数と定義
することも可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は、工作機械用高速スピンド
ル装置に用いる高速回転型永久磁石電動機の回転子1に
本発明を適用した一例の斜視図である。図1において、
回転子1は、回転軸2の外周に複数枚数の電磁鋼板を積
層してなる固定子鉄心(磁性体)3が取付けられ、この
固定子鉄心3の外周面上に永久磁石からなる回転界磁4
が配置された構造を有している。この例の回転界磁4
は、回転軸2の軸線方向に並ぶ三つの分割永久磁石ユニ
ット5a,5b及び5cを備えている。分割永久磁石ユ
ニット5a〜5cは、リング状の磁性体を周方向に交互
に異なる極性が表れるように着磁して構成されており、
各分割永久磁石ユニット5a〜5cの同じ極性の磁極が
軸線方向に並んで一つの極性の回転子磁極が構成されて
いる。分割永久磁石ユニット5a〜5cは、回転子鉄心
3の外周面上に接着剤を用いて接合されている。そして
隣接する二つの分割永久磁石ユニット5aと5b及び5
bと5cの隣接する端面間には、隣接する二つの分割永
久磁石ユニット5aと5b及び5bと5cに跨がって
(ユニット間を通り抜けて)渦電流が流れるのを阻止す
る電気絶縁層6,6が配置されている。この例では、リ
ング状に加工された厚み0.1mm前後の合成有機系の
絶縁紙が、隣接する二つの分割永久磁石ユニット間に電
気絶縁層6,6として配置されている。この絶縁紙は、
分割永久磁石ユニット5a〜5cを回転子鉄心3の外周
に嵌合する工程において、各ユニットの間に配置する。
なお電気絶縁層6は、隣接する二つの分割永久磁石ユニ
ット5aと5b及び5bと5c間に絶縁性樹脂を充填し
て形成してもよいし、隣接する二つの分割永久磁石ユニ
ット5aと5b及び5bと5c間に所定の空隙を形成す
ることによりこの空隙を電気絶縁層6としてもよい。
【0017】この例のように絶縁紙により電気絶縁層6
を形成すると、組み立てが容易であり、また安価に電気
絶縁層6を形成できる上、回転界磁の軸線方向の寸法を
殆ど長くすることがないという利点がある。
【0018】次に、永久磁石部の渦電流損失の低減につ
いて説明する。図2(A)に示す一般的な永久磁石式回
転電機の回転子1´のように周方向に任意の極数に磁化
されたリング状永久磁石によって回転界磁4´を形成し
た場合に形成される渦電流回路aの電気固有抵抗をρ,
渦電流路の長さをl,渦電流路の断面積をSとすれば、
この回路に流れる渦電流Ieは、 Ie=Ee/(ρ・l/S) …(1) と表される。但し、ここでEeは、この渦電流の原因と
なる起電力である。この式から明らかなように、渦電流
の大きさIeはその渦電流路の長さlに逆比例する。図
2(A)に示すように、軸線方向の長さLを持つ一般的
な永久磁石式回転電機の回転子1´の一つのリング状永
久磁石からなる回転界磁4´の表面に生じる渦電流路
を、図中に破線で示した渦電流路aのように形成される
ものと近似的に考えると、この場合の渦電流路の長さl
は、2(L+τ)として表される。一方、図2(B)に
示すように、本発明の実施の形態のように、回転界磁4
を軸線方向にn分割して隣接する分割永久磁石ユニット
5a〜5c間に電気絶縁層6,6を配置した場合には、
その渦電流路bは近似的に図中一点鎖線で示すようにな
る。つまり、本発明の実施の形態の場合の渦電流路bの
長さは、近似的に2(L/n+τ)nで表され、回転界
磁を軸線方向にn分割しない揚合の近似的渦電流路aの
長さ2(L+τ)との比は、 (L+τn)/(L+τ) …(2) となり、分割数nは正の整数であるから、(2) 式は1以
上の値となる。すなわち、図1に示すように回転界磁4
を軸線方向に分割する、すなわち回転界磁4を回転軸の
軸線方向に並ぶ複数の分割永久磁石ユニット5a〜5c
から構成すると、全体的に見た即ちトータルの渦電流路
の長さを長くすることができ、それに伴って渦電流が減
少して渦電流損失が低減する。このときに電気絶縁層6
が、確実に隣接する二つの分割永久磁石ユニットに跨が
って渦電流が流れるのを阻止するため、この効果が確実
に得られるのである。渦電流損失は、渦電流路の抵抗に
反比例するので、渦電流損失は(2) 式の逆比に比例する
ことになる。
【0019】図3は、図1の永久磁石式回転電機の回転
子における永久磁石からなる回転界磁に生じる渦電流損
失の低減効果を示している。永久磁石からなる回転界磁
の軸線方向の分割数が1の場合、すなわち従来の一般的
な永久磁石式回転子の場合に比較して、図1の実施の形
態のように分割数が3の場合には、確実にまたは効果的
に渦電流損失を低減できることが判る。また分割数が2
の場合と分割数が3の場合と比べると、分割数を3にし
た場合に得られる渦電流損の減少比率はかなり少ない。
したがって、この点から考えると、回転界磁の軸線方向
の長さが20mm〜30mmとあまり長くない場合等で
は、分割数すなわち分割永久磁石ユニットの個数は3で
よいことが分かる。なお回転界磁の軸線方向の長さが長
くなった場合には、この分割数をもっと多くしてもよい
のは勿論である。なお図3に示す計算値は、(2) 式の逆
数に基づく簡略計算値であり、実測値は平成9年電気学
会全国大会講演論文集、No.1125(1997−
3)に掲載の「永久磁石同期電動機の鉄損に関する検
討」と題する論文に記載の損失分離方法に基づいて実測
した値である。
【0020】図4は、本発明の永久磁石式回転電機の回
転子の第二の実施の形態の斜視図を示している。この回
転子10の回転界磁14を構成する三つの分割永久磁石
ユニット15a〜15cは、それぞれ回転軸2の周方向
に並ぶ四つの永久磁石15a1 〜15a4 ,15b1 〜
15b4 及び15c1 〜15c4 によって構成されてい
る。また各分割永久磁石ユニット15a〜15cの隣接
する二つの分割永久磁石ユニットの各永久磁石の間に
は、隣接する二つの分割永久磁石ユニットに跨がって渦
電流が流れるのを阻止する電気絶縁層16,16がそれ
ぞれ配置されている。この実施の形態のように、一つの
分割永久磁石ユニットを複数の永久磁石により構成する
場合でも、渦電流損失の低減効果は前述した図1の実施
の形態と同様に得られる。
【0021】上記二つの実施の形態によれば、永久磁石
式回転電機の製作コストの増加を招くことなく、回転子
の回転界磁の表面に生ずる渦電流損失を確実に低減でき
る永久磁石式回転電機の回転子を提供することができ
る。そして回転子の永久磁石に生じる渦電流損失を確実
に低減させることができ、この損失による温度上昇も低
減させることができるので、特に、高速回転に使用され
る高速回転型永久磁石式回転電機の回転子として適して
いる。
【0022】上記実施の形態は、回転子の実施の形態で
あるが、図1及び図4の実施の形態の回転子を既存の回
転電機に適用すれば、本発明の高速回転型永久磁石式回
転電機が得られる。
【0023】
【発明の効果】本発明のように、隣接する二つの分割永
久磁石ユニットの隣接する端面間に、この隣接する二つ
の分割永久磁石ユニットに跨がって渦電流が流れるのを
阻止する電気絶縁層を配置すると、電気絶縁層の存在に
よって各分割永久磁石ユニットに発生する渦電流路間が
絶縁されて、回転界磁を構成する永久磁石に形成される
渦電流路の流路の長さが長くなり、また渦電流路の等価
電気抵抗が増加して、渦電流の大きさを減少させること
ができる。その結果、本発明によれば、固定子側の構造
を変えることなく、また固定子と回転子との間の空隙寸
法を変えることなく、回転子側の構造を変えるだけで回
転界磁を構成する永久磁石の表面に生ずる渦電流損失を
低減することができる。また永久磁石式回転電機の製作
コストの増加や電気特性の低下を招くことなく、回転界
磁を構成する永久磁石の表面で発生する渦電流損失を低
減できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の永久磁石式回転電機の回転子の実施の
形態の一例を示す斜視図である。
【図2】 (A)は一般的な永久磁石式回転電機の回転
子表面に生じる渦電流の作用を説明するために用いる図
であり、(B)は、図1の実施の形態の永久磁石式回転
電機の回転子表面に生じる渦電流の作用を説明する図で
ある。
【図3】 図1の永久磁石式回転電機の回転子表面に生
じる渦電流損失の低減効果を示す図である。
【図4】 本発明の永久磁石式回転電機の回転子の第二
の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 回転子 2 回転軸 3 回転子鉄心 4,14 回転界磁 5a〜5c 15a〜15c 分割永久磁石ユニット 6,16 電気絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 学 東京都豊島区北大塚一丁目十五番一号 山 洋電気株式会社内 (72)発明者 高橋 昭彦 東京都豊島区北大塚一丁目十五番一号 山 洋電気株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に固定された回転子鉄心の上に鉄
    分を含有する永久磁石により構成された回転界磁を有す
    る永久磁石式回転電機の回転子であって、 前記回転界磁は前記回転軸の軸線方向に並ぶ複数の分割
    永久磁石ユニットからなり、 隣接する二つの前記分割永久磁石ユニットの隣接する端
    面間には、該隣接する二つの分割永久磁石ユニットに跨
    がって渦電流が流れるのを阻止する電気絶縁層が配置さ
    れていることを特徴とする永久磁石式回転電機の回転
    子。
  2. 【請求項2】 前記分割永久磁石ユニットは前記回転軸
    の周方向に並ぶ複数の永久磁石によって構成されている
    請求項1に記載の永久磁石式回転電機の回転子。
  3. 【請求項3】 前記電気絶縁層は電気絶縁材料からなる
    絶縁シートである請求項1または2に記載の永久磁石式
    回転電機の回転子。
  4. 【請求項4】 前記回転界磁は三つの前記分割永久磁石
    ユニットにより構成されている請求項1に記載の永久磁
    石式回転電機の回転子。
  5. 【請求項5】 回転軸に固定された回転子鉄心の上に鉄
    分を含有する永久磁石からなる回転界磁を有する回転子
    と固定励磁巻線を有する固定子とを具備し、前記固定励
    磁巻線からの磁束により前記回転界磁を構成する前記永
    久磁石の表面に発生する渦電流によって生じる渦電流損
    失がエネルギ変換効率を大幅に低下させるほどに高速で
    回転する高速回転型永久磁石式回転電機であって、 前記回転界磁は前記回転軸の軸線方向に並ぶ複数の分割
    永久磁石ユニットからなり、 隣接する二つの前記分割永久磁石ユニットの隣接する端
    面間には、該隣接する二つの分割永久磁石ユニットに跨
    がって前記渦電流が流れるのを阻止する電気絶縁材料か
    らなる絶縁シートが配置されていることを特徴とする高
    速回転型永久磁石式回転電機。
  6. 【請求項6】 前記回転界磁は三つの前記分割永久磁石
    ユニットにより構成されている請求項5に記載の永久磁
    石式回転電機。
JP10053165A 1998-03-05 1998-03-05 永久磁石式回転電機の回転子及び高速回転型永久磁石式回転電機 Pending JPH11252835A (ja)

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