以下添付図面に従って本発明に係るビデオカメラとモニタの好ましい実施の形態について詳述する。
図1は本発明に係るビデオカメラとこのビデオカメラに接続されるアクセサリーを示す概略図である。同図において、10はカメラ本体、30はステーション、50はモニタリモコン、90はズームカメラ、92はAVコネクタ、300は液晶モニタである。
カメラ本体10には、ステーション30、モニタリモコン50、ズームカメラ90、AVコネクタ92、マリンパック(図示せず)、液晶モニタ300等の各種のアクセサリーと接続するためのマルチコネクタ11が配設されている。また、ステーション30、モニタリモコン50、ズームカメラ90、AVコネクタ92及び液晶モニタ300には、上記カメラ本体10のマルチコネクタ11と接続されるマルチコネクタ31、51、91、93及び301が配設されている。
カメラ本体10のマルチコネクタ11には、電源/グランド端子、音声/映像入出力端子(AV端子)、リモート・コントロール用(LANC(ソニー株式会社の登録商標)入出力)端子、及びアクセサリー識別用端子が設けられている。
アクセサリー識別用端子は、例えば3端子から成り、各端子のレベル(Hレベル,Lレベル)の組み合わせからなるアクセサリー識別信号(S0,S1,S2)を入力する。カメラ本体10はこのアクセサリー識別用端子から入力するアクセサリー識別信号に基づいてマルチコネクタ11に接続されているアクセサリーの種類を認識する。
即ち、アクセサリー識別信号(S0,S1,S2)は、アクセサリーに固有な信号として、例えば、次表に示すようにアクセサリーの種類に対応している。
上記表1に示すように、アクセサリーなしの場合とAVコネクタが接続された場合のように、カメラ本体の機能を変えないときは、アクセサリー識別信号(S0,S1,S2)の全てが“H”となり、他のアクセサリーが接続されたときは上記のようにアクセサリー識別信号(S0,S1,S2)のうちの少なくとも1つが“L”となる。即ち、ステーション、モニタリモコン、ズームカメラ、マリンパック、液晶モニタの各マルチコネクタは、上表に示すようなアクセサリー識別信号がカメラ本体側に入力されるように構成されている。
尚、表1において、“Auto”はカメラ本体10が動作モードに応じてAV入出力を自動的に制御することを意味し、“本体無効”はカメラ本体10側の操作スイッチの操作及び赤外リモコン受信器の受信を無効にすることを意味する。
次に、上記カメラ本体10について説明する。図2は上記カメラ本体10の概要を示すブロック図である。
同図において、システム・コントロールマイコン12は、マルチコネクタ11、操作スイッチ13又はリモコン受光部14からコントロール信号が入力される。システム・コントロールマイコン12は、入力するコントロール信号に基づいてカメラ本体の機能や仕様を制御するもので、カメラ・コントロールマイコン15及びメカ・コントロールマイコン16との間で信号の送受信を行うとともに、VTR系信号処理部17にコントロール信号を出力する。カメラ・コントロールマイコン15は、撮影レンズ18及びカメラ系信号処理部20の動作等を制御し、メカ・コントロールマイコン16はVTRメカ・ユニット21の動作を制御するとともにドラムモータ、ローディング・モータ、キャプスタン・モータをサーボ制御する。
さて、マルチコネクタ11にアクセサリーなしの場合又はAVコネクタが接続された場合には、カメラ本体の機能は変わらない。
従って、操作スイッチ13等によってカメラモードが選択され、撮影スタート/ストップボタンによって撮影が開始されると、被写体像は撮影レンズ18を介してCCD19に結像され、ここで光電変換されてカメラ系信号処理部20に出力される。カメラ系信号処理部20は、サンプルホールド回路、ホワイトバランス回路、γ補正回路、エンコーダ回路等を含み、所定フォーマットの映像信号をVTR系信号処理部17に出力する。VTR系信号処理部17はカメラ系信号処理部20から入力する映像信号を磁気記録に適した記録信号に変換し、この記録信号は記録アンプを介してメカ・ユニット21のヘッドに出力され、ビデオテープに磁気記録される。
一方、VTRモードが選択され、再生ボタンが操作されると、VTRメカ・ユニット21から記録信号が読み出され、VTR系信号処理部17によって映像信号が復調される。この映像信号はマルチコネクタ11を介してテレビシステム等の外部機器に出力され、再生される。尚、上記再生処理に限らず、録画、早送り、巻戻しボタン等のボタン操作が行われた場合には、それに対応した処理が行われる。また、音声信号も映像信号と同様に記録/再生が行われる。
次に、カメラ本体10のマルチコネクタ11にステーション30のマルチコネクタ31を接続した場合について説明する。
このステーション30は、カメラ本体10と図示しないテレビシステムやVTRデッキ等との接続を行うもので、図3に示すようにマルチコネクタ31、AV端子32、操作スイッチ33、リモコン受光部34、電源コネクタ35、システム・コントロールマイコン36等から構成されている。
ステーション30のマルチコネクタ31は、カメラ本体10が搭載されるとカメラ本体10のマルチコネクタ11と接続されるように構成されている。また、AV端子32は、映像入力端子、映像出力端子、S映像入力端子、S映像出力端子、ステレオ音声入力端子、ステレオ音声出力端子を含み、テレビシステム等と接続され、電源コネクタ35はACアダプタ41(図4参照)と接続される。
このステーション30のマルチコネクタ31には、AV端子(映像入出力端子、S映像入出力端子、ステレオ音声入出力端子)、電源出力端子(UNREG OUT,Charge IN) 、カメラ本体接続検出端子(UNREG OUT,UNREG IN) 、リモート・コントロール用端子(LANC Data)、カメラ電源ON/OFF識別端子(LANC DC) 、カセット蓋開閉検出用端子(C.LOCK SW) 、及びアクセサリー識別用端子(ADP-SEL) が設けられている。
ここで、カメラ本体接続検出端子(UNREG OUT,UNREG IN) は、マルチコネクタ31がカメラ本体10のマルチコネクタ11と接続されると、カメラ本体10を介してUNREG INから所定の信号(UNREG )を入力する。また、リモート・コントロール用端子(LANC入出力端子)は、垂直同期信号に同期して垂直同期信号毎にリモート・コントロール用の8バイトのLANC信号の双方向シリアルバス通信を行うための端子であり、8バイト中、最初の2バイトはアクセサリー側(ステーション側)からカメラ本体へのリモコンコマンドを示し、最後の4バイトはカメラ本体側からステーション側に送信されるテープのカウント値や動作モード等の情報を示す。カメラ電源ON/OFF識別端子(LANC DC) は、カメラ電源のON/OFFに応じて次表に示す信号を入力する。
カセット蓋開閉検出用端子(C.LOCK SW) は、カメラ本体のカセット蓋の開閉状態を検出するスイッチからの信号を入力する端子であり、アクセサリー識別用端子(ADP-SEL) は、表1に示したように(H,L,H)となる3ビットのアクセサリー識別信号(S0,S1,S2)、即ち、S1のみLレベルとなるように接地されている端子である。
カメラ本体10は、アクセサリー識別用端子(ADP-SEL) を介して入力するアクセサリー識別信号に基づいてマルチコネクタ10にステーション30が接続されたことを認識すると、VTRモードのみ動作可能となり、カメラ本体側の操作スイッチ及び赤外リモコン受信器を動作不能にし、ステーション側の操作スイッチ33又はリモコン受光部34からのコントロール信号によって制御される。このとき、カメラ本体側のスイッチにない機能もステーション30から制御できるようにしてもよい。この場合には、カメラ本体10には機能のみを設け、小型化や操作性のためにスイッチ等をカメラ本体から省略することができる。
VTRモード動作時、ステーション30のAV端子32(AV入力端子・AV出力端子)とカメラ本体10からのAV入出力の方向は、ステーション30のシステム・コントロールマイコン36が動作に応じて自動的に切り換える。再生系の動作時には、カメラ本体10のAV入出力端子からステーション30のAV出力端子へ信号が流れ、それ以外の動作時はステーション30のAV入力端子からステーションのAV出力端子と、カメラ本体10のAV入出力端子側へ信号を切り換える。
図4はACアダプタ41の一実施例を示すブロック図である。同図に示すように、ACアダプタ41のコネクタ42は、ステーション30の電源コネクタ35と接続される。ACアダプタ41はコネクタ42A、35Aを介してステーション30に電源が供給するとともにコネクタ42C、35Cを介して充電状態を示す信号を出力し、一方、ステーション30はコネクタ35B、42Bを介してチャージモードかビデオモードかを示すモード信号をACアダプタ41に出力する。尚、ステーション30は、カメラ電源OFF時には、モード信号を“H”にしてチャージモードとし、カメラ電源ON時には、モード信号を“L”にしてビデオモードにする。
ACアダプタ41のマイコン43は、チャージモードを示すモード信号を入力し、且つバッテリー検出スイッチ45によってバッテリー44の装着状態が検出されると、充電回路46を動作させてバッテリー44の急速充電を行わせるとともに、スイッチSW3を150mAの定電流回路47側(接点A)に切り換え、ステーション30に大きな電流が流れないようにする。また、バッテリー44の充電中を示す信号をコネクタ42C、35Cを介してステーション30に出力する。尚、ステーション30内のレギュレータ39は、ACアダプタ41から入力する電源から基準電圧を生成し、これをシステム・コントロールマイコン36等に出力するが、上記定電流回路47を経由した電流が制御された電源でもシステム・コントロールマイコン36等の動作は保証される。
一方、バッテリー44の充電を行わない場合には、マイコン43はスイッチSW3を接点Bに切り換え、ACアダプタ41からの電源を直接ステーション30に出力する。そして、ステーション30は、ACアダプタ41からの電源を入力する充電回路40からの充電電流によってカメラ本体10のバッテリーBAT(図5参照)を充電させる。その充電の制御は、スイッチSW1,SW2をシステム・コントロールマイコン36が制御することによって行われる。尚、図5に示すようにカメラ本体10のマルチコネクタ11とステーション30のマルチコネクタ31とが接続されると、スイッチSWがOFFされてバッテリーBATが切り離され、ACアダプタ41からの電源がカメラ本体10に供給できるようになっている。
これに対し、ステーション30はカメラ電源ON時にはビデオモードを示すモード信号をACアダプタ41に出力し、ACアダプタ41での充電を禁止する。また、カメラ本体10のバッテリーの充電も禁止するようにスイッチSW1、SW2を制御する。
即ち、ステーション30はカメラ本体10の動作を優先させ、続いてACアダプタ41での急速充電、最後にカメラ本体10のバッテリーの充電を行うように優先順位をもって制御する。尚、ACアダプタ41の電流容量が十分あれば、カメラ本体10が動作中でもバッテリーBATの充電は可能である。
次に、ステーション30によってカメラ電源を制御する場合について説明する。
ステーション30は、カメラ電源ON/OFF識別端子から表1に示したように電源ON/OFF情報(LANC DC) を入力しており(図5参照)、これによりカメラ本体10の電源がONしているかOFFしているかを識別する。
ここで、カメラ電源をOFFからONにする場合には、先ずACアダプタ41に対してビデオモードにするモード信号を出力する。続いて、LANC入出力端子から電源ONを示すコントロール信号(一定時間“L”レベルとなる信号)(LANC Data)を出力する。カメラ本体10はこのコントロール信号を入力することにより電源ONとなる。尚、カメラ電源をONする前にビデオモードにするのは、前述したようにACアダプタ41から所要の電源の供給を可能にするためである。
また、カメラ電源をONからOFFにする場合には、LANC入出力端子から電源OFFを示すコントロール信号(表1に示すように“H”レベルになっているだけの信号)を出力し、カメラ本体10はこの信号によって電源OFFとなる。
次に、カメラ電源OFFで、カメラ本体10のカセット蓋を閉じる場合について説明する。
通常、カメラ本体10はカセット蓋が閉じられ、カセット蓋のスイッチがOFFからONになると、カセットのローディングを行うが、カメラ本体10がステーション30と接続されているときには、前述したようにカメラ電源のON/OFFを含むカメラ本体10の制御の主導権はステーション30に移る。従って、カメラ電源OFF時にカセット蓋を閉めたときの制御も、ステーション30によって行われる。
即ち、ステーション30は、カメラ電源OFF時に、カセット蓋開閉検出用端子からカセット蓋が閉じられたことを示す信号を入力すると、カメラ電源をONにし、その後カセットのローディングを行わせる。尚、ローディングが終了すると、再びカメラ電源をOFFにして元の状態に戻す。
更に、ステーション30には、液晶表示器(LCD)37、発光ダイオード(LED)38が設けられており、システム・コントロールマイコン36は、カメラ本体側からLANC入出力端子を介して入力するコントロール信号によりカウント値や動作モード等をLCD37、LED38に表示させる。更にまた、カメラ本体10にモードメモリに設け、ステーション30のシステム・コントロールマイコン36の指令により前記モードメモリに所要の動作モードを記憶させ、カメラ本体10はそのモードメモリに記憶された動作モードの制御を行うように構成してもよい。
次に、カメラ本体10のマルチコネクタ11にモニタリモコン50のマルチコネクタ51を接続した場合について説明する。
このモニタリモコン50は、図6に示すように映像入力用RCA端子(接続確認用スイッチ52C付)52Aと、リモート・コントロール用端子(LANC入出力端子)52Bとを有し、これらの端子52A,52Bには、図7に示すようにカメラ本体10とのワンタッチ接続が可能なマルチコネクタ51付きの接続ケーブルのピンジャック51A,51Bが接続される。尚、マルチコネクタ51には、モニタリモコン50を示すアクセサリー識別用端子が設けられている。また、前記端子52A,52Bの代わりに、マルチコネクタ51を直接設けるようにしてもよい。
さて、カメラ本体10はアクセサリー識別信号に基づいてマルチコネクタ10にモニタリモコン50が接続されたことを認識すると、カメラ本体側の操作スイッチ及び赤外リモコン受信器を動作不能にし、モニタリモコン50からのコントロール信号によって制御される。尚、マルチコネクタ10のAV端子に入出力する音声信号は、カメラ本体10の動作モードに応じてカメラ本体側で自動的に制御されるが、映像信号はカメラ/VTRモードにかかわらず、常時ライン出力される。
図6において、バッテリー60の電源はレギュレータ61及びDC−DCコンバータ62に加えられる。レギュレータ61は入力する電源から基準電圧を生成し、これをマイコン54等に出力する。DC−DCコンバータ62はマイコン54からの電源コントロール信号によってその動作が制御されるもので、動作状態にあるときには、バッテリー電源から所要の電圧を生成し、これを映像信号処理部56の一部の回路、LCDモニタ57及びバックライト63に出力する。
マイコン54には、カメラ本体10を操作するための操作スイッチ53(モニタON/OFFスイッチ53Aを含む)からの信号、接続確認用スイッチ52Cからのピンジャックの有無を示す信号、同期分離回路58によって映像信号から分離される同期信号、及びLANC入出力端子52BからのLANC信号等が入力できるようになっている。
このモニタリモコン50には、メイン電源スイッチは設けられていず、後述するようにRCA端子52Aの接続の有無、カメラ本体10からの映像信号の入力の有無等に基づいて自動的に電源のON/OFFが制御される。
次に、モニタリモコン50の電源のON/OFF制御について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。
同図に示すように、マイコン54は接続確認用スイッチ52Cからの信号に基づいてRCA端子52Aに接続されるピンジャックの有無を判別する(ステップ100)。ピンジャックの接続がない場合には、DC−DCコンバータ62を動作不能にし、LCDモニタ57等への電源を切る。以下、この処理をモニタ消灯(電源OFF)という(ステップ102)。
一方、ピンジャックの未接続状態から接続状態への変化が検出されると、DC−DCコンバータ62を動作可能にし、DC−DCコンバータ62からLCDモニタ57等に電源を供給させ、LCDモニタ57に映像を表示させる。以下、この処理をモニタ点灯(電源ON)という(ステップ104)。
その後、ピンジャックの接続状態が検出されている場合には、モニタON/OFFスイッチ53Aが押されたか否を判別し(ステップ106)、押されていない場合には現在の状態を保持する。一方、モニタON/OFFスイッチ53Aが押されると、現在モニタが点灯中か否かを判別し(ステップ108)、モニタ点灯中の場合にはステップ102に進み、モニタを消灯させ、モニタ消灯中の場合にはステップ104に進み、モニタを点灯させる。
尚、上記実施例は、RCA端子52Aの接続状態に応じて自動的にモニタ電源のON/OFFを制御するようにしたが、これに限らず、RCA端子52Aからの映像信号の入力の有無、即ち、同期分離回路58からの同期信号の入力の有無に基づいて自動的にモニタ電源のON/OFFを制御するようにしてもよい。また、前述したステーション30のマルチコネクタ31と同様なマルチコネクタをモニタリモコン50に設けるようにすれば、モニタリモコン50はマルチコネクタのカメラ電源ON/OFF識別端子から表1に示したようにカメラ本体側の電源ON/OFF情報(LANC DC) を入力することができるため、この電源ON/OFF情報に基づいてカメラ電源のON/OFFに同期してモニタ電源のON/OFFを制御するようにしてもよい。更に、本実施例では、モニタリモコンについて説明したが、リモコン機能をもたないモニタの電源ON/OFFの制御にも適用できる。
また、このモニタリモコン50は、LANC入出力端子52Bや赤外発光部55からリモコン信号を送信するリモコン動作モードと、マイコン54のクロック信号の発振を停止して消費電力を低減する低消費電力モード(スタンバイモード)とを有している。
次に、上記リモコン動作モードと低消費電力モードとの切換制御について、図9を参照しながら説明する。
モニタリモコン50は、そのLANC入出力端子52Bがカメラ本体側にLANC入出力端子と接続されると、カメラ本体10からLANC信号を入力することができる。モニタリモコン50のマイコン54は、図9に示すようにLANC入出力端子52Bからの入力信号の有無を判別する(ステップ200)。入力信号がない場合には、クロック信号の発振を停止して消費電力の少ない低消費電力モードとなり(ステップ202)、続いて操作スイッチ53が操作されたか否かを判別する(ステップ204)。そして、操作スイッチ53が操作されない場合には、ステップ200に戻る。
一方、ステップ204で操作スイッチ53の操作があったことが判別されると、マイコン54は先ずマイコンのハードで自動的にクロック信号の発振を開始し、リモコン信号の送信が可能なリモコン動作モードとなり(ステップ206)、その操作されたスイッチの種類に対応したリモコン信号を赤外リモコン発光部55から送信させ(ステップ208)、その後、スイッチ操作が終了すると、再び低消費電力モードとなる。
る。また、スイッチ操作されていないときは、マイコン54はスタンバイ・モードとなり、低消費電力状態になる。
また、マイコン54は、LANC入出力端子52Bから信号が加えられていることを検知すると(ステップ200)、リモコン動作モードとなり(ステップ210)、その入力信号を受信して入力信号に対応した処理を実行する(ステップ212)。即ち、LANC入出力端子52Bからの入力信号はカメラ本体10の動作モードやテープカウント値等を示すため、マイコン54は、その入力信号に基づいてカウント値,動作モード等を示すキャラクタ信号をデータ表示部59から映像信号処理部56に出力し、これによりカウンタ値,動作モード等をLCDモニタ57の画面にスーパー・インポーズする。
続いて、操作スイッチ53が操作されたか否かを判別し(ステップ214)、操作スイッチ53が操作されない場合には、ステップ200に戻り、操作スイッチ53の操作された場合には、その操作されたスイッチの種類に対応したリモコン信号をLANC入出力端子52Bから出力する(ステップ216)。
尚、上記実施例では、LANC入出力端子52Bからの入力信号の有無によってワイヤード・リモコンと赤外リモコンとの切り替えを行うようにしたが、LANC入出力端子52Bの代わりに、例えばワイヤードでリモコン信号のみ出力可能なリモコン端子が設けられている場合には、そのリモコン端子の接続の有無に基づいてワイヤード・リモコンと赤外リモコンとの切り替えを行うようにしてもよい。
次に、カメラ本体10のマルチコネクタ11にズームカメラ90のマルチコネクタ91を接続した場合について説明する。
このズームカメラ90は高倍率の撮影が可能なもので、VTR機能は設けられていず、ズームカメラ90のマルチコネクタ91には、映像信号及び音声信号を外部機器に出力するためのAV端子、アクセサリー識別用端子及びコントロール信号用端子が設けられている。そして、カメラ本体10はアクセサリー識別信号に基づいてマルチコネクタ10にズームカメラ90が接続されたことを認識すると、マルチコネクタ11のAV端子から映像信号及び音声信号を入力するとともに、マルチコネクタ11のコントロール信号用端子からコントロール信号を入力する。即ち、カメラ本体10はズームカメラ90が接続されると、VTRデッキとして機能し、ズームカメラ90の操作スイッチからのコントロール信号によって制御される。
また、カメラ本体側の操作スイッチ及び赤外リモコン受光器は動作不能にされ、ズームカメラ90の操作スイッチが優先される。尚、カメラ本体10はVTRモードであるが、ズームカメラ90の接続時にはエディット・サーチできるように構成されている。本来、エディット・サーチはカメラモード時のみ使用でき、通常のVTRモード(ズームカメラが接続されていないときのVTRモード)では、エディット・サーチはできない。また、ズームカメラ90の電源は、カメラ本体10のマルチコネクタ11からズームカメラ90のマルチコネクタ91を介して供給される。
次に、カメラ本体10にマリンパックを接続した場合について説明する。
マリンパックは水密構造のもので、カメラ本体を収納することにより水中撮影を可能にする。図10に示すように、このマリンパック70には、カメラ本体10の内蔵マイク22とは別の外部マイク72が設けられている。また、マリンパック70のマルチコネクタ71には、外部マイク72からの音声信号を出力するための音声出力端子、アクセサリー識別用端子及びコントロール信号用端子が設けられている。そして、カメラ本体10は、表1に示したようにアクセサリー識別信号に基づいてマルチコネクタ11にマリンパック70のマルチコネクタ71が接続されたことを認識すると、カメラモードのみ動作可能になり、システム・コントロールマイコン12は内部マイク22の音声信号からマルチコネクタ11を介して入力する音声信号に切り換える。尚、映像信号はカメラ本体10の信号を使用する。
また、カメラ本体側の操作スイッチ及び赤外リモコン受光器は動作不能にされ、カメラ本体10は、マリンパック70の操作スイッチ73の操作に応じてマイコン75から出力されるコントロール信号によって、電源のON/OFF、撮影スタート/ストップ、ズーム(テレ/ワイド)が制御される。尚、マリンパック70はカメラ本体10のマルチコネクタ11を介して電源が供給されるようになっている。
図11はマリンパックの他の実施例を示す概略図である。このマリンパック80は、低コスト化のためにマイコン等が設けられていず、図示しないマリンパック80側の操作スイッチからメカ的にカメラ本体10側の操作スイッチがON/OFFできるように構成されている。マイクアンプもカメラ本体側の内蔵のアンプ23を使用し、マイクのみ外部マイク82を使用する。但し、システム・コントロールマイコン12は、外部マイク82か内部マイク22かに応じてアンプ23のゲインを制御するようにしている。
次に、カメラ本体10のマルチコネクタ11に液晶モニタ300のマルチコネクタ301を接続した場合について説明する。
図12に示すように、液晶モニタ300は、主としてマルチコネクタ301、電源ブロック302、アクセサリー判別端子制御ブロック306、ビデオブロック308、液晶表示部310、オーディオブロック312及びスピーカ314から構成されている。
この液晶モニタ300は、マルチコネクタ301を介してカメラ本体10のマルチコネクタ11から電源、映像信号、音声信号等を入力することができ、また、カメラ本体10に取り付けることによってファインダとして使用することもできるようになっている。電源ブロック302は液晶モニタ300の各回路に電源を供給するもので、カメラ本体10の電源ブロック24から電源が供給されている。尚、304は液晶モニタ300の電源スイッチである。
アクセサリー判別端子制御ブロック306は、液晶モニタ300を示すアクセサリー識別信号(L,L,H)をアクセサリー識別用端子(ADP-SEL0,1,2)に出力する。ビデオブロック308は、カメラ本体10側のビデオブロック26から加えられる輝度信号Y及びクロマ信号Cに基づいて液晶表示部310を駆動制御し、液晶表示部310に映像を表示させ、また、オーディオブロック312は、カメラ本体10側のミュート回路28を介して加えられる音声信号R,Lに基づいてスピーカ314を駆動して音声を発生させる。
一方、カメラ本体10のオーディオブロック27は、ステレオマイクから入力する音声信号R,Lをシステム・コントロールマイコン12から加えられる信号に基づいてミュート等の信号処理をして記録系(図示せず)に出力するとともに、音声信号R,Lをミュート回路28に出力し、また、ミュート回路28は、システム・コントロールマイコン12から加えられる信号に基づいてオーディオブロック27から入力する音声信号R,Lをミュートすることができるようになっている。
次に、カメラ本体10による液晶モニタ300の音声制御について、図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。
同図に示すように、カメラ本体10のシステム・コントロールマイコン12は、アクセサリー識別用端子(ADP-SEL0,1,2)を介して入力するアクセサリー識別信号に基づいてマルチコネクタ11に液晶モニタ300が接続されたか否かを判別する(ステップ320)。液晶モニタ300が接続されていない場合には、ミュート回路28で音声信号R,Lをミュートせずに出力させ(ステップ328)、液晶モニタ300が接続されている場合には、ステップ322に進む。
ステップ322では、カメラ本体の動作モードが撮影を行うカメラモードか否かを判別する(ステップ322)。そして、カメラモードでない場合(VTRモードの場合)には、ミュート回路28で音声信号R,Lをミュートせずに出力させ(ステップ328)、カメラモードの場合には、ステップ324に進む。
ステップ324では、更に撮影確認のモード(エディット・サーチモード)か否かを判別する(ステップ324)。そして、エディット・サーチモードの場合には、ミュート回路28で音声信号R,Lをミュートせずに出力させ(ステップ328)、エディット・サーチモードでない場合には、ミュート回路28で音声信号R,Lをミュートさせる(ステップ326)。
即ち、上記構成によれば、カメラ本体10に液晶モニタ300が接続され、液晶モニタ300を例えばファインダとして使用する場合(即ち、カメラ本体10がカメラモードで、且つエディット・サーチモードでない場合)には、液晶モニタ300に音声信号が出力されないように制御し、これにより液晶モニタ300のスピーカ314の音声を消音し、カメラ撮影時におけるハウリングの発生を防止するようにしている。
図14はカメラ本体及び液晶モニタの他の実施例を示すブロック図である。尚、図12と共通する部分には同符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図14に示すように、カメラ本体10は通常の構成となっており、外部に出力される音声信号用のミュート回路は設けられていず、液晶モニタ350側にマイコン352によって制御されるミュート回路354が設けられている。
液晶モニタ350側のマイコン352は、カメラ本体10側のLANCドライバ25及びLANC入出力端子を介してカメラの動作モード等を示す信号を入力できるようになっている。また、マイコン352は、電源スイッチ304がONされたときのみ、電源ブロック302を動作可能にするとともに、アクセサリー判別端子制御ブロック356が液晶モニタを示すアクセサリー識別信号を出力する制御する。尚、電源スイッチ304がOFFされると、アクセサリー判別端子制御ブロック356は、「アクセサリーなし」と同様なアクセサリー識別信号を出力し、これによりカメラ本体10は液晶モニタ350が接続されていても「アクセサリーなし」の場合の省電力モードで動作することができる。また、スイッチパネル358での操作によって、マイコン352は液晶表示部310における映像の明るさや色合い、スピーカ314からの音量等を制御することができる。 さて、マイコン352は、前述したようにLANC入出力端子を介してカメラの動作モード等を示す信号を入力できるようになっており、カメラの動作モードに応じてミュート回路354を制御する。即ち、図15のフローチャートで示すように、LANC入出力端子を介して入力する信号に基づいてカメラ本体10がカメラモードであり、且つ撮影確認のモードとなる場合(ステップ322、324)には、スピーカ314に音声信号が出力されないようにミュート回路312を制御し(ステップ326)、それ以外の場合にはスピーカ314に音声信号が出力されるようにミュート回路312を制御する(ステップ328)。
10…カメラ本体、11、31、51、71、81、91、93、301…マルチコネクタ、12、36…システム・コントロールマイコン、13、33、53、73…操作スイッチ、14、34…リモコン受光部、28、354…ミュート回路、30…ステーション、32…AV端子、35…電源コネクタ、37…LCD、38…LED、40、46…充電回路、41…ACアダプタ、43、54、75、352…マイコン、50…モニタリモコン、52C…接続確認用スイッチ、70、80…マリンパック、72、82…外部マイク、90…ズームカメラ、300、350…液晶モニタ