JP2005277572A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、航空用監視レーダ装置、気象レーダ装置、船舶用レーダ装置などの送信装置に用いられる半導体電力増幅装置に関する。
近年、航空用監視レーダ装置、気象レーダ装置、船舶用レーダ装置などには、保守性、信頼性、耐久性の観点から、FET、バイポーラトランジスタなどを用いた半導体電力増幅器が、従来のマグネトロン、クライストロンなどを用いた電子管電力増幅器に代わって用いられる傾向にある。
しかしながら半導体電力増幅器では、電子管電力増幅器と同等の出力電力を得るに至っていないため、レーダ装置においては、送信パルス長を延長した長パルス出力信号を用いることで出力電力の不足を補っている。また、レーダ装置は送信動作と受信動作を同時に行うことができないため、送信パルス長を延長することによって探知不能領域が拡大するという問題が生ずる。この問題については、パルス長の短い短パルス出力信号を別に放射し、長パルス出力信号で得た遠方の受信信号と短パルス出力信号で得た近傍の受信信号とを合成する、長短複合パルス方式を採用することで対処している。
長短複合パルスを用いたレーダ装置については、インターネット上において開示されている。また、レーダ装置に用いられる半導体電力増幅器については特開平9−321550号公報に開示されている。
長短複合パルス方式においては、短パルス出力信号放射時に要求される出力電力は、長パルス出力信号に対する最小探知距離以下の距離にある物標、すなわち近傍にある物標の測位を行うために必要な最低限の出力電力によって決定される。この出力電力は、単一のパルス長を有するパルス列のみで全領域の探知を行う方式において要求される出力電力よりは小さいが、一般的に長パルス出力信号を放射するときに要求される出力電力よりは大きくなる。したがって、出力電力を長短パルス毎に変更し、短パルス出力信号放射時には近傍にある物標の測位に必要な出力電力を以って放射し、長パルス出力信号放射時にはパルス長の延長に応じて低減された出力電力を以って放射することで、電力を過不足させることなく所望の探知領域を満足させることが消費電力削減の観点から好ましい。
しかしながら、従来のレーダ用半導体電力増幅器はC級増幅器が主流であり、パルス毎のきめ細かい電力制御は難しい。C級増幅器では入力信号と出力信号との関係が非線形であり、入力信号レベルが出力信号が現れるレベルに達するとともに、その出力信号レベルは急激な利得上昇を伴い最大レベルに達してしまうからである。そのため、パルス毎の出力電力の制御は実現されておらず、長パルス出力信号放射時においても短パルス出力信号放射時と同一の出力電力が放射されており、平均消費電力が大きいものになっている。図7はC級増幅器を用いた従来のレーダ装置の出力電力を示したものであり、長パルス出力信号放射時にPUの電力が過剰になることを示している。ここで、従来からC級増幅器が主流となっているのは、アイドリング電流が不要であることにより高電力効率を実現できるためである。したがって、AB級増幅器またはA級増幅器またはB級増幅器を用いた場合においても、C級増幅器と同程度の電力効率が実現可能でありさえすれば、出力電力制御の観点からも有利な電力増幅器が実現できることとなる。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、AB級増幅器またはA級増幅器またはB級増幅器を用いることで出力電力に過不足のない制御を可能にし、非出力時にはアイドリング電流を遮断することで、C級増幅器に劣らぬ電力効率を実現する半導体電力増幅装置を提供する。
本発明は、半導体増幅素子を含む増幅回路と、前記増幅回路の電源供給端子に接続されるスイッチ回路と、前記増幅回路の入力信号の振幅を調整する振幅調整回路と、前記スイッチ回路と前記振幅調整回路とを制御する増幅制御回路とを含む半導体電力増幅装置であって、前記増幅制御回路は、前記スイッチ回路を導通状態とする時間に応じて、前記振幅調整回路が調整する振幅の大きさを決定することを特徴とする。
また、本発明に係る半導体電力増幅装置は、レーダ送信装置の送信電力増幅装置として用いることが好適であり、前記スイッチ回路を導通状態とする時間は、測位を行う物標までの距離に応じて決定される構成とすることが好適である。
本発明は、半導体増幅素子を含む増幅回路と、前記増幅回路の電源供給端子に接続されるスイッチ回路と、前記増幅回路の入力端子に接続される振幅制御回路と、前記スイッチ回路と前記振幅制御回路とを制御する制御パルス信号を出力する制御パルス発生回路とを含む半導体電力増幅装置であって、前記振幅制御回路は前記制御パルス信号のパルス長に基づいて前記増幅回路に入力される信号の振幅を制御し、前記スイッチ回路は前記制御パルス信号のオン、オフに基づいて開閉し、前記アイドリング電流は、前記増幅回路に入力される信号の半サイクルにおいては当該信号の振幅変化に対して線形に変化する出力電流を流し、次の半サイクルにおいては出力電流が順方向である限り当該信号の振幅変化に対して線形に変化する出力電流を流すことが可能であるアイドリング電流であることを特徴とする。
また、本発明に係る半導体電力増幅装置においては、前記制御パルス発生回路は、第1のパルス長を有する第1の制御パルス信号と、前記第1のパルス長より長い第2のパルス長を有する第2の制御パルス信号とを出力可能であり、前記振幅制御回路は、前記制御パルス発生回路から入力される制御パルス信号のパルス長に基づいた電圧を出力するパルス長判別回路と、前記パルス長判別回路が出力する電圧に基づいて前記増幅回路に入力される信号の振幅を調整する振幅調整回路とを含み、前記振幅制御回路は、前記第1の制御パルス信号の入力を受けたときに出力する信号の振幅である第1の振幅が、前記第2の制御パルス信号の入力を受けたときに出力する信号の振幅である第2の信号振幅よりも大きくなるよう、前記増幅回路に入力される信号の振幅を制御するものとすることが好適である。
また、当該半導体電力増幅装置においては、前記制御パルス発生回路は、前記第1の制御パルス信号と前記第2の制御パルス信号とを交互に出力し、前記パルス長判別回路は、前記第1の制御パルス信号が入力されている間は第1の電圧を出力し、前記第1の制御パルス信号の立ち下がりをきっかけとして第2の電圧を出力し、前記第2の制御パルス信号が入力されている間は前記第2の電圧の出力を維持し続け、前記第2の制御パルス信号の立ち下がりから前記第1の制御パルス信号の立ち上がりまでの間に前記第1の電圧を出力する、前記第1の制御パルス信号の立ち下がりをトリガとする単安定マルチバイブレータを含むものとすることが好適である。
前記振幅調整回路は、外部から与えられる電圧に応じて減衰量が変化する可変減衰回路として構成することができる。
また、本発明に係る半導体電力増幅装置は、レーダ送信装置であって、前記第2の制御パルス信号は、前記第2のパルス長の半分の時間で電磁波が伝搬する距離である長パルス最小探知距離を超える距離にある物標の測位を行うために出力され、前記第1の制御パルス信号は、前記長パルス最小探知距離以下の距離にある物標の測位を行うために出力され、前記第1の信号振幅は、前記長パルス最小探知距離以下の距離にある物標の測位を行うために必要な、送信波電力と前記第1のパルス長とに基づいて定められ、前記第2の信号振幅は、前記長パルス最小探知距離を超える距離にある物標の測位を行うために必要な、送信波電力と前記第2のパルス長とに基づいて定められていることを特徴とするレーダ送信装置の送信電力増幅装置として用いることが好適である。
本発明によれば、レーダ送信装置にAB級増幅器またはA級増幅器またはB級増幅器を用いた場合であっても、C級増幅器を用いた場合に劣らぬ性能でかつ低消費電力を実現することができる。また、長短複合パルス方式のレーダ装置において、短パルス出力信号放射時には近傍にある物標の測位に必要な出力電力を以って放射し、長パルス出力信号放射時にはパルス長の延長に応じて低減された出力電力を以って放射するといった制御が可能になり、出力電力の過不足を抑えることができる。
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は半導体電力増幅装置1を、長短複合パルス方式のレーダ装置に適用したものを示している。
ここで説明するレーダ装置は、短パルス出力信号と長パルス出力信号とを交互に放射し、長パルス出力信号で得た遠方の受信信号と短パルス出力信号で得た近傍の受信信号とを合成することで、広範囲に亘る物標の測位を可能にするものである。
図2には、短パルス出力信号と、長パルス出力信号の様子を示す。これらの出力信号は、半導体電力増幅装置1から出力され、サーキュレータ38を介してアンテナ36から放射される。アンテナ36から放射されたパルス出力信号が電磁波として物標に照射されると、パルス出力信号の電力の一部は物標で反射し、反射波を生ずる。反射波はアンテナ36で受信され、サーキュレータ38を介して受信装置へと導かれる。受信された反射波には物標の方位、物標までの距離および反射強度の情報が含まれており、レーダ装置はこの情報を処理することによって物標の測位を行う。
レーダ装置設計では、どれだけ遠方の物標の測位を行うか、装置の最大出力電力はどの程度であるか等に基づいて、長パルス出力信号の出力電力PLと、長パルス出力信号のパルス長tLが決定される。
測位可能な距離を延ばすためには、出力電力PLを大きくするか、パルス長tLを長くすればよい。レーダ装置の受信装置は、受信電力の電力量を以って物標の存在を認識するからである。このことは、PLとtLとの積で求まる電力量が同一であれば、同一の測距性能が得られることを意味する。したがって、パルス長tLを長くしさえすれば、レーダ装置の受信機性能が許す限り出力電力PLを小さくすることができる。
しかしながら、レーダ装置は送信動作と受信動作を同時に行うことができないため、パルス長tLの半分の時間で電磁波が伝搬可能な距離、すなわちtLに対する最小探知距離以下の距離に存在する物標の測位を行うことはできない。したがって、PLとtLの決定に際しては、tLに対する最小探知距離をも考慮しなければならないこととなる。
パルス長tLに対する最小探知距離以下の距離に存在する物標の測位には、短パルス出力信号が用いられる。短パルス出力信号のパルス長tSは、距離分解能をどの程度にするか仕様によって決定され、それに伴って最小探知距離があわせて決定され、短パルス出力信号の出力電力PSは、tLに対する最小探知距離以下の距離に存在する物標の測位に必要な最低限の出力電力に基づいて決定される。
なお、必要な出力電力を求める際には電磁波の減衰のみならず、アンテナ36の指向性パターンをも考慮する必要があることはいうまでもない。
一般的なレーダ装置の仕様においては、このようにして決定されたPSはPLよりも大きくなり、短パルス出力信号放射時と長パルス出力信号放射時とで必要とされる出力電力が異なる。出力電力を必要最小限に抑え消費電力を低減するためには、パルス毎に出力電力を制御する必要がある。
このような観点から、送信装置では短パルス出力信号および長パルス出力信号それぞれのパルス長や発生タイミングを司る信号を発生する回路や、パルス毎に電力を制御する回路が要求されることとなる。図1に示す回路はそれらを具体的に実現するものであり、以下、各回路が取り扱う信号と共にその動作を説明する。
図3の(a)から(f)までの信号と、これらを出力する各回路の動作について説明する。図3(a)に示す励振信号は、パルスによって振幅変調を受けた高周波信号であり、短パルス励振信号と長パルス励振信号からなる。この信号は増幅器12によって増幅され、電磁波として物標に放射され、物標の測位に供されるものであり、レーダ装置の信号生成部2に設けられた高周波発振回路28、制御パルス発生回路30、タイミング調整回路32および長短パルス変調器34によって生成される。
制御パルス発生回路30は、パルス長と発生タイミングを決定する制御パルス信号を生成する。制御パルス信号の様子を図3(b)に示す。この信号は、タイミング調整回路32によって立ち上がり時間、立ち下がり時間の調整を受けた後、長短パルス変調器34に入力される。タイミング調整回路32から出力される制御パルス信号は、その立ち上がり時間が元の制御パルス信号の立ち上がり時間よりもΔ1だけ遅く、その立ち下がりが元の制御パルス信号よりもΔ2だけ早い。したがって、励振信号のパルスもそれに応じて立ち上がり時間および立ち下がり時間の調整を受けたものとなる。その様子は、図3(a)と図3(b)を比較すれば容易に把握することができる。このように、励振信号のパルスのタイミング調整を行うのは、半導体増幅素子10におけるアイドリング電流制御を的確に行い、立ち上がり時および立ち下がり時においてもレーダ装置からの出力電力を安定したものとするためである。
制御パルス信号のパルス長は、先述したtSおよびtLに基づいて、短パルス信号のパルス長がtS’=Δ1+tS+Δ2、長パルス信号のパルス長がtL’=Δ1+tL+Δ2となるよう決定し、長パルス信号と短パルス信号の発生間隔は、レーダ装置の仕様に基づいて決定すればよい。またタイミング調整回路32では、立ち上がりをΔ1だけ早め、立ち下がりをΔ2だけ遅らせるよう設計パラメータを設定すればよい。
このようにして生成された励振信号は、電圧制御減衰器16に入力され振幅の制御を受ける。振幅制御を受けた短パルス励振信号の振幅VSと、振幅制御を受けた長パルス励振信号の振幅VLは、それぞれ、先述したPSとPLとに基づいて決定される。具体的には、振幅VSの信号を増幅器12に入力したときの出力電力がPSとなるようVSを決定し、振幅VLの信号を増幅器12に入力したときの出力電力がPLとなるようにVLを決定すればよい。図3(d)には振幅制御を受けた励振信号の様子を示す。
電圧制御減衰器16は、外部から与えられた電圧に応じてその減衰量が変化する可変減衰器であり、Pinダイオードを用いたもので構成することができる。電圧制御減衰器16が励振信号の振幅を制御するためには減衰量制御信号が必要であり、この信号はパルス長判別回路18から供給される。
パルス長判別回路18は、制御パルス発生回路30から出力される制御パルス信号の供給を受け、パルス長を電圧レベルに反映させた信号である減衰量制御信号を生成する。図3(c)には減衰量制御信号の様子を示す。パルス長判別回路18は、制御パルス信号の短パルス信号の立ち下がりをトリガとする単安定マルチバイブレータによって構成され、短パルス信号の立ち下がりと共に高電位を出力し、長パルス信号が立ち上がっている間は、高電位出力を維持し続け、長パルス信号の立ち下がりから短パルス信号の立ち上がりまでの間に低電位に切り換わる。また、電圧制御減衰器16の制御電圧範囲に応じて、トランジスタ等を用いたレベル変換回路22を用いることが好適である。
振幅制御を受けた励振信号は増幅器12に入力される。ここで、励振信号が増幅される際の動作を説明する前に、増幅器12の構成および基本動作について説明する。
図1は増幅器12を構成する半導体増幅素子10にFETを用いたものを示している。FETとしては高周波特性の優れたGaAsFETを用いることが好ましい。このFETのゲートには、増幅器12がAB級またはA級またはB級で動作する程度のバイアス電圧が加えられている。
増幅器12がA級で動作する場合は、入力信号の変化に対して線形に変化するドレイン電流が流れるため、増幅器12の出力電力は入力電力に比例する。また、増幅器12がAB級またはB級で動作する場合は、ほぼ入力信号の半サイクルにおいてドレイン電流が飽和してしまうため、出力電力は入力電力に比例しないが、出力電力は入力電力に対して単調増加する関係にある。
FETのドレインに接続される電流供給線には、スイッチ回路14が設けられている。このスイッチ回路14は、図1のようにFETおよびバイポーラトランジスタで構成することができる。スイッチ回路14は、制御パルス信号の供給を受け、そのオン、オフに基づいてスイッチングを行う。スイッチ回路14がオンの状態にあるときはFETのドレインにアイドリング電流が流れ増幅動作が可能となる。
ここでは、スイッチ回路14をドレインに接続される電流供給線に設けた構成としているが、ゲートバイアス電圧を与える回路(図示せず)にスイッチ回路14を設け、ゲートバイアス電圧をスイッチングさせる構成としてもよい。
スイッチ回路14がオンになり、励振信号が入力され増幅される際には、突発的にドレイン電流が流れるため、電源には電流許容量の大きいものが必要とされる。図1の構成では、電源線に大容量のコンデンサ24を設け、スイッチ回路14のオフ時に十分な電荷を蓄えておくことで、急激に消費電流が変化しても電源には負担をかけないものとしている。
次に、短パルス励振信号および長パルス励振信号からなる励振信号が増幅される際の動作について説明する。
スイッチ回路14は、制御パルス信号の立ち上がりによって、短パルス励振信号の入力が始まるΔ1だけ前にオン状態に切り替わり、増幅器12にアイドリング電流を流す。短パルス励振信号が入力される前にアイドリング電流を流しておくのは、立ち上がりにおいても確実に出力電力を得るためである。この動作は、先述のように長短パルス変調器34に入力される制御パルス信号が、タイミング調整回路32においてタイミング調整を受けることによって可能となっている。
アイドリング電流の供給を既に受けている増幅器12は、短パルス励振信号の入力を受けて出力電力がPSである短パルス出力信号を出力する。短パルス出力信号が出力されている間は、電圧制御減衰器16は短パルス励振信号の振幅がVSになるよう一定の減衰量を呈する。
増幅器12は、短パルス出力信号のパルス長tSの間は、PSの電力を出力し続け、短パルス励振信号の立ち下がりと共に出力を停止する。短パルス励振信号の立ち下がりからΔ2後には制御パルス信号が立ち下がり、増幅器12のアイドリング電流が遮断される。
制御パルス信号は、長パルス励振信号の入力が始まるΔ1前までは、低電圧レベルを維持し続ける。これによってスイッチ回路14はオフ状態を維持し、増幅器12のアイドリング電流は遮断された状態をとなるため、増幅器12において電力は消費されない。
次にスイッチ回路14は、制御パルス信号の立ち上がりによって、長パルス励振信号の入力が始まるΔ1だけ前にオン状態に切り替わり、増幅器12にアイドリング電流を流す。後は、短パルス励振信号が入力された場合と同様にして、出力電力がPLである長パルス出力信号が出力され、長パルス出力信号と短パルス出力信号とが交互に出力される。
図3(e)にはドレイン電流の様子を、図3(f)には出力電力の様子を示す。励振信号と、制御パルス信号との間にはΔ1、Δ2の時間差を設けてあるため、ドレイン電流にはアイドリング電流のみが流れる期間があり、励振信号立ち上がり時には、必ずアイドリング電流が流れている状態にあることがわかる。
なお、図1では制御パルス信号は、タイミング調整回路32、パルス長判別回路18およびスイッチ回路14に供給されているが、各回路の同信号入力端においては、コンパレータ20などによってレベル調整、波形整形を行うことが好ましい。図1のコンパレータ20はそれを具体的に回路表記したものである。
また、高周波発振回路28、長短パルス変調器34、増幅器12などの高周波信号を扱う回路の接続端には、インピーダンス不整合による帯域内振幅リップルの増大、信号レベル低下などを回避するための整合回路26を設けることが好適である。
図4は、本発明に係る半導体電力増幅装置1を並列接続することで、出力電力を高めた構成を示している。各々の半導体電力増幅装置1の出力は、電力合成器40によって合成され、1系統となって送信電力が出力される。電子管に比して出力電力の小さい、半導体を用いた場合には殊に有効な構成である。
以上は、長短複合パルス方式のうち、短パルス出力信号と長パルス信号が交互に間隔を隔てて放射されるものを例に説明してきた。同方式の別の形態としては図5に示すようなものがある。これは、1パルス内で放射される電磁波の周波数を変更することにより、長パルス出力信号と短パルス出力信号が連続に放射される方式であり、シングルパルスによる長短複合パルス方式といえる。本発明に係る半導体電力増幅装置1をこの方式に適用する場合の構成を図6に示す。制御パルス信号が、周波数変更回路42に入力され、高周波発振回路28の発振周波数がパルス時間内で変更される。周波数の変更は、ある周波数範囲を定め、その範囲内で掃引を行う構成とすることが好適である。
1 半導体電力増幅装置、2 信号生成部、10 半導体増幅素子、12 増幅器、14 スイッチ回路、16 電圧制御減衰器、18 パルス長判別回路、20 コンパレータ、22 レベル変換回路、24 コンデンサ、26 整合回路、28 高周波発振回路、30 制御パルス発生回路、32 タイミング調整回路、34 長短パルス変調器、36 アンテナ、38 サーキュレータ、40 電力合成器、42 周波数変更回路。
Claims (7)
- 半導体増幅素子を含む増幅回路と、
前記増幅回路の電源供給端子に接続されるスイッチ回路と、
前記増幅回路の入力信号の振幅を調整する振幅調整回路と、
前記スイッチ回路と前記振幅調整回路とを制御する増幅制御回路と、
を含む半導体電力増幅装置であって、
前記増幅制御回路は、前記スイッチ回路を導通状態とする時間に応じて、前記振幅調整回路が調整する振幅の大きさを決定することを特徴とする半導体電力増幅装置。 - 請求項1に記載の半導体電力増幅装置を送信電力増幅装置として用いるレーダ送信装置であって、
前記スイッチ回路を導通状態とする時間は、測位を行う物標までの距離に応じて決定されることを特徴とする半導体電力増幅装置。 - 半導体増幅素子を含む増幅回路と、
前記増幅回路の電源供給端子に接続されるスイッチ回路と、
前記増幅回路の入力端子に接続される振幅制御回路と、
前記スイッチ回路と前記振幅制御回路とを制御する制御パルス信号を出力する制御パルス発生回路とを含む半導体電力増幅装置であって、
前記振幅制御回路は前記制御パルス信号のパルス長に基づいて前記増幅回路に入力される信号の振幅を制御し、
前記スイッチ回路は前記制御パルス信号のオン、オフに基づいて開閉し、
前記アイドリング電流は、前記増幅回路に入力される信号の半サイクルにおいては当該信号の振幅変化に対して線形に変化する出力電流を流し、次の半サイクルにおいては出力電流が順方向である限り当該信号の振幅変化に対して線形に変化する出力電流を流すことが可能であるアイドリング電流であることを特徴とする半導体電力増幅装置。 - 請求項3に記載の半導体電力増幅装置であって、
前記制御パルス発生回路は、第1のパルス長を有する第1の制御パルス信号と、前記第1のパルス長より長い第2のパルス長を有する第2の制御パルス信号とを出力可能であり、
前記振幅制御回路は、前記制御パルス発生回路から入力される制御パルス信号のパルス長に基づいた電圧を出力するパルス長判別回路と、
前記パルス長判別回路が出力する電圧に基づいて前記増幅回路に入力される信号の振幅を調整する振幅調整回路とを含み、
前記振幅制御回路は、前記第1の制御パルス信号の入力を受けたときに出力する信号の振幅である第1の信号振幅が、前記第2の制御パルス信号の入力を受けたときに出力する信号の振幅である第2の信号振幅よりも大きくなるよう、前記増幅回路に入力される信号の振幅を制御することを特徴とする半導体電力増幅装置。 - 請求項4に記載の半導体電力増幅装置であって、
前記制御パルス発生回路は、前記第1の制御パルス信号と前記第2の制御パルス信号とを交互に出力し、
前記パルス長判別回路は、前記第1の制御パルス信号が入力されている間は第1の電圧を出力し、前記第1の制御パルス信号の立ち下がりをきっかけとして第2の電圧を出力し、前記第2の制御パルス信号が入力されている間は前記第2の電圧の出力を維持し続け、前記第2の制御パルス信号の立ち下がりから前記第1の制御パルス信号の立ち上がりまでの間に前記第1の電圧を出力する、前記第1の制御パルス信号の立ち下がりをトリガとする単安定マルチバイブレータを含むことを特徴とする半導体電力増幅装置。 - 請求項4または請求項5に記載の半導体電力増幅装置であって、
前記振幅調整回路は、外部から与えられる電圧に応じて減衰量が変化する可変減衰回路であることを特徴とする半導体電力増幅装置。 - 請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の半導体電力増幅装置を送信電力増幅装置として用いるレーダ送信装置であって、
前記第2の制御パルス信号は、前記第2のパルス長の半分の時間で電磁波が伝搬する距離である長パルス最小探知距離を超える距離にある物標の測位を行うために出力され、
前記第1の制御パルス信号は、前記長パルス最小探知距離以下の距離にある物標の測位を行うために出力され、
前記第1の信号振幅は、前記長パルス最小探知距離以下の距離にある物標の測位を行うために必要な、送信波電力と前記第1のパルス長とに基づいて定められ、
前記第2の信号振幅は、前記長パルス最小探知距離を超える距離にある物標の測位を行うために必要な、送信波電力と前記第2のパルス長とに基づいて定められていることを特徴とするレーダ送信装置。
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