JP2005276449A - 燃料電池用meaおよびそれを用いた燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、発電性能に優れたガス拡散電極を提供することを目的とする。
【解決手段】 電極触媒層とガス拡散層とを含むガス拡散電極において、前記電極触媒層および前記ガス拡散層は、前記電極触媒層と前記ガス拡散層とを連通する導電性繊維により構成され、さらに、前記電極触媒層は、前記導電性繊維に担持された触媒粒子と、プロトン導電性電解質とを含むことを特徴とするガス拡散電極により上記課題を解決する。
【選択図】 図1
【解決手段】 電極触媒層とガス拡散層とを含むガス拡散電極において、前記電極触媒層および前記ガス拡散層は、前記電極触媒層と前記ガス拡散層とを連通する導電性繊維により構成され、さらに、前記電極触媒層は、前記導電性繊維に担持された触媒粒子と、プロトン導電性電解質とを含むことを特徴とするガス拡散電極により上記課題を解決する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、燃料電池用MEAに関し、より詳細には発電特性に優れる燃料電池用MEAに関する。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、常温でも作動し高出力密度が得られる固体高分子型燃料電池が電気自動車用電源、定置型電源として注目されている。固体高分子型燃料電池は、フィルム状の固体高分子膜からなる電解質層を用いるのが特徴である。
固体高分子型燃料電池の構成は、一般的には、膜−電極接合体(以下、「MEA」とも記載する。)をセパレータで挟持した構造となっている。
MEAは、電解質膜がガス拡散電極により挟持されてなるものである。ガス拡散電極は、電極触媒を高分散した電極触媒層とガス拡散層とが含まれ、前記電極触媒層は少なくとも片面が電解質膜に接している。
従来、前記ガス拡散電極を作製するには、導電性担体に触媒粒子が担持されてなる電極触媒およびプロトン導電性電解質などを含む触媒スラリーを、スクリーンプリント法などを用いてカーボンペーパーなどからなるガス拡散層上に塗布・乾燥することにより、ガス拡散層上に電極触媒層を形成する方法が用いられていた。さらに、作製したガス拡散電極により電極触媒層を内側にして電解質膜を挟持した後、ホットプレスすることによりMEAを作製する方法などが一般的に用いられている。
前記MEAでは、以下のような電気化学的反応が進行する。まず、燃料極(アノード)側に供給された燃料ガスに含まれる水素は、触媒粒子により酸化され、プロトンおよび電子となる。次に、生成したプロトンは、電極触媒層に含まれるプロトン導電性電解質、さらに電極触媒層と接触している電解質膜を通り、酸素極(カソード)側電極触媒層に達する。また、アノード側電極触媒層で生成した電子は、電極触媒層を構成している導電性担体、さらに電極触媒層の電解質膜と異なる側に接触しているガス拡散層、ガスセパレータおよび外部回路を通してカソード側電極触媒層に達する。そして、カソード側電極触媒層に達したプロトンおよび電子はカソード側に供給されている酸化剤ガスに含まれる酸素と反応し水を生成する。燃料電池では、上述した電気化学的反応を通して、電気を外部に取り出すことが可能となる。
前記電気化学的反応は、主に、触媒粒子と、プロトン導電性電解質と、供給ガスとが接触する三相界面において生じる。従って、ガス拡散電極は、密度の高い三相界面を有するだけでなく、燃料ガスおよび酸化剤ガスを電極触媒層へと均一に供給することが必要とされる。
また、燃料電池の発電性能を向上するためには、燃料電池の構成部材間の内部抵抗を低減することが重要となる。例えば、特許文献1には、電極触媒層とガス拡散層との間に導電性微粒子からなる層が配置されたガス拡散電極が開示されている。該文献1によれば、密着性を向上させることにより、電極触媒層とガス拡散層との間の接触抵抗を低減させ、これによりガス拡散電極の発電性能を向上させることが可能となり得る。
特開2000−123842号公報
しかしながら、該文献1のガス拡散電極によっても、未だ十分に高い発電性能が得られてはおらず、さらなる改善が所望されている。
そこで、本発明が目的とするところは、発電性能に優れたガス拡散電極を提供することである。
本発明者は上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、触媒粒子からガス拡散層への電子伝導経路を連続した同一部材を用いることにより、上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、電極触媒層とガス拡散層とを含むガス拡散電極において、前記電極触媒層および前記ガス拡散層は、前記電極触媒層と前記ガス拡散層とを連通する導電性繊維により構成され、さらに、前記電極触媒層は、前記導電性繊維に担持された触媒粒子と、プロトン導電性電解質とを含むことを特徴とするガス拡散電極により上記課題を解決するものである。
本発明によれば、ガス拡散電極内の構成部材間の内部抵抗、電気抵抗などを低減することができる。従って、発電性能に優れるガス拡散電極を提供することができる。
本発明の第一は、電極触媒層とガス拡散層とを含むガス拡散電極において、前記電極触媒層および前記ガス拡散層は、前記電極触媒層と前記ガス拡散層とを連通する導電性繊維により構成され、さらに、前記電極触媒層は、前記導電性繊維に担持された触媒粒子と、プロトン導電性電解質とを含むことを特徴とするガス拡散電極である。
従来では、触媒粒子は、カーボン粒子などの導電性担体に担持させた電極触媒として電極触媒層中に含まれていた。電極内の電気化学的反応は触媒粒子表面で進行し、前記反応により生じた電子は導電性担体、ガス拡散層などを介して外部回路へと流れる。従って、電極を構成している構成部材による電気抵抗も、ガス拡散電極の発電特性を低下させる要因となっていた。さらに、電極触媒層およびガス拡散電極の間に配置された導電性微粒子層によっても、構成部材間の接触抵抗などを十分に低下させることができていなかった。
これに対して、本発明のガス拡散電極は、電極触媒層を構成する導電性繊維がガス拡散層まで連通しており、電極触媒層においては前記導電性繊維に触媒粒子が直接担持された構成となっている。従って、本発明のガス拡散電極は、触媒粒子からガス拡散層への電子伝導経路が連通した同一部材から構成されており、構成部材による電気抵抗だけでなく、構成部材間による接触抵抗をも低減させることができ、電極触媒層およびガス拡散層が優れた電子伝導性を発揮し、結果として発電特性に優れたガス拡散電極を得ることができるのである。
また、本発明のガス拡散電極における電極触媒層およびガス拡散層は、導電性繊維により構成されていることから、多孔質のシート状とすることができる。これにより、酸化剤ガスおよび燃料ガスを電極触媒層へ均一に分散させて供給させることができるだけでなく、電極触媒層内で生成した水分を外部へ速やかに排出することができフラッディング現象を抑制することもでき、プロトン導電性電解質と、触媒粒子と、供給ガスとの接触密度が高い良好な三相界面を形成することができる。
以下、本発明のガス拡散電極に関して、より詳細に説明をする。
まず、本発明のガス拡散電極を図1を用いて説明する。図1のガス拡散電極100は、所定の数で一まとめに撚られた導電性繊維1を複数用意し、これらを平織りすることにより、電極触媒層101とガス拡散層102とが導電性繊維1により連通した構成となって形成されている。また、ガス拡散電極100において、前記導電性繊維1に触媒粒子2が直接担持され、プロトン導電性電解質3が含まれる部分が電極触媒層101である。
触媒粒子としては、水素の酸化反応、及び酸素の還元反応に対して触媒作用を有するものであれば、特に限定されない。例えば、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、及びそれらの合金等から選択される1種以上が挙げられる。また、前記触媒粒子は、白金単独で用いてもよいが、前記触媒粒子の安定性や活性を高めるために、白金を主成分とする合金などであってもよい。
触媒粒子の平均粒径は、1〜30nmであることが好ましい。触媒粒子は、平均粒径が小さいほど比表面積が大きくなるため触媒活性も向上すると推測されるが、実際は、触媒粒子径を極めて小さくしても、比表面積の増加分に見合った触媒活性は得られない恐れがあるため、上記範囲とするのが好ましい。なお、本発明における「触媒粒子の平均粒径」は、X線回折における触媒金属の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径あるいは透過型電子顕微鏡像より調べられる触媒粒子径の平均値により測定することができる。
次に、触媒粒子を直接担持させる導電性繊維は、電子伝導性などを有するものであり、例えば、アクリル繊維を原料とするPAN系炭素繊維、石油、ピッチまたはナフタレン系ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維、フェノール樹脂を原料とするフェノール系炭素繊維、およびレーヨン系炭素繊維などのカーボン繊維が好ましく用いられる。また、前記カーボン繊維は、折れにくくしたり、耐食性の向上などを目的として、2000〜3000℃程度での熱処理、または、賦活処理などがされていてもよい。
前記導電性繊維として、前記カーボン繊維の他に、金属繊維を使用することも出来る。
前記導電性繊維は、直径が1〜30μm、好ましくは5〜15μmであるものが好適に用いられる。前記導電性繊維の直径が1μm未満であると得られるガス拡散電極の機械的強度を低下させる恐れがあり、30μmを超えると得られるガス拡散電極の空隙率などを低下させる恐れがある。なお、前記導電性繊維の直径は、例えば電子顕微鏡(SEM)を用いて観察像より測定することができる。
電極触媒層およびガス拡散層を構成する前記導電性繊維の目付量としては、10〜500g/m2、好ましくは30〜200g/m2程度のものを用いるのとよい。前記目付量が、10g/m2未満ではガス拡散電極の強度が低下する恐れがあり、500g/m2を超えるとガス拡散電極が厚くなり発電特性の低下や燃料電池の大型化などを招く恐れがある。
前記ガス拡散電極の製造方法としては、まず、一定間隔に触媒粒子を担持させた導電性繊維を所定の数で一まとめに撚って束にした後、電極触媒層に触媒粒子が含まれるように図1に示すように波型にうねらせ、シート状に成形してガス拡散電極前駆体を作製し、この際、触媒粒子が担持された部位が、ガス拡散電極前駆体の表面近傍に配置されるようにする。次に、前記ガス拡散電極前駆体に、プロトン導電性電解質を所望する深さまで含浸させる方法などが挙げられる。
前記導電性繊維の束をシート状に成形してガス拡散電極前駆体とするには、前記導電性繊維束を複数用意し、これらを経糸および緯糸として互いに交差させて織り込む平織りなどの方法を用いて行えばよい。
前記導電性繊維を一まとめに撚る本数としては、得られるガス拡散電極の厚さ、空隙率などを考慮して適宜決定すればよい。また、一まとめに撚った2本以上の前記導電性繊維束をさらに束ねたものを用いて織り込んでもよい。
前記導電性繊維を一まとめに撚る本数として、具体的には、好ましくは20〜100本、より好ましくは40〜60本程度を用いて一まとめに撚り導電性繊維の束とするのがよい。導電性繊維束が20本未満であると、ガス拡散電極の強度が低下する可能性があり、導電性繊維束が100本を越えるとガス拡散電極の空隙率が減少してガス透過性、生成水の排出性などを低下させる恐れがある。
前記ガス拡散電極前駆体の厚さは、得られるガス拡散電極が所望する特性を有するように適宜決定すればよいが、30〜500μm、好ましくは50〜300μm程度とするのがよい。
導電性繊維に触媒粒子を担持させるには、例えば、触媒粒子化合物溶液に、導電性繊維の所望する部位のみを浸漬させた後、還元剤などを添加することにより触媒粒子を担持させる方法が挙げられる。かような方法によれば、触媒粒子を導電性繊維表面に高分散担持することができ、触媒粒子の凝集を抑制することができる。
前記触媒粒子化合物としては、触媒粒子としてPtを用いる場合には、例えば、塩化白金酸、塩化アンミン白金、ジニトロジアンミン白金などの触媒粒子化合物を含有する溶液を用いることができる。白金合金とするには、前記溶液に白金の他に所望する触媒粒子の硝酸塩、塩化物、硫酸塩などの化合物を分散させればよい。また、触媒粒子化合物を添加する溶媒としては、水などを用いることができる。また、触媒粒子化合物溶液における触媒粒子濃度などは、所望する触媒粒子担持量が得られるように適宜決定すればよい。
還元剤としては、触媒粒子化合物を還元できるものであれば特に限定されず、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、メタノール、エタノール、水素、エチレン、一酸化炭素などを用いることができる。前記還元剤を添加することにより、導電性繊維上に触媒粒子化合物を触媒粒子として担持させることができる。上述の触媒粒子化合物溶液に導電性繊維を浸漬させた後、前記還元剤を適量加え、還流反応装置などを用いて60〜100℃に加熱し、その後、室温まで放冷することにより触媒粒子の還元担持を行う。
上述の通りにして、導電性繊維に担持された触媒粒子を合金化させる場合には、さらに焼成を行うのが好ましい。また、焼成前に必要に応じて乾燥を行ってもよい。
触媒粒子の還元担持後の導電性繊維の乾燥方法としては、真空乾燥、自然乾燥、ロータリーエバポレーター、沿送風乾燥機による乾燥など、公知の方法を用いればよく特に限定されない。乾燥時間などは、使用する方法に応じて適宜決定すればよい。
また、合金化させる場合などの焼成方法としては、空気雰囲気中、好ましくは、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性雰囲気中、または、水素などの還元雰囲気中で、焼成温度300〜1000℃、好ましくは300〜600℃の範囲で、1〜6時間程度、行えばよい。
導電性繊維に触媒粒子を担持させる方法として、還元剤を用いる上述した方法の他、含浸法、共沈法、競争吸着法、マイクロエマルジョン(逆ミセル法)などの方法を適用することができる。触媒粒子を高分散させて、導電性繊維表面に強固に担持させることができる観点からは、還元剤を用いる方法、マイクロエマルジョン(逆ミセル法)などが好ましく用いられる。また、スパッタ、蒸着などのPVD法を用いて触媒粒子を担持させてもよい。
電極触媒層における触媒粒子の担持量は、0.001〜10mg/cm2、好ましくは0.005〜1mg/cm2程度とするのがよい。担持量が少なすぎるとガス拡散電極の所望する発電量が得られない恐れがあり、担持量が多すぎても製造コストを増加させる恐れがある。
かような方法により作製されたガス拡散電極は、供給されたガスを均一に分散し、生成水を速やかに排出することが可能な、多孔質シート状とすることができる。
上述した方法では、まず触媒粒子を導電性繊維の所望する部位に担持させた後、シート状に成形する方法であったが、かような方法に限定されない。先に所定数の導電性繊維を束ねてシート状に成形してガス拡散電極前駆体を得た後に、例えば、前記ガス拡散電極前駆体の所望する部分のみを触媒粒子化合物溶液に浸漬させ、さらに、前記溶液に還元剤などを添加する方法などを用いて導電性繊維の所望する部位に触媒粒子を担持させてもよい。
また、導電性繊維の束をシート状に成形する際に、上述した方法では、平織りを用いて説明したが、所望するガス拡散電極前駆体が得られるのであれば特に限定されず、綾織り、繻子織りなど、公知の方法を用いてシート状に成形してもよい。得られたガス拡散電極前駆体は、ローラー、プレス装置などを用いて表面を平滑にしてもよい。
次に、本発明のガス拡散電極における電極触媒層は、プロトン導電性電解質を含む。前記プロトン導電性電解質としては、従来の電極触媒層において一般的に用いられているのであれば特に限定されない。具体的には、NAFION(デュポン社登録商標)溶液などのスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体、リン酸などの無機酸を炭化水素系高分子化合物にドープさせたもの、一部がプロトン伝導性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたプロトン伝導体などのプロトン導電性電解質が挙げられる。
本発明のガス拡散電極における電極触媒層では、プロトン導電性電解質は、導電性繊維および触媒粒子の表面を被覆しているのが好ましい。かような形態を有する電極触媒層とするには、プロトン導電性電解質を含むスラリーを、フローコーティング法、スプレー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法などを用いて、ガス拡散電極前駆体の導電性繊維に触媒粒子が直接担持されている面に塗布した後、所望する深さまで含浸させ乾燥させればよい。また、導電性繊維および触媒粒子の表面を被覆するプロトン導電性電解質が所望する厚さとなるようにするには、前記スラリーの濃度を調整したり、前記スラリーを塗布・乾燥させる作業を繰り返して行えばよい。
本発明のガス拡散電極において、プロトン導電性電解質が電極触媒層表面、すなわちガス拡散電極の電極触媒層側の表面を被覆しているのが好ましく、さらに好ましくは図2に示すようにプロトン導電性電解質が電極触媒層表面に厚さ0.1〜20μm、特に1〜10μmの層を形成している。かようなガス拡散電極を用いて燃料電池用MEAとした際に、電極触媒層と電解質膜との密着性を高めることによりプロトン伝導性が向上し、MEAの内部抵抗を低下させることができ、さらに、プロトン導電性電解質からなる層104が緩衝材の役割を果たすことによりガス拡散電極を構成する導電性繊維による電解質膜の破損を防止することもできる。
前記スラリーを塗布した後に、アスピレータ等を用いてガス拡散電極前駆体背面から前記スラリーを吸引してもよい。これにより、プロトン導電性電解質を導電性繊維および触媒粒子の表面により均一に被覆させることができる。
塗布した前記スラリーを乾燥させるには、特に限定されないが、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性雰囲気下で、20〜120℃、好ましくは60〜100℃程度で行えばよい。
また、上述した方法の他、プロトン導電性電解質を含む前記スラリーに、ガス拡散電極前駆体を触媒粒子が担持された部分のみを浸漬させた後に引き上げ、これを乾燥させる方法、前記スラリーをガス拡散電極前駆体の導電性繊維に触媒粒子が直接担持されている面に塗布した後、ローラーなどにより電極触媒層内に含浸させる方法、などを用いることもできる。
このように、触媒粒子を所望する部位のみに担持させた導電性繊維をシート状に成形した後、プロトン導電性電解質を塗布することにより、導電性繊維と触媒粒子との間にプロトン導電性電解質が介在しない好適な接触状態を維持することができ、導電性繊維および触媒粒子の表面をプロトン導電性電解質が被覆することにより、高密度の三相界面を形成することが可能となる。
本発明のガス拡散電極は、上述した通り、触媒粒子が所定の間隔で担持された複数の導電性繊維を束とし、これをシート状に成形してガス拡散電極前駆体を得た後、さらにプロトン導電性電解質を含浸させることにより、電極触媒層およびガス拡散層を有するガス拡散電極とすることができる。
電極触媒層の厚さは、0.1〜20μm、好ましくは1〜10μmとするのがよい。電極触媒層の厚さが0.1μm未満であると所望する発電量が得られない恐れがあり、20μmを超えると高出力とすることができない恐れがある。
さらに、ガス拡散電極において電気化学的反応が高電流などで進行した場合、多量の水がガス拡散電極内に生成し、ガス拡散電極の空孔を閉塞してガス透過性を低下させるフラッディング現象が生じる恐れがある。従って、電極触媒層および/またはガス拡散層には、撥水材が含まれているのが好ましい。これにより、ガス拡散電極内の生成水を速やかに外部へ排出することができ、高電流条件などにおいても優れた発電特性を示すことが可能となる。
前記撥水材としては、ガス拡散電極に従来から一般的に用いられているものであれば特に限定されず、フッ素を含有するものが好ましく用いられる。より具体的には、PTFE、PFA、FEP、PVDFなどからなる撥水性繊維、撥水性粒子等が挙げられる。前記撥水材としては、ガス拡散電極に任意の割合で混合・編み込みが可能という理由から、撥水性繊維を用いるのが好ましい。
撥水性繊維をガス拡散電極に含ませるには、所定数の導電性繊維の束と所定数の撥水性繊維の束を用意し、これらを平織りなどにより、図1に示すようなシート状に成形すればよい。
また、かような方法に限定されず、所定数の導電性繊維を束にする際に、これに前記撥水性繊維を含める方法の他、撥水性繊維を含む導電性繊維の束と、撥水性繊維を含まない導電性繊維の束とを用いた方法、などによりシート状に成形すればよい。
撥水性粒子をガス拡散電極に含めるには、ガス拡散電極の所望する部位を撥水性粒子の分散液に浸漬した後、オーブン等で加熱乾燥させる公知の撥水処理法を用いて行えばよい。また、前記撥水処理法は、ガス拡散電極にプロトン導電性電解質を含浸させる工程の前に行っても、後に行ってもよい。しかしながら、ガス拡散電極に適度な撥水性を付与することにより、プロトン伝導性電解質を均一に被覆させることができる観点から、プロトン導電性電解質を含浸させる工程の前に撥水処理を行うのが好ましい。
さらに、撥水性粒子をガス拡散電極に含めるための他の方法としては、プロトン導電性電解質でガス拡散電極を被覆する際に用いるプロトン導電性電解質を含むスラリーに、撥水性粒子を分散混合させる方法を用いれば、ガス拡散電極を、プロトン導電性電解質で被覆するのと同時に撥水性粒子を含浸させることができ、製造工程を簡易にすることができる。
ガス拡散電極では、外部から供給されたガスを均一に拡散させて電極触媒層へ供給することが必要とされる。従って、ガス拡散層内では生成水が局在化せずに、かつ、速やかに排出させる機能を備えているのが好ましい。
そのため、ガス拡散層内に含まれる撥水材は、電極触媒層側から厚さ方向に向かって含有量を低下させるのがよい。これにより、ガス拡散層内の生成水を速やかに排出させることができるだけでなく、ガス拡散層のセパレータなどの外部回路と接触する面では導電性繊維の密度が高くなることで電子伝導性を向上させることができ、特に高電流条件下などにおいても発電性能に優れるガス拡散電極が得られる。
ガス拡散層において、電極触媒層側から厚さ方向に向かって撥水材の含有量を低下させるには、撥水材として撥水性繊維を用いた場合には、撥水性繊維を含む導電性繊維の束と、撥水性繊維を含まない導電性繊維の束とを用い、編み込む密度などを適宜変化させ、これをシート状に成形した際に、撥水材の含有量が電極触媒層側から厚さ方向に向かって低下するようにすればよい。かような態様を有するガス拡散電極100の模式図を図3に示す。また、触媒粒子を所定の部位に担持させるのと同様にして、導電性繊維を束にする際に撥水性繊維を含める量を所定の間隔で適宜変化させ、これをシート状に成形してもよい。
撥水材として撥水性繊維の他に撥水性粒子を用いて、電極触媒層側から厚さ方向に向かってガス拡散層における撥水性粒子の含有量を低下させるには、撥水性粒子の濃度が異なる分散液を複数用いて行えばよい。例えば、薄い濃度の前記分散液1にガス拡散電極の所望する部位を浸漬させ乾燥させた後、前記ガス拡散電極をより濃度が高い分散液2に、分散液1に浸漬させた部位よりも浅く浸漬させ、かような工程を繰り返すことにより、ガス拡散層内の撥水材の含有量を変化させることができる。
さらに、ガス拡散層には、電極触媒層と接する面とは反対の面に配置される、ガス流路溝を有するセパレータなどにより燃料ガス、酸化剤ガスなどが供給される。そのため、ガスの流れに沿ってガス拡散層内で生成水が局在化し易い。すなわち、電極内の電気化学的反応が進行すると、ガス拡散層内のガス上流方向では生成水は速やかに排出され易く、ガス下流方向では生成水が停留し易くなり、ガス拡散層内で生成水が局在化し易くなるのである。これにより、ガス拡散性能が低下し、電極触媒層に酸化剤ガスなどを均一に供給することが困難となり、発電性能の低下を招く恐れがある。
従って、本発明のガス拡散層は、ガス上流方向からからガス下流方向に向かって撥水材の含有量を増加させるのが好ましい。これにより、長期に亘って、所望する発電性能を発揮することができるガス拡散電極が得られる。
撥水性繊維を用いて、ガス上流方向からからガス下流方向に向かって撥水材の含有量を増加させるには、電極触媒層側から厚さ方向にむかって撥水性繊維の含有量を低下させる上述した方法と同様にして行えばよい。
撥水性粒子を用いて、図4に示す形態で、ガス上流方向からからガス下流方向に向かって撥水性粒子5の含有量を増加させるには、例えば、撥水処理を行う時にスプレー法等を用いて、ガス流上流から下流に該当する部位の撥水性粒子の塗布濃度を変える事により行う方法などがある。
本発明のガス拡散層は、電極触媒層側から厚さ方向に向かって撥水材の含有量を低下させる構成、または、ガス上流方向からからガス下流方向に向かって撥水材の含有量を増加させる構成の、いずれか構成を有していればよいが、双方の構成を有していてもよく、得られるガス拡散電極の特性を考慮して適宜決定すればよい。
また、本発明のガス拡散電極における電極触媒層および/またはガス拡散電極には、親水材などがさらに含まれていてもよい。前記親水材は水分を保持することができるため、低加湿のガスが供給された場合などにおいても電極性能を維持することができる。前記親水材としては、ガス拡散電極において従来から用いられているものであれば特に限定されず、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化銅、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化亜鉛などの酸化物の他、表面を親水処理した無機粉末、表面を親水処理した金属粉末のうち、少なくとも1種類以上が挙げられる。
上述した本発明のガス拡散電極は、導電性繊維の束をシート状に成形したものであるが、特にこれに限定されない。すなわち、本発明のガス拡散電極は、ガス拡散層と電極触媒層とが同一の連続した導電性繊維によって構成されていればよく、例えば、所定の長さを有する上述した導電性繊維を用いて、これを所望の型にいれた後、静電気などによって、導電性繊維を起毛させる方法などを用いてシート状に成形されたものを用いることもできる。この場合、触媒粒子の担持方法、プロトン伝導性電解質の含浸方法などは、上述した方法と同様にして行えばよい。
本発明の第一のガス拡散電極は、上述した各種特性を有することから、燃料電池用MEAとして好適に用いることができる。すなわち、本発明の第二は、電解質膜と、前記電解質膜を挟持する一対のガス拡散電極とを有する燃料電池用MEAにおいて、一対の前記ガス拡散電極のうち少なくとも一方が上述したガス拡散電極である燃料電池用MEAである。
本発明のMEAにおいて、上述したガス拡散電極は、アノードおよびカソードのどちらか一方に用いられればよい。例えば、カソードに上述したガス拡散電極を用いた場合、アノードには上述した電極の他、MEAに用いられる従来公知のアノード用電極を適用すればよい。しかし、電気伝導性およびガス透過性などに優れることからアノードおよびカソードの双方に、上述した本発明のガス拡散電極が用いられるのが好ましい。
MEAに用いる電解質膜としては、特に限定されず、電極触媒層に用いたものと同様のプロトン伝導性電解質からなる膜が挙げられる。また、デュポン社製の各種のNafion(デュポン社登録商標)やフレミオンに代表されるパーフルオロスルホン酸膜、ダウケミカル社製のイオン交換樹脂、エチレン-四フッ化エチレン共重合体樹脂膜、トリフルオロスチレンをベースポリマーとする樹脂膜などのフッ素系高分子電解質や、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂系膜など、一般的に市販されている固体高分子型電解質膜、高分子微多孔膜に液体電解質を含浸させた膜、多孔質体に高分子電解質を充填させた膜などを用いてもよい。前記電解質膜に用いられるプロトン導電性電解質と、電極触媒層に用いられるプロトン導電性電解質とは、同じであっても異なっていてもよいが、電極触媒層と電解質膜との密着性を向上させる観点から、同じものを用いるのが好ましい。
電解質膜の厚さや大きさなどについては、特に限定されず、得られる燃料電池の出力特性などを考慮して適宜決定すればよい。
MEAの製造方法としては、特に限定されず、例えば、上述の通りに作製したガス拡散電極を用いて電解質膜を挟持した後、これをホットプレス法など公知の接合方法を用いて接合する方法などを用いればよい。
本発明の第三は、上記記載のガス拡散電極、または上記記載の燃料電池用MEAを用いた燃料電池である。本発明の燃料電池は、上述したガス拡散電極を用いたことを特徴とする。従って、その他の構成として、以下に記載するものはその一例を示したに過ぎず、従来公知の燃料電池用MEAに利用しうる他の構成を本発明の燃料電池用MEAにおいても同様に利用してよい。
燃料電池の種類としては、所望する電池特性が得られるのであれば特に限定されないが、実用性・安全性などの観点から固体高分子型燃料電池(単に「PEFC」とも記載する。)として用いるのが好ましい。PEFCは、MEAをセパレータで挟持した構造を有する。
MEAを挟持するセパレータとしては、カーボンペーパー、カーボンクロスなど公知のものを用いればよい。セパレータは、空気と燃料ガスとを分離する機能を有するものであり、それらの流路を確保するために流通溝が形成されてもよく、従来公知の技術を適宜利用することができる。セパレータなどの厚さや大きさについては、特に限定されず、得られる燃料電池の出力特性などを考慮して適宜決定すればよい。
さらに、PEFCが所望する電圧等を得られるように、セパレータを介してMEAを複数積層して直列に繋いだスタックを形成してもよい。PEFCの形状などは、特に限定されず、所望する電圧などの電池特性が得られるように適宜決定すればよい。
本発明の電極は、高い発電性能を有するだけでなく、ガス透過性などにも優れるため、高い電流密度の運転においても優れた特性を示すことが可能となる。従って、かような電極を用いたMEAおよび燃料電池は、従来のものと比較して、より優れた発電性能を発揮することができる。よって、燃料電池システムの高効率化、小型化、軽量化を図ることができ、車両などの移動体用電源、定置用電源などとして有用である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されることはない。
<実施例1>
1.ガス拡散電極の作製
まず、前記カーボン繊維(直径7〜8μm)を約0.8mmの間隔で、ジニトロジアンミン白金水溶液(Pt濃度1.0質量%)に浸漬させ、前記溶液に還元剤としてエタノール50mlを混合して1時間攪拌した。その後、30分で85℃まで加温し、さらに、85℃で6時間撹拌・混合した後、1時間で室温まで降温した。次いで、前記カーボン繊維を引き上げた後、減圧下85℃において12時間乾燥することにより、白金粒子(Pt粒子の平均粒径2.5nm)が直接担持された前記カーボン繊維を得た。
1.ガス拡散電極の作製
まず、前記カーボン繊維(直径7〜8μm)を約0.8mmの間隔で、ジニトロジアンミン白金水溶液(Pt濃度1.0質量%)に浸漬させ、前記溶液に還元剤としてエタノール50mlを混合して1時間攪拌した。その後、30分で85℃まで加温し、さらに、85℃で6時間撹拌・混合した後、1時間で室温まで降温した。次いで、前記カーボン繊維を引き上げた後、減圧下85℃において12時間乾燥することにより、白金粒子(Pt粒子の平均粒径2.5nm)が直接担持された前記カーボン繊維を得た。
次に、このカーボン繊維50本を一まとめに撚り更に、この撚り糸2本をひとまとめに撚り込んだ繊維を用いて平織りする事により、片側側面に偏って触媒粒子が直接担持された部位を有するカーボンクロスを作製した。このカーボンクロスを50×50mmに打ち抜いた。
前記カーボンクロスに撥水性を付与する為に、撥水性繊維としてポリテトラフルオロエチレン繊維(直径7〜8μm)を準備し、カーボンクロスに編みこむことにより撥水性繊維を配置した。
さらに、前記カーボンクロスを構成している導電性繊維に直接接触した白金粒子にプロトン導電性電解質を接触させる為に、電解質のアルコール溶液(DuPont社製5wt%ナフィオン溶液)をイソプロピルアルコールにより濃度3wt%に調整した電解質溶液を、カーボンクロスの触媒粒子が担持された側より窒素雰囲気下でフローコーティング法により含浸させ、さらに、窒素雰囲気中で60℃、60分間乾燥させることにより、カーボンクロスに電極触媒層を作製した。作製したガス拡散電極を図1に示す。
2.MEA(単セル)の作製
電解質膜としてNafion112(100×100mm、厚さ約50μm)を用い、これを先に作製したガス拡散電極2枚を用いて、電極触媒層が内側となるようにして挟持した後、ホットプレス法により150℃、圧力20kgf/cm2で300秒間プレスして、固体高分子電解質膜の両面に電極触媒層、ガス拡散層を接合一体化し、膜電極接合体(MEA)を形成した。
電解質膜としてNafion112(100×100mm、厚さ約50μm)を用い、これを先に作製したガス拡散電極2枚を用いて、電極触媒層が内側となるようにして挟持した後、ホットプレス法により150℃、圧力20kgf/cm2で300秒間プレスして、固体高分子電解質膜の両面に電極触媒層、ガス拡散層を接合一体化し、膜電極接合体(MEA)を形成した。
その後、作製したMEAの両面にガス流路付きガスセパレータ、シール材を配置し所定の面圧になるように締め付け、固体高分子型燃料電池とした。
<実施例2>
カーボンクロスにプロトン導電性電解質を含浸させた後に、再度プロトン導電性電解質を塗布・乾燥させる工程を3回繰り返すことにより、カーボンクロスの電極触媒層表面にもプロトン導電性電解質からなる層を形成させた以外は、実施例1と同様にして、図2に示すガス拡散電極、MEAおよび固体高分子型燃料電池を作製した。
カーボンクロスにプロトン導電性電解質を含浸させた後に、再度プロトン導電性電解質を塗布・乾燥させる工程を3回繰り返すことにより、カーボンクロスの電極触媒層表面にもプロトン導電性電解質からなる層を形成させた以外は、実施例1と同様にして、図2に示すガス拡散電極、MEAおよび固体高分子型燃料電池を作製した。
<実施例3>
PTFE繊維をガス拡散電極へ編み込む際に、電極触媒層側からガス拡散層側(ガスセパレータ側)に行くに従い編み込み密度を次第に減少させるため、PTFE繊維の編み込む密度を、電極触媒層とガス拡散層のガス流路側2/3とは実施例1と同様にし、ガス拡散層の電極触媒層より1/3は、2倍の密度とし、図3に示すように、ガス拡散電極の厚さ方向に撥水率の異なるガス拡散電極を作製した以外は実施例2と同様の方法でMEAおよび固体高分子型燃料電池を作製した。
PTFE繊維をガス拡散電極へ編み込む際に、電極触媒層側からガス拡散層側(ガスセパレータ側)に行くに従い編み込み密度を次第に減少させるため、PTFE繊維の編み込む密度を、電極触媒層とガス拡散層のガス流路側2/3とは実施例1と同様にし、ガス拡散層の電極触媒層より1/3は、2倍の密度とし、図3に示すように、ガス拡散電極の厚さ方向に撥水率の異なるガス拡散電極を作製した以外は実施例2と同様の方法でMEAおよび固体高分子型燃料電池を作製した。
<実施例4>
PTFE繊維をガス拡散電極へ編み込む際に電極触媒層のみに編み込むと共に、ガス拡散層側より撥水材としてPTFEのディスパージョン溶液をスプレー法により塗布し、その後にガス拡散電極のガス下流に配置する部分に再度PTFEディスパージョンを塗布することにより、図4に示すように、ガス上流から下流に向かうに従い撥水性材の含有量が増加するガス拡散層を作製した以外は実施例2と同様の方法でMEAおよび固体高分子型燃料電池を作製した。
PTFE繊維をガス拡散電極へ編み込む際に電極触媒層のみに編み込むと共に、ガス拡散層側より撥水材としてPTFEのディスパージョン溶液をスプレー法により塗布し、その後にガス拡散電極のガス下流に配置する部分に再度PTFEディスパージョンを塗布することにより、図4に示すように、ガス上流から下流に向かうに従い撥水性材の含有量が増加するガス拡散層を作製した以外は実施例2と同様の方法でMEAおよび固体高分子型燃料電池を作製した。
1…導電性繊維、2…触媒粒子、3…プロトン導電性電解質、4…撥水性繊維、5…撥水性粒子、100…ガス拡散電極、101…電極触媒層、102…ガス拡散層、103…電解質膜、104…プロトン導電性電解質からなる層、105…セパレータ、106…シール材、107…ガス流路。
Claims (7)
- 電極触媒層とガス拡散層とを含むガス拡散電極において、
前記電極触媒層および前記ガス拡散層は、前記電極触媒層と前記ガス拡散層とを連通する導電性繊維により構成され、
さらに、前記電極触媒層は、前記導電性繊維に担持された触媒粒子と、プロトン導電性電解質とを含むことを特徴とするガス拡散電極。 - 前記ガス拡散電極の電極触媒層側表面に、前記プロトン導電性電解質からなる層を有する請求項1記載のガス拡散電極。
- 前記電極触媒層および/または前記ガス拡散層が、撥水材を含む請求項1または2記載のガス拡散電極。
- 前記ガス拡散層において、前記撥水材の含有量は電極触媒層側から厚さ方向に向かって低下する請求項1〜3のいずれかに記載のガス拡散電極。
- 前記ガス拡散層において、前記撥水材の含有量はガス上流方向からからガス下流方向に向かって増加する請求項1〜4のいずれかに記載のガス拡散電極。
- 電解質膜と、前記電解質膜を挟持する一対のガス拡散電極とを有する燃料電池用MEAにおいて、一対の前記ガス拡散電極のうち少なくとも一方が請求項1〜5のいずれかに記載のガス拡散電極である燃料電池用MEA。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のガス拡散電極、または、請求項6に記載の燃料電池用MEAを用いた燃料電池。
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JP2010536151A (ja) * | 2007-08-09 | 2010-11-25 | パナソニック株式会社 | 直接酸化型燃料電池の炭化水素系膜電極接合体用電極 |
CN113270593A (zh) * | 2021-04-22 | 2021-08-17 | 上海唐锋能源科技有限公司 | 一种质子交换膜燃料电池用膜电极及其制备方法 |
-
2004
- 2004-03-22 JP JP2004083670A patent/JP2005276449A/ja active Pending
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