JP2005274400A - 超純水評価装置及び超純水製造システム - Google Patents

超純水評価装置及び超純水製造システム Download PDF

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Abstract


【課題】 超純水の不純物分析と、同じ水による基板への影響度(不純物付着、表面変質等)を同時に実施することにより、ウエハ上に通常と異なる何らかの変化が見られた際に、半導体製造上の不具合の原因及びその発生源の解明を容易にする。
【解決手段】 超純水製造装置からユースポイントへの超純水送り配管及びユースポイントからの超純水戻り配管の任意の位置の水経路において、水質評価用の基板接触器具と、水質測定用の水採取器具とを接続し、同一の超純水について不純物分析を行うとともに、同一の超純水をウエハに接触させて表面分析を同時に行うことによって歩留まり変化が起きたときにその原因が水にあるのかどうかを診断する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、超純水水質がウエハに対して悪影響を及ぼさないことを容易に確認できる超純水評価装置と、半導体や液晶製造用に使用される超純水を供給する超純水製造システムに関する。
半導体や液晶製造用に使用される超純水は、不純物濃度が極めて低い水を安定に供給する必要がある。このために試料水を採取し、高感度の分析装置を使用して不純物濃度を測定し、水質を確認している。
従来は超純水中の不純物が、電気的な方法で測定・指標化できる項目や、不純物が直接分析できる水質モニターが超純水製造装置の出口等に設置されて、水質が監視されていた。その項目としては、抵抗率(比抵抗)、TOC計、シリカ計等であった。最近の超純水のように不純物濃度が極めて低い水に含まれる不純物濃度を正確に測定するためには、従来の水質モニターでは不十分であり、試料採取による高感度分析が不可欠である。例えば、NaやFe等の金属元素の濃度は1pptという極低濃度を測定する必要があり、これに対応できる水質モニターは存在しないため、サンプリングして高感度分析をしなければならない。
半導体製造工程において、超純水の水質が原因で製造上の不具合が発生したときには、超純水をサンプリングして水質分析し、水中不純物の濃度の定常時との差異を見出して不具合原因の解明を行うことがある。しかし、その分析結果を得るまでには時間がかかり、定常時との差異が見出されたときには不具合も消滅して因果関係が明確にならない場合が多い。また、超純水中の不純物濃度を測定して定常時との差が明らかになっても、水中不純物濃度の変化とウエハ表面への影響度の関連は不明であり、不具合の解明に直結するとは限らない。
最近の超純水のように、水質分析で下限値以下となるような低い不純物濃度でも、半導体製造に使用されると製品に不良が発生して歩留まりが低下することがある。その原因の解明のために、超純水中の不純物分析を行っても必ずしも解明に結びつかない場合が多い。また、不良発生時に、製造工程側ではウエハの表面分析を行って異常が見られても、その原因が、製造工程で使用する水にあるのか、ガスにあるのか、工程自体に問題があるのかわからないために原因解明に結びつく例は多くない。これは、水分析とウエハ分析を別々に行っていることに原因の一つがある。
超純水の不純物分析と、同じ水による基板への影響度(不純物付着、表面変質等)を同時に実施することで、ウエハ上に通常と異なる何らかの変化が見られた際に、水中の不純物分析が行われていれば、原因の解明に結びつきやすい。本願発明は、これを実現可能にするものである。
水中の不純物を原因としたウエハ製造上の不具合は、次のようなプロセスにより発生する。すなわち、まず、不純物がウエハ表面に吸着・残留する。次いで、残留した不純物が該ウエハ表面と反応して該ウエハ表面を変質させ、若しくは該不純物自体が変質する。その結果として、基板及び素子の電気的な特性が劣化するのである。
したがって、上記の課題を解決するためには、水中不純物濃度を知るとともに、同時にその水を製造工程と同じ基板に接触させて基板表面にどれだけの不純物が付着するか、どれだけ基板表面を変質させるかを調べることが重要であり、それを実現するための器具を備えている必要がある。そのため、例えば超純水製造装置出口に、基板接触用器具と、水質測定用の水採取用器具を同時に取り付け、同じ水を基板に接触させると同時に微量分析用の採取ができるようにすることは、上記の課題を解決する目的上、極めて効果的である。
本願発明は、超純水製造装置からユースポイントへの超純水送り配管及びユースポイントからの超純水戻り配管の任意の位置の水経路において、水質評価用の基板接触器具と、水質測定用の水採取器具とを接続したことを特徴とする。
本願発明の超純水評価装置によれば、超純水を採取し、同一の超純水について不純物分析を行い、同一の超純水をウエハに接触させて表面分析を同時に行うことによって歩留まり変化が起きたときにその原因が水にあるのかどうかを速やかに診断することができる。また、製造工程で不良ウエハが確認される前の段階でウエハに悪影響を与える不純物が水に含まれるかどうかが判断できる。
たとえば、歩留まりに変化が起きたときに、不良ウエハから有機物が検出されたとする。このときに水中の有機物(TOC)が増加していて、そのときの水に接触させたウエハをフーリエ変換赤外吸収分光法(FTIR)や熱脱離ガスクロマトグラフ法(TDGCMS)等で分析して表面から有機物が検出されれば原因は超純水にあることが推定できる。しかしこのときに、水中のTOCは増加していても、同時に接触させたウエハ表面からはTOCが検出されなければ、水中のTOCはウエハに対しては付着残留しない有機物であって、水以外の原因がある可能性が高くなり、原因解明に無駄な労力を省略することができる。
また、例えば、ウエハ製品において金属元素が原因となる不良が発生し、このときに超純水に金属濃度増加が検出されず、超純水と接触させたウエハ表面にも金属が検出されなければ、汚染源は水以外のたとえば薬液等の汚染を疑う必要があることが容易にわかる。さらに、ウエハの工程で歩留まり低下が判明するのは、例えばウエハを洗浄した後、早くても数日後のことであるが、水質分析や、超純水に接触させたウエハの表面分析による結果は当日或いは1日後には測定結果が得られるため、水質に異常が起きたときに実際の工程で結果が出る以前に検知することができ、損害が大きくなる前に対策を打つことができる。
このように、本願発明の超純水評価装置は、超純水製造装置直近、製造装置内、工場への供給配管途上等、任意の位置にサンプリングのための器具を常備して、水質分析とウエハを用いた水質評価が迅速に実行できることによって、半導体製造上の不具合の原因及びその発生源の解明に役立ち、解決に大きく寄与する。
また、本願発明の超純水製造システムは、超純水製造装置、超純水のユースポイント、並びに該超純水製造装置からユースポイントへの超純水送り配管及びユースポイントからの超純水戻り配管から構成され、前記超純水製造装置の最終出口と、前記超純水送り配管の任意の位置、前記超純水戻り配管の任意の位置に、本願発明の超純水評価装置をそれぞれ設けたことを特徴とする。このような構成を有することで、本願発明の超純水製造システムでは、水質に異常が起きたときに実際の工程で結果が出る以前に検知することができ、損害が大きくなる前に対策を打つことができる。
上述したように、本願発明の超純水評価装置は、超純水製造装置からユースポイントへの超純水送り配管及びユースポイントからの超純水戻り配管の任意の位置の水経路において、水質評価用の基板接触器具と、水質測定用の水採取器具とを接続したことを特徴とする。基板接触用器具は、半導体基板に試料水を接触させた後、該基板の表面の分析によって試料水中の不純物を検出又は測定する水質の評価方法で使用する半導体基板の保持容器であって、内部に半導体基板を着脱可能に収容、保持する保持手段と、試料水の給水口と、試料水を排出する排水口と、半導体基板の表面を清浄化するための洗浄液の供給手段を備えたものを使用する。
また、上記の基板接触用器具として、その容器の外壁に超音波振動子及び超音波発信器等からなる超音波発信手段を設け、洗浄液の供給中に該超音波発信手段を作動することにより、洗浄効果を高めるとともに、洗浄時間を短縮することができる。更に、上記の基板接触用器具の内部にターンテーブル等の回転駆動手段を設け、該基板接触用器具の外部からモーターで半導体基板を高速回転させることにより、該半導体基板を試料水や洗浄液と均一に接触させることができる。
また、上記の基板接触用器具は、その全部又は一部の構成部分をアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、4弗化エチレン、パーフロロアルコキシ樹脂、ポリ2弗化ビニリデン樹脂、ポリエーテル、エーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂、或いはステンレス、アルミニウム、石英で構成することが好ましい。
水質測定用の水採取用器具は、試料水に対して空気からの微粒子性不純物の混入及び化学的不純物汚染の混入を防止する機能を備えたものであり、試料水を容器に採取する空間を清浄化して、試料に混入する汚染物を取り除いた清浄な空間とする機能を有する。該水採取用器具として、空気中の不純物を混入させることなく試料水を採取容器及び採水容器に採水できるようにしたのであって、該採取容器が室内に出入可能であると共に、外部から室内の採取容器に試料水を供給でき、且つ採取容器から溢れる試料水を貯える貯水部を備えた採水室と、採水室へ送気する送気装置と、採水室への送気路中に設けられ、下面が前記採水室の貯水部に連通した気液接触装置と、採水室の貯水部にある水を上記気液供給装置に供給して循環させるポンプを含む循環装置と、採水室に送気された空気を送気装置に循環させる空気循環路とを備えていることを特徴とする。尚、採水室への送気路中には気液接触装置の他にエアフィルタ及び/又はケミカルフィルタを設けることが好ましい。ケミカルフィルタとしては、吸収剤を担持した活性炭やイオン交換繊維を用いたフィルター等の市販品が用いられ、NOxやSOx等の空気中の化学的不純物を除去することができる。
本願発明の超純水評価装置は、一次純水製造装置から供給される純水を更に精製処理してユースポイントへ供給するサブシステムを備えた超純水製造処理装置において好適に使用される。該超純水製造処理装置を構成する一次純水製造装置は、凝縮沈殿装置、砂ろ過器、活性炭ろ過器、逆浸透膜装置、紫外線照射装置、真空脱気又は窒素ガス脱気を行う脱ガス装置、触媒脱気装置、非再生型イオン交換装置等を原水水質に応じて適宜選択し、任意の順に並べて形成する。サブシステムは、紫外線殺菌装置、混床式脱塩装置、限外ろ過膜(UF)装置等を適宜組み合わせて形成する。
超純水の循環配管には分岐管を予め必要箇所に設け、例えば、超純水製造装置の出口直後、ユースポイント近傍、ユースポイントから超純水製造装置へ戻る位置等の任意の位置に分岐管を1箇所以上設置する。本願発明の効果を十分に発揮するため、分岐管は、3箇所に設けることが好ましい。また、本願発明の超純水評価装置は、水質評価を行う都度に、分岐管に取り付けることができるが、緊急時に直ちに水質評価することを可能にするため、常設しておくのが好ましい。
尚、本願発明の超純水評価装置を用いた超純水の水質評価は、例えば1回/月程度の頻度で定期的に行うだけでなく、トラブル発生時等、随時行うこともできる。
以下に実施例を挙げて本願発明を更に詳細に説明するが、本願発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に、本願発明の超純水評価装置を用いた超純水製造システムの一実施例の態様を示す。該超純水製造システムは、一次純水製造装置及びサブシステムからなる超純水製造装置、超純水のユースポイント、並びに前記超純水製造装置からユースポイントへの超純水送り配管及びユースポイントからの超純水戻り配管から構成されている。そして、上記の超純水製造システムにおいて、サブシステムの最終出口及びユースポイント前後の3箇所に試料水取り出し口を取り付け、それぞれの試料水取り出し口につき清浄な配管で本願発明の超純水評価装置を接続し、各超純水評価装置に対して常時試料水を供給可能とした。尚、図1において、超純水製造システムを構成する一次純水製造装置には、公知の純水製造装置が使用されており、図1におけるサブシステムは、紫外線酸化装置、限外ろ過膜装置、イオン交換樹脂塔を順次組み合わせて構成されている。
図1の超純水製造システムにおいて使用される、本願発明の超純水評価装置を構成する基板接触器具及び水採取器具をそれぞれ図2及び図3に示す。図2の基板接触器具は、上蓋10と、上面に有する円形の窪み21を上記上蓋によって塞がれる底盤20とからなる。上蓋10と底盤20の外形は例えば円形で、上蓋の中心には給水口11、底盤20の中心は排水口22が開設されている。底盤20の上面の周縁部には円周方向に等間隔に位置決め突起23が設けてあり、これに対応して上蓋の下面の周縁部には上記位置決め突起を受入れる凹部が設けてある。従って、底盤の上面上に上蓋を載せ、上蓋の凹部を前記位置決め突起23に嵌めると、上蓋は正しく底盤の上に重なり、底盤の円形の窪み21の上面を塞ぐ。
底盤の円形の窪み21の内径は保持すべきウエハWの直径よりも充分に大であり、その窪みの底の中心に前記排水口22の上端が開口している。窪み21の底面上には円周方向に等間隔に複数の、図では3つの放射状畝24が隆設してある。この放射状畝24の内端は排水口22の回りに位置し、外端は窪み21の内周面から内側に間隔を保って離れている。そして、ウエハWは上記複数の放射状畝24の上に水平に保持する。そのため、各畝の外端部上にはウエハの周縁部を載せる段26を有する階段形の支持台25が設けてある。段26の段差はウエハの厚さ(約0.6mm)に対応している。又、必要に応じ、各畝24の中間部上にウエハの半径方向の途中の下面を支持する支持部27を突設する。
上蓋10の下面には、給水口11の下端に連なった富士山形の通水用凹部12が設けてある。この通水用凹部12の内径は、底盤の円形の窪み21の内径に等しい。通水用凹部12を富士山形と称したのは、断面形状において、凹部12の下面が半径方向外向きに、前記階段形の支持台25に水平に支持されたウエハWの上面に次第に近付くようにしてある。上記窪みの底の周縁部21′に達した水は窪み21の底と放射状の畝によって持ち上げられたウエハの下面との間の隙間を通って中心の排水口22に向かって流れ、排出口から外に流出する。
上蓋の給水口11と、底盤の排水口22には外気と容器の内部を遮断するために弁をねじ込んで設け、クリーンルーム以外への容器持ち運び時は、前記弁を閉とし、水との接触を実施する際にのみ開にする。給水口11に設ける弁は3方弁(原水→容器内、原水→排出を切り換える)13を用いることが好ましい。本容器を水に接触させる前に、該弁13を「原水→排出」を切り換えておいて容器内に水を入れないで水を流すことができるようにしておけば、サンプリング用の流路の洗浄ができるという効果がある。又、排水口22に設ける弁28は開閉用の2方弁でよい。
上蓋10、底盤20の材質としては、供試水中の金属成分やイオンを評価しようとする場合には、金属やイオンなどの不純物含有量が少なく、加工が比較的容易で耐久性のある合成樹脂又は石英を使用する。又、容器の表面に付着している不純物を除去するために、容器使用前に加温超純水による洗浄や、超音波を使った洗浄を行う。一方、供試水中の有機性不純物を評価しようとするときには、有機物の溶出がないステンレスやアルミニウムなどの金属又は石英を、上蓋や底盤の接液部に使用する。
図3の水採取器具において、30は採水室、40は送気装置、50は気液接触装置、60は水の循環装置、70は空気の循環路を示す。
採水室30は前面に両開きの観音扉31,31を有し、この扉を開けて室内に採取容器Aを出入することができる。採水室はパンチングプレートによる多孔の床板32を有し、底板の上に採取容器を載置し、床板32の下は貯水部33になっている。採水室の上壁は、超純水の流路に設けた蛇口に一端を接続したチューブBを挿入する開口34を有し、この開口34に挿通したチューブの他端を底板32上に載置した採取容器Aの底の近傍まで挿入することができる。開口34の内径はチューブBの外径とほゞ等しく、その間から採水室内に外気は殆ど進入しない。
また、図3の水採取器具では、採水室30の開放した背面にはデミスター35の収容室、その背後に気液接触装置50の収容室、エアフィルタ80の収容室、送気装置40としての送風ファン41を内蔵した送風室42が連接してある。デミスター35は採水室30に送入する空気の水滴除去用であって周知のものである。気液接触装置50は、ラシヒリング、レッシングリング、ベルルサドルなどを充填した充填塔式でも、スプレー塔式、濡れ壁式等の公知の任意なものでよい。又、エアフィルタ80はガラス繊維、合成繊維などのマットを積層状、濾紙状、メンブレン状にしたものを室に充填してある。
送風ファン41を運転すると、送風室42の空気はエアフィルタ80、気液接触装置50、デミスター35を吹抜けて採水室30に入り、多孔の底板32から底板と貯水部33の水面との間の空間である空気の循環路70を経て送風室42に循環する。つまり貯水部33は採水室30の下から送風室42の背後にまで延在して水面上に空気の循環路70を形成し、この循環路70を通過した空気は送風室の背後と装置の後壁71との間の空間72を上昇し、送風室の後壁の吸込口43から送風室に流入する。そして、デミスターの収容室、及び気液接触装置の収容室の下面も多孔の底板を有し、室内の水を貯水部33に排水するようにしてある。
空気の循環路70を確保するため、貯水部33には溢水管36を設け、溢水管のレベル以上に水位が上昇しないようにしてある。貯水部の水は循環ポンプ61と、循環管62とからなる水の循環装置60により気液装置50の上部の散水管51に供給される。
試料水を採取するには、採水室30の扉31,31を開き、多孔の底板32上に採取容器Aを載せ、開口34を通じ採水室の内部に突入したチューブBを採取容器に挿入し、その先端を容器内底部に位置させたのち扉を閉じ、チューブBから採取容器内に試料水を供給する。試料水の供給は、試料水が採取容器の口部から溢れ出ても続け、これにより採取容器を試料水で洗浄する。容器から溢れ出た試料水は採水室の多孔の底板32から貯水部33に流れ落ちて貯まる。貯水部には予め試料水の一部を入れておいてもよい。
こうして採取容器への試料水の供給を続けて貯水部内に試料水が貯り、循環ポンプ61の運転が可能になったら循環ポンプ61、送風ファン41を運転する。この運転は貯水部に設けた水位計で自動的に開始することができる。循環ポンプの運転により貯水部の試料水は循環管62で気液接触装置50の上部の散水管51に供給され、気液接触装置の内部を下向流して貯水部に排水され、循環する。送風ファン41の運転により送風室42内の空気は前述したようにエアフィルタ80、気液接触装置50、デミスター35を吹抜けて採水室30に入り、循環路70、送風室の背後の空間72を経て送風室に循環する。採水室に入る空気は、エアフィルタ80を通過する際に含んでいる0.5μm以上の微細な粒子をエアフィルタに捕捉除去され、気液接触装置50を通過する際に装置を下向流する水と接触し、含んでいる不純物は水に溶解するか、水側に移行して除去されるため、清浄である。
清浄な空気が供給される採水室内で採取容器に試料水を供給し、20〜60分程度、容器から貯水部にオーバーフローさせた後、試料水の供給、及び循環ポンプ61、送風ファン41の運転を停止する。この停止はタイマーによって自動的に制御することができる。
次いで採水室の扉を開き、試料水が満水になった採取容器にキャップをして採水室から外に取出し、採取を終了する。そして、試料水が入った採取容器を分析装置がある場所に移動し、分析に供する。
採取容器内の試料水は、エアフィルタと気液接触装置とで清浄化された空気が採水室に吹込んでいる間に採取容器に採取されているため不純物の混入は少ない。従って、試料水が本来含んでいる極く低濃度の不純物濃度を正確に分析、測定することができる。
図3の実施例では送風室42、エアフィルタ80、気液接触装置50、デミスター35、採水室30の順に配置したが、その順序を変え、気液接触装置、送風室、エアフィルタ、デミスター、採水室の順に配置し、空気循環路70で空気を気液接触装置に循環させるようにしてもよい。更に、エアフィルタは省略することもできる。
図1の超純水製造システムにおいて、分析用の試料水は、各試料水取り出し口に取り付けられた超純水評価装置の水採取器具に採取される。該分析用の試料水を、分析室に移送し、所定の方法で濃縮した上でICPMSを使用して金属元素を分析した。その結果、測定した超純水中の金属元素濃度がいずれも10ppt未満であることが確認できた。
一方、図2の基板接触器具には、清浄な6インチ径のシリコンウエハを装着して、1L/minの流量で60分間通水した。通水後のシリコンウエハは容器から取り出した後、クリーンルームにて乾燥した。このウエハは全反射蛍光X線分析装置を使用して、表面の金属元素濃度を測定した結果を表1に示す。表1からわかるように、測定した表面の金属元素(Fe,Cr,Ni,Cu,Zn)の濃度はいずれも1×1010atom/cm2未満であることが確認でき、60分間接触してもウエハ表面を汚染させない清浄な水であることが確認できた。
Figure 2005274400
[実施例2]
実施例1とは別に、図1に示す構成を有する他の超純水製造システムにおいて、実施例1と同様の実験を行った。その結果を表1に示す。表1から明らかなように、測定した超純水中の金属元素濃度がいずれも10ppt以下であることが確認できた。
基板接触器具には、清浄な6インチ径のシリコンウエハを装着して、1L/minの流量で60分間通水した。通水後のシリコンウエハは容器から取り出した後、クリーンルームにて乾燥した。このウエハは全反射蛍光X線分析装置を使用して、表面の金属元素濃度を測定した。その結果を表1に示す。表1から明らかなように、測定した表面にはFe及びZnが検出され、水質分析では検知できないがウエハを汚染させる可能性がある程度には含まれていることが確認できた。この結果から、製造プロセスにおいて洗浄仕様を変更して製品への影響を回避する対策を打つことができた。
本願発明の超純水評価装置を用いた超純水製造システムの一実施例の態様である。 (A)図1に示す超純水製造システムにおいて使用される、本願発明の超純水評価装置を構成する基板接触器具の断面図である。(B)図2(A)の基板接触器具の底盤20の斜視図である。 (A)図1に示す超純水製造システムにおいて使用される、本願発明の超純水評価装置を構成する水採取器具の断面図である。(B)図3(A)の水採取器具の斜視図である。
符号の説明
10 保持容器の上蓋
11 上蓋の給水口
12 上蓋の通水用凹部
20 保持容器の底盤
21 底盤の円形の窪み
22 底盤の排水口
24 底盤の放射状畝
25 放射状畝の階段形支持台
W 半導体基板(ウエハ)
30 採水室
31 扉
32 多孔の床板
33 貯水部
34 チューブ用開口
35 デミスター
40 送気装置
41 送風ファン
42 送風室
43 吸込口
50 気液接触装置
51 散水管
60 水の循環装置
62 循環管
70 空気の循環路
71 装置の後壁
72 上下方向の空間
80 エアフィルタ
A 採取容器
B 採取用チューブ

Claims (5)

  1. 超純水製造装置からユースポイントへの超純水送り配管及びユースポイントからの超純水戻り配管の任意の位置の水経路において、
    水質評価用の基板接触器具と、
    水質測定用の水採取器具とを接続したことを特徴とする、
    超純水評価装置。
  2. 前記の基板接触用器具は、その内部に半導体基板を着脱可能に収容、保持する保持手段と、試料水の給水口と、試料水を排出する排水口を備え、該試料水を該半導体基板に接触させることを特徴とする、請求項1に記載の超純水評価装置。
  3. 前記の水採取器具は、試料水を採水可能且つ室内に出入可能な採取容器と、
    該採取容器周辺の空気から微粒子性不純物及び化学的不純物汚染を除去する不純物除去手段を備えてなることを特徴とする、請求項1に記載の超純水評価装置。
  4. 前記の不純物除去手段として、エアフィルタ及びケミカルフィルタを設けたことを特徴とする、請求項3に記載の超純水評価装置。
  5. 超純水製造装置、超純水のユースポイント、並びに超純水製造装置からユースポイントへの超純水送り配管及びユースポイントからの超純水戻り配管から構成され、
    前記超純水製造装置の最終出口と、前記超純水送り配管の任意の位置、前記超純水戻り配管の任意の位置に、請求項2〜4に記載のいずれかの超純水評価装置をそれぞれ設けたことを特徴とする、超純水製造システム。
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