JP2005274004A - 空気調節装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 快適空間を短時間で創出する空気調節装置を提供することである。
【解決手段】 制御部は、人体センサにより人が検知されているとき(S2でYES)に、人が検知されていないとき(S2でNO)よりも多くイオンを放出する運転モード(第1〜第4運転モード)に切換え(S9,S11,S15,S18)、その後予め設定されている強制タイマ(T1,T2,T3,T4)分運転が行なわれる(S1でYES)まで他の運転モード(第5〜第8運転モード)に切換えない。また、制御部は、人の活動量(S6)に応じたイオン量を放出する運転モードに切換える。さらに、制御部は、人が検知されているときであっても活動量が変化していないとき(S16でNO)および人が検知されていないとき(S2でNO)に、粒子径および臭いレベル(S23,S24,S27)に応じて運転モード(第5〜第8運転モード)を切換える(S25,S26,S28,S29)。
【選択図】 図14
【解決手段】 制御部は、人体センサにより人が検知されているとき(S2でYES)に、人が検知されていないとき(S2でNO)よりも多くイオンを放出する運転モード(第1〜第4運転モード)に切換え(S9,S11,S15,S18)、その後予め設定されている強制タイマ(T1,T2,T3,T4)分運転が行なわれる(S1でYES)まで他の運転モード(第5〜第8運転モード)に切換えない。また、制御部は、人の活動量(S6)に応じたイオン量を放出する運転モードに切換える。さらに、制御部は、人が検知されているときであっても活動量が変化していないとき(S16でNO)および人が検知されていないとき(S2でNO)に、粒子径および臭いレベル(S23,S24,S27)に応じて運転モード(第5〜第8運転モード)を切換える(S25,S26,S28,S29)。
【選択図】 図14
Description
本発明は、本発明は、イオンを発生させることのできる空気調節装置に関し、特に、正(プラス)イオン及び負(マイナス)イオンの双方を空間に放出して空気中に浮遊する細菌の殺菌や、ウイルスなどの不活化を可能ならしめるイオンの発生機能を備える空気調節装置に関する。ここで不活化とは、ウイルスの活動を低下させることを意味する。
本発明に係る空気調節装置に該当するものの例としては、空気調和機、除湿機、加湿器、空気清浄機、冷蔵庫、ファンヒーター、電子レンジ、洗濯乾燥機、掃除機、殺菌装置などがあり、主に、家屋の室内、ビル内の一室、病院の病室若しくは手術室、車内、飛行機内、船内、倉庫内などに用いられる。
従来から、空気中に漂う汚れ粒子をフィルタに吸着させ除去するものがあった。たとえば、自動運転に設定されている場合には、室内の空気が汚れたことを検出するガスセンサの出力値と、埃等の粒子を検出する粒子センサの絶対値に応じて規定時間毎に上昇更新させた基準値との差分に応じて電動送風機の強さを変え、その差がなくなれば停止するように制御するもの(特許文献1)があった。また、室外の空気中の花粉を検知する花粉センサからの花粉検知信号値と、ボリュームにより設定される花粉基準値とに基づき、花粉量が多い旨の判定がなされ、かつ、室内の人の存在を検知する人感センサにより人が検知されたときに、送風機に通電されて自動運転されるもの(特許文献2)があった。
また、前述したイオンの発生機能を有するものとして、プラスイオンとマイナスイオンとを発生する正負イオン発生装置を備えたもの(特許文献3)があった。さらに、室内の人の存在を検する人体センサにより人が検知されると、プラスイオンとマイナスイオンを発生する殺菌運転モードからマイナスイオンを発生するリラクゼーション運転モードに切換えるもの(特許文献4)があった。
なお、特許文献3および特許文献4では、プラスイオンとマイナスイオンとを略等量発生させる運転モードと、比較的少量のプラスイオンと比較的多量のマイナスイオンとを同時に発生させる運転モードとを有して、これら両運転モードを選択的に切換える構成が示されるが、略等量ずつのプラスイオンとマイナスイオンとの量を変化させて運転する記載はない。
特開平10−249135号公報
特開平11−166754号公報
特開2002−78788号公報
特許第3403723号公報
しかしながら、フィルタにより空気中に浮遊する汚染物質を吸着させ除去する方式に従うものでは、フィルタの特性上、次のような不都合が生じていた。例えば、花粉およびカビなどの大きい粒子をフィルタでほとんど除去可能であったが、細菌およびウイルスなどの小さい粒子を除去できない不都合があった。さらに、長期的に使用するにあたって、フィルタの交換などのメンテナンスが不可欠であり満足いく結果が得られなかった。
また、プラスイオンおよびマイナスイオンの双方を空間に放出する方式に従うものでは、室内の人の有無や活動量に関係なくプラスイオンおよびマイナスイオンを一定量発生させて、室内空間に浮遊する汚染物質を除去,殺菌,および不活化させる運転を行なっていた。
しかし、一般的に、室内空間に浮遊する汚染物質の量は、室内の人の有無や活動量により変化するものである。すなわち、人が入室することにより、その人の衣服等に付着していた汚染物質が室内に持ち込まれる。また、人が咳やくしゃみをすることにより、ウイルスおよび雑菌が室内に飛散する。これにより、室内空間に浮遊する汚染物質の量が増加することとなる。さらに、人が室内を移動することにより、床面に沈下していた汚染物質が掻き揚げられる。また、ふとんを上げ下ろしするときは、床面に沈下していた汚染物質だけでなく、ふとんに付着していた汚染物質が室内に振り落とされる。これにより、沈下等していた汚染物質が、再び室内空間に浮遊することとなる。
このため、室内空間に浮遊する汚染物質の量が増加する環境であるか否かに応じた的確な運転を行なうことができず、除去,殺菌,および不活化された快適空間を短時間で創出することができない問題が生じていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、快適空間を短時間で創出する空気調節装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明のある局面に従う空気調節装置は、イオンを発生するイオン発生装置と、イオン発生装置より発生したイオンを放出する送風機と、イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する制御部と、移動する物を検出し、物が移動した移動量を算出する移動量算出部とを備え、制御部は、移動量算出部により算出された移動量に応じたイオン量に制御する。
好ましくは、移動量算出部は、同一視野の画像を撮影する撮影部と、撮影部が撮影した二つの画像の差分を算出する差分算出部とを有し、差分算出部により、撮影部が撮影した画像と所定時間経過前に撮影部が撮影した画像との差分を算出し、算出された差分に応じて前記移動量を算出する。
好ましくは、制御部は、イオン発生装置より発生させるイオン量が異なる複数種類の運転モードを選択的に切換える切換え手段を有し、切換え手段は、移動量算出部により算出された移動量に応じたイオン量を発生させる運転モードに切換える。
この発明の他の局面に従う空気調節装置は、イオンを発生するイオン発生装置と、イオン発生装置より発生したイオンを室内に放出する送風機と、室内の人の有無を検出する人体検出部と、イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する制御部とを備え、制御部は、人体検出部により人が検出されたときに、人体検出部により人が検出されていないときよりも多いイオン量に制御する。
この発明のさらに他の局面に従う空気調節装置は、イオンを発生するイオン発生装置と、イオン発生装置より発生したイオンを室内に放出する送風機と、室内の人の有無を検出する人体検出部と、イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する制御部とを備え、制御部は、人体検出部により人が検出されてから少なくとも所定時間経過するまで、人体検出部により人が検出されていないときよりも多いイオン量に制御する。
この発明のさらに他の局面に従う空気調節装置は、イオンを発生するイオン発生装置と、イオン発生装置より発生したイオンを室内に放出する送風機と、室内の人の有無を検出する人体検出部と、空気中に浮遊する粒子の径を検出する粒子検出部と、イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する制御部とを備え、制御部は、人体検出部により人が検出されかつ粒子検出部により粒子径が所定径以上と検出されてから少なくとも所定時間経過するまで、人体検出部により人が検出されずかつ粒子検出部により粒子径が所定径以上でないと検出されたときよりも多いイオン量に制御し、その後、粒子検出部により検出された粒子径に応じたイオン量に制御する。
この発明のさらに他の局面に従う空気調節装置は、イオンを発生するイオン発生装置と、イオン発生装置より発生したイオンを室内に放出する送風機と、室内の人の有無を検出する人体検出部と、空気中に浮遊する粒子の径を検出する粒子検出部と、イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する制御部とを備え、制御部は、人体検出部により人が検出されかつ粒子検出部により粒子径が所定径以上でないと検出されてから少なくとも所定時間経過するまで、人体検出部により人が検出されていないときよりも多いイオン量に制御し、その後、粒子検出部により検出された粒子径に応じたイオン量に制御する。
この発明のさらに他の局面に従う空気調節装置は、イオンを発生するイオン発生装置と、イオン発生装置より発生したイオンを室内に放出する送風機と、室内の人の有無を検出する人体検出部と、空気中に浮遊する粒子の径を検出する粒子検出部と、イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する制御部とを備え、制御部は、運転開始から少なくとも所定時間経過するまで、粒子検出部により粒子径が所定径以上である検出がなされたか否かより、人体検出部により人が検出されたか否かを優先させて、イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する。
好ましくは、制御部は、イオン発生装置より発生させるイオン量が異なる複数種類の運転モードを選択的に切換えて、イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する。
好ましくは、人体検出部は、赤外線を検出する赤外線検出部と、赤外線検出部が検出した赤外線の波長に応じて電圧を出力する電圧出力部と、電圧出力部から出力された電圧が基準電圧以上であるか否かを判定する判定部とを有し、判定部により基準電圧以上である判定がなされたときに、室内の人の有を検出する。
好ましくは、イオン発生装置は、同時に、プラスイオンとしてH+(H2O)nと、マイナスイオンとしてO2 −(H2O)mとを、略同量発生する。
本発明に係る空気調節装置によると、イオン発生装置より発生させるイオン量を、室内空間に浮遊する汚染物質の量に影響を与える物の移動量に応じたイオン量に制御することができる。これにより、たとえば、室内における人の活動量が多くなることに基づき汚染物質の浮遊量が多くなるに応じて、イオン量を多く発生させるように制御することができるため、短時間で除去,殺菌,および不活化された快適な空間を創出することができる。さらに、たとえば、室内における人の活動量が少ないため汚染物質の浮遊量もそれほど多くないときにまで、イオン量を多く発生させるように制御することがない。すなわち、浮遊量に応じたイオン量を発生させるように制御することができるため、イオン発生装置に耐久性を持たせ、イオン発生に伴う放電音を極力低減することができる。
本発明に係る空気調節装置によると、たとえば、室内に人がいないため室内空間に浮遊する汚染物質の量が少ないときよりも、室内に人がいるため浮遊量が多いときに、イオンを多く発生させることができる。これにより、短時間で除去,殺菌,および不活化された快適な空間を創出することができる。さらに、たとえば、浮遊量に応じてイオン量を多く発生させるように制御することができるため、イオン発生装置に耐久性を持たせ、イオン発生に伴う放電音を極力低減することができる。
本発明に係る空気調節装置によると、イオン発生装置より発生させるイオン量が異なる複数種類の運転モードを選択的に切換えることにより、イオン量を制御することができるため、制御部による制御負担を軽減することができる。
以下、空気清浄機を一例として図面を用いて説明する。
図1はイオン発生装置を搭載した空気清浄機の分解斜視図、図2は図1の本体背面斜視図、図3は図1の本体の断面図、図4は図1の操作部を説明する図、図5は図1のリモコンの操作部分を説明する図である。図6は図5の空気清浄機の送風経路の概略図である。
イオン発生装置を搭載した空気清浄機は、図1から図5に示すように、空気清浄機の本体1、本体の前板2、複数種類のフィルタからなるフィルタ部3、ファン用のモータ4、ターボファン5、吹出口6、イオン発生装置7、イオン吹出口8、本体のベース9、運転状態の表示機能を有する操作部10、室内における物体の移動量(たとえば、人の活動量、以下活動量という)を算出するために本実施の形態において用いる画像を撮影するCCD(Charge Coupled Deviceの略)カメラ99、赤外線を検出するセンサであって熱源の有無(たとえば、室内における人の有無)を検出する赤外線センサ(以下、人体センサという)96、前板2の吸込口11、および空気清浄機の運転を遠隔制御するための信号を操作部10に対して指示するために操作されるリモコン(リモートコントローラの略)12を備える。
空気清浄機の本体1は、前面側と背面側の本体前21と本体後22とに二分割され、本体前21を被うように、前板2を設けた構造になっている。
本体前21は、前面側から見て、フィルタ3を収納する凹部からなる収納部23であって長方形をした開口部を有しており、底面部にはフィルタ3を通過した室内空気を通す穴24を放射状に形成している。放射状の穴24の中央部にはモータを取付ける凹状の収納部が背面側に設けられ、その周辺部にはファン用ケーシングの立壁を配設し上方が開口され、空気を室内に吹出す吹出口6となる。イオン発生装置7は、ファン用ケーシングの送風経路59の途中に配設されて、吹出口6から上方に正負イオンを含んだ空気が吹出される。
前板2は、本体前21から一定空間をもって本体前21に係止する形態で、左右に僅かな湾曲を持たせ、中央部には室内の空気を吸込む吸込口11が上下に形成されている。前板2と本体前21との四方面の空間の側面吸込口30からも室内の空気を吸い込むようになっている。
操作部10は、図4に示すように、外部から操作される『運転切換』ボタン51、種々の運転状態を表示するための『切タイマ表示』ランプ53、『自動運転』ランプ54、『花粉運転』ランプ55、『風量』ランプ56および『静音』ランプ57ならびにリモコン12からの赤外線変調された信号を受光して電気信号に変換する受光部58を有する。
『運転切換』ボタン51は、本体1の運転動作を入/切するために操作されるもので、ボタン51が押されると運転は開始されて自動運転モードでの運転になり、『自動運転』ランプ54が点灯する。
『運転切換』ボタン51は、押すごとに、『自動運転』⇒『静音運転』⇒『中〜強〜急速運転』⇒『花粉運転』⇒『自動運転』⇒…と順々に運転モードが切換り、併せて『自動運転』ランプ54⇒『静音』ランプ57⇒『風量』ランプ56⇒『花粉運転』ランプ55⇒『自動運転』ランプ54⇒…と切換った運転モードに対応のランプが消灯→点灯に切換る。
『自動運転』では、人体センサ96の検出結果に基づく人の有無、CCDカメラ99により撮影された画像に基づき算出された活動量、図示されないが本体1に設けられて空気中に浮遊する粒子の大きさ(すなわち粒子径)を検出する粒子センサが検知した粒子径、および、臭い成分を検出する臭いセンサが検知した臭いレベルに応じて、イオン発生装置7から発生する正負イオン量(3万個/cc〜10万個/cc)、および、ターボファン5からの風量(急速〜静音)を自動的に切換えながら運転する。『静音運転』ではターボファン5により静音で静かな運転をする。『標準〜強〜急速』ではターボファン5による風量が標準、強、急速で運転される。『花粉運転』では、例えば10分間、ターボファン5が風量「強」で運転後に風量「標準」、「強」で繰返し運転をする。なお、運転モードが『自動運転』であるときに、人の有無、活動量等に応じて、イオン発生装置7から発生する正負イオン量等を自動的に切換える例を説明したが、これに限らず、いずれの運転モードであるときにも正負イオン量等を自動的に切換えるようにしてもよい。
リモコン12の操作パネルには図5に示すように、運転に関する指示信号を送信するための送信部69、自動運転を開始または運転を停止するために操作される『運転入/切』ボタン70、『切タイマ』ボタン71、『自動運転』モードに切換えるために操作される『自動運転』ボタン72、花粉が気になるときに効果的な運転をする『花粉運転』モードに切換えるために操作される『花粉運転』ボタン74、風量を静音・微弱・弱・標準・強・急速に切換えるために操作される『手動運転』ボタン75、『静音』運転ボタン76および『クラスタイオン切換』ボタン78を含む。
『切タイマ』ボタン71は、切タイマ時間を設定し、押す毎に設定時間が変わり、設定内容を受信音の数で知らせる。
『クラスタイオン切換』ボタン78は、イオン発生装置7の駆動を『クラスタイオン自動』、『クリーン』、『イオンコントロール』および『クラスタイオン切』の各種運転モードに切換えるために操作される。『クラスタイオン自動』モードは、『クリーン』モードと『イオンコントロール』モードを埃センサ87の検出レベルに応じて切換える。『クリーン』モードは人の有無、活動量に応じた量のプラスイオンおよびマイナスイオンを発生させて空気中に浮遊するウイルスやカビを殺菌する殺菌モードである。殺菌モードは後述する『花粉運転』モードとは発生するイオン量が異なる。『イオンコントロール』モードは発生するマイナスイオンの割合を上げて空気中のイオンバランスを調えるリフレッシュモードである。『クラスタイオン切』モードではクラスタイオンの発生は停止する。
『切タイマ』ボタン71は、運転中に停止するまでの時間設定をするために操作されて、『切タイマ』ボタン71を押す毎に、『1時間』⇒『4時間』⇒『8時間』⇒『取消し』⇒『1時間』…と設定時間が切換り、この切換指示に併せて、『切タイマ表示』ランプ53も『1』⇒『4』⇒『8』⇒『消灯』⇒『1』…と切換り点灯する。設定時間が計時終了すると、運転は停止する。
フィルタ部3は、図1に示すように、プレフィルタ31、脱臭フィルタ32および集塵フィルタ33の3種類から構成され、吸込口11側から順に、塵や埃の大きい粒子を捕集するプレフィルタ31、アセトアルデヒド、アンモニア、酢酸などの臭い成分を吸着する脱臭フィルタ32、HEPAシートにより空気中の塵や埃を捕集する集塵フィルタ33が、本体前21の収納部23に納められている。
フィルタ部3をこのようなフィルタ構成にすることにより、プレフィルタ31で、室内より吸込んだ空気中の塵や埃を捕集し、脱臭フィルタ32では、空気中の臭いの成分であるアセトアルデヒド、アンモニア、酢酸などを吸着させ、最後に集塵フィルタ33でプレフィルタ31を通過した微細な塵や埃を捕集されるので、フィルタ3を出た空気は臭いや塵・埃のない空気となる。
室内の空気を吸込むターボファン5とターボファン5を回転させるファンモータ4は、フィルタ部3の下流側に配設し、ターボファン5の形態は後ろ曲がりの半径方向に長い羽をし、最も静圧が高く、静音効果を発揮する。モータ4には制御性を重視した直流モータを使用としている。
イオン発生装置7は、図3と図6に示すように、本体1内部の送風機のケーシングの通路の途中に配設される。イオン発生装置7は図7のイオン発生素子101を有する。図7のイオン発生素子101の矢線VIII−VIII方向の断面が図8に示されて、矢線IX−IX方向の断面が図9に示される。イオン発生素子101は、平板状の誘電体104の表面に設けられた放電電極105と、該放電電極105に電力を供給するため誘電体104の表面に設けられる放電電極接点108と、誘電体104の内部に埋設され且つ前記放電電極105と平行に設けられた誘導電極106と、該誘導電極106に電力を供給するため誘電体104の表面に設けられる誘導電極接点107と、抵抗を溶着する抵抗接点を有している。
なお、放電電極105の形状は、面状、格子状、線状等の何れの形状であってもよいが、電界の集中が起こりやすい形状にすれば、放電電極105と誘導電極106との間に印加する電圧が低くても放電させることができるため、格子状や線状のように、電界集中が起こりやすい形状とすることが望ましい。
イオン発生素子101が一つの場合にプラスイオンとマイナスイオンの両方を発生させるためには、電圧印加手段である電圧印加回路Vによる放電電極105と誘導電極106との間の印加電圧は、交番電圧であることが必要であるが、この交番電圧は一般的に商用電源に用いられているような正弦波状の交番電圧(以下、正弦波状の交番電圧を交流電圧と称す)に限られず、矩形波状の交番電圧であっても良く、他の波形を用いて交番電圧を印加しても良い。
次に、本実施の形態の更に具体的な実施態様を図を参照して説明する。
本具体例のイオン発生素子101の誘電体104は、幅15mm×長さ37mm×厚み0.9mmの直方体状とし、また、誘電体104の上面と平行に約3.5mm×23.75mmのU形状で、幅を1mmの誘導電極106を形成し、そして、誘電体104の上面の両短辺(幅15mmの辺)のそれぞれの中心を結ぶ中央線が線対称の対称軸になるように、幅約7.0mm×長さ約23.75mmの格子状の放電電極105を設けた構成である。
また、放電電極接点108は誘電体104の下面に設けている。そして、前記放電電極接点108は、一端が放電電極105に導通され他端が誘電体104上面の前記放電電極の外側に形成された格子部の接点と対向する位置に放電電極105と導通している。
さらに、誘導電極接点107は、誘電体104の下面であって誘導電極106と対向する放電電極が形成されていない任意の個所に設けている。そして、放電電極接点108と誘導電極接点107の距離は電極間距離より遠く形成する。
誘電体104は、上部誘電体102と下部誘電体103とを張り合わせた平板状で構成されている。放電電極105は、上部誘電体102の表面に上部誘電体102と一体的に形成されている。誘導電極106は、上部誘電体102と下部誘電体103との間に形成され、放電電極105と対向して配置される。放電電極105と誘導電極106との間の絶縁抵抗は、均一であることが望ましく、放電電極105と誘導電極106とは平行であることが望ましい。
イオン発生装置7において、放電電極105と誘導電極106とを上部誘電体102の表裏面に対向して配置することにより、放電電極105と誘導電極106との間の距離を一定とすることができる。このため、放電電極105と誘導電極106との間の放電状態が安定し、正負両イオンまたはマイナスイオンを好適に発生することが可能となる。
放電電極接点108は、放電電極105と導通する接点である。導通可能なリード線の一端を放電電極接点108に接続し、他端を電圧印加回路Vと接続することにより、放電電極105と電圧印加回路Vとを導通させることができる。誘導電極接点107は誘導電極106と導通する接点である。銅線からなるリード線の一端を誘導電極接点107に接続し、他端を電圧印加回路Vと接続することにより、誘導電極106と電圧印加回路Vとを導通させることができる。
次に上記のイオン発生素子101の製造方法について説明すると、まず、厚さ0.45mmの純度の高いアルミナのシートを所定の大きさ(上記の例でいうと、幅15mm×長さ37mm)に切断し、二つの略同一の大きさを有するアルミナの基材を形成する。なお、アルミナの純度は90%以上であれば良いが、ここでは92%の純度のアルミナを用いている。
次に、二つのアルミナの基材のうちの一方の上面に、格子状にタングステンをスクリーン印刷して放電電極105及び格子接点110をアルミナの基材の表面に一体に形成して上部誘電体102を作成する。そして、他のアルミナの基材の上面にU状にタングステンをスクリーン印刷して誘導電極106をアルミナの基材の表面に一体に形成し、アルミナ基材の下面に放電電極接点108及び誘導電極接点107をスクリーン印刷して形成し下部誘電体103を作成する。
さらに、上部誘電体102の表面に、アルミナのコーティング層109を形成して、放電電極105を絶縁コートする。そして、上部誘電体2の下面と下部誘電体103の上面を重ね合わせた後、圧着、真空引きをし、さらにこれらを炉に入れて1400〜1600℃の非酸化性雰囲気で焼成する。この様にして製造することにより、本発明に示すようなイオン発生素子101を容易に製造することが可能である。
図10は、本実施の形態における電圧印加回路Vの回路図である。図10を参照して、電圧印加回路Vは、交流電源201と、スイッチングトランス202と、切換リレー203と、抵抗204と、ダイオード205a〜205dと、コンデンサ206と、サイダック(R)207とを含む。サイダック(R)207は、シリコン制御整流素子SCR(Silicon Control Rectifier)の一種であり、新電元工業株式会社の製品である。
交流電源201の一端は、ダイオード205aのアノードとダイオード205cのカソードに各々接続されており、他端は切換リレー203の共通端子203aに接続されている。ダイオード205aのカソードは、抵抗204の一端とダイオード205dのカソードに各々接続されている。抵抗204の他端は、トランス202の1次コイルL1の一端とコンデンサ206の一端にそれぞれ接続されている。1次コイルL1の他端は、サイダック(R)207のアノードに接続されている。コンデンサ206の他端とサイダック(R)207のカソードは互いに接続されており、その接続ノードは、切換リレー203の一選択端子203bと、ダイオード205b、205cの各アノードとにそれぞれ接続されている。ダイオード205bのカソードとダイオード205dのアノードは互いに接続されており、その接続ノードは切換リレー203の他選択端子203cに接続されている。トランス202の2次コイルL2の一端は、イオン発生装置7の誘導電極106に接続されている。2次コイルL2の他端は、リレー208の共通端子208aに接続されている。リレー208の一方の選択端子208cはダイオード209のアノードに接続されており、ダイオード209のカソードは放電電極105に接続されている。イオン発生装置7の放電電極105は、リレー208の他方の選択端子208bと、ダイオード209のカソードとに接続されている。
このように構成してなる電圧印加回路Vは、動作して、切換リレー203は選択端子203bが選択され、切換リレー208は選択端子208bが選択されると、交流電源201の出力電圧は、ダイオード205aで半波整流された後、抵抗204で電圧降下され、コンデンサ206に印加される。コンデンサ206の充電が進んで両端電圧が所定しきい値に達すると、サイダック(R)207がオン状態となり、コンデンサ206の充電電圧が放電される。したがって、トランス202の1次コイルL1に電流が流れて2次コイルL2にエネルギが伝達され、イオン発生装置7にパルス電圧が印加される。その直後、サイダック(R)207はオフ状態となり、再びコンデンサ206の充電が開始される。
上記の充放電を繰返すことによって、イオン発生装置7の放電電極105と誘導電極106との間には、図11(A)の交流インパルス電圧(たとえばpp(Peak-to-Peak)値:3.5[kV]、放電回数:120[回/秒])が印加される。このとき、イオン発生装置7の近傍ではコロナ放電が生じて周辺の空気がイオン化され、正電圧印加時はプラスイオンであるH+(H2O)m(mは任意の自然数)が発生し、負電圧印加時はマイナスイオンであるO2 -(H2O)n(nは0または任意の自然数)が発生する。より具体的に説明すると、イオン発生装置7の放電電極105と誘導電極106との間に交流電圧を印加することにより、空気中の酸素ないしは水分が電離によりエネルギを受けてイオン化し、H+(H2O)m(mは任意の自然数)とO2 -(H2O)n(nは0または任意の自然数)を主体としたイオンを生成する。これらH+(H2O)mおよびO2 -(H2O)nは、ターボファン5により空間に放出され、浮遊菌などの粒子の表面に付着し、化学反応して活性種であるH2O2または・OHを生成する。H2O2または・OHは、極めて強力な活性を示すため、これらにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで殺菌することができる。ここで、・OHは活性種の一種であり、ラジカルのOHを示している。
正負のイオンは浮遊細菌の細胞表面で式(A1)〜式(A3)に示すように化学反応して、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)を生成する。ここで、式(A1)〜式(A3)において、m、m′、n、n′は0または任意の自然数である。
これにより、活性種の分解作用によって浮遊細菌が殺菌される。したがって、効率的に空気中の浮遊細菌を除去することができる。
H3O+(H2O)m+O2 -(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n+1)H2O ・・・(A1)
H3O+(H2O)m+H3O+(H2O)m'+O2 -(H2O)n+O2 -(H2O)n'→2・OH+O2+(m+m´+n+n´+2)H2O ・・・(A2)
H3O+(H2O)m+H3O+(H2O)m'+O2 -(H2O)n+O2 -(H2O)n'→H2O2+O2+(m+m´+n+n´+2)H2O ・・・(A3)
以上のメカニズムによる上記正負イオンの放出により、浮遊細菌等の殺菌効果を得ることができる。
H3O+(H2O)m+H3O+(H2O)m'+O2 -(H2O)n+O2 -(H2O)n'→2・OH+O2+(m+m´+n+n´+2)H2O ・・・(A2)
H3O+(H2O)m+H3O+(H2O)m'+O2 -(H2O)n+O2 -(H2O)n'→H2O2+O2+(m+m´+n+n´+2)H2O ・・・(A3)
以上のメカニズムによる上記正負イオンの放出により、浮遊細菌等の殺菌効果を得ることができる。
また、上記式(A1)〜式(A3)は、空気中の有害物質表面でも同様の作用を生じさせることができるため、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)が、有害物質を酸化もしくは分解してホルムアルデヒドやアンモニアなどの化学物質を二酸化炭素、水、窒素などの無害な物質に変換することにより、実質的に無害化することが可能である。
また、イオン発生装置7によって発生させたプラスイオンとマイナスイオンを本体1外に送出して、これらのプラスイオンとマイナスイオンの作用により空気中のカビや菌の増殖を抑制することができる。
その他、プラスイオンとマイナスイオンには、コクサッキーウイルス、ポリオウイルス、などのウイルス類も不活化する働きがあり、これらウイルスの混入による汚染が防止できる。またプラスイオンとマイナスイオンには、臭いの素となる分子を分解する働きがあることも確かめられており、空間の脱臭にも利用できる。
上述の電圧印加回路Vの制御により発生した正負イオンはファンの送風により、イオン発生素子101から約25cm離れたところに到着したとき、イオンカウンタにて到着したプラスイオンおよびマイナスイオンの量をそれぞれ計測した結果、イオンカウンタでは、プラスイオンとマイナスイオンが約30万個/ccずつの濃度で計測された。ここではイオンカウンタは、たとえばダン科学製空気イオンカウンタ(品番83−1001B)を用いる。
一方、イオン発生装置7が起動されて、切換リレー203は選択端子203cが選択され、切換リレー208は選択端子208bが選択されると、交流電源201の出力交流電圧は、ダイオード205a〜205dからなるダイオードブリッジで全波整流された後、抵抗204で電圧降下され、コンデンサ206に印加される。したがって、イオン発生装置7の放電電極105と誘導電極106との間には、図11(B)に示すように、放電頻度の高い交流インパルス電圧(たとえばpp値:3.5[kV]、放電回数:240[回/秒])が印加される。
このとき、前述の条件でイオン量を計測した結果、イオンカウンタでは、プラスイオンとマイナスイオンが約50万個/ccずつ計測された。
なお、切換リレー203に代えて、ダイオード205bのカソードとダイオード205dのアノードとの接続ノードを交流電源201の他端に接続するとともに、ダイオード205cまたはダイオード205dのアノードまたはカソードに開閉スイッチを直列接続し、該開閉スイッチを駆動モードに応じて制御する構成としても、上記と同様の動作を実現することが可能である。
さらに、イオン発生装置7が起動されて、切換リレー203は選択端子203bが選択され、切換リレー208は選択端子208cが選択されると、ダイオード209により半波整流されることにより、イオン発生装置7には、図11(A)に示した電圧印加パルスのうち、負電圧のパルスのみが印加されることになる。その結果、イオン発生装置7の近傍ではコロナ放電が生じて周辺の空気がイオン化されるが、負電圧のみが印加されるため、マイナスイオンであるO2 -(H2O)n(nは0または任意の自然数)が発生する。
このようにイオン発生装置7では電圧印加回路Vへの印加電圧を調整することによりマイナスイオンのみを発生させることが可能である。また、交番の印加電圧として単位時間当たりの放電回数をコントロールする、すなわちサイダック(R)207のオン回数を調整することにより発生する略等量のプラスイオンおよびマイナスイオンの量を可変に調整できる。
このようなイオン発生装置7を、空気の物性を変化させて所望の雰囲気状態を作り出す装置である空気調節装置(例えば空気調和機、除湿機、加湿器、空気清浄機、冷蔵庫、ファンヒーター、電子レンジ、洗濯乾燥機、掃除機等)に取り付け、殺菌したい空間にプラスイオンとしてのH+(H2O)m(mは任意の自然数)と、マイナスイオンとしてのO2 -(H2O)n(nは0または任意の自然数を示す)を送出することにより、上記のイオンを空気中の浮遊細菌に付着させて化学反応させ、そのとき発生する活性種である過酸化水素(H2O2)及び/又は水酸基ラジカル(・OH)の分解作用をもって、前記空間中の浮遊細菌を殺菌することが可能である。
図12には空気清浄機を制御するための操作部10の背面に設けてある制御基板90のブロック構成が周辺回路部とともに示される。図12を参照して制御基板90にはマイクロコンピュータからなる制御部89、『運転切換』ボタン51を接続してこれらからの入力信号を判定し判定結果を制御部89に出力するスイッチ判定部83、送風駆動回路84、イオン発生駆動回路85、人体センサ96と、空気中に浮遊する粒子を検出するための粒子センサ(以下、埃センサという)87と、臭いセンサ88との検出信号を入力し検出レベルを判定し、判定結果を制御部89に出力するセンサ判定部86を備える。制御部89は、CCDカメラ99により撮影された画像データに基づき差分処理することにより活動量に相当する2値化した差分データを算出する差分処理部98と、差分処理部98により算出された差分データに基づき活動量が所定値(閾値)以上であるか否かを判定する活動量判定部93と、運転モードを所定時間経過後に自動で切換えるときのタイマ管理を行なうタイマ計時部94とを有している。そして、制御部89は、入力される各種信号に基づき所定手順で処理を行ない、処理結果に基づく制御信号を送風駆動回路84およびイオン発生駆動回路85に与える。したがって、これら制御信号に基づいて送風駆動回路84とイオン発生駆動回路85を制御する。
図示のない電源回路は、図示のない商用電源からの電流を電流ヒューズおよび温度ヒューズを経てダイオードブリッジで整流・平滑して、ファンモータ電源およびスイッチング電源の入力として供給する。
図示のない電源クロック回路は、電源回路の一次側電圧波形を方波形信号に変換する。また、出力が一定時間以上『High』または『Low』信号を継続すると、制御部89は停電と判定し、人体センサ96、臭いセンサ88、埃センサ87、CCDカメラ99の駆動および操作部10に対する表示出力を停止する。
イオン発生駆動回路85は、イオン発生装置7を駆動させるもので、制御部89からの指令により、運転を切換える。
送風駆動回路84は、ファンモータ4とターボファン5とからなる送風機91が運転中は、制御部89の出力で制御電源とPWM(パルス幅変調)によるパルスが供給されてファンモータ4の回転制御を行なう速度指令直流電圧を作り、電圧の大きさに応じてファンモータ4の回転数を制御する。
リモコン受信部58は、リモコン12から送信された赤外線変調された指令信号を、内蔵する受光ユニットにより受光(受信)して光電変換により『High』または『Low』の電気信号に変換し、変換された指令信号をスイッチ判定部83に出力するので、スイッチ判定部83は与えられた指令信号に基づいてどのような運転指令が与えられたかを判定する。その判定結果は制御部89に出力される。
図13は、埃センサ87、および、CCDカメラ99による検出態様の一例を示す図である。
図13(A)は、埃センサ87により検出された埃の種類と、検出された埃の種類に応じて出力されるパルス波形とを対応させた図である。埃センサ87は、周知のものであって発光素子と受光素子の組み合わせにより、空気中の浮遊粒子を検出して図13(A)に示す検知結果であるセンサ出力(パルス列)をセンサ判定部86に出力する。センサ判定部86は入力するパルス列の時間的推移に基づいて検出状態(空気中に浮遊する粒子径により特定される粒子の種別と濃度)のレベルと予め設定した値(レベル)との比較結果に応じて、汚れ度(粒子の種別と濃度)を判定し、判定された種類の粒子の粒子径のデータを示す判定結果を制御部89に与える。埃センサ87は、運転中のみ検出動作し、停止中は検出動作を停止する。
図13(A)では、タバコの煙は最初高い濃度(高電圧レベル)としてパルス出力されるが、その後、煙濃度が薄まるとレベルの低いパルス列に移行する。このような推移であればセンサ判定部86はタバコの煙の粒子径を示す判定結果を制御部89に出力する。また、ハウスダスト、埃などの粒子はタバコの煙の粒子とは異なり検出エリアに単発的に飛び込んでくるので図13(A)に示すように高レベルのパルスが単発的に生じて他は低レベルであるパルス列として推移する。このような推移であればセンサ判定部86はチリ・ホコリの粒子径を示す判定結果を制御部89に出力する。このように、予めタバコの煙の粒子、カビ、浮遊細菌、花粉、コクサッキーウイルス、ユービッシュ体などのそれぞれに特有のパルス列の推移パターンとその粒子径のデータとを対応付けてセンサ判定部86が準備しておき、埃センサ87から入力するパルス列の時間推移パターンと予め準備された各粒子ごとのパルス列の推移パターンとを比較することによりセンシングされている粒子の種別を判定して、対応の粒子径のデータを判定結果として制御部89に出力する。
図13(B)は、CCDカメラ99により所定時間毎に撮影された画像に基づき差分処理部98により2値化された差分データと、人の動きとを対応させた図である。ここでは、横軸を時間の推移とし、「睡眠」「食事」「ふとん上げ」「身支度」「外出」の順に室内において人が行動したことを上欄に示し、その行動に対応して算出された差分データの高低を下欄に示している。なお、下欄における点線は、たとえば、所定の活動量A値に相当する差分データの閾値を示している。差分データの高さが閾値を超えている場合には、活動量がA値以上であると判別される。
まず、「睡眠」状態であるときには、CCDカメラ99により所定時間毎に撮影される画像に差がほとんどないため、極めて低い差分データが算出される。次に、「食事」状態であるときには、CCDカメラ99により食事に伴う動きが所定時間毎に撮影されるため、「睡眠」状態であるときより大きな差分データが算出される。なお、「睡眠」状態、「食事」状態であるときには、算出された差分データが閾値を超えていないため、活動量がA値未満であると判別される。
次に「ふとん上げ」状態であるときには、CCDカメラ99によりふとんを上げる激しい動きとふとんが持ち上げられる動きとが所定時間毎に撮影されるため、「食事」状態であるときより格段に高い差分データが算出される。また、「身支度」状態であるときには、身支度をしている動きと衣類の動きとが所定時間毎に撮影されるため、「食事」状態であるときよりも少し高い差分データが算出される。なお、「ふとん上げ」状態、「身支度」状態であるときには、算出された差分データが閾値を超えているため、活動量がA値以上であると判別される。なお、「外出」状態であるときには、室内に誰もいない状態となるため、CCDカメラ99により全く動きのない画像が撮影されるため、差分が「0」となる。
本実施の形態においては、CCDカメラ99により室内の様子が撮影される。そして、直近に撮影された画像と当該画像が撮影されてから所定時間経過後に撮影された画像とを用いて、差分処理部98により差分データが算出される。よって、差分データとは、移動した人・物体の画像上における大きさ(占有割合)および数に応じて変化するものであり、かつ、所定時間経過する間に人・物体が移動した距離に応じて変化するものである。すなわち、画像上小さく撮影された人・物体が少数またはゆっくりと移動したときより、画像上大きく撮影された人・物体が多数または素早く移動したときの方が、高い差分データが算出される。また、このように算出された差分データに基づき、たとえば、人の活動量がA値以上であるか否かの判別がなされる。よって、本実施形態における活動量とは、たとえば、撮影されている人・物体が単に移動した距離と異なり、撮影されている人・物体の大きさ、個数、移動速度等に左右され、算出されるものである。
次に、本実施の形態における、活動量を算出するための構成について説明する。まず、CCDカメラ99は、撮像素子とレンズの組み合わせにより、室内の人の動きを撮影し、画像データを差分処理部98に出力する。撮像素子は、使用環境に適したパラメータを設定できるように、γ特性やコントラストなどのパラメータの設定が可能であるものが好ましい。レンズは、広角タイプを使用することが好ましい。これにより、検知範囲として満足できるコントラスト、画角を確保することができる。また、本実施の形態における差分処理部98は、CCDカメラ99から入力される画像データに基づいて2値化された差分データを算出する。本実施の形態では、算出された差分データが、室内の人の活動量に相当する。制御部89は、算出された差分データに基づいて、活動量が所定値以上であるか否か判定する活動量判定部93を有している。
次に、臭いセンサ88と人体センサ96との構成について説明する。まず、臭いセンサ88は、金属酸化物半導体からなるセンサ表面にガス成分が吸着すると抵抗値が変化することを利用した周知のものであって、たばこ臭などの臭い成分を検出して電圧信号である臭い検出信号をセンサ判定部86に出力する。センサ判定部86は臭い検出信号を入力すると、臭い検出信号の検出レベル(電圧レベル)と予め設定したレベル(値)との差に基づいて臭い成分レベルを判定し、判定結果を制御部89に与える。臭いセンサ88は、空気清浄機が運転中は常時検出動作し、停止中も一定時間毎に一定短時間のみ検出動作している。制御部89はセンサ判定部86から与えられた判定結果に基づく運転モードに従い運転制御する。
次に、人体センサ96は、焦電型赤外線検出素子(以下、焦電素子と呼ぶ)の高誘電セラミック等の焦電効果を利用して熱源からの放射赤外線を検出するものである。人体センサ96は、焦電素子と、増幅回路と、フィルタと、コンパレータと、モノマルチバイブレータとから基本的に構成されている。焦電素子には、フレネルレンズを介して放射赤外線が入射する。コンパレータは、基準電圧(Th)と比較する。
焦電素子は、増幅回路とともにパッケージに封入されている。赤外線を検出すると、焦電素子の表面温度が変化し電荷が発生する。この発生した電荷を増幅回路で増幅して出力する。このように、焦電素子は、温度変化が検出されたことに基づき信号を出力する。
焦電素子の窓材は、対象とする温度範囲の赤外線波長を透過するものでよい。たとえば、人体を検出する場合は、人体温度37度近傍の遠赤外領域(波長10μm程度)を透過するシリコン7μmカットオン光学フィルタが使用される。これは、太陽などの高温熱源からの放射赤外線により、人体検出が妨害されることを防止するためである。焦電素子の窓側前面にはフレネルレンズが取付けられ、多数に分割された投影パターンからなる検出範囲内の赤外線を集光する。焦電素子の出力は、増幅回路で増幅され、フィルタでノイズ除去され、コンパレータに入力される。コンパレータは、出力信号と基準電圧とを比較し、基準電圧より出力信号の電圧が高いときに、モノマルチバイブレータが一定時間のパルスを1つ発生する。このパルスが発生したか否かにより、検出範囲内の人の有無を検出することができる。
以上の構成において、空気清浄機の運転動作が図14のフローチャートに示される。このフローチャートに従う手順はプログラムを実行することにより実現されて、該プログラムは制御部89の図示されない内部メモリに格納されて制御部89の図示のないCPU(Central Processing Unit)により読出されながら実行される。
図14は、自動運転モードであるときに、制御部89により実行される自動運転切換処理を説明するためのフローチャートである。前述したように、自動運転モードのときは、CCDカメラ99により撮影された画像に基づき算出される活動量、埃センサ87が検知した粒子径、および、臭いセンサ88が検知した臭いレベルに応じて、第1〜第9運転モードのうちいずれかの運転モードに自動的に切換えられる。第1〜第9運転モードは、イオン発生装置7から発生させる正負イオン量、ターボファン5により放出される風量、切換えられた運転モードで強制的に運転される時間に対応した強制タイマなど異なるように予め設定されている。
まず、ステップ(以下、Sという)1においては、後述する第1〜第4運転モードに切換えられたときにセットされる強制タイマが、前述したタイマ計時部94により計時され、残りタイマが「0」になったか否かが判別される。たとえば、第1運転モードに切換えられたときには、当該第1運転モードに切換えられてから強制タイマとして予め設定されているT1の間運転され、タイマ計時部94により計時されたか否かが判別される。
S1において「0」になっていないときには、自動運転モード切換処理をそのまま終了する。これにより、第1〜第4運転モードに切換えられたときは、強制タイマ分確実に運転させることができる。一方、S1において「0」になっているときには、S2において人体センサ96により人が検知されているか否かを判別する処理が行なわれる。
S2において人体センサ96により人が検知されているときには、S3において差分データ算出処理が行なわれる。なお、差分データ算出処理については、図15を用いて後述する。S4においては、埃センサ87により検出された粒子径を算出する処理が行なわれ、S5では臭いセンサ88により検出された臭いレベルを算出する処理が行なわれる。
S6においては、室内における人の活動量が予め定められたA値以上であるか否かを判別する処理が行なわれる。すなわち、S3の差分データ算出処理において算出された差分データが、活動量A値に対応する閾値以上であるか否かを判別する処理が行なわれる。具体的に、図13(B)で示した状態のうち「ふとん上げ」状態および「身支度」状態であるときに、活動量がA値以上である判別がなされる。
S6において活動量がA値以上であるときには、S7に移行し、S4で粒子径が予め定められたB値以上であるか否かを判別する処理が行なわれる。S7において粒子径がB値以上であるときには、S8において強制タイマとしてT1がセットされ、S9において第1運転モードに切換える処理が行なわれ、自動運転モード切換処理を終了する。一方、S7において粒子径がB値以上でないときは、S10において強制タイマとしてT2がセットされ、S11において第2運転モードに切換える処理が行なわれ、自動運転モード切換処理を終了する。
S6において、室内における人の活動量がA値以上でないときには、S13において粒子径がB値以上であるか否かを判別する処理が行なわれる。S13において粒子径がB値以上であるときには、S14において強制タイマとしてT3がセットされ、S15において第3運転モードに切換える処理が行なわれ、自動運転モード切換処理を終了する。一方、S13において粒子径がB値以上でないときは、S16において活動量が変化しているか否かを判別する処理が行なわれる。S16により活動量が変化しているときは、S17に移行され、強制タイマとしてT4がセットされ、S18において第4運転モードに切換える処理が行なわれ、自動運転モード切換処理を終了する。一方、S16により活動量が変化していないときは、S23に移行する。
S2において人体センサ96により人が検知されていないときには、S19およびS20において、S4およびS5と同様の処理が行なわれ、S21に移行する。S21においては、人体センサ96により人が検知されていない状態がT5以上経過したか否かを判別する処理が行なわれる。S21においてT5以上経過しているときには、S22により第9運転モードに切換える処理が行なわれ、自動運転モード切換処理を終了する。
S21において未だT5以上経過していないときには、S23において粒子径がB値以上であるか否かを判別する処理が行なわれる。S23において粒子径がB値以上であるときには、S24に移行し、S5またはS20で算出された臭いレベルが予め定められたC値以上であるか否かを判別する処理が行なわれる。S24において臭いレベルがC値以上であるときには、S25において第5運転モードに切換える処理が行なわれ、自動運転モード切換処理を終了する。一方、S24において臭いレベルがC値以上でないときは、S26において第6運転モードに切換える処理が行なわれ、自動運転モード切換処理を終了する。
S23において粒子径がB値以上でないときには、S27に移行し、臭いレベルがC値以上であるか否かを判別する処理が行なわれる。S27において臭いレベルがC値以上であるときには、S28において第7運転モードに切換える処理が行なわれ、自動運転モード切換処理を終了する。一方、S27において臭いレベルがC値以上でないときは、S29において第8運転モードに切換える処理が行なわれ、自動運転モード切換処理を終了する。
図15は、図14のS3により示された差分データ算出処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。差分データ算出処理では、前述したように、CCDカメラ99から入力される画像データに基づいて2値化された差分データを算出する処理が行なわれる。
まず、S40においては、CCDカメラ99により撮影された画像データを取込む処理が行なわれる。S41においては、S40により取込んだ画像データに対しフィルタを施してノイズを軽減する処理が行なわれる。S42においては、前回の差分データ算出処理において既に取込まれている画像データの画像と、今回の差分データ算出処理において新たに取込まれた画像データの画像との差分データを算出する処理が行なわれる。ここで、差分データを算出する処理として、一般的な、フレーム間差分処理を行なうようにしてもよい。フレーム間差分処理とは、時刻(t)のときに取り込んだ画像と、時刻(t−n)の時に取り込んだ画像との差分を取ることにより、処理すべき対象を得る手法である。これにより、人や物体が動いた場合に、処理結果として変化している画像の部分が差分として算出される。
S43においては、S42において算出された差分データを2値化する処理が行なわれる。なお、差分データを2値化するとは、差分データとして得られた画像の各画素の輝度(明るさ)が、所定の輝度未満ならば「0」に、所定の輝度以上であれば「1」に変換することである。これにより、たとえば、前回取込まれた画像データの画像と、今回取込まれた画像データの画像とで、動きのあった部分(変化した部分)が「1」に変換され、動きのなかった部分(変化していない部分)が「0」に変換される。S44においては、2値化された差分データを制御部89に出力する処理がなされ、差分データ算出処理を終了する。なお、制御部89の活動量判定部93は、入力される2値化された差分データに基づき、「1」に変換されている割合が所定割合以上であるか否かを判定し、室内における人の活動量が所定数以上であるか否かを判定することができる。
図16は、制御部89により実行される第1〜第9運転モード各々に対応する制御内容を説明するための図である。前述したように、自動運転モードであるときに、制御部89は、図14を用いて前述した自動運転切換処理により第1〜第9運転モードのうちいずれかに自動的に切換える。さらに、制御部89は、切換えた運転モードに応じた制御信号をイオン発生駆動回路85および送風駆動回路84に送信し、イオン発生装置7から発生するイオン量,種類、および、ターボファン5からの風量を制御する。なお、風量は、急速が最大風量となるように設定されており、強〜微弱の順に風量が小さくなり、静音が最小風量となるように設定されている。また、強制タイマは、T1が最長となるように設定されており、T2〜T3の順に短くなり、T4が最短となるように設定されている。
第1運転モードに切換えられているときについて説明する。制御部89は、イオン発生装置7からプラスイオンおよびマイナスイオンを各々10万個/cc発生するように制御する。また、制御部89は、ターボファン5からの風量が「急速(最大風量)」となるように送風機91を制御する。さらに、制御部89は、タイマ計時部94により強制タイマT1分計時されるまで、第1運転モードに基づく運転が継続されるように制御する。
次に、第2運転モードに切換えられているときについて説明する。制御部89は、イオン発生装置7からプラスイオンおよびマイナスイオンを各々7万個/cc発生するように制御する。また、制御部89は、ターボファン5からの風量が「強」となるように送風機91を制御する。さらに、制御部89は、タイマ計時部94により強制タイマT2分計時されるまで、第2運転モードに基づく運転が継続されるように制御する。
第3〜第4運転モードに切換えられているときについても同様に、制御部89は、イオン発生装置7からプラスイオンおよびマイナスイオンを各々5万個/cc発生するように制御する。また、制御部89は、第3運転モードのときターボファン5からの風量が「標準」となるように、第4運転モードのときターボファン5からの風量が「弱」となるように、送風機91を制御する。さらに、制御部89は、タイマ計時部94により、第3運転モードのとき強制タイマT3分、第4運転モードのとき強制タイマT4分計時されるまで、第3運転モードまたは第4運転モードに基づく運転が継続されるように制御する。
第5〜第6運転モードに切換えられているときについて説明する。制御部89は、イオン発生装置7からプラスイオンおよびマイナスイオンを各々4万個/cc発生するように制御する。また、制御部89は、第5運転モードのときターボファン5からの風量が「標準」となるように、第6運転モードのときターボファン5からの風量が「弱」となるように、送風機91を制御する。
第7〜第8運転モードに切換えられているときについて説明する。制御部89は、イオン発生装置7からプラスイオンおよびマイナスイオンを各々3万個/cc発生するように制御する。また、制御部89は、第7運転モードのときターボファン5からの風量が「微弱」となるように、第8運転モードのときターボファン5からの風量が「静音」となるように、送風機91を制御する。
第9運転モードに切換えられているときについて説明する。制御部89は、イオン発生装置7からマイナスイオンのみを各々4万個/cc発生するように制御する。また、制御部89は、ターボファン5からの風量が「標準」となるように送風機91を制御する。これにより、マイナスイオンであるO2 -がターボファン5により空間に放出されるため、たとえば、人をリラックスさせることができる。すなわち、リラクゼーション効果が得られる。
以上より、第1〜第8運転モードであるときには、略同量のプラスイオンとマイナスイオンとが同時に生成され、ターボファン5により放出され、浮遊菌などの粒子の表面に付着し、化学反応して活性種であるH2O2または・OHを生成する。これにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで殺菌することができる。すなわち、殺菌効果が得られる。
また、第1〜第4運転モードに切換えられているときには、図14で前述したように人が検知されていないときに切換えられる第5〜第8運転モードよりも、多いイオン量を室内に放出することができる。また、前述した図14のS1により、予め設定されている強制タイマ分運転が行なわれるまで、他の運転モード(たとえば、第5〜第8運転モード)に切換ることがない。これにより、確実に殺菌された快適空間を短時間で創出することができる。
また、図14で前述したように、活動量がA値以上かつ粒子径がB値以上であるときに切換えられる第1運転モードは、その他のいずれの運転モードよりも、多いイオン量を強い風量で室内に放出することができるように設定されている。これにより、室内の気流の循環速度が早まるため、短時間で浮遊する汚染物質を除去することができる。また、浮遊する汚染物質を一挙に殺菌および不活化することができる。なお、活動量がA値以上かつ粒子径がB値以下であるときに切換えられる第2運転モードについても同様の効果を奏する。
また、前述した図14のS16により、人が検出されているときであっても、活動量が変化していないときには、人が検出されていないときの処理と同様の処理が行なわれる。すなわち、埃センサ87および臭いセンサ88による検出に基づき、第5〜第8運転モードに切換えられるように構成されている。より具体的には、S16においてNOと判別されるときは、第1〜第4運転モードに切換えられ強制タイマ分運転されたことにより快適な空間が既に創出された後であるか、または、当該人が睡眠状態等であり活動が行なわれていない状態であるときである。そのため、人が室内にいるときであっても、第5〜第8運転モードに切換えられるように構成されている。これにより、たとえば、室内における人の活動量が少なく汚染物質の浮遊量もそれほど多くないときにまで、イオン量を多く発生させるような、無駄となる運転が行なわれることを未然に防止することができる。
また、前述した図14のS21により、人が検知されなくなってからT5以上経過したときには、第9運転モードに切換えられる。これにより、たとえば、その後入室する人に対しリラクゼーション効果が得られる心地よい環境を事前に創出しておくことができる。
また、前述した図14の自動運転モード切換処理は、活動量がA値以上であるか否かを判別した後に、粒子径がB値以上であるか否か、臭いレベルがC値以上であるか否かを判別するように構成されている。すなわち、活動量がA値以上であるか否かを優先して、第1〜第9運転モードを切換えるように構成されている。これにより、たとえば、人の活動量により変化する汚染物質の浮遊量に対して、最適なイオン量を発生する運転モードに切換えることができる。なお、このように、活動量がA値以上であるか否かを優先して運転モードを切換える制御は、自動運転に切換えられてから所定時間(たとえば、10分等)経過するまでの間だけ行なうようにしてもよい。
また、前述した実施の形態では、空気清浄機本体近辺の粒子径や臭いレベルだけでなく、CCDカメラ99の撮影可能範囲内における活動量に応じて、最適なイオン量を発生する運転モードに切換えることができる。すなわち、空気清浄機本体近辺だけでなく、本体から離れている場所における環境が汚染物質の浮遊量を増加させる環境であるか否かも考慮して、イオン発生装置7から発生させるイオン量を制御することができる。
次に『花粉運転』ボタン74が操作された場合の『花粉運転』モードでの運転を説明する。具体的には、制御部89により、一定時間の間、ターボファン5の風量を急速で運転する制御を行なう。その後、ターボファン5の風量を急速⇔静音に制御する。このように最大風量で一定時間回転させ、その後、最小風量にての回転を交互に繰り返しを行なうことにより、室内の空気をターボファン5で、前板2の吸込口11や前板2と本体前21との空間の側面吸込口30より吸込み、フィルタ3のプレフィルタ31で、室内より吸込んだ空気中の塵や埃の大きいものを捕集し、さらに脱臭フィルタ32では、プレフィルタ31を通過した空気の臭いの成分であるアセトアルデヒド、アンモニア、酢酸などを脱臭フィルタ32で吸着させ、最後に脱臭フィルタを通過した空気を集塵フィルタ33でプレフィルタをも通過した微細な塵や埃を捕集されるので、プレフィルタ31、脱臭フィルタ32、集塵フィルタ33の3種類のフィルタを出た空気は臭いや塵・埃のない空気となって、ターボファン5を介して、本体後22の吹出口6より室内に放出される。そのとき埃センサ87の検出結果に拘らず、制御部89は正負イオンの量を平均イオン濃度が10万個/ccとなるように制御する。このように高濃度の正負イオンが発生することにより空気中を浮遊する花粉アレルゲン、ユービッシュ体の十分な失活化が可能となる。なお、このときの平均イオン濃度は5万個/cc〜10万個/ccであれば花粉アレルゲンの失活化は可能である。
図17のフローチャートを参照して『運転切換』ボタン51が操作されて『花粉運転』モードの自動運転に切換えられてその運転開始が指示されたときの動作について説明する。
ユーザが『運転切換』ボタン51を押して、『花粉運転』モードの開始が指令されると、制御部89により、S50において送風駆動回路84を介してターボファン5の風量を急速とする運転を一定時間して、その後、S51においてターボファン5の風量を急速⇔静音に繰返し制御する。このような風量の制御により、並行してイオン発生装置7から発生する正負イオンは空気中にまんべんなく存在するように放出される。その後、S52において、イオン発生装置7の運転モードを図14に示した『自動運転』と同様な手順に従い制御する。その後は、『花粉運転』の終了指令がされ、S53でYESと判別されるまでは、すなわち他の種類の運転への切換え、または運転自体の停止が指令されるまでは、図14のフローチャートに従い『自動運転』による駆動制御が繰返される。
このように『花粉運転』モードにより空気中の花粉が減少し、集塵フィルタ33に付着する花粉の粒子も大幅に少なくなるので、フィルタのメンテナンスの間隔を長くすることができる。
上述のイオン発生装置7は1つのイオン発生素子101を有していたが、イオン発生素子101単体のイオン発生能力に応じて複数のイオン発生素子101を組合せて用いるようにしてもよい。
前述した実施の形態においては、人体センサ96を設け、たとえば、室内に人がいるか否かの判別を行なう例について説明したが、これに限らず、CCDカメラ99のみにより、室内の人の存在を判定するようにしてもよい。たとえば、CCDカメラ99により撮影された画像に基づく差分データが「0」であるか否かにより、たとえば、室内に人がいるか否かの判別を行なうようにしてもよい。これにより、製造コストを低減することができる。
なお、前述した実施の形態のように、人体センサ96とCCDカメラ99とを搭載する場合には、人体センサ96により人体が検知されているときにだけ、CCDカメラ99により画像を撮影し差分データを算出するように構成してもよい。これにより、常時CCDカメラ99による撮影を行なう必要がないため、たとえば、人の活動量を算出するために消費される電力を低減することができ、ランニングコストを低下させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
7 イオン発生装置、10 操作部、83 スイッチ判定部、84 送風駆動回路、85 イオン発生駆動回路、86 センサ判定部、87 埃センサ、88 臭いセンサ、89 制御部、90 制御基板、91 送風機、93 活動量判定部、94 タイマ計時部、96 人体センサ、98 差分処理部、99 CCDカメラ、101 イオン発生素子。
Claims (11)
- イオンを発生するイオン発生装置と、
該イオン発生装置より発生したイオンを放出する送風機と、
前記イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する制御部と、
移動する物を検出し、当該物が移動した移動量を算出する移動量算出部とを備え、
前記制御部は、前記移動量算出部により算出された移動量に応じたイオン量に制御する、空気調節装置。 - 前記移動量算出部は、
同一視野の画像を撮影する撮影部と、
前記撮影部が撮影した二つの画像の差分を算出する差分算出部とを有し、
前記差分算出部により、前記撮影部が撮影した画像と所定時間経過前に前記撮影部が撮影した画像との差分を算出し、算出された差分に応じて前記移動量を算出する、請求項1に記載の空気調節装置。 - 前記制御部は、前記イオン発生装置より発生させるイオン量が異なる複数種類の運転モードを選択的に切換える切換え手段を有し、
前記切換え手段は、前記移動量算出部により算出された移動量に応じたイオン量を発生させる運転モードに切換える、請求項1または請求項2に記載の空気調節装置。 - イオンを発生するイオン発生装置と、
該イオン発生装置より発生したイオンを室内に放出する送風機と、
室内の人の有無を検出する人体検出部と、
前記イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記人体検出部により人が検出されたときに、前記人体検出部により人が検出されていないときよりも多いイオン量に制御する、空気調節装置。 - イオンを発生するイオン発生装置と、
該イオン発生装置より発生したイオンを室内に放出する送風機と、
室内の人の有無を検出する人体検出部と、
前記イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記人体検出部により人が検出されてから少なくとも所定時間経過するまで、前記人体検出部により人が検出されていないときよりも多いイオン量に制御する、空気調節装置。 - イオンを発生するイオン発生装置と、
該イオン発生装置より発生したイオンを室内に放出する送風機と、
室内の人の有無を検出する人体検出部と、
空気中に浮遊する粒子の径を検出する粒子検出部と、
前記イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記人体検出部により人が検出されかつ前記粒子検出部により粒子径が所定径以上と検出されてから少なくとも所定時間経過するまで、前記人体検出部により人が検出されずかつ前記粒子検出部により粒子径が所定径以上でないと検出されたときよりも多いイオン量に制御し、
その後、前記粒子検出部により検出された粒子径に応じたイオン量に制御する、空気調節装置。 - イオンを発生するイオン発生装置と、
該イオン発生装置より発生したイオンを室内に放出する送風機と、
室内の人の有無を検出する人体検出部と、
空気中に浮遊する粒子の径を検出する粒子検出部と、
前記イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記人体検出部により人が検出されかつ前記粒子検出部により粒子径が所定径以上でないと検出されてから少なくとも所定時間経過するまで、前記人体検出部により人が検出されていないときよりも多いイオン量に制御し、
その後、前記粒子検出部により検出された粒子径に応じたイオン量に制御する、空気調節装置。 - イオンを発生するイオン発生装置と、
該イオン発生装置より発生したイオンを室内に放出する送風機と、
室内の人の有無を検出する人体検出部と、
空気中に浮遊する粒子の径を検出する粒子検出部と、
前記イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、運転開始から少なくとも所定時間経過するまで、前記粒子検出部により粒子径が所定径以上である検出がなされたか否かより、前記人体検出部により人が検出されたか否かを優先させて、前記イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する、空気調節装置。 - 前記制御部は、前記イオン発生装置より発生させるイオン量が異なる複数種類の運転モードを選択的に切換えて、前記イオン発生装置より発生させるイオン量を制御する、請求項4〜請求項8のいずれかに記載の空気調節装置。
- 前記人体検出部は、
赤外線を検出する赤外線検出部と、
該赤外線検出部が検出した赤外線の波長に応じて電圧を出力する電圧出力部と、
該電圧出力部から出力された電圧が基準電圧以上であるか否かを判定する判定部とを有し、
前記判定部により基準電圧以上である判定がなされたときに、室内の人の有を検出する、請求項4〜請求項9のいずれかに記載の空気調節装置。 - 前記イオン発生装置は、同時に、正イオンとしてH+(H2O)nと、負イオンとしてO2 −(H2O)mとを、略同量発生する、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の空気調節装置。
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