JP2005273823A - 回転抵抗付加機構付き歯車変速機 - Google Patents

回転抵抗付加機構付き歯車変速機 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、油温変動等によりインプットシャフト側に入力される回転抵抗の変動幅が比較大きくても、全運転域で確実にアイドルガラ音の発生を防止できる回転抵抗付加機構付き歯車変速機を提供することにある。
【解決手段】 クラッチ7を介してエンジン1からの動力が入力されトップギヤ33を設けたインプットシャフト12と、インプットシャフト12と関連して変速機8内に収容されトップギヤ33に噛み合うカウンタシャフトドライブギヤ36を設けたカウンタシャフト32と、カウンタシャフト32に回転抵抗を与える回転抵抗付加手段38と、変速機8内のオイルの油温Tmを検出する油温検出手段52と、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数検出手段53と、エンジン1がアイドル回転域Neaで油温Tmが所定温度域Tm1にあると回転抵抗付加手段38をカウンタシャフト32に回転抵抗を与えるよう駆動させる制御手段46とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のエンジン駆動系に配備される歯車変速機におけるインプットシャフトとカウンタシャフトとに設けられる各ギア間のバックラッシュに起因する騒音を防止する回転抵抗付加機構付き歯車変速機に関する。
車両のエンジン駆動系に配備される歯車変速機では、その変速位置を中立位置にしてエンジンをアイドリング運転すると、クラッチを介して回転が伝達される歯車変速機付近から所謂アイドルガラ音が発生することがある。
この歯車変速機のアイドルガラ音は、アイドル運転時のエンジンの回転角変動及びトルク変動を起振源とした捩り振動により変速機内のギヤの噛合い部がバックラッシの範囲内で相対変位する際に生じる。即ち、クラッチを介して変速機内に伝達されたエンジンの回転角変動は、摺動抵抗やオイル粘度等の回転抵抗からなる入力回転抵抗に打ち勝って互いに押し付けられていたギヤにバックラッシュ内で分離が生じ、その際、ギヤ同士の叩き合いが生じ、異音が発生している。
なお、クラッチのインプットシャフトに入力されるカウンタシャフトおよびメインシャフト側からの回転抵抗R(%)は歯車変速機内の油温Tm(℃)の増加に応じて低減し、図7に示すように比較的変動幅の低い破線で示す特性のものや、比較的変動幅の大きい実線で示す特性のものが知られている。
ところで、通常のクラッチディスクDは、たとえば、図9(a)、(b)に示すように、ボス100と一体のインナプレート110と、このインナプレート110を挟持し相対回転変位する一対のアウタプレート120およびフェ−シング130と、インナプレート110および一対のアウタプレート120のそれぞれに形成されるばね収容穴111、121に共に嵌合するダンパスプリング140とを備える。クラッチディスクDはインナプレート110とアウタプレート120の相対的な回転角変位に応じてダンパスプリング140が圧縮変形することで、回転角変位を吸収するというダンパ作動を行うもので、その捩り特性を図8に示した。
ここで、所定ばね定数のダンパスプリング140によって、アウタプレート120(エンジンフライホイール側)に対するインナプレート110(歯車変速機側)の相対的な回転角変動を吸収するというダンパ作動可能域Enはダンパスプリング140に入力される入力回転抵抗Rの大小に影響され、その特性を図7に重ねて示した。
ここで、変速機内でのアイドルガラ音は、ダンパスプリングのばね定数に加え変速機内の油温と相関することから、油温が通常使用温度域(例えば、図7で15℃以上)にある場合において、アイドルガラ音が最小値となるように、ダンパスプリングのばね定数やヒステリシス、ギヤ噛合い部のバックラッシ量、或いは回転抵抗等の変速機の諸条件が設定されている。
このようにクラッチでは、その回転角度−捩じりトルク特性を考慮した上で、インプットシャフト側に加わる入力回転抵抗Rがどの程度の範囲で変動しているかを考慮し、それに合わせてここでのクラッチのダンパ作動可能域Enを通常使用油温域(例えば、図7での15℃以上)に重なるように設定している。
なお、歯車変速機の回転ガラ音を防止するにあたり、歯車変速機のトップギヤとカウンターシャフトドライブギヤ間のバックラッシュを機械的に減少させる方法が知られており、例えば、トップギヤとカウンターシャフトドライブギヤとにそれぞれ同心的に環状の弾性体を取り付け、両者を弾性的に圧接させたまま回転させることでバックラッシュ内でのギヤの叩き合いを排除する技術が特開平10―38054号公報(特許文献1)に開示される。更に、カウンターシャフトと変速機ケーシング間に一対のブレーキディスクを設け、両ブレーキディスクをピストンで断接駆動するようにし、第1速や後退段でカウンターシャフトに制動力を加え、低速時のガラ音を防止する技術が特公平4―81068号公報(特許文献2)に開示される。
特開平10―38054号公報 特公平4―81068号公報
上述のように、クラッチのダンパスプリングが有するダンパ作動可能域Enは油温が通常使用温度域側(例えば15℃以上)にある場合の入力回転抵抗変動域をカバーできるように設定されるが、図7に示すEc域のように油温が通常の使用温度域を外れる低温域であると、その運転域はダンパ作動可能域Enより外れ、歯車変速機の回転ガラ音を防止することができなくなる。
このように、入力回転抵抗の変動域が大きい場合、あるいは製品誤差によって入力回転抵抗の変動域がずれるような場合、これをクラッチのダンパスプリングが有するダンパ作動可能域Enによりすべてをカバーすることはできず、このカバーできない入力回転抵抗の変動域Ecでの運転時には歯車変速機の回転ガラ音が発生することとなり、その改善が望まれている。
本発明は以上のような課題に基づきなされたもので、目的とするところは、油温変動、製品誤差等によりインプットシャフト側に入力される回転抵抗の変動幅が比較的大きくても、アイドルガラ音の発生を全運転域で防止できる回転抵抗付加機構付き歯車変速機を提供することにある。
この発明の請求項1に係る回転抵抗付加機構付き歯車変速機は、クラッチを介してエンジンからの動力が入力されトップギヤを一体的に設けたインプットシャフトと、上記インプットシャフトと関連して変速機内に収容され前記トップギヤに噛み合うカウンタシャフトドライブギヤを一体的に設けたカウンタシャフトと、上記カウンタシャフトに回転抵抗を与える回転抵抗付加手段と、上記変速機内オイルの油温を検出する油温検出手段と、上記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、上記エンジンが所定低回転数域で上記油温が所定温度域にあると上記回転抵抗付加手段を上記カウンタシャフトに回転抵抗を与えるよう駆動させる制御手段と、を具備したことを特徴とする。
この発明の請求項2に係る回転抵抗付加機構付き歯車変速機は、請求項1記載の回転抵抗付加機構付き歯車変速機において、上記クラッチのダンパスプリングに応じて同ダンパスプリングがエンジンフライホイールに対するインプットシャフト側の回転角変動を吸収すべくダンパ作動可能なダンパ作動可能域が設定され、上記所定温度域は上記ダンパ作動可能域の下限値を下回る低回転抵抗域に対応する温度域として設定されることを特徴とする。
この発明の請求項3に係る回転抵抗付加機構付き歯車変速機は、請求項1又は請求項2記載の回転抵抗付加機構付き歯車変速機において、上記回転抵抗付加手段は上記カウンタシャフトに断接手段を介して回転抵抗を与え、上記制御手段は上記エンジンが所定低回転数域上記油温が所定温度域にあると上記回転抵抗付加手段を上記断接手段を介し上記カウンタシャフトに連結することを特徴とする。
この発明の請求項4に係る回転抵抗付加機構付き歯車変速機は、請求項3記載の回転抵抗付加機構付き歯車変速機において、上記断接手段は電磁クラッチであり、上記回転抵抗付加手段はオイル攪拌手段であることを特徴とする。
この発明の請求項5に係る回転抵抗付加機構付き歯車変速機は、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の回転抵抗付加機構付き歯車変速機において、上記所定低回転数域はアイドル回転数域であることを特徴とする。
本発明によれば、変速機の油温が所定温度域にあると回転抵抗付加手段をカウンタシャフトに回転抵抗を与えるよう駆動させ、これによりインプットシャフトのトップギヤとカウンタシャフトのカウンタシャフトドライブギヤとの間のバックラッシュを排除し、ギヤ同士が叩き合うことによるアイドルガラ音の発生を防止できる。
更に、本発明によれば、クラッチのダンパスプリングに応じて設定されるダンパ作動可能なダンパ作動可能域の下限値を下回る低回転抵抗域に対応する温度域が所定温度域として設定され、その運転域でカウンタシャフトに回転抵抗を与えるよう駆動するので、トップギヤとカウンタシャフトドライブギヤとの間のバックラッシュを排除し、ギヤ同士が叩き合うことによるアイドルガラ音の発生を防止できる。
更に、本発明によれば、エンジンが所定低回転数域で油温が所定温度域にあると回転抵抗付加手段を断接手段を介しカウンタシャフトに連結し、カウンタシャフトに回転抵抗を与えるよう駆動させるので、比較的簡素な構造を採用でき、コスト低減を図れる。
更に、本発明によれば、電磁クラッチとオイル攪拌手段を用いてカウンタシャフトに回転抵抗を与えるので、応答性よく断接操作を行え、コスト低減を図れる。
更に、本発明によれば、アイドル回転数域で油温が所定温度域にあると回転抵抗付加手段によりカウンタシャフトに回転抵抗を与えるよう駆動させるので、確実にアイドルガラ音の発生を防止できる。
図1、2には本発明の一実施形態にかかる回転抵抗付加機構付き歯車変速機を示した。この回転抵抗付加機構付き歯車変速機は不図示の車両のエンジン1に連結されるエンジン回転伝達系2内に配備される。エンジン回転伝達系2はエンジン本体3に枢支されるクランクシャフト4に一体的に設けられるフライホイール5より車輪6に向けて回転力を伝達するもので、フライホイール5に接続されるクラッチ7、変速機8、推進軸9、車軸11とこの順に連結されたものである。
図2に示すように、クラッチ7はフライホイール5側の回転を同一中心線L1に沿って配設されるインプットシャフト12側に断接可能に伝達する。このクラッチ7はフライホイール5に締結されるカバー13と、カバー13に支持され外周縁に対し内周縁がてこ作動可能なダイヤフラムスプリング14と、ダイヤフラムスプリング14の内周縁を中心線L1方向に押圧可能なレリーズベアリング15と、レリーズベアリング15を押圧するレリーズレバー16と、クラッチケーシング17の内壁より突き出す筒状突部18内に枢着されるインプットシャフト12と、ダイヤフラムスプリング14の外周縁に係止されフライホイール5に向け押圧付勢されるプレッシャプレート19と、フライホイール5とプレッシャプレート19とに挟持され、ボス部21がインプットシャフト12にスプライン結合されるクラッチディスク22とを備える。
クラッチ7は不図示のクラッチペダルの踏み込み操作により、その操作力がレリーズレバー16、レリーズベアリング15、ダイヤフラムスプリング14に伝わり、プレッシャプレート19をクラッチディスク22のフェ−シング20より離隔させることでクラッチ断操作がなされるよう構成される。
クラッチディスク22は比較的低いばね定数の第1のダンパスプリング23によって、フェ−シング20(フライホイール5側)に対するボス部21と一体回転するインプットシャフト12(歯車変速機8側の回転抵抗を受ける)の相対的な第1回転角変動域a1(図3、5参照)での変動を吸収するダンパ作動をし、比較的高いばね定数の第2のダンパスプリング24によってエンジン駆動力伝達系2のその他の部位で生じる第2回転角変動域a2での変動を緩衝する緩衝作動をする。なお、クラッチディスク22は基本的には図9(a)、(b)に示した第1ダンパスプリング23のみの構成に新たに第2スプリング24を追加して、図5に示すような2段に変化する捩り特性が得られるように形成されている。なお、図2、3に示すように、第1ダンパスプリング23がボス21と一体のインナプレート25と一対の第1アウタプレート26間の両ばね収容穴27に装着され、 第2ダンパスプリング24が一方の第1アウタプレート26と一対の第2アウタプレート28間の両ばね収容穴29、29’に装着される。なお、第2アウタプレート28側のばね収容穴29’は第1アウタプレート26側の両ばね収容穴29より回転角方向に大きく形成され空作動域Δaを確保している。
このようなクラッチ7の第1ダンパスプリング23にインプットシャフト12を経て変速機8側より加わる入力回転抵抗Rは図4に実線で示すような油温―入力回転抵抗の変動特性に応じた値で入力される。
図5に示したように、クラッチ7は第1回転角変動域a1でダンパ作動をし、その際、第1ダンパスプリング23のばね定数のマッチング処理により入力回転抵抗Rが30〜70パーセントにある領域でフライホイール5に対するインプットシャフト12側の回転角変動を吸収すべくダンパ作動するダンパ作動可能域E1が設定されている。
すなわち、クラッチ7はその第1ダンパスプリング23がダンパ作動可能域E1で働くことで、油温Tmが0℃〜20℃の領域で加わる入力回転抵抗Rを確実に吸収してダンパ作動し、この運転域ではアイドルガラ音の発生を防止できる。
変速機8はそのケーシング29内に同一中心線L1に沿ってインプットシャフト12とメインシャフト31を直列配備し、これらに対し所定間隔を介しカウンタシャフト32を並列配備しており、各シャフトは複数の軸受けBを介しケーシング29に枢支されている。インプットシャフト12はその後端にトップギヤ33を一体形成され、その中心部にメインシャフト31の先端を不図示の軸受けを介し枢支する。メインシャフト31はその後端側をケーシング29より突出し、カップリング34を介し推進軸9に連結される。推進軸9の後端は駆動輪6の車軸11にディファレンシャル35を介し連結される。
カウンタシャフト32はその一端にトップギヤ33と常時噛合うカウンタシャフトドライブギヤ36(以後単にドライブギヤと記す)を一体的に配備し、しかも第1速乃至第3速用のカウンタシャフトギヤ321、322、323を一体的に取り付ける。更に、カウンタシャフト32はその他端に断接手段としての電磁クラッチ37を介し回転抵抗付加手段をなすオイル攪拌装置38を連結する。
メインシャフト31はカウンタシャフト32の第1速乃至第3速用のギヤに常時噛合うと共にシンクロ機構を介してメインシャフト31に連結可能な第1速乃至第3速用のメインシャフトギヤ311、312、313を備える。なお、カウンタシャフト32とメインシャフト31には不図示のバックギヤがそれぞれ一体的に取付けられ、これらは不図示の反転用ギヤの噛合い時に反回転力をメインシャフト31側に伝達できる。
第3速メインシャフトギヤ313とトップギヤ33間に第1シンクロ機構39が、第2速メインシャフトギヤ312と第1速メインシャフトギヤ311間に第2シンクロ機構41が配備される。これら第1、第2シンクロ機構39、41は同様の構成を採る。たとえば、第1シンクロ機構側39では、変速切換え作動時に第1シフトフォーク42のシフト作動力を受けることで不図示のシンクロハブにスプライン嵌合するスリーブ43を回転中心線L1方向に摺接させ、これに連動する第3速ギヤ313側のシンクロリング44のコーン面(不図示)を第3速ギヤ313側に摺動させ、あるいは、トップギヤ33側のシンクロリング44のコーン面(不図示)をトップギヤ33側に摺動させる。ここで、第3速ギヤ313側にシフトされる場合、不図示のシンクロハブと第3速ギヤ313側を同期作動させ、同期した第3速ギヤ313をメインシャフト31に一体的に結合させることでカウンタシャフト32側の回転力をメインシャフト31側に第3速段での変速処理をして伝達できる。同様に、トップギヤ33側にシフトされる場合、不図示のシンクロハブとトップギヤ33側を同期作動させ、同期したインプットシャフト12をメインシャフト31に一体的に結合させることでインプットシャフト12側の回転力をメインシャフト31側に直結である第4速(トップ)で伝達できる。なお、第1シンクロ機構39と同様に第2シンクロ機構41でも第2速あるいは第3速への変速をシンクロ機構を介しスムーズに行うことができる。
カウンタシャフト32の他端は軸受けBを介しケーシング29側に枢支され、他端近傍に電磁クラッチ37を介し回転抵抗付加手段であるオイル攪拌装置38が連結される。
電磁クラッチ37は駆動回路45を介しコントローラ46に接続され、コントローラ46のオン信号に応じてカウンタシャフト32の他端側デスク48と、それに相対回転可能に外嵌する回転筒47側のディスク49を連結し、オフ信号で遮断する。
オイル攪拌装置38はカウンタシャフト32に外嵌する回転筒47を備え、回転筒47の一端が電磁クラッチ37内のディスク49に接続される。回転筒47の一端近傍にはその外周方向に沿って複数の攪拌羽根51が取り付けられている。各攪拌羽根51はケーシング29内のオイルの油面foより下方域を回転移動する際に、オイルをその油温相当の粘性に打ち勝って攪拌し、その攪拌作動により受ける回転抵抗をカウンタシャフト32側に伝達するように形成される。ここでオイル攪拌装置38が受ける回転抵抗は各攪拌羽根51の形状、アイドル回転数Nea、油温Tm等の要因に基づき変化する。
変速機8のインプットシャフト12、即ちクラッチ7の第1のダンパスプリング23に加わる入力回転抵抗Rは図4に実線で示すような油温―入力回転抵抗Rの変動特性を有する。ここで油温が20℃を上回ると、基本的には変速機8のインプットシャフト12、即ちクラッチ7の第1ダンパスプリング23に加わる入力回転抵抗Rが第1ダンパスプリング23のダンパ作動可能域E1に含まれなくなり、フライホイール5に対するインプットシャフト12側の回転角変動を吸収すべくダンパ作動できない。
しかし、ここではこの特性を踏まえて、所定低回転数域であるアイドル回転数域であって油温が所定温度域である20℃を上回る温度域にあると、コントローラ46が電磁クラッチ37にオン信号を出力するよう制御する。これにより、油温が20℃を上回る運転域において、オイル攪拌装置38の攪拌羽根51が受ける油温相当の回転抵抗が図4に破線で示すような油温―入力回転抵抗Rの変動特性に沿ってカウンタシャフト32よりインプットシャフト12側に付加される。この結果、油温が20℃を上回る運転域においてもインプットシャフト12に加わる入力回転抵抗Rは、クラッチ7の第1のダンパスプリング23のダンパ作動可能域Eに入るようにチューニングされることとなる。即ち、第1のダンパスプリング23の働きで油温が20℃を上回る運転域においても入力回転抵抗Rを吸収してダンパ作動し、アイドルガラ音の発生を防止することができる。
コントローラ46は油温検出手段52により検出された変速機8内オイルの油温Tmを取り込み、エンジン回転数検出手段53により検出されたエンジン回転数信号Neを取り込み、その上で制御手段として回転抵抗付加制御を行う。即ち、コントローラ46はエンジン1が所定低回転数域であるアイドル回転域Neaで油温が所定温度域Tmにあるとオイル攪拌装置38(回転抵抗付加手段)を電磁クラッチ37(断接手段)を介しカウンタシャフト32に連結し、回転抵抗を与えるという回転抵抗付加制御機能を備え、図6に示すような回転抵抗付加制御を実行する。
このような回転抵抗付加機構付き歯車変速機8の作動をコントローラが行う図6の回転抵抗付加制御処理に沿って説明する。
不図示のメインスイッチがオンし、ステップs1に達するとエンジン回転数Ne、油温Tmの各データを取り込み、所定の記憶処理をし、ステップs2に進む。ステップs2ではエンジン回転数Neがクランキング判定値Necより大きくアイドル判定値Nea以下のアイドル運転域か否かの判定をし、アイドル運転域でないとこの回の制御を終了し、アイドル運転域にあるとステップs3で油温Tmが20℃を上回るか否か判断し、以下ではこの回の制御を終了し、上回るとステップs4に進む。
なお、油温Tmが20℃以下でのアイドル運転域では図4に実線で示す油温―入力回転抵抗Rの変動特性に沿って入力回転抵抗Rがカウンタシャフト32よりインプットシャフト12側に伝わり、その時の入力回転抵抗Rは第1ダンパスプリング23のダンパ作動可能域E1に入ることより、確実に第1のダンパスプリング23の働きで入力回転抵抗Rを吸収してダンパ作動し、アイドルガラ音の発生を防止することができる。
ステップs4に達すると、ここでは現在アイドル運転域で、油温Tmが20℃を上回る運転域であることより、電磁クラッチ37の駆動回路45にオン信号を発する。これにより電磁クラッチ37が接処理され、オイル攪拌装置の攪拌羽根51が受ける油温相当の回転抵抗がカウンタシャフト32よりインプットシャフト12側に伝わり、インプットシャフト12側の回転抵抗が油温が20℃を上回る運転域においても第1ダンパスプリング23のダンパ作動可能域E1に入ることとなり、このダンパスプリング23の働きで入力回転抵抗Rを吸収してダンパ作動し、アイドルガラ音の発生を防止することができる。
このように、図4に示す油温―入力回転抵抗線図に応じた入力回転抵抗Rがクラッチ7の第1ダンパスプリング23に加わるとしても、あるいは、製品誤差等によりインプットシャフト12側に入力される回転抵抗の変動幅が比較大きくなるものであっても、油温Tmが20℃を上回る高温領域に入ると、電磁クラッチ37を接合処理し、オイル攪拌装置の攪拌羽根51が受ける油温相当の回転抵抗をカウンタシャフト32よりインプットシャフト12側に伝えて入力回転抵抗Rを引き上げ、その入力回転抵抗Rが第1ダンパスプリング23のダンパ作動可能域E1に入るように処理する。このため、油温が20℃を上回る高温領域に入り、回転抵抗が低下する運転域であっても第1ダンパスプリング23がダンパ作動可能域E1で作動してトップギヤ33とドライブギヤ36間やカウンタシャフト32とメインシャフト31間の各ギヤのバックラッシュを低減し、アイドルガラ音の発生を防止することができる。
上述のところにおいて第1のダンパスプリング23はそのダンパ作動可能域E1が油温20℃を上回る場合の入力回転抵抗Rを吸収し、ダンパ作動できるように設定されていたが、この閾値としての油温は車両が通常走行する地域に応じた油温が適宜設定され、その油温に対応する入力回転抵抗Rの特性によりダンパ作動可能域E1も適宜修正される。更に、回転抵抗付加手段はオイルの粘性に基づく回転抵抗を付加するオイル攪拌装置38であったが、その他の水等の流体を攪拌する攪拌装置を採用し、油温が所定温度を上回る高温領域に入る場合にカウンタシャフトよりインプットシャフトに加わる回転抵抗を増加させ、ダンパ作動可能域での入力回転抵抗を吸収するダンパ作動を有効に行なわせ、アイドルガラ音の発生を防止してもよい。
更に、上述のところにおいて所定低回転数域はアイドル回転域Neaとして説明したが、場合により、所定低回転数域はアイドル回転域Neaに+αしてアイドル回転数Neaより多少大きめに設定しても良い。この場合、低速運転時にカウンターシャフトに制動力を加え、低速時のガラ音を防止することが可能となる。
上述のところにおいて、回転抵抗付加機構付き歯車変速機はインプットシャフトとメインシャフトが同一中心線上に直列配備される変速機として説明したが、インプットシャフトに対してカウンタシャフトやメインシャフトが順次所定間隔を介し並列配備されるその他のギヤ配列構成を採る変速機にも同様に適用できる。
本発明の一実施形態にかかる回転抵抗付加機構付き歯車変速機の装着されるエンジン駆動力伝達系の概略図である。 図1のエンジン駆動力伝達系に配備されるクラッチおよび変速機の概略断面図である。 図1のエンジン駆動力伝達系で用いるクラッチの正面図である。 図1のエンジン駆動力伝達系のクラッチのダンパスプリングが受ける油温変化に応じた入力回転抵抗特性とこれにマッチングするよう設定されるダンパ作動可能域の対応を説明する線図である。 図1のエンジン駆動力伝達系で用いるクラッチのクラッチ捩じり特性線図である。 図1の回転抵抗付加機構付き歯車変速機で用いるコントローラが行う回転抵抗付加制御ルーチンのフローチャートである。 従来のクラッチのダンパスプリングが受ける油温変化に応じた入力回転抵抗特性線図である。 従来のクラッチのクラッチ捩じり特性線図である。 従来のクラッチを示し、(a)は正面図、(b)は断面図である。
符号の説明
1 エンジン
7 クラッチ
8 変速機
12 インプットシャフト
32 カウンタシャフト
33 トップギヤ
36 カウンタシャフトドライブギヤ
37 電磁クラッチ(断接手段)
38 オイル攪拌装置(回転抵抗付加手段)
46 コントローラ(制御手段)
52 油温検出手段
53 エンジン回転数検出手段
Ne エンジン回転数
Nea アイドル回転域の閾値
Tm オイルの油温
Tm1 所定温度域

Claims (5)

  1. クラッチを介してエンジンからの動力が入力されトップギヤを一体的に設けたインプットシャフトと、
    上記インプットシャフトと関連して変速機内に収容され上記トップギヤに噛み合うカウンタシャフトドライブギヤを一体的に設けたカウンタシャフトと、
    上記カウンタシャフトに回転抵抗を与える回転抵抗付加手段と、
    上記変速機内オイルの温度を検出する油温検出手段と、
    上記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    上記エンジンが所定低回転数域で上記油温が所定温度域にあると上記回転抵抗付加手段を上記カウンタシャフトに回転抵抗を与えるよう駆動させる制御手段と、
    を具備したことを特徴とする回転抵抗付加機構付き歯車変速機。
  2. 請求項1記載の回転抵抗付加機構付き歯車変速機において、
    上記クラッチのダンパスプリングに応じて同ダンパスプリングがエンジンフライホイールに対するインプットシャフト側の回転角変動を吸収すべくダンパ作動可能なダンパ作動可能域が設定され、
    上記所定温度域は上記ダンパ作動可能域の下限値を下回る低回転抵抗域に対応する温度域として設定されることを特徴とする回転抵抗付加機構付き歯車変速機。
  3. 請求項1又は請求項2記載の回転抵抗付加機構付き歯車変速機において、
    上記回転抵抗付加手段は上記カウンタシャフトに断接手段を介して回転抵抗を与え、
    上記制御手段は上記エンジンが所定低回転数域で上記油温が所定温度域にあると上記回転抵抗付加手段を上記断接手段を介し上記カウンタシャフトに連結することを特徴とする回転抵抗付加機構付き歯車変速機。
  4. 請求項3記載の回転抵抗付加機構付き歯車変速機において、
    上記断接手段は電磁クラッチであり、上記回転抵抗付加手段はオイル攪拌手段であることを特徴とする回転抵抗付加機構付き歯車変速機。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の回転抵抗付加機構付き歯車変速機において、
    上記所定低回転数域はアイドル回転数域であることを特徴とする回転抵抗付加機構付き歯車変速機。
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