JP2005273821A - 嵌装部材及びその製造方法 - Google Patents

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    • F16H61/0003Arrangement or mounting of elements of the control apparatus, e.g. valve assemblies or snapfittings of valves; Arrangements of the control unit on or in the transmission gearbox

Abstract

【課題】 嵌装部材本体の材料の種類に関わらず、耐磨耗性を向上させ、寸法公差を大きくすることにより、加工コストを低減することができる嵌装部材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 被嵌装部材と嵌装構造を形成する嵌装部材であって、嵌装部材本体3と嵌装部材本体3を被覆する被膜とからなり、被膜は、嵌装部材本体3を形成する材料より弾性変形し易い合成樹脂層1と合成樹脂層1の表面から露出する無機粒子2とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被嵌装部材と嵌装構造を形成する嵌装部材及びその製造方法に関する。
嵌装部材は、被嵌装部材と嵌装構造を形成するものである。そして、嵌装部材は、通常、被嵌装部材の構造や寸法に対応するように構成される。そして、隙間嵌め、締まり嵌め等の嵌装構造を形成する際の嵌装部材の設計、製造には、高い寸法精度が要求される。このため、一般的な金属材料で嵌装部材を作製する場合には、数回の冷間鍛造と精密な切削加工が必要となり、加工コストが高いものとなっていた。
上記課題に対しては、冷間鍛造性に優れた金属材料や成形加工が容易な合成樹脂を用いて嵌装部材を作製することにより、加工コストを低減させることについて検討されている。なお、これらの技術は通用の技術であるため、先行技術文献は記載できない。
一方、嵌装構造の具体例としては、自動車のトランスミッションとトランスミッションの油圧を制御する電磁弁との取付構造(例えば、特許文献1参照)が知られている。すなわち、トランスミッションと電磁弁とは、図2に示すように電磁弁のベース部11を嵌装部材とすると、被嵌装部材となるトランスミッションの孔部に嵌装することによって取付けられる。そして、電磁弁のベース部11とトランスミッションの孔部とは、隙間から油が漏れないように嵌装構造のクリアランスが10〜15μm程度となるように精密に作製されている。
特開平6−241333号公報(第1、3図)
上記トランスミッションと電磁弁との嵌装構造の例では、トランスミッションの振動や油圧の変化等によって、嵌装部に外力を受ける。このため、電磁弁のベース部11の外面は、トランスミッションの孔部の内面に対して摺動することになる。したがって、通常、ベース部11や孔部には、耐磨耗性を高くするためケイ素の含有量が多いアルミニウム材が用いられる。
これに対して、電磁弁のベース部11を良好な冷間鍛造性を有する柔らかい金属材料や合成樹脂を用いて作製した場合には、摺動によって電磁弁のベース部11のみが一方的に磨耗される。そして、その結果、嵌装構造のクリアランスが許容範囲以上に大きくなり、油漏れが発生する虞がある。
また、トランスミッション及び電磁弁は、−40℃〜150℃の温度雰囲気下で使用される。したがって、電磁弁のベース部11として特に合成樹脂を用いた場合には、熱膨張率が大きいため、熱によるベース部11の外径の寸法変化はトランスミッションの金属製の孔部の内径の寸法変化よりも大きくなる。このため、ベース部11と孔部との接触圧力は高くなり、ベース部はより磨耗し易くなる。
さらに、成形加工によって電磁弁のベース部11を作製する場合には、上記のようにクリアランスを10〜15μmの寸法精度で制御することは難しい。
このように、冷間鍛造性に優れた金属材料や合成樹脂を用いた嵌装部材では、適用できる用途が限定されるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、嵌装部材本体の材料の種類に関わらず、耐磨耗性を向上させ、寸法公差を大きくすることにより、加工コストを低減することができる嵌装部材及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するための本発明に係る嵌装部材の第1特徴構成は、被嵌装部材と嵌装構造を形成する嵌装部材であって、嵌装部材本体と当該嵌装部材本体を被覆する被膜とからなり、当該被膜は、前記嵌装部材本体を形成する材料より弾性変形し易い合成樹脂層と当該合成樹脂層の表面から露出する無機粒子とを有する点にある。
つまり、この構成によれば、無機粒子が被嵌装部材と接触することになるため、嵌装部材における嵌装部自体の耐磨耗性を向上させることができる。
また、嵌装部材本体よりも弾性変形し易い合成樹脂層によって、嵌装部材と被嵌装部材との接触力を吸収し、小さくすることができるため、嵌装部の摩擦力も小さくすることができる。このため、嵌装部材の耐磨耗性を向上させることができる。さらに、上述の通り嵌装部の摩擦力が小さくなるため、被嵌装部材についても無機粒子に対して磨耗し難くすることができる。
また、本発明の嵌装部材は、合成樹脂層の弾性変形によって、その厚み分の寸法変動が可能であるため、嵌装の際の被嵌装部材に対する寸法公差を大きくすることができる。このため、嵌装部材の加工精度を低くすることができる。
さらに、嵌装部材本体に熱膨張率が高い材料を用いた場合であっても、高温雰囲気下における嵌装部材本体の寸法変化分を合成樹脂層が弾性変形することで吸収することができる。
したがって、本発明に係る嵌装部材は、嵌装部材本体の材料の種類に関わらず、高い耐磨耗性を有し、被嵌装部材に対する寸法公差を大きくすることができるため、加工コストを低減させることができる。
なお、本発明に係る嵌装部材は、嵌装構造を形成するいずれの部材であってもよい。
本発明に係る嵌装部材の第2特徴構成は、前記合成樹脂層はフッ素含有樹脂層であり、前記無機粒子はセラミック粒子である点にある。
つまり、この構成によれば、フッ素含有樹脂は優れた弾力性、耐熱性、耐油性を有し、セラミック粒子は高い硬度を有するため、嵌装部材本体の材料の種類に関わらず、様々な用途に適用することができる。
本発明に係る嵌装部材の第3特徴構成は、前記セラミック粒子はアルミナ粒子である点にある。
つまり、この構成によれば、アルミナ粒子は、安価で、熱膨張率が低いため、高温雰囲気下で使用する用途にも適用することができる。
本発明に係る嵌装部材の製造方法の特徴手段は、無機粒子が分散した合成樹脂溶液を嵌装部材の表面に塗布し、前記合成樹脂溶液中の溶媒を蒸発させて、前記合成樹脂溶液中の溶質を乾燥固化させることによって、合成樹脂層の表面から前記無機粒子が露出した被膜を形成する点にある。
つまり、この構成によれば、無機粒子が均一に露出し、均一な膜厚を有する被膜を作製することができる。
本発明に係る嵌装部材は、被嵌装部材と嵌装構造を形成するもので、嵌装部材本体とその嵌装部材本体を被覆する被膜とからなり、その被膜は、嵌装部材本体を形成する材料より弾性変形し易い合成樹脂層と合成樹脂層の表面から露出する無機粒子とを有するものである。これにより、本発明の嵌装部材は、耐磨耗性を向上させ、実質的に被嵌装部材に対する寸法公差を大きくすることができる。したがって、嵌装部材本体を形成する材料の種類に関わらず、また、嵌装構造を形成する部材のいずれかを問わず、様々な嵌装構造に適用することができる。
以下、本発明に係る嵌装部材について、その被膜の一例を図1に示して説明する。すなわち、嵌装部材は、合成樹脂層1の表面から無機粒子2が露出した被膜が、嵌装部材本体3の表面を被覆しているものである。すなわち、嵌装部においては、無機粒子2と被嵌装部材(図示せず)とが接触することになるため、嵌装部材の嵌装部自体の耐磨耗性を向上させることができる。さらに、嵌装部材本体3よりも弾性変形し易い合成樹脂層1によって、嵌装部材と被嵌装部材との接触力を吸収し、小さくすることができるため、嵌装部の摩擦力も小さくすることができる。このため、嵌装部材が磨耗し難くなるだけでなく、被嵌装部材についても無機粒子2に対して磨耗し難くなる。また、本発明の嵌装部材は、合成樹脂層1の弾性変形によって、その厚み分の寸法変動が可能であるため、嵌装の際の被嵌装部材に対する寸法公差を大きくすることができる。
合成樹脂層1は、上述の通り嵌装部材本体3の材料よりも弾性変形し易い合成樹脂を主成分とするものであり、これにより被嵌装部材から受ける外力を嵌装部材本体3に伝達することなく吸収することができる。合成樹脂の適用には、特に制限はないが、ヤング率が低い合成樹脂の方が好ましく、具体的には、例えば、フッ素系ゴム等のフッ素含有樹脂、アクリル系ゴム、シリコン系ゴム等が好ましく適用することができる。また、合成樹脂層1の厚みは、任意に設定可能であるが、例えば、10〜30μm程度の層の厚みであれば、嵌装部材本体3に均一に被覆することができ、被嵌装部材から嵌装部材に及ぼされる外力をも吸収することができるため、好ましい。
特に、本発明の嵌装部材を、例えば、図2に示す従来公知のトランスミッションの電磁弁のベース部11に適用する場合には、ベース部11は高温雰囲気下でトランスミッション油に晒されるため、合成樹脂層1に適用する合成樹脂は、耐熱性、耐油性を有するものが好ましい。具体的には、フッ化ビニリデンに対し、四フッ化エチレンとプロプレンとを交互に共重合したフッ素含有樹脂が好ましく適用できる。このフッ素含有樹脂は、酸、アルカリ、アミンに対しても、耐久性を有するため、エンジンの油圧を制御する電磁弁のベース部の合成樹脂層1としても適用可能である。
無機粒子2は、被嵌装部材と直接接触するものである。このため、硬度が高い方が好ましく、具体的には、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア等のセラミック粒子が好ましい。また、高温雰囲気下で使用する場合には熱膨張率が小さい方が好ましく、さらにコストの点も考慮した場合には、特にαアルミナ粒子が好ましい。
無機粒子2の粒径は、合成樹脂層1の厚みによって任意に選択可能であるが、例えば、合成樹脂層1の厚みが10μm程度の場合は、粒径は10〜20μm程度のものが好ましい。すなわち、粒径が20μmよりも大きくなると、無機粒子2は、合成樹脂層1から露出し過ぎてしまい、合成樹脂層1と無機粒子2との結合力が弱くなる。このような観点からは、無機粒子2は合成樹脂層1の厚みと同程度から2倍程度の粒径を有するものが好ましい。さらに、無機粒子2は、被嵌装部材と均一な圧力で接触できるように、それぞれの粒径は揃っている方が好ましい。すなわち、本発明に係る嵌装部材に使用する無機粒子2の粒度分布は、分布幅が小さい方が好ましい。
また、無機粒子2の合成樹脂層1への混合率は、特に限定されないが、合成樹脂層1に対して、20〜30vol.%程度混合するのが好ましい。また、無機粒子2は合成樹脂の表面から露出していればよく、その露出率は特に限定はないが、無機粒子2の表面積の1/5程度が露出しているのが好ましい。
嵌装部材本体3の材料は、特に限定はなく、従来公知の材料であれば、好ましく本発明の嵌装部材に適用できる。例えば、嵌装部材を、図2の電磁弁のベース部11に適用する場合は、嵌装部材本体3には従来と同様にアルミニウム材が適用できるが、本発明の嵌装部材は上述の通り実質的に寸法公差を大きくすることができる。このためこれまでのような精密な切削加工をする必要がなく、加工精度を下げることができるため、加工コストを低減させることができる。また、嵌装部材本体3として、耐磨耗性が低いため使用し難かった、良好な冷間鍛造性を有する金属や合成樹脂であっても、上述の通り嵌装部材の耐磨耗性を向上させることができるため、好ましく適用できる。
嵌装材料本体3として、金属を用いる場合には、特に限定はないが、アルミニウムが扱い易いため好ましい。また、合成樹脂を用いる場合は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも好ましく適用できるが、成形加工の容易さからは、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリサルファイド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等、用途に応じて様々なものが適用可能である。特に、耐熱性、成形性、化学的安定性の観点からは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、ナイロン樹脂等が好ましく、適用できる。もちろん、1種類からなる樹脂に限らず、2種類以上の複数からなる共重合体の樹脂や混合物であってもよい。
また、合成樹脂は、高温雰囲気下で使用する際に熱膨張した場合であっても、合成樹脂層1が弾性変形することによって、熱膨張分を吸収することができるため、嵌装部材本体3として好ましく適用することができる。さらに、嵌装部材本体3には、合成樹脂にシリカガラス球等の公知のガラスフィラーを混合して、合成樹脂の線膨張係数を低下させたものも好ましく適用することができる。
合成樹脂1と無機粒子2との結合力、及び合成樹脂1と嵌装部材本体3との結合力を高めるためには、カップリング剤を介して、結合させることもできる。カップリング剤としては、合成樹脂層1と無機粒子2とを結合する官能基や合成樹脂層1と嵌装部材本体3とを結合する官能基を有するもの等、特に限定はなく、従来公知のカップリング剤が好ましく適用できるが、例えば、無機粒子2に対しては、メトキシ基やエトキシ基等のアルコキシ基を含むSi−(OR)(R:アルキル基)を有するものが好ましく、アルコキシ基は、無機粒子2の表面に吸着された水分等によって加水分解されて、シラノール基(SiOH)を生成し、無機粒子2の表面と結合することができる。また、嵌装部材本体3が金属の場合も同様のカップリング剤によって結合することが可能である。合成樹脂層1に対してや嵌装部材本体3が合成樹脂の場合には、その合成樹脂が有する官能基と反応する官能基を有するカップリング剤が好ましく適用することができるが、例えば、カルボキシル基を有する合成樹脂層1に対しては、エポキシ基やアミノ基が好ましく、ナイロン樹脂やPBT樹脂の嵌装部材本体3に対しては、アミノ基が好ましい。例えば、上述のフッ素含樹脂とアルミナとを好ましく結合できるカップリング剤としては、NHSi(OCやNHNHCSi(OCHが適用できる。
また、合成樹脂がPPS樹脂のように直接、カップリング剤と反応する官能基を有しない場合であっても、樹脂の表面改質を行うことによって、カップリング剤と結合させることができる。例えば、PPS樹脂は、大気圧プラズマ照射や紫外線照射による方法によって、一部のベンゼン環を破壊し、カルボキシル基やカルボニル基を生成できるため、エポキシ基やアミノ基を有するカップリング剤と反応させることができる。
本発明の嵌装部材は、前述の通り、嵌装部材本体3の材料の種類に関わらず、耐磨耗性を向上させることができ、被嵌装部材に対する寸法公差を大きくすることができるため、加工コストを低減させることができるものである。以下、本発明の嵌装部材の製造方法の一例を示す。
本発明の嵌装部材は、嵌装部材本体3の表面に無機粒子2が分散した合成樹脂溶液を塗布し、合成樹脂溶液の溶媒を蒸発させて、乾燥固化させることによって、合成樹脂層1の表面から無機粒子2が露出した被膜を被覆させることができるものである。例えば、合成樹脂溶液の嵌装部材本体3の表面への塗布は、スプレー塗装やディッピング塗装等によって行うことができる。特に、膜厚の精度を高め、均一な被膜を形成させるためにはスプレー塗装が好ましい。そして、合成樹脂溶液の溶媒の沸点以上の温度に加熱することによって、溶媒を蒸発させつつ、合成樹脂を乾燥固化させることができる。これにより、無機粒子2を合成樹脂層1から均一に露出させることができる。
合成樹脂溶液は、合成樹脂層1に用いる合成樹脂をこの合成樹脂が溶解できる溶媒に、任意の粘度になるように溶解させ、その溶液に無機粒子2を任意の割合で混合することによって調製することができる。この際、合成樹脂層1と無機粒子2とを結合させるカップリング剤、及び合成樹脂層1と嵌装部材本体3とを結合させるカップリング剤を用いる場合は、この合成樹脂溶液にさらにカップリング剤を混合することができる。例えば、フッ素含有樹脂を用いる場合には、キシレンによって好ましく溶解させることができる。そして、このキシレンであれば、150〜200℃程度の熱処理によって、良好に蒸発させることができる。
また、溶媒に溶解させる前に合成樹脂と無機粒子2とカップリング剤とを混合して複合材シートを作製しておき、それを裁断した後、溶解することによっても好ましく合成樹脂溶液を調製することができる。
なお、合成樹脂層1として使用する合成樹脂は、従来公知の重合方法によって作製することができる。もちろん、市販の合成樹脂を用いてもよい。
無機粒子2は、従来公知の方法によって作製することができる。例えば、無機粒子2としてαアルミナを適用する場合には、バイヤー法、溶射法等、従来公知の方法が適用できる。中でも、溶射法は、図3に示すように、球状のアルミナ粒子を作製することができるため好ましい。もちろん、市販のものも、無機粒子2として適用可能である。
嵌装部材本体3は、適用する嵌装部材によって、任意に作製することができる。金属の場合は、従来公知の嵌装部材の製作と同様に鍛造、切削加工によって製造できる。合成樹脂の場合は、従来公知の成形加工、切削加工等によって作製可能である。
すなわち、嵌装の際に、合成樹脂層1の弾性変形によって、その厚み分の寸法変動が可能であるため、寸法精度の低い成形加工や簡易な切削加工によっても、嵌装部材本体3を作製可能となり、加工コストを低減させることができる。
カップリング剤は、使用する熱可塑性樹脂に応じて、有機合成反応によって作製することができる。もちろん、市販の化合物を適用することも可能であり、さらに市販の化合物に有機合成反応によって任意の官能基を導入することもできる。
以下、本発明の嵌装部材の実施例について説明する。合成樹脂層1にフッ化ビニリデンに対し、四フッ化エチレンとプロプレンとを交互に共重合したフッ素含有樹脂、無機粒子2に溶射法で作製した平均粒径20μmのαアルミナ粒子、嵌装部材本体3に冷間鍛造性に優れたアルミニウム材であるJIS合金番号6061を用い、図2に示す電磁弁のベース部11に適用した。なお、図2における電磁弁のその他の構成も従来公知と同様である。
フッ素含有樹脂をキシレンに溶解させ、約1.8poiseとなるように調製した。得られた溶液に、αアルミナ粒子を10〜20vol.%加え、さらにNHSi(OCの分子構造を有するカップリング剤をαアルミナ粒子に対して1.5wt%添加した後、ミキサーで約5分間攪拌し、均一なフッ素含有樹脂溶液を得た。
また、電磁弁のベース部11については、上記のアルミニウム材を用い、従来と同様の方法で作製した。なお、この際、切削工程を短縮して、ベース部11の径方向の寸法精度の許容範囲を±10μm程度広げておいた。
そして、この作製した電磁弁のベース部11の表面に上記のフッ素含有樹脂溶液をスプレー塗装により30μmの厚みになるように塗布した。その後、180℃で30分間処理し、溶媒であるキシレンを除去した。その結果、膜厚20μmのフッ素含有樹脂層の表面からアルミナ粒子が均一に露出した被膜を有するものを得ることができた。
得られた電磁弁を用いて、そのベース部11を従来のトランスミッションの孔部に嵌装すると、上記の通り寸法精度を低下させたものであっても、嵌装状態は良好であった。
なお、本実施例においては、電磁弁のベース部11にアルミニウム材を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば150℃程度の温度雰囲気下でも耐熱性が良く、成形性、化学的安定性に優れたPPS樹脂を用いることが可能である。
また、本実施例においては、本発明に係る嵌装部材として電磁弁のベース部11に適用したが、トランスミッションの孔部に適用することや両方に適用することもでき、同様の効果を得ることができる。
本発明に係る嵌装部材は、電磁弁のベース部や電磁弁が嵌装するトランスミッションやエンジン等の孔部等、様々な用途に適用できる。
本発明に係る嵌装部材を説明する図 トランスミッションの油圧を制御する電磁弁の図 溶射法によるαアルミナの写真
符号の説明
1 合成樹脂層
2 無機粒子
3 嵌装部材本体
11 ベース部

Claims (4)

  1. 被嵌装部材と嵌装構造を形成する嵌装部材であって、
    嵌装部材本体と当該嵌装部材本体を被覆する被膜とからなり、
    当該被膜は、前記嵌装部材本体を形成する材料より弾性変形し易い合成樹脂層と当該合成樹脂層の表面から露出する無機粒子とを有する嵌装部材。
  2. 前記合成樹脂層はフッ素含有樹脂層であり、前記無機粒子はセラミック粒子である請求項1に記載の嵌装部材。
  3. 前記セラミック粒子はアルミナ粒子である請求項2に記載の嵌装部材。
  4. 無機粒子が分散した合成樹脂溶液を嵌装部材本体の表面に塗布し、前記合成樹脂溶液中の溶媒を蒸発させて、前記合成樹脂溶液中の溶質を乾燥固化させることによって、合成樹脂層の表面から前記無機粒子が露出した被膜を形成する嵌装部材の製造方法。
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