JP2005273777A - 回転伝達装置及びその回転伝達装置を用いたカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】被駆動ギアに歯を間欠的に形成するとともに、遊星ギアが被駆動ギアから離れる方向に遊星レバーを揺動させた際、遊星ギアと被駆動ギアとが互いに接触しないように、遊星ギアと被駆動ギアの歯形を形成することにより、シンプルかつコンパクトな構成の回転伝達装置及びその回転伝達装置を用いたカメラを提供することを目的とする。
【解決手段】駆動ギア114に噛合された遊星ギア120を遊星レバー118の揺動によって被駆動ギア116に噛み合わせることにより、駆動軸110の回転を被駆動軸112に伝達する回転伝達装置100において、駆動ギア114に歯114Aを間欠的に形成するとともに、遊星ギア120が被駆動ギア116から離れる方向に遊星レバー118を揺動させた際、遊星ギア120と被駆動ギア116とが互いに接触しないように、遊星ギア120と被駆動ギア116の歯形を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】駆動ギア114に噛合された遊星ギア120を遊星レバー118の揺動によって被駆動ギア116に噛み合わせることにより、駆動軸110の回転を被駆動軸112に伝達する回転伝達装置100において、駆動ギア114に歯114Aを間欠的に形成するとともに、遊星ギア120が被駆動ギア116から離れる方向に遊星レバー118を揺動させた際、遊星ギア120と被駆動ギア116とが互いに接触しないように、遊星ギア120と被駆動ギア116の歯形を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は回転伝達装置及びその回転伝達装置を用いたカメラに係り、特に予備巻き方式のカメラにおけるスプールとスプロケットとの間の回転伝達に使用される回転伝達装置及びその回転伝達装置を用いたカメラに関する。
駆動軸の回転を被駆動軸に任意に断続して伝達する手段として、遊星ギア機構を用いた回転伝達装置が知られている。この回転伝達装置は、駆動軸に設けられた駆動ギアに遊星ギアを噛み合せ、この遊星ギアを遊星レバーによって揺動させることにより、被駆動軸に設けられた被駆動ギアを噛み合わせたり、外したりして、駆動軸の回転を被駆動軸に任意に断続して伝達する。
しかし、このような構成の回転伝達装置では、遊星ギアを被駆動ギアから外す際、遊星レバーの揺動により遊星ギアが回転する方向と逆方向に被駆動ギアが回転していると、遊星ギアと被駆動ギアとの噛み合いが外れなくなるおそれがある。
このため、特許文献1では、太陽ギアを第1方向に回転させると、遊星ギアと入力ギアとが噛み合って、駆動系に回転が伝達され、駆動対象が駆動されるとともに、太陽ギアを第2方向に回転させると、遊星ギアと入力ギアとの噛み合いが外れて、駆動系への回転伝達が遮断される駆動装置において、太陽ギアの回転が第2方向に切り替わったときから遊星ギアと入力ギアとの噛み合いが外れるまでの間、駆動系内の運動伝達経路を断続する断続機構を設けることにより、噛み合いが外れなくなるのを防止している。
特開平8−171124号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、別途断続機構を設ける必要があるため、装置の構成が複雑かつ大型化するという欠点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、シンプルかつコンパクトな構成の回転伝達装置及びその回転伝達装置を用いたカメラを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、駆動軸の回転を被駆動軸に任意に断続して伝達する回転伝達装置であって、前記駆動軸に設けられた駆動ギアと、前記被駆動軸に設けられた被駆動ギアと、前記駆動ギアの回転中心を中心に揺動自在に設けられた遊星レバーと、前記遊星レバーに回転自在に設けられ、前記駆動ギアに噛み合わされた遊星ギアと、からなり、前記遊星レバーを正方向に揺動させ、前記遊星ギアを前記被駆動ギアに噛み合わせることにより、前記駆動ギアの回転を前記被駆動ギアに伝達し、前記遊星レバーを逆方向に揺動させ、前記遊星ギアを前記被駆動ギアから退避させることにより、前記駆動ギアから前記被駆動ギアへの回転伝達を遮断する回転伝達装置において、前記被駆動ギアに歯を間欠的に形成するとともに、前記遊星レバーを逆方向に揺動させた際、前記遊星ギアと前記被駆動ギアとが互いに接触しないように前記遊星ギアと前記被駆動ギアの歯形を形成することを特徴とする回転伝達装置を提供する。
本発明によれば、被駆動ギアに歯が間欠的に形成されるとともに、遊星レバーを逆方向に揺動させた際、遊星ギアと被駆動ギアとが互いに接触しないように、遊星ギアと被駆動ギアの歯形が形成される。これにより、遊星ギアを被駆動ギアからスムーズに外すことができる。
また、請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、前記駆動軸と前記遊星レバーとの間にフリクションを与えるフリクション部材を有し、前記駆動軸を正方向に回転させると、前記遊星レバーが前記フリクション部材を介して正方向に回転し、前記駆動軸を逆方向に回転させると、前記フリクション部材を介して前記遊星レバーが逆方向に回転することを特徴とする請求項1に記載の回転伝達装置を提供する。
本発明によれば、フリクション部材によって駆動軸と遊星レバーとの間に与えられるフリクションによって遊星レバーが駆動軸の回転に連動して揺動する。これにより、別途遊星レバーを揺動させる機構が不要になり、更に構成が簡略化される。
また、請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、前記フリクション部材は、コイル状に形成され、前記駆動軸の外周に巻き付けられるとともに、一端が前記遊星レバーに係止されて、前記駆動軸と前記遊星レバーとの間にフリクションを与えることを特徴とする請求項1に記載の回転伝達装置を提供する。
本発明によれば、コイル状に形成され、一端が遊星レバーに係止されたフリクション部材の締め付け力によって、駆動軸と遊星レバーとの間にフリクションが与えられる。これにより、シンプルな構成で駆動軸と遊星レバーとの間にフリクションを与えることができ、装置構成を更にコンパクト化することができる。
また、請求項4に係る発明は、前記目的を達成するために、請求項1、2又は3に記載の回転伝達装置によってスプールの回転をスプロケットに伝達するカメラであって、前記回転伝達装置の駆動軸に前記スプールを設けるとともに、被駆動軸に前記スプロケットを設けたことを特徴とするカメラを提供する。
本発明によれば、請求項1、2又は3に記載の回転伝達装置が、カメラのスプールとスプロケットとの回転伝達に用いられる。これにより、カメラの構成をシンプルかつコンパクトにすることができる。
本発明に係る回転伝達装置及びその回転伝達装置を用いたカメラによれば、構成をシンプルかつコンパクトにすることができる。
以下、添付図面に従って本発明に係る回転伝達装置及びその回転伝達装置を用いたカメラを実施するための最良の形態について詳説する。
図1は、本発明に係る回転伝達装置の一実施形態を示す平面図である。この回転伝達装置100は、駆動軸110の回転を被駆動軸112に任意に断続して伝達するもので、図1に示すように、駆動ギア114、被駆動ギア116、遊星レバー118、遊星ギア120で構成されている。
駆動ギア114は、駆動軸110に一体的に成形されている。被駆動ギア116は、被駆動軸112に一体的に成形されており、歯116Aが間欠的に形成されている。なお、この被駆動ギア116の構成については、後に詳述する。
遊星レバー118は、リング状に形成された遊星レバー本体118Aと、その遊星レバー本体118Aから外周方向に突出したアーム部118Bと、アーム部118Bの先端に設けられた支軸部118Cとで構成されている。遊星レバー本体118Aは、駆動軸110に嵌合されて、駆動軸110の回りを回動自在に設けられており、この遊星レバー本体118Aが、駆動軸110の回りを回動することにより、アーム部118Bが駆動軸110の回転中心を中心に揺動する。
遊星ギア120は、遊星レバー118の支軸部118Cに回転自在に設けられており、太陽ギアとして機能する駆動ギア114に噛合されている。この遊星ギア120は、遊星レバー118を正方向(図中A方向)に揺動させることにより、被駆動ギア116に噛み合わされ、遊星レバー118を逆方向(図中B方向)に揺動させることにより、被駆動ギア116との噛み合いが外される。
そして、この遊星ギア120が被駆動ギア116に噛み合わされることにより、駆動軸110の回転が、駆動ギア114から遊星ギア120を介して被駆動ギア116に伝達され、被駆動軸112が回転する。また、この遊星ギア120と被駆動ギア116との噛み合わせが外されることにより、駆動軸110から被駆動軸112への回転伝達が遮断される。
このように、回転伝達装置100は、遊星ギア120を被駆動ギア116に噛み合せたり、その噛み合せを外したりすることにより、駆動軸110の回転を被駆動軸112に断続して伝達する。
さて、上記のように、本実施の形態の回転伝達装置100では、被駆動ギア116の歯116Aが間欠的に形成されている。これは以下の理由に基づくものである。
すなわち、通常の歯の被駆動ギアを用いた場合、遊星ギア120を被駆動ギア116から外す際、被駆動軸112の回転が規制されていたり、遊星ギア120とは逆方向に回転されていたりすると、遊星ギア120が被駆動ギア116に噛み合ったまま動かなくなり、被駆動ギア116から外れなくなるという不具合が生じる。
そこで、遊星ギア120を被駆動ギア116から外す際に、被駆動軸112の回転が規制されていたり、遊星ギア120と逆方向に回転駆動されていても、遊星ギア120をスムーズに被駆動ギア116から外すことができるようにするために、被駆動ギア116の歯116Aが間欠的に形成されている。
また、被駆動ギア116と遊星ギア120は、遊星レバー118を逆方向(遊星ギア120が被駆動ギア116から外れる方向)に揺動させた際、互いに接触しないような形状に歯が形成されている。より詳しくは、次のように歯が形成されている。
図2において、曲線L1 、L2 は、遊星レバー118を逆方向に揺動させた場合における遊星ギア120の歯120A1 、120A2 の歯先の移動軌跡を示している。遊星レバー118を逆方向に揺動させても、被駆動ギア116と遊星ギア120とが互い接触しない状態とは、この遊星ギア120の歯120A1 、120A2 の歯先の移動軌跡L1 、L2 上に被駆動ギア116の歯116が存在しないことであり、このような条件を満たすように、被駆動ギア116の歯116Aの歯形と遊星ギア120の歯120Aの歯形を形成する。
これにより、遊星ギア120を被駆動ギア116から外す際に、被駆動軸112の回転が規制されていたり、遊星ギア120と逆方向に回転駆動されていても、遊星ギア120をスムーズに被駆動ギア116から外すことができる。
このように、本実施の形態の回転伝達装置によれば、特別な機構を付加することなく、シンプルかつコンパクトな構成で確実に回転伝達装置を作動させることができる。
なお、遊星ギア120と被駆動ギア116との噛合い率を2以上とすることにより、回転駆動をスムーズに行なうことができる。
次に、本発明に係る回転伝達装置を予備巻き方式のカメラのスプールとスプロケットとの回転伝達に使用する場合を例に説明する。
図3は、本発明に係る回転伝達装置を用いた予備巻き方式のカメラの構成を示す背面斜視図である。
予備巻き方式のカメラでは、フィルム装填時にフィルムパトローネ内のフィルムが、すべてスプールに巻き取られ、このスプールに巻き取られたフィルムが、撮影時に1コマずつフィルムパトローネに巻き戻されて、撮影が行なわれる。
このカメラ10では、135フィルムが使用される。135フィルムのフィルムパトローネ1は、パトローネ本体2とパトローネ軸3とで構成されている。パトローネ本体2は、円筒状に形成されており、その外周にフィルム4を接線方向に繰り出すフィルム送出口2Aが形成されている。パトローネ軸3は、パトローネ本体2の中心に回動自在に支持されており、その一端がパトローネ本体3の一端から突出されて設けられている。フィルム4は、帯状に形成されており、その両縁部に一定ピッチでパーフォレーション5、5、…が形成されている。未使用の状態において、フィルム4はパトローネ軸3に巻き付けられた状態でパトローネ本体2に収容されている。そして、その先端に形成されたフィルムリーダ4Aの部分がフィルム送出口2Aから所定量引き出されている。このフィルムリーダ4Aの部分には、切欠き4Bが形成されている。
フィルムパトローネ1は、いわゆる逆装填DIL(ドロップ・イン・ローディング)方式にてカメラ10に装填される。すなわち、パトローネ軸3がパトローネ本体2から突出した方(フィルムリーダ4Aの切欠き4Bが形成されていない方)からフィルムパトローネ1をパトローネ室に落とし込むようにして装填する。
カメラ10の背面には、図3に示すように、裏蓋12が開閉自在に設けれられている。裏蓋12は、外装カバー14と共にカメラ本体16の外装をなし、ヒンジ18によってカメラ本体16に開閉自在に設けられている。この裏蓋12は、裏蓋本体12Aと底蓋部12Bとからなり、裏蓋本体12Aによって、カメラ本体16の背面が覆われ、底蓋部12Bによって、カメラ本体16の底面に形成されたパトローネ装填口が覆われる。
カメラ本体16の背面には、フィルム4が走行するフィルム走行面20が形成されている。フィルム走行面20には、フィルム4の露光範囲を規制するアパーチャ22が形成されている。また、フィルム走行面20には、アパーチャ22の上辺及び下辺に沿ってガイドレール24、24が設けられている。フィルム4は、このガイドレール24、24上を裏蓋本体12Aの内側に設けられた圧板26に押さえ付けられながら走行する。
アパーチャ22の右側にはフィルムパトローネ1を装填するパトローネ室28が設けられており、左側にはフィルム4を巻き取るフィルム巻取り室30が設けられている。
パトローネ室28は、底面にパトローネ装填口28Aを有しており、このパトローネ装填口28Aからフィルムパトローネ1がパトローネ軸3に沿って挿入される。また、パトローネ室28には巻き戻しフォーク32が設けられており、パトローネ室28に装填されたフィルムパトローネ1は、この巻き戻しフォーク32にパトローネ軸3が嵌合される。そして、この巻き戻しフォーク32にパトローネ軸3が回転駆動されることにより、フィルム4がパトローネ本体2に巻き戻される。
一方、フィルム巻取り室30には、フィルム4を巻き取るスプール34が設けられている。スプール34には、上端部外周に複数の引っ掛け爪34Aが周方向に一定ピッチで形成されており、この引っ掛け爪34Aにフィルム4のパーフォレーション5が係合して、フィルム4が巻き付けられる。
フィルムパトローネ1をパトローネ室28に装填する場合は、パトローネ軸3が突出した方からフィルムパトローネ1をパトローネ装填口28Aに挿入し、パトローネ軸3に沿ってパトローネ室28に落とし込むようにして、フィルムパトローネ1をパトローネ室28に装填する。
フィルムパトローネ1をパトローネ室28に装填すると、あらかじめフィルム送出口2Aから引き出されているフィルムリーダ4Aの部分が、アパーチャ22の上にセットされ、そのフィルムリーダ4Aの先端がフィルム巻取り室30の上に位置する。
ここで、アパーチャ22とフィルム巻取り室30との間には、スプロケット36が配設されており、アパーチャ22上にセットされたフィルムリーダ4Aは、このスプロケット36の歯36Aにパーフォレーション5が噛み合わされる。スプロケット36は、上側のガイドレール24の終端位置に形成された貫通穴38から突出して設けられており、スプール34から回転が伝達されて回転する。
スプール(駆動軸)34からスプロケット(被駆動軸)36への回転伝達は回転伝達装置50にて行なわれ、回転伝達装置50は、スプール34の回転方向に応じて回転を断続してスプロケット36に伝達する。すなわち、スプール34がフィルム4を巻き取る方向に回転されると、その回転をスプロケット36に伝達して、スプロケット36をスプール34と同じ方向に回転させ、スプール34がフィルム4を繰り出す方向に回転されると、スプロケット36への回転の伝達を遮断し、スプロケット36をフリーにする。この際、回転伝達装置50は、フィルム4の巻き緩みを防止すべく、スプール34に所定のフリクションを与える。
図4は、回転伝達装置を含むスプールと巻き戻しフォークの回転駆動部の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、スプール34は下端に拡径部34Bを有している。この拡径部34Bは円盤状に形成されており、カメラ本体16に形成されたスプール支持部52に回転自在に支持されている。
また、スプール34は中空状に形成されており、その内側には図示しないモータが配置されている。このモータの回転は、スプール支持部52の内側に配設された図示しない出力切替機構によって、スプール側と巻き戻しフォーク側とに選択的に伝達される。出力切替機構は、モータの回転方向に応じて出力先を切り替え、モータを正回転させると、スプール側にモータの回転を伝達し、逆回転させると、巻き戻しフォーク側にモータの回転を伝達する。
ここで、スプール34の拡径部34Bの内周部には、図示しない内歯が形成されており、出力切替機構によってスプール側にモータの回転を出力すると、この内歯に図示しないギアを介してモータの回転が伝達され、スプール34が時計回り(図4の矢印A方向)に回転する。
一方、巻き戻しフォーク側にモータの回転が伝達されると、ギア列54にモータの回転が伝達される。そして、ギア列54からシャフト56の下端部に設けられたギア56Aに回転が伝達され、シャフト56が回転する。シャフト56の上端部には、ギア56Aが設けられており、このギア56Bからアイドルギア58を介して巻き戻しフォーク32に形成されたギア60にシャフト56の回転が伝達され、巻き戻しフォーク32が反時計回り(図2の矢印B方向)に回転する。
図5〜図7は、それぞれスプールの回転をスプロケットに伝達する回転伝達装置の構成を示す斜視図、平面図、縦断面図である。
図7に示すように、スプール34は、上端に縮径部34Cを有している。この縮径部34Cの端面には、軸受穴34cが形成されており、この軸受穴34cにはスプール支軸62Aが嵌入されている。スプール支軸62Aは、カメラ本体16の上面部に取り付けられた上フレーム62に一体成形されており、スプール34は、このスプール支持軸62Aの回りを回転する。
また、このスプール34の縮径部34Cは、フィルム巻取り室30の上面に形成された穴64に嵌入されて、カメラ本体16の上方に突出して設けられている。穴64は、スプール支軸62Aと同軸上に形成されており、その上縁部には環状の軸受部66が一体的に形成されている。この軸受部66には、遊星レバー68が回転自在に支持されている。
遊星レバー68は、環状に形成された遊星レバー本体68Aと、その遊星レバー本体68Aから水平に延びるアーム部68Bとで構成されている。
遊星レバー本体68Aは、軸受部66に嵌合されて、回転自在に支持されており、これにより、遊星レバー68がスプール34の縮径部34Cの回りを回転する。
アーム部68Bは、その先端上部に支軸部70を有しており、この支軸部70には遊星ギア72が回転自在に支持されている。遊星ギア72は、スプール34の縮径部34Cに形成されたスプールギア(駆動ギア)74に噛合されている。
また、この支軸部70の上端部は、上フレーム62に形成された長穴62Bに嵌入されている。長穴62Bは、スプール支軸62Aを中心とする円弧状に形成されており、支軸部70は、遊星レバー68の回転に伴って、この長穴62B内を移動する。そして、この長穴62の端部に支軸部70が当接することにより、遊星レバー68の回転範囲が規制され、遊星レバー68が所定の角度範囲で揺動する。
なお、この揺動レバー68の揺動範囲は、後述するように、遊星ギア72がスプロケットギア76と噛合する位置(噛合位置)と、遊星ギア72がスプロケットギア76から離れる位置(退避位置)との間を揺動するように規制される。
スプロケット36は、その軸部36Bがカメラ本体16に形成された図示しないスプロケット支持部に回転自在に支持されている。軸部36Bには、スプロケットギア(被駆動ギア)76が固着されており、このスプロケットギア76に遊星ギア72が噛合することにより、スプール34の回転がスプロケット36に伝達される。
ここで、このスプロケットギア76は、図5及び図6に示すように、その歯76Aが完結的に形成されている。また、このスプロケットギア76と遊星ギア72は、遊星レバー68を逆方向に揺動させた際、互いの歯76A、72Aが接触しないように、その歯形が形成されている。
遊星ギア72は、遊星レバー68が揺動することにより、スプロケットギア76に噛合したり、スプロケットギア76から離れたりする。遊星レバー68は、スプール34との間に与えられるフリクションによってスプール34に連動して揺動し、これにより、遊星ギア72がスプロケットギア76に噛合したり、スプロケットギア76から離れたりする。この遊星レバー68とスプール34との間に与えられるフリクションは、スプール34に巻き付けられたフリクションバネ78によって与えられる。
フリクションバネ78は、コイル状に形成されており、スプール34に形成された縮径部34Cの基端部外周に巻き付けられている。このフリクションバネ78の内径は縮径部34Cの外径よりも若干小さく形成されており、縮径部34Cの外周を締め付けるようにして、縮径部34Cに装着されている。
また、このフリクションバネ78の一端は、上方に向けて屈曲して設けられており、この屈曲部78Aに遊星レバー68に形成された連結部68Cが連結されている。連結部68Cは、遊星レバー本体68の内周部に突出して設けられており、フリクションバネ78の屈曲部78Aが嵌入されるスリット68cを有している。縮径部34Cに巻き付けられたフリクションバネ78は、この連結部68Cのスリット68cに屈曲部78Aが嵌入されることにより、遊星レバー68に連結される。
前記のごとく構成された本実施の形態の回転伝達装置を含むスプールと巻き戻しフォークの回転駆動部の作用は次のとおりである。
本実施の形態のカメラは、予備巻き方式のカメラであるから、フィルムパトローネ1をパトローネ室28に装填すると、フィルムパトローネ1に収容されているフィルム4が、一度全てスプール34に巻き取られる。このフィルム4の巻き取りは次のように行なわれる。
上記のように、フィルムパトローネ1をパトローネ室28に装填すると、あらかじめフィルム送出口2Aから引き出されているフィルムリーダ4Aがアパーチャ22の上にセットされる。これと同時にフィルムリーダ4Aに形成されているパーフォレーション5にスプロケット36の歯36Aが噛み合わされる。この状態で裏蓋12を閉じると、モータが正方向に回転駆動される。
モータが正方向に回転駆動されると、出力切替機構により、モータの回転がスプール側に伝達され、スプール34が正方向(図中A方向)に回転する。
スプール34が正方向に回転すると、フリクションバネ78を介してスプール34と連結された遊星レバー68が、フリクションバネ78によって与えられるフリクションによりスプール34に連れ回りし、正方向(図中A方向)に揺動する。この結果、遊星ギア72がスプロケットギア76に向かって移動し、所定位置(噛合位置)でスプロケットギア76と噛合する。そして、遊星ギア72がスプロケットギア76に噛合することにより、スプール34の回転が、遊星ギア72を介してスプロケットギア76に伝達され、スプロケット36が正方向(図中A方向)に回転する。
フィルムリーダ4Aは、この回転するスプロケット36によってフィルム巻取り室30に送られる。そして、フィルム巻取り室30に送られたフィルムリーダ4Aは、正方向に回転するスプール34の引っ掛け爪34Aにパーフォレーション5が嵌合し、スプール34に巻き付けられる。なお、この際、スプール34は、遊星ギア72がスプロケットギア76に噛合して、遊星レバー68の揺動が止められることにより、フリクションバネ78からフリクションを与えられながら回転する。
このようにしてフィルム4をスプール34に巻き取り、パーフォレーション1に収容されているフィルム4が全てスプール34に巻き取られたところで、モータの回転が停止される。これにより、撮影が可能になる。
撮影時は、スプール34に巻き付けられたフィルム4が、1コマずつフィルムパトローネ1に巻き戻される。フィルムパトローネ1へのフィルム4の巻き戻しは、モータを逆方向に回転駆動することにより行なわれる。
モータを逆方向に回転させると、出力切替機構によってモータの出力先が切り替わり、巻き戻しフォーク32が逆方向(図中B方向)に回転駆動される。
巻き戻しフォーク32が逆方向に回転駆動されると、フィルム4がフィルムパトローネ1に巻き戻される。フィルム4がフィルムパトローネ1に巻き戻されると、そのフィルム4に引っ張られて、スプール34が逆方向に回転する。そして、スプール34が逆方向に回転することにより、フリクションバネ78を介して遊星レバー68が逆方向(図中B方向)に揺動し、遊星ギア72がスプロケットギア76から離れる方向に移動する。
ここで、上記のように、スプロケットギア76は、歯76Aが間欠的に形成されており、また、遊星ギア72とスプロケットギア76は、遊星レバー68を逆方向に揺動させた際、互いの歯76A、72Aが接触しないように、その歯形が形成されていることから、遊星レバー68が逆方向に揺動した場合、スムーズに遊星ギア72がスプロケットギア76から外れる。
また、本実施の形態のように、予備巻き方式のカメラ10の場合、フィルム4の状態によっては、スプロケット36の方がスプール34より先に回転する場合があるが、このような場合であっても、確実に遊星ギア72がスプロケットギア76から外れる。
逆方向に揺動した遊星レバー68は、遊星ギア72の支軸部70が長穴62Bの端部に当接することにより、揺動が規制される。これにより、遊星ギア72がスプロケットギア76から完全に退避した退避位置に位置し、スプロケット36がフリーな状態になる。
一方、スプール34は、遊星レバー68の揺動が規制されることにより、フリクションバネ78からフリクションが与えられながら回転し続け、1コマ分のフィルム4がフィルムパトローネ1に巻き戻されたところで、回転が停止される。
以後、スプール34は、フィルム4が1コマ分巻き戻されるたびに、このフリクションバネ78からフリクションが与えられながら回転する。そして、このようにフリクションバネ78からフリクションが与えられながら回転することにより、巻き緩みを生じさせることなく、フィルム4を1コマずつ繰り出すことができる。
以上説明したように、本実施の形態のカメラ10によれば、スプール34とスプロケット36との回転伝達に本発明に係る回転伝達装置50を使用することにより、スプール34からスプロケット36への回転伝達の切り替えをスムーズに行なうことができる。
また、本発明に係る回転伝達装置は、特別な機構を付加する必要がないので、カメラ本体の構成をコンパクトにすることができる。
1…フィルムパトローネ、2…フィルムパトローネ本体、2A…フィルム送出口、3…パトローネ軸、4…フィルム、4A…フィルムリーダ、4B…切欠き、5…パーフォレーション、10…カメラ、12…裏蓋、16…カメラ本体、20…フィルム走行面、22…アパーチャ、24…ガイドレール、28…パトローネ室、28A…パトローネ装填口、30…フィルム巻取り室、32…巻き戻しフォーク、34…スプール、34A…引っ掛け爪、34B…拡径部、34C…縮径部、34c…軸受穴、36…スプロケット、36A…歯、38…貫通穴、50…回転伝達装置、52…スプール支持部、54…ギア列、56…シャフト、56A…ギア、56B…ギア、58…アイドルギア、60…ギア、62…上フレーム、62A…スプール支軸、62B…長穴、64…穴、66…軸受部、68…遊星レバー、68A…遊星レバー本体、68B…アーム部、68C…連結部、68c…スリット、70…支軸部、72…遊星ギア、74…スプールギア、76…スプロケットギア、78…フリクションバネ、78A…屈曲部、100…回転伝達装置、110…駆動軸、112…被駆動軸、114…駆動ギア、116…被駆動ギア、118…遊星レバー、118A…遊星レバー本体、118B…アーム部、118C…支軸部、120…遊星ギア
Claims (4)
- 駆動軸の回転を被駆動軸に任意に断続して伝達する回転伝達装置であって、前記駆動軸に設けられた駆動ギアと、前記被駆動軸に設けられた被駆動ギアと、前記駆動ギアの回転中心を中心に揺動自在に設けられた遊星レバーと、前記遊星レバーに回転自在に設けられ、前記駆動ギアに噛み合わされた遊星ギアと、からなり、前記遊星レバーを正方向に揺動させ、前記遊星ギアを前記被駆動ギアに噛み合わせることにより、前記駆動ギアの回転を前記被駆動ギアに伝達し、前記遊星レバーを逆方向に揺動させ、前記遊星ギアを前記被駆動ギアから退避させることにより、前記駆動ギアから前記被駆動ギアへの回転伝達を遮断する回転伝達装置において、
前記被駆動ギアに歯を間欠的に形成するとともに、前記遊星レバーを逆方向に揺動させた際、前記遊星ギアと前記被駆動ギアとが互いに接触しないように前記遊星ギアと前記被駆動ギアの歯形を形成することを特徴とする回転伝達装置。 - 前記駆動軸と前記遊星レバーとの間にフリクションを与えるフリクション部材を有し、前記駆動軸を正方向に回転させると、前記遊星レバーが前記フリクション部材を介して正方向に回転し、前記駆動軸を逆方向に回転させると、前記フリクション部材を介して前記遊星レバーが逆方向に回転することを特徴とする請求項1に記載の回転伝達装置。
- 前記フリクション部材は、コイル状に形成され、前記駆動軸の外周に巻き付けられるとともに、一端が前記遊星レバーに係止されて、前記駆動軸と前記遊星レバーとの間にフリクションを与えることを特徴とする請求項1に記載の回転伝達装置。
- 請求項1、2又は3に記載の回転伝達装置によってスプールの回転をスプロケットに伝達するカメラであって、
前記回転伝達装置の駆動軸に前記スプールを設けるとともに、被駆動軸に前記スプロケットを設けたことを特徴とするカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004087899A JP2005273777A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 回転伝達装置及びその回転伝達装置を用いたカメラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004087899A JP2005273777A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 回転伝達装置及びその回転伝達装置を用いたカメラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005273777A true JP2005273777A (ja) | 2005-10-06 |
Family
ID=35173679
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004087899A Pending JP2005273777A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 回転伝達装置及びその回転伝達装置を用いたカメラ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005273777A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016142980A (ja) * | 2015-02-04 | 2016-08-08 | キヤノン株式会社 | 駆動装置およびこれを用いた光学機器 |
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2004
- 2004-03-24 JP JP2004087899A patent/JP2005273777A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016142980A (ja) * | 2015-02-04 | 2016-08-08 | キヤノン株式会社 | 駆動装置およびこれを用いた光学機器 |
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