JP2003114468A - カメラのフィルム給送装置 - Google Patents

カメラのフィルム給送装置

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JP2003114468A
JP2003114468A JP2001307925A JP2001307925A JP2003114468A JP 2003114468 A JP2003114468 A JP 2003114468A JP 2001307925 A JP2001307925 A JP 2001307925A JP 2001307925 A JP2001307925 A JP 2001307925A JP 2003114468 A JP2003114468 A JP 2003114468A
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sprocket
film
cartridge
camera
claw
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Kazuyuki Mori
一幸 森
Gohachi Katagiri
護八 片桐
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スプロケット機構を有するカメラのフィルム給
送装置において、占有スペースが小さく、カメラのコン
パクト化が可能なものを提供する。 【解決手段】カメラ1においては、パトローネは、フィ
ルムリーダ部を巻き付けた状態で巻き取り軸に沿った方
向でパトローネ室に装填することができるが、その装填
状態でフィルムリーダ部96bは、フィルムガイド13
と圧板62の間に挿入される。その挿入状態でフィルム
のパーフォレーションは、スプロケット爪56に係合さ
れる。上記スプロケット爪56は、弾性変形可能な脚部
55cの固着されており、スプロケット爪56がパーフ
ォレーション96aと係合しない範囲にあるときは、ス
プロケット爪56は、フィルムガイド13の内周壁面1
3fによりスプロケット部51の円筒部52fの内部に
押圧されて退避(没入)する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプロケット機構
を適用するカメラのフィルム給送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラのフィルム給送装置に関す
るもので実公平4−52741号公報に開示のものは、
スプロケットから送り出されたフィルムが該スプロケッ
トと巻き取りスプールとの間に不正進入するのを防止す
る進入構造に関するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記実公平4−527
41号公報に開示のものは、スプロケット部において、
スプロケット軸の外周部にスプロケットピン(スプロケ
ット爪)が固定した状態で配置されており、フィルム給
送時、スプロケットピンは、スプロケット軸に対して突
出状態を保ちながら一体的に回転駆動される。したがっ
て、フィルムと係合しない回転角度の範囲でも上記スプ
ロケットピンは突出しており、スプロケットが係合しな
い非給送回転範囲におけるスプロケット軸外周とスプロ
ケットピン先端の離間スペ−スがカメラ本体上の無駄な
スペ−スとなり、カメラ全体のコンパクト化,小型化に
対して不利となっていた。
【0004】本発明は、上述の不具合を解決するために
なされたものであり、スプロケット機構を適用するフィ
ルム給送装置において、スプロケットの占めるスペ−ス
をできる限り減らし、カメラのさらなる小型化が可能と
なるカメラのフィルム給送装置を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
カメラのフィルム給送装置は、スプロケットを使用する
カメラのフィルム給送装置において、回動自在に支持さ
れたスプロケット部材と、上記スプロケット部材に対し
径方向に突没可能に支持され、フィルムのパーフォレー
ションと係合可能な複数のスプロケット爪部材と、上記
スプロケット爪部材を上記スプロケット部材から突出す
る方向に付勢する付勢手段と、上記スプロケット部材の
近傍に設けられ、上記スプロケット爪部材の上記スプロ
ケット部材に対する突出量を規制可能な規制部とを具備
し、上記スプロケット部材の回動に応じて上記スプロケ
ット爪部材が上記規制部と当接可能な位置にある際に
は、上記スプロケット爪部材が上記スプロケット部材内
に没入し、上記スプロケット爪部材が上記規制部と当接
不能な位置にある際には上記付勢部材の付勢力により、
上記スプロケット爪部材が上記スプロケット部材から突
出する。
【0006】本発明の請求項2記載のカメラのフィルム
給送装置は、請求項1記載のカメラのフィルム給送装置
において、さらに、上記スプロケット部材を回動可能に
支持し、該スプロケット部材の外周の一部を覆う壁部を
有する支持部材を有し、上記規制部は、上記壁部により
構成される。
【0007】本発明の請求項3記載のカメラのフィルム
給送装置は、フィルムが巻回された巻き取り軸を有し、
フィルムリーダが送出口から突出したフィルムパトロー
ネが装填可能なカメラのフィルム給送装置において、上
記フィルムパトローネを上記巻き取り軸方向に装填可能
なパトローネ室と、上記パトローネ室内に回動自在に設
けられたスプロケット部材と、上記スプロケット部材に
対し径方向に突出可能に支持され、フィルムのパーフォ
レーションと係合可能な複数のスプロケット部材と、上
記スプロケット爪部材を上記スプロケット部材から突出
する方向に付勢する付勢手段と、上記スプロケット部材
の近傍に設けられ上記スプロケット爪部材の上記スプロ
ケット部材に対する突出量を規制可能な規制部を有し、
上記フィルムパトローネの上記巻き取り軸を中心とした
上記フィルムパトローネの回転を規制可能な回転止め部
材とを具備し、上記スプロケット部材の回動に応じて上
記スプロケット爪部材が上記規制部と当接可能な位置に
ある際には、上記スプロケット爪部材が上記スプロケッ
ト部材内に没入し、上記スプロケット爪部材が上記規制
部と当接不能な位置にある際には上記付勢部材の付勢力
により、上記スプロケット爪部材が上記スプロケット部
材から突出する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す
フィルム給送装置を内蔵するカメラを底面側から見た斜
視図であり、パトローネ室蓋を開放し、パトローネを装
填しようとしている状態を示している。図2は、上記カ
メラの底面図であり、パトローネ室蓋を開放した状態を
示し、2点鎖線によりパトローネ装填状態を示してい
る。
【0009】図3(A),(B)、および、図4
(A),(B)は、後述する図9のG−G断面で示す図
であって、上記カメラのフィルムガイド部とフィルム送
り出し用スプロケット部周りのパトローネ装填時のフィ
ルムリーダ部挿入過程を示す図であり、図3(A)は、
フィルムリーダ部挿入初期状態を示し、図3(B)は、
フィルムリーダ部がスプロケット爪に当接した状態を示
し、図4(A)は、フィルムリーダ部によりスプロケッ
ト爪が押圧された状態を示し、図4(B)は、フィルム
リーダ部のパーフォレーションにスプロケット爪が係合
し、フィルムリーダの挿入完了状態を示している。
【0010】図5は、上記カメラに組み込まれるフィル
ム送り出し用スプロケット部の分解斜視図である。図6
は、上記フィルム送り出し用スプロケット部のスプロケ
ット爪部の形状を示す図であって、図6の(A)は、図
5のC矢視図、図6(B)は、図6(A)のE矢視図で
ある。
【0011】図7(A),(B),図8(A),
(B),(C)は、上記カメラにおいてパトローネをパ
トローネ室に装填する過程を示す斜視図であり、図7
(A)がパトローネ装填前の状態を示し、図7(B)か
ら図8(A),(B)までパトローネ装填の途中の状態
を示し、図8(C)がパトローネ装填終了状態を示す。
【0012】図9〜11は、上記カメラのパトローネ装
填後におけるフィルムガイド部とフィルム導入口周りの
フィルムリーダ部の巻き戻し、送り出し状態を示すカメ
ラ上面側から見た部分拡大断面図であって、図9がパト
ローネ装填直後でまだフィルムリーダ部が露出している
状態を示し、図10がフィルムリーダ部の先端がLセン
サ前方の所定位置まで巻き戻された状態を示し、図11
がフィルムリーダが圧板とマスク板の間の隙間(フィル
ム給送路)内に送り出された状態を示す。
【0013】図12〜14は、上記カメラにおけるパト
ローネ装填前と装填後のフィルム給送状態を示すカメラ
上面側から見た横断面図であって、図12がパトローネ
装填前を示し、図13がフィルムリーダ部を巻き戻して
いる状態を示し、図14がフィルムリーダ部先端がスプ
ール室に到達し、スプールに巻き付いた状態を示す。図
15(A)〜(C),図16(A)〜(C)は、それぞ
れ上記カメラのパトローネ装填直後における、フィルム
リーダ部巻き戻し時のスプロケット部周りをカメラ上面
側から見た部分拡大断面図である。図17(A)〜
(C),図18(A),(B)は、それぞれ上記カメラ
のパトローネ装填後のフィルム巻き上げ、または、巻き
戻し時におけるスプロケット部周りすカメラ上面側から
見た部分拡大断面図である。さらに、図19は、上記カ
メラのフィルム給送駆動系の構成を示すカメラ上面側か
ら見た斜視図である。
【0014】本実施形態のカメラ1は、図1の斜視図,
図2の底面図に示すようにカメラ本体2と、カメラ本体
2を覆うカメラ外装3とを有している。
【0015】上記カメラ本体2には、主に撮影レンズ5
を内蔵するレンズ鏡筒4と、ファインダ光学系(図示せ
ず)と、フィルムガイド(フィルム案内部材,スプロケ
ット部材の支持部,パトローネ回転止め部材として機能
する部材)13と、フィルムガイド13に支持されるス
プロケット部(送り出し手段)51と、フィルムをガイ
ドするレール部(図示せず)およびアパーチャ開口61
aを有するマスク板(アパーチャ部)61(図9,1
2)と、圧板62(図9,12)と、フィルム給送駆動
系20(図19参照)等が組み込まれている。
【0016】さらに、上記カメラ本体2には、パトロー
ネ95が装填可能なパトローネ室2aと、フィルムを巻
き上げるスプール(巻き取り手段)14が組み込まれる
スプール室2bと、さらに、カメラ外装3のパトローネ
表示窓11に対向した位置に表示穴2k,遮光部部材1
7,シート部材18(図12)が設けられている。
【0017】上記カメラ外装3には、主にファインダ接
眼窓部6と、レリーズ釦(図示せず)と、リワインド釦
(図示せず)と、パワースイッチ釦(図示せず)と、開
閉可能なパトローネ室蓋7と、パトローネ表示開口3b
に固着されるパトローネ側壁面の表示を行うパトローネ
表示部のパトローネ表示窓11と、蓋開放ツマミ10等
が設けられている。
【0018】上記パトローネ95は、135型フィルム
(JIS規格)96を巻回して収納するパトローネ巻き
取り軸95fと、パトローネ外筒95eと、フィルム送
出口95bを有する送出口突部95aと、パトローネ巻
き取り軸95fに連結する長ハブ95cおよび短ハブ9
5dとを有している。このパトローネ95は、パトロー
ネ室2aに対してフィルムリーダ部96b(後述)を外
筒95eに巻き付けた状態で長ハブ95c側から装填す
ることができる。なお、パトローネ95の装填は、上記
パトローネ巻き取り軸95fがY0 方向(図1,7)に
沿った姿勢で装填される。
【0019】上記フィルム96は、全長にわたってパー
フォレーション96aが設けられ、パトローネ巻き取り
軸95fに巻回されて保持されている。そのフィルム9
6の巻き終わり部分であるフィルムリーダ部96bは、
パトローネ装填時にはパトローネ送出口95bより外部
に露出している。なお、上記フィルムリーダ部96bの
先端をリーダ先端96cとし、長ハブ側フィルム幅端面
を幅端面96dとする。
【0020】上記パトローネ室2aは、パトローネ95
が装填される円筒内壁面2mと、第1の送出口壁部であ
る壁面2dおよび第2の送出口壁部である壁面2eと、
パトローネ室2aの入り口部分に形成され、パトローネ
装填時にフィルムリーダ部96bの第1の案内部となる
フィルムガイド斜面2cと、パトローネ室底面2kとを
有してなる。なお、パトローネ室2aは、円筒内壁面2
mによる円筒空間部分と壁面2d,2eよりなる三角柱
状空間部分とにより構成される。また、壁面2dは光軸
O側に傾斜した面であり、壁面2eは、レンズ鏡筒4の
側面に沿って設けられ、光軸Oと略平行な面である。
【0021】上記円筒内壁面2mは、撮影レンズ5の光
軸Oに対して略直交する方向(カメラ本体2の上下方
向)と平行な軸であるY0 軸を中心軸とした円筒面の一
部である。また、その円筒面は、パトローネ95の外筒
95eよりも大きく、フィルム挿入隙間Sa(フィルム
リーダ用空間)を保つ円筒面であり、パトローネ外筒9
5eにフィルムリーダ96bを巻いたままの状態で挿入
可能とする。
【0022】上記壁面2d,2eは、上記内壁面2mに
連続した略V字形状の壁面であって、上記Y0 方向に平
行な面である。
【0023】上記フィルムガイド斜面2cは、パトロー
ネ95装填時にフィルムリーダ部96bの幅端部96d
が上記円筒内壁面2m、および、壁面2d,2eに向け
てスライドし易いように設けられる傾斜面であって、Y
0 軸心に向けてパトローネ室底面2k側に傾斜するすり
鉢状の曲面(凹状コニカル曲面)で形成される。その斜
面2cが設けられる範囲は、およそ円筒内壁面2mのカ
メラ本体前面側端部から始まり、壁面2eを経て、壁面
2dに達する。
【0024】上記パトローネ室底面2kには、パトロー
ネ巻き取り軸95fを回転駆動するための巻き戻し機構
であるフォーク(巻き戻し手段)12と、装填されたパ
トローネ95を取り出し方向に付勢するパトローネ取り
出し付勢バネ19とが上記Y0 軸上の位置に配置されて
いる。なお、上記フォーク12は、装填されたパトロー
ネ95の長ハブ95cのスプライン部と係合可能する。
【0025】さらに、上記パトローネ室底面2k上であ
って壁面2d,2mの内側位置には、第2のフィルム案
内部であるフィルムガイド13と、フィルム送り出し機
構であるスプロケット部(送り出し手段)51が配置さ
れている。
【0026】上記パトローネ室蓋7は、カメラ外装3に
対して支持軸8を介して回動可能に支持されている。パ
トローネ室蓋7のパトローネ室側には、パトローネ短ハ
ブ95dに嵌入してパトローネ95を回転可能に支持す
るパトローネハブ支持突起7aと、蓋閉止爪7bが設け
られている。
【0027】上記蓋閉止爪7bは、パトローネ室蓋7の
閉状態でカメラ本体の爪開口2fに挿入されてカメラ本
体内の係止爪9に係合し、パトローネ室蓋7の閉止状態
を保持する。蓋閉止爪7bが係止爪9に係合すると、係
止爪近傍に配置される蓋検出手段のCVSW(蓋スイッ
チ)84がオンに切り換わる(図20参照)。上記蓋閉
止状態では、パトローネ室蓋7の外周がカメラ外装3の
蓋開口部3aに嵌合し、パトローネ室2aの光密状態が
保持される。
【0028】上記パトローネ室蓋7を開放するには、カ
メラ外装3の側面に設けられる蓋開放ツマミ10をスラ
イド操作することにより係止爪9の係合を解放し、パト
ローネ室蓋7を開放することができる。その蓋開放時、
装填パトローネ95を付勢バネ19により上方に突出移
動させ、パトローネ95の取り出しが容易になってい
る。
【0029】上記フィルムガイド13とフィルム送出用
スプロケット部51は、円筒内壁面2mを延長した円筒
外周と、壁面2dと、壁面2eとに囲まれた略三角柱状
空間部にY0 軸と平行な方向に直立した姿勢で配置され
る。そして、フィルムガイド13は後述するように上部
に略円錐面をなす傾斜面13aを有しているがその頂点
13bは、図2に示すように光軸Oと平行な直線Aに対
して光軸O寄りの角度θ0 をなす直線B上に位置する。
【0030】スプロケット部51は、後述するようにフ
ィルムガイド13の内部に回転自在に支持されている。
【0031】上記フィルムガイド13は、図3(A)の
断面図に示すようにパトローネ室2aの底面2kに固着
されており、パトローネ室2aの開口側の頂点13bを
もつ略円錐形状の先端傾斜面13aを有している。
【0032】さらに、上記フィルムガイド13は、図9
の横断面図に示すように後述する圧板62のフィルムガ
イド部62c(装填パトローネのフィルム突出口95b
とフィルム導入口Sdを結ぶ部分となる)と協働してフ
ィルム挿入隙間Sc(フィルムリーダ用空間)を形成す
る第1の側面である外壁面13gと、パトローネ室の壁
面2eとの間のフィルム挿入隙間Sb(フィルムリーダ
用空間)を形成する第2の側面である外壁面13hと、
挿入パトローネの外筒95eに対向する円筒内壁面13
iと、パトローネ室の壁面2dと対向する切り欠き部
(回転止め部)13cとを有している。
【0033】上記パトローネ室の壁面2dと切り欠き部
13cとで形成される空間部分(送出口用空間)には、
装填されるパトローネ95のフィルム送出口突部95a
が嵌入可能であり、その送出口突部95aの嵌入により
装填状態でのパトローネ95の巻き取り軸95f中心の
回転が規制され、パトローネ95の装填姿勢が保持され
る。
【0034】また、フィルムガイド13の円筒内壁面1
3i側の先端傾斜面13aは、パトローネ95の送出口
突部95aとパトローネ外筒95eとをパトローネ室2
a内に装填するときのガイド面となる。また、円筒内壁
面13iは、装填パトローネ95の外筒95eの位置決
め部として機能する。
【0035】また、上記フィルムガイド13の外壁面1
3g,13h側の先端傾斜面13aは、パトローネ室傾
斜面2cと協働してパトローネ95のフィルムリーダ部
96bのパトローネ室2a内挿入時の案内部として機能
する。さらに、上述したように外壁面13gは、後述す
る圧板62のフィルムガイド部62cとともに装填パト
ローネ95のフィルムリーダ部96bをフィルム突出口
95bからフィルム導入口Sd(圧板62とマスク板6
1で形成される隙間部分)まで案内するガイド部として
も機能する(図10)。
【0036】また、後述する圧板62のフィルムガイド
部62cとフィルムガイド13の外壁面13gとによっ
て、後述するスプロケット部51の円筒面52f上にて
スプロケット爪56をフィルムに確実に係合させること
ができる所定角度β0 が確保される(図11)。
【0037】一方、圧板62は、マスク板61の対向位
置からフィルムガイド13に対向位置まで延出して配置
されており、フィルムガイド13側の圧板62の先端部
には、フィルムガイド13の外壁面13gに沿いフィル
ム送出方向と平行なフィルム挿入隙間Scを形成する折
り曲げ部であるフィルムガイド部62cが設けられる
(図9)。上記圧板62のフィルムガイド部62cの先
端面位置は、フィルムガイド13の切り欠き部13cお
よび装填されるパトローネ95のフィルム送出口突部9
5aの位置まで延びている。なお、上記装填姿勢にある
パトローネ95の送出口95bのフィルム送出は、圧板
62のアパーチャ対向平面部に対して所定角度傾斜方向
からフィルム挿入隙間Scを経由し、フィルム導入口S
dに向けて送出される。
【0038】また、上記圧板62には、図3の断面図に
示すようにスプロケット爪56との対向位置にスプロケ
ット爪56の回転軌跡に対応する部分を切り欠いた切り
欠き部62aが設けられている。さらに、上記切り欠き
部62aの上方位置にフィルムリーダ部先端96cを検
出するフィルム巻き戻し検出用のPR(フォトリフレク
タ)であるLセンサ74とそのための開口62bが配置
されている。なお、上記Lセンサ74は、フレキシブル
プリント基板74aにより支持されて圧板62上に配置
される。そして、Lセンサ74に対向するスプロケット
従動軸52(後述)の円筒部52fの外周面は、金属
面、または、メッキ処理面の検出部であり、光反射率の
高くしているので、フィルムリーダ部96bの端部96
cが到達した状態では、Lセンサ74からの光を十分に
反射し、反射光量の少ないフィルムの端部96cの到達
を確実に検出することができる。
【0039】上記マスク板61と圧板62は、図12の
断面図に示すように撮影レンズ鏡筒4の結像面側に配置
される。マスク板61には、アパーチャ開口61aが設
けられる。そして、マスク板61と圧板62の間の隙間
は、パトローネ室2aからスプール室2bに通じるフィ
ルム給送路となる。そのフィルム給送路のパトローネ室
側端部がフィルム導入口Sdとなる。
【0040】さらに、圧板62のスプール室2b側端部
にフィルムのパーフォレーション96aの通過を検出す
るPR(フォトリフレクタ)のPセンサ75が配置され
ている。
【0041】上記マスク板61のアパーチャ開口61a
のスプール室2b側端部には、図12の断面図に示すよ
うに可動ブロック15が設けられている。この可動ブロ
ック15は、給送されてくるフィルムリーダ部96bの
先端96cを鏡筒側に巻き込まないようにするためのガ
イド手段であり、撮影レンズ鏡筒4の進退移動に連動し
ている。
【0042】すなわち、上記可動ブロック15は、レン
ズ鏡筒4が収納位置(または非撮影位置)にあるとき
は、図12に示すようにマスク板61のアパーチャ開口
61aの内部に位置しているが、上記鏡筒4が鏡筒用開
口2p,3c上を撮影可能位置に繰り出されたときに
は、その移動に連動して撮影光路外に退避するものとす
る。
【0043】なお、カメラ本体2のパトローネ室2aに
は、図12の断面図に示すように円筒内壁面2m上に径
方向に弾性変形可能な電気接片で形成されるDX接片7
3が配置されており、パトローネ95が装填されたと
き、パトローネ外筒95eにDX接片73が接触し、D
Xコードを読み取ることが可能となる。そのDX接片7
3の出力は、パトローネ装填検出信号としても利用され
る。
【0044】また、カメラ本体2のスプール室2bには
スプール14に向けて弱い付勢力で付勢される回動可能
なフィルムガイド板64が配置されている。このフィル
ムガイド板64は、フィルム96がスプール室2b内に
給送されてきたとき、スプール14に上記フィルム96
を巻き付ける機能を有する。スプール14は、複数の爪
14aを有し、フィルムパーフォレーション96aを引
っかけ、このスプールに巻き付かせる。
【0045】一方、上記フィルムガイド13の内部に
は、図3(A)に示すようにスプロケット部51を収納
する内周壁面(スプロケット爪突出量規制部)13f
と、スプロケット軸部を支持する軸受け部13dとが設
けられている。
【0046】上記スプロケット部51は、図5の分解斜
視図に示すようにスプロケット駆動軸53と、円筒部材
であるスプロケット従動軸(スプロケット部材)52
と、上記スプロケット従動軸52内部に組み込まれるス
プロケット支持体55と、スプロケット支持体55に固
着される5つのスプロケット爪56からなる。そして、
上記スプロケット部51は、スプロケット駆動軸53と
スプロケット従動軸52とを一体として、スプロケット
従動軸52の円筒部52fの外周をフィルムガイド13
の外壁面13g,13hに沿わせた状態で組み込まれ
る。
【0047】上記スプロケット駆動軸53には、カメラ
本体2の軸受け部2hに嵌合する支持軸部53aと、ス
プロケット従動軸52の突起52bに圧入結合される係
合溝53bと、スプロケット支持体55のガイド部55
dが嵌入し、その移動をガイドする5方向のガイド溝5
3cと、スプロケットギヤ部53dとが設けられてい
る。
【0048】上記スプロケット従動軸52は、金属部材
であり、円筒部(検出部)52fと、フィルムガイド1
3の軸受け部13dに嵌合する支持軸部52aと、下方
部に設けられ、スプロケット駆動軸53の係合溝53b
に嵌入する位置決め突起52bと、スプロケット爪56
が出没する5つの爪開口52cと、スプロケット爪56
の回転規制用の5つの回転止め溝部52dと、円筒部上
面にネジ穴52eが設けられている。
【0049】上記スプロケット支持体55は、板部材で
形成される付勢部材であって、取り付け用ビス挿通穴5
5eと、軸方向に延出する弾性変形可能な5本の脚部
(付勢手段)55cと、各脚部先端にて脚部平面に直交
する方向に折り曲げて形成されるガイド突起部55d
と、各脚部端部に設けられる爪固定用穴55bとが設け
られる。
【0050】上記5本の脚部55cの先端に設けられる
ガイド突起部55dは、装着されるスプロケット従動軸
52のラジアル方向に対してそれぞれ所定角度(図6
(A)の角度α0 に対応する)だけ傾斜した方向に沿っ
て周方向5分割位置に配置されている。
【0051】上記スプロケット爪56は、図6(A),
(B)に示すように、回転方向両側面56a1、56a2と
上,下傾斜面56a4,56a3を有する爪部56aと、回
転止め部56bと、取り付け用突起部56cとを有して
いる。このスプロケット爪56は、取り付け用突起部5
6cをスプロケット支持体55の爪固定用穴55bに固
着して取り付けられる。
【0052】上記取り付け状態でのスプロケット爪56
のスプロケット駆動軸53の回転方向断面形状として
は、図6(A)に示すようにスプロケット支持体55の
ガイド突起部55dのガイド方向X2 (スプロケット爪
退避方向)に対して回転止め部56bの取り付け軸X1
が平行であるが、スプロケット爪56の中心軸X3 は、
ガイド突起部55dのガイド方向X2 に対して傾斜角α
0 だけ傾斜している。なお、スプロケット従動軸52に
組み込まれた状態のスプロケット爪56の中心軸X3
は、スプロケット爪56がパーフォレーションと係合可
能な突出位置にあるとき、スプロケット従動軸52の回
転軸心を通る(図15,17)。
【0053】フィルム96をパトローネ室2a側からカ
メラ側スプール室2bに給送するときの上記スプロケッ
ト従動軸52の回転方向は、カメラ底面側から見た図
5,図6(A)上では、反時計回りであるが、カメラ上
面側から見た図15〜18上では、時計回りとなる。
【0054】そして、スプロケット爪56のスプロケッ
ト駆動軸53の回転軸方向断面形状としては、図6
(B)に示すようにその取り付け軸X1 は、ガイド溝5
2dと平行であって、爪部56aの下側傾斜面56a3の
取り付け軸X1 に対する傾斜角α1 とし、上側傾斜面5
6a4の傾斜角α2 とすると、45°≦α1 <α2 と設定
される。これらの傾斜角α1 ,α2 は、パトローネ95
を挿脱する際に上記フィルム端面96d、または、パー
フォレーション96aと当接した場合にスプロケット爪
56が退避しやすいようにそれぞれが45°以上となる
ことが望ましい。また、α1 <α2 と設定されている点
については、後述する。
【0055】スプロケット爪56を固着した状態のスプ
ロケット支持体55は、上記スプロケット従動軸52の
円筒部52fの内部にビス57をネジ穴52eに螺着す
ることによって取り付けられる。さらに、上記スプロケ
ット従動軸52とスプロケット駆動軸53とは、位置決
め突起52bと係合溝53bを圧入結合して一体化す
る。一体化したスプロケット従動軸52,駆動軸53
は、フィルムガイド13に回転可能な状態で組み込まれ
る。
【0056】上記組み込み状態では、スプロケット駆動
軸53の5つのガイド溝53dには、スプロケット支持
体55の5つのガイド突起部55dが摺動可能な状態で
嵌合する。また、上記組み込み状態でスプロケット爪5
6がフィルム96、または、フィルムガイド13等で外
部から規制されないとき、スプロケット爪56は、突出
位置にある。フィルム96、または、フィルムガイド1
3の内周面13f等で外部から押圧されると、上記スプ
ロケット爪56は、ガイド溝53cに沿って上記スプロ
ケット駆動軸53の円筒部52fの内部に没入し、退避
する。上記スプロケット爪56が退避位置にある状態で
は、当然ながらフィルムのパーフォレーションに係合す
ることはできない。
【0057】また、上記スプロケット爪56の下側傾斜
面56a3 には、パトローネ装填時、フィルム端面96
dが軸方向から当接する。、上側傾斜面56a4 には、
フィルム96が露出している状態でのパトローネ取り出
し時、フィルムパーフォレーション96aが軸方向から
当接する。上記各傾斜面56a3 、56a4 にフィルム
端面、または、パーフォレーションが当接すると、上記
スプロケット爪56を介してスプロケット支持体の脚部
55cが弾性変形し、ガイド溝53cに沿ってスプロケ
ット爪56が爪開口52c内に退避する。
【0058】上記スプロケット爪56の退避状態では、
上記フィルム端面96d、または、フィルムのパーフォ
レーション96aは、スプロケット従動軸52の円筒面
上を移動することができ、パトローネ95が着脱でき
る。なお、上述したようにスプロケットつめ56の上下
傾斜面の傾斜角をα2 >α1 としていることにより、フ
ィルム96のカメラ下方向への取り出し抵抗力を装填時
よりも減らしている。このようにカメラ下方向へのフィ
ルム取り出し抵抗力を減ずることによって、撮影途中で
フィルムが露呈した状態でパトローネ取り出すとき、パ
ーフォレーション96aとスプロケット爪56が引っ掛
かることなく、パトローネ95の取り出しが容易に行え
る。
【0059】フィルム96によりパトローネ95の挿脱
時にスプロケット爪を退避させるためには、上下傾斜角
α2 ,α1 が45°より大きい方がその抵抗力が小さく
なって望ましいものである。しかしながら、スプロケッ
ト爪56は、パーフォレーション96aに係合可能でな
ければならないものであるから、スプロケット爪56の
フィルム幅方向の寸法をあまり大きくすることはできな
い。したがって、傾斜角α2 ,α1 を大きくするにも限
りがある。
【0060】一方、スプロケット爪56が支持されてい
るスプロケット爪56の脚部55cは、パトローネ95
を装填するときにフィルム96が当接する下側傾斜面5
6a3側から力が加わった場合に対して、パトローネ95
を取り出すときにフィルムが当接する上側傾斜面56a4
側から力が加わった場合の方が、脚部55cが内側に向
かって変形しづらい。これは、上側傾斜面56a4側から
力が加わった場合には脚部55cを座屈させる方向に力
が加えられるためである。以上のような理由から、スプ
ロケット爪56の大きさをパーフォレーション96aに
係合可能な大きさに保ちつつ、パトローネ95の挿脱に
おける抵抗力を実使用上問題のない程度とするために、
本実施形態においては、α2 >α1 と設定している。
【0061】上述したようにスプロケット爪56の中心
軸X3 は、ガイド突起部55dのガイド方向X2 に対し
て傾斜角α0 だけ傾斜し、さらに、上記ガイド方向X2
は、スプロケット従動軸52のラジアル方向に対して所
定角度傾斜している。このことからフィルム96をスプ
ール室2b側のスプール14側へ送り出し駆動している
状態では、スプロケット爪56は、スプロケット従動軸
52の爪開口52c内に退避することはない。一方、フ
ィルム96がスプール室2b側のスプール14によって
引っ張られる状態では、スプロケット爪56の回転方向
側面56a1がフィルム96のパーフォレーション96a
で押圧され、スプロケット爪56は、スプロケット従動
軸52の爪開口52c内に退避させることができる。
【0062】上述のような構成を有するスプロケット部
51は、図3の断面図示すようにフィルムガイド13と
パトローネ室底面2kの軸受け部13d,2hに回転可
能に支持されて組み込まれる。その組み込み状態でスプ
ロケット部51は、図9の横断面図に示すようにスプロ
ケット従動軸52の円筒部52f外周をフィルムガイド
13の外壁面13h,13gの延長面に接するように組
み込まれる。
【0063】また、スプロケット部51のスプロケット
ギヤ部53dには後述するフィルム給送駆動系20の送
り出し駆動系のギヤ37が噛合する。
【0064】ここで、スプロケット部51のスプロケッ
ト爪56のフィルムリーダ部巻き戻し,フィルム送り出
し,フィルム巻き上げ時の挙動について、図15〜図1
8のスプロケット部周りの拡大断面図(カメラ上面側か
ら見た断面図)により説明する。図15(A)〜図16
(C)は、フィルムパトローネ95装填直後、パトロー
ネ外に露呈しているフィルムリーダ部96bを一旦パト
ローネ内に巻き戻す過程でのスプロケット爪の動きを示
しており、図15(A)は、パトローネ装填直後の状
態、図15(B),(C)および図16(A)〜(C)
は、フィルム96がF0 方向に巻き戻されるときのスプ
ロケット部51の反時計回りの回転状態を示している。
図17(A)〜(C),図18(A),(B)は、フィ
ルム96をスプール側に送り出しているときのスプロケ
ット部51の時計回りの回転状態を示している。
【0065】巻き戻し過程においては、パトローネ外に
露呈しているフィルムリーダ部96bは、スプロケット
部51のフィルム送出側外周とフィルムガイド13の外
壁面13hに沿って巻き付いている。そして、前述した
ようにスプロケット爪56の中心軸X3 は、ガイド突起
55dのガイド方向X2 に対して時計回りに角度α0だ
け傾斜している(図15(A))。
【0066】上記巻き戻し時のフィルム96は、パトロ
ーネ95のフィルム巻き取り軸95fにより巻き戻され
るが、スプロケット爪56A等がフィルムを介して受け
る力の方向とガイド方向X2 との角度θが90°以上で
あることからスプロケット爪56A等がスプロケット従
動軸52内に退避することはない。したがって、スプロ
ケット従動軸52,スプロケット部51は、フィルム9
6の巻き戻しに従動して反時計回りに回転駆動される。
なお、このフィルム巻き戻し状態では、スプロケット従
動軸52に連結される送り出し駆動系、巻き上げ駆動系
は、後述する切り換え駆動系により駆動モータとは切り
離されているのでスプロケット従動軸52は、回転駆動
可能な状態にある。
【0067】また、図15(B)等に示すようにフィル
ムガイド13の内周壁面13f側にあるスプロケット爪
56D,56C等は、それぞれの先端部が上記内周壁面
13fにより退避方向に押圧され、スプロケット従動軸
52内に退避する。したがって、フィルムガイド13に
は、スプロケット56の逃げ部を設ける必要がなく、フ
ィルムガイド13をコンパクトな形状にまとめることが
可能になる。
【0068】フィルムリーダ部を所定位置まで巻き戻し
た後、フィルム96およびフィルムリーダ部96bは、
カメラ側スプール室2bに向けて送り出される。この送
り出し過程でのスプロケット爪の動きは、図17(B)
〜図18(B)のスプロケット部51の時計回りの回転
状態断面図に示される。
【0069】上記送り出し過程においては、図17
(B),(C)に示すようにスプロケット部51により
フィルム96がF1 方向に送り出されるが、スプロケッ
ト爪56Aがフィルムを介して受ける力の方向とガイド
方向X2 との角度θが90°以上であることからスプロ
ケット爪56Aがスプロケット従動軸52内に退避する
ことなくフィルム96の送り出しが実行される。続い
て、図18(A),(B)の状態においても続いて係合
するスプロケット爪56Eがフィルムを介して受ける力
の方向とガイド方向X2 との角度θも90°以上である
ことからスプロケット爪56Eがスプロケット従動軸5
2内に退避することなくフィルム96の送り出しが続行
される。
【0070】また、上記フィルム送り出し過程において
も同様にフィルムガイド13の内周壁面13f側にある
スプロケット爪56D,56C等は、それぞれの先端部
が上記内周壁面13fで退避方向に押圧され、スプロケ
ット従動軸52内に退避する。
【0071】上記フィルム送り出し動作によりフィルム
96がスプール室2bに到達すると、スプール14によ
るフィルム96の巻き上げが開始される。その巻き上げ
過程においては、フィルム96の弛みを防止するために
スプール14による巻き上げ速度は、スプロケット部5
1による送り出し速度より早く設定されている。スプー
ル14とスプロケット部51のスプロケット駆動軸53
とは、後述するようにワンウェイクラッチを含まない一
連のギヤ系により連結されていることから、その上記フ
ィルム送り速度の違いをスプロケット部51で吸収する
必要がある。そのためにスプロケット部51にてスプロ
ケット爪56をスプロケット駆動軸52内にフィルム9
6のテンションにより退避させ、フィルム96の巻き上
げをスムーズに実行させる。
【0072】すなわち、図17(B)〜図18(C)に
示すようなフィルム給送状態においては、スプール14
によるF1 方向のテンションがフィルム96に作用す
る。そのテンションは、例えば、図17(B)のスプロ
ケット爪56Aの側面56a1に作用するので、前述した
ようにスプロケット爪56Aの中心軸X3 がガイド突起
部55dのガイド方向X2 に対して傾斜角α0 だけ傾斜
し、さらに、上記ガイド方向X2 がスプロケット従動軸
52のラジアル方向に対して所定角度傾斜していること
から、スプロケット爪56Aは、スプロケット従動軸5
2の内部に退避することになる。スプロケット爪56の
退避により上記フィルム巻き上げが正常に行われる。
【0073】次に、上記フィルム給送駆動系20につい
て説明する。上記フィルム給送駆動系20、は図19の
斜視図に示すように駆動モータ72を含む駆動源と、太
陽ギヤ25等の遊星ギヤ機構からなる切り換え駆動系
(切り換え機構)と、フォークギヤ30等を含む巻き戻
し駆動系(巻き戻し機構)と、スプロケットギヤ53d
等を含む送り出し駆動系(送り出し駆動伝達手段)と、
スプールギヤ31を含む巻き上げ駆動系(巻き上げ駆動
伝達手段)とを有してなる。
【0074】上記駆動モータ72は、その両端に突出し
たモータ軸21を有し、そのモータ軸21の軸端部のそ
れぞれには、モータピニオン22およびエンコーダ板4
2が固着されている。上記モータピニオン22の回転
は、ギヤ23、2段ギヤの大ギヤ24a、小ギヤ24b
を介して太陽ギヤ25に伝達される。上記エンコーダ板
42の回転は、フォトインターラプタ(PI)で構成さ
れるMセンサ76により検出される。
【0075】上記遊星ギヤ機構は、太陽ギヤ25と、キ
ャリア26と、遊星ギヤ27とからなる。キャリア26
は、太陽ギヤ25の軸部に回転可能な状態で支持されて
おり、遊星ギヤ27は、キャリア26に回転自在に支持
された状態で太陽ギヤ25に噛合している。したがっ
て、太陽ギヤ25が+D2 方向に回転するとキャリア2
6も+D2 方向に回動するので、遊星ギヤ27はギヤ3
2側に噛合する。太陽ギヤ25が−D2 方向に回転する
とキャリア26も−D2 方向に回動するので、遊星ギヤ
27はギヤ28側に噛合する。
【0076】上記巻き戻し駆動系は、ギヤ28と、ギヤ
29と、フォーク12に支持されるフォークギヤ30と
からなり、ギヤ28の回転は、ギヤ29を介してフォー
ク12に伝達される。
【0077】上記送り出し駆動系は、ギヤ32に噛合す
るギヤ33,35,36,37と、スプロケットギヤ5
3dとからなる。
【0078】上記巻き上げ駆動系は、ギヤ32と、2段
ギヤの大ギヤ39a,小ギヤ39bと、ギヤ40と、ギ
ヤ41と、スプール14に設けられるスプールギヤ31
とからなる。ギヤ32のD4 方向の回転は、上記各ギヤ
を介してスプールギヤ31に伝達される。
【0079】上述したフィルム給送駆動系20におい
て、フィルム巻き戻し動作時には、駆動モータ72は、
時計回り方向(CW方向)に駆動され、遊星ギヤ機構の
太陽ギヤ25を−D2 方向に回転駆動する。その太陽ギ
ヤ25の−D2 方向の回転により遊星ギヤ27はギヤ2
8側に噛合し(第1の状態)、ギヤ28を介してフォー
クギヤ30がD3 方向に回転駆動される。そのフォーク
ギヤ30の回転により装填パトローネ95の巻き取り軸
95fがD3 方向に回転駆動され、フィルム96は、パ
トローネ内に巻き戻される。
【0080】フィルム送り出し動作時には、駆動モータ
72は、反時計回り方向(CCW方向)に回転し、遊星
ギヤ機構の太陽ギヤ25を+D2 方向に回転駆動する。
その太陽ギヤ25の+D2 方向の回転により遊星ギヤ2
7はギヤ32に噛合し(第2の状態)、ギヤ32がD4
方向に回転する。上記ギヤ32の回転は、ギヤ33に伝
達され、D5 方向に回転駆動する。さらに、その回転は
ギヤ35に伝達され、スプロケットギヤ53dをD6 方
向に回転駆動する。スプロケットギヤ53dの回転によ
りスプロケット部51がD6 方向に回転駆動され、スプ
ロケット爪56,パーフォレーション96aを介してフ
ィルム96がスプール14側に送り出される。一方、上
記ギヤ32の回転は、同時にスプールギヤ31にも伝達
され、スプール14がD7 方向に回転駆動される。
【0081】フィルム巻き上げ動作時には、上記フィル
ム送り出し動作時と同一状態であって、駆動モータ72
は、反時計回り方向(CCW方向)に回転し、遊星ギヤ
機構の太陽ギヤ25を+D2 方向に回転駆動する。その
太陽ギヤ25の+D2 方向の回転により遊星ギヤ27は
ギヤ32に噛合し(第2の状態)、ギヤ32がD4 方向
に回転する。ギヤ32の回転は、スプールギヤ31に伝
達され、スプール14がD7 方向に回転駆動される。
【0082】上述したフィルム送り出し動作によりフィ
ルム96のリーダ部96bがスプール14側に到達して
いれば、フィルム96は、D7 方向に回転するスプール
14に巻き上げられていく。
【0083】上記フィルム巻き上げ時におけるフィルム
96のスプール14による巻き上げ速度は、スプロケッ
ト部51の速度よりも速くなるように上記ギヤ駆動系が
設定されている。すなわち、スプロケット部51のスプ
ロケット爪の移動速度よりも巻き上げられるフィルム9
6の移動速度の方が早い。したがって、上述したように
フィルム96のパーフォレーション96aによりスプロ
ケット爪がスプロケット駆動軸52内部に押圧され、退
避した状態で駆動される。
【0084】次に、本実施形態のカメラ1の電気制御系
の構成について、図20の電気制御系のブロック構成図
により説明する。本実施形態のカメラ1には、カメラ全
体の制御を司る制御回路であるCPU71と、フィルム
給送駆動およびレンズ鏡筒の進退駆動のための駆動モー
タ72と、駆動モータ72の回転量を検出するPI(フ
ォトインターラプタ)であるMセンサ76と、フィルム
リーダ部先端96c位置を検出するフィルム先端検出手
段のPR(フォトリフレクタ)であるLセンサ74と、
装填されたパトローネ95のDXコードを読みとるため
のセンサであって、パトローネ装填検出手段としても機
能するDX接片73と、フィルム96の給送量をパーフ
ォレーション96aの通過により検出するPR(フォト
リフレクタ)であるPセンサ75と、Mセンサ76の出
力を取り込んでモータ回転量信号をCPU71に出力す
るモータ回転検出回路78と、DX接片73からの出力
を取り込んでパトローネ装填信号をCPU71に出力す
るパトローネ検出回路79と、Lセンサ74の出力を取
り込んでフィルムリーダ部先端位置検出信号をCPU7
1に出力するフィルムリーダ検出回路80と、Pセンサ
75の出力を取り込んでフィルムの移動量信号をCPU
71に出力するパーフォレーション検出回路81と、C
PU71のフィルム給送出力に基づいて駆動モータ72
を駆動するフィルム給送回路77とが内蔵されている。
【0085】さらに、上記カメラ1には、電源スイッチ
であるPWSW(パワースイッチ)83と、パトローネ
室蓋の閉状態を検出する蓋検出手段であるCVSW(蓋
スイッチ)84と、レリーズ釦の1段目操作でオンされ
る1RSW(レリーズ1段目スイッチ)85と、レリー
ズ釦の2段目操作でオンされる露光開始のための2RS
W(レリーズ2段目スイッチ)86と、フィルムの途中
巻き戻しを指示するRWSW(リワインドスイッチ)8
7と、上記スイッチ群の出力を取り込み、CPU71に
出力すスイッチ入力回路82と、CPU71により表示
情報を取り込む表示回路88と、表示回路88により駆
動され、上記表示情報を表示する液晶表示部89および
LED表示部90と、不揮発性メモリ91とが内蔵され
ている。
【0086】なお、上記CPU71には、カメラ内の各
制御要素の制御のための処理プログラムが記憶されてい
るROM71aと、撮影のためのデータを記憶するRA
M71bと、タイマ回路71cと、カウンタ回路71d
と、A/Dコンバータ回路71e等が内蔵されている。
【0087】また、上記表示回路88は、CPU71に
より撮影モード情報,フィルムカウンタ情報,日付情報
等の情報表示信号やストロボ状態の情報表示信号を取り
込み、液晶表示部89およびLED表示部90に上記各
情報の表示を行わせる。
【0088】また、上記不揮発性メモリ91は、各種撮
影条件や撮影条件設定のための設定情報を記憶してお
り、例えば、電池入れ替えを行った場合でも元の撮影条
件の再設定が行える。
【0089】次に、以上のような構成を有する本実施形
態のカメラにおいては、フィルムリーダ部96bが露呈
したままのパトローネ95がパトローネ室2aに装填さ
れる。その装填後、フィルムのオートローディングが行
われる。すなわち、フィルムリーダ部96bをその先端
部のみを残して一旦パトローネ内に巻き戻す。そして、
フィルムリーダ部96bをスプール室2b側に向けて送
り出し、スプール14で巻き上げ、フィルムのローディ
ングが終了する。なお、これらのオートローディング処
理動作は、制御回路であるCPU71によって全てコン
トロールされる。
【0090】以下、上記装填動作からフィルムのローデ
ィング動作について、図21のオートローディング処理
のフローチャートおよび図22のタイムチャートを用
い、さらに、装填過程を上記図3,4の断面図,図8の
斜視図等を用い、また、フィルムのローディング過程を
図9〜11の部分断面図、および、図12〜14の断面
図等を用いて説明する。
【0091】パトローネ95を装填するに際して電源ス
イッチであるPWSW83をオンとしてカメラ底面側を
上方にした状態でカメラ外装3のパトローネ室蓋7を蓋
開放ツマミ10を操作して開放する。このとき、Lセン
サ74は、スプロケット筒54に光を投射してその反射
光を受け、Hとなる。図7(A),(B)に示すように
長ハブ95側からパトローネ室2aにY0 軸に沿って挿
入する。パトローネ95は、フィルムリーダ96bの幅
端部96dを図7(B)に示すようにフィルムガイド傾
斜面2c上をスライドさせながらパトローネ室2aに向
けて挿入されていく。なお、パトローネ外筒上のフィル
ムリーダ部96bは、その先端96cをカメラ本体2上
の許容範囲マーク2gの範囲内に位置させる必要がある
(図2参照)。
【0092】さらに、パトローネ95をパトローネ室2
aに挿入していくと、図8(B),図9に示すようにフ
ィルムリーダ96bは、上記フィルムガイド傾斜面2
c、および/または、フィルムガイド13の斜面13a
上を滑りながら、圧板62のフィルムガイド部62cと
フィルムガイド13の外壁面13gとの隙間Sc、およ
び、パトローネ室壁面2eとフィルム外装13の外壁面
13hとの隙間Sb、さらに、パトローネ室円筒内壁面
2mとパトローネ外筒95eの隙間Saに挿入される。
上記圧板62のフィルムガイド部62cとフィルムガイ
ド13の外壁面13gの隙間Scにフィルムリーダ95
bが挿入される状態は、図3(A)の断面図に示され
る。
【0093】同時にパトローネ95の送出口突部95a
は、パトローネ室壁面2dとフィルムガイド部13の切
り欠き部13cの間にガイドされながら挿入される。
【0094】そこで、パトローネ室蓋7が閉じられると
爪7bが係止部材9に係止され、蓋閉止状態となる。パ
トローネ95は、パトローネの短ハブ95d側がパトロ
ーネ室蓋のハブ支持突起7aで位置決めされ、同時にパ
トローネ室底面側の所定の装填位置まで挿入される。
【0095】そして、上述のようにパトローネ室蓋7が
閉止状態となると、蓋閉止状態検出用のCVSW84よ
り蓋閉止信号が出力され、後述する図21のオートロー
ディング処理が開始される。
【0096】上記パトローネ挿入過程において、図3
(B)に示すようにフィルムリーダ部96bの幅端部9
6dがスプロケット部51のスプロケット爪56の傾斜
面56a3に当接すると、脚部55cが弾性変形してスプ
ロケット爪56は、図4(A)に示すようにスプロケッ
ト従動軸52の円筒部52f内に退避し、フィルムリー
ダ部96bが上記円筒部52f上を移動可能となる。
【0097】そして、パトローネ95がパトローネ室2
aの所定の装填位置まで挿入されると、図4(B),図
8(C),図9等に示すようにフィルム96のパーフォ
レーション96aは、パトローネ爪56に嵌入する。ま
た、同時にパトローネ長ハブ95cは、フォーク12に
係合する。
【0098】なお、上記フィルム96の送り出し方向の
位置によってパーフォレーション96aとスプロケット
爪56がずれていれば、当然ながら嵌入しない。その場
合は後述するフィルムリーダ部96bの初期の巻き戻し
過程中に嵌入し、係合状態となる。同様にフォーク12
の回転位置によっては、パトローネ長ハブ95cとフォ
ーク12も必ずしも係合状態にならないが、その場合
は、後述するフィルムリーダ部96bの初期の巻き戻し
過程中に嵌入し、係合状態となる。
【0099】上記装填状態ではパトローネ95は、その
送出口突部95aがパトローネ室壁面2dとフィルムガ
イド部13の切り欠き部13cの間に嵌入して、巻き取
り軸95f回りの回転が規制される。また、フィルムリ
ーダ部96bは、圧板62との隙間Sc,パトローネ室
壁面2eとの隙間Sb,パトローネ室円筒内壁面2mと
の隙間Saに挿入された状態で保持される。
【0100】上述したようにパトローネ95挿入後、パ
トローネ室蓋7を閉じると、蓋閉止状態検出用のCVS
W84より蓋閉止信号が出力され、その信号はCPU7
1に取り込まれて割り込みがかかり、図21のオートロ
ーディング処理が開始される。
【0101】まず、ステップS1においてパトローネ装
填状態がチェックされる。すなわち、DX接片73から
の信号をパトローネ検出回路79が取り込み、その装填
検出出力をCPU71に取り込んでパトローネ95の装
填を確認する。もし、パトローネ未装填でパトローネ室
蓋7を閉じた場合など、まだ完全装填状態でなければス
テップ2にジャンプし、HALT状態、すなわち、CP
U71は、スリーブ状態となる処理としての停止した省
電力状態に維持される。
【0102】実際には、パトローネ室蓋7が閉じられる
と直ちにパトローネ95は、完全装填状態になるので装
填検出出力が出されるので、直ちに、ステップS3に進
む。図22のタイムチャ−ト上では、パトローネ室蓋7
が閉じられた経過時間t1 にて装填検出信号も略同時に
出力されるものとして上記ステップS3の駆動モータ7
2のCW方向駆動が開始されるものとしている。なお、
上記タイムチャ−ト上で時刻t1 より以前の経過時間t
0 にてパトローネ95の挿入に伴ってフィルムリーダ部
96bをLセンサ74が検出するので、その検出出力が
L(ローレベル)信号となっている。
【0103】ステップS3では、駆動モータ72の逆転
(CW方向回転)が開始される。この回転に伴って遊星
ギヤ機構の遊星ギヤ27は、ギヤ28側に噛合し、フォ
ークギヤ30をD3 方向に回転駆動する。フォークギヤ
30のD3 方向の回転によりパトローネ95の巻き取り
軸95fは、巻き戻し方向に回転し、露呈しているフィ
ルムリーダ部96bのパトローネ95内への巻き戻しを
開始する。そして、この巻き戻しの際中、スプロケット
部51は、フリーに回転可能であって、フィルムパーフ
ォレーション96aによって従動回転させられる。した
がって、これらの駆動系の動きに支障もなく、フィルム
の移動停止およびパーフォレーションが切れるといった
ことが生じない。
【0104】上記巻き戻し過程にて図22のタイムチャ
−ト上で経過時間t2 にてフィルムリーダ部先端96c
がLセンサ74位置に到達したとき、Lセンサ74より
H(ハイレベル)信号が出力されることが示されてい
る。
【0105】ステップS4において上記Lセンサ74の
出力の変化によりフィルムエッヂ(フィルム先端96
c)到達が検知されると、ステップS5に進み、カウン
タ71dにおいてMセンサ76の出力パルス数のカウン
トを開始して、所定パルス数Pa だけ出力されることを
チェックする。
【0106】ステップS5にて上記所定の出力パルス数
Pa の出力が検出されれば、ステップS6に進む。すな
わち、フィルムエッヂ到達後、所定量巻き込み、図10
の断面図に示すようにフィルムリーダ部96bがフィル
ム送出口95bから略真直に露出した状態になったとき
(この状態でもスプロケット爪56は、パーフォレーシ
ョン96aと係合状態を維持している)、ステップS6
に進み、駆動モータ72の回転方向を正転方向(CCW
方向)に切り換える。
【0107】なお、図22のタイムチャ−ト上では、経
過時間t3 にて上記出力パルス数Pa の検出され、後述
するように駆動モータ72の回転方向のCCW方向への
切り換えがなされる。
【0108】ステップS6において、駆動モータ72
は、図22のタイムチャ−トにも示すように正転(CC
W方向回転)方向に切り換えられて駆動される。そのC
CW方向の回転に伴って遊星ギヤ機構の遊星ギヤ27
は、ギヤ32側に噛合する状態に切り換わる。ギヤ32
はD4 方向に回転し、スプロケットギヤ53dがD6 方
向に回転駆動される。上記ギヤ32のD4 方向の回転
は、スプールギヤ31にも伝達され、同時にスプール1
4がD7 方向に回転駆動される。
【0109】上記スプロケットギヤ53dがD6 方向に
回転すると、スプロケット部51が同方向に回転し、フ
ィルム送出口95bから露出しているフィルムリーダ部
96bが図10の状態から圧板62とマスク板61の間
のフィルム導入口Sdに向けて送り出される。その途中
でLセンサ74の出力は、フィルム先端96cが通過す
るので図22のタイムチャ−トに示すようにHからLに
切り換わる。
【0110】駆動モータ72のCCW方向の回転が続行
すると、図11の断面図に示すようにフィルムリーダ部
96bの先端96cが圧板62とマスク板61の間のフ
ィルム給送路を通過する。
【0111】その後、フィルムリーダ部先端96cがス
プール室2bに到達すると、図14の断面図に示すよう
にフィルムリーダ部96bがスプール14に巻き付くの
でフィルム96は、スプール14の速度で巻き上げられ
る状態になる。このスプール14によるフィルム給送速
度は、前述したようにスプロケット部51が駆動される
速度よりも早く設定されている。したがって、スプロケ
ット爪56がフィルムで押圧されてスプロケット従動軸
52内に退避した状態でフィルムの巻き上げが行われ
る。
【0112】上記フィルム送り出し過程にてフィルムリ
ーダ部96bがスプール室側のPセンサ75の位置に到
達後、Pセンサ75からパーフォレーション通過パルス
信号が出力され、カウンタ71dにて上記パルス数のカ
ウントが開始される。
【0113】ステップS7にて上記パーフォレーション
通過パルス数をチェックを行う。フィルム96がスプー
ル14に所定量巻き付いて上記パーフォレーション通過
パルス数が所定のパルス数Pb に達したとき、フィルム
96の第1駒目がセットされたとしてフィルム96のオ
ートローディングを終了する。そして、駆動モータ72
の回転を停止させ、本ルーチンを終了する。
【0114】図22のタイムチャ−ト上では、経過時間
t4 で上記所定のパルス数Pb に達し、オートローディ
ングが終了することが示されている。
【0115】装填されたパトローネ95の全駒の撮影が
終了したとき、または、RWSW87により途中巻き戻
しを指示した場合は、駆動モータ72をCW方向に回転
駆動すると、前述した巻き戻し状態となり、フィルム9
6は、パトローネ95内に巻き戻される。
【0116】そこで、蓋開放釦10を操作してパトロー
ネ室蓋7を開放すると、パトローネ取り出し付勢バネ1
9の付勢力によりパトローネ95は、パトローネ室開口
側に取り出し可能な位置まで飛び出すので容易に取り出
すことができる。このときは、フィルムリーダ部96b
は、パトローネ95内に全て巻き込まれており、スプロ
ケット爪56は、パーフォレーション96aと係合して
いないのでパトローネ95をパトローネ室2aから取り
出すに何らの問題も生じない。
【0117】また、例えば、使用前のパトローネ95を
一旦パトローネ室2aに装填し、オートロードを行う前
に取り出すような場合には、その取り出し時にパーフォ
レーション96aがスプロケット爪56と係合してい
る。しかし、パーフォレーション96aが軸方向に移動
する際にスプロケット爪56の急傾斜の傾斜面56a4
(図6(A))を押圧してスプロケット爪56を円筒部
52f内に退避させる。その退避により係合状態が解除
され、何ら問題なくパトローネ95を取り出すことがで
きる。
【0118】以上、説明した本実施形態のフィルム給送
装置を内蔵するカメラによれば、フィルムリーダ部をパ
トローネに巻き付けた状態でパトローネ室に落とし込む
だけでパトローネ装填が行われ、その後、フィルムのロ
ーディングが確実に実行される。また、フィルムの送り
出しを行うためのスプロケット爪がフィルム送り出し動
作範囲外では、突出位置から退避するのでスプロケット
部51周りの占有スペースが小さくなり、カメラの小型
化に効果がある。
【0119】上述した本発明の実施形態に基づいて、 (1) フィルムが巻回された巻き取り軸を有し、フィ
ルムリーダが送出口から突出したフィルムパトローネが
装填可能なカメラのフィルム給送装置において、上記フ
ィルムパトローネを上記巻き取り軸方向に装填可能なパ
トローネ室と、上記パトローネ室内に回動自在に設けら
れたスプロケット部材と、上記スプロケット部材に対し
縦方向に突没可能に支持され、フィルムのパーフォレー
ションと係合可能な複数のスプロケット爪部材と、上記
スプロケット部材の近傍に配され上記スプロケット爪部
材の上記スプロケット部材に対する突出量を規制可能な
規制部を有し、上記撮影開口が形成されたカメラ本体
と、上記スプロケット爪部材を上記スプロケット部材か
ら突出する方向に付勢する付勢手段と、上記スプロケッ
ト部材の回動に応じて上記スプロケット爪部材が上記規
制部と当接可能な位置にある際には、上記スプロケット
爪部材が上記スプロケット部材内に没入し、上記スプロ
ケット爪部材が上記規制部と当接不能な位置にある際に
は上記付勢部材の付勢力により、上記スプロケット爪部
材が上記スプロケット部材から突出することを特徴とす
るカメラのフィルム給送装置を提案することができる。
【0120】(2) 上記スプール部材の近傍に設けら
れ、上記スプロケット爪部材の上記スプロケット部材に
対する突出量を規制可能な規制部を有し、上記フィルム
パトローネの上記巻き取り軸を中心とした上記フィルム
パトローネの回転を規制可能な回転止め部材を具備して
おり、上記スプロケット部材の回動に応じて上記スプロ
ケット爪部材が上記カメラ本体に設けられた規制部、お
よび/または、回転規制部材に設けられた規制部と当接
可能な位置にある際には、上記スプロケット爪部材が上
記スプロケット部材内に没入し、上記スプロケット爪部
材が上記カメラ本体に設けられた規制部、および/また
は、回転規制部材に設けられた規制部当接不能な位置に
ある際には上記付勢部材の付勢力により、上記スプロケ
ット爪部材が上記スプロケット部材から突出することを
特徴とするカメラのフィルム給送装置を提案することが
できる。
【0121】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、スプロケ
ット機構を適用するカメラのフィルム給送機構におい
て、スプロケット爪をフィルムパーフォレーションと係
合しない範囲では、スプロケット部材の内部に没入(退
避)させるようにして、スプロケット機構部周りの配置
スペースを小さくし、カメラのコンパクト化を実現可能
なカメラのフィルム給送機構を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すカメラを底面側から
見た斜視図。
【図2】上記一実施形態のカメラの底面図であり、パト
ローネ室蓋を開放した状態を示す。
【図3】上記一実施形態のカメラのフィルムガイド部と
フィルム送り出し用スプロケット部周りの断面図であっ
て、パトローネ装填時のフィルムリーダ部挿入過程を示
し、図3(A)は、フィルムリーダ部挿入初期状態を示
し、図3(B)は、フィルムリーダ部がスプロケット爪
に当接した状態を示す。
【図4】上記一実施形態のカメラのフィルムガイド部と
フィルム送り出し用スプロケット部周りの断面図であっ
て、パトローネ装填時のフィルムリーダ部挿入過程を示
し、図4(A)は、フィルムリーダ部によりスプロケッ
ト爪が押圧された状態を示し、図4(B)は、フィルム
リーダ部のパーフォレーションにスプロケット爪が係合
し、フィルムリーダの挿入完了状態を示している。
【図5】上記一実施形態のカメラに組み込まれるフィル
ム送り出し用スプロケット部の分解斜視図。
【図6】上記一実施形態のカメラに組み込まれるフィル
ム送り出し用スプロケット部のスプロケット爪の形状を
示す図であって、図6(A)は、図5のC矢視図であ
り、図6(B)は、図6(A)のE矢視図である。
【図7】上記一実施形態のカメラにおいて、パトローネ
をパトローネ室に装填する過程を示す斜視図であって、
図7(A)がパトローネ装填前の状態を示し、図7
(B)がパトローネ装填の途中の状態を示す。
【図8】上記一実施形態のカメラにおいて、パトローネ
をパトローネ室に装填する過程を示す斜視図であって、
図8(A),(B)がパトローネ装填の途中の状態を示
し、図8(C)がパトローネ装填終了状態を示す。
【図9】上記一実施形態のカメラにおいて、パトローネ
装填後におけるフィルムガイド部とフィルム導入口周り
のカメラ上面側から見た部分拡大断面図であって、パト
ローネ装填直後でまだフィルムリーダ部が露出している
状態を示す。
【図10】上記一実施形態のカメラにおいて、パトロー
ネ装填後におけるフィルムガイド部とフィルム導入口周
りのカメラ上面側から見た部分拡大断面図であって、フ
ィルムリーダ部の先端がLセンサ前方の所定位置まで巻
き戻された状態を示す。
【図11】上記一実施形態のカメラにおいて、パトロー
ネ装填後におけるフィルムガイド部とフィルム導入口周
りのカメラ上面側から見た部分拡大断面図であって、フ
ィルムリーダが圧板とマスク板の間の隙間(フィルム給
送路)内に送り出された状態を示す。
【図12】上記一実施形態のカメラをカメラ上面側から
見た横断面図であって、パトローネ装填前の状態を示
す。
【図13】上記一実施形態のカメラをカメラ上面側から
見た横断面図であって、パトローネ装填後、フィルムリ
ーダ部を巻き戻している状態を示す。
【図14】上記一実施形態のカメラをカメラ上面側から
見た横断面図であって、パトローネ装填後、フィルムリ
ーダ部を送り出しスプールに巻き付いた状態を示す。
【図15】上記一実施形態のカメラにおいて、パトロー
ネ装填直後のフィルムリーダ部巻き戻し時のフィルム導
入口周りのスプロケット爪の状態を示すカメラ上面側か
ら見た部分拡大断面図である。
【図16】上記一実施形態のカメラにおいて、パトロー
ネ装填直後のフィルムリーダ部巻き戻し時のフィルム導
入口周りのスプロケット爪の状態を示すカメラ上面側か
ら見た部分拡大断面図である。
【図17】上記一実施形態のカメラにおいて、ネ装填後
のフィルム巻き上げ、または、巻き戻し時のフィルム導
入口周りのスプロケット爪の状態を示すカメラ上面側か
ら見た部分拡大断面図である。
【図18】上記一実施形態のカメラにおいて、パトロー
ネ装填後のフィルム巻き戻し時(巻き上げ時)のフィル
ム導入口周りのスプロケット爪の状態を示すカメラ上面
側から見た部分拡大断面図である。
【図19】上記一実施形態のカメラのフィルム給送駆動
系をカメラ上面側から見た斜視図。
【図20】上記一実施形態のカメラの電気制御系のブロ
ック構成図。
【図21】上記一実施形態のカメラにおけるフィルムロ
ーディング処理のフローチャート。
【図22】上記一実施形態のカメラにおけるフィルムロ
ーディング処理におけるタイムチャート。
【符号の説明】
13 ……フィルムガイド(支持部材) 13f……内周壁面(規制部) 51 ……スプロケット部(スプロケット部材) 55c……脚部(付勢部材) 56 ……スプロケット爪(スプロケット爪部材) 95 ……フィルムパトローネ 95f……巻き取り軸 96 ……フィルム 96a……フィルムパーフォレーション

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプロケットを使用するカメラのフィル
    ム給送装置において、回動自在に支持されたスプロケッ
    ト部材と、上記スプロケット部材に対し径方向に突没可
    能に支持され、フィルムのパーフォレーションと係合可
    能な複数のスプロケット爪部材と、上記スプロケット爪
    部材を上記スプロケット部材から突出する方向に付勢す
    る付勢手段と、上記スプロケット部材の近傍に設けら
    れ、上記スプロケット爪部材の上記スプロケット部材に
    対する突出量を規制可能な規制部と、 を具備し、上記スプロケット部材の回動に応じて上記ス
    プロケット爪部材が上記規制部と当接可能な位置にある
    際には、上記スプロケット爪部材が上記スプロケット部
    材内に没入し、上記スプロケット爪部材が上記規制部と
    当接不能な位置にある際には上記付勢部材の付勢力によ
    り、上記スプロケット爪部材が上記スプロケット部材か
    ら突出することを特徴とするカメラのフィルム給送装
    置。
  2. 【請求項2】 さらに、上記スプロケット部材を回動可
    能に支持し、該スプロケット部材の外周の一部を覆う壁
    部を有する支持部材を有し、上記規制部は、上記壁部に
    より構成されることを特徴とする請求項1記載のカメラ
    のフィルム給送装置。
  3. 【請求項3】 フィルムが巻回された巻き取り軸を有
    し、フィルムリーダが送出口から突出したフィルムパト
    ローネが装填可能なカメラのフィルム給送装置におい
    て、 上記フィルムパトローネを上記巻き取り軸方向に装填可
    能なパトローネ室と、 上記パトローネ室内に回動自在に設けられたスプロケッ
    ト部材と、 上記スプロケット部材に対し径方向に突出可能に支持さ
    れ、フィルムのパーフォレーションと係合可能な複数の
    スプロケット部材と、 上記スプロケット爪部材を上記スプロケット部材から突
    出する方向に付勢する付勢手段と、 上記スプロケット部材の近傍に設けられ上記スプロケッ
    ト爪部材の上記スプロケット部材に対する突出量を規制
    可能な規制部を有し、上記フィルムパトローネの上記巻
    き取り軸を中心とした上記フィルムパトローネの回転を
    規制可能な回転止め部材と、 を具備し、上記スプロケット部材の回動に応じて上記ス
    プロケット爪部材が上記規制部と当接可能な位置にある
    際には、上記スプロケット爪部材が上記スプロケット部
    材内に没入し、上記スプロケット爪部材が上記規制部と
    当接不能な位置にある際には上記付勢部材の付勢力によ
    り、上記スプロケット爪部材が上記スプロケット部材か
    ら突出することを特徴とするカメラのフィルム給送装
    置。
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