JP2005273730A - 車両用ベルト式無段変速機 - Google Patents

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Takafumi Nozawa
啓文 野澤
Takatsugu Ibaraki
隆次 茨木
Takuya Okada
岡田  卓也
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Abstract

【課題】 プライマリ側とセカンダリ側プーリ油圧室の有効受圧面積を適切な関係に設定でき、減圧バルブ等の数を減らすことで構成の簡略化およびコスト低減を図ることのできるベルト式無段変速機を提供する。
【解決手段】 有効受圧面積Spを有しプライマリ側制御油圧Ppが供給されるプライマリ側プーリ油圧室と、有効受圧面積Ss1を有する第1油圧室PCOおよび有効受圧面積Ss2を有する第2油圧室PCIに分割され、セカンダリ側制御油圧Psが供給されるセカンダリ側プーリ油圧室と、第1および第2油圧室のいずれか一方のみに、セカンダリ側制御油圧の供給を可能とする切替え手段224とを備え、第1および第2油圧室のいずれか一方の所定有効受圧面積は、プライマリ側制御油圧が第1および第2油圧室のいずれか一方に供給されるセカンダリ側制御油圧より高くならないように、プライマリ側プーリ油圧室の所定有効受圧面積に対する比率が設定されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両用ベルト式無段変速機に関し、特に、2つの可変プーリの間でベルトにより動力伝達を行うとともに、ベルトの巻き掛け半径を変更することにより、その変速比を制御する構成の車両用ベルト式無段変速機に関する。
一般に、車両の走行状態に応じた最適の条件でエンジンを運転することを目的として、エンジンの出力側に有段や無段の変速機が設けられている。このような、無段変速機の一例として、ベルト式無段変速機が挙げられる。このベルト式無段変速機は、平行に配置された2つの回転部材と、各回転部材に別々に取り付けられたプライマリプーリおよびセカンダリプーリとを有している。このプライマリプーリおよびセカンダリプーリは、共に、固定シーブと可動シーブとを組み合わせて構成されており、固定シーブと可動シーブとの間にV字形状の溝が形成されている。
さらに、プライマリプーリの溝およびセカンダリプーリの溝にベルトが巻き掛けられており、可動シーブに軸線方向の挟圧力を発生させる油圧室が別個に設けられている。そして、各油圧室の油圧を別個に制御することにより、プライマリプーリの溝幅が制御されてベルトの巻き掛け半径が変化し、その変速比が変更される一方、セカンダリプーリの溝幅が変化してベルトの張力が制御される。
ところで、上記のようなベルト式無段変速機において、遠心油圧の影響による不都合を解消する目的や、構造および組立てに関してより簡単に構成する目的で、セカンダリ側プーリ油圧室を2分割したものが特許文献1および2に記載されている。
この特許文献1に記載されているベルト式無段変速機においては、ピストン/シリンダ組立体の半径方向外方に、軸方向に可動なシーブに固定された別のシリンダとプーリ軸に固定された別のピストンとを含み、この別のピストンと別のシリンダとによって、別のピストン/シリンダ組立体を形成するようにしている。
また、特許文献2に記載されているベルト式無段変速機においては、円形リング状のエレメントを用いてピストンシリンダユニットが形成され、該円形リング状のエレメントが軸の一方向において固定されることにより圧力室が形成されている。
特開2000−27959号公報 特開2000−161454号公報
ところで、ベルト式無段変速機においては、定常走行時にベルトの滑りを防止すること、特に、静止状態からの発進時等におけるベルトの滑りを防止することが必要である。このために、プライマリプーリおよびセカンダリプーリにそれぞれ必要とされる挟圧力FpおよびFsの関係は、図4(A)に示す通りである。このようなプライマリ側挟圧力Fpおよびセカンダリ側挟圧力Fsの関係を満たすためには、プライマリ側プーリ油圧室の有効受圧面積およびセカンダリ側プーリ油圧室の有効受圧面積と、これらの油圧室に供給されるプライマリ側制御油圧およびセカンダリ側制御油圧との関係を適切に設定することが必要である。このような大きさの挟圧力を得るためには、制御油圧を高くするか、あるいはプーリ油圧室の有効受圧面積を大きくすることになるが、制御油圧を余りに高くするとその油圧源であるオイルポンプの駆動損失が増大するので、有効受圧面積を大きくすることにより対応するのが一般的である。
この場合、上述の挟圧力FpおよびFsの関係を満たすためには、プライマリ側プーリ油圧室の有効受圧面積をセカンダリ側プーリ油圧室の有効受圧面積の約2倍以上に設定する必要がある。このようにすると、図4(B)に実線で示すように、プライマリ側制御油圧PpA(有効受圧面積がSpAのとき)をセカンダリ側制御油圧Psに比べ低くすることができる。ところが、プライマリ側プーリ油圧室の有効受圧面積SpAは大きいままであるから、プライマリ側プーリそのものが大型化するという問題がある。そこで、このプライマリ側プーリ油圧室の有効受圧面積をSpAからSpBと小さくし、図4(B)に破線で示すように、その分、プライマリ側制御油圧PpB(有効受圧面積がSpBのとき、但しSpB<SpA)を高めることが考えられる。しかしながら、このように相対的にプライマリ側プーリ油圧室の有効受圧面積を小さくすると、変速比が小さい(例えば所定の変速比γ1以下の)領域においては、プライマリ側制御油圧PpB(有効受圧面積がSpBのとき)がセカンダリ側制御油圧Psを上回ることになる。従って、これを避けるためには、セカンダリ側制御油圧供給系に減圧バルブを別に配設せざるを得ず、その分コストが上昇するという問題がある。なお、特許文献1および2には、このようなプーリ油圧室の有効受圧面積や制御油圧に関連する記載ないしは開示はない。
本発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、プライマリ側プーリ油圧室とセカンダリ側プーリ油圧室の有効受圧面積を適切な関係に設定でき、減圧バルブ等の数を減らすことで構成の簡略化およびコスト低減を図ることのできる車両用ベルト式無段変速機を提供することを目的としている。
また、本発明の他の目的は、簡単な構成で遠心油圧の影響を小さくすることのできる車両用ベルト式無段変速機を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の一形態による車両用ベルト式無段変速機は、所定有効受圧面積を有しプライマリ側制御油圧が供給されるプライマリ側プーリ油圧室と、所定有効受圧面積を有する第1油圧室および所定有効受圧面積を有する第2油圧室に分割され、セカンダリ側制御油圧が供給されるセカンダリ側プーリ油圧室と、前記第1油圧室および第2油圧室のいずれか一方のみに、セカンダリ側制御油圧の供給を可能とする切替え手段とを備え、前記第1油圧室および第2油圧室のいずれか一方の所定有効受圧面積は、前記プライマリ側制御油圧が前記第1油圧室および第2油圧室のいずれか一方に供給されるセカンダリ側制御油圧より高くならないように、前記プライマリ側プーリ油圧室の所定有効受圧面積に対する比率が設定されていることを特徴とする。
ここで、前記第1油圧室および第2油圧室は、外径側と内径側とにそれぞれ独立して形成された油圧室であり、前記切替え手段による前記第1油圧室および第2油圧室のいずれか一方のみへのセカンダリ側制御油圧の供給は、少なくとも変速比が所定値より小さいときに前記内径側の油圧室に行なわれることが好ましい。
また、前記セカンダリ側制御油圧はライン圧であってもよい。
本発明の一形態によれば、切替え手段による切替え前は、所定有効受圧面積を有したプライマリ側プーリ油圧室にプライマリ側制御油圧が供給されると共に、セカンダリ側プーリ油圧室の、分割され所定有効受圧面積を有する第1油圧室および所定有効受圧面積を有する第2油圧室に、同時にセカンダリ側制御油圧が供給される。そして、切替え手段による切替え後は、所定有効受圧面積を有したプライマリ側プーリ油圧室にプライマリ側制御油圧が供給されると共に、前記第1油圧室および第2油圧室のいずれか一方のみに、セカンダリ側制御油圧が供給される。そこで、セカンダリ側制御油圧が供給される前記第1油圧室および第2油圧室のいずれか一方の所定有効受圧面積は、前記プライマリ側制御油圧が前記第1油圧室および第2油圧室のいずれか一方に供給されるセカンダリ側制御油圧より高くならないように、前記プライマリ側プーリ油圧室の所定有効受圧面積に対する比率が設定されているので、プライマリ側プーリ油圧室の所定有効受圧面積を大きくすることなく、減圧バルブの数を減らし、構成の簡略化およびコスト低減を図ることができる。
ここで、前記第1油圧室および第2油圧室が、外径側と内径側とにそれぞれ独立して形成された油圧室であり、前記切替え手段による前記第1油圧室および第2油圧室のいずれか一方のみへのセカンダリ側制御油圧の供給が、少なくとも変速比が所定値より小さいときに前記内径側の油圧室に行なわれる形態によれば、簡単な構成で遠心油圧の影響をも小さくすることができる。
さらに、前記セカンダリ側制御油圧がライン圧である形態によれば、ライン圧供給部とセカンダリ側プーリ油圧室との間に減圧バルブを設ける必要がなく、コストを低減できる。
ここで、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。
(1)トランスアクスルの構成
図1は、本発明のベルト式無段変速機をFF車(エンジン前置き前輪駆動車)に適用した場合のトランスアクスルのスケルトン図である。図1において、1は車両の駆動力源としてのエンジンであり、その種類は特に限定されないが、以下の説明においては、エンジン1として便宜上、ガソリンエンジンを用いた場合について説明する。エンジン1の出力側には、トランスアクスル3が設けられ、このトランスアクスル3は、エンジン1の後端側に取り付けられたトランスアクスルハウジング4と、エンジン1とは反対側の開口端に取り付けられたトランスアクスルケース5と、トランスアクスルハウジング4とは反対側の開口端に取り付けられたトランスアクスルリヤカバー6とを順に有している。トランスアクスルハウジング4の内部には、トルクコンバータ7が設けられており、トランスアクスルケース5およびトランスアクスルリヤカバー6の内部には、前後進切替え機構8およびベルト式無段変速機(CVT)9並びに最終減速機10が設けられている。
トランスアクスルハウジング4の内部には、クランクシャフト2と同軸のインプットシャフト11が設けられており、インプットシャフト11におけるエンジン1側の端部にはタービンランナ13が取り付けられている。一方、クランクシャフト2の後端にはドライブプレート14を介してフロントカバー15が連結されており、フロントカバー15にはポンプインペラ16が連結されている。このタービンランナ13とポンプインペラ16とは対向して配置され、タービンランナ13およびポンプインペラ16の内側にはステータ17が設けられている。前記トルクコンバータ7と前後進切替え機構8との間には、オイルポンプ20が設けられている。
前後進切替え機構8は、インプットシャフト11とベルト式無段変速機9との間の動力伝達経路に設けられている。前後進切替え機構8はダブルピニオン形式の遊星歯車機構24を有している。この遊星歯車機構24は、インプットシャフト11に設けられたサンギヤ25と、このサンギヤ25の外周側に、サンギヤ25と同心状に配置されたリングギヤ26と、サンギヤ25に噛み合わされたピニオンギヤ27と、このピニオンギヤ27およびリングギヤ26に噛み合わされたピニオンギヤ28と、ピニオンギヤ27,28を自転可能に保持し、かつ、ピニオンギヤ27,28を、サンギヤ25の周囲で一体的に公転可能な状態で保持したキャリヤ29とを有している。そして、このキャリヤ29と、ベルト式無段変速機9の後述するプライマリシャフト30とが連結されている。また、キャリヤ29とインプットシャフト11との間の動力伝達経路を接続・遮断するフォワードクラッチCLおよびリングギヤ26の回転・固定を制御するリバースブレーキBRがそれぞれ設けられている。
ベルト式無段変速機9は、インプットシャフト11と同心状に配置されたプライマリシャフト(駆動側シャフト)30と、プライマリシャフト30に平行に配置されたセカンダリシャフト(従動側シャフト)31とを有している。プライマリシャフト30は、軸受32,33により、また、セカンダリシャフト31は軸受34,35により、それぞれ、回転自在に保持されている。
プライマリシャフト30側にはプライマリプーリ36が設けられており、セカンダリシャフト31側にはセカンダリプーリ37が設けられている。プライマリプーリ36は、プライマリシャフト30に一体的に形成された固定シーブ38と、プライマリシャフト30の軸線方向に移動可能に構成された可動シーブ39とを有している。そして、固定シーブ38と可動シーブ39との対向面間にV字形状の溝40が形成されている。
また、この可動シーブ39をプライマリシャフト30の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ39と固定シーブ38とを接近・離隔させる油圧アクチュエータ41が設けられている。一方、セカンダリプーリ37も、同様に、セカンダリシャフト31に一体的に形成された固定シーブ42と、セカンダリシャフト31の軸線方向に移動可能に構成された可動シーブ43とを有し、固定シーブ42と可動シーブ43との対向面間にV字形状の溝44が形成されている。さらに、この可動シーブ43をセカンダリシャフト31の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ43と固定シーブ42とを接近・離隔させる油圧アクチュエータ45が設けられている。
そして、プライマリプーリ36の溝40およびセカンダリプーリ37の溝44に対して、ベルト46が巻き掛けられている。ベルト46は、多数の金属製の駒および複数本のスチールリングを有して構成されている。なお、セカンダリシャフト31には、カウンタドリブンギヤ47が固定されており、軸受48,49により保持されている。さらに、上述の軸受35はトランスアクスルリヤカバー6側に設けられており、この軸受35とセカンダリプーリ37との間には、パーキングギヤ31Aが設けられている。
さらに、ベルト式無段変速機9のカウンタドリブンギヤ47と最終減速機10との間の動力伝達経路には、セカンダリシャフト31に平行なインターミディエイトシャフト50が軸受51,52により支持されて設けられている。インターミディエイトシャフト50には、カウンタドライブギヤ47に噛み合うカウンタドリブンギヤ53と、ファイナルドライブギヤ54とが設けられている。
一方、最終減速機10は、軸受56,57により回転自在に保持された中空のデフケース55を有し、デフケース55の外周にはファイナルドライブギヤ54と噛み合うリングギヤ58が設けられている。そして、デフケース55の内部には2つのピニオンギヤ60が取り付けられたピニオンシャフト59が配置されている。このピニオンギヤ60には2つのサイドギヤ61が噛み合わされ、それぞれ、左右のドライブシャフト62を介して車輪63に連通されている。
ここで、上述したベルト式無段変速機9の実施形態につき、図2を参照しつつ詳細に説明する。図2(A)および(B)は、それぞれ、プライマリプーリ36およびセカンダリプーリ37付近の拡大断面図である。
(2)プライマリプーリ36の構成
プライマリプーリ36は、プライマリシャフト30の外周において、トランスアクスルリヤカバー6に取り付けられた軸受33と、トランスアクスルケース5側に取り付けられた軸受32との間に配置されている。また、プライマリシャフト30は軸線A1を中心として回転可能であり、プライマリシャフト30の内部には軸線方向に2つの油路107,108が形成されている。この油路107,108は後述する油圧制御装置の油圧回路200に連通されている。さらに、プライマリシャフト30には、その外周面に向け半径方向に伸ばされ、かつ、油路107に連通された油路109,110が設けられている。油路109と油路110とは、軸線方向の異なる位置に設けられている。具体的には、油路109の方が油路110よりも軸受33に近い位置に配置されている。さらに、プライマリシャフト30の外周面に向け半径方向に伸ばされ、かつ、油路108に連通された油路111が設けられている。この油路111は、可動シーブ39と固定シーブ38との間に開口され、ベルト46を潤滑するオイルを供給するためのものである。
一方、プライマリシャフト30の外周における油路109の開口部分と軸受33との間には、軸受33と対面するように段部112が構成されている。可動シーブ39は、プライマリシャフト30の外周面に沿ってスライドする内筒部39Aと、内筒部39Aの固定シーブ38側の端部から外周側に向けて連続された半径方向部39Bと、半径方向部39Bの外周端に連続され、かつ、軸受33側に向けて軸線方向に伸ばされた外筒部39Cとを有している。そして、内筒部39Aには、その内周面から外周面に亘って貫通する油路116が形成されている。この油路116と油路110とはプライマリシャフト30の外周面に形成された環状切欠115を介して連通されている。
また、可動シーブ39と軸受33との間には隔壁117が配置されている。この隔壁117は、隔壁117の内周側を構成する半径方向部117Aと、半径方向部117Aの外周端に連続され、かつ、可動シーブ39の半径方向部39B側に向けて伸ばされた円筒部117Bと、この円筒部117Bにおける可動シーブ39の半径方向部39B側の端部に連続され、かつ、外側に向けて伸ばされた半径方向部117Cとを備えている。そして、隔壁117の半径方向部117Aは、段部112と軸受33との間に配置されている。なお、隔壁117の半径方向部117Cの外周端には樹脂製のシールリング117Dが取り付けられており、シールリング117Dと可動シーブ39の外筒部39Cの内周面とが軸線方向に相対移動可能な状態で接触し、その接触部分にシール面が形成される。上記のようにして、可動シーブ39と隔壁117とにより取り囲まれた空間に第1の油圧室PC1が形成されている。この第1の油圧室PC1と油路116とが連通されている。
また、可動シーブ39の内筒部39Aの内周面には軸線方向の溝123が形成され、プライマリシャフト30の外周面には軸線方向の溝124が形成されている。溝123,124は、円周方向に所定間隔をおいて複数形成されている。そして、各溝123と各溝124とが円周方向で同一の位相となるように、プライマリシャフト30と可動シーブ39とが位置決めされ、溝123および溝124の両方に跨る複数のボール125が配置されている。上記溝123,124およびボール125により、プライマリシャフト30と可動シーブ39とは軸線方向に滑らかに相対移動可能であるが、プライマリシャフト30と可動シーブ39とが円周方向には相対移動が不可能な状態とされている。
さらに、プライマリシャフト30の外周には、環状のシリンダ部材126が取り付けられている。シリンダ部材126は、半径方向部126Aと、半径方向部126Aの外周側に連続され、かつ、固定シーブ38側に向けて軸線方向に伸ばされた円筒部126Bとを有している。円筒部126Bの内径は、可動シーブ39の外筒部39Cの外径よりも大きく設定されている。
上記構成になるシリンダ部材126の半径方向部126Aの内周部が、軸受33と隔壁117の半径方向部117Aとの間に配置されている。さらに、プライマリシャフト30の外周にはナット130が締め付け固定されており、このナット130と段部112とにより、軸受33およびシリンダ部材126ならびに隔壁117が、プライマリシャフト30の軸線方向に挟持され、かつ、軸線方向に位置決め固定されている。
また、隔壁117の円筒部117Bと、シリンダ部材126の円筒部126Bとの間であり、かつ、シリンダ部材126の半径方向部126Aと、可動シーブ39の外筒部39Cとの間には、ピストン131が設けられている。このピストン131は略円板形状に構成されており、ピストン131の内周には、ゴム状弾性材製のOリング131Aが取り付けられ、ピストン131の外周には、樹脂製のシールリング131Bが取り付けられている。そして、ピストン131は、隔壁117およびシリンダ部材126に対し軸線方向に移動可能に構成されており、Oリング131Aが隔壁117の円筒部117Bの外周面に接触してシール面が形成され、シールリング131Bがシリンダ部材126の円筒部126Bの内周面に接触してシール面が形成されている。さらに、ピストン131の内周端は、軸受33側に向けて軸線方向に伸ばされた円筒形状のスリーブ131Cが形成されている。
このようにして、シリンダ部材126および隔壁117ならびにピストン131により取り囲まれた環状の空間に、第2の油圧室PC2が形成されている。また、前記隔壁117の半径方向部117Aと円筒部117Bとの境界部分には、隔壁117を厚さ方向に貫通する油路135が形成されており、第1の油圧室PC1と第2の油圧室PC2とが油路135により連通されている。また、隔壁117とピストン131と可動シーブ39の外筒部39Cとにより取り囲まれた空間には空気室136が形成され、空気室136とシリンダ部材126の外部とを連通する通気路137が設けられている。かくて、プライマリプーリ36は第1の油圧室PC1の有効受圧面積と第2の油圧室PC2の有効受圧面積とを合計した所定の有効受圧面積Spを有し、後述するプライマリ側制御油圧Ppが供給されるプライマリ側プーリ油圧室(図3には一個のプーリ油圧室として、この有効受圧面積Spが示されている)を備えている。
(3)セカンダリプーリ37の構成例
図2(B)は、前記セカンダリシャフト31付近の具体的な構成を示す断面図である。セカンダリプーリ37は、セカンダリシャフト31の外周における軸受34と軸受35との間に配置されている。また、セカンダリシャフト31は軸線B1を中心として回転可能であり、セカンダリシャフト31の内部には軸線方向に2つの油路178,179が形成されている。この油路178,179は後述する油圧制御装置の油圧回路200に連通されている。さらに、セカンダリシャフト31の外周面に向け半径方向に伸ばされ、かつ、油路178に連通された油路180が設けられている。さらに、セカンダリシャフト31の外周面に向け半径方向に伸ばされ、かつ、油路179に連通された油路181が設けられている。さらにまた、セカンダリシャフト31の外周における油路181の開口部分と軸受34との間には、段部31Bが形成されている。
前記セカンダリプーリ37の可動シーブ43は、厚肉の筒部182と、該筒部182の外周における固定シーブ42側の端部に連続された半径方向部183とを備えている。また、段部31Bと軸受34との間には環状のシリンダ部材190が設けられている。このシリンダ部材190は、第1半径方向部190Aと、第1半径方向部190Aの外周端から可動シーブ43の半径方向部183側に向けて伸ばされた第1円筒部190Bと、第1円筒部190Bにおける端部から外側に向けて湾曲しつつ伸ばされた第2半径方向部190Cと、この第2半径方向部190Cの外周側に連続され、かつ、可動シーブ43の半径方向部183に向けて突出する方向に伸ばされた第2円筒部190Dとを有している。
また、可動シーブ43の筒部182の内周面には軸線方向の溝182Bが形成され、セカンダリシャフト31の外周面には軸線方向の溝31Cが形成されている。溝182Bおよび溝31Cは、円周方向に所定間隔をおいて複数形成されている。そして、プライマリシャフト30の場合と同様に、各溝182Bと各溝31Cとが円周方向で同一の位相となるように、セカンダリシャフト31と可動シーブ43とが位置決めされ、両溝の両方に跨る複数のボール(不図示)が配置されている。上記溝およびボールにより、セカンダリシャフト31と可動シーブ43とは軸線方向に滑らかに相対移動可能であるが、円周方向には相対移動が不可能な状態とされている。
一方、可動シーブ43には、環状部材195が設けられている。環状部材195は、可動シーブ43の半径方向部183に固定された半径方向部195Aとその外周端からシリンダ部材190側に向けて伸ばされた円筒部195Bとを有している。ここで、円筒部195Bには樹脂製のシールリング195Cが取り付けられており、上述したシリンダ部材190の第2円筒部190Dの内周面と軸線方向に相対移動可能な状態で接触し、その接触部分にシール面が形成される。
そして、可動シーブ43の筒部182の外周面とシリンダ部材190の第1円筒部190Bの内周面とは相対移動可能に嵌合され、筒部182の端面とシリンダ部材190とセカンダリシャフト31の外周面とにより取り囲まれた空間に内径側の油圧室PCIが形成されている。この内径側の油圧室PCIは油路181に連通されている。
一方、可動シーブ43の筒部182の外周面と環状部材195とシリンダ部材190とにより取り囲まれた空間には、外径側の油圧室PCOが形成されている。そして、この外径側の油圧室PCOは、可動シーブ43の筒部182に半径方向に形成された油路182Aに連通されている。なお、油路182Aは、油路180と可動シーブ43の位置にかかわらず連通されている。
さらに、環状部材195の円筒部195Bにおける外周面には、所定の幅の環状溝195Dが形成され、同時に、円筒部195Bには、上記シールリング195Cとの間で該環状溝195Dに隣接して半径方向にドレン孔195Eが形成されている。また、シリンダ部材190の第2円筒部190Dには、同じく半径方向にドレン孔190Eが形成されている。かかるドレン孔190E、195Eは、後述するように、可動シーブ43が溝幅大に移動されたとき、換言すると、内径側の油圧室PCIの容量が小さいときに環状溝195Dを介して連通する位置とされている。
なお、セカンダリシャフト31の外周にはナット184が締め付け固定されており、このナット184と段部31Bとにより、軸受34およびシリンダ部材190が、セカンダリシャフト31の軸線方向に挟持され、位置決め固定されている。従って、段部31Bに近接している油路181の開口部分が、常に、内径側の油圧室PCIに連通することが保証されている。
かくて、セカンダリプーリ37は、図3に示すように、有効受圧面積Ss1を有する第1油圧室としての外径側油圧室PCOと、有効受圧面積Ss2を有する第2油圧室としての内径側油圧室PCIに分割されたセカンダリ側プーリ油圧室を備え、本実施の形態では、内径側油圧室PCIの有効受圧面積Ss2のプライマリ側プーリ油圧室の有効受圧面積Spに対する比率が、後述するように、プライマリ側制御油圧Ppがこの内径側油圧室に供給されるセカンダリ側制御油圧Psより高くならないように、例えば1/2以下に設定されている
(4)油圧回路の構成
次に、上述のベルト式無段変速機9における油圧制御装置の油圧回路200について、図3を参照しつつ説明する。
本実施の形態においては、オイルタンクないしはオイルパンから吸引されオイルポンプ20から吐出された作動油は、油路202に供給される。油路202に供給された作動油は、油路202から分岐された油路204に設けられ、デューティソレノイド206によりデューティ制御される調圧バルブ208により調圧され、ライン圧PLを有して油路210に供給される。ライン圧PLを有する作動油は、油路210から分岐された油路212に設けられたプライマリ側減圧バルブ214によりプライマリ側制御油圧Ppとされ、第1の油圧室PC1および第2の油圧室PC2を含む有効受圧面積Spのプライマリ側プーリ油圧室(アクチュエータ41)に供給される。なお、このプライマリ側減圧バルブ214は、デューティソレノイド216によりデューティ制御され、ライン圧PLをプライマリ側制御油圧Ppに減圧制御する。
さらに、ライン圧PLを有する作動油は、セカンダリ側制御油圧Psとして、セカンダリ側の油圧アクチュエータ45に供給される。セカンダリ側制御油圧Psは、本実施の形態では、油路210に設けられた切替えバルブ224および油路210−2を介して、上述のセカンダリ側プーリ油圧室(アクチュエータ45)の有効受圧面積Ss1の外径側油圧室PCOに供給される。一方、セカンダリ側制御油圧Psは、切替えバルブ224の上流において油路210から分岐された油路228を介して、同じくセカンダリ側油圧アクチュエータ45の有効受圧面積Ss2の内径側油圧室PCIに供給される。なお、切替えバルブ224はソレノイドバルブ226により駆動用の元圧がオン/オフ制御されて切替えられる。
ここで、230は減圧バルブであり、ライン圧PLを有する油路210から分岐された油路232に設けられ、上述したデューティソレノイド206および216並びにソレノイドバルブ226に供給される上述の元圧(一定)Psol(例えば、0.5MPa)を形成する。
なお、240は車両全体を制御するコントローラであり、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
このコントローラ240に対しては、エンジン1の運転状態を表す種々のパラメータ、例えば、エンジン回転速度、アクセル開度、スロットル開度センサの信号や、トランスアクスル3の状態を表す種々のパラメータ、例えば、トルクコンバータ7のトルク比やインプットシャフト30の回転速度Ninおよびアウトプットシャフト31の回転速度Nout等、さらには車速V等の情報が各種センサや演算結果の信号として入力され、予め実験等により求められているマップ等に基づいて、所要の変速比γ(=Nin/Nout)やベルト挟圧力を得るべく、上述のデューティソレノイド206および216並びにソレノイドバルブ226が制御され、上述のライン圧、すなわちセカンダリ側制御油圧Psおよびプライマリ側制御油圧Ppが形成される。
さらに、コントローラ240には、各種の信号に基づいてエンジン1およびロックアップクラッチ19ならびにベルト式無段変速機9の変速制御を行うためのデータも記憶されている。例えば、アクセル開度および車速などのような走行状態に基づいて、ベルト式無段変速機9の変速比を制御することにより、エンジン1の最適な運転状態を選択するためのデータや、アクセル開度および車速をパラメータとするロックアップクラッチ制御マップがコントローラ240に記憶されており、このロックアップクラッチ制御マップに基づいてロックアップクラッチ19が係合・解放・スリップの各状態に制御される。そして、コントローラ240に入力される各種の信号や、コントローラ240に記憶されているデータに基づいて、コントローラ240から、燃料噴射制御装置、点火時期制御装置、油圧制御装置に対して制御信号が出力される。
(5)制御・動作
ベルト式無段変速機9は、コントローラ240に記憶されているデータ(例えば、エンジン回転数およびスロットル開度をパラメータとする最適燃費曲線)や車速およびアクセル開度などの条件から判断される車両の加速要求等に基づいて、エンジン1の運転状態が最適状態になるように、その変速比および挟圧力が制御される。具体的には、油圧アクチュエータ41のプーリ油圧室へのプライマリ側制御油圧Ppを制御することにより、プライマリプーリ36の溝40の幅が調整される。その結果、プライマリプーリ36におけるベルト46の巻き掛け半径が変化し、ベルト式無段変速機9の入力回転数と出力回転数との比、すなわち変速比が無段階(連続的)に制御される。
さらに、油圧アクチュエータ45の外径側油圧室PCOおよび内径側油圧室PCIへのセカンダリ側制御油圧Psを制御することにより、セカンダリプーリ37の溝44の幅が変化する。つまり、ベルト46に対するセカンダリプーリ37の軸線方向の挟圧力(言い換えれば推力)が制御される。この挟圧力によりベルト46の張力が制御され、プライマリプーリ36およびセカンダリプーリ37とベルト46との接触面圧が制御される。前記外径側油圧室PCOおよび内径側油圧室PCIの油圧は、ベルト式無段変速機9に入力されるトルク、およびベルト式無段変速機9の変速比などに基づいて制御される。ベルト式無段変速機9に入力されるトルクは、エンジン回転数、スロットル開度、トルクコンバータ7のトルク比などに基づいて判断される。
ここで、ベルト式無段変速機9のプライマリプーリ36および油圧アクチュエータ41について、その制御および動作を具体的に説明する。第1の油圧室PC1および第2の油圧室PC2の油圧が、油路116,110を介して排出されている場合は、ベルト46に与えられている張力により、可動シーブ39およびピストン131が軸受33側に押圧されている。この状態が図2(A)の軸線A1よりも上側に示されている。なお、この状態では、油路109の外周側開口部に可動シーブ39が位置しているため、油路109と第2の油圧室PC2とが遮断されている。
上記の状態から、前述の油圧回路200の油路212から、油路110を介して第1の油圧室PC1および第2の油圧室PC2にプライマリ側制御油圧Ppが供給されて、第1の油圧室PC1および第2の油圧室PC2の油圧が上昇すると、第1の油圧室PC1の油圧が可動シーブ39に直接伝達され、かつ、第2の油圧室PC2の油圧がピストン131を介して可動シーブ39に伝達され、可動シーブ39が固定シーブ38側に向けて軸線方向に押圧される。そして、可動シーブ39の移動により油路109が開放されると、油路109を介して油圧が第1の油圧室PC1および第2の油圧室PC2に供給される。このようにして、プライマリプーリ36の溝40の幅が狭められる。
そして、ベルト46に与えられている張力と、第1の油圧室PC1および第2の油圧室PC2の合計の有効受圧面積Spが受ける、プライマリ側制御油圧Ppに基づく押圧力(挟圧力)Fpとに基づいて、溝40の幅が制御される。図2(A)の軸線A1よりも下側に示す状態は、溝40の幅が最も狭められた状態に相当する。なお、ピストン131が固定シーブ38側に向けて移動する際には、空気室136の空気が通気路137を介して空気室136の外部に排出される一方、ピストン131が軸受33側に向けて移動する際には、空気室136の外部の空気が通気路137を介して空気室136の内部に進入するため、ピストン131の移動が円滑におこなわれる。
次に、ベルト式無段変速機9のセカンダリプーリ37および油圧アクチュエータ45について、その制御および動作を具体的に説明すると、外径側油圧室PCOおよび内径側油圧室PCIの油圧が、ドレン孔や油路を介して排出されている場合は、ベルト46に与えられている張力により、可動シーブ43が軸受34側に押圧されている。この状態が図2(B)の軸線B1よりも上側に示されている。
上記の状態から、前述の油圧回路200の油路228から油路181を介して有効受圧面積Ss2を有する内径側油圧室PCIに、および油路180および182Aを介して有効受圧面積Ss1を有する外径側油圧室PCOにセカンダリ側制御油圧Psが供給されて、内径側油圧室PCIおよび外径側油圧室PCOの油圧が上昇すると、可動シーブ43が固定シーブ42側に向けて軸線方向に押圧される。そして、ベルト46に与えられている張力と、内径側油圧室PCIおよび外径側油圧室PCOのセカンダリ側制御油圧Psに基づく押圧力(挟圧力)Ps×(Ss1+Ss2)とに基づいて、溝44の幅が制御される。図2(B)の軸線B1よりも下側に示す状態は、溝44の幅が最も狭められ変速比が大きい状態に相当する。
ここで、この溝44の幅が最も狭められて変速比が大きい側(γmax)の図2(B)の軸線B1よりも下側に示す状態から、可動シーブ43が変速比の小さい側(γmin)に向けて移動する際に、セカンダリ側制御油圧Psが切替え供給される態様およびドレン孔の位置関係を説明する。上述の変速比が大きい状態では、ドレン孔としての、環状部材195の円筒部195Bに形成されている半径方向のドレン孔195E、および隣接する環状溝195Dとシリンダ部材190の第2円筒部190Dに形成されている半径方向のドレン孔190Eとは位置が相対的にずれており、互いに閉口している。かかる状態から、可動シーブ43が変速比の小さい側に向けて移動していくと、閉口状態にあったドレン孔が開口する。すなわち、環状溝195Dの端部とシリンダ部材190のドレン孔190Eとが連通することにより、環状部材195のドレン孔195Eにも連通し、ドレン孔が開口されるのである。
このときの、セカンダリ側制御油圧Psが切替え供給される態様とドレン孔との位置関係を、図4を用いてさらに説明すると、本実施の形態においては、変速比がγ1(例えば、1.2程度)において切替えバルブ224が切替えられる。すなわち、図4(C)に示すように、溝44の幅が最も狭められて変速比が最も大きいγmaxから変速比γ1までの領域では、切替えバルブ224は油路210を開口した状態にあり、セカンダリ側制御油圧Ps、すなわち本実施の形態ではライン圧PLが、油路210を介して有効受圧面積Ss1の外径側油圧室PCOおよび油路210から分岐された油路228を介して、有効受圧面積Ss2の内径側油圧室PCIに共に供給される。一方、変速比γ1では、切替えバルブ224が切替えられ、油路210が閉じられるのと同時に、デューティソレノイド206によりデューティ制御される調圧バルブ208によりライン圧PLが所定量昇圧される。その結果、変速比γ1から溝44の幅が最も広げられて変速比が最も小さいγminまでの領域では、有効受圧面積Ss2の内径側油圧室PCIにのみセカンダリ側制御油圧Ps、すなわち所定量昇圧されたライン圧PLが供給される。従って、この領域では、有効受圧面積Ss2の内径側油圧室PCIに供給されるセカンダリ側制御油圧Psによってのみ可動シーブ43による挟圧力Ps×Ss2が発生される。かくて、切替えバルブ224が切替えられた後は、有効受圧面積Spを有したプライマリ側プーリ油圧室にプライマリ側制御油圧Ppが供給されると共に、有効受圧面積Ss2の内径側油圧室PCIにのみに、セカンダリ側制御油圧Psが供給されるが、内径側油圧室PCIの所定有効受圧面積Ss2は、プライマリ側制御油圧Ppが内径側油圧室PCIに供給されるセカンダリ側制御油圧Psより高くならないように、プライマリ側プーリ油圧室の所定有効受圧面積Spに対する比率が設定されているので、セカンダリ側制御油圧Psとしては減圧バルブを必要とすることなくライン圧PLを所定量昇圧して用い得るのである。
なお、ドレン孔は可動シーブ43がこの変速比γ1の位置において閉口状態から開口状態に移行するように形成されている。すなわち、このドレン孔は、外径側油圧室PCOへのセカンダリ側制御油圧の供給が停止された後は、外径側油圧室PCO内に作動油が残存しないように、開口状態にされている。ところで、セカンダリシャフト31の回転により遠心力が発生すると、外径側油圧室PCOおよび内径側油圧室PCIに共に遠心油圧が作用し、外径側油圧室PCOおよび内径側油圧室PCIの油圧が、油圧制御装置の制御に基づく油圧よりも上昇し、その結果、可動シーブ43を固定シーブ42側に押圧する押圧力が、伝達すべきトルクに応じた目標値よりも高くなる可能性があるが、本実施の形態では、上述のように、回転数が所定値を越える可能性の高い所定の変速比γ1より小さいときには、遠心力の影響が小さい内径側油圧室PCIのみによって挟圧力を発生させるようにすることにより、簡単な構成で遠心油圧の影響を小さくしている。
本発明のベルト式無段変速機を適用したトランスアクスルを示すスケルトン図である。 本発明のベルト式無段変速機の一実施の形態を示す断面図であり、(A)はプライマリプーリの構成、(B)はセカンダリプーリの一構成を示している。 本発明の実施形態の油圧回路図である。 (A)は定常走行時のプライマリプーリおよびセカンダリプーリに必要な挟圧力の関係を示すグラフ、(B)は定常走行時のプライマリプーリおよびセカンダリプーリの挟圧力を得るのに必要な油圧の関係を示すグラフ、(C)は本発明の実施形態に係る定常走行時のプライマリプーリおよびセカンダリプーリの制御油圧の関係を示すグラフである。
符号の説明
30 プライマリシャフト
31 セカンダリシャフト
36 プライマリプーリ
37 セカンダリプーリ
38 プライマリ側固定シーブ
39 プライマリ側可動シーブ
42 セカンダリ側固定シーブ
43 セカンダリ側可動シーブ
178、179、180、181 油路
180A 環状溝
182A、182C 油路(圧油供給孔)
190、191 シリンダ部材
190E ドレン孔
191E ドレン孔
195、196 環状部材
195C ドレン孔
195D 環状溝
200 油圧回路
224 切替えバルブ
PCO 外径側油圧室
PCI 内径側油圧室
Fp プライマリプーリの挟圧力
Fs セカンダリプーリの挟圧力
Pp プライマリ側制御油圧
Ps セカンダリ側制御油圧
Sp プライマリ側有効受圧面積
Ss セカンダリ側有効受圧面積
Ss1 外径側油圧室有効受圧面積
Ss2 内径側油圧室有効受圧面積

Claims (3)

  1. 所定有効受圧面積を有しプライマリ側制御油圧が供給されるプライマリ側プーリ油圧室と、所定有効受圧面積を有する第1油圧室および所定有効受圧面積を有する第2油圧室に分割され、セカンダリ側制御油圧が供給されるセカンダリ側プーリ油圧室と、
    前記第1油圧室および第2油圧室のいずれか一方のみに、セカンダリ側制御油圧の供給を可能とする切替え手段とを備え、
    前記第1油圧室および第2油圧室のいずれか一方の所定有効受圧面積は、前記プライマリ側制御油圧が前記第1油圧室および第2油圧室のいずれか一方に供給されるセカンダリ側制御油圧より高くならないように、前記プライマリ側プーリ油圧室の所定有効受圧面積に対する比率が設定されていることを特徴とする車両用ベルト式無段変速機。
  2. 前記第1油圧室および第2油圧室は、外径側と内径側とにそれぞれ独立して形成された油圧室であり、前記切替え手段による前記第1油圧室および第2油圧室のいずれか一方のみへのセカンダリ側制御油圧の供給は、少なくとも変速比が所定値より小さいときに前記内径側の油圧室に行なわれることを特徴とする請求項1に記載の車両用ベルト式無段変速機。
  3. 前記セカンダリ側制御油圧はライン圧であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ベルト式無段変速機。
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