JP2005272930A - 溶鋼の脱水素処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
鋼の精錬過程において行なう溶鋼の真空脱ガス処理、とくに脱水素処理の方法であって、短い操業時間で確実に溶鋼の脱水素を実現し、低水素量であり、かつ水素量のバラツキが小さいインゴットが得られる方法を提供する。
【解決手段】
不活性ガスの底吹きを伴う真空脱ガス処理において、真空吸引を、真空度が大気圧から6.6Torrに至る低真空域を経て6.6Torr未満から1.0Torr以下に達する高真空域にわたって行ない、低真空域にある間は、溶鋼の底から不活性ガスを吹き込んで撹拌するとともに、溶鋼表面に不活性ガスを吹き付けて溶鋼に接している気相の水素ガス分圧を低下させることにより脱水素の速度を高め、高真空域においては、不活性ガスの吹き付けを停止し吹き込みだけを継続する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、溶鋼の脱水素処理方法に関する。本発明により、短い操業時間で確実に鋼中の水素の量が減少し、溶存水素量のバラツキが小さい溶鋼を得ることができる。
鋼の精錬において行なう脱ガス処理は、許容される溶鋼の温度低下には限界があることから、処理時間が制限されてしまう。脱ガスのうち、脱水素が不十分であると、溶鋼をインゴットまたは鋳片(以下、インゴットで代表させる)に鋳造したときに、その内部に、放射状に分布して軸方向に走る微細なクラック(「毛割れ」と呼ばれる)が生じ、圧延製品の欠陥になることがある。
したがって、水素を十分に脱ガスすることが、製鋼作業において肝要である。ところが、従来の真空脱ガス処理によるときは、脱ガスの程度にかなりバラツキがでることが避けられないという問題があった。
溶鋼の簡易な脱水素法として、50〜300Torrの減圧下にさらされた溶鋼の単位重量あたりの静止面積を0.006m2/t以上とし、その溶鋼面を通過するように、炉底から不活性ガスを溶鋼静止表面あたり450Nl/min/m2吹き込み、単位静止溶鋼表面積あたりの撹拌エネルギーを0.5W/m2以上の条件で脱ガス処理を行なうことが開示された(特許文献1)。
この発明は、従来の真空脱ガスが、ガス側の物質移動を促進する方法として高真空を利用するものであったのに対し、溶鋼側の物質移動速度を十分高めておくと同時に、溶鋼−ガス界面に不活性ガスを通過させてガス側の物質移動を高めることによって、100〜300Torr程度の低真空で脱水素を可能にする、というものである。
溶鋼の脱水素速度に関する研究報告(非特許文献1)によれば、脱水素に及ぼす影響としては、圧力875Pa以下では溶鋼側の物質移動が、これより高い圧力ではガス側の物質移動が、それぞれ支配的であるという。ガス側の物質移動を促進する手段としては、溶鋼表面にガスを吹き付けて水素ガスの分圧を下げることが考えられ、この研究報告においても検討されている。吹き付けるガス量を増大するにつれて脱水素が進むことが確認されているが、この効果に関しては、大気圧下の実験データしか示されていない。
特開平09−143544号公報 務川ほか「鉄と鋼」88巻(2002)第5号、15〜20頁
発明者らは、真空脱ガスによる脱水素において、ある真空度を境にして低真空域ではガス側の物質移動が支配的であり、高真空域では溶鋼側の物質移動が支配的になる、という知見と、溶鋼表面へのガスの吹き付けによる水素ガス分圧低下とを組み合わせることを着想し、実験の結果、この組み合わせが、とくに低真空域でガスの吹き付けを行なうのが効果的であることを見出した。
本発明の目的は、短い操業時間で確実に溶鋼の脱水素を実現し、低水素量であり、かつ水素量のバラツキが小さいインゴットが得られる溶鋼の脱水素処理方法を提供することにある。
上記の目的を達成する本発明の方法は、鋼の精錬過程において行なう溶鋼の脱水素処理の方法であって、真空吸引−不活性ガス底吹きからなる脱ガス工程において、真空吸引を、真空度が大気圧から6.6Torrに至る低真空域を経て6.6Torr未満から1.0Torr以下に達する高真空域にわたって行ない、低真空域にある間は、溶鋼の底から不活性ガスを吹き込んで撹拌するとともに、溶鋼表面に不活性ガスを吹き付けて溶鋼に接している気相の水素ガス分圧を低下させることにより脱水素の速度を高め、高真空域においては、不活性ガスの吹き付けを停止し吹き込みだけを継続することを特徴とする処理方法である。
本発明の溶鋼の脱水素処理方法は、ガス側の物質移動が律速である圧力が6.6Torrまでの低真空域においては、不活性ガスの吹き付けによって溶鋼表面の水素ガス分圧を低下させて拡散を促進し、溶鋼内部の物質移動が律速となる圧力が6.6Torrより低い高真空域においては、吹き付けを停止して高い真空度への到達を容易にすることにより、後記する実施例にみるように、溶鋼中の水素量を低減するとともに、そのバラツキを小さくする効果が得られる。その結果、前記したインゴットの「毛割れ」トラブルを画期的に低減することができる。
本発明の脱ガス処理方法を実施しているところを図示すれば、図1にみるとおりである。排気ダクト(4)を備えた真空容器(3)内に、溶鋼(1)を入れた取鍋精錬炉(2)をセットし、取鍋の底からArガスを吹き込みながら真空吸引するとともに、作業孔を通るランス(5)からもArガスを溶鋼表面に吹き付ける。吹き付けるArガスの流量は、流量計とバルブにより調節する。真空吸引が進んで圧力計(6)の読みが6.6Torrに達したところで、Arガスの吹き付けを停止して、真空容器内が、速やかに高真空に達するようにはかる。
脱水素は、溶鋼中の水素を[H]とすると、一般に次式であらわされる。
[H]→1/2H(g)
高温の溶鋼表面においては水素原子の拡散が律速段階であると考えられるので、それを前提として、気相との界面付近で、溶鋼中の[H]i(%)と気相中のPH2(atm)との間に平衡が成立しているとすると、次の式が得られる。
[H]=k√PH2+([H]s−k√PH2)・exp(−ka・t)
logk=−1905/T−1.591
ここで、[H]:脱ガス処理中、t時間後の[H]値(%)
[H]i:気相との界面における溶鋼中の[H]濃度(%)
H2:気相中の水素ガス分圧(≒真空度atm)
[H]s:脱ガス処理前の[H]値(%)
t:真空保持時間
ka:反応容量係数 ka=(A/V)・k
A:反応界面面積 V:容積 k:物質移動係数
アーク炉で溶製した肌焼鋼の溶湯25トンを取鍋精錬炉に受け、図1に示した装置を用いて真空脱ガス処理を行ない、水素ガスの減量をはかった。炉底からArガスを吹き込んで溶湯を撹拌しながら、真空ブースターの稼動状態をほぼ一定にして、下記3種の操業態様を実施した。カッコ内はn数である。
通常チャージ:Arガスの吹き付けを行なわない(31チャージ)
Arブロー1:真空吸引の間、Arガスの吹き付けを継続した(4チャージ)
Arブロー2:6.6Torr以上の低真空域でArガスの吹き付けを行ない、6.6Torr未満の高真空域では吹き付けを停止した(3チャージ)
上記3種の操業条件のもとで、真空容器内の真空度が処理時間の進行に伴ってどのように変化するかをしらべて、図2のグラフを得た。Arガスの吹き付けを行なわない場合および吹き付けを途中で停止した場合は、最終的には0.32Torrという高真空度に到達したのに対し、真空吸引のあいだ継続してArガスの吹き付けを行なった場合には、到達し他真空度は0.61Torrまでであった。
各チャージにおいて、脱ガス処理後の溶鋼中の水素含有量を測定した。その結果を、操業の条件とともに、表1に示す。範囲で示した数値は最小値と最大値であり、その前に示した数値は平均値である。脱ガス処理後の溶鋼中に含有されていた水素量の最小値〜最大値と平均値とを、3種の操業条件についてグラフにすると、図3に示すとおりである。
Figure 2005272930
本発明の方法に従って溶鋼の真空脱ガス処理を行なった場合、不活性ガスの吹き付けを行なわなかった場合と比べればもちろんのこと、不活性ガスの吹き付けを真空処理の間一貫して行なった場合よりも、脱ガス処理後の溶鋼中の水素含有量が減少し、かつ、チャージごとのバラツキが小さくなることが、表1および図3から明らかである。
本発明の実施態様およびその効果を、肌焼鋼を例にとって説明したが、本発明はこれに限らず、炭素鋼、マンガン鋼そのほか、鋼中に溶存する水素に起因する「毛割れ」トラブルが問題になる鋼種のすべてに適用することができる。
本発明に従う溶鋼の脱水素処理方法の実施態様を説明するための、取鍋精錬炉を収容した真空容器の縦断面図。 本発明の実施データであって、真空容器内の真空度が真空吸引時間の進行につれて変化するようすを示したグラフ。 本発明の実施データであって、真空脱ガス処理後の溶鋼中に含有されている水素の量について、複数のチャージにおける平均値とバラツキを比較して示したグラフ。
符号の説明
1 溶鋼
2 溶鋼精錬炉
3 真空容器
4 排気ダクト
5 ランス
6 圧力計

Claims (2)

  1. 鋼の精錬過程において行なう溶鋼の脱水素処理の方法であって、真空吸引−不活性ガス底吹きからなる脱ガス工程において、真空吸引を、真空度が大気圧から6.6Torrに至る低真空域を経て6.6Torr未満から1.0Torr以下に達する高真空域にわたって行ない、低真空域にある間は、溶鋼の底から不活性ガスを吹き込んで撹拌するとともに、溶鋼表面に不活性ガスを吹き付けて溶鋼に接している気相の水素ガス分圧を低下させることにより脱水素の速度を高め、高真空域においては、不活性ガスの吹き付けを停止し吹き込みだけを継続することを特徴とする溶鋼の脱水素処理方法。
  2. 不活性ガスとして、アルゴンガスまたは窒素ガスを使用する請求項1の脱水素処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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