JP2005272772A - 水性一液硬化型接着剤組成物及びそれを用いた積層体 - Google Patents

水性一液硬化型接着剤組成物及びそれを用いた積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】高光沢と高耐性という相反する二つの特性を両立させるという工業上の高度な要求を満たした、特に部材をラミネートして積層体にする際に用いられる水性一液硬化型接着剤組成物の提供。
【解決手段】カルボニル基を有するポリマーであり、3−オキシ−1,1−ジメチルブチル基を有するポリマー部分の含有量が2〜6質量%及びカルボキシル基を有するポリマー部分の含有量が0.5〜5質量%である水性ポリマー(A)、カルボニル基と反応し得る性質を有する硬化剤(B)並びに該硬化剤(B)よりも反応速度の遅い硬化剤(C)を含有した接着剤組成物。

Description

本発明は、加熱ないし常温で硬化する水性硬化型接着剤組成物及びそれを使用して部材を積層した積層体に関し、より詳細には、特にプラスチックフィルム、紙、その他書籍等の出版印刷物、包装用のラミネート品等を積層して製造する際に用いる水性硬化型接着剤組成物及びそれを使用して部材を積層した積層体に関する。
近年、プラスチックフィルムや紙を単数回又は複数回、接着剤により貼り合わせ2層以上に積層したラミネート品とする方法は、出版印刷物の意匠性、美観、強度、耐性の効果を上げる手段又は包装内容物に適した包装用ラミネート材料を提供する手段として一般的であり、その際使用される接着剤は現状では二液硬化型のものが主流であり、一部一液硬化型のものが用いられている。
その出版印刷物のラミネート品の製造に当たっては、プラスチックフィルム上に接着剤を塗布(塗工)し、予備乾燥した後、プラスチックフィルムや紙を裁断した枚葉印刷物と貼り合わせ、出版印刷物の意匠性を上げたラミネート品とする。又、包装用材料の製造に当たっては、プラスチックフィルム上に形成された印刷面に接着剤を塗工、予備乾燥した後、プラスチックフィルムや紙と貼り合わせて包装用材料を得る。
従って、ラミネートする際の用いられる接着剤は、塗工及びラミネート時には水性特有の濡れ性、レベリング性、ハジキ、泡等のトラブルがなく、柔軟でラミネート後の光沢が良いことが要求される。又、必要な強度、接着強度を向上させるために硬化剤が必要である。従来の二液硬化型接着剤は、この条件を満たすために、主剤としてカルボキシル基を有するポリマーを用い、硬化剤としてエポキシ樹脂が用いられてきた。しかし、この系では、エポキシ樹脂が水系中で安定性が悪く水性一液硬化型にできないため、作業性が悪かった。一方、3−オキシ−1,1−ジメチルブチル基を含有するポリマーを用い、ヒドラジノ基を有する化合物を硬化剤として用いた一液硬化型接着剤も知られているが、この一液硬化型接着剤は、反応が速く、光沢と耐性のバランスがとれなかった。
特開平4−249587号公報 特開平5−148406号公報 特開平6−287457号公報
本発明は、高光沢と高耐性という相反する二つの特性を両立させるという工業上の高度な要求を満たした水性型接着剤、特に水性一液硬化型接着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討した結果、異質の反応性を示す二種類の硬化剤を水性ポリマーに組み合わせて併用することにより、本発明の目的を達成し得ることを見出だし、本発明に到達した。
ラミネート品の光沢を高めるには、ラミネートのニップ時に接着剤が平滑になるか、被着体に対する濡れが必要である。つまり、この時点では、接着剤がコールドフローする必要があり、かつ工程上、デラミネーション(積層体間に空隙が生じる現象。以下、デラミと略す。)やトンネリング(筋状のデラミ)現象が起こらない程度に凝集力が必要である。この時点で硬化が起こらないと、光沢は良好であるが凝集力が低下し、プラスチックフィルムと被着体の接着力が弱くトンネリング現象やデラミが生じる。一方、硬化が進み過ぎると接着剤は硬くなり、トンネリング現象等のラミネート工程での問題はなくなるが、光沢が非常に低下する。この相反する問題を解決するためには、ラミネート時の光沢を損なわず、かつラミネート工程でのトンネリング現象等の問題を生じない程度の硬化が必要である。しかしながら、この程度の硬化では、耐性が弱く、ラミネート物に要求される物性を満足することができない。そこで、発明者らは、ラミネート後、徐々に反応を起きる第二の硬化剤を第一の硬化剤に組み合わせて併用することにより、光沢と耐性を両立させるという、困難な問題を解決した。又、ラミネート加工した積層体に対し、特に罫線押しと呼ばれる後加工に第二の硬化剤が効果を示すことを見出だした。更に、興味深いことには、第二の硬化剤はラミネート後、徐々に反応が進むため、光沢低下がほとんど見られないことを見出だした。
すなわち、本発明は、少なくともカルボニル基を有するポリマーであり、3−オキシ−1,1−ジメチルブチル基を有するポリマー部分の含有量が2〜6質量%、カルボキシル基を有するポリマー部分の含有量が0.5〜5質量%である水性ポリマー(A)、反応速度の速い硬化剤(B)並びに該硬化剤(B)よりも反応速度の遅い硬化剤(C)を含有してなる水性一液硬化型接着剤組成物を要旨とする。
又、本発明の組成物は、硬化剤(B)が水性ポリマー(A)中のカルボニル基と反応し得る性質を有し、その反応率が40〜100℃、1分以内で50%以上になる性能を有する化合物であり、硬化剤(C)が水性ポリマー(A)中のカルボニル基と反応し得る性質を有し、その反応率が40〜100℃、1分以内で10%以下であり、常温、10時間〜3日間で該反応が終了する性能を有する化合物であることを特徴とする。
又、本発明の組成物は、硬化剤(B)がヒドラジノ基を有する化合物であり、硬化剤(C)がカルボジイミド基を有する化合物であることを特徴とする。
又、本発明の組成物は、水性ポリマー(A)中の固形分を100質量部、硬化剤(B)を0.5〜8.0質量部、硬化剤(C)を0.5〜5.0質量部の割合で含有することを特徴とする。
更に、本発明は、上記の水性一液硬化型接着剤組成物を用いてプラスチック及び/又は紙を積層してなる積層体を要旨とする。
本発明の組成物は、ラミネート後の積層体の光沢に優れ、積層体の各用途における各種物性が良好であり、かつ、これまで達成し得なかった水性一液硬化型接着剤組成物であるため、近年の生産合理化への対応にも優れている。
本発明の組成物は、水性ポリマー(A)、反応速度の速い硬化剤(B)並びに反応速度の遅い硬化剤(C)を含有することからなるが、水性ポリマー(A)は、少なくともカルボニル基を有し、3−オキシ−1,1−ジメチルブチル基を有するポリマー(以下、ポリマー(a)という。)部分の含有量が2〜6質量%、カルボキシル基を有するポリマー(以下、ポリマー(b)という。)部分の含有量が0.5〜5質量%であるものである。
ポリマー(a)は、3−オキシ−1,1−ジメチルブチル基を有するモノマー(以下、モノマー(a)という。)を重合することにより製造することができる。モノマー(a)としては、重合性二重結合と3−オキシ−1,1−ジメチルブチル基を持つジアセトン(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリマー(b)は、カルボキシル基を有するモノマー(以下、モノマー(b)という。)を重合することにより製造することができる。モノマー(b)としては、重合性二重結合と少なくとも1個のカルボキシル基を持つ(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、アクリロイルオキシプロピオン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
水性ポリマー(A)は、ポリマー(a)部分とポリマー(b)部分の含有量が重要であり、ポリマー(a)部分の含有量が2〜6質量%、ポリマー(b)部分の含有量が0.5〜5質量%でなければならない。ポリマー(a)部分の含有量が2質量%未満では硬化剤(B)との架橋密度が小さくなり、接着剤の耐性が発現せず、6質量%を超えるとコスト高を招くと共に、硬化塗膜の柔軟性が損なわれて耐性や接着強度が発現しない。又、ポリマー(b)部分の含有量が0.5質量%未満では硬化剤(C)との架橋密度が小さくなり、接着剤の耐性が発現せず、5質量%を超えると高粘度となり塗高に不具合を生じると共に、経時安定性を損なう。
水性ポリマー(A)は、少なくともカルボニル基を有するポリマーであり、ポリマー(a)及びポリマー(b)共にカルボニル基を有するポリマーであるが、ポリマー(a)部分及びポリマー(b)部分の上記含有量の残りの部分をポリマー(a)部分及びポリマー(b)部分以外のカルボニル基を有するポリマー部分で占めることができる。
ポリマー(a)及びポリマー(b)以外のカルボニル基を有するポリマー(以下、ポリマー(c)という。)は、上記3−オキシ−1,1−ジメチルブチル基を有するモノマー及びカルボキシル基を有するモノマー以外の、重合性二重結合とカルボニル基を有するモノマー(以下、モノマー(c)という。)を重合することにより製造することができる。このモノマー(c)としては、重合性二重結合と少なくとも1個のカルボニル基を持つ化合物、例えば、(メタ)アクロレイン;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、更に長鎖若しくは分岐したアルキルビニルケトン;ホルミルスチロール;モノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート;炭素数1〜18のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸アルキル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜18のアルキルアルコールとのエステル;水酸基を持つヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜6のアルキレン基を持つヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;N−(ジ)メチロールアクリルアミド等の炭素数1〜6のアルキルエーテル;ポリエチレングルコール、ポリプロピレングルコール、エチレングルコール、プロピレングルコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールを一個以上の(メタ)アクリル酸でエステル化した化合物等が挙げられる。
本発明では、上記のポリマー(a)、ポリマー(b)及びポリマー(c)以外に、それらポリマーに組み合わせてカルボニル基を有さないポリマー(以下、ポリマー(d)という。)を用いることができる。ポリマー(d)は、カルボニル基を有さないモノマー(以下、モノマー(d)という。)、例えばスチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン等の芳香族モノマー;ビニルピロリドン等の複素環を持つビニル化合物;塩化ビニル等の塩化ビニル化合物;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン;ブタジエン等のジエン化合物;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー;アルキルビニルエーテル類等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物は、上記のポリマー(a)、ポリマー(b)及びポリマー(c)を必須成分とするものであるが、ポリマー(c)の原料となるモノマー(c)の水酸基を持つヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに代表される親水性モノマーのポリマー(c)は、主として分散体の水分散性、水洗浄性、水又は有機溶剤での再溶解性等を高める効果を示すが、その含有量は水性ポリマー(A)中の1〜20質量%とするのが好ましく、より好ましくは3〜15質量%である。含有量が1質量%未満では、上記の効果を発揮できないばかりか、十分な架橋密度を確保できない。又、含有量が20質量%を超えると、粘着性の低下、コスト高を招くことなり好ましくない。
更に、ポリマー(d)の原料となるモノマー(d)の上記の芳香族基を有するモノマーに代表される疎水性モノマーのポリマー(d)は、主として皮膜の耐水性、耐溶剤性、インキ等疎水性表面に対する密着性の維持等の効果を示す。そして、高いガラス転移温度(Tg)を示すポリマーを製造することができるモノマーと低いTgを示すポリマーを製造することができるモノマーの使用割合を変化させることにより、得られるポリマーの皮膜の可撓性を調整することができる。水性ポリマー(A)は、Tgが−40℃〜+20℃のものが好ましく、それは上記のモノマー(c)及びモノマー(d)をそれぞれ一種又は二種以上適宜選択使用することにより調整することができる。
水性ポリマー(A)は、上記の各モノマーを用い、特に乳化重合法により製造するのが好ましい。乳化重合は既知の方法に準じて行うことができ、水中に上記の各モノマー、界面活性剤、重合開始剤、重合開始助剤、連鎖移動剤、必要に応じて乳化助剤等を一括、若しくは分割し、溶液のまま若しくは乳化状態にして、所定温度、所定時間、攪拌下、連続若しくは断続的に反応させる方法が採られる。又、得られる水性ポリマー(A)の水分散粒子の平均粒径は0.03〜3μm程度であり、粒子の凝集及び沈降のない状態を保つことができる。又、水性ポリマー(A)は、上記のそれらのモノマーを単独又は二種以上を選び、モノマー(a)、モノマー(b)、モノマー(c)及びモノマー(d)を共重合して製造したもの以外に、モノマー(a)を(共)重合して得たポリマー(a)、モノマー(b)を(共)重合して得たポリマー(b)、モノマー(c)を(共)重合して得たポリマー(c)及びモノマー(d)を(共)重合して得たポリマー(d)を上記の配合割合に混合したものを使用することもできる。
水性ポリマー(A)がカルボキシル基を有する場合、水性ポリマー(A)の製造後、揮発性塩基化合物で中和するのが好ましい。揮発性塩基化合物としては、アンモニア;過硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩;モノエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルプロパノールアミン等のアミン類が挙げられ、これらは単独でも二種以上用いてもよい。
本発明で用いられる硬化剤(B)は、反応速度の速い硬化剤であり、好ましくは水性ポリマー(A)中のカルボキシル基と反応し得る性質を有し、その反応率が40〜100℃、1分以内で50%以上になる性能を有する化合物である。該化合物としては、好ましくはその分子中にヒドラジノ基を有する化合物が好ましく、2個以上のヒドラジノ基を有する化合物が特に好ましい。該ヒドラジノ基を有する化合物としては、炭素数が18迄の多価カルボン酸のジヒドラジド化合物、例えば、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、トリメリット酸ジヒドラジド、トリメリット酸トリヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等が挙げられる。上記化合物の中でも特に、アジピン酸ジヒドラジド及び1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントインが好ましい。これらは、単独でも二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる硬化剤(C)は、硬化剤(B)よりも反応速度の遅い硬化剤であり、好ましくは水性ポリマー(A)中のアセトアセトキシ基と反応し得る性質を有し、その反応率が40〜100℃、1分以内で10%以下であり、常温、10時間〜3日間でアセトアセトキシ基との反応が終了する性能を有する化合物である。該化合物としては、カルボジイミド基(−N=C=N−)を有する化合物が好ましく、特に親水基を有するポリカルボジイミド樹脂で、水溶性もしくはエマルジョン系の化合物が好ましい。ポリカルボジイミド樹脂にも反応性に違いがある種類が異なるものがあるので、水性ポリマー(A)の組成や積層体に用いるプラスチックの違いによって適切な化合物を一種又は二種以上を選択して用いられる。
本発明の組成物は、水性ポリマー(A)、硬化剤(B)及び硬化剤(C)を含有するものであるが、水性ポリマー(A)、硬化剤(B)及び硬化剤(C)を混合することによって製造することができる。該組成物は、水性ポリマー(A)中の固形分を100質量部に対して、硬化剤(B)を0.5〜8.0質量部、好ましくは1.0〜6.0質量部、硬化剤(C)を0.5〜5.0質量部、好ましくは0.8〜4.0質量部の割合で含有するのが好ましい。硬化剤(B)の含有割合が0.5質量部未満では架橋密度が小さく全般的に耐性が発現しなく、8.0質量部を超えると架橋密度が大き過ぎるため、仕上がり光沢感の低下を招き好ましくない。又、硬化剤(C)の含有割合が0.5質量部未満では特に罫線耐性が不良となり、5.0質量部を超えると経時安定性や接着性の低下を招き好ましくない。
本発明の接着剤組成物は、上記各成分を配合すること以外に、必要に応じて更に、例えば、アンモニア、アンモニウム塩、アミン類等の揮発性塩基性化合物、アルコール類、グリコール類、エステル類、ケトン類、セロソルブ類、カルビトール類、ジアセトンアルコール類等の水に混和可能な有機溶剤、トルエン、キシレン、n−ヘキサン等の炭化水素系等の水に混合し難い有機溶剤であっても本発明の接着剤組成物エマルジョンに混和可能な量の有機溶剤等を配合することができる。又、更に塗工性を高めるために各種の添加剤類、顔料、可塑剤、成膜助剤を配合してもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。実施例及び比較例中の%及び部は、断りがない限りは総て質量基準である。
(合成例1)
還流冷却器、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、原料投入口が設けられた2lの4っ口フラスコに、イオン交換水191g、アクアロンKH−10(商品名、第一工業製薬社製、界面活性剤)45gを入れ、内温を77℃に加熱した。過硫酸アンモニウム27gを仕込んだ後、窒素ガスを導入しつつ攪拌しながら、n−ブチルアクリレート306.0g、スチレン63g、メタクリル酸13.5g、メタクリル酸メチル54.0g及びジアセトンアクリルアミド13.5gを混合し、更に連鎖鎖移動剤としてのメルカプトプロピオン酸メトキシメチル4.5g及びペレックスOT−R(商品名、花王社製、界面活性剤)4.5gを混合した混合物の1/4量を30分掛けて滴下し、20分後に25%のアンモニア水6.3gを入れた。20分間熟成した後、過硫酸アンモニウムの10%水溶液5gを加え、80℃で2時間反応させて水性ポリマー(A)を含む水性樹脂分散体を得た。得られた水性樹脂分散体は、pH7.5、固形分50.2%、粘度240mPa・sであり、Tgは−14℃であった。
(合成例2〜7)
合成例1で用いたn−ブチルアクリレート、スチレン、メタクリル酸、メタクリル酸メチル及びジアセトンアクリルアミドの使用割合を表1に記載の通りに変えた以外は、合成例1と同様にして、表1に示す物性を有する水性ポリマー(A)を含む水性樹脂分散体を得た。なお、表1のジアセトンアルコール及びメタクリル酸の使用量の後の括弧内の数値は、ジアセトンアルコール中の3−オキシ−1,1−ジメチルブチル基及びメタクリル酸中のカルボキシル基に換算した場合のそれらの官能基の使用量を示す。
Figure 2005272772
(実施例1)
合成例1で得られた水性ポリマー(A)の固形分100部当り、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)2.0部及びカルボジライトV−04(商品名、日清紡社製、ポリカルボジイミド樹脂)1.0部を添加し、更にイソプロピルアルコール及びブチルセロソルブを加えて、イソプロピルアルコールが0.5%、ブチルセロソルブが2%、粘度が70mPa・s、固形分が47%になるように調整した後、濾過をして、水性一液硬化型接着剤組成物を得た。得られた組成物の物性を下記の要領で測定し、それらの結果を表1に示した。なを、物性の測定は、各5回行った。又、得られた組成物を2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(厚さ15μm)に塗工(塗布量:3g/m)した後、オフセットインキで印刷したコート紙と圧着温度:60℃,圧着速度:2m/分,圧着時間:20秒,圧着圧力:5N/cmの条件でラミネートした。その際、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)は水性ポリマー(A)中のアセトアセトキシ基と60%反応したが、カルボジライトV−04は水性ポリマー(A)中のカルボキシル基と10%反応したに過ぎず、更に室温で1日間放置した後になって反応が完了した。
粘度(mP・s)
BL型粘度計を用い25℃、6rpmで測定した。
経時安定性
40℃で1週間経時後の外観を観察した。評価は次の通りである。
◎:2層分離、増粘(粘度増加)共に見られない。
○:2層分離はないが、2倍程度以下の増粘が見られる。又、微量の沈降物は見られるが、攪拌、塗工後の表面への外観異常は見られない。
△:沈降、凝集物が発生するか、増粘が大きく実用不可である。
×:沈降、増粘により固化する。
光沢
得られた組成物をバーコーター#6を用いて、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムに塗工(塗布量:3g/m)した後、オフセットインキで印刷したコート紙とラミネートし、その表面の光沢を目視にて観察した。評価は次の通りである。
◎:インキ表面の凹凸による微細な空気泡による墨色の濃度低下が殆ど見られない。
○:墨色の濃度低下がやや見られる。
△:墨色の濃度低下がかなり見られ、実用下限レベルである。
×:実用不可である。
接着性
光沢評価の場合と同様にしてラミネートした後、室温で1日間放置したラミネート物のT型剥離による接着強度を測定した。単位;N/25mm。評価は次の通りである。
◎:接着強度が2.0以上で、インキ層のOPPフィルムへの移行率が30%以上である。
○:接着強度が1.5〜2.0未満、又はインキ移行率が30%未満である。
△:接着強度が1.0〜1.5未満でインキ移行率が30%未満である。
×:接着強度が1.0未満、又はインキ移行率が10%未満である。
耐水性
印刷したコート紙の代りにボール紙を用いた以外は、光沢評価の場合と同様にしてラミネートした後、室温で1日間放置したラミネート物を水に浸漬し、40℃で乾燥したものの外観変化を観察した。評価は次の通りである。
◎:大きな変化なし。
○:やや光沢が低下した。
△:小さなデラミ現象が発生して、実用不可である。
×:大きなデラミ現象が発生して、実用不可である。
耐溶剤性
印刷したコート紙の代りにクラフト紙を用いた以外は、光沢評価の場合と同様にしてラミネートした後、室温で1日間放置したラミネート物を印刷インキ溶剤のケロシンに浸漬し、乾燥したものの外観変化を観察した。評価は次の通りである。
◎:大きな変化なし。
○:やや光沢が低下した。
△:小さなデラミ現象が発生して、実用不可である。
×:大きなデラミ現象が発生して、実用不可である。
耐熱性
光沢評価の場合と同様にしてラミネートした後、すぐに60℃のオーブンに1時間入れたものの外観変化を観察した。評価は次の通りである。
◎:大きな変化なし。
○:やや光沢が低下した。
△:小さなデラミ現象が発生して、実用不可である。
×:大きなデラミ現象が発生して、実用不可である。
耐罫線性
光沢評価の場合と同様にしてラミネートした後、室温で1日間放置したラミネート物に罫線加工を施したものの外観変化を観察した。評価は次の通りである。
◎:大きな変化なし。
○:やや光沢が低下した。
△:小さなデラミ現象が発生して、実用不可である。
×:大きなデラミ現象が発生して、実用不可である。
(実施例2〜6)
カルボジライトV−04の配合量を変えるか、カルボジライトV−04の代りにカルボジライトV−02(商品名、日清紡社製、ポリカルボジイミド樹脂)を用いその配合量を表2に示す通りにした以外は、実施例1と同様にして水性一液硬化型接着剤組成物を得た。得られた組成物の物性を実施例1と同様に測定し、それらの結果を表2に示した。
(実施例7,8)
合成例1で得られた水性ポリマー(A)を含む水性樹脂分散体の代わりに、合成例2又は3で得られた水性ポリマー(A)を含む水性樹脂分散体を用いた以外は実施例2と同様にして、水性一液硬化型接着剤組成物を得た。得られた組成物の物性を実施例1と同様にして測定し、それらの結果を表2に示した。
Figure 2005272772
(比較例1〜8)
合成例1で得られた水性ポリマー(A)を含む水性樹脂分散体の代わりに、合成例4、合成例5、合成例6又は合成例7で得られた水性ポリマー(A)を含む水性樹脂分散体を用いた以外は実施例2又は実施例5と同様にして、水性一液硬化型接着剤組成物を得た。得られた組成物の物性を実施例1と同様にして測定し、それらの結果を表3に示した。
Figure 2005272772
(比較例9〜15)
ADHの配合量及びカルボジライトV−04若しくはカルボジライトV−02の配合量を表4に示す通りにした以外は、実施例1と同様にして水性一液硬化型接着剤組成物を得た。得られた組成物の物性を実施例1と同様に測定し、それらの結果を表4に示した。
Figure 2005272772
(比較例16〜21)
合成例1で得られた水性ポリマー(A)を含む水性樹脂分散体の代わりに、合成例2又は合成例3で得られた水性ポリマー(A)を含む水性樹脂分散体を用い、かつADHの配合量及びカルボジライトV−04若しくはカルボジライトV−02の配合量を表5に示す通りにした以外は、実施例1と同様にして水性一液硬化型接着剤組成物を得た。得られた組成物の物性を実施例1と同様に測定し、それらの結果を表5に示した。
Figure 2005272772
表2〜5から、本発明の組成物は、経時安定性、光沢、接着性、耐水性、耐溶剤性、耐熱性、耐罫線性が共に優れた水性一液硬化型接着剤組成物であることが判る。

Claims (5)

  1. 少なくともカルボニル基を有するポリマーであり、3−オキシ−1,1−ジメチルブチル基を有するポリマー部分の含有量が2〜6質量%、カルボキシル基を有するポリマー部分の含有量が0.5〜5質量%である水性ポリマー(A)、反応速度の速い硬化剤(B)並びに該硬化剤(B)よりも反応速度の遅い硬化剤(C)を含有してなる水性一液硬化型接着剤組成物。
  2. 硬化剤(B)が水性ポリマー(A)中のカルボニル基と反応し得る性質を有し、その反応率が40〜100℃、1分以内で50%以上になる性能を有する化合物であり、硬化剤(C)が水性ポリマー(A)中のカルボニル基と反応し得る性質を有し、その反応率が40〜100℃、1分以内で10%以下であり、常温、10時間〜3日間で該反応が終了する性能を有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の水性一液硬化型接着剤組成物。
  3. 硬化剤(B)がヒドラジノ基を有する化合物であり、硬化剤(C)がカルボジイミド基を有する化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の水性一液硬化型接着剤組成物。
  4. 水性ポリマー(A)中の固形分を100質量部、硬化剤(B)を0.5〜8.0質量部、硬化剤(C)を0.5〜5.0質量部の割合で含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性一液硬化型接着剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性一液硬化型接着剤組成物を用いてプラスチック及び/又は紙を積層してなる積層体。
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