JP2005272733A - 新規な官能基含有ポリオキシアルキレン系重合体及び製造方法 - Google Patents

新規な官能基含有ポリオキシアルキレン系重合体及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 不純物塩の混入が少なく、不飽和基や架橋性ケイ素基が分子内に均一に導入された新規な官能基含有ポリオキシアルキレン系重合体、及び、これらの官能基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 アルカリ性触媒以外の触媒を利用し水酸基含有のポリオキシアルキレン系重合体を合成し、続いてアルカリ性触媒を利用し不飽和基を含有するエポキシドをポリオキシアルキレン系重合体の水酸基に導入することで、不飽和基含有のポリオキシアルキレン系重合体を合成する。また、得られた不飽和基含有のポリオキシアルキレン系重合体に、ジケテン又はカルボン酸エステル化合物を添加し、水酸基をエステル化して、水酸基を封止したり不飽和基を含有するアクリル基に変換する。更に、不飽和基にヒドロシリル化反応を利用して架橋性ケイ素基を導入することにより、架橋性ケイ素基含有のポリオキシアルキレン系重合体を得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、不飽和基又は架橋性ケイ素基を有する官能基含有ポリオキシアルキレン系重合体及びその製造方法に関する。詳しくは、末端に不飽和基が高効率に且つ均一に導入されたポリオキシアルキレン系重合体と、左記ポリオキシアルキレン系重合体の不飽和基にシリル基を導入した重合体に関する。更には、反応時の無機塩の発生を抑制し、不純物が少なく精製工程を簡略化することが可能な不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の合成方法に関する。
末端に架橋性の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、反応硬化性の液体状樹脂として、シーリング剤、接着剤、コーティング剤、塗料等の多くの工業製品に利用される。特に、不飽和基を含有するポリオキシアルキレン系重合体は光硬化性、ヒドロシリル化反応による硬化性を有する樹脂であり、架橋性ケイ素基を含有するポリオキシアルキレン系重合体は湿気硬化性樹脂であることから、使用用途は多岐にわたる。
ポリオキシアルキレン系重合体を合成する際には、触媒としてアルカリ性触媒や複合金属シアン化物錯体を利用し、エポキシドの単量体を重合する方法が公知である。しかし、アルカリ性触媒を利用すると、得られるポリオキシアルキレン系重合体の分子量分布が広くなる為、流動性が悪いポリオキシアルキレン系重合体が得られる。一方、複合金属シアン化物錯体を触媒として利用すると、分子量分布が狭く、流動性に優れるポリオキシアルキレン系重合体が得られる。複合金属シアン化物錯体を触媒として利用した場合に、ポリオキシアルキレン系重合体の分子量分布が小さくなるメカニズムは、複合金属シアン化物錯体の触媒作用の特徴に由来する。即ち、複合金属シアン化物錯体の触媒作用は、高分子量の重合体の末端水酸基へのエポキシドの重合ほど反応速度を遅くする性質がある為、重合途中で分子量分布が生じたとしても、高分子量の重合体の重合速度が低下することにより、低分子量体の分子量が高分子量体に追いつき、結果的に分子量分布が狭くなるのである。このような理由から、現在では複合金属シアン化物錯体を用いた重合方法が、ポリオキシアルキレン系重合体の合成法として一般的である。
このようにして得られたポリオキシアルキレン系重合体の末端基は水酸基であるので、反応硬化性の物質を合成するためには、末端の水酸基を架橋反応性の物質に変換する必要がある。従来の方法では、水酸基末端を持つポリオキシアルキレン系重合体の水酸基をナトリウム等のアルカリ金属でアルコキシ基に置換してから塩化アリルのような物質を添加することによりアルコキシ基をアリル基に変換したり(特許文献1)、水酸基末端を持つポリオキシアルキレン系重合体の水酸基にイソシアネート基と不飽和基を含有する物質を反応させたりすることにより(特許文献2)、不飽和基含有のポリオキシアルキレン系重合体を得ることが行われてきた。更に、上記の方法で得た不飽和基にヒドロシリル化反応を用いて架橋性ケイ素基を導入することにより架橋性ケイ素基含有のポリオキシアルキレン系重合体を得ることができる。
ポリオキシアルキレン系重合体の水酸基を架橋反応性の物質に変換する別の方法としては、複合金属シアン化物錯体を用いて不飽和基を含有しないエポキシドの単量体を重合した後に、引き続き複合金属シアン化物錯体を触媒として用い、不飽和基を含有しないエポキシドと不飽和基を含有するエポキシドとを共重合させ、不飽和基を含有するポリオキシアルキレン系重合体を合成し、更に不飽和基を架橋性ケイ素に変換する方法が開示されている(特許文献3、特許文献4)。また、アルカリ性媒触の存在下にグリシドールを重合して分岐ポリオールを合成し、得られた分岐ポリオールにアリルグリシジルエーテル等のエポキシド単量体を添加することにより、分岐ポリオールの水酸基に官能基を導入する技術も開示されている(特許文献5)。
特開昭52−73998号 特開昭50−156599号 特開平3−79627号 特開2001−55438号 特開2002−533495号
特許文献1や特許文献2に示されたような従来の方法を利用する場合には、反応系内に塩化ナトリウムなどの副生成物塩や加水分解性のイソシアネート基が混入する問題がある。即ち、副生成物塩を除去する工程が必要となるため製造工程が複雑になるし、イソシアネート基が混入すれば得られる架橋性ケイ素基含有のポリオキシアルキレン系重合体の物性が低下する。例えば、架橋性ケイ素基含有のポリオキシアルキレン系重合体内に多量に存在する塩を除去するには、重合体を溶媒に溶解してから水洗した後に、溶媒を除去する為の工程を必要とし、生産設備が非常に複雑、且つ高価なものになる。
特許文献3や特許文献4に記載されたような方法を利用すると、副生成塩を生じさせずに官能基含有のポリオキシアルキレン系重合体を合成することが出来る。しかし、前述したように、複合金属シアン化物錯体の特性として、低分子量体を早い速度で重合させる性質がある為、不飽和基を含有するエポキシドが低分子量の重合体の水酸基に優先的に付加してしまい、高分子量の重合体の水酸基に官能基を導入することが困難になる。通常、ポリオキシアルキレン系重合体中に存在する低分子量体は不純物として含有されるので、低分子量体が優先的に反応することは好ましくない。また、特許文献3や特許文献4に記載された方法では、不飽和基を含有しないエポキシドと不飽和基を含有するエポキシドとを共重合させるため、分子設計が困難になる。したがって、複合金属シアン化物錯体を利用して不飽和基を導入されたポリオキシアルキレン系重合体には官能基が均一に付加していないため、官能基が架橋反応を起こした際の硬化物質の物性が低下してしまう。一方、特許文献5の方法では、ポリオキシアルキレン系重合体の重合に、グリシドールとアルカリ性触媒を利用するので、重合体の分子量分布が広く、水酸基が過剰に存在するので、分子設計をすることが出来ない。
不飽和基含有のポリオキシアルキレン系重合体は、不飽和基を架橋性ケイ素基に変換されて使用されることが多い。エポキシドの開環重合では、重合体の末端には必ず水酸基が生成するのであるが、不飽和基に架橋性ケイ素基を導入する際に、水酸基が残存していると、水酸基と架橋性ケイ素化合物が副反応を起こしてしまう。特許文献3や特許文献4に記載された方法では、不飽和基を導入した後の重合体中に水酸基が残存しているので、水酸基と架橋性ケイ素化合物の副反応により反応中に重合体が増粘したり、硬化したりしてしまう。
本発明が解決しようとする課題は、上述の問題を解決し、不純物塩の混入が少なく、不飽和基が分子内に均一に導入されたポリオキシアルキレン系重合体、及び、左記の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の不飽和基を架橋性ケイ素に変換したポリオキシアルキレン系重合体、並びに、その製造方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、アルカリ性触媒以外の触媒を利用して水酸基含有のポリオキシアルキレン系重合体を合成し、続いてアルカリ性触媒を利用して不飽和基を含有するエポキシドをポリオキシアルキレン系重合体の水酸基に導入することで、不飽和基含有のポリオキシアルキレン系重合体を合成することにより、多量の塩が混入せず、分子量分布が狭く、且つ均一に不飽和基を含有するポリオキシアルキレン系重合体の合成が可能であることを見出し、本発明を見出すに至った。また、本発明では、前記方法で得られた不飽和基含有のポリオキシアルキレン系重合体に、ジケテン又はカルボン酸エステル化合物を添加し、ポリオキシアルキレン系重合体に存在する水酸基をエステル化させることにより、水酸基を封止したり不飽和基を含有するアクリル基に変換する方法を見出した。更に、不飽和基にヒドロシリル化反応を利用して架橋性ケイ素基を導入することにより、架橋性ケイ素基含有のポリオキシアルキレン系重合体を得る方法を見出した。
即ち、本発明の第一は、
(1)一般式(i)に示す官能基を含有する不飽和基含有ポリオキシアルキレン重合体
(式中、R1はアルカン、アルケン、アルキン、エーテル、エステル、ケトン、アミド、芳香環から選ばれる一種以上の任意の組み合わせで構成される構造である。nは0以上の任意の整数である。)に関する(請求項1)。
本発明の第二は、
Figure 2005272733
(2)一般式(ii)、(iii)、(iv)に示す何れかの官能基を含有する不飽和基含有ポリオキシアルキレン重合体
(式中、R1はアルカン、アルケン、アルキン、エーテル、エステル、ケトン、アミド、芳香環から選ばれる一種以上の任意の組み合わせで構成される構造である。nは0以上の任意の整数である。)に関する(請求項2)。
本発明の第三は、
Figure 2005272733
Figure 2005272733
Figure 2005272733
(3)一般式(v)、(vi)、(vii)、(viii)に示す何れかの官能基を含有する架橋性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体
(式中、R1はアルカン、アルケン、アルキン、エーテル、エステル、ケトン、アミド、芳香族から選ばれる一種以上の任意の組み合わせで構成される構造である。Xはハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水酸基を表し、jが2以上の場合にはXはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R2は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基またはトリオルガノシロキシ基であり、kが2以上の場合R2はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。iとkは0〜2の整数であり、jは1〜3の整数を表す。ただしi+j+k=3を満たす。nは0以上の任意の整数である。)に関する(請求項3)。
本発明の第四は、
Figure 2005272733
Figure 2005272733
Figure 2005272733
Figure 2005272733
(4)少なくとも1つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体と、少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体と、アルカリ性触媒とを混合し、ポリオキシアルキレン系重合体の水酸基に上記エポキシド単量体中のエポキシ基を反応させることを特徴とする、不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法(請求項4)、
(5)少なくとも一つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体が、アルカリ性触媒以外のエポキシド重合触媒を用いて、不飽和官能基を含有しないエポキシド単量体を重合したポリオキシアルキレン系重合体である、請求項4に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法(請求項5)、
(6)アルカリ性触媒以外のエポキシド重合触媒が、複合金属シアン化物錯体である、請求項5に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法(請求項6)、
(7)少なくとも一つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体が、ポリプロピレンオキシド系重合体である、請求項4〜6に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法(請求項7)、
(8)ポリアルキレンオキシド系重合体と、少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体と、アルカリ性触媒とを混合する際に、反応系内に含有されるプロピレンオキシド単量体の量が、少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体に対してモル比で0.1以下であることを特徴とする請求項4〜7に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法(請求項8)、
(9)少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体が、一般式(ix)に記載する構造(式中のR1はアルカン、アルケン、アルキン、エーテル、エステル、ケトン、アミド、芳香環から選ばれる一種以上の組み合わせで構成される構造である。)を有する化合物の少なくとも一種類以上の混合物である、請求項4〜8に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法(請求項9)、
Figure 2005272733
(10)少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体が、(メタ)アリルグリシジルエーテルである、請求項9に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法(請求項10)、
(11)アルカリ性触媒が、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムを含有する物質である請求項4〜10に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法(請求項11)、
(12)アルカリ性触媒が、金属ナトリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムアルコキシド、金属カリウム、水酸化カリウム、カリウムアルコキシド、金属リチウム、水酸化リチウム、リチウムアルコキシド、金属セシウム、水酸化セシウム、セシウムアルコキシドから選ばれる少なくとも一種以上の物質を含有する混合物である、請求項11に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法(請求項12)、
(13)少なくとも1つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体と、アルカリ性触媒とを混合した後に、混合系内に含有される水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールの含有量を100ppm以下に低下させ、続いて少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体を混合することを特徴とする請求項12に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法(請求項13)、
に関する。
本発明の第五は、
(14)請求項4〜13の方法により、不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体を合成し、続いて該不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体にジケテン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチルから選ばれる一種以上の物質の混合物を添加し、該不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体に含有される水酸基の全部、又は一部をアセト酢酸エステル基、(メタ)アクリル酸エステル基に変換することを特徴とする不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法に関する(請求項14)。
本発明の第六は、
(15)請求項4〜14の方法により、不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体を合成し、続いてヒドロシリル化反応により、該不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の不飽和基に架橋性ケイ素基を導入することを特徴とする架橋性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法に関する(請求項15)。
本発明を用いると、多量の塩が混入せず、分子量分布が狭く、硬化物物性に優れる官能基含有のポリオキシアルキレン系重合体を合成できる。更に、本発明のポリオキシアルキレン系重合体には、多量の塩が混入していない為、反応後の精製工程を簡略化することができる。
アルカリ性触媒や複金属シアン化物錯体等の触媒は、エポキシドの開環付加反応の触媒として公知の物質である。従来の方法では、低分子量のポリオキシアルキレン系重合体を合成する場合には、アルカリ性触媒を使用してエポキシドを重合することが一般的である。また、高分子量のポリオキシアルキレン系重合体を合成する場合には、アルカリ触媒で合成した低分子量のポリオキシアルキレン系重合体からアルカリ性触媒を除去した後、複金属シアン化物錯体を触媒として水酸基にエポキシドを重合させる方法が広く行われてきた。本発明は、アルカリ性触媒と複金属シアン化物錯体触媒の特性、即ちアルカリ性触媒は高反応性で分子量差に対する反応選択性が低く、複金属シアン化物錯体触媒は低活性で分子量差に対する反応選択性が高いと言う特性を利用し、高分子量のポリオキシアルキレン系重合体にアルカリ性触媒と不飽和基を含有するエポキシドを添加すると言う、従来とは全く異なる発想により、ポリオキシアルキレン系重合体へ不飽和基や架橋性ケイ素基を効果的に導入させる技術である。
以下に、本発明を実施する為の詳細を説明する。
本発明の少なくとも1つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体は、特に限定されるものではない。本発明自体を実現する為には、水酸基の数が、少なくとも1より大きければ良いが、水酸基の数が多すぎると、最終的に得られる官能基含有のポリオキシアルキレン系重合体を架橋反応させた場合に、架橋点が多すぎて硬化物の硬度が著しく高まり、ゴム状の弾性体を得ることが出来ない為、不適切である。したがって、ポリオキシアルキレン系重合体の一分子当たりの水酸基の数は、5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。少なくとも1つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体の分子量には特に制限は無いが、GPCにおけるポリスチレン換算での数平均分子量が1,000以上、100,000以下であることが好ましい。数平均分子量が1,000より小さければ、得られる硬化物が脆くなり、100,000を超えると硬化前の重合体の粘度が著しく高くなり、取扱が困難になる為、好ましくない。更に、硬化前の重合体が取り扱いやすい粘度であるとの観点から、不飽和基含有オキシアルキレン重合体の数平均分子量が3,000以上、50,000以下であることが特に好ましい。
本発明の少なくとも一つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体は、エポキシド単量体を重合することにより得られるオキシアルキレンユニットを含有する重合体である。エポキシド単量体を重合するためには、水酸基を含有する化合物を重合開始剤として利用することが一般的であるが、重合開始剤は特にオキシアルキレンユニットから形成される化合物に限定されない。本発明では、オキシアルキレンユニットから形成されない化合物を重合開始剤として得られた重合体についてもポリオキシアルキレン系重合体と呼ぶ。
本発明の少なくとも一つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体を重合する為の触媒は、アルカリ性触媒以外のエポキシド重合触媒であることが好ましい。アルカリ性触媒を使用すると、得られる重合体の分子量分布が広くなる為、硬化前の重合体は高粘度で取扱が困難であるにも関わらず、硬化物は脆く、強度が弱くなってしまう。同様の観点から、一つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体を重合する為の触媒は、複金属シアン化物錯体あることが最も好ましい。エポキシド重合触媒として最も好ましい複金属シアン化錯体は、一般式(x)で表される。
Figure 2005272733
(ただしMはZn(II)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Ni(II)、Al(III)、Sr(II)、Mn(II)、Cr(II)、Cu(II)、Sn(II)、Pb(II)、Mo(IV)、Mo(VI)、W(IV)およびW(VI)からなる群より選ばれた金属であり、M′はFe(II),Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Ni(II)、V(IV)およびV(V)からなる群より選ばれた金属であり、YはCl、Br、I、OH、NO、C2 O4 、SO4 、CNS、CNO、NCO、NCSからなる群より選ばれたものであり、R3はケトン、エーテル、ポリエーテル、アルデヒド、エステル、アルコールあるいはアミドからなる群より選ばれた有機配位子である。これらのM、M′、YおよびR3は一種類であっても二種類以上であってもよい。p、q、r、sおよびtは金属の原子価と配位数により変わる正の数であり、yとzは金属の配位数あるいは乾燥条件により変わる正の数である。)
一般式(x)におけるMはZn(II)が好ましく、M′はFe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)が好ましい。有機配位子としてはエーテル、ポリエーテル、アルコールが好ましく、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、三級水酸基を含有するポリオキシプロピレンポリオール、t−ブタノール、イソプロピルアルコールが特に好ましい。
複金属シアン化物錯体としては、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛を含有する錯体が好ましく、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛のジメトキシエタン配位錯体、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛のt−ブタノール配位錯体、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛のt−ブタノールおよびポリオキシプロピレンジオール配位錯体、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛のt−ブタノールおよびポリオキシプロピレントリオール配位錯体がより好ましい。また、少なくとも70重量%が実質的に非晶質の複金属シアン化物錯体が好ましく、少なくとも90重量%が実質的に非晶質の複金属シアン化物錯体がより好ましい。
本発明の少なくとも一つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体を重合する為の重合開始剤としては、多価アルコール、多価フェノール、多価カルボン酸などの多価活性水素化合物、不飽和アルコール、不飽和フェノール、不飽和カルボン酸などの不飽和基含有活性水素化合物等が挙げられる。なかでも、多価アルコール、不飽和アルコールが反応及び物性の制御が容易である点から好ましい。多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの低分子多価アルコール;これら低分子多価アルコールのプロピレンオキシドの付加体;ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレンテトラオールなどの目的とするポリオキシアルキレン系重合体よりも低分子量のポリエーテルポリオール;水酸基末端ポリブタジエン、水酸基末端の水素添加ポリブタジエン等の水酸基末端炭化水素系化合物;アルコール性水酸基末端ポリジメチルシロキサン等のアルコール性水酸基末端シリコーン系化合物がより好ましい。不飽和アルコールとしては、アリルアルコール、メタリルアルコールあるいはこれらのプロピレンオキシドの付加体などの(メタ)アリル末端モノオールがより好ましい。重合開始剤由来の不飽和基の導入が可能という点から(メタ)アリル末端モノオールがより好ましい。
本発明の少なくとも一つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体を重合する為のエポキシド単量体は、不飽和基を含有しないエポキシド単量体であることが好ましい。ただし、本発明で言う不飽和基には芳香族環は含まれない。不飽和基を含有するエポキシド単量体は、重合速度が遅い為、高分子量のポリオキシアルキレン系重合体を得る為には適していない。また、本発明の主たる目的は、水酸基を含有する重合体の末端に対し、不飽和基や架橋性ケイ素基を制御しながら導入することであることから、不飽和基や水酸基を含有するエポキシド単量体を重合反応に用いることは不適切である。更に、不飽和基や水酸基を含有するエポキシドを用いて得られる重合体には、極端に多量の不飽和基や水酸基が含有されることになり、不飽和基や後段で導入される架橋性ケイ素基が架橋反応を起こす場合の架橋点が極めて大きくなり、硬化物の物性が大きく低下する。
不飽和基を含有しないエポキシド単量体としては特に限定されず、プロピレンオキシド、1,2−ブテンオキシド、2,3−ブテンオキシド、エピクロルヒドリン等の脂肪族アルキレンオキシド、スチレンオキシド等の芳香族アルキレンオキシド等が挙げられる。重合体に架橋性官能基を導入して架橋反応させた際の硬化物が弾性や接着性に富むことから、不飽和基を含有しないエポキシド単量体としては、前記の単量体の内の脂肪族アルキレンオキシドが好ましく、特にプロピレンオキシドが好ましい。
本発明においては、重合反応により一つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体を得た後に、アルカリ触媒と少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシドを添加する。ところが、この際に反応系内に未反応の不飽和基を含有しないエポキシド単量体が残留していることは好ましくなく、プロピレンオキシドが残留していることは、特に好ましくない。その理由を以下に説明する。水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体に、不飽和基を含有するエポキシドとアルカリ触媒を添加すると、不飽和基を含有するエポキシド単量体が水酸基に開環付加反応を起こして不飽和基が導入される。開環付加反応後には新たな水酸基が生成するが、不飽和基を含有するエポキシドの開環反応で生成する水酸基は反応性に乏しいので、この水酸基に別の不飽和基を含有するエポキシド単量体が開環付加反応することは困難であり、他の未反応の水酸基に優先的に付加することになる。即ち、ポリオキシアルキレン系重合体の水酸基には、均一に不飽和基を含有するエポキシド単量体が開環付加することになる。一方、プロピレンオキシドのような不飽和基を含有しないエポキシド単量体は、活性が高い為、不飽和基を含有するエポキシドの開環反応で生成した水酸基に対しても、開環付加反応を起こし易い。更に、この時に生成する水酸基は、反応性に富んでいるので、別の不飽和基を含有するエポキシド単量体や不飽和基を含有しないエポキシド単量体が開環付加反応することになる。したがって、反応系内にプロピレンオキシドが含有された状態では、不飽和基を含有するエポキシド単量体が同じ分子末端に複数回付加する確率が増大し、不均一に開環付加することになる。
以上の理由から、本発明では、少なくとも一つ以上の水酸基を含有するポリアルキレンオキシド系重合体と、少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体と、アルカリ性触媒とを混合する際に、反応系内に含有されるプロピレンオキシド等の不飽和基を含有しないエポキシド単量体の量が、可能な限り少ないことが好ましい。具体的には、反応系内に含有されるプロピレンオキシド等の不飽和基を含有しないエポキシド単量体の量が、少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体に対してモル比で0.1以下であることがより好ましく、0.01以下であることがより好ましい。
プロピレンオキシド等の不飽和基を含有しないエポキシド単量体の量を減少させるには、公知の方法を利用すれば良く、特に制限は無いが、例えばポリアルキレンオキシド系重合体を加熱してから減圧下に放置したり、噴霧したり、薄膜蒸発器を利用する方法等を用いることができる。また、ヘキサン、テトラヒドラフランの様な物質を添加し、共沸させることにより、効果的にプロピレンオキシドを除去することもできる。
本発明では、 少なくとも一つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体の水酸基に、少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体を開環付加反応させて導入する為には、アルカリ性触媒を利用する必要がある。不飽和基を含有するエポキシド単量体の開環付加反応は、原理的には、ポリオキシアルキレン系重合体を重合する際の前述の反応と同等の反応であるので、複金属シアン化物錯体等のアルカリ触媒以外のエポキシド重合触媒を利用することが可能である。しかし、不飽和基を含有するエポキシド単量体を開環付加反応で導入する際の反応速度は非常に遅い為、触媒活性の低い複金属シアン化物錯体等のエポキシド重合触媒を利用することは不適切である。更に、前述したように、複金属シアン化物錯体には、低分子量体ほど優先的に反応する性質がある。したがって、複金属シアン化物錯体を触媒として、不飽和基を含有するエポキシド単量体の開環付加反応を実行すると、目的とするポリオキシアルキレン系重合体の水酸基に対して開環付加反応を起こさず、不純物として含有される低分子量体の水酸基に対して優先的に反応してしまう。これに対し、アルカリ性触媒は、反応活性が高く、高分子量体の水酸基に対しても速い速度で開環付加反応を起こさせる為、水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体に効果的に、且つ均一に不飽和基を含有するエポキシド単量体を開環付加反応させることができる。
本発明で用いるアルカリ性触媒とは、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属、又はカルシウム、マンガン、ストロンチウム等のアルカリ土類金属を含有しており、且つエポキシ基を開環重合できるものであれば特に限定されず、公知の物質を使用できる。具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属や、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属の水酸化物や、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムプロポキシド、リチウムブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシドや、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属の水酸化物のアルコール溶液や、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩や、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属の酢酸塩等や、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化セシウム等のアルカリ金属の酸化物や、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等を使用することができる。取り扱いの容易さと溶解性、反応性の高さから、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムブトキシドが好ましく、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシドが特に好ましい。また、上述の物質をメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類に溶解又は分散して用いると、水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体への溶解性が向上するので、効果的である。
本発明における、アルカリ性触媒の添加量は、少なくとも一つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体に含有される水酸基に対するモル比で決定すると良い。アルカリ性触媒の添加量が少なすぎると、反応が十分進行しないし、添加量が多すぎるとアルカリ性触媒が不純物として残留してしまうので不適切である。したがって、本発明におけるアルカリ性触媒の添加量は、ポリオキシアルキレン系重合体に含有される水酸基に対するモル比が、0.01以上、0.5以下であることが好ましく、0.05以上、0.2以下であることがより好ましい。
本発明において、上記のアルカリ性触媒を添加する際に、反応系内に水やアルコールが持ち込まれることが多い。水やアルコールは、エポキシドの重合反応の開始剤になり、副反応を誘発するので、反応系内の水やアルコールの含有量は可能な限り低くすることが好ましい。具体的には、アルカリ性触媒に含有される少なくとも1つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体と、アルカリ性触媒とを混合した後に、混合系内に含有される水、又はメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類の含有量を100ppm以下に低下させ、続いて少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体を混合することが好ましい。
水、又はメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類を除去するためには、公知の方法を利用すれば良く、特に制限は無いが、例えば加熱状態のポリアルキレンオキシド系重合体を減圧状態にしたり、噴霧したり、薄膜蒸発器を利用する方法等を用いることができる。また、ヘキサン、テトラヒドラフランの様な物質を添加し、共沸させることにより、効果的にアルコール類を除去することもできる。
本発明で用いられる少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体は、一般式(ix)に記載する構造(式中のR1はアルカン、アルケン、アルキン、エーテル、エステル、ケトン、アミド、芳香環から選ばれる一種以上の組み合わせで構成される構造である。)であれば特に限定はされないが、含有される不飽和基とエポキシ基の反応活性が高すぎると、反応中にこれらの官能基が副反応を起こすことがあり、逆に反応活性が低すぎると、ポリアルキレンオキシド系重合体の水酸基への開環付加反応が困難になる。上記の観点から、本発明で用いられる少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体は、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、ブタジエンモノオキシド、シクロペンタジエンモノエポキシドが好ましく、(メタ)アリルグリシジルエーテルが好ましく、アリルグリシジルエーテルが特に好ましい。なお、明細書および請求項において(メタ)アリルはアリルおよび/またはメタリルを表すものとする。
本発明において、少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体の添加量は、ポリオキシアルキレン系重合体に対する不飽和基の導入量や反応時間等の目的にあわせて任意の量を選べば良い。但し、不飽和基を含有するエポキシド単量体の開環付加反応の反応速度は一般に小さい為、目標とする不飽和基の導入量のモル数と当量の不飽和基を含有するエポキシド単量体を添加しても、目的とする物質を得ることは困難である。したがって、本発明においては、少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体の添加量は、目標とする不飽和基の導入量のモル数に対し、1.5倍当量以上添加することが好ましく、2倍当量以上添加することがより好ましい。
本発明において、少なくとも一つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体に少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体を開環付加反応させる際の反応温度は、低ければ反応が殆ど進行しないし、高すぎるとポリオキシアルキレン系重合体の主鎖が分解してしまう。したがって、反応温度は80以上、150℃以下で有ることが好ましく、110℃以上、140℃以下であることより好ましい。
本発明の前述の方法で得られる不飽和基含有ポリオキシアルキレン重合体には、一般式(i)で示されるように、水酸基が含有される。不飽和基に対して架橋性ケイ素基等の他の官能基を導入する際には、水酸基は反応に悪影響を及ぼす。そこで、本発明では、水酸基をエステル化することにより、他の官能基に変換することが有効である。水酸基を反応性の低い官能基に変換したい場合には、ジケテンを開環付加反応付加させたり、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル等のアセト酢酸エステルや酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等の酢酸エステルとエステル交換すると良い。アセト酢酸エステルは、金属イオンと錯体を形成するので、本発明で触媒として用いたアルカリ性触媒や複金属シアン化物錯体に含有される金属を安定化、無害化する効果を有するので、ジケテン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル等のアセト酢酸エステルを使用することが好ましく、反応性の観点からジケテン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルがより好ましく、ジケテン、アセト酢酸メチルが最も好ましい。
水酸基を反応性の高い官能基に変換したい場合には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステルとエステル交換すると良く、反応性の観点から(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルが好ましく、(メタ)アクリル基の架橋性ケイ素基への置換のし易さの観点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルがより好ましい。なお、明細書および請求項において(メタ)アクリルはアクリルおよび/またはメタクリルを表すものとする。
不飽和基含有ポリオキシアルキレン重合体へのジケテンの付加やエステル交換反応は、触媒存在下で実施される必要がある。本発明では水酸基を含有するポリオキシアルキレン重合体に不飽和基を導入する際に添加しているアルカリ性触媒が、ジケテンの付加反応やエステル交換反応の触媒として働くため、特に新たに触媒を添加する必要は無い。エステル交換反応を効果的に進めるために、アルカリ性触媒やチタン系触媒、スズ系触媒、鉛系触媒等の触媒を追加することもできる。
不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体へのジケテンの付加やエステル交換反応を実施する際の反応温度は特に限定されない。ジケテンを付加させる場合には、低温では反応速度が遅く高温では副反応が進行する恐れがあるので、60℃以上90℃以下で実施することが好ましい。一方、アセト酢酸エステルや(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応では、低温では反応速度が遅く、高温ではアセト酢酸エステルや(メタ)アクリル酸エステルが蒸発してしまったり、ポリオキシアルキレン重合体やアクリル基が変性してしまう恐れがあるので、100℃以上150℃以下で実施することが好ましく、120℃以上140℃以下であることが、より好ましい。
本発明において、一般式(ix)の化合物のエポキシ基の開環付加反応、及び/又は(メタ)アクリル酸エステルのエステル交換反応により導入された不飽和基は、一分子中にヒドロシリル基と架橋性ケイ素基を含有する化合物とヒドロシリル化反応させることにより、架橋性ケイ素基に変換することが可能である。得られる重合体は、湿気硬化性であり、硬化物のゴム的性質の良好な架橋性ケイ素基含有のポリオキシアルキレン系重合体となる。
一分子中にヒドロシリル基と架橋性ケイ素基を含有する化合物としては、特に限定されないが、一般式(xi)に示す水素化ケイ素化合物を使用することが好ましい。
式中、 Xはハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水酸基を表し、jが2以上の場合にはXはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R2は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基またはトリオルガノシロキシ基であり、kが2以上の場合R2はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。iおよびjは1〜3の整数であり、kは0〜2の整数を表す。ただしi+j+k=4を満たす。
Figure 2005272733
水素化ケイ素化合物としては、従来公知の化合物を特に制限無く用いることが出来るが、具体的には例えば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、トリメチルシロキシジクロロシランなどのハロゲン化シラン類、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、ジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、メトキシジメチルシラン、ジメトキシフェニルシラン、1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチル−1,1−ジメトキシテトラシロキサンなどのアルコキシシラン類、メチルジアセトキシシラン、トリメチルシロキシメチルアセトキシシランなどのアシロキシシラン類、ジメチルシラン、トリメチルシロキシメチルシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサンなどの分子中にSi−H結合を2個以上有するハイドロシラン類、メチルジ(イソプロペニルオキシ)シランなどのアルケニルオキシシラン類などが挙げられ、これらの中では、加水分解基の反応性が穏やかで、取り扱いが容易であることからメチルジクロロシラン、ジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン等が好ましい。これらの水素化ケイ素化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、一般式(ix)の化合物のエポキシ基の開環付加反応、及び/又は(メタ)アクリル酸エステルのエステル交換反応により導入された不飽和基と水素化ケイ素化合物をヒドロシリル化反応させるには、第8属金属を含む錯体及び/又は金属塩を触媒として用いることが有効である。第8族金属を含む錯体及び/又は金属塩は、通常、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、プラチナ(白金)を有するものであり、これらの第8族金属の金属塩または有機化合物との錯体として用いられる。具体的には、CoH2[Si(OC253](PPh33、 Ni(PPh34、Ni(CO)2(PPh32、 RhCl(PPh33、Rh2Cl2(C242、RhCl(CO)(PPh32、RhH(CO)(PPh32、RhCl3・xH2O、Pd(PPh34、 Pd(PPh32、PdCl2(PPh32、(PPh32PdO2、 RuH2(PCH34、RuCl2(PCH34、RuH2(PPh34、RuCl2(PPh34、Ir(CO)Cl(PPh32、IrCO(H)(PPh33、IrHCl(SiR3)(PPh32、[IrCl(COE)22、[IrCl(COD)22、(但し、xは0以上の任意の数であり、COEはcis−cycloocten、CODは1,5−cyclooctadieneである。)、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール又はアルデヒド又はケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体[例えばPt(CH2=CH22(PPh3)、Pt(CH2=CH22Cl2]、白金−アセチルアセトナート錯体、白金−ビニルシロキサン錯体[Pt{(vinyl)Me2SiOSiMe2(vinyl)}、Pt{Me(vinyl)SiO}4]、白金−ホスフィン錯体[Ph(PPh34、Pt(PBu34]、白金−ホスファイト錯体[Pt{P(OPh)34]、Pt(COD)2,(COD)PtCl2等が上げられる。また、白金−アルコラート触媒(米国特許第3220972号)、塩化白金−オレフィン複合体(米国特許第3516946号)、第8属金属をコロイド化した触媒(特公平5−3343号、特開2001−240617号、特開2001−131231)も有効である。上述の触媒の中では、0価若しくは2価の白金を含む錯体が反応性が高く好ましく、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アセチルアセトナート錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、コロイド状の白金がより好ましい。
ヒドロシリル化反応を実施する際の反応温度は、特に限定されないが、反応速度の観点からは50℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。一方、反応温度が高すぎると、ポリオキシアルキレン系重合体と架橋性ケイ素基が変性してしまう恐れがあるので、反応温度は150℃以下であることが好ましく、130℃以下であることがより好ましい。
本発明で用いるアルカリ性触媒や複金属シアン化錯体は、ヒドロシリル化反応の反応阻害物質や架橋性ケイ素の架橋反応触媒としても機能することがある。したがって、ヒドロシリル化反応を実施する時に、反応系内にアルカリ性触媒や複金属シアン化錯体が残存していると、ヒドロシリル化反応が進行しなかったり、反応中に反応液が硬化してしまう恐れがある。本発明では、この様な現象を避けるために、ヒドロシリル化反応を実施する前に、アルカリ性触媒や複金属シアン化錯体を非活性化しておくことが好ましい。アルカリ性触媒や複金属シアン化錯体を非活性化する物質としては、通常一般的に用いられる酸性物質や緩衝剤、及びアセト酢酸エステルを使用することができる。具体的な酸性物質、緩衝性物質としては、酢酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸、コハク酸、フタル酸、テレフタル酸、マロン酸、乳酸、ステアリン酸、リンゴ酸、シュウ酸、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸類や、ほう酸、硫酸、塩酸、リン酸、リン酸類等の無機酸、塩化アリル、塩化メタリル、一塩化炭素、二塩化炭素等の有機塩素化物が上げられる。酸性度の強すぎる物質は、装置の腐食を引き起こす恐れがあるし、架橋性ケイ素の架橋反応を促進してしまう恐れがあるので、酢酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸、コハク酸、フタル酸、テレフタル酸、マロン酸、乳酸、ステアリン酸、リンゴ酸、シュウ酸、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸類、ほう酸、塩化アリル、塩化メタリルが好ましい。更に、塩化アリル、塩化メタリルを使用すると、ポリオキシアルキレン系重合体に残留する水酸基にアリル基やメタリル基を導入することができるので、塩化アリル、塩化メタリルの使用がより好ましい。また、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル等のアセト酢酸エステルは、アルカリ金属や複金属シアン化錯体に含有される金属と別の錯体を形成して不活性化するので有効である。
以下に、本発明の方法の実施例をあげて具体的に説明するが、本実施例は本発明を限定するものではない。
(実施例1)
分子中に3つの水酸基を有する分子量500のポリプロピレンオキシドを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒を用い、プロピレンオキシドの重合を行い、分子量7,200の水酸基末端ポリプロピレンオキシドを得た。左記ポリプロピレンオキシドの末端には、分子中に3つの水酸基を含有しており、単位重量当りの水酸基の含有量は0.14mmol/gである。
300mLのガラス製の反応容器に、上記の水酸基末端ポリプロピレンオキシド100gとヘキサン3mlとを充填して攪拌し、反応容器を80℃に加温して1時間真空状態に減圧することにより、反応容器内の水分とプロピレンオキシドを除去した。反応容器内部を窒素置換した後、ナトリウムメトキシドを28重量%含有するメタノール溶液を260μL添加して10分間攪拌し、反応容器を真空ポンプで減圧した。メタノールの沸騰状態が落ち着いたら、反応温度を120℃に上昇させ、更に1時間真空ポンプで減圧を続けた。この操作により、水酸基末端ポリプロピレンオキシド内にナトリウムが溶解し、系内からメタノールが完全に除去される。
反応容器内部を窒素置換した後、モレキュラーシーブで脱水処理を施したアリルグリシジルエーテルを8mL添加し、反応容器を密閉した。2時間反応を継続した後に、反応容器を減圧し、未反応のアリルグリシジルエーテルを反応液から除去した。アリルグリシジルエーテルを除去した後の反応液をNMRを用いて分析したところ、一分子当りにアリル基が0.17mmol/gの割合で導入されていることが確認された。更に、0.5gの反応液をヘキサン1mLに溶解した溶液に、珪酸アルミニウム系吸着剤(キョーワードKW700PEL)を1.5g添加し1時間攪拌した後、分離径0.1μmのフィルターで濾過した。濾液からヘキサンを蒸発させ、NMRで分析したところ、一分子当りのアリル基が0.14mmol/gに減少していた。これは、約80%のアリル基が高分子量体に、約20%のアリル基が低分子量体に導入されていることを示している。
反応液を室温まで冷却し、塩化アリルを0.22mL添加して攪拌しながら、80℃まで昇温することでアルカリ性触媒を失活させ、反応容器を1時間真空状態に減圧して過剰量の塩化アリルを反応液から除去した。0.6重量%の白金を含有する白金ビニルシロキサンのキシレン溶液100μLを反応液に添加した後、ジメトキシメチルシランを3.8mL添加して2時間反応させた。反応後の反応液をNMRを用いて分析したところ、一分子当りに架橋性ケイ素基が0.14mmol/gの割合で導入されていることが確認された。得られた架橋性ケイ素含有のポリプロピレンオキシド系重合体は、粘性と流動性のある液体であった。
得られた反応液100重量部に対し、硬化促進剤としてジブチルスズジアセチルアセテート(日東化成製:U220)を2重量部の割合で混合し、1日放置するとゴム弾性を有する硬化物が得られた。
(実施例2)
300mLのガラス製の反応容器に、実施例1で合成した水酸基末端ポリプロピレンオキシド100gとヘキサン3mlとを充填して攪拌し、反応容器を80℃に加温して1時間真空状態に減圧することにより、反応容器内の水分とプロピレンオキシドを除去した。反応容器内部を窒素置換した後、ナトリウムメトキシドを28重量%含有するメタノール溶液を260μL添加して10分間攪拌し、反応容器を真空ポンプで減圧した。メタノールの沸騰状態が落ち着いたら、反応温度を120℃に上昇させ、更に1時間真空ポンプで減圧を続けた。この操作により、水酸基末端ポリプロピレンオキシド内にナトリウムが溶解し、系内からメタノールが完全に除去される。
反応容器内部を窒素置換した後、モレキュラーシーブで脱水処理を施したアリルグリシジルエーテルを8mL添加し、反応容器を密閉した。2時間反応を継続した後に、反応容器を減圧し、未反応のアリルグリシジルエーテルを反応液から除去した。アリルグリシジルエーテルを除去した後の反応液をNMRを用いて分析したところ、一分子当りにアリル基が0.17mmol/gの割合で導入されていることが確認された。更に、0.5gの反応液をヘキサン1mLに溶解した溶液に、珪酸アルミニウム系吸着剤(キョーワードKW700PEL)を1.5g添加し1時間攪拌した後、分離径0.1μmのフィルターで濾過した。濾液からヘキサンを蒸発させ、NMRで分析したところ、一分子当りのアリル基が0.14mmol/gに減少していた。これは、約80%のアリル基が高分子量体に、約20%のアリル基が低分子量体に導入されていることを示している。
上記のアリル基含有ポリプロピレンオキシドを70℃に冷却した後、105μLのジケテンを添加し、1時間攪拌した。得られた反応液をNMRを用いて分析したところ、ほぼ全量の水酸基がアセト酢酸基に変換されていることが確認された。
反応液を80℃に昇温し、0.6重量%の白金を含有する白金ビニルシロキサンのキシレン溶液100μLを反応液に添加した後、ジメトキシメチルシランを3.8mL添加して2時間反応させた。反応後の反応液をNMRを用いて分析したところ、一分子当りに架橋性ケイ素基が0.14mmol/gの割合で導入されていることが確認された。得られた架橋性ケイ素含有のポリプロピレンオキシド系重合体は、粘性と流動性のある液体であった。
得られた反応液100重量部に対し、硬化促進剤としてジブチルスズジアセチルアセテート(日東化成製:U220)を2重量部の割合で混合し、1日放置するとゴム弾性を有する硬化物が得られた。
(実施例3)
300mLのガラス製の反応容器に、実施例1で合成した水酸基末端ポリプロピレンオキシド100gとヘキサン3mlとを充填して攪拌し、反応容器を80℃に加温して1時間真空状態に減圧することにより、反応容器内の水分とプロピレンオキシドを除去した。反応容器内部を窒素置換した後、ナトリウムメトキシドを28重量%含有するメタノール溶液を260μL添加して10分間攪拌し、反応容器を真空ポンプで減圧した。メタノールの沸騰状態が落ち着いたら、反応温度を120℃に上昇させ、更に1時間真空ポンプで減圧を続けた。この操作により、水酸基末端ポリプロピレンオキシド内にナトリウムが溶解し、系内からメタノールが完全に除去される。
反応容器内部を窒素置換した後、モレキュラーシーブで脱水処理を施したアリルグリシジルエーテルを8mL添加し、反応容器を密閉した。2時間反応を継続した後に、反応容器を減圧し、未反応のアリルグリシジルエーテルを反応液から除去した。アリルグリシジルエーテルを除去した後の反応液をNMRを用いて分析したところ、一分子当りにアリル基が0.17mmol/gの割合で導入されていることが確認された。更に、0.5gの反応液をヘキサン1mLに溶解した溶液に、珪酸アルミニウム系吸着剤(キョーワードKW700PEL)を1.5g添加し1時間攪拌した後、分離径0.1μmのフィルターで濾過した。濾液からヘキサンを蒸発させ、NMRで分析したところ、一分子当りのアリル基が0.14mmol/gに減少していた。これは、約80%のアリル基が高分子量体に、約20%のアリル基が低分子量体に導入されていることを示している。
反応容器を120℃に保ったまま、窒素を流通させ、アリル基含有ポリプロピレンオキシドに5.1mLのアセト酢酸メチルを添加し、反応容器内に窒素を流通させながら3時間攪拌することで、エステル交換反応を実施した。得られた反応液をNMRを用いて分析したところ、約90%の水酸基がアセト酢酸エステル基に変換されていることが確認された。
反応液を室温まで冷却し、塩化アリルを0.22mL添加して攪拌しながら、80℃まで昇温することでアルカリ性触媒を失活させ、反応容器を1時間真空状態に減圧して過剰量の塩化アリルを反応液から除去した。0.6重量%の白金を含有する白金ビニルシロキサンのキシレン溶液100μLを反応液に添加した後、ジメトキシメチルシランを3.8mL添加して2時間反応させた。反応後の反応液をNMRを用いて分析したところ、一分子当りに架橋性ケイ素基が0.14mmol/gの割合で導入されていることが確認された。得られた架橋性ケイ素含有のポリプロピレンオキシド系重合体は、粘性と流動性のある液体であった。
得られた反応液100重量部に対し、硬化促進剤としてジブチルスズジアセチルアセテート(日東化成製:U220)を2重量部の割合で混合し、1日放置するとゴム弾性を有する硬化物が得られた。
(実施例4)
300mLのガラス製の反応容器に、実施例1で合成した水酸基末端ポリプロピレンオキシド100gとヘキサン3mlとを充填して攪拌し、反応容器を80℃に加温して1時間真空状態に減圧することにより、反応容器内の水分とプロピレンオキシドを除去した。反応容器内部を窒素置換した後、ナトリウムメトキシドを28重量%含有するメタノール溶液を260μL添加して10分間攪拌し、反応容器を真空ポンプで減圧した。メタノールの沸騰状態が落ち着いたら、反応温度を120℃に上昇させ、更に1時間真空ポンプで減圧を続けた。この操作により、水酸基末端ポリプロピレンオキシド内にナトリウムが溶解し、系内からメタノールが完全に除去される。
反応容器内部を窒素置換した後、モレキュラーシーブで脱水処理を施したアリルグリシジルエーテルを8mL添加し、反応容器を密閉した。5時間反応を継続した後に、反応容器を減圧し、未反応のアリルグリシジルエーテルを反応液から除去した。アリルグリシジルエーテルを除去した後の反応液をNMRを用いて分析したところ、一分子当りにアリル基が0.28mmol/gの割合で導入されていることが確認された。更に、0.5gの反応液をヘキサン1mLに溶解した溶液に、珪酸アルミニウム系吸着剤(キョーワードKW700PEL)を1.5g添加し1時間攪拌した後、分離径0.1μmのフィルターで濾過した。濾液からヘキサンを蒸発させ、NMRで分析したところ、一分子当りのアリル基が0.22mmol/gに減少していた。これは、約80%のアリル基が高分子量体に、約20%のアリル基が低分子量体に導入されていることを示している。
反応容器を120℃に保ったまま、窒素を流通させ、アリル基含有ポリプロピレンオキシドに5.1mLのアセト酢酸メチルを添加し、反応容器内に窒素を流通させながら3時間攪拌することで、エステル交換反応を実施した。得られた反応液をNMRを用いて分析したところ、約90%の水酸基がアセト酢酸エステル基に変換されていることが確認された。
反応液を室温まで冷却し、塩化アリルを0.22mL添加して攪拌しながら、80℃まで昇温することでアルカリ性触媒を失活させ、反応容器を1時間真空状態に減圧して過剰量の塩化アリルを反応液から除去した。0.6重量%の白金を含有する白金ビニルシロキサンのキシレン溶液200μLを反応液に添加した後、ジメトキシメチルシランを4.0mL添加して2時間反応させた。反応後の反応液をNMRを用いて分析したところ、一分子当りに架橋性ケイ素基が0.22mmol/gの割合で導入されていることが確認された。得られた架橋性ケイ素含有のポリプロピレンオキシド系重合体は、粘性と流動性のある液体であった。
得られた反応液100重量部に対し、硬化促進剤としてジブチルスズジアセチルアセテート(日東化成製:U220)を2重量部の割合で混合し、1日放置するとゴム弾性を有する硬化物が得られた。
(実施例5)
300mLのガラス製の反応容器に、実施例1で合成した水酸基末端ポリプロピレンオキシド100gとヘキサン3mlとを充填して攪拌し、反応容器を80℃に加温して1時間真空状態に減圧することにより、反応容器内の水分とプロピレンオキシドを除去した。反応容器内部を窒素置換した後、ナトリウムメトキシドを28重量%含有するメタノール溶液を260μL添加して10分間攪拌し、反応容器を真空ポンプで減圧した。メタノールの沸騰状態が落ち着いたら、反応温度を120℃に上昇させ、更に1時間真空ポンプで減圧を続けた。この操作により、水酸基末端ポリプロピレンオキシド内にナトリウムが溶解し、系内からメタノールが完全に除去される。
反応容器内部を窒素置換した後、モレキュラーシーブで脱水処理を施したアリルグリシジルエーテルを8mL添加し、反応容器を密閉した。5時間反応を継続した後に、反応容器を減圧し、未反応のアリルグリシジルエーテルを反応液から除去した。アリルグリシジルエーテルを除去した後の反応液をNMRを用いて分析したところ、一分子当りにアリル基が0.28mmol/gの割合で導入されていることが確認された。更に、0.5gの反応液をヘキサン1mLに溶解した溶液に、珪酸アルミニウム系吸着剤(キョーワードKW700PEL)を1.5g添加し1時間攪拌した後、分離径0.1μmのフィルターで濾過した。濾液からヘキサンを蒸発させ、NMRで分析したところ、一分子当りのアリル基が0.22mmol/gに減少していた。これは、約80%のアリル基が高分子量体に、約20%のアリル基が低分子量体に導入されていることを示している。
反応容器を120℃に保ったまま、窒素を流通させ、アリル基含有ポリプロピレンオキシドに11.6mLのアクリル酸メチルを添加し、反応容器内に窒素を流通させながら3時間攪拌することで、エステル交換反応を実施した。得られた反応液をNMRを用いて分析したところ、約50%の水酸基がアクリル基に変換され、一分子当りにアクリル基が0.07mmol/gの割合で導入されていることが確認された。
反応液を室温まで冷却し、塩化アリルを0.22mL添加して攪拌しながら、80℃まで昇温することでアルカリ性触媒を失活させ、反応容器を1時間真空状態に減圧して過剰量の塩化アリルを反応液から除去した。0.6重量%の白金を含有する白金ビニルシロキサンのキシレン溶液200μLを反応液に添加した後、ジメトキシメチルシランを5.0mL添加して1時間反応させた。反応後の反応液をNMRを用いて分析したところ、一分子当りに架橋性ケイ素基が0.28mmol/gの割合で導入されていることが確認された。得られた架橋性ケイ素含有のポリプロピレンオキシド系重合体は、粘性と流動性のある液体であった。
得られた反応液100重量部に対し、硬化促進剤としてジブチルスズジアセチルアセテート(日東化成製:U220)を2重量部の割合で混合し、1日放置するとゴム弾性を有する硬化物が得られた。
(実施例6)
300mLのガラス製の反応容器に、実施例1で合成した水酸基末端ポリプロピレンオキシド100gとヘキサン3mlとを充填して攪拌し、反応容器を80℃に加温して1時間真空状態に減圧することにより、反応容器内の水分とプロピレンオキシドを除去した。反応容器内部を窒素置換した後、0.1g/mLの濃度の水酸化カリウムのメタノール溶液を769μL添加して10分間攪拌し、反応容器を真空ポンプで減圧した。メタノールの沸騰状態が落ち着いたら、反応温度を120℃に上昇させ、更に1時間真空ポンプで減圧を続けた。この操作により、水酸基末端ポリプロピレンオキシド内にカリウムが溶解し、系内からメタノールが完全に除去される。
反応容器内部を窒素置換した後、モレキュラーシーブで脱水処理を施したアリルグリシジルエーテルを8mL添加し、反応容器を密閉した。3.5時間反応を継続した後に、反応容器を減圧し、未反応のアリルグリシジルエーテルを反応液から除去した。アリルグリシジルエーテルを除去した後の反応液をNMRを用いて分析したところ、一分子当りにアリル基が0.1mmol/gの割合で導入されていることが確認された。更に、0.5gの反応液をヘキサン1mLに溶解した溶液に、珪酸アルミニウム系吸着剤(キョーワードKW700PEL)を1.5g添加し1時間攪拌した後、分離径0.1μmのフィルターで濾過した。濾液からヘキサンを蒸発させ、NMRで分析したところ、一分子当りのアリル基が0.08mmol/gに減少していた。これは、約80%のアリル基が高分子量体に、約20%のアリル基が低分子量体に導入されていることを示している。
反応容器を120℃に保ったまま、窒素を流通させ、アリル基含有ポリプロピレンオキシドに5.1mLのアセト酢酸メチルを添加し、3時間攪拌することで、エステル交換反応を実施した。得られた反応液をNMRを用いて分析したところ、約90%の水酸基がアセト酢酸エステル基に変換されていることが確認された。
反応液を室温まで冷却し、塩化アリルを0.22mL添加して攪拌しながら、80℃まで昇温することでアルカリ性触媒を失活させ、反応容器を1時間真空状態に減圧して過剰量の塩化アリルを反応液から除去した。0.6重量%の白金を含有する白金ビニルシロキサンのキシレン溶液100μLを反応液に添加した後、ジメトキシメチルシランを1.6mL添加して1時間反応させた。反応後の反応液をNMRを用いて分析したところ、一分子当りに架橋性ケイ素基が0.08mmol/gの割合で導入されていることが確認された。得られた架橋性ケイ素含有のポリプロピレンオキシド系重合体は、粘性と流動性のある液体であった。
得られた反応液100重量部に対し、硬化促進剤としてジブチルスズジアセチルアセテート(日東化成製:U220)を2重量部の割合で混合し、1日放置すると粘着性が高いゲル状の硬化物が得られた。
(比較例1)
300mLのガラス製の反応容器に、実施例1で合成した水酸基末端ポリプロピレンオキシド100gとヘキサン3mlとを充填して攪拌し、反応容器を80℃に加温して1時間真空状態に減圧することにより、反応容器内の水分とプロピレンオキシドを除去した。反応容器内部を窒素置換した後、反応温度を150℃に上昇させ、更に1時間真空ポンプで減圧を続けた。この時、反応液内には、水酸基末端ポリプロピレンオキシドを合成する際に使用した亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒が残存している。
反応容器内部を窒素置換した後、モレキュラーシーブで脱水処理を施したアリルグリシジルエーテルを8mL添加し、反応容器を密閉した。5時間反応を継続した後に、反応容器を減圧し、未反応のアリルグリシジルエーテルを反応液から除去した。アリルグリシジルエーテルを除去した後の反応液をNMRを用いて分析したところ、一分子当りにアリル基が0.14mmol/gの割合で導入されていることが確認された。更に、0.5gの反応液をヘキサン1mLに溶解した溶液に、珪酸アルミニウム系吸着剤(キョーワードKW700PEL)を1.5g添加し1時間攪拌した後、分離径0.1μmのフィルターで濾過した。濾液からヘキサンを蒸発させ、NMRで分析したところ、一分子当りのアリル基が0.04mmol/gに減少していた。これは、約30%のアリル基が高分子量体に、約70%のアリル基が低分子量体に導入されていることを示している。
反応液を80℃に昇温し、0.6重量%の白金を含有する白金ビニルシロキサンのキシレン溶液100μLを反応液に添加した後、ジメトキシメチルシランを3.8mL添加して2時間反応させた。反応後の反応液をNMRを用いて分析したところ、一分子当りに架橋性ケイ素基が0.11mmol/gの割合で導入されていることが確認された。
得られた反応液100重量部に対し、硬化促進剤としてジブチルスズジアセチルアセテート(日東化成製:U220)を2重量部の割合で混合し、数日間放置したが、全く硬化しなかった。これは、約70%のアリル基が低分子量体に導入されているため、官能基を持たない高分子量体が多量に生成しているためと推定される。

Claims (15)

  1. 一般式(i)に示す官能基を含有する不飽和基含有ポリオキシアルキレン重合体
    (式中、R1はアルカン、アルケン、アルキン、エーテル、エステル、ケトン、アミド、芳香環から選ばれる一種以上の任意の組み合わせで構成される構造である。nは0以上の任意の整数である。)。
    Figure 2005272733
  2. 一般式(ii)、(iii)、(iv)に示す何れかの官能基を含有する不飽和基含有ポリオキシアルキレン重合体
    (式中、R1はアルカン、アルケン、アルキン、エーテル、エステル、ケトン、アミド、芳香環から選ばれる一種以上の任意の組み合わせで構成される構造である。nは0以上の任意の整数である。)。
    Figure 2005272733
    Figure 2005272733
    Figure 2005272733
  3. 一般式(v)、(vi)、(vii)、(viii)に示す何れかの官能基を含有する架橋性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体
    (式中、R1はアルカン、アルケン、アルキン、エーテル、エステル、ケトン、アミド、芳香族から選ばれる一種以上の任意の組み合わせで構成される構造である。Xはハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水酸基を表し、jが2以上の場合にはXはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R2は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基またはトリオルガノシロキシ基であり、kが2以上の場合R2はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。iとkは0〜2の整数であり、jは1〜3の整数を表す。ただしi+j+k=3を満たす。nは0以上の任意の整数である。)。
    Figure 2005272733
    Figure 2005272733
    Figure 2005272733
    Figure 2005272733
  4. 少なくとも1つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体と、少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体と、アルカリ性触媒とを混合し、ポリオキシアルキレン系重合体の水酸基に不飽和基を含有するエポキシド単量体中のエポキシ基を反応させることを特徴とする、不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
  5. 少なくとも一つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体が、アルカリ性触媒以外のエポキシド重合触媒を用い、不飽和官能基を含有しないエポキシド単量体を重合して合成したポリオキシアルキレン系重合体である、請求項4に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
  6. アルカリ性触媒以外のエポキシド重合触媒が、複合金属シアン化物錯体である、請求項5に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
  7. 少なくとも一つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体が、ポリプロピレンオキシド系重合体である、請求項4〜6に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
  8. ポリアルキレンオキシド系重合体と、少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体と、アルカリ性触媒とを混合する際に、反応系内に含有されるプロピレンオキシド単量体の量が、少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体に対してモル比で0.1以下であることを特徴とする請求項4〜7に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
  9. 少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体が、一般式(ix)に記載する構造(式中のR1はアルカン、アルケン、アルキン、エーテル、エステル、ケトン、アミド、芳香環から選ばれる一種以上の組み合わせで構成される構造である。)を有する化合物の少なくとも一種類以上の混合物である、請求項4〜8に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
    Figure 2005272733
  10. 少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体が、(メタ)アリルグリシジルエーテルである、請求項9に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
  11. アルカリ性触媒が、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムを含有する物質である請求項4〜10に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
  12. アルカリ性触媒が、金属ナトリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムアルコキシド、金属カリウム、水酸化カリウム、カリウムアルコキシド、金属リチウム、水酸化リチウム、リチウムアルコキシド、金属セシウム、水酸化セシウム、セシウムアルコキシドから選ばれる少なくとも一種以上の物質を含有する混合物である、請求項11に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
  13. 少なくとも1つ以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン系重合体と、アルカリ性触媒とを混合した後に、混合系内に含有される水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールの含有量を100ppm以下に低下させ、続いて少なくとも一つ以上の不飽和基を含有するエポキシド単量体を混合することを特徴とする請求項12に記載の不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
  14. 請求項4〜13の方法により、不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体を合成し、続いて該不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体にジケテン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチルから選ばれる一種以上の物質の混合物を添加し、該不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体に含有される水酸基の全部、又は一部をアセト酢酸エステル基、(メタ)アクリル酸エステル基に変換することを特徴とする不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
  15. 請求項4〜14の方法により、不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体を合成し、続いてヒドロシリル化反応により、該不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体の不飽和基に架橋性ケイ素基を導入することを特徴とする架橋性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
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