JP2005272650A - 化合物、イオン交換体、プロトン伝導体、電極膜接合体および燃料電池 - Google Patents
化合物、イオン交換体、プロトン伝導体、電極膜接合体および燃料電池 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 高いイオン伝導度、小さいメタノールクロスオーバー、および高い膜強度を有するイオン交換体及びプロトン伝導体、および当該プロトン伝導体を用いた高出力の燃料電池を提供する。
【解決手段】メソゲン基と末端に重合性基を有するアルコキシシラン化合物と、末端にヒドロキシ基を有するジオルガノラン化合物と、硫黄原子を有するアルコキシシラン化合物のゾルーゲル反応により得られうる化合物。
【選択図】なし
【解決手段】メソゲン基と末端に重合性基を有するアルコキシシラン化合物と、末端にヒドロキシ基を有するジオルガノラン化合物と、硫黄原子を有するアルコキシシラン化合物のゾルーゲル反応により得られうる化合物。
【選択図】なし
Description
本発明は、化合物およびそれを含む、イオン交換体、プロトン伝導体、電極膜複合体、およびそれを用いた燃料電池に関する。
近年、燃料として水素のかわりにメタノールを用いる直接メタノール型燃料電池(DMFC)が提案され、リチウム2次電池に代わる携帯機器用高容量電池として期待され、活発に研究されている。燃料電池用電解質膜(プロトン伝導体)において、正極触媒電極に供給される燃料(水素、メタノール水溶液等)と負極に供給される酸化剤ガス(酸素等)を物理的に絶縁すること、正極と負極を電気的に絶縁すること、および正極上で生じるプロトンを負極に伝達することが求められる。これらの機能を満たすためには、ある程度の機械的強度と高いプロトン伝導性が要求される。
燃料電池電解質膜には、一般にナフィオン(登録商標)に代表されるスルホン酸基含有パーフルオロカーボン重合体が用いられている。これらの電解質膜はイオン伝導度に優れ、機械的強度も比較的高いものであるが、以下のような改善すべき点がある。すなわち、これらの電解質膜では膜に含まれる水とスルホン酸基により生成したクラスターチャンネルの中で水を介してプロトンが伝導するため、イオン伝導度が電池使用環境の湿度による膜含水率に大きく依存する。燃料電池は、COによる触媒電極の被毒低減と触媒電極の高活性化の観点から、100〜150℃の温度領域で作動させるのが好ましい。しかし、このような中温度領域では電解質膜の含水率の低下とともにイオン伝導度が低下するため、期待した電池特性が得られない。また、電解質膜の軟化点が120℃付近にあり、この温度域で作動させた場合には電解質膜の機械的強度に乏しい。一方、これらの電解質膜をDMFCに用いた場合には、本質的に含水し易いこれらの膜は、燃料のメタノールに対するバリヤ性が低いため、正極に供給したメタノールが電解質膜を透過し負極に到達してしまう。これが原因となり電池出力が低下する、いわゆるメタノールクロスオーバー現象が起こり、DMFC実用化のための解決すべき重要な課題の一つとなっている。
そこで、ナフィオン(登録商標)に代わるプロトン伝導材料を開発する機運が高まり、幾つかの有望な電解質材料が提案されている。有機ケイ素化合物を前駆体とし、プロトン酸存在下のゾル−ゲル反応により生成する有機−無機ナノハイブリッド型のプロトン伝導材料が提案されている(特許文献1または2および非特許文献1または2)。これらの伝導材料は、ケイ酸とプロトン酸からなりプロトン伝導部位である無機成分と材料に柔軟性を付与する有機成分とにより構成されるが、膜のプロトン伝導度を高めるために無機成分を増やすと膜の機械的強度が低下し、柔軟性を得るために有機成分を増やすとプロトン伝導度が低下するため、2つの特性を満足する材料を得ることが困難である。また、DMFC用途として重要な特性であるメタノール透過性に関しては、十分な記載がない。
本発明の目的は、柔軟性および高い機械的強度を有し、十分なプロトン伝導性がある膜(プロトン伝導膜、イオン交換膜)として用いることができる、すなわち、DMFC用として好適なメタノール透過性の低いプロトン伝導体およびそれを用いた燃料電池の提供にある。
本発明の目的は下記の構成により達成することができる。
(1)下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、および下記一般式(5)で表される化合物のゾル−ゲル反応により得られうる化合物。
(一般式(1)中、A1はメソゲンを含む有機原子団であり、R1は水素原子、アルキル基、アリール基またはシリル基を表し、R2はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Z1は重合により炭素−炭素結合または炭素−酸素結合を形成しうる重合性基を表す。m1は0〜2の整数を表し、n2は1〜8の整数を表し、n2が2以上のときそれぞれのR1およびR2は同一でも異なってもよい。n1は0〜4の整数を表す。)
(一般式(2)中、R3およびR4は、それぞれ、アルキル基、アリール基またはアルコキシ基を表し、aは2以上の整数を表す。a個のR3およびR4は、それぞれ、同一でも異なってもよい。)
一般式(5)
(一般式(5)中、R7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはシリル基を表し、R8はアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、m4は0〜2の整数を表し、n4は1〜8の整数を表し、n4が2以上のときそれぞれのR7およびR8は同一でも異なってもよい。Pは、1〜5の整数であり、Lは、Pが1のときLは水素原子であり、Pが2〜5の整数のとき、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基または−〔Si(OR10)3-m5(R11)m5〕で表され、それぞれの−〔Si(OR10)3-m5(R11)m5〕は同一でも異なってもよい。R10は、水素原子、アルキル基、アリール基またはシリル基を表し、R11はアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。m5は0〜2の整数を表す。Bは、(p+n4)価の連結基を表す。)
一般式(5)
(一般式(5)中、R7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはシリル基を表し、R8はアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、m4は0〜2の整数を表し、n4は1〜8の整数を表し、n4が2以上のときそれぞれのR7およびR8は同一でも異なってもよい。Pは、1〜5の整数であり、Lは、Pが1のときLは水素原子であり、Pが2〜5の整数のとき、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基または−〔Si(OR10)3-m5(R11)m5〕で表され、それぞれの−〔Si(OR10)3-m5(R11)m5〕は同一でも異なってもよい。R10は、水素原子、アルキル基、アリール基またはシリル基を表し、R11はアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。m5は0〜2の整数を表す。Bは、(p+n4)価の連結基を表す。)
(2)上記(1)に記載の化合物を含有するイオン交換体。
(3)上記(1)に記載の化合物を含有するプロトン伝導体。
(4)少なくとも2つの電極からなり、該2つの電極の間に上記(3)に記載のプロトン伝導体が含まれている電極膜接合体。
(5)上記(4)に記載の電極膜接合体を有する燃料電池。
(3)上記(1)に記載の化合物を含有するプロトン伝導体。
(4)少なくとも2つの電極からなり、該2つの電極の間に上記(3)に記載のプロトン伝導体が含まれている電極膜接合体。
(5)上記(4)に記載の電極膜接合体を有する燃料電池。
(6)少なくとも、アノード電極とカソード電極とからなり、前記アノード電極とカソード電極の間に上記(3)に記載のプロトン伝導体を有する電極膜接合体。
(7)上記(1)において、可塑剤を含むゾル−ゲル反応により得られる化合物。
(7)上記(1)において、可塑剤を含むゾル−ゲル反応により得られる化合物。
メソゲン含有有機ケイ素化合物、プロトン供与性基を有する化合物、および末端シラノールポリシロキサン化合物をゾル−ゲル反応により複合化された化合物が提供できた。該化合物は固定化された高いプロトン伝導性を有し、かつメタノール透過性が低いためイオン交換体(より好ましくはイオン交換膜)、プロトン伝導体(より好ましくはプロトン伝導膜)に好適に用いることができる。さらに該化合物は、ポリシロキサンとの共有結合により連結して、柔軟で高い機械的強度を有し、イオン交換体、プロトン伝導体などに好適に用いることができる。本発明の化合物を直接メタノール型燃料電池に用いた場合には、従来のプロトン伝導体より高い出力を得ることが可能である。また、有機分子鎖の少なくとも一部が配向してなる集合体が形成されている場合、イオン伝導度がより高く、かつメタノール水溶液に対する耐性が高くメタノールクロスオーバーが低減される為電圧低下の割合が小さくなる。
以下において、本願発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明の化合物は、有機ケイ素化合物からなるゾル−ゲル反応の前駆体、電子供与性基またはその前駆体を置換基として導入した化合物を前駆体、および末端シラノールポリシロキサンによりケイ素−酸素3次元架橋マトリックスに共有結合した構造を有する。
[1]本発明の化合物
本発明の化合物は、メソゲン含有有機ケイ素化合物、末端シラノールポリシロキサン化合物、およびプロトン供与性基有するケイ素化合物の前駆体をゾル−ゲル反応させることでケイ素−酸素3次元架橋マトリックスに共有結合した構造を有することにより形成することができる。以下これらを形成するための前駆体について詳しく説明する。
本発明の化合物は、メソゲン含有有機ケイ素化合物、末端シラノールポリシロキサン化合物、およびプロトン供与性基有するケイ素化合物の前駆体をゾル−ゲル反応させることでケイ素−酸素3次元架橋マトリックスに共有結合した構造を有することにより形成することができる。以下これらを形成するための前駆体について詳しく説明する。
[1−1]メソゲン含有有機ケイ素化合物前駆体
本発明の化合物は、メソゲン基を有する有機ケイ素化合物を前駆体とし、ゾル−ゲル反応により前駆体を三次元架橋してなるものである。例えば、前駆体は、下記一般式(1)で表される化合物である。
本発明の化合物は、メソゲン基を有する有機ケイ素化合物を前駆体とし、ゾル−ゲル反応により前駆体を三次元架橋してなるものである。例えば、前駆体は、下記一般式(1)で表される化合物である。
一般式(1)においては、R1は、水素原子、アルキル基、アリール基またはシリル基を表し、好ましくは、アルキル基またはアリール基である。m1は0〜2の整数である。R2はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。R1および/またはR2において、アルキル基の好ましい例としては、直鎖、分岐鎖または環状アルキル基(炭素数1〜20のアルキル基であり、好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等)が挙げられ、アリール基の好ましい例としては、炭素数6〜20の置換または無置換のフェニル基、炭素数10〜20の置換または無置換のナフチル基等が挙げられる。R2において、ヘテロ環基の好ましい例としては、置換または無置換のへテロ6員環(ピリジル基、モルホリノ基等)、置換または無置換のヘテロ5員環(フリル基、チオフェン基等)等が挙げられる。n2は1〜8の整数を表し、好ましくは1〜5の整数である。
Z1は重合により炭素−炭素結合または炭素−酸素結合を形成しうる重合性基を表し、例えばエチレン性不飽和残基を有する、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、エチニル基等、または環状アルキレンオキシド基であるエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。この中でも好ましくは、アクリロイル基、メタクリロイル基、環状アルキレンオキシド基が挙げられる。n1は0〜4の整数を表し、1または2が好ましい。
Z1は重合により炭素−炭素結合または炭素−酸素結合を形成しうる重合性基を表し、例えばエチレン性不飽和残基を有する、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、エチニル基等、または環状アルキレンオキシド基であるエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。この中でも好ましくは、アクリロイル基、メタクリロイル基、環状アルキレンオキシド基が挙げられる。n1は0〜4の整数を表し、1または2が好ましい。
A1は、メソゲン基を含む有機原子団であり、メソゲン基の好ましい例としては、Dietrich Demus および Horst Zaschkeによる 「Flussige Kristalle in Tabellen II」, 1984年, p.7-18に記載されているものが挙げられる。中でも、下記一般式(4)で表されるものが好ましい。
一般式(4)
一般式(4)中、Q1は、単結合、1価の基または(n1+1)価の連結基を表し、Q2は、単結合または(n2+1)価の連結基を表す。ここで、n1およびn2は、一般式(1)におけるn1およびn2と、それぞれ、同じ数字である。また、Q1とQ2のうち、Q2がSiと結合する。
Q1は、2価の連結基または単結合であることがより好ましい。また、1価の基とは、n1が0の場合である。
Q2は、(n2+1)価の連結基または単結合であることが好ましく、2価の連結基または単結合であることがより好ましい。
Q1およびQ2における2価の連結基としては、−CH=CH−、−CH=N−、−N=N−、−N(O)=N−、−COO−、−COS−、−CONH−、−COCH2−、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2NH−、−CH2−、−CO−、−O−、−S−、−NH−、−(CH2)1〜3−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−CO−、−(C≡C)−、または、これらの組合せ等が好ましく、−CH2−、−CO−、−O−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=N−、または、これらの組合せ等がより好ましい。これらを組み合わせる場合、同じ連結基、異なった連結基、その両方のいずれの組み合わせであってもよく、その組み合わせ数は、特に定めるものではない。
上記1価の基、(n1+1)価の連結基ならびに(n2+1)価の連結基は、水素原子が他の置換基で置換された基であってもよい。置換基としては、上記一般式(4)で表される基、上記一般式(1)中の
で表される基、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)があげられる。また、Q1における1価の基の例としては、上記2価の連結基で例示した基であって、その一方の端が、水素原子またはハロゲン原子である基があげられる。ハロゲン原子としては、フッ素が好ましい。該1価の基がさらに、置換基を有していてもよいのは、上述と同様である。
Q1は、2価の連結基または単結合であることがより好ましい。また、1価の基とは、n1が0の場合である。
Q2は、(n2+1)価の連結基または単結合であることが好ましく、2価の連結基または単結合であることがより好ましい。
Q1およびQ2における2価の連結基としては、−CH=CH−、−CH=N−、−N=N−、−N(O)=N−、−COO−、−COS−、−CONH−、−COCH2−、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2NH−、−CH2−、−CO−、−O−、−S−、−NH−、−(CH2)1〜3−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−CO−、−(C≡C)−、または、これらの組合せ等が好ましく、−CH2−、−CO−、−O−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=N−、または、これらの組合せ等がより好ましい。これらを組み合わせる場合、同じ連結基、異なった連結基、その両方のいずれの組み合わせであってもよく、その組み合わせ数は、特に定めるものではない。
上記1価の基、(n1+1)価の連結基ならびに(n2+1)価の連結基は、水素原子が他の置換基で置換された基であってもよい。置換基としては、上記一般式(4)で表される基、上記一般式(1)中の
で表される基、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)があげられる。また、Q1における1価の基の例としては、上記2価の連結基で例示した基であって、その一方の端が、水素原子またはハロゲン原子である基があげられる。ハロゲン原子としては、フッ素が好ましい。該1価の基がさらに、置換基を有していてもよいのは、上述と同様である。
Y1は2価の4、5、6または7員環の置換基、またはそれらから構成される縮合環の置換基を表す。m3は1〜3の整数を表し、m3が2以上のときは、それぞれのカッコ内は同一でも異なっていてもよい。Y1は好ましくは6員環の芳香族基、4〜6員環の飽和または不飽和脂肪族基、5または6員環のヘテロ環基、またはそれらの縮合環である。
以下に、Yの好ましい具体例を挙げる。この中でも好ましくは、(Y−2)である。
以下に、Yの好ましい具体例を挙げる。この中でも好ましくは、(Y−2)である。
有機ケイ素化合物には、分子の配向性を高めるために、メソゲン基とともに炭素数5以上のアルキル基またはアルキレン基を含むのが好ましい。アルキル基またはアルキレン基の炭素数は5〜25が好ましく、6〜18がより好ましい。アルキル基またはアルキレン基は置換基を有していてもよい。好ましい置換基としては以下の基が挙げられる。
1.アルキル基
アルキル基は置換基を有していてもよく、より好ましくは炭素数1〜24、さらに好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、i-プロピル基、i-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、t-オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、2-ヘキシルデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシルメチル基、オクチルシクロヘキシル基等である。
1.アルキル基
アルキル基は置換基を有していてもよく、より好ましくは炭素数1〜24、さらに好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、i-プロピル基、i-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、t-オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、2-ヘキシルデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシルメチル基、オクチルシクロヘキシル基等である。
2.アリール基
アリール基は置換基を有していても縮環していてもよく、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基であり、例えばフェニル基、4−メチルフェニル基、3−シアノフェニル基、2−クロロフェニル基、2−ナフチル基等である。
アリール基は置換基を有していても縮環していてもよく、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基であり、例えばフェニル基、4−メチルフェニル基、3−シアノフェニル基、2−クロロフェニル基、2−ナフチル基等である。
3.ヘテロ環基
ヘテロ環基は置換基を有していても縮環していてもよく、含窒素ヘテロ環基のときは環中の窒素が4級化していてもよい。より好ましくは炭素数2〜24のヘテロ環基であり、例えば4−ピリジル基、2−ピリジル基、1−オクチルピリジニウム−4−イル基、2−ピリミジル基、2−イミダゾリル基、2−チアゾリル基等である。
ヘテロ環基は置換基を有していても縮環していてもよく、含窒素ヘテロ環基のときは環中の窒素が4級化していてもよい。より好ましくは炭素数2〜24のヘテロ環基であり、例えば4−ピリジル基、2−ピリジル基、1−オクチルピリジニウム−4−イル基、2−ピリミジル基、2−イミダゾリル基、2−チアゾリル基等である。
4.アルコキシ基
より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシペンタ(エチルオキシ)基、アクリロイルオキシエトキシ基、ペンタフルオロプロポキシ基等である。
より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシペンタ(エチルオキシ)基、アクリロイルオキシエトキシ基、ペンタフルオロプロポキシ基等である。
5.アシルオキシ基
より好ましくは炭素数1〜24のアシルオキシ基であり、例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等である。
より好ましくは炭素数1〜24のアシルオキシ基であり、例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等である。
6.アルコキシカルボニル基
より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等である。
より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等である。
7.カルバモイルオキシ基
(例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、
アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)
(例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、
アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)
8.アリールオキシカルボニルオキシ基
(例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基、
アミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N-メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、
アシルアミノ基(例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)
(例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基、
アミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N-メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、
アシルアミノ基(例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)
9.アミノカルボニルアミノ基
(例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基
(例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基
10.アルコキシカルボニルアミノ基
(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基)、
(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基)、
11.アリールオキシカルボニルアミノ基
(例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、
(例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、
12.スルファモイルアミノ基
(例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、
(例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、
13.アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基
(例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)
(例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)
14.スルファモイル基
(例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、
(例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、
15.アルキルおよびアリールスルフィニル基
(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、
(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、
16.アルキルおよびアリールスルホニル基
(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、
(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、
17.アシル基
(例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基)、
アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基)、
(例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基)、
アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基)、
18.カルバモイル基
(例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、
(例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、
19.シリル基
(炭素数3〜30のシリル基が好ましく、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、トリアセトキシシリル基)、
(炭素数3〜30のシリル基が好ましく、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、トリアセトキシシリル基)、
20.シアノ基、
21.フルオロ基、
22.メルカプト基、
23.水酸基
21.フルオロ基、
22.メルカプト基、
23.水酸基
以下に一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。下記の具体例の中でも好ましくは、(1−1)〜(1−17)および(1−27)〜(1−44)であり、最も好ましくは、(1−1)〜(1−17)である。
[1−2]末端シラノールポリシロキサン化合物
本発明の化合物では、下記一般式(2)で表される化合物が、ゾル液中で複合化した集合体をポリシロキサン化合物との共有結合により連結している。含有量としては一般式(1)で表される化合物および一般式 (5)で表される化合物の合計重量に対して、1〜50重量%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜20重量%の範囲であり、さらに好ましくは1〜5重量%の範囲である。
本発明の化合物では、下記一般式(2)で表される化合物が、ゾル液中で複合化した集合体をポリシロキサン化合物との共有結合により連結している。含有量としては一般式(1)で表される化合物および一般式 (5)で表される化合物の合計重量に対して、1〜50重量%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜20重量%の範囲であり、さらに好ましくは1〜5重量%の範囲である。
R3およびR4で表されるアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数は、好ましくは1〜24、より好ましくは1〜10である。さらに、置換基を有していてもよい。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、i-プロピル基、i-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、t-オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、2-ヘキシルデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシルメチル基、オクチルシクロヘキシル基等である。
R3およびR4で表されるアリール基は、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基であり、例えばフェニル基、4−メチルフェニル基、3−シアノフェニル基、2−クロロフェニル基、2−ナフチル基等である。
R3およびR4で表されるアルコキシ基は、より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシペンタ(エチルオキシ)基、アクリロイルオキシエトキシ基、ペンタフルオロプロポキシ基等である。
以下に一般式(2)で表される化合物の例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
以下に一般式(2)で表される化合物の例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
下記一般式(2−A)を満たすもの、この中でも特に好ましくは、(2−1)平均分子量Mwが550であるもの、(2−2)平均分子量Mwが2,750であるもの、(2−3)平均分子量Mwが4,200であるもの、または、(2−4)平均分子量Mwが18,000であるもの;
下記一般式(2−B)を満たすもの、この中でも特に好ましくは、(2−5)平均分子量Mwが1,250であるもの;
下記一般式(2−C)を満たすもの、この中でも特に好ましくは、(2−6)平均分子量Mwが950であるもの、または、(2−7)平均分子量Mwが35,000であるもの;
である。
下記一般式(2−B)を満たすもの、この中でも特に好ましくは、(2−5)平均分子量Mwが1,250であるもの;
下記一般式(2−C)を満たすもの、この中でも特に好ましくは、(2−6)平均分子量Mwが950であるもの、または、(2−7)平均分子量Mwが35,000であるもの;
である。
[1−3]プロトン供与性基含有前駆体
本発明の化合物は、一般式(3)で表される部分構造により、プロトン供与性基Xを含む基がケイ素−酸素3次元架橋マトリックスに共有結合する。一般式(3)で表されるプロトン供与性基Xを含む部分構造は、例えば、一般式(5)で表されるケイ素化合物を前駆体としたゾル−ゲル反応により形成することができる。以下、一般式(3)および一般式(5)について説明する。
本発明の化合物は、一般式(3)で表される部分構造により、プロトン供与性基Xを含む基がケイ素−酸素3次元架橋マトリックスに共有結合する。一般式(3)で表されるプロトン供与性基Xを含む部分構造は、例えば、一般式(5)で表されるケイ素化合物を前駆体としたゾル−ゲル反応により形成することができる。以下、一般式(3)および一般式(5)について説明する。
一般式(3)中、R5は水素原子、アルキル基、アリール基またはシリル基を表し、好ましくは、アルキル基またはアリール基である。R6はアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。m2は0〜2の整数を表し、n3は1〜8の整数を表し、好ましくは1〜5の整数である。n3が2以上の場合それぞれのR5およびR6は、同一でも異なってもよい。Xはプロトン供与性基を表す。
一般式(3)中のm2、n3、R5およびR6は、それぞれ一般式(1)中のm1、n2、R1およびR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
Xはプロトン供与性基を表し、pka4以下の酸残基が好ましく、例えば、−SO3H、−P(O)(OH)2,−OP(O)(OH)2、−COOH等が挙げられ、特に好ましくは、pkaが最も低い−SO3H基である。
Bは、(1+n3)価の連結基であり、好ましくは、2価の連結基である。連結基としては、脂肪族基、芳香族基、またはこれらの組み合わせからなる連結基が好ましい。さらに、これらの連結基は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で置換基を有していても良い。
一般式(3)中のm2、n3、R5およびR6は、それぞれ一般式(1)中のm1、n2、R1およびR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
Xはプロトン供与性基を表し、pka4以下の酸残基が好ましく、例えば、−SO3H、−P(O)(OH)2,−OP(O)(OH)2、−COOH等が挙げられ、特に好ましくは、pkaが最も低い−SO3H基である。
Bは、(1+n3)価の連結基であり、好ましくは、2価の連結基である。連結基としては、脂肪族基、芳香族基、またはこれらの組み合わせからなる連結基が好ましい。さらに、これらの連結基は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で置換基を有していても良い。
一般式(5)中、R7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはシリル基を表し、好ましくは、アルキル基またはアリール基である。R8はアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。一般式(5)中、m4、n4、R7およびR8は、それぞれ一般式(1)中のm1、n2、R1およびR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
m4は0〜2の整数を表し、n4は1〜8の整数(より好ましくは1〜5の整数)を表し、n4が2以上のときそれぞれのR7およびR8は同一でも異なってもよい。Pは、1〜5の整数であり、Lは、Pが1のときLは水素原子であり、Pが2〜5の整数のとき(好ましくは2のとき)Lは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基または−〔Si(OR10)3-m5(R11)m5〕で表され、分子中に存在する複数の−〔Si(OR10)3-m5(R11)m5〕は同一でも異なってもよい。ここで、m5、R10およびR11は、それぞれ、一般式(1)におけるm1、R1およびR2と同義であり、好ましい範囲も同義である。
Bは、(p+n4)価の連結基であり、好ましくは、2価の連結基である。連結基としては、脂肪族基、芳香族基、またはこれらの組み合わせからなる連結基が好ましい。さらに、これらの連結基は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で置換基を有していても良い。
Bは、(p+n4)価の連結基であり、好ましくは、2価の連結基である。連結基としては、脂肪族基、芳香族基、またはこれらの組み合わせからなる連結基が好ましい。さらに、これらの連結基は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で置換基を有していても良い。
プロトン供与性基を含むケイ素化化合物はそれ自身の酸で縮合しゲル化し易いため、一般式(5)中に含まれるメルカプト基または(S)p−基(pは1または2の整数を表す。)を含有している化合物を酸化した溶液を本発明のプロトン伝導体を作成するための前駆体ゾル液として用いるのが好ましい。SH基および(S)p−基は、酸化剤によって酸化されてスルホ基に変換しうる基である。反応に用いる酸化剤としては、「実験科学講座」(丸善(株))に記載されている硫黄化合物を酸化可能な酸化剤が挙げられる。酸化剤の例としては、ヨウ素、臭素等のハロゲン化合物、過酢酸、3−クロロ−過安息香酸、モノ過フタル酸等の有機過酸、過酸化水素、過マンガン酸カリウム等が挙げられる。好ましくは、水溶性の酸化剤であり、例えば過酸化水素、過酢酸等である。
一般式(5)で表される化合物の具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。これらの中でも、好ましくは、(5−1)〜(5−13)である。
[2−2]可塑性化合物の添加
本発明の化合物では、一般式(6)で表される。ゾル−ゲル反応において変化しない化合物を可塑剤として添加することにより、膜により効果的に柔軟性を付与することができる。添加量は、前述の有機ケイ素化合物のモル数に対し、好ましくは1〜50モル%であり、より好ましくは5〜20モル%である。
本発明の化合物では、一般式(6)で表される。ゾル−ゲル反応において変化しない化合物を可塑剤として添加することにより、膜により効果的に柔軟性を付与することができる。添加量は、前述の有機ケイ素化合物のモル数に対し、好ましくは1〜50モル%であり、より好ましくは5〜20モル%である。
一般式(6)中、A2はメソゲンおよび炭素数4以上のアルキレン基を含む有機原子団を表し、メソゲンは、前述のメソゲン含有有機ケイ素化合物(1)中のA1と同義であり、本発明のプロトン伝導体作成時に用いるメソゲン含有有機ケイ素化合物中のメソゲンと同一のものが特に好ましい。R9はゾル−ゲル反応において変化しない置換基または水素原子を表し、好ましい置換基の例としては、前述の一般式(1)中の置換基で説明した1.アルキル基、2.アリール基、3.ヘテロ環基、4.アルコキシ基、5.アシルオキシ基、6.アルコキシカルボニル基、7.カルバモイルオキシ基、8.アリールオキシカルボニルオキシ基、9.アミノカルボニルアミノ基の他に、水酸基、およびカルボキシル基、シアノ基、フルオロ基、スルホ基、スルフィノ基、ホスホノ基などの酸残基、ビニル基などが挙げられ、これらの中で特に水酸基、酸残基、ビニル基が好ましい。n5は、0〜8の整数を示し、1〜8が好ましく、1または2が特に好ましい。
およびn6は1〜8の整数を表し、1または2が特に好ましい。
およびn6は1〜8の整数を表し、1または2が特に好ましい。
Z2は重合により炭素−炭素結合または炭素−酸素結合を形成しうる重合性基を表し、前述の一般式(1)で表される有機ケイ素化合物中のZ1と同義であり、特に、本発明のプロトン伝導体作成時に用いるメソゲン含有有機ケイ素化合物のZ1と同一のものが好ましい。n5が2以上のときZ2は同一でも異なってもよい。
以下に、一般式(6)で表される化合物の具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。この中でも、6−1〜6−17が好ましい。
[2] プロトン伝導体の作製法
[2−1] ゾル−ゲル法
本発明では、一般にゾル−ゲル法と呼ばれる金属アルコキシドの加水分解、縮合、乾燥、(場合によっては焼成)等によって固体を得る方法を用いる。例としては、特開2000−272932号公報、特開2000−256007号公報、特開2000−357524号公報、特許文献1または2、および非特許文献1等に記載されている方法を用いることができる。一般には、縮合のために酸触媒を用いるが、本発明では、[1−3]で述べた前駆体自身が酸触媒となるため、別途酸を添加しなくてもよい。
[2−1] ゾル−ゲル法
本発明では、一般にゾル−ゲル法と呼ばれる金属アルコキシドの加水分解、縮合、乾燥、(場合によっては焼成)等によって固体を得る方法を用いる。例としては、特開2000−272932号公報、特開2000−256007号公報、特開2000−357524号公報、特許文献1または2、および非特許文献1等に記載されている方法を用いることができる。一般には、縮合のために酸触媒を用いるが、本発明では、[1−3]で述べた前駆体自身が酸触媒となるため、別途酸を添加しなくてもよい。
本発明のプロトン伝導体の典型的な作製方法は、一般式(5)で表される化合物を任意の溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等)に溶解し、その溶液に酸化剤を添加し−SH基または(S)p−基を、プロトン供与基、例えば、−SO3H基に変換する。得られたゾルを、任意の溶媒に溶解した[1−1]に記載の有機ケイ素化合物(1)および末端シラノールポリシロキサン(2)と混合し、アルコキシシリル基の加水分解と縮重合(以下「ゾル−ゲル」反応)を進行させる。あるいは、一般式(5)で表される化合物と[1−1]に記載した有機ケイ素化号物(1)および末端シラノールポリシロキサン(2)を任意の溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)に溶解した後酸化剤を添加し、−SH基または(S)p−基を、プロトン供与基、例えば、−SO3H基に変換後、ゾル−ゲル反応を進行させる。
その際必要に応じ加熱してもよい。反応混合液(ゾル)の粘度は徐々に増し、溶媒を留去、乾燥すると固体(ゲル)が得られる。流動性がある段階で、ゾル−を所望の容器に流し込むか、塗布した後、溶媒留去、乾燥することにより膜状の固体を得ることができる。生成するシリカのネットワークをより緻密にするため、必要に応じ乾燥後さらに加熱することも可能である。
その際必要に応じ加熱してもよい。反応混合液(ゾル)の粘度は徐々に増し、溶媒を留去、乾燥すると固体(ゲル)が得られる。流動性がある段階で、ゾル−を所望の容器に流し込むか、塗布した後、溶媒留去、乾燥することにより膜状の固体を得ることができる。生成するシリカのネットワークをより緻密にするため、必要に応じ乾燥後さらに加熱することも可能である。
ゾル−ゲル反応に用いる溶媒は、前駆体の有機ケイ素化合物を溶解するものであれば特に制限はないが、好ましくはカーボネート化合物(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、ヘテロ環化合物(3−メチル−2−オキサゾリジノン、N−メチルピロリドン等)、環状エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、鎖状エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等)、ニトリル化合物(アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、エステル類(カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等)、非プロトン極性物質(ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、非極性溶媒(トルエン、キシレン等)、塩素系溶媒(メチレンクロリド、エチレンクロリド等)、水等を用いることができる。中でも、エタノール、イソプロパノール、フッ素置換アルコール等のアルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類等が特に好ましい。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。乾燥速度を制御する目的で、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジオキサン等の沸点100℃以上の溶媒を上記溶媒に添加しても良い。全溶媒量は、前駆体化合物1gに対し好ましくは0.1〜100gであり、より好ましくは1〜10gである。
ゾル−ゲル反応の進行を速める目的で酸触媒を用いてもよい。酸触媒としては無機または有機のプロトン酸が好ましい。無機プロトン酸としては、塩酸、硫酸、過酸化水素、リン酸類(H3PO4、H3PO3、H4P2O7、H5P3O10、メタリン酸、ヘキサフルオロリン酸等)、硼酸、硝酸、過塩素酸、テトラフルオロ硼酸、ヘキサフルオロ砒素酸、臭化水素酸、固体酸(タングストリン酸、タングステンペルオキソ錯体等)等が挙げられる。有機プロトン酸としては、リン酸エステル類(例えば炭素数1〜30のリン酸エステル類であり、リン酸メチルエステル、リン酸プロピルエステル、リン酸ドデシルエステル、リン酸フェニルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸ジドデシルエステル等)、亜リン酸エステル類(例えば炭素数1〜30の亜リン酸エステル類であり、亜リン酸メチルエステル、亜リン酸ドデシルエステル、亜リン酸ジエチルエステル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジドデシルエステル等)、スルホン酸類(例えば炭素数1〜15のスルホン酸類であり、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ヘキサフルオロベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸等)、カルボン酸類(例えば炭素数1〜15のカルボン酸類であり、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、置換安息香酸等)、イミド類(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸、トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミド等)、ホスホン酸類(例えば炭素数1〜30のホスホン酸類であり、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジフェニルホスホン酸、1,5−ナフタレンビスホスホン酸等)等の低分子化合物、またはナフィオン(登録商標)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー、側鎖にリン酸基を有するポリ(メタ)アクリレート(特開2001−114834号公報)、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(特開平6−93111号公報)、スルホン化ポリエーテルスルホン(特開平10−45913号公報)、スルホン化ポリスルホン(特開平9−245818号公報)等の耐熱芳香族高分子のスルホン化物等のプロトン酸部位を有する高分子化合物が挙げられる。これらを2種以上併用することも可能である。
ゾル−ゲル反応の反応温度は反応速度に関連し、前駆体の反応性と選択した酸の種類および量に応じて選択することができる。好ましくは−20℃〜150℃であり、より好ましくは0℃〜80℃であり、さらに好ましくは20℃〜60℃である。
[2−2] 重合性基Z1による重合
重合性基Z1が、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、エチニル基等の炭素−炭素不飽和結合である場合、大津隆行・木下雅悦共著, 「高分子合成の実験法」, 化学同人や大津隆行著, 「講座重合反応論1ラジカル重合(I)」, 化学同人に記載された一般的な高分子合成法であるラジカル重合法を用いることができる。
重合性基Z1が、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、エチニル基等の炭素−炭素不飽和結合である場合、大津隆行・木下雅悦共著, 「高分子合成の実験法」, 化学同人や大津隆行著, 「講座重合反応論1ラジカル重合(I)」, 化学同人に記載された一般的な高分子合成法であるラジカル重合法を用いることができる。
ラジカル重合法として、熱重合開始剤を用いる熱重合法と光重合開始剤を用いる光重合法を使用することができる。熱重合開始剤の好ましい例としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物系開始剤等が挙げられ、光重合開始剤の好ましい例としては、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号および同2367670号の各明細書)、アシロインエーテル(米国特許244828号明細書)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書)、多核キノン化合物(米国特許3046127号および同2951758号の各明細書)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組合せ(米国特許35493676号明細書)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報および米国特許4239850号明細書)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書)が挙げられる。
重合開始剤は、上記[2−1]のゾル−ゲル反応前に反応液に添加しても、ゾル−ゲル反応後反応液を塗布する直前に添加しても良い。重合開始剤の添加量はモノマー総量に対し好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%である。
重合性基Z1がエチレンオキシド基、トリメチレンオキシド基等のアルキレンオキシド基の場合、重合触媒としてはプロトン酸(上記[2−1]で挙げたプロトン酸)やルイス酸(好ましくは三フッ化ホウ素(エーテル錯体を含む)、塩化亜鉛、塩化アルミニウム等)を好ましく用いることができる。プロトン酸としてゾル−ゲル反応のプロトン酸を用いる場合には、重合性基Z1の重合用に特に添加する必要はない。重合触媒を添加する場合には、塗布する直前に反応液に添加するのが好ましい。通常、重合は塗布後に加熱または光照射により膜中で進行させる。これにより分子の配向状態が固定され、また、膜の強度も向上する。
有機ケイ素化合物前駆体を用いたゾル−ゲル反応は、ゾル−ゲル反応混合物を塗布した後、有機ケイ素化合物の有機部位が配向しながら進行する。ゾル−ゲル組成物の配向を促進させるために、様々な手法を採用することができる。例えば、前述の支持体等に事前に配向処理を施すことができる。配向処理としては種々の一般的な方法を採用できるが、好ましくは各種ポリイミド系配向膜、ポリビニルアルコール系配向膜等の液晶配向層を支持体等の上に設け、ラビング等の配向処理行う方法、支持体上のゾル−ゲル組成物に磁場や電場等を印加する方法、加熱する方法等を用いることができる。
支持体より剥離して得られる有機−無機ハイブリッド型プロトン伝導体の厚さは、10〜500μmが好ましく、25〜100μmが特に好ましい。
[2−3] 製膜方法
本発明において、ゾル−ゲル反応混合物を塗布する際の支持体は特に限定されないが、好ましい例としてはガラス基板、金属基板、高分子フイルム、反射板等を挙げることができる。高分子フイルムとしては、TAC(トリアセチルセルロース)等のセルロース系高分子フイルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等のエステル系高分子フイルム、PTFE(ポリトリフルオロエチレン)等のフッ素系高分子フイルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。塗布方式は公知の方法でよく、例えばカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等を用いることができる。
本発明において、ゾル−ゲル反応混合物を塗布する際の支持体は特に限定されないが、好ましい例としてはガラス基板、金属基板、高分子フイルム、反射板等を挙げることができる。高分子フイルムとしては、TAC(トリアセチルセルロース)等のセルロース系高分子フイルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等のエステル系高分子フイルム、PTFE(ポリトリフルオロエチレン)等のフッ素系高分子フイルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。塗布方式は公知の方法でよく、例えばカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等を用いることができる。
支持体より剥離して得られる有機−無機ハイブリッド型プロトン伝導体の厚さは、10〜500μmが好ましく、25〜100μmが特に好ましい。
[2−4] 細孔膜への充填
本発明の化合物を、多孔質基材の細孔に含浸させて膜を形成することが可能である。細孔を有する基材上に本発明のゾル−ゲル反応液を塗布含浸させるか、基材をゾル−ゲル反応液に浸漬し、細孔内にプロトン伝導材料を満たして膜を形成してもよい。細孔を有する基材の好ましい例としては、多孔性ポリプロピレン、多孔性ポリテトラフルオロエチレン、多孔性架橋型耐熱性ポリエチレン、多孔性ポリイミドなどが挙げられる。
本発明の化合物を、多孔質基材の細孔に含浸させて膜を形成することが可能である。細孔を有する基材上に本発明のゾル−ゲル反応液を塗布含浸させるか、基材をゾル−ゲル反応液に浸漬し、細孔内にプロトン伝導材料を満たして膜を形成してもよい。細孔を有する基材の好ましい例としては、多孔性ポリプロピレン、多孔性ポリテトラフルオロエチレン、多孔性架橋型耐熱性ポリエチレン、多孔性ポリイミドなどが挙げられる。
[2−5]プロトン伝導体への触媒金属の添加
本発明のプロトン伝導体には、アノード燃料とカソード燃料の酸化還元反応を促進させる活性金属触媒を添加してもよい。これにより、プロトン伝導体中に浸透した燃料が他方極に到達すること無くプロトン伝導体中で消費され、クロスオーバーを防ぐことができる。用いられる活性金属種は、電極触媒として機能するものであれば制限は無いが、白金または白金を基にした合金が適している。
本発明のプロトン伝導体には、アノード燃料とカソード燃料の酸化還元反応を促進させる活性金属触媒を添加してもよい。これにより、プロトン伝導体中に浸透した燃料が他方極に到達すること無くプロトン伝導体中で消費され、クロスオーバーを防ぐことができる。用いられる活性金属種は、電極触媒として機能するものであれば制限は無いが、白金または白金を基にした合金が適している。
[3] 燃料電池
[3−1]電池の構成
本発明の有機−無機ハイブリッド型プロトン伝導体を用いた燃料電池について説明する。図1は燃料電池電極膜複合体(以下「MEA」;Membrane and Electrode Assemblyという)10の構成を示す。MEA10は、プロトン伝導体11と、それを挟んで対向するアノード電極12及カソード電極13を備える。
[3−1]電池の構成
本発明の有機−無機ハイブリッド型プロトン伝導体を用いた燃料電池について説明する。図1は燃料電池電極膜複合体(以下「MEA」;Membrane and Electrode Assemblyという)10の構成を示す。MEA10は、プロトン伝導体11と、それを挟んで対向するアノード電極12及カソード電極13を備える。
アノード電極12とカソード電極13は、多孔質導電シート(例えばカーボンペーパー)12a、13aと触媒層12b、13bからなる。触媒層12b、13bは、白金粒子等の触媒金属を担持したカーボン粒子(例えばケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ等)をプロトン伝導材料(例えばナフィオン等)に分散させた分散物からなる。触媒層12b、13bをプロトン伝導体11に密着させるために、多孔質導電シート12a、13aに触媒層12b、13bを塗設したものを、プロトン伝導体11にホットプレス法(好ましくは120〜130℃、2〜100kg/cm2)で圧着するか、適当な支持体に触媒層12b、13bを塗設したものを、プロトン伝導体11に転写しながら圧着した後、多孔質導電シート12a、13aで挟み込む方法を一般に用いる。
図2は燃料電池単セルの一例を示す。燃料電池はMEA10と、MEA10を挟持する一対のセパレータ21、22と、セパレータ21、22に取り付けられたステンレスネットからなる集電体17およびパッキン14とを有する。アノード極側のセパレータ21にはアノード極側開口部15が設けられ、カソード極側のセパレータ22にはカソード極側開口16設けられている。アノード極側開口部15からは、水素、アルコール類(メタノール等)等のガス燃料またはアルコール水溶液等の液体燃料が供給され、カソード極側開口部16からは、酸素ガス、空気等の酸化剤ガスが供給される。
[3−2]触媒材料
アノード電極およびカソード電極には、カーボン材料に白金などの活性金属粒子を担持した触媒が用いられる。通常用いられる活性金属の粒子サイズは、2〜10nmの範囲であり、粒子サイズが小さい程単位質量当りの表面積が大きくなるので活性が高まり有利であるが、小さすぎると凝集させずに分散させることが難しくなり、2nm程度が限度といわれている。
アノード電極およびカソード電極には、カーボン材料に白金などの活性金属粒子を担持した触媒が用いられる。通常用いられる活性金属の粒子サイズは、2〜10nmの範囲であり、粒子サイズが小さい程単位質量当りの表面積が大きくなるので活性が高まり有利であるが、小さすぎると凝集させずに分散させることが難しくなり、2nm程度が限度といわれている。
水素−酸素系燃料電池における活性分極はアノード極(水素極)に比べ、カソード極(空気極)が大きい。これは、アノード極に比べ、カソード極の反応(酸素の還元)が遅いためである。酸素極の活性向上を目的として、Pt−Cr、Pt−Ni、Pt−Co、Pt−Cu、Pt−Feなどのさまざまな白金基二元金属を用いることができる。アノード燃料にメタノール水溶液を用いる直接メタノール燃料電池においては、メタノールの酸化過程で生じるCOによる触媒被毒を抑制することが重要である。この目的のために、Pt−Ru、Pt−Fe、Pt−Ni、Pt−Co、Pt−Moなどの白金基二元金属、Pt−Ru−Mo、Pt−Ru−W、Pt−Ru−Co、Pt−Ru−Fe、Pt−Ru−Ni、Pt−Ru−Cu、Pt−Ru−Sn、Pt−Ru−Auなどの白金基三元金属を用いることができる。
活性金属を担持させるカーボン材料としては、アセチレンブラック、Vulcan XC-72、ケチェンブラック、カーボンナノホーン(CNH)、カーボンナノチューブ(CNT)が好ましく用いられる。
[3−3]触媒層の構成と材料
触媒層の機能は、(1)燃料を活性金属に輸送すること(2)燃料の酸化(アノード極)、還元(カソード極)反応の場を提供すること、(3)酸化還元により生じた電子を集電体に伝達すること、(4)反応により生じたプロトンをプロトン伝導体に輸送すること、である。(1)のために触媒層は、液体および気体燃料が奥まで透過できる多孔質性であることが必要である。(2)は[3−2]で述べた活性金属触媒が、(3)は同じく[3−2]で述べたカーボン材料が担う。(4)の機能を果たすために、触媒層にプロトン伝導材料を混在させる。
触媒層の機能は、(1)燃料を活性金属に輸送すること(2)燃料の酸化(アノード極)、還元(カソード極)反応の場を提供すること、(3)酸化還元により生じた電子を集電体に伝達すること、(4)反応により生じたプロトンをプロトン伝導体に輸送すること、である。(1)のために触媒層は、液体および気体燃料が奥まで透過できる多孔質性であることが必要である。(2)は[3−2]で述べた活性金属触媒が、(3)は同じく[3−2]で述べたカーボン材料が担う。(4)の機能を果たすために、触媒層にプロトン伝導材料を混在させる。
触媒層のプロトン伝導材料としては、プロトン供与基を持った固体であれば制限はないが、プロトン伝導体に用いられる酸残基を有する高分子化合物(例えばナフィオンに代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸、側鎖リン酸基ポリ(メタ)アクリレート、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリベンズイミダゾールなどの耐熱性芳香族高分子のスルホン化物など)、酸が固定された化合物(例えば、前述特許文献1または2、ならびに、非特許文献1または2に記載のプロトン伝導材料)などが好ましく用いられる。本発明のプロトン伝導体に用いる前駆体をゾルーゲル反応して得られるプロトン伝導材料を触媒層に用いることも可能である。この場合、プロトン伝導体と同種の材料であるため、プロトン伝導体と触媒層との密着性が高まり有利である。
活性金属の使用量は、0.03〜10mg/cm2の範囲が電池出力と経済性の観点から適している。活性金属を担持するカーボン材料の量は、活性金属の質量に対して、1〜10倍が適している。プロトン伝導材料の量は、活性金属担持カーボンの質量に対して、0.1〜0.7倍が適している。
[3−4] 多孔質導電シート(電極基材)
電極基材、拡散層、あるいは裏打ち材とも呼ばれ、集電機能および水がたまりガスの拡散が悪化するのを防ぐ役割を担う。通常は、カーボンペーパーやカーボン布を使用し、撥水化のためにPTFE処理を施したものを使用することもできる。
電極基材、拡散層、あるいは裏打ち材とも呼ばれ、集電機能および水がたまりガスの拡散が悪化するのを防ぐ役割を担う。通常は、カーボンペーパーやカーボン布を使用し、撥水化のためにPTFE処理を施したものを使用することもできる。
[3−5] MEA(電極膜複合体)の作成
MEAの作製には、次の4つの方法が好ましい。
プロトン伝導体塗布法:活性金属担持カーボン、プトロン伝導材料、溶媒を基本要素とする触媒ペースト(インク)をプロトン伝導体の両側に直接塗布し、多孔質導電シートを(熱)圧着して5層構成のMEAを作製する。
多孔質導電シート塗布法:触媒ペーストを多孔質導電シート表面に塗布し、触媒層を形成させた後、プロトン伝導体と圧着し、5層構成のMEAを作製する。
Decal法:触媒ペーストをPTFE上に塗布し、触媒層を形成させた後、プロトン伝導体に触媒層のみを転写させ3層のMEAを形成させ、多孔質導電シートを圧着し、5層構成のMEAを作製する。
触媒後担持法:白金未担持カーボン材料をプロトン伝導材料とともに混合したインクをプロトン伝導体、多孔質導電シートあるいはPTFE上に塗布・製膜した後、白金イオンを当該膜に含浸させ、白金粒子を膜中で還元析出させて触媒層を形成させる。触媒層を形成させた後は、上記(1)〜(3)の方法にてMEAを作製する。
MEAの作製には、次の4つの方法が好ましい。
プロトン伝導体塗布法:活性金属担持カーボン、プトロン伝導材料、溶媒を基本要素とする触媒ペースト(インク)をプロトン伝導体の両側に直接塗布し、多孔質導電シートを(熱)圧着して5層構成のMEAを作製する。
多孔質導電シート塗布法:触媒ペーストを多孔質導電シート表面に塗布し、触媒層を形成させた後、プロトン伝導体と圧着し、5層構成のMEAを作製する。
Decal法:触媒ペーストをPTFE上に塗布し、触媒層を形成させた後、プロトン伝導体に触媒層のみを転写させ3層のMEAを形成させ、多孔質導電シートを圧着し、5層構成のMEAを作製する。
触媒後担持法:白金未担持カーボン材料をプロトン伝導材料とともに混合したインクをプロトン伝導体、多孔質導電シートあるいはPTFE上に塗布・製膜した後、白金イオンを当該膜に含浸させ、白金粒子を膜中で還元析出させて触媒層を形成させる。触媒層を形成させた後は、上記(1)〜(3)の方法にてMEAを作製する。
[3−6] 燃料および供給方法
固体高分子膜を用いる燃料電池の燃料として用いることのできるのは、アノード燃料としては、水素、アルコール類(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、エーテル類(ジメチルエーテル、ジメトキシメタン、トリメトキシメタンなど)、ギ酸、水素化ホウ素錯体、アスコルビン酸などが挙げられる。カソード燃料としては、酸素(大気中の酸素も含む)、過酸化水素などが挙げられる。
固体高分子膜を用いる燃料電池の燃料として用いることのできるのは、アノード燃料としては、水素、アルコール類(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、エーテル類(ジメチルエーテル、ジメトキシメタン、トリメトキシメタンなど)、ギ酸、水素化ホウ素錯体、アスコルビン酸などが挙げられる。カソード燃料としては、酸素(大気中の酸素も含む)、過酸化水素などが挙げられる。
直接メタノール型燃料電池では、アノード燃料として、メタノール濃度3〜64質量%のメタノール水溶液が使用される。アノード反応式(CH3OH+H2O→CO2+6H++6e)により、1モルのメタノールに対し、1モルの水が必要であり、この時のメタノール濃度は64質量%に相当する。メタノール濃度が高い程、同エネルギー容量での燃料タンクを含めた電池の質量および体積が小さくできる利点がある。しかしながら、メタノール濃度が高い程、メタノールがプロトン伝導体を透過しカソード側で酸素と反応し電圧を低下させる、いわゆるクロスオーバー現象、が顕著となり、出力が低下するため、用いるプロトン伝導体のメタノール透過性により、最適濃度が決められる。直接メタノール型燃料電池のカソード反応式は、(3/2O2+6H++6e→H2O)であり、燃料として酸素(通常は空気中の酸素)が用いられる。
上記、アノード燃料およびカソード燃料を、それぞれの触媒層に供給する方法には、(1)ポンプ等の補機を用いて強制循環させる方法(アクティブ型)と、(2)補機を用いない方法(例えば、液体の場合には毛管現象や自然落下により、気体の場合には大気に触媒層を晒し供給するパッシブ型)の2通りがあり、アノードおよびカソードに対し、これらを組み合わせることも可能である。前者は、カソードで生成する水を循環させることにより燃料として高濃度のメタノールが使用可能、空気供給による高出力化が可能であるなどの利点がある反面、燃料供給系を備える事により小型化がし難い欠点がある。後者は、小型化が可能な利点がある反面、燃料供給が律速となり易く高い出力が出にくい欠点がある。
[3−7] セルのスタッキング
燃料電池の単セル電圧は一般的に1V以下であるので、負荷の必要電圧に合わせて、単セルを直列スタッキングして用いる。スタッキングの方法としては、単セルを平面上に並べる「平面スタッキング」および、単セルを、両側に燃料流路の形成されたセパレータを介して積み重ねる「バイポーラースタッキング」が用いられる。前者は、カソード極(空気極)が表面に出るため、空気を取り入れ易く、薄型にできることから小型燃料電池に適している。この他にも、MEMS技術を応用し、シリコンウェハー上に微細加工を施し、スタッキングする方法も提案されている。
燃料電池の単セル電圧は一般的に1V以下であるので、負荷の必要電圧に合わせて、単セルを直列スタッキングして用いる。スタッキングの方法としては、単セルを平面上に並べる「平面スタッキング」および、単セルを、両側に燃料流路の形成されたセパレータを介して積み重ねる「バイポーラースタッキング」が用いられる。前者は、カソード極(空気極)が表面に出るため、空気を取り入れ易く、薄型にできることから小型燃料電池に適している。この他にも、MEMS技術を応用し、シリコンウェハー上に微細加工を施し、スタッキングする方法も提案されている。
[4]燃料電池のアプリケーション
燃料電池は、自動車用、家庭用、携帯機器用など様々な利用が考えられているが、特に、直接メタノール型燃料電池は、小型、軽量化が可能である、充電が不要である利点を活かし、様々な携帯機器やポータブル機器用エネルギー源としての利用が期待されている。例えば、好ましく適用できる携帯機器としては、携帯電話、モバイルノートパソコン、電子スチルカメラ、PDA、ビデオカメラ、携帯ゲーム機、モバイルサーバー、ウエラブルパソコン、モバイルディスプレイなどが挙げられる。好ましく適用できるポータブル機器としては、ポータブル発電機、野外照明機器、懐中電灯、電動(アシスト)自転車などが挙げられる。また、産業用や家庭用などのロボットあるいはその他の玩具の電源としても好ましく用いることができる。さらには、これらの機器に搭載された2次電池の充電用電源としても有用である。
燃料電池は、自動車用、家庭用、携帯機器用など様々な利用が考えられているが、特に、直接メタノール型燃料電池は、小型、軽量化が可能である、充電が不要である利点を活かし、様々な携帯機器やポータブル機器用エネルギー源としての利用が期待されている。例えば、好ましく適用できる携帯機器としては、携帯電話、モバイルノートパソコン、電子スチルカメラ、PDA、ビデオカメラ、携帯ゲーム機、モバイルサーバー、ウエラブルパソコン、モバイルディスプレイなどが挙げられる。好ましく適用できるポータブル機器としては、ポータブル発電機、野外照明機器、懐中電灯、電動(アシスト)自転車などが挙げられる。また、産業用や家庭用などのロボットあるいはその他の玩具の電源としても好ましく用いることができる。さらには、これらの機器に搭載された2次電池の充電用電源としても有用である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例1
1.プロトン伝導体の作製
(1)プロトン伝導体(E−1)の作製(本発明)
化合物(1−6)554.0mg、化合物(2−1)を固形物の総重量の2%である20.3mg、化合物(5−5)415.0mg、可塑剤(6−11)45.3mgのIPA2000μlの溶媒にキシレン800μlを添加し65℃で溶解した後、35%過酸化水素水874μlを添加した。65℃で5時間攪拌した後、温かいうちに綿栓ろ過し、ポリイミド膜(ユーピレックス−75S、宇部興産(株)製)上に流延した。室温で45時間乾燥した後、固化した塗布物をポリイミド膜から剥離し、厚さ120nmの薄黄色の膜を得た。
1.プロトン伝導体の作製
(1)プロトン伝導体(E−1)の作製(本発明)
化合物(1−6)554.0mg、化合物(2−1)を固形物の総重量の2%である20.3mg、化合物(5−5)415.0mg、可塑剤(6−11)45.3mgのIPA2000μlの溶媒にキシレン800μlを添加し65℃で溶解した後、35%過酸化水素水874μlを添加した。65℃で5時間攪拌した後、温かいうちに綿栓ろ過し、ポリイミド膜(ユーピレックス−75S、宇部興産(株)製)上に流延した。室温で45時間乾燥した後、固化した塗布物をポリイミド膜から剥離し、厚さ120nmの薄黄色の膜を得た。
(2)プロトン伝導体(E−2)の作製(本発明)
化合物(1−6)554.0mg、化合物(2−1)を固形物の総重量の5%である50.7mg、化合物(5−5)415.0mg、可塑剤(6−11)45.3mgのIPA2000μlの溶媒にキシレン800μlを添加し65℃で溶解した後、35%過酸化水素水874μl添加した。65℃で5時間攪拌した後、温かいうちに綿栓ろ過し、ポリイミド膜(ユーピレックス−75S、宇部興産(株)製)上に流延した。室温で45時間乾燥した後、固化した塗布物をポリイミド膜から剥離し、厚さ127nmの薄黄色の膜を得た。
化合物(1−6)554.0mg、化合物(2−1)を固形物の総重量の5%である50.7mg、化合物(5−5)415.0mg、可塑剤(6−11)45.3mgのIPA2000μlの溶媒にキシレン800μlを添加し65℃で溶解した後、35%過酸化水素水874μl添加した。65℃で5時間攪拌した後、温かいうちに綿栓ろ過し、ポリイミド膜(ユーピレックス−75S、宇部興産(株)製)上に流延した。室温で45時間乾燥した後、固化した塗布物をポリイミド膜から剥離し、厚さ127nmの薄黄色の膜を得た。
(3)プロトン伝導体(E−3)の作製(本発明)
化合物(1−6)554.0mg、化合物(2−2)を固形物の総重量の2%である20.3mg、化合物(5−5)415.0mg、可塑剤(6−11)45.3mgのIPA2000μlの溶媒にキシレン800μlを添加し65℃で溶解した後、35%過酸化水素水874μl添加した(以下、該ゾルをSOL−1と呼ぶことがある)。65℃で5時間攪拌した後、温かいうちに綿栓ろ過し、ポリイミド膜(ユーピレックス−75S、宇部興産(株)製)上に流延した。室温で45時間乾燥した後、固化した塗布物をポリイミド膜から剥離し、厚さ116mの薄黄色の膜を得た。
化合物(1−6)554.0mg、化合物(2−2)を固形物の総重量の2%である20.3mg、化合物(5−5)415.0mg、可塑剤(6−11)45.3mgのIPA2000μlの溶媒にキシレン800μlを添加し65℃で溶解した後、35%過酸化水素水874μl添加した(以下、該ゾルをSOL−1と呼ぶことがある)。65℃で5時間攪拌した後、温かいうちに綿栓ろ過し、ポリイミド膜(ユーピレックス−75S、宇部興産(株)製)上に流延した。室温で45時間乾燥した後、固化した塗布物をポリイミド膜から剥離し、厚さ116mの薄黄色の膜を得た。
(4)プロトン伝導体(E−4)の作製(本発明)
化合物(1−6)554.0mg、化合物(2−2)を固形物の総重量の5%である50.7mg、化合物(5−5)415.0mg、可塑剤(6−11)45.3mgのIPA2000μlの溶媒にキシレン800μlを添加し65℃で溶解した後、35%過酸化水素水874μl添加した。65℃で5時間攪拌した後、温かいうちに綿栓ろ過し、ポリイミド膜(ユーピレックス−75S、宇部興産(株)製)上に流延した。室温で45時間乾燥した後、固化した塗布物をポリイミド膜から剥離し、厚さ123nmの薄黄色の膜を得た。
化合物(1−6)554.0mg、化合物(2−2)を固形物の総重量の5%である50.7mg、化合物(5−5)415.0mg、可塑剤(6−11)45.3mgのIPA2000μlの溶媒にキシレン800μlを添加し65℃で溶解した後、35%過酸化水素水874μl添加した。65℃で5時間攪拌した後、温かいうちに綿栓ろ過し、ポリイミド膜(ユーピレックス−75S、宇部興産(株)製)上に流延した。室温で45時間乾燥した後、固化した塗布物をポリイミド膜から剥離し、厚さ123nmの薄黄色の膜を得た。
(5)プロトン伝導体(E−5)の作製(本発明)
化合物(1−6)554.0mg、化合物(2−5)を固形物の総重量の5%である50.7mg、化合物(5−5)415.0mg、可塑剤(6−11)45.3mgのIPA2000μlの溶媒にキシレン800μlを添加し65℃で溶解した後、35%過酸化水素水874μl添加した。65℃で5時間攪拌した後、温かいうちに綿栓ろ過し、ポリイミド膜(ユーピレックス−75S、宇部興産(株)製)上に流延した。室温で45時間乾燥した後、固化した塗布物をポリイミド膜から剥離し、厚さ132nmの薄黄色の膜を得た。
化合物(1−6)554.0mg、化合物(2−5)を固形物の総重量の5%である50.7mg、化合物(5−5)415.0mg、可塑剤(6−11)45.3mgのIPA2000μlの溶媒にキシレン800μlを添加し65℃で溶解した後、35%過酸化水素水874μl添加した。65℃で5時間攪拌した後、温かいうちに綿栓ろ過し、ポリイミド膜(ユーピレックス−75S、宇部興産(株)製)上に流延した。室温で45時間乾燥した後、固化した塗布物をポリイミド膜から剥離し、厚さ132nmの薄黄色の膜を得た。
(6)プロトン伝導体(E−6)の作製(本発明)
化合物(1−6)554.0mg、化合物(2−6)を固形物の総重量の5%である50.7mg、化合物(5−5)415.0mg、可塑剤(6−11)45.3mgのIPA2000μlの溶媒にキシレン800μlを添加し65℃で溶解した後、35%過酸化水素水874μl添加した。65℃で5時間攪拌した後、温かいうちに綿栓ろ過し、ポリイミド膜(ユーピレックス-75S、宇部興産(株)製)上に流延した。室温で45時間乾燥した後、固化した塗布物をポリイミド膜から剥離し、厚さ137nmの薄黄色の膜を得た。
化合物(1−6)554.0mg、化合物(2−6)を固形物の総重量の5%である50.7mg、化合物(5−5)415.0mg、可塑剤(6−11)45.3mgのIPA2000μlの溶媒にキシレン800μlを添加し65℃で溶解した後、35%過酸化水素水874μl添加した。65℃で5時間攪拌した後、温かいうちに綿栓ろ過し、ポリイミド膜(ユーピレックス-75S、宇部興産(株)製)上に流延した。室温で45時間乾燥した後、固化した塗布物をポリイミド膜から剥離し、厚さ137nmの薄黄色の膜を得た。
(7)プロトン伝導体(R−1)の作製(比較例)
化合物(1−6)554.0mg、化合物(5−5)415.0mg、可塑剤(6−11)45.3mgのIPA2000μlの溶媒にキシレン800μlを添加し65℃で溶解した後、35%過酸化水素水874μl添加した。65℃で5時間攪拌した後、温かいうちに綿栓ろ過し、ポリイミド膜(ユーピレックス−75S、宇部興産(株)製)上に流延した。室温で45時間乾燥した後、固化した塗布物をポリイミド膜から剥離し、厚さ114nmの薄黄色の膜を得た。(この膜は、E−3において、末端シラノールポリロキサンを添加していないものである。)
化合物(1−6)554.0mg、化合物(5−5)415.0mg、可塑剤(6−11)45.3mgのIPA2000μlの溶媒にキシレン800μlを添加し65℃で溶解した後、35%過酸化水素水874μl添加した。65℃で5時間攪拌した後、温かいうちに綿栓ろ過し、ポリイミド膜(ユーピレックス−75S、宇部興産(株)製)上に流延した。室温で45時間乾燥した後、固化した塗布物をポリイミド膜から剥離し、厚さ114nmの薄黄色の膜を得た。(この膜は、E−3において、末端シラノールポリロキサンを添加していないものである。)
2.メタノール水溶液に対する耐性
得られたプロトン伝導体(E−1〜E−4)、および比較用のプロトン伝導体(R−1)、およびナフィオン117(デュポン社製)(R−2)を直径13mmの円形に打ち抜いたサンプルを、それぞれ10質量%メタノール水溶液5mlに、48時間浸漬した。本発明のプロトン伝導体(E−1〜E−4)および比較サンプル(R−1)は、ほとんど膨潤が見られず、それに対してナフィオン117(R−2)では、約70質量%の膨潤が見られ、膜の形状変化も観察された。以上から本発明のプロトン伝導体は、直接メタノール型燃料電池に使用する燃料のメタノール水溶液に対して、十分な耐性を有することがわかった。
得られたプロトン伝導体(E−1〜E−4)、および比較用のプロトン伝導体(R−1)、およびナフィオン117(デュポン社製)(R−2)を直径13mmの円形に打ち抜いたサンプルを、それぞれ10質量%メタノール水溶液5mlに、48時間浸漬した。本発明のプロトン伝導体(E−1〜E−4)および比較サンプル(R−1)は、ほとんど膨潤が見られず、それに対してナフィオン117(R−2)では、約70質量%の膨潤が見られ、膜の形状変化も観察された。以上から本発明のプロトン伝導体は、直接メタノール型燃料電池に使用する燃料のメタノール水溶液に対して、十分な耐性を有することがわかった。
3.メタノール透過性の測定
得られたプロトン伝導体(E−1〜E−4)、および比較用のプロトン伝導体(R−1)およびナフィオン117(デュポン社製)(R−2)を、図3に示すように、直径13mmの円形に打ち抜いたサンプル(プロトン伝導体31)を、円形の穴(直径5mm)が空いたテフロンテープで補強した(32)。当該補強膜を図3で示すステンレス製のセルに備え付け、上部にメタノール水溶液を注入し(33)、下部ガス導入口より一定流速で水素ガスを流し(34)、膜を透過するメタノール量を下部検出口(35)に接続したガスクロマトグラフィーにより測定した。その結果を表1に示す。ここで、メタノール濃度の各数値は、ナフィオン117の検出量を1としたときの相対値を示す。尚、図3において、36は、ゴムパッキンを示す。
得られたプロトン伝導体(E−1〜E−4)、および比較用のプロトン伝導体(R−1)およびナフィオン117(デュポン社製)(R−2)を、図3に示すように、直径13mmの円形に打ち抜いたサンプル(プロトン伝導体31)を、円形の穴(直径5mm)が空いたテフロンテープで補強した(32)。当該補強膜を図3で示すステンレス製のセルに備え付け、上部にメタノール水溶液を注入し(33)、下部ガス導入口より一定流速で水素ガスを流し(34)、膜を透過するメタノール量を下部検出口(35)に接続したガスクロマトグラフィーにより測定した。その結果を表1に示す。ここで、メタノール濃度の各数値は、ナフィオン117の検出量を1としたときの相対値を示す。尚、図3において、36は、ゴムパッキンを示す。
(結果)
表1より、本発明のプロトン伝導体のメタノール透過性は、ナフィオン117の1/5以下であることがわかった。
表1より、本発明のプロトン伝導体のメタノール透過性は、ナフィオン117の1/5以下であることがわかった。
4.イオン伝導の測定
上記「1.プロトン伝導体の作製」で得られた本発明のプロトン伝導体(E−1〜E−4、および比較用のプロトン伝導体(R−1)およびナフィオン117(デュポン社製)(R−2)を直径13mmの円形に打ち抜き、2枚のステンレス板に挟み、交流インピーダンス法により、25℃、相対湿度95%におけるイオン伝導度を測定した。結果を表2に示す。
上記「1.プロトン伝導体の作製」で得られた本発明のプロトン伝導体(E−1〜E−4、および比較用のプロトン伝導体(R−1)およびナフィオン117(デュポン社製)(R−2)を直径13mmの円形に打ち抜き、2枚のステンレス板に挟み、交流インピーダンス法により、25℃、相対湿度95%におけるイオン伝導度を測定した。結果を表2に示す。
(結果)
表2より、本発明のプロトン伝導体は、ナフィオン117(R−2)には及ばないものの、比較例の末端シラノールポリシロキサンを添加しないハイブリッド膜(R−1)に比べ、高いイオン伝導度を示すことがわかる。
表2より、本発明のプロトン伝導体は、ナフィオン117(R−2)には及ばないものの、比較例の末端シラノールポリシロキサンを添加しないハイブリッド膜(R−1)に比べ、高いイオン伝導度を示すことがわかる。
5.膜強度の測定
上記1で得られた本発明のプロトン伝導体(E−1〜E−4)、および比較用のプロトン伝導体(R−1)およびナフィオン117(デュポン社製)(R−2)を直径13mmの円形に打ち抜き、2枚のステンレス板に挟み、手動式膜圧測定器により、圧力に対する膜強度を測定した。結果を表3に示す。ここで、添加量とは、一般式(2)で表される化合物に相当する化合物の添加量を示す。また、相対評価とは、MEA(電極膜複合体)作成時に生じる圧力である3MPaに対する相対評価であって、A、BおよびCは、順に、>3Mpa、1MPa〜3MPa、<1MPaを示す。
上記1で得られた本発明のプロトン伝導体(E−1〜E−4)、および比較用のプロトン伝導体(R−1)およびナフィオン117(デュポン社製)(R−2)を直径13mmの円形に打ち抜き、2枚のステンレス板に挟み、手動式膜圧測定器により、圧力に対する膜強度を測定した。結果を表3に示す。ここで、添加量とは、一般式(2)で表される化合物に相当する化合物の添加量を示す。また、相対評価とは、MEA(電極膜複合体)作成時に生じる圧力である3MPaに対する相対評価であって、A、BおよびCは、順に、>3Mpa、1MPa〜3MPa、<1MPaを示す。
表3より、本発明のプロトン伝導体は、比較例の末端シラノールポリシロキサンを添加することで、MEA(電極膜複合体)作成時に生じる圧力である3MPaに耐えることがわかる。
実施例2
1.触媒膜の作製
(1−1) 触媒膜Aの作製
白金担持カーボン(VulcanXC72に白金50質量%が担持)2gとナフィオン溶液(5%アルコール水溶液)15gを混合し、超音波分散器で30分間分散させた。分散物の平均粒子サイズは約500nmであった。得られた分散物をカーボンペーパー(厚さ350μm)上に塗布し、乾燥した後、直径9mmの円形に打ち抜き、触媒膜Aを作製した。
1.触媒膜の作製
(1−1) 触媒膜Aの作製
白金担持カーボン(VulcanXC72に白金50質量%が担持)2gとナフィオン溶液(5%アルコール水溶液)15gを混合し、超音波分散器で30分間分散させた。分散物の平均粒子サイズは約500nmであった。得られた分散物をカーボンペーパー(厚さ350μm)上に塗布し、乾燥した後、直径9mmの円形に打ち抜き、触媒膜Aを作製した。
(1−2)触媒膜Bの作製
水0.3mlで湿らせた白金/ルテニウム担持カーボン(ケッチェンブラックに白金20質量%、ルテニウム20質量%が担持)300mgに、上記SOL−1(0.8ml)を添加した後、超音波分散器で10分間分散させた。得られたペーストをカーボンペーパー(厚さ350μm)上に塗布し、乾燥した後、直径9mmの円形に打ち抜き触媒膜Bを作製した。
水0.3mlで湿らせた白金/ルテニウム担持カーボン(ケッチェンブラックに白金20質量%、ルテニウム20質量%が担持)300mgに、上記SOL−1(0.8ml)を添加した後、超音波分散器で10分間分散させた。得られたペーストをカーボンペーパー(厚さ350μm)上に塗布し、乾燥した後、直径9mmの円形に打ち抜き触媒膜Bを作製した。
(1−3)触媒膜Cの作製
上記(1−2)の白金/ルテニウム担持カーボンを(1−1)で用いた白金担持カーボンに変えた他は同様にして触媒膜Cを作製した。
上記(1−2)の白金/ルテニウム担持カーボンを(1−1)で用いた白金担持カーボンに変えた他は同様にして触媒膜Cを作製した。
2.MEAの作製
実施例1で作製したプロトン伝導体(E−1〜E−4)、比較用のプロトン伝導体(R−1)およびナフィオン117(R−2)の両面に上記で得られた触媒膜Aを塗布面がプロトン伝導体に接するように張り合わせ、80℃、3MPa、2分間で熱圧着し、電極膜複合体(MEA−1−1〜1−4、2−1および2−2)を作製した。また、プロトン伝導体(E−3およびR−1)ならびに、ナフィオン117(R−2)の片面に触媒膜Bを、他の片面に触媒層Cを貼り合わせ、80℃、1MPa、1分間で熱圧着し、MEA−1−5、2−3、2−4を作製した。
実施例1で作製したプロトン伝導体(E−1〜E−4)、比較用のプロトン伝導体(R−1)およびナフィオン117(R−2)の両面に上記で得られた触媒膜Aを塗布面がプロトン伝導体に接するように張り合わせ、80℃、3MPa、2分間で熱圧着し、電極膜複合体(MEA−1−1〜1−4、2−1および2−2)を作製した。また、プロトン伝導体(E−3およびR−1)ならびに、ナフィオン117(R−2)の片面に触媒膜Bを、他の片面に触媒層Cを貼り合わせ、80℃、1MPa、1分間で熱圧着し、MEA−1−5、2−3、2−4を作製した。
(3)燃料電池特性
(2)で得られたMEAを図2に示す燃料電池にセットし、アノード側開口部15に50質量%のメタノール水溶液を注入した。なお、MEA−2−3、2−4は、触媒膜Bがアノード側に触媒膜Cがカソード側にくるようにセットした。この時カソード側開口部16は大気と接するようにした。アノード電極12とカソード電極13間に、ガルバノスタットで5mA/cm2の定電流を通電し、この時のセル電圧を測定した。結果を表4に示す。
(2)で得られたMEAを図2に示す燃料電池にセットし、アノード側開口部15に50質量%のメタノール水溶液を注入した。なお、MEA−2−3、2−4は、触媒膜Bがアノード側に触媒膜Cがカソード側にくるようにセットした。この時カソード側開口部16は大気と接するようにした。アノード電極12とカソード電極13間に、ガルバノスタットで5mA/cm2の定電流を通電し、この時のセル電圧を測定した。結果を表4に示す。
比較用のプロトン伝導体を用いたMEA−2−1により作成した電池C−1−1は初期電圧から1時間後に至るまで経時変化は小さいものの電圧が低い。また、ナフィオン膜を用いたMEA−2−2により作製した電池C−2−2の初期電圧は高いものの、経時的に電圧が低下した。この経時的な電圧低下は、アノード電極側に供給された燃料のメタノールが、ナフィオン膜を通過してカソード電極側に漏れる、いわゆるメタノールクロスオーバー現象による。それに対して、本発明のプロトン伝導体を用いたMEA−1−1〜1−4により作製した電池C−1−1〜1−4は電圧が安定しており、より高い電圧を維持できることがわかった。さらに、プロトン伝導体および触媒膜中のプロトン伝導体に同種のものを用いた電池C−1−5が特に優れていることが判った。
10・・・燃料電池電極膜複合体(MEA)
11・・・プロトン伝導体
12・・・アノード電極
12a・・・アノード極多孔質導電シート
12b・・・アノード極触媒層
13・・・カソード電極
13a・・・カソード極多孔質導電シート
13b・・・カソード極触媒層
14・・・パッキン
15・・・アノード極側開口部
16・・・カソード極側開口部
17・・・集電体
21,22・・・セパレータ
31 ・ ・ ・ プロトン伝導体
32 ・ ・ ・ テフロンテープ補強材
33 ・ ・ ・ メタノール水溶液注入部分
34 ・ ・ ・ キャリアガス導入口
35 ・ ・ ・ 検出口(ガスクロマトグラフィーに接続)
36 ・ ・ ・ ゴムパッキン
11・・・プロトン伝導体
12・・・アノード電極
12a・・・アノード極多孔質導電シート
12b・・・アノード極触媒層
13・・・カソード電極
13a・・・カソード極多孔質導電シート
13b・・・カソード極触媒層
14・・・パッキン
15・・・アノード極側開口部
16・・・カソード極側開口部
17・・・集電体
21,22・・・セパレータ
31 ・ ・ ・ プロトン伝導体
32 ・ ・ ・ テフロンテープ補強材
33 ・ ・ ・ メタノール水溶液注入部分
34 ・ ・ ・ キャリアガス導入口
35 ・ ・ ・ 検出口(ガスクロマトグラフィーに接続)
36 ・ ・ ・ ゴムパッキン
Claims (5)
- 下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、および下記一般式(5)で表される化合物のゾル−ゲル反応により得られうる化合物。
一般式(5)
(一般式(5)中、R7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはシリル基を表し、R8はアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、m4は0〜2の整数を表し、n4は1〜8の整数を表し、n4が2以上のときそれぞれのR7およびR8は同一でも異なってもよい。Pは、1〜5の整数であり、Lは、Pが1のときLは水素原子であり、Pが2〜5の整数のとき、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基または−〔Si(OR10)3-m5(R11)m5〕で表され、それぞれの−〔Si(OR10)3-m5(R11)m5〕は同一でも異なってもよい。R10は、水素原子、アルキル基、アリール基またはシリル基を表し、R11はアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。m5は0〜2の整数を表す。Bは、(p+n4)価の連結基を表す。) - 請求項1に記載の化合物を含有するイオン交換体。
- 請求項1に記載の化合物を含有するプロトン伝導体。
- 少なくとも2つの電極からなり、該2つの電極の間に請求項3に記載のプロトン伝導体が含まれている電極膜接合体。
- 請求項4に記載の電極膜接合体を有する燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004088345A JP2005272650A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 化合物、イオン交換体、プロトン伝導体、電極膜接合体および燃料電池 |
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JP2005272650A true JP2005272650A (ja) | 2005-10-06 |
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Family Applications (1)
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2004
- 2004-03-25 JP JP2004088345A patent/JP2005272650A/ja active Pending
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