JP2005272528A5 - - Google Patents
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スチレン系熱可塑性エラストマーを主体とする重合体組成物への耐熱性の付与については、〔1〕芳香族ビニル化合物よりなる重合体ブロックと共役ジエン化合物よりなる重合体ブロックを有するブロック共重合体の水素添加物、非芳香族系ゴム用軟化剤、パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂および必要に応じて無機充填剤を特定量配合してなる配合物を予め混練した後、有機パーオキサイド、架橋助剤および場合により酸化防止剤を加えて部分架橋することを特徴とするエラストマー状組成物の製造方法が開示され、高温圧縮永久歪みなどの諸物性に優れるエラストマー状組成物が得られること(特許文献1参照);
〔2〕芳香族ビニル化合物よりなる重合体ブロックと共役ジエン化合物よりなる重合体ブロックを有する、特定の重量平均分子量範囲でかつ特定の分布を有するブロック共重合体の水素添加物とゴム用軟化剤の割合が20/80〜80/20(質量比)であって、かかる2成分の合計量100質量部に対してオレフィン系重合体を特定量配合してなる混合物を架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られる熱可塑性エラストマー組成物(特許文献2参照);が提案されている。しかし、これらの組成物においては、ブロック共重合体の水素添加物の共役ジエン化合物重合体ブロックからなるソフトセグメントのみが架橋されているために、100℃以上におけるゴム弾性(圧縮永久歪み)が不十分であり、加硫ゴムを用いて達成されているレベルには到達していない。
〔2〕芳香族ビニル化合物よりなる重合体ブロックと共役ジエン化合物よりなる重合体ブロックを有する、特定の重量平均分子量範囲でかつ特定の分布を有するブロック共重合体の水素添加物とゴム用軟化剤の割合が20/80〜80/20(質量比)であって、かかる2成分の合計量100質量部に対してオレフィン系重合体を特定量配合してなる混合物を架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られる熱可塑性エラストマー組成物(特許文献2参照);が提案されている。しかし、これらの組成物においては、ブロック共重合体の水素添加物の共役ジエン化合物重合体ブロックからなるソフトセグメントのみが架橋されているために、100℃以上におけるゴム弾性(圧縮永久歪み)が不十分であり、加硫ゴムを用いて達成されているレベルには到達していない。
本発明によれば、上記の目的は、
(1)芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上と、共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBを1個以上有し、少なくとも重合体ブロックA部分が架橋されているブロック共重合体またはその水素添加物から選ばれる付加重合系ブロック共重合体(a)、および芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックA’を1個以上と、共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックB’を1個以上有すブロック共重合体の水素添加物からなる付加重合系ブロック共重合体(a1)の合計量((a)+(a1))100質量部に対し、オレフィン系樹脂(b)を10〜300質量部の範囲で含有する熱可塑性エラストマー組成物;
(2)芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上と、共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBを1個以上有し、少なくとも重合体ブロックA部分が架橋されているブロック共重合体またはその水素添加物から選ばれる付加重合系ブロック共重合体(a)、および芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックA’を1個以上と、共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックB’を1個以上有するブロック共重合体の水素添加物からなる付加重合系ブロック共重合体(a1)の合計量((a)+(a1))100質量部に対し、オレフィン系樹脂(b)を10〜300質量部の範囲で、そしてゴム用軟化剤(c)を300質量部以下の範囲で含有する熱可塑性エラストマー組成物;
(3)付加重合系ブロック共重合体(a)が、重合体ブロックAに、炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレンに基づく構造単位(I)(以下、単に構造単位(I)と称する)および官能基(II)から選択される少なくとも1種を有し、かつ前記構造単位(I)および/または官能基(II)によって少なくとも重合体ブロックA部分が架橋されている(1)または(2)の熱可塑性エラストマー組成物;
(4)構造単位(I)がp−メチルスチレンに基づく構造単位であり、官能基(II)が水酸基である(3)の熱可塑性エラストマー組成物;
(5)付加重合系ブロック共重合体(a)と付加重合系ブロック共重合体(a1)の質量比が10:90〜95:5の範囲である(1)〜(4)のいずれかの熱可塑性エラストマー組成物;
(1)芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上と、共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBを1個以上有し、少なくとも重合体ブロックA部分が架橋されているブロック共重合体またはその水素添加物から選ばれる付加重合系ブロック共重合体(a)、および芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックA’を1個以上と、共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックB’を1個以上有すブロック共重合体の水素添加物からなる付加重合系ブロック共重合体(a1)の合計量((a)+(a1))100質量部に対し、オレフィン系樹脂(b)を10〜300質量部の範囲で含有する熱可塑性エラストマー組成物;
(2)芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上と、共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBを1個以上有し、少なくとも重合体ブロックA部分が架橋されているブロック共重合体またはその水素添加物から選ばれる付加重合系ブロック共重合体(a)、および芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックA’を1個以上と、共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックB’を1個以上有するブロック共重合体の水素添加物からなる付加重合系ブロック共重合体(a1)の合計量((a)+(a1))100質量部に対し、オレフィン系樹脂(b)を10〜300質量部の範囲で、そしてゴム用軟化剤(c)を300質量部以下の範囲で含有する熱可塑性エラストマー組成物;
(3)付加重合系ブロック共重合体(a)が、重合体ブロックAに、炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレンに基づく構造単位(I)(以下、単に構造単位(I)と称する)および官能基(II)から選択される少なくとも1種を有し、かつ前記構造単位(I)および/または官能基(II)によって少なくとも重合体ブロックA部分が架橋されている(1)または(2)の熱可塑性エラストマー組成物;
(4)構造単位(I)がp−メチルスチレンに基づく構造単位であり、官能基(II)が水酸基である(3)の熱可塑性エラストマー組成物;
(5)付加重合系ブロック共重合体(a)と付加重合系ブロック共重合体(a1)の質量比が10:90〜95:5の範囲である(1)〜(4)のいずれかの熱可塑性エラストマー組成物;
付加重合系ブロック共重合体(a)は、重合体ブロックAがハードセグメントを構成し、重合体ブロックBがソフトセグメントを構成している。本発明の熱可塑性エラストマー組成物で好適に用いられる付加重合系ブロック共重合体(a)は、ハードセグメントをなす重合体ブロックAに構造単位(I)および官能基(II)から選択される少なくとも1種を有し、構造単位(I)および/または官能基(II)によって少なくとも重合体ブロックA部分が架橋されている。
付加重合系ブロック共重合体(a)は、重合体ブロックAを構成する芳香族ビニル化合物単位として、構造単位(I)以外の他の芳香族ビニル化合物単位を有することができる。他の芳香族ビニル化合物単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレンなどからなる単位を挙げることができ、これらの1種または2種以上の単位を有することができる。なかでも、他の芳香族ビニル化合物単位としてはスチレンに基づく構造単位が好ましい。
付加重合系ブロック共重合体(a)は、重合体ブロックAにのみ構造単位(I)および官能基(II)から選択される少なくとも1種を有し、重合体ブロックBにはそれらのいずれをも有さず、重合体ブロックA部分でのみ架橋されているのが好ましいが、重合体ブロックAに構造単位(I)および官能基(II)から選択される少なくとも1種を有すると共に、重合体ブロックBに官能基(II)を有し、重合体ブロックAと重合体ブロックBの両方で架橋されていてもよい。また、重合体ブロックAと重合体ブロックBの両方で架橋されている付加重合系ブロック共重合体(a)では、重合体ブロックBでの架橋は、構造単位(I)および/または官能基(II)以外のもので架橋されていてもよい。
構造単位(I)および官能基(II)の少なくとも1種を有する重合体ブロックAでは、構造単位(I)および/または官能基(II)は、重合体ブロックAの末端に存在していてもよいし、重合体ブロックAの分子鎖の途中に存在していてもよいし、重合体ブロックAの末端と分子鎖の途中の両方に存在していてもよい。そのため、重合体ブロックAは、重合体ブロックAの末端部分で架橋されていてもよいし、重合体ブロックAの分子鎖の途中で架橋されていてもよいし、または重合体ブロックAの末端と分子鎖の途中の両方で架橋されていてもよい。付加重合系ブロック共重合体(a)が、重合体ブロックAを1個有するジブロック共重合体(A−B)、重合体ブロックAを1個有するトリブロック共重合体(B−A−B)またはそれらの水素添加物である場合、構造単位(I)および官能基(II)から選択される少なくとも1種はその1個の重合体ブロックAに存在し、その部分で架橋が形成されている。
また、付加重合系ブロック共重合体(a)が、重合体ブロックAを2個以上有するトリブロック、テトラブロック以上のマルチブロック共重合体またはそれらの水素添加物である場合は、2個以上の重合体ブロックAのうちの1個にのみ構造単位(I)および官能基(II)から選択される少なくとも1種を存在させてその部分で架橋された構造にしてもよいし、或いは2個以上または全部の重合体ブロックAに構造単位(I)および官能基(II)から選択される少なくとも1種をそれぞれ存在させて、複数の重合体ブロックA部分で架橋された構造にしてもよい。
構造単位(I)または官能基(II)のいずれをも有していない重合体ブロックAをA0、構造単位(I)および官能基(II)から選択される少なくとも1種を有する重合体ブロックAをA1、重合体ブロックBをBで表すと、付加重合系ブロック共重合体(a)が重合体ブロックAを1個だけ有する前記したジブロック共重合体、トリブロック共重合体またはそれらの水素添加物である場合、付加重合系ブロック共重合体(a)は、少なくとも重合体ブロックA1部分で架橋された、A1−Bで表されるジブロック共重合体であるか、B−A1−Bで表されるトリブロック共重合体であるか、またはその水素添加物である。この場合、付加重合系ブロック共重合体(a)は、耐熱性、ゴム弾性を良好にする点から、重合体ブロックB部分でも架橋されていることが望ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造に用いる架橋前の付加重合系ブロック共重合体(a0)の製法は何ら限定されず、重合体ブロックAに構造単位(I)および官能基(II)の少なくとも1種を有する付加重合系ブロック共重合体(a0)を製造し得る方法であれば、いずれの方法を採用して製造してもよい。例えば、付加重合系ブロック共重合体(a0)は、アニオン重合やカチオン重合などのイオン重合法、ラジカル重合法などの公知の重合方法を行うことによって製造することができる。例えば、重合体ブロックAに構造単位(I)を有する付加重合系ブロック共重合体(a0)は、アニオン重合法による場合、アルキルリチウム化合物などを開始剤として、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの重合反応に不活性な有機溶媒中で、構造単位(I)を構成するアルキルスチレンまたは構造単位(I)を構成するアルキルスチレンとビニル芳香族化合物の混合物、共役ジエン化合物を逐次重合させてブロック共重合体(すなわち未水添の付加重合系ブロック共重合体(a0))を形成する。
付加重合系ブロック共重合体(a1)の重合体ブロックA’を構成する芳香族ビニル化合物単位としては、構造単位(I)以外の芳香族ビニル化合物単位、例えばスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレンなどからなる単位を挙げることができ、これらの1種または2種以上の単位を有することができる。これらの中でも、スチレンに基づく構造単位が好ましい。
Claims (1)
- 付加重合系ブロック共重合体(a)が、重合体ブロックAに、炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレンに基づく構造単位(I)および官能基(II)から選択される少なくとも1種を有し、かつ前記構造単位(I)および/または官能基(II)によって少なくとも重合体ブロックA部分が架橋されている請求項1または請求項2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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JP2004085064A JP4522729B2 (ja) | 2004-03-23 | 2004-03-23 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004085064A JP4522729B2 (ja) | 2004-03-23 | 2004-03-23 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004085064A Expired - Lifetime JP4522729B2 (ja) | 2004-03-23 | 2004-03-23 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
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JPH07149971A (ja) * | 1993-11-30 | 1995-06-13 | Kuraray Co Ltd | プロピレン系樹脂組成物 |
JP3946080B2 (ja) * | 2001-05-01 | 2007-07-18 | 株式会社クラレ | 熱可塑性エラストマー組成物 |
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-
2004
- 2004-03-23 JP JP2004085064A patent/JP4522729B2/ja not_active Expired - Lifetime
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