電気的な回路には、従来から電気回路という呼称と電子回路という呼称が広く用いられており、電気回路という呼称と電子回路という呼称が区別されて用いられる場合と区別されないで用いられる場合がある。本発明においては、回路を流れる電流値が比較的大きな回路の場合と比較的小さな回路の場合の区別や回路における電子の作用を重視するか否かなどに関わらず、いわゆる電気回路と電子回路のいずれかあるいは双方を、単に電気回路ともいうことにする。
本発明は、自動車の電気回路に接続して自動車の性能を改善することができる新規の電子部品、その電子部品を用いて自動車の性能を改善することができる自動車の調整方法ならびにその方法を用いて性能を改善された自動車を提供することに関する。
近年、電気回路を利用した装置の発展は著しく、文化的生活には不可欠のものとなっている。たとえば、自動車、ステレオやテレビなどの音響装置など電気回路を利用した装置は、快適な生活のための必需品として広く使われており、その性能の発達には著しいものがある。
これらの装置の電気回路には、ヒューズ、配線用の金属線、昇圧回路部品、コンピュータ用部品、点火コイル、点火プラグなど、種々の回路部品が使われており、それらの回路部品には、高性能化、高品質化、低価格化、低消費電力化など、多くの改良が加えられている。
自動車は広く知られている物であり、したがって一般的な説明は省略するが、たとえば、ガソリンを燃料に用いる自動車についてみると、ユーザーの要望やメーカーの技術競争の結果、燃費はかなり向上し、スタートダッシュもかなりよくなり、エンジン音もある程度静かになるなど、多くの進歩が窺える。また、カーステレオなどの音響装置についても、音質がかなりよくなっている。また、衆知のように、ディーゼル車の性能も、ユーザーの要望やメーカーの技術競争の結果、かなり改善されてきている。
このような改善努力によって、現在の自動車はいわゆる大衆商品といえるように多くのユーザに便利に使われており、ユーザの要求に応じて種々の機能、性能、品質のものが低価格品から高価格品まで品揃えされている。
その結果、自動車の機能、性能、品質はかなり向上しているが、さらにエンジン音が静かな自動車、さらに燃費の良い自動車、さらにスタートの良い自動車を求めるユーザの声が強く、そのために、エンジン、自動車のボディー、動力伝達系、タイヤなどの部品や装置の改良が続けられている。
しかしながら、ユーザの希望を満たすには至っておらず、さらにエンジン音が静かな自動車、さらに燃費の良い自動車、さらにスタートの良い自動車を求めるユーザの声が強い。
上記のような自動車の性能の改善は、次のように3つに分けて表現することができる。 その第一は、自動車のエンジン、自動車の動力伝達機構、自動車のボディー、マイコンなど自動車の制御デバイスなどのように、自動車の性能を直接左右する要因が強いと思われるものの改善によるもの(以下、第一種の改善ともいう)である。
その第二は、カーナビやステレオのような自動車の付属機構あるいは付属部品の改善によるもの(以下、第二種の改善ともいう)である。受信器の改善、スピーカの改善、増幅器の改善などによる乗り心地の良さの改善などはこれに該当する。
その第三は、ヒューズや配線材料のように自動車の電気回路に使われているが、たとえばヒューズは電気回路の過電流に対する保護の見地からは不可欠であるが、また、配線材料は電気回路を構成し、機能させるという見地からは不可欠であるが、自動車の燃費やスタートの良さなどの自動車の基本的性能にはあまり関係がないと考えられている部品の改良によるもの(以下、第三種の改善ともいう)である。
第一種の改善と第二種の改善に関しては、基本的なものから細部に至るまで極めて多くの改善が行われ、前記のように日進月歩の状況にある。自動車の燃費の良さ、スタートの良さ、振動の少なさなどの性能の改善は、第一種の改善によるものがほとんどであることはいうまでもない。第一種の改善と第二種の改善は広く知られていることであり、ここでその詳細は省略する。
第三種の改善については、本来、燃費やスタートの良さのような自動車の性能の改善にはほとんど関係がないと考えられていたものであり、自動車の性能の改善という観点からの提案は、後述のように極めて少ない。
第三種の改善の例は極めて少ないが、その例として、特開2004−14491(以下、文献1という)をあげることができる。以下、これについて概略を説明する。
ヒューズについての改良は、コスト面や形状、実装などに関する改良が多数発表されているが、上記のニーズに応える改良は少ない。
ヒューズを自動車の電気回路に装着する場合は、ヒューズホルダーの電極に単に挿入するだけでよいとされており、電気回路のスイッチを入れたときに電気回路で機能すればよいとされている。したがって、ヒューズの装着される向きはどちら向きでも良く、当該電気回路を安全に機能させればよいものと考えられている。
図21と図22は乗用車に使用されている代表的なヒュ−ズホルダーにおけるヒューズの装着方法を説明する図で、ヒューズの電気回路に接続する一対の端子(以下、接続端子もいう)をヒューズホルダーに挿入した状態を説明する断面図で、接続端子とヒューズホルダーの電極との電気的接続がなされている部分の断面図である。
図21と図22で、符号101,102,121,122はヒューズの接続端子、110,111,130〜133はヒューズホルダーの電極である。接続端子101と接続端子102は同一ヒューズの一対の接続端子で、接続端子101と接続端子102は図示していないヒューズ本体で電気的に接続されており、接続端子121と接続端子122は同一ヒューズの一対の接続端子で、接続端子121と接続端子122は図示していないヒューズ本体で電気的に接続されている。
前記各ヒューズ本体は、衆知のように、それぞれの一対の接続端子の間に所定の電流値以上の電流が所定時間以上流れると発熱してヒューズ本体の一部が溶けて断線することにより当該一対の接続端子の間に流れていた電流を遮断する役割を果たすものである。
図21で、ヒューズホルダーの電極110は、そこに挿入されるヒューズの接続端子101を少しきつめに挟んで固定するように形成されている。すなわち、電極110の符号110aで示した部分が接続端子101の符号101aで示した部分を電極110の符号110cで示した部分の方向へ押すようにして、電極110の符号110aで示した部分が接続端子101の符号101aで示した部分に圧接している。同様に、電極110の符号110bで示した部分が接続端子101の符号101bで示した部分を電極110の符号110dで示した部分の方向へ押すようにして、電極110の符号110bで示した部分が接続端子101の符号101bで示した部分に圧接している。接続端子101の符号101cで示した面は電極110の内壁に部分的にあるいは全体的に押しつけられている。このような構造で、接続端子101が電極110に挿入されて保持されており、接続端子101と電極110の接触部分によって電気回路の電気的接続がなされている。
電極111と接続端子102の間の電気的接続についても電極110と接続端子101の場合と同様であり、図21の符号111,111a〜d,102,102a〜cで示した部分がそれぞれ前記符号110,110a〜d,102,102a〜cで示した部分に相当する。
図22で、ヒューズホルダーの電極130と131は、そこに挿入されるヒューズの接続端子121を少しきつめに挟んで固定するように形成されている。すなわち、電極130の符号130aで示した部分と電極131の符号131bで示した部分とで接続端子121の符号121aで示した部分と符号121bで示した部分をきつく挟み込んでおり、それぞれの接触部分で電気的接続がなされている。電極130と電極131は図示していないところで電気的に接続されている。
電極132および133と接続端子122の間の電気的接続についても電極130および131と接続端子121の場合と同様であり、図22の符号132,132a,133,133b,122,122a,122bで示した部分がそれぞれ前記符号130,130a,131,131b,121,121a,121bで示した部分に相当する。
衆知のように、自動車は走行中に激しい振動を生じるが、その振動によっても前記ヒューズホルダーの電極に装着されているヒューズがはずれないように、比較的強い力でヒューズが前記ヒューズホルダーの電極に挟み込まれて保持されている。
図22のようなヒューズホルダーの電極にヒューズを差し込んで使用すると、本発明者らの調査によると強い発熱を生じるが、ヒューズ本体を溶断することがないような発熱のため、一般には特に大きくクローズアップされていない。
図23は図22を用いて説明したタイプのヒューズホルダーに装着されて使用されたヒューズの接続端子の状況を説明する図である。
図23で、符号121cと122cはヒューズの接続端子の表面全面にメッキが施されている接続端子表面、121dと122dはそれぞれヒューズホルダーの電極の図22に符号130aと132aで示した部分によって強く圧接されていた結果生じた傷痕である。
前記乗用車の電気回路に用いられているヒューズは、衆知のように、その一対の接続端子とヒューズ本体が、その母材が亜鉛を主成分とする金属で、たとえば型を用いた加工によって一体に作られている。
ヒューズの接続端子の中には、その表面に銀メッキや錫メッキが施されているものもあり、メッキが施されていないものもある。
銀メッキは電気的接続の安定性を向上させる効果がある。衆知のように、亜鉛合金に直接銀メッキを施すことは実用的には行われておらず、多くの場合、亜鉛合金の上に銅メッキを行い、その上にニッケルメッキを施し、その上に銀メッキを施している。
電気的接点の観点からは、銀は表面の変化が心配されており、電気接点には特によい表面材質とは評価されていない。微少な信号を正確に伝送する必要があるなどの特に精密な電気接点における表面材質としては金が好ましいとされている。この接点用の金表面は、例えば時計のケースや宝飾品などの金メッキなどとは異なる技術が要求されている。
また、電気接点用の金メッキに限らず、金メッキのコストは高い。したがって、金メッキの必要性が強く認識されていない電気部品には金メッキが用いられないのが通常である。金色をしていることを表現するだけを目的とした極めて薄い金薄層、たとえば金薄層の厚みが0.01μmの金メッキを施したヒューズの場合などは、コストは安いが、電気的特性も期待できないので、電気接点の品質を考えた金メッキとは異質なものということができる。
前記自動車用ヒューズの場合は、精密電気装置における電気接点の場合とは事情が異なると見なされており、金に比較してコストが大幅に低減される銀メッキが、ある程度良好な電気的接続特性を維持するということを想像させる効果も期待して採用されている。
図23に例示したような傷121d,122dは、ヒューズとしての電気的接続上は特に問題視されておらず、現在は外見上特に問題にすべきものとは見なされておらず、強い改善の要求も出さておらず、一般には仕方がないものとされている。
しかしながら、本発明の発明者は、このヒューズを改善すれば自動車の性能をさらに改善することができることを提案した。
文献1には、液体窒素などを用いて低温処理した自動車用のヒューズを用いて自動車の性能を改善することが提案されている。
図24は、中級クラスの乗用車の電気回路をブロック図で説明するものである。以下、各ブロックの従来知られている部分については詳細な説明を省略し、文献1に記載の発明に関係の深い部分を重点的に説明する。また、図24の配線についても通常の電気回路と同様、概念的に表してある。
図24において、符号3は電池、4a〜4gはヒューズ、5b〜5gはスイッチ、6は自動車エンジンのスタータ系回路部分、7は燃料制御系回路部分、8はコンピュータ、9はイグニッション系回路部分、10はエアコンコンディショナー系回路部分、11は音響装置、12a〜12d,13a〜13d,14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17d,18〜25は電気的接続を得るための配線を示す。図24に示した自動車の電気回路のこれら各部分は衆知のものであり、ここでその詳細の説明は省略する。
文献1には、図24に示した電気回路を有する中級クラスといわれている乗用車に、文献1に記載の発明のヒューズを用いた場合と従来のヒューズを用いた場合とについて、乗用車のエンジン音の静かさ、スタートの快適さ、乗り心地、燃費、音響装置の音質などの比較評価を行った結果、文献1に記載の発明のヒューズを用いたときの方が従来のヒューズを用いたときよりも、エンジン音は明確に低くなり、スタートの快適さもはっきり良く、スタートが早くなり、乗り心地は快適で音が静かで振動が少なくなり、燃費は約15%向上し、音響装置としてのステレオの音質が明確に良くなるという著しい効果をもたらしたことが記載されている。
さらに、本発明の発明者による検討の結果、乗用車の車種として、上記中級クラスの乗用車よりも廉価なものと高価なものをそれぞれ複数台ずつ用意して、文献1に記載の発明のヒューズと従来のヒューズを用いて比較実験を行ったところ、文献1に記載の発明のヒューズを用いたときの方が従来のヒューズを用いたときよりも、エンジン音は明確に低くなり、スタートの快適さもはっきり良く、スタートが早くなり、乗り心地は快適で音が静かで振動が少なくなり、燃費が向上し、音響装置としてのステレオの音質が明確に良くなるという著しい効果をもたらすという評価結果を得た。
しかしながら、自動車のユーザからは、文献1に記載の発明による自動車の性能改善には確かに著しいものがあるが、自動車のさらなる性能の改善の要望が強く出されている。
以上説明したように、主として第一種の改善と第二種の改善による自動車の性能の改善が多数提案されており、その結果自動車の性能がかなり良くなってきてはいるが、ユーザからはさらなる自動車の性能改善の要望が強くだされている。そして、その解決策は、多くの場合、従来の価格の高い乗用車を選択するという解決策や自動車の選別に頼るという解決策などが考えられている。
乗用車においても、一つずつ念入りに調整して製造することはある程度行われているが、製造コストの観点から制約があるのみならず、現在の改良工夫の延長線上での調整では前記ユーザのニーズを満足させることができないのが実状である。
そのため、従来の乗用車においては、高級品といわれる製品においても、エンジン音の大きさ、燃費の良さ、音質の良さなどのバラツキは止むを得ないものと思われていた。
このような状況下において提案されたのが第三種の改善であり、第三種の改善による自動車の性能の改善が少しずつ認められてきており、第一種の改善と第二種の改善による自動車の性能の改善と併用して効果をあげている。
その上で、ユーザーからは、従来難しいと考えられていた発進特性のさらなる向上、エンジン音のさらなる低下、燃費のさらなる向上、音質のさらなる向上を図った自動車や音響装置の実現が強く望まれている。
本発明はこのような点に鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、第四種の改善ということもできる、自動車に取り付けることによって、たとえば、発進特性をさらに良くし、エンジン音をさらに小さくし、燃費をさらに良くするなどの自動車の基本的な性能を改善することができる新規の電子部品を安価に提供すること、その新規の電子部品を自動車の電気回路に用いて自動車の性能を改善する新規の方法を提供すること、その新規の電子部品及び自動車の調整方法を用いて性能を改善された自動車を安価に提供するところにある。
自動車の発進特性をさらに良くすること、燃費をさらに良くすること、エンジン音をさらに小さくすること、ステレオの音質をさらによくすることなどのような自動車の性能を改善するために多くの努力が払われている。
自動車の性能を改善するための手段として、前記の如く第一種〜第三種の改善が行われているが、本発明の発明者は、さらに、第四種の改善ともいうべき新規の電子部品を提案する。
自動車の基本的な性能に寄与するファクターは、多くの研究の結果、衆知のように、かなりの部分が解明されており、それに基づいて多くの改善が行われてきたことは前記の如くであるが、未だ解明されていないことも多いように思われる。
たとえば自動車の電気回路に生じるノイズの影響に関しては未だ十分に解明されているとはいい難い状況にある。
自動車の電気回路には、たとえば、エンジンの制御に関する信号や音響設備のための信号など、その回路における必要な信号が流れているが、前記必要な信号のほかに非常に複雑なノイズ信号が重畳されて流れている。
この複雑なノイズ信号は、多くの場合、できるだけ小さくなるように回路が構成されており、その結果、現在の自動車が実用化されている。
しかしながら、前記ノイズの影響については、マクロな検討きりなされておらず、たとえば、ステレオについていえば、普通の専門家が評価できる範囲ではかなり良くなっているが、極めて高度な専門家にとっては決して満足できるレベルに至っていない。
どのようなノイズが自動車の性能にどのように影響しているかについては、決して十分に理解されているとはいえないのが現状である。そして、ノイズ除去対策に関しては、その悪影響がわかっているか、あるいは悪影響がありそうだと思われているノイズに関するもので十分であると考えられているのが現状であり、それ以上の対策はコストアップを招くこともあって、真剣に取り組まれていないのが現状といえる。
本発明を発想するに当たって、たとえば、自動車のエンジン制御方法、各構成部分の自動車の性能への寄与等を検討した。当然、自動車の電気回路の種々のノイズについても検討した。
前記のように、本発明の目的は、単に自動車の電気回路のノイズを低減することではなく、自動車の発進特性や燃費のような自動車の性能を改善することができる新規の電子部品を安価に提供すること、その新規の電子部品を用いて自動車の性能を改善することができる方法を提供すること、ならびに、性能を改善した自動車を安価に提供するところにある。もちろん、電気回路で有害とされているノイズの低減も静かな自動車の実現という意味で自動車の性能の改善ということができる。
本発明の発明者等は、ノイズの問題も含めて、自動車の各特性を考察しつつ、種々の仮説を立てて、電子部品を作成し、その電子部品を電気回路に接続し、それによる諸特性の変化を調べた。その結果を用いて作成した電子部品を自動車に取り付け、自動車の性能の変化を調べた。
本発明の発想過程におけるこれら種々の検討の結果、前記課題を解決する手段として、第四種の改善ともいうべき、後述のような本発明による新規の電子部品を用いて、自動車の性能を改善することができることを見出した。
自動車の性能を改善するために用いる本発明の新規の電子部品は、単に前記自動車の性能を改善するだけにとどまらず、自動車の電気回路に取り付けた状態で、消費電力の増大が極めて小さく、小型であることが望ましく、その条件を満たすことができるように検討した。
本発明の目的を達成するための手段として、本発明では、半導体のpn接合の順方向接続特性と逆方向接続特性の特殊な用い方を利用し、一般には好んで用いられない、本発明の電子部品を電気回路に接続したときに順方向接続状態になるようにしたpn接合を有する半導体素子を少なくとも1個と逆方向接続状態になるようにしたpn接合を有する半導体素子を少なくとも1個とを直列に接続したことを基本とする回路要素を有する電子部品を安価に提供できるようにし、前記電子部品を提供すること、あるいは、前記電子部品を用いて自動車の性能を改善する方法を提供すること、あるいは、電子部品を自動車の電気回路に装着して性能を改善した自動車を提供することに関するいくつかの発明を提案する。
前記課題を解決するための手段としての請求項1に記載の本発明の自動車の調整方法は、自動車の電気回路に接続することができる電子部品を接続して自動車の性能を改善することができる自動車の調整方法であって、前記電子部品が少なくとも1つの回路要素を有しており、前記回路要素は、前記電子部品が前記電気回路に接続された状態で順方向接続状態になる半導体のpn接合を利用した素子としてのダイオードあるいはダイオードと実質的に同様の順方向特性ならびに逆方向特性を有する半導体素子(以下、前記ダイオードあるいはダイオードと実質的に同様の順方向特性ならびに逆方向特性を有する素子のことをダイオードと称する)を少なくとも1つ有する第1の部品と、前記電子部品が前記電気回路に接続された状態で逆方向接続状態になる半導体のpn接合を利用した素子としてのダイオードを少なくとも1つ有する第2の部品とを有しているとともに、前記第1の部品と第2の部品が前記回路要素において直列接続の関係にあるという特徴を有する回路要素であり、前記自動車の調整方法は、前記電子部品を自動車の電気回路中の配線の電位差を有する2点間に接続することであることを特徴とする自動車の調整方法である。
請求項2に記載の本発明の自動車の調整方法は、請求項1に記載の自動車の調整方法において、少なくとも1つの前記回路要素は、前記直列接続関係にある第1の部品と第2の部品の他に、抵抗とコイルとコンデンサのうちの少なくとも一つを有する以下において関連部品とも称する部品を有しており、前記関連部品の値あるいは接続の仕方を代えることによって自動車の性能を調整することを特徴とする自動車の調整方法である。
請求項1または2に記載の発明をすでに製造された自動車に実施して、本発明を実施する前と実施後の自動車の発進特性や音の質などの自動車の性能を調べたところ、発明を実施前の自動車に比べて発明を実施後の自動車の方が発進特性が明確に良くなり、音響設備の音が良くなり、騒音が静かになるなど、本発明の実施によって自動車の性能がはっきり改善されることがわかった。
なお、本発明の自動車の調整方法は、前記請求項1または2に記載の自動車の調整方法に狭く限定されるものではなく、その基本となる技術思想の適用による、多くの実施態様を有するものである。
本発明の自動車の調整方法の実施態様(本発明の自動車の調整方法の実施態様のことを、以下において、方法態様とも称する)の例を以下に説明する。
方法態様1としての本発明の自動車の調整方法は、請求項1に記載の自動車の調整方法における少なくとも1つの前記回路要素が、直列接続関係にある前記第1の部品と第2の部品の他に前記第1の部品および第2の部品と直列接続の関係にある第3の部品を有していることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様2としての本発明の自動車の調整方法は、方法態様1に記載の自動車の調整方法において、前記第3の部品が抵抗を用いた部品であることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様3としての本発明の自動車の調整方法は、請求項1あるいは方法態様1または2に記載の自動車の調整方法において、少なくとも1つの前記回路要素が、前記直列接続関係にある第1の部品と第2の部品の他に前記第1の部品および第2の部品と直列接続の関係にある第4の部品を有していることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様4としての本発明の自動車の調整方法は、方法態様2または3に記載の自動車の調整方法において、前記第3の部品と前記第4の部品の少なくとも一方がコイルを有していることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様5としての本発明の自動車の調整方法は、方法態様2〜4のいずれかに記載の自動車の調整方法において、前記第3の部品と前記第4の部品の少なくとも一方がコンデンサを有していることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様6としての本発明の自動車の調整方法は、方法態様3〜5のいずれか1項に記載の自動車の調整方法において、少なくとも1つの前記回路要素が、前記直列接続関係にある第1の部品と第2の部品のいずれか一方とは直列説続関係に他方とは並列接続関係に、かつ、前記第4の部品とも並列接続関係に配置されているコンデンサを有していることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様7としての本発明の自動車の調整方法は、請求項1または2または方法態様1〜6のいずれかに記載の自動車の調整方法において、前記電子部品は並列に接続された少なくとも2つの前記回路要素を有していることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様8としての本発明の自動車の調整方法は、方法態様7に記載の自動車の調整方法において、前記電子部品が、それを構成する全ての前記回路要素に共通に直列接続されている第5の部品を有していることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様9としての本発明の自動車の調整方法は、方法態様8に記載の自動車の調整方法において、前記第5の部品が抵抗とコイルとコンデンサの少なくとも一つを有する部品であることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様10としての本発明の自動車の調整方法は、請求項1または2または方法態様1〜9のいずれかに記載の自動車の調整方法において、前記電子部品が自動車の電気的部品を接続するこができる端子に接続することができる部品として構成されていることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様11としての本発明の自動車の調整方法は、方法態様10に記載の自動車の調整方法において、前記電子部品が、自動車の電気回路の電源供給ソケットまたはそれと実質的に同等のソケットなどの端子に着脱可能に接続することができる部品としてケース等に実装されていることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様12としての本発明の自動車の調整方法は、方法態様11に記載の自動車の調整方法において、前記電子部品を接続することができる自動車の電気回路のソケットなどの端子が、タバコに火を付けることができる自動車の部品であるシガレットライターあるいはそれと実質的に同等の機能を有する部品を接続することができるソケットなどの端子であることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様13としての本発明の自動車の調整方法は、方法態様11または12に記載の自動車の調整方法において、前記電子部品のケースに、少なくとも1つの前記回路要素と並列に自動車用の付属部品を接続することができるソケットなどの端子が設けられているれていることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様14としての本発明の自動車の調整方法は、請求項1または2または方法態様1〜13のいずれかに記載の自動車の調整方法において、前記第1の部品と前記第2の部品の少なくとも一部がトランジスタの一部を用いた素子であることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様15としての本発明の自動車の調整方法は、請求項1または2または方法態様1〜14のいずれかに記載の自動車の調整方法において、前記第1〜第5の部品の少なくとも一部が半導体集積回路に形成されていることを特徴とする自動車の調整方法である。
方法態様1〜15に記載の各発明の効果については、それを用いた自動車に関する発明である請求項3以降の請求項あるいは実施の形態例に記載のいずれかの発明の効果と重複することが多いので、自動車に関する発明の効果の説明で兼ねることにする。
前記課題を解決するための手段としての請求項3に記載の性能を改善された本発明の自動車は、電子回路と電気回路のいずれか一方あるいは双方を、以下、単に電気回路とも称することにして、自動車の電気回路に接続して自動車の性能を改善することができる電子部品を少なくとも1つ装着した自動車において、前記電子部品は少なくとも1つの回路要素を有しており、前記回路要素は、前記電子部品が前記電気回路に接続された状態で順方向接続状態になる半導体のpn接合を利用した素子としてのダイオードあるいはダイオードと実質的に同様の順方向特性ならびに逆方向特性を有する半導体素子(以下、前記ダイオードあるいはダイオードと実質的に同様の順方向特性ならびに逆方向特性を有する素子のことをダイオードと称する)を少なくとも1つ有する第1の部品と、前記電子部品が前記電気回路に接続された状態で逆方向接続状態になる半導体のpn接合を利用した素子としてのダイオードを少なくとも1つ有する第2の部品とを有しているとともに、前記第1の部品と第2の部品が前記回路要素において直列接続の関係にあるという回路要素であることを特徴とする自動車である。
本発明の部分を除いた部分が従来の自動車(以下、従来自動車ともいう)と同じ設計の自動車に請求項3に記載の発明を実施して自動車を製造して、本発明を実施しない従来自動車と前記本発明を実施した自動車の発進特性や音の質などの自動車の性能を調べたところ、従来自動車に比べて発明を実施した自動車の方が発進特性が明確に良くなり、音響設備の音が良くなり、騒音が静かになるなど、本発明の実施によって自動車の性能がはっきり改善されたことがわかった。
なお、本発明の自動車は、前記請求項3または以下に説明する各請求項に記載の自動車に狭く限定されるものではなく、その基本となる技術思想の適用による、多くの実施態様を有するものである。
本発明の自動車の実施態様(本発明の自動車の実施態様のことを、以下において、自動車態様とも称する)の例を以下において、各請求項に記載の発明に適宜加えて説明する。
請求項4に記載の本発明による自動車は、請求項3に記載の自動車において、少なくとも1つの前記回路要素を構成する前記第1の部品と第2の部品の少なくとも一方が、接続状態が同一の状態すなわち順方向接続状態と逆方向接続状態のうちのいずれか一方の状態である少なくとも2つのダイオードが並列に接続されている部品であることを特徴とする自動車である。
自動車態様1としての本発明の自動車は、請求項4に記載の自動車において、前記回路要素の少なくとも1つを構成する前記第1の部品と第2の部品の少なくとも一方を構成している前記並列に接続されている少なくとも2つのダイオードが、電流−電圧特性の異なるダイオードであることを特徴とする自動車である。
請求項4と自動車態様1に記載の本発明により、本発明の適用範囲を広げることができる。
請求項5に記載の本発明による自動車は、請求項3または4に記載の自動車において、少なくとも1つの前記回路要素は、直列接続関係にある前記第1の部品と第2の部品の他に前記第1の部品および第2の部品と直列接続の関係にある第3の部品を有しており、前記第3の部品は固定抵抗と可変抵抗の少なくとも一方を有していることを特徴とする自動車。
請求項5に記載の本発明により、第1の部品としてのダイオードと第2の部品としてのダイオードを標準品にすることができ、前記第3の部品を調整して本発明の電子部品を適用できる車種の範囲を広くすることができる。
請求項6に記載の本発明による自動車は、請求項3〜5のいずれか1項に記載の自動車において、少なくとも1つの前記回路要素は、前記直列接続関係にある第1の部品と第2の部品の他に前記第1の部品および第2の部品と直列接続の関係にある第4の部品を有しており、前記第4の部品はコイルとコンデンサの少なくとも一方を有しいていることを特徴とする自動車。
自動車態様2としての本発明の自動車は、請求項6に記載の自動車において、前記コンデンサが前記コイルに並列に接続されていることを特徴とする自動車である。
請求項7に記載の本発明による自動車は、請求項6に記載の自動車において、少なくとも1つの前記回路要素は、前記直列接続関係にある第1の部品と第2の部品のいずれか一方とは直列説続関係に他方とは並列接続関係に、かつ、前記第4の部品とも並列接続関係に配置されているコンデンサを有していることを特徴とする自動車である。
自動車態様3としての本発明の自動車は、請求項7に記載の自動車において、前記コンデンサの一方の端子が前記電子部品の一方の接続端子に接続されているか、前記電子部品が電気回路に接続された状態で前記電子部品の一方の接続端子に接続されているのと等価な状態になるように配置されていることを特徴とする自動車である。
請求項8に記載の本発明による自動車は、請求項3〜7のいずれか1項に記載の自動車において、前記電子部品が、前記直列接続関係にある第1の部品と第2の部品のいずれかに並列に接続され、かつ、他方には直列に接続された少なくとも1つのコンデンサを有していることを特徴とする自動車である。
請求項6〜8に記載の本発明により、本発明の前記効果の当てはまるものに加えて、自動車の性能を車種と要望に対応して、より適切に改善することができる。
請求項9に記載の本発明による自動車は、請求項3〜8のいずれか1項に記載の自動車において、前記電子部品が並列に接続された少なくとも2つの前記回路要素を有していることを特徴とする自動車である。
自動車態様4としての本発明の自動車は、請求項9に記載の自動車において、前記並列に接続された少なくとも2つの前記回路要素が電気的特性が異なる回路要素であることを特徴とする自動車である。
請求項10に記載の本発明の自動車は、請求項9または自動車態様4に記載の自動車において、前記電子部品が、それを構成する少なくとも2つの前記回路要素に共通に直列接続されている第5の部品を有していることを特徴とする自動車である。
自動車態様5としての本発明の自動車は、請求項10に記載の自動車において、前記第5の部品が抵抗とコイルの少なくとも一方を有する部品であることを特徴とする自動車である。
自動車態様6としての本発明の自動車は、請求項10または自動車態様5に記載の自動車において、前記第5の部品が抵抗とコイルの少なくとも一方と並列接続関係にあるコンデンサを有する部品であることを特徴とする自動車である。
請求項11に記載の本発明による自動車は、請求項3〜10のいずれか1項に記載の自動車において、少なくとも1つの前記回路要素の前記直列接続関係にある第1の部品と第2の部品の間に一方の端子が接続されているとともに他方の端子が前記電子部品の前記第5の部品が配置されている側の接続端子に接続されているか、前記電子部品が電気回路に接続された状態で前記電子部品の一方の接続端子に接続されているのと等価な状態になるように配置されていることを特徴とする自動車である。
請求項12に記載の本発明による自動車は、請求項3〜11のいずれか1項に記載の自動車において、前記電子部品が、自動車の電気回路の配線のうちで、エンジン作動制御のために、エンジン点火に関する信号や燃料制御に関する信号を扱う回路の少なくとも一カ所に配置されていることを特徴とする自動車である。
請求項13に記載の本発明による自動車は、請求項3〜37のいずれか1項に記載の自動車において、前記電子部品が、自動車の電気回路の配線のうちで、スイッチやリレーなどのような使用時あるいは不使用時に解放端になるように構成されている端部近傍の配線あるいは前記解放端に配置されていることを特徴とする自動車である。
請求項14に記載の本発明による自動車は、請求項3〜13のいずれか1項に記載の自動車において、前記電子部品が、タバコに火を付けることができる自動車の部品であるシガレットライターを接続することができるソケットなどの自動車の電気回路の電源供給端子に着脱可能に接続することができる付属部品としてケース等に実装されていることを特徴とする自動車。
すなわち、本発明による自動車は、請求項3〜37のいずれか1項に記載の自動車において、前記電子部品が、自動車の電気回路の電源供給ソケットまたはそれと実質的に同等のソケットなどの端子に着脱可能に接続することができる付属部品としてケース等に実装されていることを特徴とする自動車であり、前記電子部品を接続することができる自動車の電気回路のソケットなどの端子として、タバコに火を付けることができる自動車の部品であるシガレットライターあるいはそれと実質的に同等の機能を有する部品を接続することができるソケットなどの端子を使用することができる。
本発明における電子部品は、多くのバリエーションを可能としている。
自動車態様7としての本発明の自動車は、請求項14に記載の自動車において、前記電子部品に少なくとも1つの前記回路要素と並列に自動車用の付属部品を接続することができるソケットなどの端子が設けられていることを特徴とする自動車である。
自動車態様8としての本発明の自動車は、請求項14または自動車態様7に記載の自動車において、前記電子部品に少なくとも1つの前記回路要素と並列に、タバコに着火することができる部品と香りを発生することができる部品とマイナスイオンを発生させることができる部品と照明装置のうちの少なくとも一つが接続されていることを特徴とする自動車である。
自動車態様9としての本発明の自動車は、請求項14または自動車態様7または自動車態様8に記載の自動車において、前記可変抵抗の抵抗値を変える手段が前記電子部品のケース等に設けられていることを特徴とする自動車である。
請求項4〜14あるいは自動車態様1〜9に記載の本発明により、本発明の前記効果の当てはまるものに加えて、自動車の性能を、たとえば発進特性をスピーディーにすなわち切れの良い発進特性を有するようにしたり、ゆったりとなめらかに発進する発進特性を有するようにしたり、車種と要望に対応してきめ細かな改善を施すことができる。
自動車態様10としての本発明の自動車は、請求項3〜14あるいは自動車態様1〜9のいずれかに記載の自動車において、前記第1の部品と前記第2の部品の少なくとも一部がトランジスタの一部を用いた素子であることを特徴とする自動車である。
請求項15に記載の本発明による自動車は、請求項3〜14あるいは自動車態様1〜9のいずれかに記載の自動車において、前記第1〜第5の部品の少なくとも一部が半導体集積回路の一部に形成されていることを特徴とする自動車である。
請求項14や自動車態様10に記載の本発明により、本発明の前記効果の当てはまるものに加えて、本発明の電子部品のコストを下げたり、小型化をしたり、改善レベルを一層向上させたりなど、本発明の効果を一層高めることができる。
請求項16に記載の本発明による自動車は、請求項3〜15のいずれか1項に記載の自動車において、運転席の近傍など自動車の一部に取り付けられている操作パネルやテレビジョンやカーナビゲーション装置などの表示画面のうちの少なくとも一部に、自動車の電気回路における前記電子部品の接続状態や前記各部品の調整状態などのような前記電子部品に関する情報を表示することができることを特徴とする自動車である。
請求項17に記載の本発明による自動車は、請求項3〜16のいずれか1項に記載の自動車において、運転席の近傍など自動車の一部に取り付けられている操作パネルやテレビジョンやカーナビゲーション装置などの表示画面のうちの少なくとも一部を介して前記電子部品の自動車の電気回路への接続状態や前記各部品の調整状態を変更することができることを特徴とする自動車である。
請求項16や17に記載の本発明により、たとえば自動車の製造過程あるいは製造後において、本発明の電子部品の状態を自動車に望まれる特性改善状態により近づけることができるなど、本発明の効果を一層高めることができる。
前記例のような本発明の種々の電子部品を、一例として、自動車のシガレットライター(タバコに点火するための衆知の部品)用の端子に接続することができるように、ケースに実装した状態に作成し、ガソリン車、ハイブリッド車、ジーゼル車など各種の自動車のシガレットライター用の接続端子に挿入して自動車の電気回路に接続し、自動車の性能の変化を調べた。その結果、次のことがわかった。
本発明の電子部品は、前記電子部品の電気的特性を適宜設定してそれを自動車の電気回路に用いたときに、前記電子部品の電気的特性の選択によって諸効果の程度に差はあるが、自動車の発進特性の改善、燃費の低減、エンジン音の低下、乗り心地を害する不快な振動と音の低減、有害排気ガスの低減等の効果のうちの少なくとも1つの性能に関して顕著な改善をもたらすという大きな効果をもたらし、発進特性など自動車の基本的性能と音響装置の音質の著しい向上をもたらすという大きな効果を発揮することがわかった。
そして、本発明は、前記電子部品を例えば乗用車の電気回路に装着して本発明を実施した場合、従来は高級車として評価されていなかったクラスの乗用車の性能を高級車のような性能に高めることができるという大きな効果を発揮し、性能の優れた自動車を安価に提供することができるという大きな効果を発揮する。
本発明による自動車の性能向上は著しいものがあり、本発明は、自動車産業の発展ならびに自動車を利用する産業の発展に大きく寄与するものであり、自動車による環境汚染を改善する効果をもたらすものである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の例について説明する。なお、説明に用いる各図は本発明の例を理解できる程度に各構成成分の寸法、形状、配置関係などを概略的に示してある。そして本発明の説明の都合上、部分的に拡大率を変えて図示する場合もあり、本発明の例の説明に用いる図は、必ずしも実施例などの実物や記述と相似形でない場合もある。また、各図において、同様な構成成分については同一の番号を付けて示し、重複する説明を省略することもある。
本発明の基本技術は、半導体のpn接合の順方向接続特性と逆方向接続特性の特殊な用い方をし、一般には好んで用いられない、本発明の電子部品を電機回路に接続したときに順方向接続状態になるようにしたpn接合を有する半導体素子を少なくとも1個と逆方向接続状態になるようにしたpn接合を有する半導体素子を少なくとも1個とを直列に接続したことを基本とする回路要素を利用した電子部品を電気回路に接続して、自動車の特性を改善するところにある。
前記各発明の開示の項でも説明したように、本発明の自動車の調整方法は、前記本発明の基本技術を用いた電子部品を用いて自動車の性能を改善することができる調整方法である。本発明の電子部品とそれを用いた自動車を中心に本発明の説明をすることによって、自動車の性能を改善することができる調整方法についても実質的に説明したことになる場合が多いため、以下において、本発明の電子部品とそれを用いた自動車を中心に本発明の実施の形態例の説明することにし、それによって本発明の調整方法の説明にも代えることにし、特に必要な場合を除いて、説明の重複を避けることにする。
図1は、本発明の実施の形態例としての電子部品の主要部分である回路要素の例を説明する図で、最も簡単な回路要素の一例である。符号150は本発明による電子部品、151は第1の部品としてのpn接合を有する半導体素子であるダイオード、152は第2の部品としてのpn接合を有する半導体素子であるダイオード、151nはダイオード151のpn接合のn極側、152nはダイオード152のpn接合のn極側、 151pはダイオード151のpn接合のp極側、152pはダイオード152のpn接合のp極側、154と155は電子部品150を電気回路に接続することができる接続端子、156は第1の部品151と第2の部品152の接続部、159は回路要素である。
図1の回路図からも明らかなように、電子部品150は、図1の回路図において示されているように、第1の部品としてのpn接合を有する半導体素子であるダイオード151が、半導体のpn接合のn側151nが第2の部品であるダイオード152が接続されている側とは反対側になるように(すなわち、接続端子154側になるように)配置され接続ており、第2の部品としてのpn接合を有する半導体素子であるダイオード152が、半導体のpn接合のp側152nが第1の部品であるダイオード151が接続されている側とは反対側になるように(すなわち、接続端子155側になるように)配置され接続ている。
電子部品150を電気回路に接続したときに、第1の部品151がダイオードのpn接合が順方向接続状態になる場合には、第2の部品152は逆方向接続状態になるように、また、第1の部品151がダイオードのpn接合が逆方向接続状態になる場合には、第2の部品152は順方向接続状態になるように構成されている。
電子部品150を接続端子154と155を介して自動車の電気回路に接続し、自動車の電気回路の作動キーを入れ、自動車の発進特性、燃費、エンジン音の静かさなどの自動車の性能を調べたところ、電子部品150を自動車の当該電気回路に接続しなかった場合に比べて、自動車の発進特性が大幅に良くなり、燃費がよくなり、エンジン音が静かになった。
図1の電子部品150は、自動車の種類に応じて第1の部品151としてのダイオードと第2の部品152としてのダイオードの特性を適宜選択することによって自動車の性能改善のレベルをあげることができる。
本発明の電子部品は、図1の電子部品150を基本として、種々の形態をとることができるものである。
図2は、本発明における電子部品の主要部分としての回路要素の図1とは異なる例を説明する図である。符号160は本発明による電子部品、169は電子部品160の主要部分としての回路要素、168aは回路要素169を構成する第1の部品、168bは回路要素169を構成する第2の部品、161a,161b,161cは第1の部品168aを構成するダイオード、162は第2の部品168bを構成するダイオード、164と165は電子部品160を電気回路に接続することができる接続端子、166は第1の部品と第2の部品の接続部である。
図2に示したように、第1の部品168aは、接続状態を同じにした3個のダイオード161a,161b,161cが並列に接続されて構成されている。第2の部品168bは第1の部品を構成する各ダイオードとは逆の接続状態に配置されたダイオード162で構成されている。すなわち、接続端子164がプラス極(+極)側に、接続端子165がマイナス極(−極)側になるように回路部品160を電気回路に接続した場合に、3個のダイオード161a,161b,161cは逆方向接続状態という同一の接続状態に並列に接続されていることになる。
図3は、本発明における電子部品の主要部分としての回路要素の図1や図2と異なる例を説明する図である。符号170は本発明による電子部品、179は電子部品170の主要部分としての回路要素、178aは回路要素179を構成する第1の部品、178bは回路要素179を構成する第2の部品、171a,171bは第1の部品178aを構成するダイオード、172a,172b,172cは第2の部品178bを構成するダイオード、174と175は電子部品170を電気回路に接続することができる接続端子、176は第1の部品と第2の部品の接続部である。
図3に示したように、第1の部品178aは接続状態を同じにした2個のダイオード171a,171bが並列に接続されて構成されている。第2の部品178bは第1の部品を構成する各ダイオードとは逆の接続状態に配置されている接続状態を同じにした3個のダイオード172a,172b,172cが並列に接続されて構成されている。
すなわち、接続端子174が−極側に、接続端子175が+極側になるように回路部品170を電気回路に接続した場合に、2個のダイオード171a,171bはpn接合のn側が−電位にp側が+電位になる順方向接続状態の同一の接続状態に並列に接続されて第1の部品178aを構成しており、3個のダイオード172a,172b,172cはpn接合のp側が−電位にn側が+電位になる逆方向接続状態という同一の接続状態に並列に接続されて第2の部品178bを構成していることになる。このように、第1の部品178aと第2の部品178bは、それぞれ同一の接続状態すなわち順方向接続状態か逆方向接続状態のいずれか一方の接続状態に並列に接続された複数のダイオードで構成されているとともに、第1の部品178aと第2の部品178bは一方が順方向接続状態に他方が逆方向接続状態に接続されて回路要素179を構成している。
図2と図3に示した回路要素を有する本発明の電子部品をその接続端子を介して自動車の電気回路に接続し、自動車の電気回路の作動キーを入れ、自動車の発進特性、燃費、エンジン音の静かさなどの自動車の性能を調べたところ、電子部品を自動車の当該電気回路に接続しなかった場合に比べて、自動車の発進特性が明らかに良くなり、燃費がよくなり、エンジン音が静かになった。
そして、図2と図3に示した回路要素を構成する各ダイオードとして、異なる特性を有するダイオードを用いることにより、本発明の電子部品を適用して効果をあげることができる自動車の範囲を広げることができた。
図4は、本発明における電子部品の主要部分である回路要素の例を説明する図で、図1の場合と同様に、最も簡単な回路要素の一例である。図4で、符号150aは本発明による電子部品、151aは第1の部品としてのpn接合を有する半導体素子であるダイオード、152aは第2の部品としてのpn接合を有する半導体素子であるダイオード、154aと155aは電子部品150aを電気回路に接続することができる接続端子、156aは第1の部品151aと第2の部品152aの接続部、159aは回路要素である。
図4の電子部品は、図1の電子部品と等価な電子部品であるともいえるが、第1の部品としてのダイオードと第2の部品としてのダイオードのpn接合の向きが図1の場合と逆向きになっている例である。前記図1の電子部品150に関して説明したこと及びそのバリエーションに関して図2と図3を併用して説明したことが、ダイオードのpn接合の向きの違いとその効果の微妙な違いに関することを除いて、図4の電子部品150aにも基本的に当てはまる。したがって、本発明の以下の説明における各例においては、第1の部品としてのダイオードと第2の部品としてのダイオードのpn接合の向きに関しては、原則として図1の例と同様の例を用いて説明するが、それらの説明は、原則として、図4の例と同様の例を用いた場合にも当てはめることができるものである。
図1の電子部品150と図4の電子部品150aをディーゼル車に用いたところ、両者の場合とも自動車の性能の著しい改善を実現することができたが、電子部品150aを用いた場合に比べて電子部品150を用いた場合の方が一層大幅に自動車の性能を改善することができた。
そして、図1の電子部品150と図4の電子部品150aを各構成要素である部品の条件を適切に選んでガソリンを使用する自動車、いわゆるガソリン車に適用したところ、両者の場合とも自動車の性能の著しい改善を実現することができたが、電子部品150を用いた場合に比べて電子部品150aを用いた場合の方が一層大幅に自動車の性能を改善することができた。
本発明の電子部品は、自動車の電気回路に装着した場合に、電気回路における電子部品の特性を適宜調整して、当該自動車の性能向上状況を最高に近づけることができる。
その調整方法の例として、たとえば図1の回路要素に抵抗を直列に接続する方法、誘導を直列に接続する方法などがあげられる。
本発明の電子部品を自動車の電気回路に接続して自動車の性能を改善する場合、自動車によっても異なるが、電気回路における前記電子部品の構成要素とその接続方法に関して、適切なところがいくつかある。
以下にいくつかの実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明する。
図5は本発明の実施の形態例としての電子部品の回路要素の例を説明する図である。
図5で、符号200は本発明の例としての電子部品、201は電子部品200を構成する半導体のpn接合を有する第1の部品としてのダイオード、202は電子部品200を構成する半導体のpn接合を有する第2の部品としてのダイオード、203は電子部品200を構成する第3の部品、209は電子部品200の主要部分としての回路要素、204と205は電子部品200を自動車の電気回路に接続する時の端子(接続端子)、206は第1の部品と第2の部品の接続部、207は第2の部品と第3の部品の接続部である。
ダイオード201と202は半導体のpn接合を有しており、図5に示したように、電子部品200が電気回路に接続された状態で一方が順方向接続になるように、他方が逆方向接続になるように、接続端子204と205の間に直列に接続されている。
第3の部品はダイオード202と接続端子205の間に接続されている。第3の部品は、後述のように、種々の構成が可能である。
図6は図5の電子部品を構成する第3の部品の例を説明する図で、第3の部品が抵抗からなる例を説明する図であり、固定抵抗231と可変抵抗232で構成されている。符号230は第3の部品、234と235は端子である。
図6のように第3の部品を抵抗で構成することにより、何らかの事情によりダイオード201と202がショート状態になったとしても、電子部品200の接続端子204と205の間がショート状態にならないようにできるのみならず、次のような効果をもたらすことができる。
すなわち、自動車の電気回路は、たとえば端子の目的によって、あるいは配線の位置によって、あるいは自動車のバッテリーの違いによって、あるいはその他の事情によって、本発明の電子部品が接続される電気回路の電気的条件が異なる場合がある。その場合、ダイオードの特性を最適に選択することが望ましい。しかし、ある程度共通性のある特性のダイオードを選定しておき、可変抵抗によって多種類の電気回路に最適な状態で用いることができるなど汎用性に優れた電子部品にすれば、電子部品のコストを下げたり、信頼性を高めたりすることができ、自動車のコストを安くすることができるなど、本発明の電子部品としての高い効果を発揮できるようにすることができる。
電子部品200を、たとえば自動車のシガレットライターと同様のケースに実装し、自動車のシガレットライター用のソケットに装着して自動車の性能を改善する場合、あるいは、たとえば後述のような自動車の電気回路中のエンジン制御回路に組み込んで自動車の性能を改善する場合、
など、固定抵抗231を適切に選んでおき、さらにそれらの各場合に応じて可変抵抗232を当該自動車の性能変化を調べながら最適値と見なされる状態に設定することにより、当該自動車の性能を極めて良好な状態に改善することができる。
また、第3の部品を抵抗で構成する場合、固定抵抗と可変抵抗の代わりに、図6の場合のような効果を発揮させるために、あらかじめ実験によって決めておいた図6の可変抵抗232に相当する抵抗値を固定抵抗231の抵抗値に含めた固定抵抗を用いることができる。この場合、汎用性は可変抵抗の場合よりも低くなるが、部品コストを安くできる上に、可変抵抗の変化による効果の変動や調整ミスなどによる好ましくない問題発生を防ぐことができる。
図7は本発明の実施の形態例としての電子部品の回路要素の例を説明する図である。
図7で、符号210は本発明の例としての電子部品、219は電子部品210の主要部分としての回路要素、214と215は電子部品200を電気回路に接続する時の接続端子、216は第1の部品と第3の部品の接続部、217は第3の部品と第2の部品の接続部である。
ダイオード201と202は図7に示したように、電子部品210が電気回路に接続された状態で一方が順方向接続に、他方が逆方向接続になるように、接続端子214と215の間に直列に接続されている。
図5の例と異なることは、第3の部品203が第1の部品としてのダイオード201と第2の部品としてのダイオード202の間に接続されていることである。接続端子204と205の間にダイオード201および202と直列に接続されている第3の部品は、前述のように、種々の構成が可能である。
図5の例と図7の例は電気回路としては同じものということができるが、第3の部品の配置の仕方が電子部品の小型化などに寄与する場合があり、本発明の一例として示したものである。
図5の例と図7の例において、第1の部品と第2の部品を入れ替えても当然本発明が成り立つものであり、また、第3の部品203は図6を用いて説明した導線あるいは抵抗素子に限定されるものでなく、種々の部品を使用することができるものである。
図5〜図7を用いて説明した前記実施例は、第1の部品としてのダイオードと第2の部品としてのダイオードに、各ダイオードのpn接合の向きが図1における向きと同様のダイオードを用いて説明したが、図5〜図7の各ダイオードに図4における第1の部品としてのダイオードと第2の部品としてのダイオードの各pn接合の向きと同様の当該ダイオードを用いて本発明の電子部品を構成することもできる。
実施例1では、半導体のpn接合を有する第1の部品と第2の部品としてダイオードを用いた例を説明した。実施例2として、トランジスタのpn接合部を第1の部品や第2の部品に用いた
例を説明する。
その一例を示す図8は本発明の電子部品を説明する図で、符号370は半導体集積回路を形成させてある基板、371は自動車制御用の回路の主要部分、373は本発明に使用する電子部品の回路要素の一部である。
自動車制御用の回路の主要部分371には自動車の制御回路の一部が形成されており、回路要素の一部373は自動車制御用の回路の主要部分371と同じ半導体基板に形成されており、基板内における配線を利用することができる。
本発明の実施例2として、図8の例とは異なり、図示しないが、個々につくられているトランジスタのpn接合部を第1の部品や第2の部品に用いて、たとえば図1、図4、図5、図7のような本発明の電子部品を構成することができる。
これらの例のようにすることにより、前記電子部品の設計条件を有利にすることができるなどの効果が加わる。
基礎的な実験として、半導体技術におけるバイポーラ技術を用いて製造された種々のダイオードとトランジスタを用いて本発明の各タイプの電子部品を構成して、多くの種類の自動車に適用したところ、全ての場合において、効果的に自動車の性能を改善することができることがわかった。本発明の電子部品の第1の部品と第2の部品にトランジスタを用いる場合、トランジスタのベースとコレクタを利用することが、熱的に好ましい。
図9は本発明の実施の形態例としての電子部品の回路要素の例を説明する図である。
図9で、符号180は本発明による電子部品、189は電子部品180の主要部分としての回路要素、188aは回路要素189を構成する第1の部品、188bは回路要素189を構成する第2の部品、181a,181b,181cは第1の部品188aを構成するダイオード、182a,182bは第2の部品188bを構成するダイオード、183は直列に接続されている第1の部品188aと第2の部品188bに直列に接続された第3の部品としての抵抗、184と185は電子部品180を電気回路に接続することができる接続端子、186は第1の部品と第2の部品の接続部である。
図9に示したように、第1の部品188aは接続状態を同じにした3個のダイオード181a,181b,181cが並列に接続されて構成されている。第2の部品188bは第1の部品を構成する各ダイオードとは逆の接続状態に配置されている接続状態を同じにした2個のダイオード182a,182bが並列に接続されて構成されている。
すなわち、接続端子184が自動車の電気回路の電源の−極側に、接続端子185が+極側になるように電子部品180を電気回路に接続した場合に、2個のダイオード182a,182bはpn接合のp側が−電位にn側が+電位になる同一の接続状態で並列に、すなわち、逆方向接続状態で並列に接続されて第2の部品188bを構成しており、3個のダイオード181a,181b,181cはpn接合のn側が−電位にp側が+電位になる同一の接続状態で並列に、すなわち、順方向接続状態で並列に接続されて第1の部品188aを構成していることになる。このように、第1の部品188aと第2の部品188bは、それぞれ同一の接続状態すなわち順方向接続状態か逆方向接続状態のいずれか一方の接続状態で並列に接続された複数のダイオードで構成されているとともに、第1の部品188aと第2の部品188bは一方が順方向接続状態に他方が逆方向接続状態に接続された直列接続関係に接続されて回路要素189を構成している。
図9の例で、同じ接続状態で並列に接続されている第1の部品の各ダイオード181a,181b,181cをそれぞれ異なる特性のダイオードにし、同様に、同じ接続状態で並列に接続されている第2の部品の各ダイオード182a,182bもそれぞれ異なる特性のダイオードにして複数種類の自動車に本発明の電子部品180を用いて自動車の性能を比較したところ、いずれの場合も従来自動車における性能を上回る自動車を得ることができた。
第3の部品としての抵抗183の作用は、実施例1において説明した作用効果と同様である。
このように構成された本発明の電子部品180は、前記のように自動車の電気回路に用いた場合、各構成部品を適宜選択することによって、自動車の性能を大きく改善することができるとともに、同一の電子部品を適用できる自動車の範囲を広くすることができる。
なお、図9を用いて説明した前記実施例は、第1の部品としてのダイオードと第2の部品としてのダイオードに、各ダイオードのpn接合の向きが図1における向きと同様のダイオードを用いて説明したが、図9の各ダイオードに、図4における第1の部品としてのダイオードと第2の部品としてのダイオードの各pn接合の向きと同様の各ダイオードを用いて本発明の電子部品を構成して自動車の性能を改善することもできる。
図10は本発明の実施の形態例としての電子部品の回路要素の例を説明する図である。
図10で、符号190は本発明による電子部品、199は電子部品190の主要部分としての回路要素、191は回路要素199を構成する第1の部品としてのダイオード、192は回路要素199を構成する第2の部品としてのダイオード、193は第1の部品としてのダイオード191と第2の部品としてのダイオード192に直列に接続された第3の部品としての抵抗、194は第1の部品としてのダイオード191と第2の部品としてのダイオード192と第3の部品としての抵抗とに直列に接続された第4の部品としての誘導(コイル)、195と196は電子部品190を電気回路に接続することができる接続端子である。
図10に示したように、第1の部品としてのダイオード191と第2の部品としてのダイオード192は一方が順方向接続状態に他方が逆方向接続状態に接続されて回路要素199を構成している。
第3の部品としての抵抗193の作用は、前記実施例で説明した作用効果と同様である。
図10からも明らかなように、本実施例の一つの特徴は、直列に接続されている第1〜第3の部品にさらに第4の部品としてのコイル194を直列に接続したことである。このように構成することによって、本発明の電子部品190を前記のように自動車の電気回路に用いた場合、各構成部品を適宜選択することによって、自動車の性能を大幅に改善することができるとともに、同一の電子部品を適用できる自動車の範囲を広くすることができる。
コイルの誘導の値は、自動車と第1〜3の部品によって最適値が選択でき、一例として、第3の部品193に522kΩの抵抗を、第4の部品194に0.024mH(ミリヘンリー)のコイルを用いたところ、極めて効果的に自動車の性能改善を行うことができた。
図11は本発明の実施の形態例としての電子部品の回路要素の例を説明する図である。
図11で、符号190aは本発明による電子部品、199aは電子部品190aの主要部分としての回路要素、191aは回路要素199aを構成する第1の部品としてのダイオード、192aは回路要素199aを構成する第2の部品としてのダイオード、193aは第1の部品としてのダイオード191aと第2の部品としてのダイオード192aに直列に接続された第3の部品としての抵抗、194aは第1の部品としてのダイオード191aと第2の部品としてのダイオード192aと第3の部品としての抵抗とに直列に接続されている第4の部品としてのコイル、197aは第1の部品としてのダイオード191aには並列接続関係になるように第2の部品としてのダイオード192aには直列接続関係になるように図示の如く接続されて回路要素199aを構成しているコンデンサ、195aと196aは電子部品190aを電気回路に接続することができる接続端子である。
図11に示したように、第1の部品としてのダイオード191aと第2の部品としてのダイオード192aは一方が順方向接続状態に他方が逆方向接続状態に接続されて回路要素199aを構成している。
第3の部品としての抵抗193aの作用は、前記実施例で説明した作用効果と同様である。
図11からも明らかなように、本実施例の一つの特徴は、直列に接続されている第1〜第3の部品にさらに第4の部品としてのコイル194を直列に接続したのに加えて、さらに、直列接続関係にあるとともに一方が順方向接続状態で他方が逆方向接続状態にある第1のダイオードと第2のダイオードの一方とは並列接続関係になり他方とは直列接続関係になるようにコンデンサ197aを接続して回路要素199aを構成したことである。このように構成することによって、本発明の電子部品190aを前記のように自動車の電気回路に用いた場合、各構成部品を適宜選択することによって、自動車の性能を大幅に改善することができるとともに、同一の電子部品を適用できる自動車の範囲を広くすることができる。
コイルの誘導の値は、自動車と第1〜3の部品によって最適値が選択でき、一例として、第3の部品193aに665kΩの抵抗を、第4の部品194aに79.8mHのコイルを用いて電子部品190aを構成し、日産のエルグランド(ガソリン車)、フォルクスワーゲン社のパサート(ガソリン車)、トヨタのライトエース(ディーゼル車)に用いたところ、極めて効果的に自動車の性能改善を行うことができた。
図12は本発明の実施の形態例としての電子部品の基本構成を説明する図である。
図12で、符号300は本発明による電子部品、309は電子部品300の主要部分としての回路要素、301は回路要素309を構成する第1の部品としてのダイオード、302は回路要素309を構成する第2の部品としてのダイオード、303は直列に接続されている第1の部品としてのダイオード301と第2の部品としてのダイオード302に直列に接続された第3の部品としての抵抗、304は直列に接続されている第1の部品としてのダイオード301と第2の部品としてのダイオード302と第3の部品としての抵抗303とに直列に接続された第4の部品、304aは第4の部品304を構成するコイル、304bは第4の部品304を構成するコンデンサ、305と306は電子部品300を電気回路に接続することができる接続端子である。
図12に示したように、第1の部品としてのダイオード301と第2の部品としてのダイオード302は直列に接続されており、一方が順方向接続状態に他方が逆方向接続状態に接続されて回路要素309を構成している。
第3の部品としての抵抗303の作用は、前記実施例で説明した作用効果と同様である。
図12からも明らかなように、本実施例の一つの特徴は、直列に接続されている第1〜第3の部品にさらに第4の部品を直列に接続し、第4の部品304を並列に接続したコイル304aとコンデンサ304bで構成したことである。このように構成することによって、本発明の電子部品300を前記のように自動車の電気回路に用いた場合、各構成部品を適宜選択することによって、自動車の性能を大きく改善することができる。
図13は本発明の実施の形態例としての電子部品の基本構成を説明する図である。
図13で、符号320は本発明による電子部品、329は電子部品320の主要部分としての回路要素、321は回路要素329を構成する第1の部品としてのダイオード、322は回路要素329を構成する第2の部品としてのダイオード、323は直列に接続されている第1の部品としてのダイオード321と第2の部品としてのダイオード322に直列に接続された第3の部品としての抵抗、324は直列に接続されている第1の部品としてのダイオード321と第2の部品としてのダイオード322と第3の部品としての抵抗323とに直列に接続された第4の部品としてのコイル、325はコンデンサ、326と327は電子部品320を電気回路に接続することができる接続端子である。
図13に示したように、第1の部品としてのダイオード321と第2の部品としてのダイオード322は直列に接続されており、一方が順方向接続状態に他方が逆方向接続状態に接続されて回路要素329を構成している。ダイオードはバイポーラ技術を利用して作成されたダイオードを用いた。
第3の部品としての抵抗323の作用は、前記実施例で説明した作用効果と同様である。
図13からも明らかなように、本実施例の一つの特徴は、第1〜第4の部品を直列に接続し、第4の部品であるコイル324とそれに直列に接続されている第2の部品のダイオード322とに並列にコンデンサ325を接続して回路要素329を構成したことである。そして,コンデンサ324は第1の部品であるダイオード321には並列接続ではなく直列接続になっている。
図13の電子部品320の接続端子326と327の間において、第1の部品であるダイオード321と第2の部品であるダイオード322のいずれにも、直流電流を通じることができる抵抗のような部品が並列に接続されていない。これは、本発明の電子部品320に不要な消費電流の増大を招かない利点がある。
前記半導体のpn接合の順方向接続状態と逆方向接続状態のうちの一方の接続状態にした第1の部品であるダイオード321と第2の部品であるダイオード322のうちの一方の部品としてのダイオードと、他方の接続状態にした第1の部品であるダイオード321と第2の部品であるダイオード322のうちの他方の部品としてのダイオードとを直列接続状態にした電子部品320は大きな効果を発揮することができる。
コイル324とコンデンサ325の値は各種自動車に装着して特性を調べて、そのデータを基に決めることができる。種々の誘導値を有するコイルと種々の容量値を有するコンデンサを用いて電子部品320を構成し、それを自動車に装着して前記のような自動車の各種性能を調べ、コイル324とコンデンサ325の値を決めた。
第3の部品である抵抗323は固定抵抗に可変抵抗を直列に接続した図6の場合と同様な構成にし、抵抗値は、本発明の電子部品320を取り付ける自動車に最適な条件になるように、たとえば自動車のエンジン音の変化を調べながら調整して決めることができた。
ダイオードにはバイポーラ技術を利用して作成されたダイオードを用いた。
このように構成することによって、本発明の電子部品320を前記のように自動車の電気回路に用いた場合、各構成部品を適宜選択することによって、自動車の性能を顕著に改善することができた。
図14は本発明の実施の形態例としての電子部品の基本構成を説明する図である。
図14で、符号330は本発明による電子部品、339a,339b,339cは電子部品330の主要部分としての回路要素、331aは回路要素339aを構成する第1の部品としてのダイオード、332aは回路要素339aを構成する第2の部品としてのダイオード、333aは直列に接続されている第1の部品としてのダイオード331aと第2の部品としてのダイオード332aに直列に接続された第3の部品としての抵抗、331bは回路要素339bを構成する第1の部品としてのダイオード、332bは回路要素339bを構成する第2の部品としてのダイオード、333bは直列に接続されている第1の部品としてのダイオード331bと第2の部品としてのダイオード332bに直列に接続された第3の部品としての抵抗、331cは回路要素339cを構成する第1の部品としてのダイオード、332cは回路要素339cを構成する第2の部品としてのダイオード、333cは直列に接続されている第1の部品としてのダイオード331cと第2の部品としてのダイオード332cに直列に接続された第3の部品としての抵抗、340は第5の部品、336と337は電子部品320を電気回路に接続することができる接続端子である。
図14に示したように、電子部品330は並列に接続された3つの回路要素339a,339b,339cを有しており、各回路要素を構成する第1の部品としてのダイオードと第2の部品としてのダイオードは直列に接続されており、一方が順方向接続状態に他方が逆方向接続状態に接続されている。
第5の部品は、並列に接続されている3つの回路要素339a,339b,339cに共通に直列に接続されており、抵抗で構成することができるが、これに限らず、抵抗とコイルあるいは抵抗とコイルとコンデンサを有するように構成することができる。第5の部品は本発明の電子部品の汎用性を高めて、自動車の性能改善を行うために用いることができる。
このように構成することによって、本発明の電子部品330は多くの自動車に使用することができる電子部品として自動車の性能改善に寄与することができる。
図15は本発明の実施の形態例としての電子部品の基本構成を説明する図である。
図15で、符号350は本発明による電子部品、359a,359b,359cは電子部品350の主要部分としての回路要素、351aは回路要素359aを構成する第1の部品としてのダイオード、352aは回路要素359aを構成する第2の部品としてのダイオード、353aは直列に接続されている第1の部品としてのダイオード351aと第2の部品としてのダイオード352aに直列に接続された第3の部品としての抵抗、354aは直列に接続されている第1の部品としてのダイオード351aと第2の部品としてのダイオード352aと第3の部品としての抵抗353aとに直列に接続された第4の部品としてのコイル、355aはコイル354aと第2の部品としてのダイオード352aに並列に接続されているコンデンサ、351bは回路要素359bを構成する第1の部品としてのダイオード、352bは回路要素359bを構成する第2の部品としてのダイオード、353bは直列に接続されている第1の部品としてのダイオード351bと第2の部品としてのダイオード352bに直列に接続され回路要素359bを構成している第3の部品としての抵抗、351cは回路要素359cを構成する第1の部品としてのダイオード、352cは回路要素359cを構成する第2の部品としてのダイオード、353cは直列に接続されている第1の部品としてのダイオード351cと第2の部品としてのダイオード352cに直列に接続されて回路要素359cを構成している第3の部品としての抵抗、354cは直列に接続されている第1の部品としてのダイオード351cと第2の部品としてのダイオード352cと第3の部品としての抵抗353cとに直列に接続されて回路要素359cを構成している第4の部品としてのコイル、360は第5の部品、356と357は電子部品350を電気回路に接続することができる接続端子である。
図15に示したように、電子部品350は並列に接続された3つの回路要素359a,359b,359cを有しており、各回路要素を構成する第1の部品としてのダイオードと第2の部品としてのダイオードは直列に接続されており、一方が順方向接続状態に他方が逆方向接続状態に接続されている。
各回路要素は前記各例で部分的に説明したので重複を避けることにする。
第5の部品は、抵抗で構成することができるが、これに限らず、抵抗とコイルあるいは抵抗とコイルとコンデンサを有するように構成することができる。第5の部品は電子部品の汎用性を高めて、自動車の性能改善を行うために用いることができる。
このように構成することによって、本発明の電子部品350は多くの自動車に使用することができる電子部品として自動車の性能改善に寄与することができる。
本発明の電子部品は、自動車の電気回路に用いる用い方によって種々の形態をとり得るものである。
図16と図17は本発明の電子部品の実施の形態例を説明する図で、図16は自動車のシガレットライターと同様のケースに実装した状態の本発明の電子部品の例を説明する斜視図、図17は図16の電子部品の回路図である。
図16で、符号260は本発明の電子部品、261と262は本発明の電子部品260を自動車の電気回路に接続することができる接続端子、263は本発明の電子部品が自動車の電気回路に接続されているか否かを表示することができる発光ダイオード、264はプラスチック製のケース、265は電子部品260を自動車のシガレットライター用の接続端子に挿入するときの挿入方向を示す矢印、266は抵抗、267はケース264の突起部である。
接続端子261と突起部267はバネ性を有しており、突起部267は、図示の部分と反対側にも設けられている。突起部267は、電子部品260が自動車のシガレットライター用の接続端子に挿入されたときに接続端子261がケース264の挿入部の表面から突出していることにより自動車のシガレットライター用の接続端子から受ける力と同様の力を自動車のシガレットライター用の接続端子から受けるようにそのバネ力が設計されている。
図16の電子部品260は、接続端子261と262の間に少なくとも図17に示した各部品が接続されている。図17において、半導体のpn接合を有する第1の部品201と第2の部品202が、当該電子部品260を自動車の電気回路に接続したときに、一方が順方向接続に、他方が逆方向接続になるように直列に接続されており、第3の部品が第1の部品201および第2の部品202と直列に接続されている。この構成は、本発明の実施例1で図5、図6を用いて説明した構成と同様である。図16の電子部品260は、接続端子261と262の間に、前記第1〜第3の部品の他に、図17に示したように、直列に接続された第1〜第3の部品と並列になるように接続された少なくとも1つの発光ダイオード263及びそれに直列に接続された抵抗266を有している。
このような構成にしたことによって、自動車の運転手が、電子部品260が自動車の電気回路に接続されているか否かを容易に知ることができる。
さらに、図16の電子部品260は、実施例9の他の形態として、接続端子261と262の間に、直列に接続された第1〜第3の部品と並列に、シガレットライターの回路や香をたくなどの香り発生回路を接続して構成した電子部品にすることもできる。
また、図16の電子部品260は、実施例3の他の形態として、接続端子261と262とは別に、シガレットライター、香り発生部品、照明装置、マイナスイオン発生装置など、自動車の電源を利用する他の部品を接続することができる端子やソケットを有するように構成することができる。このようにすることにより、本発明の電子部品をより広い範囲の自動車に装着することができる。
図18は本発明の電子部品の実施の形態例を説明する図で、符号270は本発明の電子部品、277は電子部品の本体部、278は電子部品の差し込み部、279は本体部のケース、280は差し込み部のケース、281は本体部277と差し込み部278を電気的に接続している配線、275と276は本発明の電子部品270を自動車の電気回路に接続することができる接続端子、271はたとえば図13に示した構成の各部品を組み込んだ本発明の電子部品の主要部分、272〜274はそこにシガレットライター、香り発生部品、照明装置、マイナスイオン発生装置など、自動車の電源を利用する他の部品を接続することができるソケットである。
主要部分271の内部には図13に示したのと同様な各部品が図13と同様に接続されており、本発明の電子部品の基本的能力を発揮できるようになっている。
さらに、図18の電子部品270は、ソケット272〜274に必要に応じてシガレットライター、香り発生部品、照明装置、マイナスイオン発生器などを挿入してそれぞれを機能させることができ、本発明の電子部品を自動車に用いることによる従来備わっていた機能を損なうことがないばかりか、さらに新規の機能を追加するなど利便性を高めることができるという効果がある。
次に、前記実施例の説明に加えて、本発明をより明確にするために、以下において、本発明の前記電子部品を自動車の電気回路へ配置することに関して、さらに詳しく説明する。
図19は本発明の実施の形態例として、前記の如き例の電子部品を自動車の電気回路に接続した状態の例を説明する図である。符号250、251は電気回路中の配線、252、253は前記配線に前記電子部品をたとえば半田付けなどにより接続する接続点を示している。
たとえば、前記の如き回路要素を有する本発明の電子部品を、図24の自動車の電気回路中の電位差を有する適切な位置に、たとえば、図19に示すように、電気回路中の電位差を有する2本の配線250と251の間に、接続点252と253で半田付けすることなどにより、自動車の電気回路に組み込んで実施することができる。このように前記電子部品を自動車の電気回路に組み込むことにより、自動車の性能を改善することができる。そして、自動車の電気回路の複数箇所に本発明の電子部品を組み込んで、自動車の性能を著しく改善することができる。
図16を用いて説明したような、自動車の電気回路におけるシガレットライターを接続することができる端子(前記電気回路中の端子)あるいはその近傍の前記電気回路中の配線に本発明における前記電子部品を電気的に接続した自動車と、従来自動車とをつくり、前記の如き自動車の性能を比較したところ、従来自動車に比較して、本発明における前記電子部品を装着した自動車の性能が大幅に向上していることが確認された。
つぎに、前記電子部品の自動車の電気回路への組込箇所について、いくつかの例をあげて説明する。
本発明における前記電子部品は、前記説明の接続方法に狭く限定されるものではない。たとえば、自動車の電気回路の配線中の、エンジン作動制御のために、エンジン点火に関する信号や燃料制御に関する信号を扱う回路の少なくとも一カ所に配置することができ、スイッチやリレーなどのような使用時あるいは不使用時に解放端になるように構成されている端部近傍の配線に配置して自動車の性能を改善することができ、また、自動車の電気回路の電源供給ソケットの両端子間に接続して自動車の性能を改善することができる。
自動車の電気回路には、スピードセンサー、酸素センサー、ノックセンサー、水温センサー、気温センサー、回転数センサーなど種々のセンサーが接続されている。これらのうちの、自動車の電気回路として必要な信号を阻害しないような範囲で、適切な端子近傍あるいはその出力を電気的に処理する回路に前記電子部品を配置して自動車の性能を改善することができる。
また、自動車の電気回路にはシールド線が使用されているところがある。これらのうちの、自動車の電気回路として必要な信号を阻害しないような範囲で、シールドで被われている信号線あるいはその出力を電気的に処理する回路に前記電子部品を配置することもできる。
自動車の電気回路用の半導体集積回路の適切な位置に、本発明の電子部品を構成して、前記半導体集積回路を自動車の電気回路に用いて自動車の性能を改善することができる。
次に、前記実施例の説明に加えて、本発明をより明確にするために、以下において、本発明の前記電子部品を自動車の電気回路へ配置することに関して、さらに詳しく説明する。
近年、テレビジョンやカーナビゲーション装置などの表示画面を有する装置が、自動車の付属品として用いられたり、自動車に付属品や機能部品として備え付けられたりしている自動車が実用化されてきている。
本発明の一実施例として、このような、たとえば、運転席の近傍など自動車の一部に取り付けられている操作パネルやテレビジョンやカーナビゲーション装置などの表示画面のうちの少なくとも一部に、自動車の電気回路における前記電子部品の接続状態や前記各部品の調整状態などのような前記電子部品に関する情報を表示するようにした。これにより、使用者が本発明を実施した自動車の性能に関する情報を適格に知ることができるという大きな効果をもたらした。
そして、前記例の自動車において、運転席の近傍など自動車の一部に取り付けられている操作パネルやテレビジョンやカーナビゲーション装置などの表示画面を介して前記電子部品の自動車の電気回路への接続状態や前記各部品の調整状態を変更することができるようにしたところ、自動車の使用者の要求に応じて、性能を選択的に、あるいは総合的に高めることができた。
そして、前記電子部品の自動車の電気回路への接続状態や前記各部品の調整状態の変更をデジタル処理で行うことができるようにすることによって一層利便性を高めることができる。
なお、デジタル音響装置と称せられる音響設備に前記電子部品を用いる場合は、音質の変化を十分に調べた上で実施することが好ましい。
図20は自動車の表示画面の例を説明する図で、符号380は表示装置、381は液晶表示画面、382はたとえば指でタッチして機能を選択する機能選択部、385は機能選択部382の電子部品選択部が選択されたときに前記電子部品やその回路要素の配線状態が表示される配線状態表示部、384は回路要素等の選択部、383は回路要素の接続選択や回路要素の構成部品の接続選択や値調整を行う調整部である。
図20を用いて電子部品による自動車の性能を調整する場合、たとえば、機能選択部382をタッチして本発明の電子部品調整を選択すると、配線状態表示部385に本発明の電子部品の配線状態と関連データなどが表示される。つぎに回路要素等の選択部384をタッチして、調整部分を選択し、調整部383をタッチして配線状態表示部385のデータの変化や自動車の性能の変化を実際に自動車を動作させるなどして調べ、その結果により、選択部384や調整部383を操作して再調整することを繰り返し、自動車の性能を望ましい状態に向上させることができる。
本発明における電子部品を自動車の電気回路に用いて自動車の性能を改善することができることを、いくつかの例をあげて説明したが、前記文献1を用いて説明した如き第三種の改善におけるヒューズを用いて自動車の性能を改善するとともに、それに加えて本発明の前記電子部品を自動車の電気回路に用いて自動車の性能の変化を調べたところ、前記ヒューズのみを用いた場合に比較して、さらに自動車の性能を改善できることがわかった。
本発明は、本発明の発明者等が文献1とは別に特許出願中の発明である特願2003−403035と特願2003−404070に記載されているヒューズを用いた自動車の性能を改善に加えて本発明の電子部品による自動車に性能改善を実施することにより、一層好ましい自動車の性能改善を行うことができる。
特に好ましいことは、液体窒素を用いた零下150°C以下の極低温環境下に所定時間以上おいてから放置して常温に戻したヒューズを用いた自動車に本発明の前記電子部品を用いて自動車の性能の改善を図ったところ、従来自動車に比較して極めて良好な状態に自動車の性能を改善することができ、前記ヒューズのみを用いた自動車に比較して極めて良好な状態に自動車の性能を改善することができた。さらに、前記ヒューズとしてヒューズの端子に0.2μm以上、より好ましくは0.3μm以上の金メッキを施したものを用いた場合、図23を用いて説明した、車種によって生じる自動車の走行中の振動によるヒューズの発熱問題が解決され、そして本発明による自動車の性能向上効果を一層際だたせることができることが、本発明者等の実験により確認された。
このように、本発明は、自動車の性能を大幅に改善することができる電子部品を安価に提供することができるものであるとともに、それを用いた優れた性能を有する自動車を安価に提供することができるものであることは、以上の説明から容易に理解できるものである。
以上、実施例を参照して本発明の電子部品の実施の形態例を説明したが、本発明は前記実施例に狭く限定されるものではなく、前記本発明の技術思想を利用した多くのバリエーションを可能とするものである。
以上の説明からもわかるように、本発明の利用範囲は自動車産業からそのユーザにおけるまで、広い範囲にわたるものである。
本発明は、従来の方法で量産された自動車の性能を大幅に向上させることを可能にするものであるとともに、性能の優れた自動車を安価に実現することを可能にするものであり、高性能な自動車を安価に得ることを可能とし、自動車を購入して使用するためのコストの大幅な削減、自動車使用による大気汚染の大幅な低減をもたらすことができるなど、その経済的、社会的効果は極めて大きなものであり、自動車産業の発展ならびに自動車を利用する産業の発展に大きく寄与するものであるとともに、自動車による環境汚染を改善する効果をもたらすものである。
本発明における電子部品の回路要素の例を説明する図である。
本発明における電子部品の回路要素の例を説明する図である。
本発明における電子部品の回路要素の例を説明する図である。
本発明における電子部品の回路要素の例を説明する図である。
本発明における電子部品の回路要素の例を説明する図である。
図5の電子部品を構成する第3の部品の例を説明する図である。
本発明における電子部品の回路要素の例を説明する図である。
本発明における電子部品を説明する図である。
本発明における電子部品の回路要素の例を説明する図である。
本発明における電子部品の回路要素の例を説明する図である。
本発明における電子部品の回路要素の例を説明する図である。
本発明の実施の形態例としての電子部品の基本構成を説明する図である。
本発明の実施の形態例としての電子部品の基本構成を説明する図である。
本発明の実施の形態例としての電子部品の基本構成を説明する図である。
本発明の実施の形態例としての電子部品の基本構成を説明する図である。
本発明の電子部品の実施の形態例として、シガレットライターと同様のケースに実装した状態の本発明の電子部品の例を説明する斜視図である。
図16の電子部品の回路図である。
本発明の電子部品の実施の形態例を説明するである。
本発明の電子部品の自動車の電気回路に接続した状態の例を説明する図である。
自動車の表示画面の例を説明する図である。
乗用車に使用されている代表的なヒュ−ズホルダーにおけるヒューズの装着方法を説明する図である。
乗用車に使用されている代表的なヒュ−ズホルダーにおけるヒューズの装着方法を説明する図である。
図22を用いて説明したタイプのヒューズホルダーに装着されて使用されたヒューズの接続端子の状況を説明する図である。
本発明のヒューズを用いた装置の例としての乗用車の電気系統を説明する図である。
符号の説明
3:電池
4a〜4g:ヒューズ
5b〜5g:スイッチ
6:自動車エンジンのスタータ系回路部分
7:燃料制御系回路部分
8:コンピュータ
9:イグニッション系回路部分
10:エアコンコンディショナー系回路部分
11:音響装置
12a〜12d,13a〜13d,14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17d,18〜25:配線
101,102,121,122:ヒューズの接続端子
110,111,130〜133:ヒューズホルダーの電極
121c,122c:ヒューズの接続端子表面
150,150a,160,170,180,190,190a,200,210,260,270,300,320,330,350:電子部品
151,151a,152,152a,161a,161b,161c,162,171a,171b,172a,172b,172c,181a,181b,181c、182a,182b,191,191a、192,192a、201,202,301,302,321,322,331a,331b,331c,332a,332b,332c,351a,351b,351c,352a,352b,352c:ダイオード
151n,152n:pn接合のn側
151p,152p:pn接合のp側
159,159a,169,179,189,199,199a,209,219,309,329,339a,339b,339c,359a,359b,359c,373:回路要素
154,154a,155,155a,164,165,174,175,184,185,195,195a,196,196a,204,205,214,215,261,262,275,276,305,306,326,327,336,337,356,357:接続端子
168a,178a,188a:第1の部品
168b,178b,188b:第2の部品
183,193,193a,303,323,333a,333b,333c,353a,353b,353c:第3の部品としての抵抗
194,194a,304a,324,354a,354c:第4の部品としての誘導(コイル)
197a,325,355a:コンデンサ
203,230:第3の部品
231:固定抵抗
232:可変抵抗
250,251:自動車の電気回路中の配線
252,253:接続点
263:発光ダイオード
264,279,280:ケース
265:矢印
266:抵抗
267:突起部
271:本発明の電子部品の主要部分
272〜274:ソケット
277:本発明の電子部品の本体部
278:本発明の電子部品の差し込み部
281:本体部と差し込み部を電気的に接続している配線
304:第4の部品
304b:第4の部品を構成するコンデンサ
340,360:第5の部品
370:半導体集積回路基板
371:自動車制御用の回路の主要部分
380:表示装置
381:液晶表示画面
382:機能選択部
383:回路要素の調整部
384:回路要素等の選択部
385:配線状態表示部