JP2004014491A - 回路部品とその製造方法およびその部品を含む装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車や音響装置のような電子回路を利用した装置は、高級品といえどもその性能は不十分で、バラツキも大きく、ユーザの要望を満たすには、多くの場合、販売後の改造に頼っていた。したがって、ユーザの金銭的負担が多額になり、しかも多くの場合、ユーザの要望を満たすことができなかった。
【解決手段】従来の加工工程で製造された回路部品を、たとえば、液体窒素などを用いて低温処理する製造方法を用いることによって、あるいは、低温処理を考慮した新しい加工工程に低温処理を組み合わせた製造方法を用いることによって、課題を解決した。この回路部品を用いることにより、たとえば、コストをあまり上げずに自動車の燃費を、たとえば、15%改善し、エンジン音を低くすることができ、また、音質の優れた音響装置、高性能の通信装置などを安価に実現することができた。
【選択図】 図3
【解決手段】従来の加工工程で製造された回路部品を、たとえば、液体窒素などを用いて低温処理する製造方法を用いることによって、あるいは、低温処理を考慮した新しい加工工程に低温処理を組み合わせた製造方法を用いることによって、課題を解決した。この回路部品を用いることにより、たとえば、コストをあまり上げずに自動車の燃費を、たとえば、15%改善し、エンジン音を低くすることができ、また、音質の優れた音響装置、高性能の通信装置などを安価に実現することができた。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は以下において電子回路と称するいわゆる電気回路または電子回路に用いることができる改良された回路部品とその製造方法およびその回路部品を含む装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子回路を利用した装置の発展は著しく、文化的生活には不可欠のものとなっている場合が多い。たとえば、自動車、ステレオやテレビなどの音響装置など、快適な生活のための必需品として広く使われており、その性能の発達には著しいものがある。
【0003】
これらの装置の電子回路には、ヒューズ、配線用の金属線、昇圧回路部品、コンピュータ用部品、点火コイル、点火プラグなど、種々の回路部品が使われており、それらの回路部品には、高性能化、高品質化、低価格化、低消費電力化など、多くの改良が加えられている。
【0004】
自動車や音響装置は広く知られている物であり、したがって図を用いた説明は後述の本発明の実施の形態での説明で行うこととするが、たとえば、ガソリンを燃料に用いる自動車についてみると、燃費はかなり向上し、スタートダッシュもかなりよくなり、エンジン音もある程度静かになるなど、多くの進歩が窺える。また、カーステレオなどの音響装置についても、音質がかなりよくなっている。
【0005】
このような改良の努力によって、現在の自動車はいわゆる大衆商品といえるように多くのユーザに便利に使われており、ユーザの要求に応じて種々の機能、性能、品質のものが低価格品から高価格品まで品揃えされている。
【0006】
その結果、自動車の機能、性能、品質はかなり向上しているが、さらにエンジン音が静かな自動車、さらに燃費の良い自動車、さらにスタートの良い自動車を求めるユーザの声が強く、そのために、エンジン、自動車のボディー、動力伝達系、タイヤなどの部品や装置の改良が続けられている。
【0007】
このような改良の結果として、種々の自動車が開発されている。しかし、まだユーザの要望を満足するには至っておらず、同じ型名の自動車でも、音の静かさ、燃費の良さ、スタートの良さなどのバラツキが大きく、ユーザの満足からほど遠い物が多い。その結果、自動車を購入してからユーザの希望に応じて部品の交換や改良が行われているのが現状である。
【0008】
この事情は、カーステレオなどの音響装置においても同様であり、購入後のユーザの改良に頼るところが大きいところがある。
【0009】
上記のような種々の改良は、主として、自動車のエンジンの新しい機構の開発、自動車の構造の改良、半導体関連の開発、スピーカの改良、コンピュータの改良といったものについて行われているが、ヒューズや配線用金属材料の影響についてはあまり大きな効果はないと思われているところがある。ヒューズについての改良は、コスト面や半導体および光部品の特殊構造体策の改良がわずかに発表されているが、上記のニーズに応える改良は見あたらない。
【0010】
現在、コスト低減のためもあり、ヒューズの製造メーカは少数で、溶融して製造した金属材料を所定の形状に成型加工し、部分的に樹脂で覆う被覆加工などを行って製品にしていた。ヒューズや配線用金属材料の加工においては、成型加工の程度に応じて、それらの融点よりは低い温度であるが常温よりは遙かに高い温度で焼鈍を行うという熱処理が行われることはあっても、常温よりも低い温度による低温熱処理は無意味と考えられていたようである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、自動車や音響装置は、高級品においても、量産が行われており、従来の製造方法ではユーザのニーズに応えることができないのが現状である。
【0012】
たとえば、自動車についていえば、高級品といえども、一つずつ念入りに調整して製造していては、製造コストがあまりにも高くなるのみならず、現在の改良工夫の延長線上では上記ユーザのニーズに応えることができなかった。音響装置についても、程度の差はあるが、同様の問題がある。
【0013】
そのため、従来の自動車や音響装置においては、高級品といわれる製品においても、エンジン音の高さ、燃費、音質などのバラツキはやむを得ないものと思われていた。そして、エンジン音の低下、燃費の低下、音質の向上を図った自動車や音響装置の実現は難しいと思われながらも、少しの望みとしてその実現が強く望まれていた。
【0014】
本発明はこのような点に鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、従来の改良の盲点になっていたヒューズや配線材料の改良をも見直し、たとえばエンジン音の低い、燃費の良い自動車や、音質の良い音響装置などを量産上のバラツキが少なく、安価に実現できるとともに、従来の方法で製造された装置の改良を実現することができる回路部品とその製造方法を提供するとともに、その回路部品を用いて上記ユーザのニーズに応える装置を安価に提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の最大の特徴は、従来は超伝導の研究など低温物理学分野で主として取り扱われてはいたが、ヒューズのような一般の電気配線材料には全く無関係と思われていた液体窒素、液体酸素、液体ヘリウムに代表される低温物質を用いた低温処理を、ヒューズのような一般の回路部品に適用して、外見は従来の回路部品と同様に見えてもその特性は全く新規な回路部品を製造する製造方法およびその方法を用いて製造した回路部品ならびにその部品を用いた新規な装置を安価に提供できるようにしたところにある。
【0016】
本発明の目的を達成するため、本発明の回路部品は、電気的主要部分が金属で形成されており、少なくとも、前記金属で形成された電気的主要部分が、前記回路部品としての形状、または、以下において回路部品材料とも称する前記回路部品としての形状に近い形状の材料に加工されて後、零下70度C以下の所定温度以下の低温に所定時間放置して後常温に戻すという低温処理を施されているところにその特徴があり、前記所定温度を零下120度C以下の低温、たとえば、零下190度C以下や零下260度C以下などの低温にした処理を行い大きな効果を発揮することができるところに特徴がある。
【0017】
そして、本発明の回路部品の例は、前記低温処理が、液体窒素あるいは液体酸素あるいは液体ヘリウムなどを用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理であることにその特徴がある。
【0018】
本発明の回路部品の例は、前記低温処理が、液体窒素または液体酸素または液体ヘリウムなどを用いた低温環境の器に前記回路部品もしくは前記回路部品材料を入れて、前記器内の液体窒素あるいは液体酸素あるいは液体ヘリウムなどが気化して前記器内の温度が0度C以上の温度になるまで放置する処理であることにその特徴がある。
【0019】
本発明の回路部品の例では、前記回路部品を前記所定温度以下、たとえば、零下70度C以下や零下120度C以下の低温に所定時間放置して後常温に戻す処理を、前記所定温度以下の低温環境を有する器内に放置してから前記器内で徐々に器内の温度が上昇して器外の雰囲気にさらしても前記回路部品の品質に支障を生じない温度まで放置する工程と前記器から取り出して放置する工程とで行うことができ、また、前記回路部品を零下70度C以下や零下120度C以下の低温環境を有する器内に放置したまま、たとえば液体窒素などが気化して次第に前記器内の温度が上昇することによって常温にもどすという一つの連続した工程で行うこともできる。
【0020】
本発明の回路部品の例として、ヒューズや配線材など電気的配線部品や電子回路自体に本発明の低温処理を施したものもあり、たとえば自動車用ヒューズや音響装置用ヒューズ、コンピュータ用ヒューズなどにおいて著しい効果を発揮する。そして、本発明の回路部品の例は、上記に限定されず、電気配線材料、リレー、自動車の点火プラグ、点火コイル、コンピュータ用回路部品、通信用部品など多数あげることができる。
【0021】
本発明の回路部品の例は、前記回路部品がいわゆる極性を有すること、すなわち、電子回路における接続の方向によってその効果が異なるという性質を有することを特徴としている。
【0022】
本発明の回路部品の例は、前記回路部品が、前記回路部品の少なくとも一つの端子を電子回路の一部に接続することによって、該電子回路の電気的特性が変化するという性質を有することを特徴としている。
【0023】
本発明の回路部品の製造方法は、前記回路部品がその電気的主要部分が金属で形成されており、前記回路部品の製造工程に、少なくとも、前記回路部品としての形状、または、以下において回路部品材料とも称する前記回路部品としての形状に近い形状の材料に加工された前記金属で形成された電気的主要部分を、零下70度C以下の所定温度の低温に所定時間放置して後常温に戻す低温処理工程が含まれていることにその特徴があり、前記所定温度を零下120度C以下の低温、たとえば、零下190度C以下や零下260度C以下などの低温にした処理を行い大きな効果を発揮することができるものである。そして、この低温処理工程は、前記電気的主要部分に樹脂等で被覆を施すなど、実装後に施すことができる。以下、これらの低温処理を実装後に行うか実装前に行うかは、説明の都合上特に必要な場合を除き、特に区別しないで説明することとする。
【0024】
本発明の回路部品の製造方法の例は、前記低温処理工程が、液体窒素あるいは液体酸素あるいは液体ヘリウムなどを用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理を含む工程であるところにその特徴がある。
【0025】
本発明の回路部品の製造方法の例は、前記低温処理工程が、液体窒素あるいは液体酸素あるいは液体ヘリウムなどを用いた低温環境の器に前記回路部品もしくは回路部品材料を入れて、前記器内の液体窒素または液体酸素または液体ヘリウムが気化して前記器内の温度が0度C以上の温度になるまで放置する処理であることに特徴がある。
【0026】
本発明の回路部品の製造方法の例では、前記回路部品を前記所定温度以下の低温に所定時間放置して後常温に戻す低温処理工程が、前記回路部品を前記所定温度以下の低温環境を有する器内に一定時間放置して前記器内で徐々に器内の温度が上昇して器外の雰囲気にさらしても前記回路部品の品質に支障を生じない温度まで放置する工程と前記工程に続いて前記回路部品を前記器から取り出して放置する工程とで行うことができ、また、前記回路部品を零下70度C以下や零下120度C以下の低温環境を有する器内に放置したまま、たとえば液体窒素などが気化して次第に前記器内の温度が上昇することによって常温にもどすという一つの連続した工程で行うこともできる。
【0027】
本発明の回路部品の製造方法の例は、ヒューズや配線材など電気的配線部品や電子回路自体に適用して大きな効果をあげることができ、たとえば、自動車用ヒューズや音響装置用ヒューズ、コンピュータ用ヒューズなどにおいて著しい効果を発揮する。そして、本発明の回路部品の製造方法を適用することができる例は上記に限定されず、電気配線材料、リレー、自動車の点火プラグ、点火コイル、コンピュータ用回路部品、通信用部品など多数あげることができる。
【0028】
本発明の回路部品を含む装置は、前記回路部品が、その電気的主要部分が金属で形成されており、少なくとも、前記金属で形成された電気的主要部分が、前記回路部品としての形状、または、以下において回路部品材料とも称する前記回路部品としての形状に近い形状の材料に加工されて後、零下70度C以下の所定温度の低温に所定時間放置して再び常温に戻すという低温処理を施されていることを特徴としている。そして、前記所定温度を零下120度C以下の低温、たとえば、零下190度C以下や零下260度C以下などの低温にした処理を行い大きな効果を発揮することができる。
【0029】
本発明の装置の例は、前記低温処理が、液体窒素あるいは液体酸素あるいは液体ヘリウムなどを用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理であることにその特徴がある。
【0030】
本発明の装置の例は、前記低温処理が、液体窒素あるいは液体酸素あるいは液体ヘリウムを用いた低温環境の器に前記回路部品もしくは回路部品材料を入れて、前記器内の液体窒素または液体酸素または液体ヘリウムが気化して前記器内の温度が0度C以上の温度になるまで放置する処理であることにその特徴がある。
【0031】
本発明の装置の例では、前記回路部品の製造に、前記回路部品を前記所定温度以下の低温に所定時間放置して後常温に戻す低温処理工程として、前記回路部品を前記所定温度以下の低温環境を有する器内に一定時間放置して前記器内で徐々に器内の温度が上昇して器外の雰囲気にさらしても前記回路部品の品質に支障を生じない温度まで放置する工程と前記工程に続いて前記回路部品を前記器から取り出して放置する工程とで行う工程とを用いることができ、また、前記回路部品を零下70度C以下や零下120度C以下の低温環境を有する器内に放置したまま、たとえば液体窒素などが気化して次第に前記器内の温度が上昇することによって常温にもどすという工程を用いることもできる。
【0032】
本発明の装置の例として、前記回路部品を用いた自動車、音響用装置、通信装置、コンピュータなどをあげることができる。
【0033】
また、上記の如く種々の特徴を有する本発明の回路部品の製造方法は、従来の製造方法によって製造された回路部品に本発明の低温処理を施すという簡単な方法で、従来の回路部品の特性を著しく改善することができるものであり、それだけでも著しい効果をあげるものであるが、従来の製造工程部分を本発明の特徴である低温処理工程を考慮したものに改良することによって、さらに大きな効果を発揮することができるものである。
【0034】
また、本発明は、上記の各特徴を有する各発明の例を適宜組み合わせることによって、種々のバリエーションを可能にするものである。
【0035】
【発明の実施の形体】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の例について説明する。なお、説明に用いる各図は本発明の例を理解できる程度に各構成成分を概略的に示してある。
【0036】
図1と図2は本発明の実施の形態の特に効果の顕著な例としてのヒューズについて説明する図で、図1はヒューズの外観図で、導電体部分を樹脂で保護した状態の図、図2はヒューズの樹脂で保護する前の導電体部分を上から見た図である。図1と図2で、符号51はヒューズ、52と53は電極、54は後述のヒューズ本体、55はヒューズ本体54と電極52および53の一部を保護するとともにヒューズ51を取扱い易くするために実装してある樹脂製の実装部分である。
【0037】
図1に示したヒューズ51の構造は、従来から良く知られているように、たとえば図2に示すように、電極52と53にヒューズ本体54が接続されており、電極52と53を介してヒューズ本体54に所定の電流値以上の電流が流れると、ヒューズ本体を流れる電流によるヒューズ本体54の発熱によって、ヒューズ本体54の温度がヒューズ本体54を構成する材料の融点以上に上昇し、ヒューズ本体54が溶融してヒューズ本体54の一部に電気的断線が生じるようになっている。
【0038】
ヒューズ51の各構成要素の材質は従来から良く知られており、本発明においても同様の材質を使ったヒューズを使用してヒューズ原型を製造して後、それに後述するような本発明の処理工程を付加して本発明の回路部品の例としてのヒューズを製造することができる。
【0039】
図1に例示したヒューズ51は、たとえば自動車のエンジン駆動回路や音響設備用回路などに使われており、その製造方法は、多くのノウハウ部分を含んでいるが衆知であり、過電流時に回路を確実に切断できること、安く製造できること、小型で扱いやすいことなどに重点が置かれて製造されている。
【0040】
図3は本発明の回路部品の例としてのヒューズを製造する本発明の製造方法を説明する図である。
【0041】
図3において、符号1は従来のヒューズの加工工程、符号2は本発明の製造方法の主要工程である低温処理工程である。従来の加工工程1は、前記の如く衆知のヒューズの製造方法をそのまま使用することもできる工程である。従来の加工工程で製造されたヒューズは、従来から自動車などに広く使われているヒューズを製造することができるものである。
【0042】
符号2は、従来の加工工程によって製造したヒューズに低温処理を施す、本発明の特徴であり、本発明の主要工程である低温処理工程で、従来の加工工程1にこの低温処理工程2を加えることによって本発明の回路部品の例としてのヒューズを製造することができる。
【0043】
図4は、図3で符号2で示した本発明の主要工程である低温処理工程の一例を説明する図である。図4で、符号61は低温処理槽、62は低温処理槽61の蓋部、63は低温処理槽61の箱部、64は蓋部62の蓋、65は挿入部、66は蓋64の係合面、67は箱、68は箱67の係合面、69はワークを入れるワーク処理室である。蓋64と箱67はそれぞれその壁部が、たとえばいわゆる魔法瓶のような二重構造になっており、二重構造の壁部の内部は減圧された密閉空間になっていて、壁部の断熱効果を高めるように形成されている。この壁部の少なくとも一部をステンレスでつくることもできる。また、蓋64と箱67を安価につくる方法として、発泡スチロールのような保冷剤でつくることもでき、手軽に本発明の低温処理を行うようにすることもできる。
【0044】
図4で、図示していないが、ワーク処理室69に所定個数のワークとしてのヒューズと所定量の液体窒素を入れて、箱67の係合面68に蓋64の係合面66が対面するように、そして、蓋64の挿入部65が箱67のワーク処理室69の内部に入るように位置合わせして、箱67に蓋64を被せ、この状態で所定時間放置する。
【0045】
この所定時間放置する放置の仕方は、ワークと液体窒素の量やワークの形状・状態およびワーク処理室の材質、形状、寸法などによって異なる。一例として、ワーク処理室69として、その容積が50cm×50cm×50cm、すなわち、ワーク処理室内の空間が一辺が50cmの立方体と同じ形状寸法のものを用いて、図1に示した形状の乗用車用ヒューズをワーク処理室69の深さ15cmの位置まで入れ、それに液体窒素を深さ17cmの位置まで入れて蓋64をし、20時間放置して常温に戻して、本発明の回路部品の例としてのヒューズを製造した。
【0046】
このようにして製造した本発明の回路部品の例としてのヒューズを、図5に示した乗用車の電気系統のヒューズとして使用したところ、以下に説明するように良好な結果を得た。
【0047】
図5は、本発明の回路部品の例であるヒューズを用いた装置である中級クラスの乗用車の電気系統を説明する図である。
【0048】
図5は、乗用車の電気回路をブロック図で説明するものである。以下、各ブロックの従来知られている部分については詳細な説明を省略し、本発明に関係の深い部分を重点的に説明する。また、図5の配線についても通常の電気回路と同様、概念的に表してある。
【0049】
図5において、符号3は電池、4a〜4gはヒューズ、5b〜5gはスイッチ、6は自動車エンジンのスタータ系回路部分、7は燃料制御系回路部分、8はコンピュータ、9はイグニッション系回路部分、10はエアコンコンディショナー系回路部分、11は音響装置、12a〜12d,13a〜13d,14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17d,18〜25は電気的接続を得るための配線を示す。
【0050】
上記のような図5に示した電気回路を有する中級クラスといわれている乗用車を20台用意して、それぞれ同じ乗用車に本発明のヒューズを用いた場合と従来のヒューズを用いた場合とについて、乗用車のエンジン音の静かさ、スタートの快適さ、乗り心地、燃費、音響装置の音質などの比較評価を行った。
【0051】
その結果、20台全てについて、本発明のヒューズを用いたときの方が従来のヒューズを用いたときよりも、エンジン音は明確に低くなり、スタートの快適さもはっきり良く、スタートが早くなり、乗り心地は快適で音が静かで振動が少なくなり、燃費は約15%向上し、音響装置としてのステレオの音質が明確に良くなるという著しい効果をもたらした。
【0052】
さらに、乗用車の車種として、上記中級クラスの乗用車よりも廉価なものと高価なものをそれぞれ複数台ずつ用意して、本発明のヒューズと従来のヒューズを用いて比較実験を行ったところ、全てについて上記と同様な評価結果を得た。
【0053】
なお、上記各比較実験における本発明のヒューズと従来のヒューズは、すべてそれぞれの対応するヒューズについて、本発明の低温処理の有無を除いて、同一材質同一形状のものを用いており、本発明のヒューズは従来の製造方法で製造されたヒューズに上記本発明の低温処理を行ったものを用いている。
【0054】
また、本発明の回路部品は、上記ヒューズに限定されるものではなく、たとえば、自動車に関してあげれば、リレー、点火プラグ、点火コイル、電気配線材等をあげることができ、それぞれについて上記本発明の低温処理を行って乗用車について比較実験を行ったところ良好な結果を得ることができた。
【0055】
そして、本発明の上記の例では、図4を用いた説明において、本発明の回路部品の製造工程である低温処理工程に液体窒素を用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、液体窒素の代わりに、液体酸素や液体ヘリウムを用いることもでき、種々の方法を用いて零下120度C以下の環境たとえば、零下190度C以下や零下260度C以下などの低温環境をつくり、著しい効果を発揮する本発明の回路部品を製造することができる。また、本発明は零下70度C以下の低温に放置する工程を用いて回路部品を処理しても良い。ドライアイスにアルコールをかけて低温環境をつくり前記自動車用ヒューズに低温処理を施したところ、従来の自動車の諸性能を大幅に向上させることができた。
【0056】
図4を用いて説明した本発明の回路部品の例としてのヒューズを製造する場合、ヒューズを低温処理するときに、ワーク処理室69にヒューズを入れる入れ方として、たとえば、ヒューズを金網に入れてワーク処理室69に入れると温度の伝達が早く、少ない液体窒素で良質のヒューズを得ることができる。また、ヒューズが液体窒素に浸る状態にしてワーク処理室69に入れても良く、ヒューズをたとえば金属製の台に載せてワーク処理室69に入れ、前記台の下に液体窒素を前記ヒューズの位置より下に位置する程度の量だけ入れても良く、ヒューズを袋などに入れてワーク処理室69内におき、その袋の外部に液体窒素を入れても良く、いずれも本発明の効果を発揮することができる。
【0057】
以上説明したように、本発明の回路部品の製造方法は、従来の製造工程を用いて製造された部品に本発明の低温処理を行うことによって、従来の回路部品を改良して、従来では全く期待できなかった良質の回路部品を安価に製造することができるものである。また、本発明の低温処理は、コンピュータなどの装置全体について施すこともでき、自動車のエンジン等の制御に用いているコンピュータや電子回路について行ったところ、大きな効果があることがわかった。
【0058】
しかしながら、本発明は、従来の回路部品の製造工程を本発明の低温処理工程を考慮したものに改良することによって、さらに著しい効果をあげることができるものであることは、上記の説明から明らかなことである。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の回路部品の製造方法は、少なくとも、従来の製造方法で製造された回路部品に本発明の特徴である低温処理を行うだけで上記のような良好な特性を有する回路部品を製造することができるとともに、前記従来の製造工程を本発明の低温処理工程を考慮した製造方法に改良することによって、さらに良い回路部品を製造することができるものである。
【0060】
また、本発明の製造方法による回路部品の製造コストの上昇は小さなものである。
【0061】
そして、本発明の製造方法を用いて製造されたヒューズなどの回路部品は、それを自動車や音響装置に用いたときに、自動車の燃費の著しい低減、エンジン音の低下、乗り心地を害する不快な振動と音の低減、スタートの迅速化等の多大な効果をもたらし、音響装置の音質の著しい向上をもたらすという大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例のヒューズについて説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態の例のヒューズについて説明する図である。
【図3】本発明の回路部品の製造方法を説明する図である。
【図4】本発明の回路部品の製造方法を説明する図である。
【図5】本発明の回路部品を用いた装置の例としての乗用車の電気系統を説明する図である。
【符号の説明】
1:従来のヒューズの加工工程
2:低温処理工程
3:電池
4a〜4g,51:ヒューズ
5b〜5g:スイッチ
6:スタータ系回路部分
7:燃料制御系回路部分
8:コンピュータ
9:イグニッション系回路部分
10:エアコンコンディショナー系回路部分
11:音響装置
12a〜12d,13a〜13d,14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17d,18〜25:電気的接続を得るための配線
52,53:電極
54:ヒューズ本体
55;ヒューズの実装部分
61:低温処理槽
62:低温処理槽61の蓋部
63:低温処理槽61の箱部
64:蓋部62の蓋
65:挿入部
66,68:係合面
67:箱
69:ワーク処理室
【発明の属する技術分野】
本発明は以下において電子回路と称するいわゆる電気回路または電子回路に用いることができる改良された回路部品とその製造方法およびその回路部品を含む装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子回路を利用した装置の発展は著しく、文化的生活には不可欠のものとなっている場合が多い。たとえば、自動車、ステレオやテレビなどの音響装置など、快適な生活のための必需品として広く使われており、その性能の発達には著しいものがある。
【0003】
これらの装置の電子回路には、ヒューズ、配線用の金属線、昇圧回路部品、コンピュータ用部品、点火コイル、点火プラグなど、種々の回路部品が使われており、それらの回路部品には、高性能化、高品質化、低価格化、低消費電力化など、多くの改良が加えられている。
【0004】
自動車や音響装置は広く知られている物であり、したがって図を用いた説明は後述の本発明の実施の形態での説明で行うこととするが、たとえば、ガソリンを燃料に用いる自動車についてみると、燃費はかなり向上し、スタートダッシュもかなりよくなり、エンジン音もある程度静かになるなど、多くの進歩が窺える。また、カーステレオなどの音響装置についても、音質がかなりよくなっている。
【0005】
このような改良の努力によって、現在の自動車はいわゆる大衆商品といえるように多くのユーザに便利に使われており、ユーザの要求に応じて種々の機能、性能、品質のものが低価格品から高価格品まで品揃えされている。
【0006】
その結果、自動車の機能、性能、品質はかなり向上しているが、さらにエンジン音が静かな自動車、さらに燃費の良い自動車、さらにスタートの良い自動車を求めるユーザの声が強く、そのために、エンジン、自動車のボディー、動力伝達系、タイヤなどの部品や装置の改良が続けられている。
【0007】
このような改良の結果として、種々の自動車が開発されている。しかし、まだユーザの要望を満足するには至っておらず、同じ型名の自動車でも、音の静かさ、燃費の良さ、スタートの良さなどのバラツキが大きく、ユーザの満足からほど遠い物が多い。その結果、自動車を購入してからユーザの希望に応じて部品の交換や改良が行われているのが現状である。
【0008】
この事情は、カーステレオなどの音響装置においても同様であり、購入後のユーザの改良に頼るところが大きいところがある。
【0009】
上記のような種々の改良は、主として、自動車のエンジンの新しい機構の開発、自動車の構造の改良、半導体関連の開発、スピーカの改良、コンピュータの改良といったものについて行われているが、ヒューズや配線用金属材料の影響についてはあまり大きな効果はないと思われているところがある。ヒューズについての改良は、コスト面や半導体および光部品の特殊構造体策の改良がわずかに発表されているが、上記のニーズに応える改良は見あたらない。
【0010】
現在、コスト低減のためもあり、ヒューズの製造メーカは少数で、溶融して製造した金属材料を所定の形状に成型加工し、部分的に樹脂で覆う被覆加工などを行って製品にしていた。ヒューズや配線用金属材料の加工においては、成型加工の程度に応じて、それらの融点よりは低い温度であるが常温よりは遙かに高い温度で焼鈍を行うという熱処理が行われることはあっても、常温よりも低い温度による低温熱処理は無意味と考えられていたようである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、自動車や音響装置は、高級品においても、量産が行われており、従来の製造方法ではユーザのニーズに応えることができないのが現状である。
【0012】
たとえば、自動車についていえば、高級品といえども、一つずつ念入りに調整して製造していては、製造コストがあまりにも高くなるのみならず、現在の改良工夫の延長線上では上記ユーザのニーズに応えることができなかった。音響装置についても、程度の差はあるが、同様の問題がある。
【0013】
そのため、従来の自動車や音響装置においては、高級品といわれる製品においても、エンジン音の高さ、燃費、音質などのバラツキはやむを得ないものと思われていた。そして、エンジン音の低下、燃費の低下、音質の向上を図った自動車や音響装置の実現は難しいと思われながらも、少しの望みとしてその実現が強く望まれていた。
【0014】
本発明はこのような点に鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、従来の改良の盲点になっていたヒューズや配線材料の改良をも見直し、たとえばエンジン音の低い、燃費の良い自動車や、音質の良い音響装置などを量産上のバラツキが少なく、安価に実現できるとともに、従来の方法で製造された装置の改良を実現することができる回路部品とその製造方法を提供するとともに、その回路部品を用いて上記ユーザのニーズに応える装置を安価に提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の最大の特徴は、従来は超伝導の研究など低温物理学分野で主として取り扱われてはいたが、ヒューズのような一般の電気配線材料には全く無関係と思われていた液体窒素、液体酸素、液体ヘリウムに代表される低温物質を用いた低温処理を、ヒューズのような一般の回路部品に適用して、外見は従来の回路部品と同様に見えてもその特性は全く新規な回路部品を製造する製造方法およびその方法を用いて製造した回路部品ならびにその部品を用いた新規な装置を安価に提供できるようにしたところにある。
【0016】
本発明の目的を達成するため、本発明の回路部品は、電気的主要部分が金属で形成されており、少なくとも、前記金属で形成された電気的主要部分が、前記回路部品としての形状、または、以下において回路部品材料とも称する前記回路部品としての形状に近い形状の材料に加工されて後、零下70度C以下の所定温度以下の低温に所定時間放置して後常温に戻すという低温処理を施されているところにその特徴があり、前記所定温度を零下120度C以下の低温、たとえば、零下190度C以下や零下260度C以下などの低温にした処理を行い大きな効果を発揮することができるところに特徴がある。
【0017】
そして、本発明の回路部品の例は、前記低温処理が、液体窒素あるいは液体酸素あるいは液体ヘリウムなどを用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理であることにその特徴がある。
【0018】
本発明の回路部品の例は、前記低温処理が、液体窒素または液体酸素または液体ヘリウムなどを用いた低温環境の器に前記回路部品もしくは前記回路部品材料を入れて、前記器内の液体窒素あるいは液体酸素あるいは液体ヘリウムなどが気化して前記器内の温度が0度C以上の温度になるまで放置する処理であることにその特徴がある。
【0019】
本発明の回路部品の例では、前記回路部品を前記所定温度以下、たとえば、零下70度C以下や零下120度C以下の低温に所定時間放置して後常温に戻す処理を、前記所定温度以下の低温環境を有する器内に放置してから前記器内で徐々に器内の温度が上昇して器外の雰囲気にさらしても前記回路部品の品質に支障を生じない温度まで放置する工程と前記器から取り出して放置する工程とで行うことができ、また、前記回路部品を零下70度C以下や零下120度C以下の低温環境を有する器内に放置したまま、たとえば液体窒素などが気化して次第に前記器内の温度が上昇することによって常温にもどすという一つの連続した工程で行うこともできる。
【0020】
本発明の回路部品の例として、ヒューズや配線材など電気的配線部品や電子回路自体に本発明の低温処理を施したものもあり、たとえば自動車用ヒューズや音響装置用ヒューズ、コンピュータ用ヒューズなどにおいて著しい効果を発揮する。そして、本発明の回路部品の例は、上記に限定されず、電気配線材料、リレー、自動車の点火プラグ、点火コイル、コンピュータ用回路部品、通信用部品など多数あげることができる。
【0021】
本発明の回路部品の例は、前記回路部品がいわゆる極性を有すること、すなわち、電子回路における接続の方向によってその効果が異なるという性質を有することを特徴としている。
【0022】
本発明の回路部品の例は、前記回路部品が、前記回路部品の少なくとも一つの端子を電子回路の一部に接続することによって、該電子回路の電気的特性が変化するという性質を有することを特徴としている。
【0023】
本発明の回路部品の製造方法は、前記回路部品がその電気的主要部分が金属で形成されており、前記回路部品の製造工程に、少なくとも、前記回路部品としての形状、または、以下において回路部品材料とも称する前記回路部品としての形状に近い形状の材料に加工された前記金属で形成された電気的主要部分を、零下70度C以下の所定温度の低温に所定時間放置して後常温に戻す低温処理工程が含まれていることにその特徴があり、前記所定温度を零下120度C以下の低温、たとえば、零下190度C以下や零下260度C以下などの低温にした処理を行い大きな効果を発揮することができるものである。そして、この低温処理工程は、前記電気的主要部分に樹脂等で被覆を施すなど、実装後に施すことができる。以下、これらの低温処理を実装後に行うか実装前に行うかは、説明の都合上特に必要な場合を除き、特に区別しないで説明することとする。
【0024】
本発明の回路部品の製造方法の例は、前記低温処理工程が、液体窒素あるいは液体酸素あるいは液体ヘリウムなどを用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理を含む工程であるところにその特徴がある。
【0025】
本発明の回路部品の製造方法の例は、前記低温処理工程が、液体窒素あるいは液体酸素あるいは液体ヘリウムなどを用いた低温環境の器に前記回路部品もしくは回路部品材料を入れて、前記器内の液体窒素または液体酸素または液体ヘリウムが気化して前記器内の温度が0度C以上の温度になるまで放置する処理であることに特徴がある。
【0026】
本発明の回路部品の製造方法の例では、前記回路部品を前記所定温度以下の低温に所定時間放置して後常温に戻す低温処理工程が、前記回路部品を前記所定温度以下の低温環境を有する器内に一定時間放置して前記器内で徐々に器内の温度が上昇して器外の雰囲気にさらしても前記回路部品の品質に支障を生じない温度まで放置する工程と前記工程に続いて前記回路部品を前記器から取り出して放置する工程とで行うことができ、また、前記回路部品を零下70度C以下や零下120度C以下の低温環境を有する器内に放置したまま、たとえば液体窒素などが気化して次第に前記器内の温度が上昇することによって常温にもどすという一つの連続した工程で行うこともできる。
【0027】
本発明の回路部品の製造方法の例は、ヒューズや配線材など電気的配線部品や電子回路自体に適用して大きな効果をあげることができ、たとえば、自動車用ヒューズや音響装置用ヒューズ、コンピュータ用ヒューズなどにおいて著しい効果を発揮する。そして、本発明の回路部品の製造方法を適用することができる例は上記に限定されず、電気配線材料、リレー、自動車の点火プラグ、点火コイル、コンピュータ用回路部品、通信用部品など多数あげることができる。
【0028】
本発明の回路部品を含む装置は、前記回路部品が、その電気的主要部分が金属で形成されており、少なくとも、前記金属で形成された電気的主要部分が、前記回路部品としての形状、または、以下において回路部品材料とも称する前記回路部品としての形状に近い形状の材料に加工されて後、零下70度C以下の所定温度の低温に所定時間放置して再び常温に戻すという低温処理を施されていることを特徴としている。そして、前記所定温度を零下120度C以下の低温、たとえば、零下190度C以下や零下260度C以下などの低温にした処理を行い大きな効果を発揮することができる。
【0029】
本発明の装置の例は、前記低温処理が、液体窒素あるいは液体酸素あるいは液体ヘリウムなどを用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理であることにその特徴がある。
【0030】
本発明の装置の例は、前記低温処理が、液体窒素あるいは液体酸素あるいは液体ヘリウムを用いた低温環境の器に前記回路部品もしくは回路部品材料を入れて、前記器内の液体窒素または液体酸素または液体ヘリウムが気化して前記器内の温度が0度C以上の温度になるまで放置する処理であることにその特徴がある。
【0031】
本発明の装置の例では、前記回路部品の製造に、前記回路部品を前記所定温度以下の低温に所定時間放置して後常温に戻す低温処理工程として、前記回路部品を前記所定温度以下の低温環境を有する器内に一定時間放置して前記器内で徐々に器内の温度が上昇して器外の雰囲気にさらしても前記回路部品の品質に支障を生じない温度まで放置する工程と前記工程に続いて前記回路部品を前記器から取り出して放置する工程とで行う工程とを用いることができ、また、前記回路部品を零下70度C以下や零下120度C以下の低温環境を有する器内に放置したまま、たとえば液体窒素などが気化して次第に前記器内の温度が上昇することによって常温にもどすという工程を用いることもできる。
【0032】
本発明の装置の例として、前記回路部品を用いた自動車、音響用装置、通信装置、コンピュータなどをあげることができる。
【0033】
また、上記の如く種々の特徴を有する本発明の回路部品の製造方法は、従来の製造方法によって製造された回路部品に本発明の低温処理を施すという簡単な方法で、従来の回路部品の特性を著しく改善することができるものであり、それだけでも著しい効果をあげるものであるが、従来の製造工程部分を本発明の特徴である低温処理工程を考慮したものに改良することによって、さらに大きな効果を発揮することができるものである。
【0034】
また、本発明は、上記の各特徴を有する各発明の例を適宜組み合わせることによって、種々のバリエーションを可能にするものである。
【0035】
【発明の実施の形体】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の例について説明する。なお、説明に用いる各図は本発明の例を理解できる程度に各構成成分を概略的に示してある。
【0036】
図1と図2は本発明の実施の形態の特に効果の顕著な例としてのヒューズについて説明する図で、図1はヒューズの外観図で、導電体部分を樹脂で保護した状態の図、図2はヒューズの樹脂で保護する前の導電体部分を上から見た図である。図1と図2で、符号51はヒューズ、52と53は電極、54は後述のヒューズ本体、55はヒューズ本体54と電極52および53の一部を保護するとともにヒューズ51を取扱い易くするために実装してある樹脂製の実装部分である。
【0037】
図1に示したヒューズ51の構造は、従来から良く知られているように、たとえば図2に示すように、電極52と53にヒューズ本体54が接続されており、電極52と53を介してヒューズ本体54に所定の電流値以上の電流が流れると、ヒューズ本体を流れる電流によるヒューズ本体54の発熱によって、ヒューズ本体54の温度がヒューズ本体54を構成する材料の融点以上に上昇し、ヒューズ本体54が溶融してヒューズ本体54の一部に電気的断線が生じるようになっている。
【0038】
ヒューズ51の各構成要素の材質は従来から良く知られており、本発明においても同様の材質を使ったヒューズを使用してヒューズ原型を製造して後、それに後述するような本発明の処理工程を付加して本発明の回路部品の例としてのヒューズを製造することができる。
【0039】
図1に例示したヒューズ51は、たとえば自動車のエンジン駆動回路や音響設備用回路などに使われており、その製造方法は、多くのノウハウ部分を含んでいるが衆知であり、過電流時に回路を確実に切断できること、安く製造できること、小型で扱いやすいことなどに重点が置かれて製造されている。
【0040】
図3は本発明の回路部品の例としてのヒューズを製造する本発明の製造方法を説明する図である。
【0041】
図3において、符号1は従来のヒューズの加工工程、符号2は本発明の製造方法の主要工程である低温処理工程である。従来の加工工程1は、前記の如く衆知のヒューズの製造方法をそのまま使用することもできる工程である。従来の加工工程で製造されたヒューズは、従来から自動車などに広く使われているヒューズを製造することができるものである。
【0042】
符号2は、従来の加工工程によって製造したヒューズに低温処理を施す、本発明の特徴であり、本発明の主要工程である低温処理工程で、従来の加工工程1にこの低温処理工程2を加えることによって本発明の回路部品の例としてのヒューズを製造することができる。
【0043】
図4は、図3で符号2で示した本発明の主要工程である低温処理工程の一例を説明する図である。図4で、符号61は低温処理槽、62は低温処理槽61の蓋部、63は低温処理槽61の箱部、64は蓋部62の蓋、65は挿入部、66は蓋64の係合面、67は箱、68は箱67の係合面、69はワークを入れるワーク処理室である。蓋64と箱67はそれぞれその壁部が、たとえばいわゆる魔法瓶のような二重構造になっており、二重構造の壁部の内部は減圧された密閉空間になっていて、壁部の断熱効果を高めるように形成されている。この壁部の少なくとも一部をステンレスでつくることもできる。また、蓋64と箱67を安価につくる方法として、発泡スチロールのような保冷剤でつくることもでき、手軽に本発明の低温処理を行うようにすることもできる。
【0044】
図4で、図示していないが、ワーク処理室69に所定個数のワークとしてのヒューズと所定量の液体窒素を入れて、箱67の係合面68に蓋64の係合面66が対面するように、そして、蓋64の挿入部65が箱67のワーク処理室69の内部に入るように位置合わせして、箱67に蓋64を被せ、この状態で所定時間放置する。
【0045】
この所定時間放置する放置の仕方は、ワークと液体窒素の量やワークの形状・状態およびワーク処理室の材質、形状、寸法などによって異なる。一例として、ワーク処理室69として、その容積が50cm×50cm×50cm、すなわち、ワーク処理室内の空間が一辺が50cmの立方体と同じ形状寸法のものを用いて、図1に示した形状の乗用車用ヒューズをワーク処理室69の深さ15cmの位置まで入れ、それに液体窒素を深さ17cmの位置まで入れて蓋64をし、20時間放置して常温に戻して、本発明の回路部品の例としてのヒューズを製造した。
【0046】
このようにして製造した本発明の回路部品の例としてのヒューズを、図5に示した乗用車の電気系統のヒューズとして使用したところ、以下に説明するように良好な結果を得た。
【0047】
図5は、本発明の回路部品の例であるヒューズを用いた装置である中級クラスの乗用車の電気系統を説明する図である。
【0048】
図5は、乗用車の電気回路をブロック図で説明するものである。以下、各ブロックの従来知られている部分については詳細な説明を省略し、本発明に関係の深い部分を重点的に説明する。また、図5の配線についても通常の電気回路と同様、概念的に表してある。
【0049】
図5において、符号3は電池、4a〜4gはヒューズ、5b〜5gはスイッチ、6は自動車エンジンのスタータ系回路部分、7は燃料制御系回路部分、8はコンピュータ、9はイグニッション系回路部分、10はエアコンコンディショナー系回路部分、11は音響装置、12a〜12d,13a〜13d,14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17d,18〜25は電気的接続を得るための配線を示す。
【0050】
上記のような図5に示した電気回路を有する中級クラスといわれている乗用車を20台用意して、それぞれ同じ乗用車に本発明のヒューズを用いた場合と従来のヒューズを用いた場合とについて、乗用車のエンジン音の静かさ、スタートの快適さ、乗り心地、燃費、音響装置の音質などの比較評価を行った。
【0051】
その結果、20台全てについて、本発明のヒューズを用いたときの方が従来のヒューズを用いたときよりも、エンジン音は明確に低くなり、スタートの快適さもはっきり良く、スタートが早くなり、乗り心地は快適で音が静かで振動が少なくなり、燃費は約15%向上し、音響装置としてのステレオの音質が明確に良くなるという著しい効果をもたらした。
【0052】
さらに、乗用車の車種として、上記中級クラスの乗用車よりも廉価なものと高価なものをそれぞれ複数台ずつ用意して、本発明のヒューズと従来のヒューズを用いて比較実験を行ったところ、全てについて上記と同様な評価結果を得た。
【0053】
なお、上記各比較実験における本発明のヒューズと従来のヒューズは、すべてそれぞれの対応するヒューズについて、本発明の低温処理の有無を除いて、同一材質同一形状のものを用いており、本発明のヒューズは従来の製造方法で製造されたヒューズに上記本発明の低温処理を行ったものを用いている。
【0054】
また、本発明の回路部品は、上記ヒューズに限定されるものではなく、たとえば、自動車に関してあげれば、リレー、点火プラグ、点火コイル、電気配線材等をあげることができ、それぞれについて上記本発明の低温処理を行って乗用車について比較実験を行ったところ良好な結果を得ることができた。
【0055】
そして、本発明の上記の例では、図4を用いた説明において、本発明の回路部品の製造工程である低温処理工程に液体窒素を用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、液体窒素の代わりに、液体酸素や液体ヘリウムを用いることもでき、種々の方法を用いて零下120度C以下の環境たとえば、零下190度C以下や零下260度C以下などの低温環境をつくり、著しい効果を発揮する本発明の回路部品を製造することができる。また、本発明は零下70度C以下の低温に放置する工程を用いて回路部品を処理しても良い。ドライアイスにアルコールをかけて低温環境をつくり前記自動車用ヒューズに低温処理を施したところ、従来の自動車の諸性能を大幅に向上させることができた。
【0056】
図4を用いて説明した本発明の回路部品の例としてのヒューズを製造する場合、ヒューズを低温処理するときに、ワーク処理室69にヒューズを入れる入れ方として、たとえば、ヒューズを金網に入れてワーク処理室69に入れると温度の伝達が早く、少ない液体窒素で良質のヒューズを得ることができる。また、ヒューズが液体窒素に浸る状態にしてワーク処理室69に入れても良く、ヒューズをたとえば金属製の台に載せてワーク処理室69に入れ、前記台の下に液体窒素を前記ヒューズの位置より下に位置する程度の量だけ入れても良く、ヒューズを袋などに入れてワーク処理室69内におき、その袋の外部に液体窒素を入れても良く、いずれも本発明の効果を発揮することができる。
【0057】
以上説明したように、本発明の回路部品の製造方法は、従来の製造工程を用いて製造された部品に本発明の低温処理を行うことによって、従来の回路部品を改良して、従来では全く期待できなかった良質の回路部品を安価に製造することができるものである。また、本発明の低温処理は、コンピュータなどの装置全体について施すこともでき、自動車のエンジン等の制御に用いているコンピュータや電子回路について行ったところ、大きな効果があることがわかった。
【0058】
しかしながら、本発明は、従来の回路部品の製造工程を本発明の低温処理工程を考慮したものに改良することによって、さらに著しい効果をあげることができるものであることは、上記の説明から明らかなことである。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の回路部品の製造方法は、少なくとも、従来の製造方法で製造された回路部品に本発明の特徴である低温処理を行うだけで上記のような良好な特性を有する回路部品を製造することができるとともに、前記従来の製造工程を本発明の低温処理工程を考慮した製造方法に改良することによって、さらに良い回路部品を製造することができるものである。
【0060】
また、本発明の製造方法による回路部品の製造コストの上昇は小さなものである。
【0061】
そして、本発明の製造方法を用いて製造されたヒューズなどの回路部品は、それを自動車や音響装置に用いたときに、自動車の燃費の著しい低減、エンジン音の低下、乗り心地を害する不快な振動と音の低減、スタートの迅速化等の多大な効果をもたらし、音響装置の音質の著しい向上をもたらすという大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例のヒューズについて説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態の例のヒューズについて説明する図である。
【図3】本発明の回路部品の製造方法を説明する図である。
【図4】本発明の回路部品の製造方法を説明する図である。
【図5】本発明の回路部品を用いた装置の例としての乗用車の電気系統を説明する図である。
【符号の説明】
1:従来のヒューズの加工工程
2:低温処理工程
3:電池
4a〜4g,51:ヒューズ
5b〜5g:スイッチ
6:スタータ系回路部分
7:燃料制御系回路部分
8:コンピュータ
9:イグニッション系回路部分
10:エアコンコンディショナー系回路部分
11:音響装置
12a〜12d,13a〜13d,14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d,17a〜17d,18〜25:電気的接続を得るための配線
52,53:電極
54:ヒューズ本体
55;ヒューズの実装部分
61:低温処理槽
62:低温処理槽61の蓋部
63:低温処理槽61の箱部
64:蓋部62の蓋
65:挿入部
66,68:係合面
67:箱
69:ワーク処理室
Claims (46)
- 以下において電子回路と称するいわゆる電気回路または電子回路に用いることができる回路部品であって、電気的主要部分が金属で形成されており、少なくとも、前記金属で形成された電気的主要部分が、前記回路部品としての形状、または、以下において回路部品材料とも称する前記回路部品としての形状に近い形状の材料に加工されて後、零下70度C以下の所定温度以下の低温に所定時間放置して後常温に戻すという低温処理を施されていることを特徴とする回路部品。
- 請求項1に記載の回路部品において、前記所定温度が零下120度C以下の低温であることを特徴とする回路部品。
- 請求項1または2に記載の回路部品において、前記低温処理が、液体窒素を用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理であることを特徴とする回路部品。
- 請求項1または2に記載の回路部品において、前記低温処理が、液体酸素を用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理であることを特徴とする回路部品。
- 請求項1または2に記載の回路部品において、前記低温処理が、液体ヘリウムを用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理であることを特徴とする回路部品。
- 請求項3〜5のいずれか1項に記載の回路部品において、前記低温処理が、液体窒素または液体酸素または液体ヘリウムを用いた低温環境の器に前記回路部品もしくは回路部品材料を入れて、前記器内の液体窒素または液体酸素または液体ヘリウムが気化して前記器内の温度が0度C以上の温度になるまで放置する処理であることを特徴とする回路部品。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の回路部品において、前記回路部品がヒューズであることを特徴とする回路部品。
- 請求項7に記載の回路部品において、前記ヒューズが自動車用ヒューズであることを特徴とする回路部品。
- 請求項7に記載の回路部品において、前記ヒューズが音響装置用ヒューズであることを特徴とする回路部品。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の回路部品において、前記回路部品が電子回路の配線部材であることを特徴とする回路部品。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の回路部品において、前記回路部品が電子回路であることを特徴とする回路部品。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の回路部品において、前記回路部品がいわゆる極性を有すること、すなわち、電子回路における接続の方向によってその効果が異なるという性質を有することを特徴とする回路部品。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の回路部品において、前記回路部品が、前記回路部品の少なくとも一つの端子を電子回路の一部に接続することによって、該電子回路の電気的特性が変化するという性質を有することを特徴とする回路部品。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の回路部品において、前記所定温度以下の低温に所定時間放置して後常温に戻す処理が、前記所定温度以下の低温環境を有する器内に放置してから前記器内で徐々に器内の温度が上昇して器外の雰囲気にさらしても前記回路部品の品質に支障を生じない温度まで放置する工程と前記器から取り出して放置する工程とからなることを特徴とする回路部品。
- 以下において電子回路と称するいわゆる電気回路または電子回路に用いることができる回路部品の製造方法であって、前記回路部品はその電気的主要部分が金属で形成されており、回路部品の製造工程には、前記回路部品としての形状、または、以下において回路部品材料とも称する前記回路部品としての形状に近い形状の材料に加工された前記金属で形成された電気的主要部分を、零下70度C以下の所定温度以下の低温に所定時間放置して後常温に戻す低温処理工程が含まれていることを特徴とする回路部品の製造方法。
- 請求項15に記載の回路部品の製造方法において、前記所定温度が零下120度C以下の低温であることを特徴とする回路部品の製造方法。
- 請求項15または16に記載の回路部品の製造方法において、前記低温処理工程が、液体窒素を用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理を含む工程であることを特徴とする回路部品の製造方法。
- 請求項15または16に記載の回路部品の製造方法において、前記低温処理工程が、液体酸素を用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理を含む工程であることを特徴とする回路部品の製造方法。
- 請求項15または16に記載の回路部品の製造方法において、前記低温処理工程が、液体ヘリウムを用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理を含む工程であることを特徴とする回路部品の製造方法。
- 請求項15〜19のいずれか1項に記載の回路部品の製造方法において、前記低温処理工程が、液体窒素または液体酸素または液体ヘリウムを用いた低温環境の器に前記回路部品もしくは回路部品材料を入れて、前記器内の液体窒素または液体酸素または液体ヘリウムが気化して前記器内の温度が0度C以上の温度になるまで放置する処理であることを特徴とする回路部品の製造方法。
- 請求項15〜20のいずれか1項に記載の回路部品の製造方法において、前記回路部品がヒューズであることを特徴とする回路部品の製造方法。
- 請求項21に記載の回路部品の製造方法において、前記ヒューズが自動車用ヒューズであることを特徴とする回路部品の製造方法。
- 請求項21に記載の回路部品の製造方法において、前記ヒューズが音響装置用ヒューズであることを特徴とする回路部品の製造方法。
- 請求項15〜20のいずれか1項に記載の回路部品の製造方法において、前記回路部品が電子回路の配線部材であることを特徴とする回路部品の製造方法。
- 請求項15〜20のいずれか1項に記載の回路部品の製造方法において、前記回路部品が電子回路であることを特徴とする回路部品の製造方法。
- 請求項15〜25のいずれか1項に記載の回路部品の製造方法において、前記所定温度以下の低温に所定時間放置して後常温に戻す処理が、前記所定温度以下の低温環境を有する器内に放置する工程と前記器から取り出して放置する工程とからなることを特徴とする回路部品の製造方法。
- 請求項15〜26のいずれか1項に記載の回路部品の製造方法において、前記回路部品がいわゆる極性を有すること、すなわち、電子回路における接続の方向によってその効果が異なるという性質を有することを特徴とする回路部品の製造方法。
- 請求項15〜27のいずれか1項に記載の回路部品の製造方法において、前記回路部品が、前記回路部品の少なくとも一つの端子を電子回路の一部に接続することによって、該電子回路の電気的特性が変化するという性質を有することを特徴とする回路部品の製造方法。
- 請求項15〜28のいずれか1項に記載の回路部品の製造方法において、前記所定温度以下の低温に所定時間放置して後常温に戻す低温処理工程が、前記所定温度以下の低温環境を有する器内に放置してから前記器内で徐々に器内の温度が上昇して器外の雰囲気にさらしても前記回路部品の品質に支障を生じない温度まで放置する工程と前記器から取り出して放置する工程とからなることを特徴とする回路部品の製造方法。
- 以下において電子回路と称するいわゆる電気回路または電子回路に用いることができる回路部品を含む装置であって、少なくとも、前記回路部品が、その電気的主要部分が金属で形成されており、前記金属で形成された電気的主要部分が、前記回路部品としての形状、または、以下において回路部品材料とも称する前記回路部品としての形状に近い形状の材料に加工されて後、零下70度C以下の所定温度以下の低温に所定時間放置して再び常温に戻すという低温処理を施されていることを特徴とする装置。
- 請求項30に記載の装置において、前記所定温度が零下120度C以下の低温であることを特徴とする装置。
- 請求項30または31に記載の装置において、前記低温処理が、液体窒素を用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理であることを特徴とする装置。
- 請求項30または31に記載の装置において、前記低温処理が、液体酸素を用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理であることを特徴とする装置。
- 請求項30または31に記載の装置において、前記低温処理が、液体ヘリウムを用いた低温環境に前記回路部品もしくは回路部品材料を所定時間放置する処理であることを特徴とする装置。
- 請求項30〜33のいずれか1項に記載の装置において、前記低温処理が、液体窒素または液体酸素または液体ヘリウムを用いた低温環境の器に前記回路部品もしくは回路部品材料を入れて、前記器内の液体窒素または液体酸素または液体ヘリウムが気化して前記器内の温度が0度C以上の温度になるまで放置する処理であることを特徴とする装置。
- 請求項30〜34のいずれか1項に記載の装置において、前記回路部品がいわゆる極性を有すること、すなわち、電子回路における接続の方向によってその効果が異なるという性質を有する回路部品であることを特徴とする装置。
- 請求項30〜35のいずれか1項に記載の装置において、前記回路部品が、前記回路部品の少なくとも一つの端子を電子回路の一部に接続することによって、該電子回路の電気的特性が変化するという性質を有する回路部品であることを特徴とする装置。
- 請求項30〜36のいずれか1項に記載の装置において、前記回路部品がヒューズであることを特徴とする装置。
- 請求項30〜36のいずれか1項に記載の装置において、前記回路部品が電子回路の配線部材であることを特徴とする装置。
- 請求項30〜36のいずれか1項に記載の装置において、前記回路部品が電子回路であることを特徴とする装置。
- 請求項30〜39のいずれか1項に記載の装置において、前記所定温度以下の低温に所定時間放置して後常温に戻す処理が、前記所定温度以下の低温環境を有する器内に放置する工程と前記器から取り出して放置する工程とからなることを特徴とする装置。
- 請求項30〜40のいずれか1項に記載の装置において、前記装置が自動車であることを特徴とする装置。
- 請求項30〜40のいずれか1項に記載の装置において、前記装置が音響用装置であることを特徴とする装置。
- 請求項30〜40のいずれか1項に記載の装置において、前記装置がコンピュータであることを特徴とする装置。
- 請求項30〜40のいずれか1項に記載の装置において、前記装置が通信装置であることを特徴とする装置。
- 請求項30〜44のいずれか1項に記載の装置において、前記所定温度以下の低温に所定時間放置して再び常温に戻す処理が、前記所定温度以下の低温環境を有する器内に放置してから前記器内で徐々に器内の温度が上昇して器外の雰囲気にさらしても前記回路部品の品質に支障を生じない温度まで放置する工程と前記器から取り出して放置する工程とからなることを特徴とする装置。
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