JP2005270958A - 調湿材とその調湿方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 調湿シート1の粒子状調湿材10として、ポリアクリル酸ナトリウム(PA)100からなる主鎖が架橋部分101により架橋されてなる3次元構造体骨格50の空洞11内部に、ポリビニルアルコール(PVA)120が導入された構成(PA/PVA構成)とする。
【選択図】図1
Description
吸湿材は、シリカゲルやゼオライトに代表される無機系材料や木炭等の材料を利用して製造されることが多く、当該材料を容器に収納して、例えば加工食品や磁気テープ、木造建築資材を低湿度の雰囲気下で安定して保存するために利用されている。また、近年では紙おむつおよび生理用品に用いられる吸湿材として、吸水性高分子を利用した吸湿材が拡大傾向にある。
また、例えば水滴を直接被るなどのケースで比較的大量の水と接触した場合、従来の吸湿材は急速に吸湿効果を失う性質があるので、環境の変化にある程度対応できるように改善が求められている。
本発明は以上の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、比較的安価でありながら、優れた吸水機能及び排水機能の基に良好な調湿が行えるとともに、使用後も再利用が可能な調湿材と、その調湿方法を提供することにある。
具体的には、前記吸水性高分子は、ポリアクリル酸塩或いはポリアクリル酸塩ーポリビニルアルコール共重合体を含んでなるものとすることができる。
また、前記水溶性高分子は、ポリビニルアルコールまたはポリイソプロピルアクリルアミドの少なくともいずれかとすることができる。
或いは本発明は、吸水性高分子からなる3次構造体骨格に対し、ポリビニルアルコールからなる水溶性高分子が当該骨格内部に導入された構成を備える調湿材の調湿方法であって、前記調湿材に吸水させる吸水ステップと、前記吸水ステップ後に、前記骨格中に侵入した水分により前記水溶性高分子を膨潤させ、骨格中の水分を当該骨格の外部へ排水調節する排水ステップとを経るものとした。
このように本発明は、調湿材として吸水高分子を用い、当該分子の3次構造中に存在する空洞に水溶性高分子(ポリビニルアルコール或いはポリイソプロピルアクリルアミド)を導入した構成とすることで、可逆的な吸水および排水機構を実現したものである。当該調湿材は、乾燥状態では吸湿材、吸水状態では保湿材として、それぞれ良好に調湿させることができるので、従来のように吸湿材および保湿剤を併用して利用しなくてもよい。また、吸水後に適宜排水処理を繰り返し行うことによって再利用が可能であるため、コスト低減を実現できるほか、従来では使用が困難な多湿環境においても良好に使用することができる。
図1は、本発明の実施の形態1である調湿シート1の構成を示す図である。図1(a)は外観図、図1(b)はX-X'断面図をそれぞれ示す。
調湿シート1は、長方形状の2枚の外装シート部2(2a、2b)の間に、粒子状調湿材10を充填し、前記外装シート部2a、2bの周囲を封止した構成を有する。当該調湿シート1のサイズは、一例として10cm×6cm×1mmである。
1-2.調湿材の構造について
図2は、粒子状調湿材10の模式的な分子構造を示す図である。
但し、この「サイコロ状」とは3次元構造体骨格50の理想的な構造部分を言うものであって、実際は架橋部分101の位置のばらつきが存在するので、多少その格子構造が変化している箇所も含まれている。
一方、PVA120は高い水溶性を備えるとともに、水溶液中では前記PA100ほどではないが、吸水性も兼ね備え、水を取り込んで膨潤する性質を有している。当該PVA120はポリビニルアルコール単量体が100分子にわたり重合してなるものであって、直線状或いは曲線状のコンフォメーションを保ちながら、PA100からなる3次元構造体骨格50の格子110に絡みつくように保持されている。そして、空洞11中に取り込まれる水分と接触して、当該水分を比較的小さな水塊に分割することで、水塊の表面張力を低減し、排水効果を促す役目をなす。
このようなPA100とPVA120は、広く市販されている材料であって、そのため比較的安価に本発明を実現することが可能である。
また、本発明の水溶性高分子としては、PVA120あるいは後述のP-NIPAM130のいずれかに限定するものではなく、これらPVA120およびP-NIPAM130が互いに10%以上100%未満の間で混合したものを用いてもよい。また、水溶性を呈する高分子であれば、その他の組成でも利用可能である。
<製造方法例>
A.市販されているPA100(例えば日本触媒株式会社製「アクアリックDLシリーズ」)を利用し、1%架橋反応を行うことによりPA100の3次元構造体骨格50を形成する。或いは、市販されている1%架橋反応済みのPA100(例えば日本純薬株式会社製「レオジック250H、252L)を利用することもできる。
B.前記PA100の3次元構造体骨格50を含む水溶液を作製し、これに分子量約4400のPVA(ビニルアルコール分子約100量体に相当)120を溶解させる。ここで上記分子量に設定することで、格子110幅20nmの空洞11内部に良好にPVA120を導入可能なことが発明者らの実験により明らかにされている。本発明に好適なPVAの分子量範囲は500以上20000以下である。
D.前記PA100およびPVA120を含む水溶液から水分を除去し、乾燥して粉末を得る。当該粉末をある程度のサイズを持つ粒子状(顆粒状)に押し固めて加工することにより、粒子状調湿材10を得る。
1-3.調湿材の調湿方法とその効果について
以上の構成を有する粒子状調湿材10を利用した調湿シート1によれば、使用時においてユーザが当該調湿シート1を湿潤雰囲気内(例えば乾燥雰囲気の維持が臨まれる穀物倉庫室内)に設置する。設置時には配置場所や除湿程度に合わせて当該シート1の個数を調節する。
ここで図3は、吸水時におけるサイコロ状態の粒子状調湿材10の模式的構造を示す図である。当図に示すように、水蒸気は空洞11内にいったん吸い込まれ、水蒸気同士が互いに結合して液体水となる。以下に示す排水が行われるまでは、粒子状調湿材10は吸水状態にあって、結果的に調湿シート1が保水効果を呈するようになっている。
<別の排水調節方法について>
上記例では、PVA120による小さな水塊200の分割効果を利用した排水調節方法を示したが、これ以外にも排水調節方法が存在する。以下、塩化ナトリウムを利用した塩水処理による排水調節方法を説明する。
上記粒子状調湿材10の構成において、水溶性高分子にPVA120を用いる例を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、他の種類の水溶性高分子として、ポリイソプロピルアクリルアミド(P-NIPAM)を用いてもよい。
ここで図5は、P-NIPAM130を利用した粒子状調湿材10の模式的な構造を示す図である。3次元構造骨格はPA100で構成されているが、その内部の空洞11にP-NIPAM130分子(一例として分子量約12000)が導入され、当該骨格に絡みつくように配置されている。当該導入量は、前記PVA120と同様に、水を含まない粒子状調湿材10に対して1質量%以上質量30%以下となる範囲が望ましい。
また、P-NIPAM130に対して置換基の変換、もしくは他のビニル系高分子との共重合を行い、分子構造を部分的に変化させることにより、当該排水機能を呈する温度範囲を微調節することができる。
1-5.実施例と性能測定実験
従来から用いられている吸水性高分子のポリアクリル酸ナトリウムは、それ自体は優れた吸水性・保湿性を有するが、一方で排水性に乏しい性質を持つ。これに対し、本発明は、前記ポリアクリル酸ナトリウムからなる骨格にポリビニルアルコールを導入することで、前記排水性を向上させたものである。
材料としては以下のものを用いた。
*水 水道水(京田辺市水道水)
なお、当該水はいわゆる硬水ではなく、ナトリウム以外のアルカリ金属、アルカリ土類金属等を実質的に含まない水の例として挙げたものである。
*粉末状PVA;和光純薬社製、詳細は以下の通り
サンプル1(PKK7651);平均重合度500
サンプル2(PKP0052);平均重合度1500
サンプル3(PKE1780);平均重合度2000
サンプル4(ASH2008);平均重合度500(完全鹸化400−600)
サンプル5(ASH2009);平均重合度1000(完全鹸化900−1100)
サンプル6(ASM7302);平均重合度1000(部分鹸化900−1100)
サンプル7(ASL1312);平均重合度3500(部分鹸化3100−3900)
1-5-1.PVAの水溶解度について
PVAの水溶解度について以下のように調査した。
なお、加熱処理を行う場合は加熱温度を80℃程度に設定した。
<結果>
*サンプル1の場合、PVA1.0gが水10mLに加熱条件で良好に溶ける。
*サンプル3の場合、PVA0.11gが水5mLに加熱条件で溶ける。
*サンプル4の場合、PVA0.10gが水5mLに室温で溶ける。
*サンプル5の場合、PVA0.10gが水10mLに加熱条件で溶ける。
*サンプル6の場合、PVA0.10gが水10mLに加熱条件で溶ける。
この実験から、各サンプルのPVA1gの溶解に必要な吸水量は以下の通り算出された。
*サンプル1;10mL
*サンプル2;35.71mL
*サンプル3;45.45mL
*サンプル4:50mL
*サンプル5;100mL
*サンプル6;100mL
*サンプル7;100mL
1-5-2.PAの吸水量について
上記吸水高分子(PA)の吸水量について以下のように調査した結果、以下の知見が得られた。
*試料0.21gに水20mLを加えると、流動性のないゲル状となった。
以上の実験から、PAの吸水量は、自重の500〜1000倍が上限であると考えられる。
1-5-3.PAの排水効果について
次に、上記吸水高分子(PA)の塩化ナトリウムによる排水効果について以下のように調べた。
まず、試料0.21gに水20mLを加えてなる含水ゲルを作製した。
しかし、この段階では変化は見られなかった。
さらに塩化ナトリウム1.02gを添加すると、流動性が呈され、脱水効果が見られるようになった。
以上のことから、PA1g当たり100mLの水を吸水させた場合、これに塩化ナトリウムを1.13g添加すれば脱水処理できることが明らかになった。
一方、容器に入れた試料0.20gに水100mLを加えて含水ゲルを作製した。
このことから、PA1g当たり水500mLを加えて含水ゲルを形成した場合、塩化ナトリウムを0.52g添加すれば脱水が可能となり、濾過が容易になることが明らかになった。
1-5-4,保水性能測定について(第一の実験)
次に、本発明の調湿シート(PA/PVA)の保水性について、5種類のサンプルA〜Eを作製し、気温18℃から22℃の環境で以下の第一の実験を行った。
サンプルA;(PA0.1g+PVA無添加+水100mL)
サンプルB;(PA0.1g+サンプル1のPVA0.1g+水100mL)
サンプルC;(PA0.1g+サンプル1のPVA0.05g+水100mL)
サンプルD;(PA0.1g+サンプル6のPVA0.1g+水100mL)
サンプルE;(PA0.1g+サンプル7のPVA0.1g+水100mL)
これらのサンプルA〜Eのそれぞれを濾過し、濾過直後からの重量変化を約7日半にわたり経時的に調べた。
表1、2に示されるように、PVA無添加のサンプルAに対し、PVAを添加したサンプルB−Eはほぼ同様の吸水性を呈することが分かった。また、吸水後の経時的な重量変化についても、少なくとも吸水後183時間以内は全てのサンプルにわたり同等の性能が見られた。
1-5-5.保水性能測定について(第二の実験)
続いて、実施例の調湿シート(PA/PVA)において、PAに対して比較的大量のPVAを添加し、そのときの調湿シートの挙動を調べるべく、第二の実験を行った。
一方、比較例Yとして(PA0.3g、PVA無添加)に対し、水200mLを混合した。
その後それぞれを濾過し、その後の経時的な重量変化について調べた。
上記実施例Xでは、前記サンプルA−Eに比べてPA量が3倍、PVA量が約200倍であるが、これに対して吸水量の倍増効果はあまり得られていない。したがって、PAとPVAの使用比率を適切にコントロールしなければ、PAの3次元構造骨格中に水が十分保持されない恐れがあると推測される。
1-5-6.脱水効果測定について
次に、実施例xとして(PA0.15g、サンプル1のPVA10g)に対し、水100mLを混合した。
そしてx、y作製後6時間経過後に、x、yそれぞれに塩化ナトリウム2.5gを添加した。これを濾過し、その後の重量変化について調べた。実験時の気温は18〜23℃であった。
次に、上記吸水後の実施例x、比較例yを35時間、一週間、一ヶ月間掛けてそれぞれ乾燥させた。
この結果について以下に示す。
まず表7の結果から、実施例xでは吸水後35時間経過すると、再び吸水可能な状態となる。比較例yではPVA無添加であるため、与えられた一定量の水を短時間で全部吸水してしまうが、実施例xではPVAが次第に膨潤するのですぐには吸水されず、経時的な吸水作用が維持される。
表8、9では、いったん吸水した後でも一週間以上の時間が経過すれば、吸水作用に関しては実施例x、比較例yともに当初のレベル近くまで回復することが伺える。その後の吸水速度は、実施例xがやや遅くなるものの、実際の使用方法によっては差し支えないものと推測される。
1-5-7.調湿剤の脱水性について
次に、実施例の調湿材(PA/PVA)の脱水性について、前回の実施例xよりPVA量を減らして5種類のサンプルA〜Eを作製し、気温18℃から22℃の環境で以下の第一の実験を行った。
サンプルa;(PA0.1g+PVA無添加+水20mL)
サンプルb;(PA0.1g+サンプル2のPVA1.0g+水20mL)
サンプルc;(PA0.1g+サンプル4のPVA1.0g+水20mL)
サンプルc’;(PA0.1g+サンプル4のPVA1.0g+水20mL)
サンプルd;(PA0.1g+サンプル6のPVA1.0g+水20mL)
サンプルe;(PA0.1g+サンプル7のPVA1.0g+水20mL)
これらの各サンプルのそれぞれを3時間静置し、その後塩化ナトリウム1.0gを添加した。その後濾過し、当該濾過処理直後からの重量変化を経時的に調べた。
続いて、上記吸水・塩化ナトリウム添加させたサンプルa−eを35時間乾燥させた後、再び吸水させた。この時の吸水量と、吸水量の経時変化を調べた。
1.比較的小さい分子量のPVA1gを水10mLに溶解させる。このとき、必要なら加熱する。
この段階で、PAの骨格内にPVAが導入される。
3.さらに塩化ナトリウム1.0gを添加し、良く攪拌する。
4.溶液を濾過し、吸水したPA/PVAを取り出す。
5.1日乾燥させる。
以上で本発明の調湿材が作製される。
[実施の形態2]
また、ここでは作業用上着300(衣類品)に対して調湿シート1を用いる例を示したが、帽子やヘルメットの内側に当該調湿シート1や粒子状調湿材10を配設するようにしても、蒸れを低減して快適な着用が可能となるので望ましい。
[実施の形態3]
また、苗451が多湿条件を嫌う性質の場合には、苗ポット400を予め乾燥状態にしておき、吸水性を維持できるようにしておけば(顆粒状調湿材402がPA/PVAの場合にはPVAの添加量を増加しておく。また顆粒状調湿材402がPA/P-NIPAMの場合には、環境条件下で排水性が容易となるように置換基の調整によりP-NIPAMの分子構成を変えておく)、苗451を多湿環境から保護することが可能である。
[実施の形態4]
[実施の形態5]
当該調湿シート610は、調湿シート1と同様の構成であって、顆粒状の調湿材612を外装シート部611で包含してなる。そのサイズは調湿シート1と同じであっても良いが、この場合、畳一枚分にわたり複数個敷き詰める必要があるので、作業上の効率を考慮して、調湿畳600の面積に合わせて大型のサイズで形成してもよい。
[実施の形態6]
図11(a)に示すように、調湿コンテナ700は直方体状の折り畳みコンテナ705を利用したものであって、その内部に調湿シート715を配した構成を有する。 折り畳みコンテナ705は、枠体701、側面部710、711、折り畳み側面部712、714(714は不図示)、底部716で構成される。
枠体701は長方形状に形成されており、蓋720と嵌合することによって、コンテナ内部が密閉されるようになっている。
このような構成の調湿コンテナ700は、例えば生鮮食品を収納する運搬手段として用いることができる。すなわち、予め調湿シート715を吸水状態とすることで、コンテナ内部を湿潤状態に保ち、生鮮食品を高い鮮度で維持することが可能となる。そして使用後はコンテナを折り畳むとともに調湿シート715を取り出し、調湿材の構成がPA/PVAの場合にはこれを乾燥または塩水処理、或いは調湿材の構成がPA/P-NIPAMの場合には加熱処理することによって、それぞれ元の乾燥状態に戻し、再利用することができる。
[実施の形態7]
図12(a)に示す調湿シート入りケース800は、角錐状のプラスチック製筐体801と、底蓋803の間に、実施の形態1の調湿シート1が収納された構成を持つ。
筐体801には、筐体内部と連通する帯状のスリット802a〜802nが設けてある。なお、筐体およびスリットの形状はこれに限定されない。
調湿シート1は、ここでは緩やかに幅方向に沿って折り曲げる形で筐体801の内部に収納されるようになっているが、主面を垂直方向に立てた状態で収納するようにしてもよい。
なお、筐体中に複数の調湿シートを設けると、省スペース化を図りながらさらに効果的に調湿を行うことも可能である。図12(b)に示す調湿シート入りケース900では、筐体901の内部と底蓋903の表面に把持部910、911をそれぞれ設け、これによって複数の調湿シート1を垂直方向に把持して配設する構成となっている。筐体901には前記802a〜802nと同様のスリットが設けられている。本実施の形態7では、このような構成に工夫することによって、省スペース化を図りながらも高い調湿効果を実現することが可能である。
[その他の事項]
2、401、611 外装シート部
10、402、502、612 調湿材
11 空洞
50 3次元構造体骨格
100 ポリアクリル酸ナトリウム(PA)
101 架橋部分
110 格子
120 水溶性高分子(ポリビニルアルコール;PVA)
130 水溶性高分子(ポリイソプロピルアクリルアミド;P-NIPAM)
200 小さい水塊
300 衣類(作業用上着)
400 苗ポット
500 調湿ガラス
501 透水性樹脂フィルム
600 調湿畳
700 折り畳みコンテナ
800、900 調湿シート入りケース
Claims (10)
- 吸水性高分子が架橋してなる3次構造体骨格に対し、水溶性高分子が当該骨格内部に導入された構成を備えることを特徴とする調湿材。
- 前記吸水性高分子は、ポリアクリル酸塩或いはポリアクリル酸塩ーポリビニルアルコール共重合体を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の調湿材。
- 前記水溶性高分子は、ポリビニルアルコールまたはポリイソプロピルアクリルアミドの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の調湿材。
- 前記ポリビニルアルコールの分子量範囲は500以上20000以下であり、
前記ポリイソプロピルアクリルアミドの分子量範囲は1000以上30000以下であって、
前記吸水性高分子に対するポリビニルアルコールおよびポリイソプロピルアクリルアミドの導入量は、それぞれ前記調湿材全体で1質量%以上質量30%以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の調湿材。 - 前記3次構造体骨格をなす吸水性高分子の架橋率は、0.5%以上5%以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の調湿材。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の調湿材が、透水性シート部材で包含されてなる構成を備えることを特徴とする調湿シート。
- 吸水性高分子からなる3次構造体骨格に対し、ポリビニルアルコールが当該骨格内部に導入された構成を備える調湿材の調湿方法であって、
前記調湿材に吸水させる吸水ステップと、
前記吸水ステップ後に、吸水させた前記調湿材に0.01M以上3M以下の濃度の塩化ナトリウム溶液を添加し、その浸透圧勾配により排水調節する排水ステップと
を経ることを特徴とする調湿材の調湿方法。 - 吸水性高分子からなる3次構造体骨格に対し、ポリビニルアルコールからなる水溶性高分子が当該骨格内部に導入された構成を備える調湿材の調湿方法であって、
前記調湿材に吸水させる吸水ステップと、
前記吸水ステップ後に、前記骨格中に侵入した水分により前記水溶性高分子を膨潤させ、骨格中の水分を当該骨格の外部へ排水調節する排水ステップと
を経ることを特徴とする調湿材の調湿方法。 - 吸水性高分子からなる3次構造体骨格に対し、ポリイソプロピルアクリルアミドからなる水溶性高分子が当該骨格内部に導入された構成を備える調湿材の調湿方法であって、
前記調湿材に吸水させる吸水ステップと、
前記吸水ステップ後に、加熱処理によりポリイソプロピルアクリルアミドの脱水処理を行うことで排水調節する排水ステップと
を経ることを特徴とする調湿材の調湿方法。 - 前記吸水性高分子はポリアクリル酸ナトリウムまたはポリアクリル酸ナトリウムーポリビニルアルコール共重合体であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の調湿材の調湿方法。
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