JP2005270746A - 重金属を含有する土壌の処理方法 - Google Patents

重金属を含有する土壌の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 砒素などの重金属を含有する土壌の加熱処理の際に腐食性ガスが発生するのを抑制し且つ加熱処理後にさらに不溶化処理を行わなくても十分に砒素などの重金属を不溶化または重金属の溶出を抑制することができる、重金属を含有する土壌の処理方法を提供する。
【解決手段】 砒素、鉛、カドミニウムなどの重金属を含有する土壌に、三酸化二鉄、三水酸化鉄またはこれらの化合物などの硫酸根を含まない3価鉄化合物などの鉄化合物を添加して混合した後、200〜700℃の温度に加熱する。処理対象となる土壌は、砒素などの重金属の他に有機化合物などの揮発性汚染物質を含んでもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、砒素などの重金属を含有する土壌の処理方法に関する。
従来、砒素などの重金属や有機化合物などにより汚染された土壌の処理方法として、様々な処理方法が知られている。例えば、油性物質、シアン化合物、水銀などの揮発性物質とともに毒性が強い砒素などにより汚染された複合汚染土壌を処理する方法として、複合汚染土壌を加熱処理することにより揮発性汚染物質を除去する処理操作と、複合汚染土壌に鉄粉を均一に添加して砒素などを不溶化する処理操作を併用する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、砒素やセレンなどの重金属を含む焼却灰を処理する方法として、砒素などを含む焼却灰に2価鉄化合物や3価鉄化合物などの鉄化合物の溶液を添加して混練した後に所定期間放置することにより、あるいはその放置後に加熱処理してさらにアルカリ土類金属化合物を添加することにより、焼却灰に含まれる砒素などの重金属を不溶化する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、重金属及び/又はシアン化合物による汚染土壌を処理する方法として、重金属及び/又はシアン化合物により汚染された土壌に水溶性の鉄塩及び/又は銅塩を添加混合する第1工程と、この第1工程で処理した土壌を加熱処理する第2工程とからなる方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000―157961号公報(段落番号0008−00011) 特開2003−175370号公報(段落番号0005−0006) 特開平11−646号公報(段落番号0006−0007)
しかし、土壌に含まれる砒素などの重金属を不溶化するために土壌中に鉄粉や鉄化合物を添加した後に、油、農薬、揮発性有機化合物(VOC)などの揮発性汚染物質を除去するために加熱処理を行うと、中性から酸性領域では砒素などの重金属を不溶化することができるが、アルカリ性領域では砒素などの重金属が溶出する場合がある。そのため、特許文献2に開示された方法では、酸性からアルカリ性の幅広いpH領域において砒素などの重金属を不溶化できるように、加熱処理後にアルカリ土類金属化合物を添加する工程が必要になり、処理コストが増大し、処理時間も長くなる。また、特許文献1に開示された方法において加熱処理後に不溶化処理を行う場合には、重金属が溶出した土壌を保管するために施設を建設する必要があり、コストが増大する。さらに、特許文献3に開示された方法において不溶化剤として硫酸鉄を使用する場合には、pHが酸性側になり、不溶化処理後に中和処理が必要になる場合がある。
また、土壌中に通常含まれる量の砒素などの重金属は、自然界では安定な形態になるため、溶出されることはなく、特別な条件がない限り汚染物質にならないが、揮発性汚染物質を除去するために土壌を加熱すると、加熱前に溶出しなかった砒素などの重金属が、加熱時の化学反応によって溶出してしまうことがある。そのため、砒素などの重金属を不溶化するために、加熱処理後の土壌に不溶化剤を添加する必要がある。
また、砒素などの重金属を含む土壌を加熱処理した後に、不溶化剤としてポリ鉄などの鉄系材を添加して砒素などの重金属を不溶化すると、腐食性ガスが発生し、土壌浄化用熱処理プラントの鉄材が腐食するという問題がある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、砒素などの重金属を含有する土壌の加熱処理の際に腐食性ガスが発生するのを抑制し且つ加熱処理後にさらに不溶化処理を行わなくても十分に砒素などの重金属を不溶化することができる、重金属を含有する土壌の処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、砒素などの重金属を含有する土壌に、実質的に硫酸根を含まない鉄化合物を不溶化剤として添加して混合した後、加熱処理を行うことにより、腐食の原因となるSOx系ガスなどの腐食性ガスが加熱処理の際に発生するのを抑制し且つ加熱処理後にさらに不溶化処理を行わなくても十分に砒素などの重金属を不溶化または重金属の溶出を抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による重金属を含有する土壌の処理方法は、重金属を含有する土壌に、、実質的に硫酸根を含まない鉄化合物を添加して混合した後、加熱処理を行うことを特徴とする。この土壌の処理方法において、硫酸根を含まない鉄化合物が、非水溶性の鉄化合物であるのが好ましい。また、硫酸根を含まない鉄化合物が、3価鉄化合物であるのが好ましく、三酸化二鉄、三水酸化鉄、Fe(OH)、FeO、FeOOHおよびこれらの化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物であるのがさらに好ましい。また、重金属が砒素、鉛およびカドミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの重金属であるのが好ましい。なお、本発明による重金属を含有する土壌の処理方法によって処理される土壌は、油または有機ハロゲン化合物を含有してもよい。
なお、本明細書中において、「実質的に硫酸根を含まない鉄化合物」とは、不溶化剤(不溶化機能を有する薬剤)として使用する鉄化合物を製造する段階で硫酸根を不純物程度しか含まない鉄化合物をいい、具体的には、不溶化剤として使用する鉄化合物5重量%程度を土壌100gに添加して混合した後に加熱処理した際にSOx系ガスの発生量が(排ガス処理前に)500ppm以下になる鉄化合物をいう。また、「非水溶性の鉄化合物」とは、大気圧下において25℃(常温)の純水と混合した際に目視できる程度の澱物を生じる鉄化合物をいう。
本発明によれば、砒素などの重金属を含有する土壌の加熱処理の際に腐食性ガスが発生するのを抑制し且つ加熱処理後にさらに不溶化処理を行わなくても十分に砒素などの重金属を不溶化または重金属の溶出を抑制することができる。
本発明による重金属を含有する土壌の処理方法の実施の形態では、砒素などの重金属を含有する土壌に、硫酸根を含まない鉄化合物を添加して混合した後、加熱処理を行うことにより、加熱処理の際に腐食性ガスが発生するのを抑制し且つ加熱処理後にさらに不溶化処理を行わなくても十分に砒素などの重金属を不溶化または重金属の溶出を抑制することができる。加熱処理後に十分に砒素などの重金属を不溶化または重金属の溶出を抑制することができる理由は明らかではないが、硫酸根を含まない鉄化合物を含む土壌を加熱処理すると、土壌中のpHが調整され、砒素が溶出しない土壌になると考えられる。
処理する土壌は、含水率が低い土壌でも、スラリー状のような含水率が高い土壌でもよく、粘土質、砂質またはこれらを混合した土壌のいずれでもよい。砒素以外の重金属として、鉛、水銀、クロム、カドミニウムなどを含む土壌でもよい。
不溶化剤として土壌中に添加する鉄化合物は、化合物の状態または分解した状態で3価の鉄となるような3価鉄化合物であるのが好ましく、例えば、三酸化二鉄(Fe)、三水酸化鉄(Fe(OH))、これらの化合物(Fe・nCaO)などが挙げられる。また、FeOを使用することも可能であると考えられる。特に、非水溶性の鉄化合物であれば、土壌に混合した際に土壌の含水との反応がなく、水分の影響を受けないので好ましい。
不溶化剤として土壌中に添加する鉄化合物の量は、土壌中の砒素の濃度や鉄化合物の種類によって適宜設定すればよい。酸化鉄などを使用する場合には、過剰に添加してもよいが、コストの削減や工期の短縮のためになるべく少量である方が望ましい。三酸化二鉄(Fe)を添加する場合には、その添加量は、土壌中から溶出する砒素0.01mg/Lに対して0.1〜1重量%程度、鉛0.01mg/Lに対して0.4〜4重量%程度がよい。
鉄化合物の混合比は、加熱処理後の土壌のpHを制御するように決定され、加熱処理後の土壌のpHが好ましくは6.0〜8.6、さらに好ましくは6.5〜8.0、最も好ましくは7.0〜8.0の範囲になるように決定すればよい。なお、土壌のpHは、土壌に水を加えた懸濁液のpHであり、土壌に対する水の比率を国際土壌学会(1930年)で決定された比率にして測定することができ、pH(HO)のように表記される。この方法は、土壌の重量に対する水の重量が1:2.5になるように土壌に水を加え、かき混ぜ、あるいは振り混ぜて、1時間以上放置した後、測定前に軽くかき混ぜて懸濁状態とし、ガラス電極の薄膜球部を静かに液中に浸し、30秒間以上経過してpH計の表示が安定した後にpHを読み取る方法であり、pHを小数点以下1桁の数値とする。
不溶化剤として水酸化鉄を使用する場合には、市販の水酸化鉄を使用することができるが、生成した塩が不安定になったり加熱時に変化し易くなるのを防止するために、酸とアルカリの中和反応により生成した水酸化鉄を使用するのが好ましい。加熱処理前に水酸化鉄を加えてもよいし、土壌に酸とアルカリを添加して土壌と混ぜながら水酸化鉄を生成させてもよい。
加熱雰囲気および加熱温度は、添加する鉄化合物に種類や量によって適宜設定すればよい。Feの場合は、加熱雰囲気は大気雰囲気でよく、特別な制御を必要としない。また、加熱温度は、200〜700℃がよく、好ましくは300〜500℃である。加熱処理後の冷却は、大気中などに放置することによって行い、自然冷却でもよい。
このように、本発明によれば、土壌を焼却処理した場合であっても、その土壌から砒素などの重金属の溶出がなく、砒素などの重金属により汚染されていない土壌を得ることができる。
処理前には砒素などの重金属が溶出しないが他の汚染物質を加熱により浄化処理しなければならなくなった土壌などでは、加熱処理すると砒素などの重金属が溶出される可能性があるため、さらに砒素などの重金属の不溶化処理が必要であるが、本発明による土壌の処理方法では、その不溶化処理が不要となる。例えば、有機塩素化合物など、砒素などの重金属以外の物質により汚染された土壌を加熱処理した際にも、砒素などの重金属の溶出を抑制し、不溶化処理が不要であるため、処理コストを極めて低くすることができ且つ工期も短縮することができる。
以下、本発明による重金属を含有する土壌の処理方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
砒素および鉛を含む土壌として、4mg/kgの砒素と20mg/kgの鉛を含有し、環境庁告示第46号の土壌の溶出試験に基づいた砒素の溶出値が(土壌100gにつき)0.01mg/L、鉛の溶出値が(土壌100gにつき)0.007mg/Lであり、pH8.3の土壌を使用して、以下の試験を行った。
まず、硫酸根を含まない3価鉄化合物からなる不溶化剤(主成分Fe・HO、pH7.5〜8.5、褐色粉末)を用意し、この不溶化剤5.0重量%を上記の土壌300gに添加し、スプーンで混合し、厚さ約20mmになるようにパッドに広げた。この土壌を加熱炉(ボックス炉)に入れ、流量5L/分で空気を流しながら温度500℃で60分間保持して加熱した。
このように加熱処理した土壌について、砒素および鉛の溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.001mg/L未満、鉛の溶出値は0.006mg/L、pHは7.1であり、砒素の溶出値を溶出基準である0.01mg/L以下にすることができた。
[実施例2]
土壌に添加する不溶化剤の量を2.0重量%にした以外は実施例1と同様の方法により土壌を処理し、砒素および鉛の溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.002mg/L、鉛の溶出値は0.005mg/L未満、pHは7.2であった。
[実施例3]
土壌に添加する不溶化剤の量を1.0重量%にした以外は実施例1と同様の方法により土壌を処理し、砒素および鉛の溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.005mg/L、鉛の溶出値は0.005mg/L未満、pHは7.4であった。
[実施例4]
土壌に添加する不溶化剤の量を0.2重量%にした以外は実施例1と同様の方法により土壌を処理し、砒素および鉛の溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.020mg/L、鉛の溶出値は0.005mg/L未満、pHは7.8であった。この実施例では、砒素の溶出値を多少減少させることができたが、不溶化剤の量が十分でないため、砒素の溶出基準である0.01mg/L以下にすることができなかった。
[比較例1]
土壌に不溶化剤を添加しなかった以外は実施例1と同様の方法により土壌を処理し、砒素および鉛の溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.024mg/L、鉛の溶出値は0.007mg/L、pHは8.9であった。この結果から、実施例1〜4で使用した不溶化剤を添加しない場合には、砒素の溶出を低減させることができないことがわかる。
実施例1〜4および比較例1の結果を表1および図1に示す。表1および図2から、加熱処理温度が500℃の場合には、砒素の溶出基準0.01mg/L以下にするためには、不溶化剤の量を0.5重量%以上にすることが必要であると推定される。
Figure 2005270746
[実施例5]
加熱処理温度を700℃にした以外は実施例1と同様の方法により土壌を処理し、砒素および鉛の溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.003mg/L、鉛の溶出値は0.005mg/L未満、pHは9.4であった。
[実施例6]
土壌に添加する不溶化剤の量を2.0重量%にした以外は実施例5と同様の方法により土壌を処理し、砒素および鉛の溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.015mg/L、鉛の溶出値は0.005mg/L未満、pHは9.8であった。
[実施例7]
土壌に添加する不溶化剤の量を1.0重量%にした以外は実施例5と同様の方法により土壌を処理し、砒素および鉛の溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.029mg/L、鉛の溶出値は0.005mg/L未満、pHは9.9であった。
[実施例8]
土壌に添加する不溶化剤の量を0.5重量%にした以外は実施例5と同様の方法により土壌を処理し、砒素および鉛の溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.040mg/L、鉛の溶出値は0.005mg/L未満、pHは10.0であった。
[実施例9]
土壌に添加する不溶化剤の量を0.2重量%にした以外は実施例5と同様の方法により土壌を処理し、砒素および鉛の溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.061mg/L、鉛の溶出値は0.005mg/L未満、pHは10.1であった。
[比較例2]
土壌に不溶化剤を添加しなかった以外は実施例5と同様の方法により土壌を処理し、砒素および鉛の溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.091mg/L、鉛の溶出値は0.005mg/L未満、pHは10.1であった。この結果から、実施例5〜9で使用した不溶化剤を添加しない場合には、砒素の溶出を低減させることができないことがわかる。
実施例5〜9および比較例2の結果を表2および図2に示す。表2および図2から、加熱処理温度が700℃の場合には、砒素の溶出基準0.01mg/L以下にするためには、不溶化剤の量を約3.0重量%以上にすることが必要であると推定される。
Figure 2005270746
[実施例10]
砒素および鉛を含む土壌として、4mg/kgの砒素と20mg/kgの鉛と0.5mg/kg未満のCNを含有し、環境庁告示第46号の土壌の溶出試験に基づいた砒素の溶出値が(土壌100gにつき)0.01mg/L、CNの溶出値が(土壌100gにつき)0.1未満mg/Lであり、pH8.3の土壌を使用して、以下の試験を行った。
まず、上記の土壌200gに不溶化剤として5.0重量%の酸化鉄(Fe)を添加し、混合機で混合し、厚さ約20mmになるようにパッドに広げた。この土壌を加熱炉(ボックス炉)に入れ、流量5L/分で空気を流しながら温度500℃で60分間保持して加熱した。このように加熱処理した土壌について、砒素およびCNの溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.006mg/L、CNの溶出値は0.1mg/L未満、pHは7.1であり、砒素の溶出値を溶出基準である0.01mg/L以下にすることができた。また、炉から雰囲気ガスを採取して赤外分光測定機で測定したところ、亜硫酸ガスの発生はなかった。これは、不溶化剤の主成分がFeであるため、加熱処理によって変質しないためであると考えられる。
[実施例11]
硫酸鉄と苛性ソーダを混合した後に濾過して生成したFe(OH)を不溶化剤として使用した以外は実施例10と同様の方法により土壌を処理し、砒素およびCNの溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.008mg/L、CNの溶出値は0.1mg/L未満、pHは7.5であり、砒素の溶出値を溶出基準である0.01mg/L以下にすることができた。また、実施例10と同様の方法により雰囲気ガスを測定したところ、亜硫酸ガスの発生はなかった。
[比較例3]
不溶化剤としてポリ鉄(Fe(SO)を使用した以外は実施例10と同様の方法により土壌を処理し、砒素およびCNの溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.008mg/L、CNの溶出値は0.1mg/L未満、pHは4.8であり、砒素の溶出値を溶出基準である0.01mg/L以下にすることができた。しかし、pHが低過ぎて、さらに安定化させるためにアルカリ中和が必要になる可能性がある。また、実施例10と同様の方法により雰囲気ガスを測定したところ、SOxガスが500ppm発生していた。
[比較例4]
土壌に不溶化剤を添加しなかった以外は実施例10と同様の方法により土壌を処理し、砒素およびCNの溶出値とpHを測定したところ、砒素の溶出値は0.025mg/L、CNの溶出値は0.1mg/L未満、pHは8.9であり、砒素の溶出値を溶出基準である0.01mg/L以下にすることができなかった。また、実施例10と同様の方法により雰囲気ガスを測定したところ、亜硫酸ガスの発生はなかった。
実施例10、11および比較例3、4の結果を表3および図3に示す。
Figure 2005270746
実施例1〜4および比較例1において不溶化剤の添加量に対する砒素の溶出量を示すグラフである。 実施例5〜9および比較例2において不溶化剤の添加量に対する砒素の溶出量を示すグラフである。 実施例10、11および比較例3、4において砒素の溶出量を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 重金属を含有する土壌に、実質的に硫酸根を含まない鉄化合物を添加して混合した後、加熱処理を行うことを特徴とする、重金属を含有する土壌の処理方法。
  2. 前記鉄化合物が非水溶性の鉄化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の重金属を含有する土壌の処理方法。
  3. 前記鉄化合物が3価鉄化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の重金属を含有する土壌の処理方法。
  4. 前記3価鉄化合物が、三酸化二鉄、三水酸化鉄およびこれらの化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物であることを特徴とする、請求項3に記載の重金属を含有する土壌の処理方法。
  5. 前記重金属が砒素、鉛およびカドミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの重金属であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の重金属を含有する土壌の処理方法。
  6. 前記土壌が油または有機ハロゲン化合物を含有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の重金属を含有する土壌の処理方法。

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